JP2009010004A - 積層プリント基板とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品実装が可能であり、高周波特性が良く高速伝送に適したインピーダンス制御配線層にて信号の入出力間を配線可能な多層プリント基板の提供。
【解決手段】電子部品が実装可能な3層以上の積層プリント基板において、少なくとも2種の異なる特性の絶縁材料を用いて作製された、電子部品を実装可能な部品実装配線層と、特性インピーダンスを制御した設計のインピーダンス制御配線層とを有し、これらの層間導通として、絶縁層に穿設した穴に銅ボールを入れて該絶縁層の表裏両面に銅箔を配置して加圧し銅ボールを押しつぶすことで得られるフィルドビアを有することを特徴とする積層プリント基板。
【選択図】図3

Description

本発明は、多層のプリント配線板に関し、特に、層間導通手段として、銅ボールを用いたフィルドビアを有し、少なくとも2種以上の異なる絶縁材料によって構成した層を有する積層プリント基板とその製造方法に関する。
電子機器の小型化、軽量化、高機能化の要求に伴い、製品内部のわずかなスペースに複数の基板を3次元的に組み込む必要がある。そのためには、基板間の電気信号の接続を小スペースで行わなければならないが、高機能化のためには、信号の高速化にも対応する必要があり、高周波特性に優れた基板が求められる。また、小さなスペースに多くの種類の部品を実装すれば、接続配線が複雑化し、配線数も増えるため、微細なパターンの形成が可能で、複数の層で配線が可能な多層化技術が求められる。
先ず、多層化と層間導通については、例えば多層基板を製造する方法として、特許文献1に開示されているように、積層した層間導通が必要な部分に穴を開け、その穴を埋めるようにめっきを施してビアフィルめっきを形成する技術が既存技術として知られている。この場合、銅パターンに銅めっきを施すため、同一金属による金属結合で低抵抗の層間導通を形成できる。しかし、この工程は、めっきで穴を埋めるために長い時間を要し、更には層間導通を形成する以外の部分の銅箔にも、めっきが形成されるため、その分銅箔が厚くなってしまう問題があり、回路形成を行う際に微細化の阻害要因となる。
また、フィルドビアで層間導通を実現する方法としては、特許文献2に開示されているように、層間導通を行う箇所に導電性物質を充填し、加熱・加圧することで形成する方法も提案されている。この場合、めっきによる穴埋めではないため、層間導通部分以外の銅箔厚が厚くなることはない。しかし、導電性物質を加熱・加圧して硬化し、導通を確保するためには、金属とそれ以外のコンパウンドを混練する必要があり、電気的な接続の意味で、銅−銅の金属接合より抵抗値が高く、機械的強度の点からも、金属同士のみの結合より強度が低い問題がある。以上より、層間導通は、銅−銅同士の金属結合による方法が、電気的にも機械的にも望ましく、しかもめっきを用いずにビアフィルめっきが実現できれば、回路の微細化の妨げにならず、優れていると言える。
これを達成するための層間導通技術として、例えば、特許文献3に開示された銅ボールを用いた層間導通方法が提案されている。この方法では、絶縁層に熱可塑性樹脂を用い、層間導通を形成する箇所に予め穴加工し、そこに銅ボールを挿入した後、表面と裏面に銅箔を配置して、加熱・加圧することで、銅ボールが変形して銅箔に対して押しつけられることで、新生面が発生し、金属結合が得られるものであり、銅−銅の強固な結合と低抵抗のフィルドビアを、めっきを用いずに実現するものである。なお、該銅ボールによる層間導通部の形成は、以下、CBIC(Copper Ball Interconnection Co-laminated)と呼ぶ。
図1に、CBICを用いたフィルドビアの両面基板の製造方法を示す。まず、両面に熱可塑剤もしくは接着剤が塗布された絶縁層1に、ドリルやYAGレーザ、COレーザ等で銅ボール2を嵌め込むためのスルーホール5を形成する(図1(a)参照)。
次に、該絶縁層1の片側面からエア吸引しつつ、その反対側面から該スルーホール5に該銅ボール2を嵌め込む(図1(b)参照)。
その後、該絶縁層1を図1(c)に示すように、二枚の銅箔3,4で挟み、真空プレスにて加熱・加圧する。これにより該絶縁層1の該スルーホール4内は、図1(d)に示すように、該銅ボール2と該銅箔3,4とが金属結合で接続されたフィルドビア6が形成され、これによって表裏両面の銅箔3,4が接続された両面基板7が作製される。
一方、プリント基板における高周波特性に関しては、特性インピーダンスの整合と、誘電損の低減化を考慮すべきである。これは、配線の特性インピーダンスを制御することで、信号出力源の出力インピーダンスと配線、および配線と受信側の入力インピーダンスを整合させることができ、インピーダンスの不整合による反射の発生を避ける事ができる。配線の特性インピーダンスを制御する方法としては、ストリップラインやマイクロストリップラインが良く知られている(例えば、非特許文献1参照。)。ストリップラインは、適切な幅の銅パターンの周囲を適切な比誘電率の絶縁体で囲み、上下の面を導体層にして電位をグランドにすれば良く、プリント基板上の回路形成にて実現可能である。
図2に、プリント基板においてストリップラインを構成した例を示す。図2中、符号10は絶縁層、30及び31はグランド銅箔、32は信号線銅箔である。この場合、特性インピーダンスZは、絶縁層厚H、絶縁層の比誘電率εr、信号線厚T、信号線幅Wで決定され、下記の式(1)で表される。
Figure 2009010004
また、誘電損は、周波数に依存することが分かっており、高周波になれば、より損失が大きくなるため、考慮の必要が生じるが、絶縁層として液晶ポリマーなどの比誘電率が低い材料を用いることで、対応する基板構造が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開2004−119758号公報 特開2003−92471号公報 特開2006−119758号公報 「プリント配線技術読本」,伊藤謹司編著,日刊工業新聞社(ISBN4-526-02527-5) 特許第3816038号公報
前述した通り、高機能な製品を小さなスペースで実現するための基板技術としては、微細な回路形成が可能であり、銅−銅の金属結合による層間導通を形成でき、多層化が可能で、インピーダンス制御を考慮し、比誘電率が低い絶縁材料を適用可能な基板であることが望ましい。更に言えば、インピーダンス整合の意味から、信号出力源とインピーダンス制御された配線の接続、インピーダンス制御された配線と受信側接続を極力短くして、それらの出入力デバイスをインピーダンス制御された配線近くに実装するべきであり、比誘電率が低く、インピーダンス制御が可能で、かつ部品実装が可能な基板であることが望ましい。
しかし、これまで、銅−銅の金属結合による層間導通を用いて異なる種類の絶縁層を積層した基板構造は提案されていない。また、比誘電率が低い材料の代表的な基板材料として、液晶ポリマー(LCP)があるが、高温時に軟化するために部品実装ができない問題があり、部品実装を行う部品には適用されていない。更に言えば、高周波特性が求められる配線層に比誘電率が低い絶縁材料を用い、部品実装が必要な配線層にポリイミドなど耐熱性が高い絶縁材料を用い、これらを銅ボールによる層間導通によって積層する方法は示されていない。加えて、高周波特性が求められる信号配線層にストリップラインなどのインピーダンス制御された配線層を形成した構造は提案されていない。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、電子部品の実装が可能であり、高周波特性が良く高速伝送に適したインピーダンス制御配線層にて信号の入出力間を配線可能な、フィルドビアの層間導通を形成した多層プリント基板の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、電子部品が実装可能な3層以上の積層プリント基板において、
少なくとも2種の異なる特性の絶縁材料を用いて作製された、電子部品の実装が可能な部品実装配線層と、特性インピーダンスを制御した設計のインピーダンス制御配線層とを有し、これらの層間導通として、絶縁層に穿設した穴に銅ボールを入れて該絶縁層の表裏両面に銅箔を配置して加圧し銅ボールを押しつぶすことで得られるフィルドビアを有することを特徴とする積層プリント基板を提供する。
本発明の積層プリント基板において、部品実装配線層の絶縁層の耐熱温度が、インピーダンス制御配線層の絶縁層の耐熱温度よりも高いことが好ましい。
本発明の積層プリント基板において、インピーダンス制御配線層の絶縁層の比誘電率が、部品実装配線層の絶縁層の比誘電率よりも低いことが好ましい。
本発明の積層プリント基板において、部品実装配線層の絶縁層の耐熱温度が、インピーダンス制御配線層の絶縁層の耐熱温度よりも高く、且つインピーダンス制御配線層の絶縁層の比誘電率が、部品実装配線層の絶縁層の比誘電率よりも低いことが好ましい。
本発明の積層プリント基板において、インピーダンス制御配線層にストリップライン構造を有し、該構造で特性インピーダンスを制御したことが好ましい。
本発明の積層プリント基板において、インピーダンス制御配線層にマイクロストリップライン構造を有し、該構造で特性インピーダンスを制御しても良い。
本発明の積層プリント基板において、表裏両面側に部品実装配線層を有し、インピーダンス制御配線層にストリップライン構造を有する4層以上の前記積層プリント基板であることが好ましい。
また本発明は、電子部品が実装可能な3層以上の積層プリント基板の製造方法において、少なくとも2種の異なる特性の絶縁材料を用い、それぞれの絶縁材料にて、電子部品の実装が可能な部品実装配線層と、特性インピーダンスを制御した設計のインピーダンス制御配線層とを有し、これらの層間導通として、絶縁層に穿設した穴に銅ボールを入れて該絶縁層の表裏両面に銅箔を配置して加圧し銅ボールを押しつぶすことで得られるフィルドビアを形成した積層プリント基板を得ることを特徴とする積層プリント基板の製造方法を提供する。
本発明の積層プリント基板によれば、電子部品の実装が可能であり、高周波特性が良く高速伝送に適したインピーダンス制御配線層にて信号の入出力間を配線可能な、フィルドビアの層間導通を形成した基板を構成できる。
また、コンバウンドなどの導電性ではない介在物質を含まない銅だけのブラインドビアを銅−銅の金属結合にて配線と接続できるため、機械的強度も強く、電気的抵抗が低い層間導通を得ることができる。
また、液晶ポリマー等の低誘電率の絶縁材料が、ポリイミドなどの部品実装可能な絶縁材料より耐熱性が劣ることで、高周波特性と部品実装が両立できない問題を解決できる。 更には層構成として、低誘電率の絶縁材料にて構成した、インビーダンス制御された配線層を有するため、高周波特性に優れた配線にて電子部品の入出力間を接続することが可能である。
本発明の積層プリント基板の製造方法は、めっきが不要であり、サブトラクティブ法にて回路形成する際に障害となるめっきによる銅箔厚の増加が発生せず、液ものラインの管理も不要であるので、前述した高性能の積層プリント基板を簡単且つ安価に製造できる。
本発明は、CBIC技術を用いた銅ボールによるフィルドビアの層間導通を応用した多層プリント基板であり、好ましくは、絶縁層として半田付けやリフローに耐える耐熱性が高い絶縁材料で形成することで部品実装が可能な部品実装配線層と、絶縁層として比誘電率が低い材料を用いてインピーダンス制御されたインピーダンス制御配線層をCBIC技術で積層するものである。
図3は、本発明の多層プリント基板の一実施形態を示す断面図である。本実施形態の多層プリント基板は、部品を実装することが可能な耐熱性、耐リフロー性が十分な熱可塑性ポリイミドなどの絶縁材料13を用いた部品実装配線層51と、比誘電率が低い熱可塑性の絶縁材料11,12を用いたインピーダンス制御配線層52とを積層してなり、CBIC技術を用いて形成したフィルドビア33によって層間導通を行う構造になっている。
本実施形態において、部品実装配線層51は、表層の銅箔配線にて、部品実装用パッドと必要な配線(表層銅箔パターン34)が回路形成されている。
また、インピーダンス制御配線層52には、ストリップラインが形成され、インピーダンス制御配線層52の層構成の中心に信号線銅箔が適切な間隔にて形成されており、比誘電率の低い絶縁層11,12を介してグランド電位となる銅箔層31,32が形成されている。
本実施形態の多層プリント基板は、高周波特性や高速伝送が求められる配線部分はインピーダンス制御配線層52にて配線することで、反射が少ない低損失の配線で接続することが可能であり、その両端に接続するICや電子部品等の信号出力パッド及び信号入力パッドとフィルドビア33を介して短距離で配線することが可能である。
また、部品実装配線層51は、部品実装が可能なポリイミド等の絶縁材料を用いて構成しているため、液晶ポリマーのような耐熱性が低い材料を用いる場合とは異なり、電子部品を実装する際にも問題がない。
本実施形態の多層プリント基板は、めっきを用いずにフィルドビアの層間導通を形成した基板を構成でき、めっきによる銅箔厚の増加にてサブトラクティブ法によって回路形成する際にファイン化の妨げとなることを発生させず、液ものラインを使用しないため薬液管理が不要であり、かつ、高周波特性、高速伝送特性に優れた配線層を有しつつ、部品実装が可能な基板を構成できる。
図4は、CBICの技術を用いた本発明の多層プリント基板の製造プロセスの一例を、工程順に示す断面図である。
本例では、まず、インピーダンス制御配線層52の絶縁層として適切な液晶ポリマー等の低誘電率絶縁材料であり、熱可塑剤もしくは接着剤が塗布された絶縁層11を銅箔41,42で挟み(図4(a))、真空プレスにて加熱・加圧し(図4(b))、その後、インピーダンス制御配線層の信号配線となる部分を残すよう、回路形成を行う(図4(c))。
次に、同じくインピーダンス制御配線層52の絶縁層として適切な液晶ポリマー等の低誘電率絶縁材料であり、熱可塑剤もしくは接着剤が塗布された絶縁層12を用意し、ドリルやYAGレーザ、COレーザ等で銅ボール21を嵌め込むためのスルーホールを形成する。このスルーホールに絶縁層12の片側面からエア吸引しつつ、その反対側面から該スルーホールに該銅ホール21を嵌め込む。この状態で、既に回路形成が完了した絶縁層11からなる基板と位置合わせして銅箔43で挟み(図4(d))、真空プレスにて、加熱・加圧する(図4(e))。その後2回目の回路形成を行い、インピーダンス制御配線層が完成する(図4(f))。
このインピーダンス制御配線層に部品実装配線層を積層するため、部品実装配線層の絶縁層13としては、ポリイミド等の低誘電率絶縁材料が用いられる。熱可塑剤もしくは接着剤が塗布された絶縁層13を用意し、ドリルやYAGレーザ、COレーザ等で銅ボール22を嵌め込むためのスルーホールを形成する。このスルーホールに絶縁層12の片側面からエア吸引しつつ、その反対側面から該スルーホールに銅ボール22を嵌め込む。
この状態で、既に回路形成が完了したインピーダンス制御配線層からなる基板と位置合わせし、銅箔44で挟み(図4(g))、真空プレスにて、加熱・加圧する(図4(h))。その後3回目の回路形成を行い(図4(i))、本発明の積層プリント基板を作製する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
図4に示す製造プロセスに基づいて、本発明に係る積層プリント基板を作製した。
インピーダンス制御配線層は、表面に熱可塑剤が塗布された厚さ100μmの液晶ポリマー樹脂基材を用い、両面から厚さ12.5μmの銅箔で挟み込んで(図4(a))、真空プレスで加熱・加圧して両面銅箔の液晶ポリマー積層板を形成した(図4(b))。液晶ポリマーシートは、比誘電率が2.8〜3.2(10GHz)と低いものが市場に存在し、使用可能になる。この積層板の片面にインピーダンス制御配線層の信号配線となる回路を、感光性のドライフィルムや液状レジスト等でレジスト層を形成した後にマスクを施して紫外線で露光し、現像処理を行って必要な部分のみレジストを残し、その状態で銅箔のエッチングを行い、最後にレジストを剥離して回路形成した(図4(c))。
一方、別途表面に熱可塑剤が塗布された厚さ100μmの液晶ポリマー樹脂基材を用い、この液晶ポリマー樹脂基材にドリル、YAGレーザ、COレーザ等の穴開け加工を施して直径145μmのスルーホールを形成し、エア吸引を行いながら、これに直径150μmの銅ボール21を嵌め込んだ。これを前述の回路形成済みの基板に位置合わせして重ね、厚さ12.5μmの銅箔で挟み込んで(図4(d))、真空プレスで加熱・加圧した。これにより、スルーホールの内部が銅ボールで満たされているとともに、銅ボールと銅箔が金属結合し、フィルドビアの層間導通を形成した(図4(e))。
次に、フィルドビア33が形成された基板の表層の銅箔に対し、インピーダンス制御配線層の信号線との導通と、グランド配線との分離を行うため、感光性のドライフィルムや液状レジスト等でレジスト層を形成した後にマスクを施して紫外線で露光し、現像処理を行って必要な部分のみレジストを残し、その状態で銅箔のエッチングを行い、レジストを剥離して回路形成することで、インピーダンス制御配線層を作製した(図4(f))。
最後に、別途表面に熱可塑剤が塗布された厚さ100μmのポリイミド樹脂基材を用い、このポリイミド樹脂基材にドリル、YAGレーザ、COレーザ等の穴開け加工を施して直径145μmのスルーホールを形成し、エア吸引を行いながらこれに直径150μmの銅ボールを嵌め込んだ。熱可塑性ポリイミドは、使用温度が300〜400℃で、耐リフロー性を有するものが市場にあり使用可能である。これを前述の回路形成済みの基板に位置合わせして重ね、12,5μmの銅箔で挟み込んで(図4(g))、真空プレスで加熱・加圧することで、絶縁基材に液晶ポリマーを用いたストリップラインをインピーダンス制御配線層として有し、絶縁基材のポリイミドを用いた部品実装配線層を有する多層プリント基板を作製した。
なお、前述した各材料にて構成し、インピーダンス制御配線層の信号線幅を30μmとした場合、液晶ポリマーの比誘電率が2.9であれば、特性インピーダンスは、前述した式(1)より、約50Ωとなる。
図5に、部品実装を行った例を示す。基板の構造は図3と同じであるが、表層銅箔パターン34の実装パッドにICチップ60が実装されている。この例では、ICチップ60の配線であるアルミ配線パッド61上に半田バンプ62が形成され、半田付けによりフリップチップ実装されている。この実装方法は、半田付けに限らず、銅バンプに金めっきを施し、表層銅箔パターン上に錫めっきを施し、加圧加熱して実装する方法や、銅バンプおよび表層銅箔パターン上に金めっきを施し、超音波振動を印加して接合する超音波フリップチップ実装などを用いても良い。何れの場合も、ICチップ60を実装した表層銅箔パターン34と、インピーダンス制御配線層52内の配線とをフィルドビア33にて短い距離で接続でき、高周波特性に優れた実装基板を構成できる。
以上、図3〜図5を参照して実施例1について説明してきたが、本発明の多層プリント基板は、この実施例1にのみ限定されるものではなく、基板を構成している可撓性絶縁層および可撓性絶縁材は、熱硬化性の可撓性絶縁材に熱可塑剤が塗布された樹脂で構成してもよい。
図6は、本発明の多層プリント基板の実施例2を示す断面図である。本実施例では、インピーダンス制御配線層52の構成が、図3に示す基本構造と異なり、片側グランド層が無いマイクロストリップラインで構成したことを特徴としている。インピーダンス制御配線層52の近傍に導電物質が存在せず、インピーダンス制御配線層52から発生する電界に影響が無い場合は、マイクロストリップライン構造により、意図した設計の特性インピーダンスで線路を構成することができる。この場合、特性インピーダンスZは、次式(2)で表すことができる。
Figure 2009010004
但し、Hは絶縁層1の厚さ、Tは信号線銅箔の厚さ、Wは信号線銅箔の幅である。インピーダンス制御配線層をマイクロストリップラインにした場合、ストリップラインにする場合と比較して層構造が簡単になり、2層の絶縁層、3層の銅箔層を2回積層すれば良く、回路形成も2回で済む利点がある。
図7は、本発明の多層プリント基板の実施例3を示す断面図である。本実施例では、図3に示す基本構造の裏面側にも、部品実装配線層53を設けたことを特徴としている。また、部品実装層51,53の配線がインピーダンス制御配線層52に影響を与えることがないよう、インピーダンス制御配線層の構造として、層間にグランド層が存在するストリップライン構造を採用している。このような構造をとることにより、表面だけでなく裏面にも部品実装が可能になるため、より実装密度が高い部品実装基板を実現できる。また、表裏の層構造を対称にできるため、反りの発生を抑止する効果も期待できる。尚、この場合の特性インピーダンスは、前述したストリップラインの場合と同様である。
銅ボールを用いてフィルドビアの層間導通を形成した両面基板の製造方法を工程順に示す断面図である。 ストリップラインを例示する断面図である。 本発明の積層プリント基板の一実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A’断面図、(c)は(a)中のB−B’断面図、(d)は(a)中のC−C’断面図、(e)は(a)中のD−D’断面図、(f)は(a)中のE−E’断面図である。 本発明の積層プリント基板の製造方法の一例を工程順に示す断面図である。 実施例1で作製した積層プリント基板の部品実装状態を示す断面図である。 実施例2で作製した積層プリント基板を示し、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A’断面図、(c)は(a)中のB−B’断面図、(d)は(a)中のC−C’断面図、(e)は(a)中のD−D’断面図、(f)は(a)中のE−E’断面図である。 実施例3で作製した積層プリント基板を示し、(a)は平面図、(b)は(a)中のA−A’断面図、(c)は(a)中のB−B’断面図、(d)は(a)中のC−C’断面図、(e)は(a)中のD−D’断面図、(f)は(a)中のE−E’断面図である。
符号の説明
11〜13…絶縁層、30,31…グランド銅箔、32…信号線銅箔、33…フィルドビア、34…表層銅箔パターン、51,53…部品実装配線層、52…インピーダンス制御配線層、60…ICチップ、61…アルミ配線パッド、62…半田バンプ。

Claims (8)

  1. 電子部品が実装可能な3層以上の積層プリント基板において、
    少なくとも2種の異なる特性の絶縁材料を用いて作製された、電子部品の実装が可能な部品実装配線層と、特性インピーダンスを制御した設計のインピーダンス制御配線層とを有し、これらの層間導通として、絶縁層に穿設した穴に銅ボールを入れて該絶縁層の表裏両面に銅箔を配置して加圧し銅ボールを押しつぶすことで得られるフィルドビアを有することを特徴とする積層プリント基板。
  2. 部品実装配線層の絶縁層の耐熱温度が、インピーダンス制御配線層の絶縁層の耐熱温度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の積層プリント基板。
  3. インピーダンス制御配線層の絶縁層の比誘電率が、部品実装配線層の絶縁層の比誘電率よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の積層プリント基板。
  4. 部品実装配線層の絶縁層の耐熱温度が、インピーダンス制御配線層の絶縁層の耐熱温度よりも高く、且つインピーダンス制御配線層の絶縁層の比誘電率が、部品実装配線層の絶縁層の比誘電率よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の積層プリント基板。
  5. インピーダンス制御配線層にストリップライン構造を有し、該構造で特性インピーダンスを制御したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層プリント基板。
  6. インピーダンス制御配線層にマイクロストリップライン構造を有し、該構造で特性インピーダンスを制御したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層プリント基板。
  7. 表裏両面側に部品実装配線層を有し、インピーダンス制御配線層にストリップライン構造を有する4層以上の請求項1〜6のいずれかに記載の積層プリント基板。
  8. 電子部品が実装可能な3層以上の積層プリント基板の製造方法において、
    少なくとも2種の異なる特性の絶縁材料を用い、それぞれの絶縁材料にて、電子部品の実装が可能な部品実装配線層と、特性インピーダンスを制御した設計のインピーダンス制御配線層とを有し、これらの層間導通として、絶縁層に穿設した穴に銅ボールを入れて該絶縁層の表裏両面に銅箔を配置して加圧し銅ボールを押しつぶすことで得られるフィルドビアを形成した積層プリント基板を得ることを特徴とする積層プリント基板の製造方法。
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