JP2015088261A - リチウムイオン(Lithiumion)二次電池及びリチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン(Lithiumion)二次電池及びリチウムイオン二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ケイ素を含む負極活物質を使用し、かつ、実用的な特性に優れたリチウムイオン二次電池及びその製造方法を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ケイ素系活物質と、炭素系活物質とを含む負極活物質と、炭素系活物質のG/D比に応じて異なる構造を有するS=O化合物を含む電解液と、を備えることを特徴とする、リチウムイオン二次電池が提供される。この観点によれば、S=O化合物は、例えば充電時に他の溶媒(例えば炭酸エチレン)よりも優先的に分解し、分解生成物が負極活物質を覆う。したがって、負極活物質上での溶媒の分解が抑制される。さらに、S=O化合物の分解生成物は、リチウムイオンの負極活物質への出入りを阻害しない。したがって、リチウムイオン二次電池の電池特性が向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池及びリチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
従来のノートパソコン(Note PC)向けリチウムイオン二次電池と同様、近年のスマートフォン(Smartphone)及びスマートタブレット(Smarttablet)等の携帯機器向け、電動車両向けのリチウムイオン二次電池も更なるエネルギー(Energy)密度の向上のため、ケイ素(Silicon)系活物質及びスズ(Tin)系活物質等の金属系活物質を負極活物質に用いることが提案されている。
上記の金属系活物質は、高い比容量(mAh/g)を有するので、これらをリチウムイオン二次電池の負極活物質として使用することで、リチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化が期待される。
しかし、特にケイ素系活物質は、黒鉛活物質と異なり、充電過程でLiPF及び主溶媒である炭酸エチレン(ethylene)との(分解)反応が起こりやすい。さらに、ケイ素系活物質は、黒鉛活物質以上に充放電時の体積変化が大きいので、充放電のたびにLiPF及び炭酸エチレンとの未反応面(新生面)が生じる。したがって、充放電のたびにケイ素系活物質の新生面とLiPF及び炭酸エチレンとが反応し、LiPF及び炭酸エチレンが分解してしまう。このため、ケイ素系活物質を使用したリチウムイオン二次電池では、充放電効率が大幅に低下し、これによってサイクル(cycle)寿命が著しく悪化する。
特許文献1〜2には、上記問題を解決することを目的とした技術が開示されている。具体的には、特許文献1に開示された技術では、負極活物質を非晶質又は微結晶のケイ素薄膜で構成し、ケイ素原子と結合し易いフッ素(fluorine)原子で水素原子が置換されたカーボネート(carbonate)化合物を電解液として用いる。特許文献2に開示された技術では、負極活物質をケイ素と遷移金属とで構成し、負極活物質内部に空孔を設ける。
特開2012−38737公報 特開2012−178287公報
しかし、特許文献1、2に開示されたリチウムイオン二次電池は、サイクル寿命や貯蔵容量といった実用的な特性が依然として十分でなかった。そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ケイ素を含む負極活物質を使用し、かつ、実用的な特性に優れたリチウムイオン二次電池及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ケイ素系活物質と、炭素系活物質とを含む負極活物質と、炭素系活物質のG/D比に応じて異なる構造を有するS=O化合物を含む電解液と、を備えることを特徴とする、リチウムイオン二次電池が提供される。
この観点によれば、負極活物質は、ケイ素系活物質及び炭素系活物質を含み、電解液は、炭素系活物質のG/D比に応じて異なるS=O化合物を含む。したがって、S=O化合物は、例えば充電時に他の溶媒(例えば炭酸エチレン)よりも優先的に分解し、分解生成物が負極活物質を覆う。したがって、負極活物質上での溶媒の分解が抑制される。さらに、S=O化合物の分解生成物は、リチウムイオンの負極活物質への出入りを阻害しない。したがって、リチウムイオン二次電池の電池特性が向上する。
ここで、炭素系活物質のG/D比が2より大きい場合、電解液は、以下の化学式1〜3のいずれか1つで示される第1のS=O化合物、または第1のS=O化合物の混合物を含んでいてもよい。
Figure 2015088261
・・・(化学式1)
Figure 2015088261
・・・(化学式2)
Figure 2015088261
・・・(化学式3)
ここで、R、R’は、互いに独立して炭素数1または2の炭化水素基であり、R、R’を構成する水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよく、
、R’は、互いに独立して炭素数1または2の炭化水素基であり、かつ、互いに連結されていてもよく、R、R’を構成する水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよく、
、R’は、互いに独立して炭素数1または2の炭化水素基であり、R、R’を構成する水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよい。
この観点によれば、S=O化合物は、より効果的に溶媒の分解を抑制することができ、ひいては、リチウムイオン二次電池の電池特性が向上する。
また、炭素系活物質のG/D比が2以下の場合、電解液は、以下の化学式4または5で示される第2のS=O化合物、または第2のS=O化合物の混合物を含んでいてもよい。
Figure 2015088261

・・・(化学式4)
Figure 2015088261
・・・(化学式5)
この観点によれば、S=O化合物は、より効果的に溶媒の分解を抑制することができ、ひいては、リチウムイオン二次電池の電池特性が向上する。
ここで、R、R’のうち、いずれか一方は炭素数3以上の炭化水素基であり、他方は炭素数1または2の炭化水素基であり、R、R’を構成する水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよく、
は、炭素数1以上の炭化水素基であり、Rを構成する水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよい。
また、電解液は、ハイドロフルオロエーテル(hydro fluoro ether)を含んでいてもよい。
この観点によれば、リチウムイオン二次電池の放電容量がさらに向上する。
また、電解液は、鎖状炭酸エステル及びフルオロ(Fluoro)炭酸エチレンのうち、少なくとも一方を含んでいてもよい。
本発明の他の観点によれば、ケイ素系活物質と、炭素系活物質とを混合することで、負極活物質を作製するステップ(step)と、炭素系活物質のG/D比に基づいて、S=O化合物を選択するステップと、選択されたS=O化合物を含む電解液を作製するステップと、を含む、リチウムイオン二次電池の製造方法が提供される。
この観点によれば、負極活物質としてケイ素系活物質を使用し、かつ電池特性が向上したリチウムイオン二次電池が提供される。
以上説明したように本発明によれば、負極活物質としてケイ素系活物質を使用し、かつ電池特性が向上したリチウムイオン二次電池が提供される。
本発明の実施形態に係るリチウムイオン二次電池を示す断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[リチウムイオン二次電池の構成]
まず、図1に基づいて、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池10の構成について説明する。
リチウムイオン二次電池10は、正極20と、負極30と、セパレータ層40とを備える。リチウムイオン二次電池10の充電到達電圧(酸化還元電位)は、例えば4.3V(vs.Li/Li)以上5.0V以下、特に4.5V以上5.0V以下となる。リチウムイオン二次電池10の形態は、特に限定されない。即ち、リチウムイオン二次電池10は、円筒形、角形、ラミネート(laminate)形、ボタン(button)形等のいずれであってもよい。
正極20は、集電体21と、正極活物質層22とを備える。集電体21は、導電体であればどのようなものでも良く、例えば、アルミニウム(aluminium)、ステンレス(stainless)鋼、及びニッケルメッキ(nickel coated)鋼等で構成される。
正極活物質層22は、少なくとも正極活物質を含み、導電剤と、結着剤とをさらに含んでいてもよい。正極活物質は、例えばリチウムを含む固溶体酸化物であるが、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵及び放出することができる物質であれば特に制限されない。固溶体酸化物は、例えば、LiMnCoNi(1.150≦a≦1.430、0.45≦x≦0.6、0.10≦y≦0.15、0.20≦z≦0.28)、LiMnCoNi(0.3≦x≦0.85、0.10≦y≦0.3、0.10≦z≦0.3)、LiMn1.5Ni0.5となる。正極活物質の含有量は、正極合剤(正極活物質、結着剤、及び導電剤)の総質量に対して85質量%以上96以下質量%であること好ましく、88質量%以上94質量%以下であることが更に好ましい。正極活物質の含有量がこのような範囲のときに、電池特性(例えばサイクル寿命及び貯蔵容量)が特に向上する。
導電剤は、例えばケッチェンブラック(Ketjenblack)、アセチレンブラック(acetylene black)等のカーボンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛等であるが、正極の導電性を高めるためのものであれば特に制限されない。導電剤の含有量は、正極合剤の総質量に対して3質量%以上10質量%以下が好ましく、4質量%以上6質量%以下が更に好ましい。導電剤の含有量がこのような範囲のときに、電池特性が特に向上する。
結着剤は、例えばポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride)、エチレンプロピレンジエン(ethylene−propylene−diene)三元共重合体、スチレンブタジエンゴム(Styrene−butadiene rubber)、アクリロニトリルブタジエンゴム(acrylonitrile−butadiene rubber)、フッ素ゴム(fluororubber)、ポリ酢酸ビニル(polyvinyl acetate)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリエチレン(polyethylene)、ニトロセルロース(cellulose nitrate)等であるが、正極活物質及び導電剤を集電体21上に結着させることができるものであれば、特に制限されない。結着剤の含有量は、正極合剤の総質量に対して3質量%以上7質量%以下であることが好ましく、4質量%以上6質量%以下であることが更に好ましい。結着剤の含有量がこのような範囲のときに、電池特性が特に向上する。
正極活物質層22の密度(g/cm)は、特に制限されないが、例えば、2.0以上3.0以下であることが好ましく、2.5以上3.0以下であることが更に好ましい。正極活物質層22の密度がこのような範囲のときに、電池特性が特に向上する。なお、密度が3.0g/cmを超えると正極活物質の粒子が破壊されてしまい、破壊粒子間の電気的接触が損なわれる。この結果、正極活物質の利用率が低下するので、本来の放電容量が得られず、分極が起こりやすくなる。さらに、正極活物質は、設定電位以上の電位まで充電された状態となり、電解液の分解や活物質遷移金属の溶出を引き起こし、サイクル特性を低下させてしまう。このような観点からも、正極活物質層22の密度は上記範囲内であることが好ましい。なお、正極活物質層22の密度は、正極活物質層22の圧延後の面密度を正極活物質層22の圧延後の厚さで除算することで得られる。
正極活物質層22は、例えば、以下の製法により作製される。すなわち、まず、正極活物質、導電剤、及び結着剤を乾式混合することで正極合剤を作製する。ついで、正極合剤を適当な有機溶媒に分散させることで正極合剤スラリー(slurry)を形成し、この正極合剤スラリーを集電体21上に塗工し、乾燥、圧延することで正極活物質層が形成される。
負極30は、集電体31と、負極活物質層32とを含む。集電体31は、導電体であればどのようなものでも良く、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、及びニッケルメッキ鋼等で構成される。
負極活物質層32は、少なくとも負極活物質を含み、結着剤をさらに含んでいてもよい。負極活物質は、ケイ素を含むケイ素系活物質と、炭素系活物質とを含む。すなわち、本発明者は、負極活物質をケイ素系活物質のみで構成した場合、電池特性が十分に大きくならないことを見出した。そして、本発明者は、負極活物質についてさらに検討したところ、ケイ素系活物質に炭素系活物質を混合し、かつ、炭素系活物質のG/D比に応じた構造を有するS=O化合物を電解液に添加することで、電池特性が向上することを見出した。詳細な検討内容については後述する。
ケイ素系活物質は、ケイ素(原子)を含み、かつ、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵及び放出することができる物質である。ケイ素活物質としては、例えば、ケイ素単体の微粒子、ケイ素酸化物の微粒子、ケイ素を基本材料とした合金等が挙げられる。ケイ素の酸化物は、SiO(0≦x≦2)で表される。ケイ素を基本材料とする合金は、合金の総質量に対するケイ素の質量%が合金を構成する全金属元素の中でもっとも大きい合金であり、例えばSi−Al−Fe合金等が挙げられる。
一方、炭素系活物質は、炭素(原子)を含み、かつ電気化学的にリチウムイオンを吸蔵及び放出することができる物質である。炭素系活物質としては、例えば、黒鉛活物質(人造黒鉛、天然黒鉛、人造黒鉛と天然黒鉛との混合物、人造黒鉛を被覆した天然黒鉛等)等が挙げられる。
炭素系活物質は、固有のG/D比を有する。すなわち、炭素系活物質のラマンスペクトル(raman spectrum)には、2つのピーク(peak)(Gバンド(band)、Dバンド(band))が見られる。Gバンドは、1580±20cm−1の波数範囲で観測されるピークであり、Dバンドは1355±20cm−1の波数範囲で観測されるピークである。そして、G/D比は、Gバンドの面積をDバンドの面積で除算することで算出される。各ピークの面積は、例えば区分求積法によって算出されればよい。G/D比が高いほど、炭素系活物質の反応性が高い(例えばリチウムイオン二次電池の溶媒を分解しやすい)傾向がある。本発明者は、炭素系活物質のG/D比に着目し、G/D比に応じて異なる構造を有するS=O化合物を電解液に含めることで、リチウムイオン二次電池の電池特性が飛躍的に向上させることを見出した。詳細は後述する。
なお、負極活物質中のケイ素系活物質と炭素系活物質との質量比は特に制限されない。すなわち、負極活物質は、ケイ素リッチ(ritch)であっても、炭素リッチであっても、両者が同程度含まれるものであってもよい。また、負極活物質の含有量は、負極合剤(負極活物質、及び結着剤)の総質量に対して90質量%以上98質量%以下であることが好ましい。負極活物質の含有量がこのような範囲のときに、電池特性が特に向上する。
結着剤は、正極活物質層22を構成する結着剤と同様のものでもある。正極活物質層22を集電体21上に塗布する際に、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(以下、CMC)を結着剤の質量の1/10以上同質量以下で併用してもよい。増粘剤を含めた結着剤の含有量は、負極合剤の総質量に対して1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。増粘剤を含めた結着剤の含有量がこのような範囲のときに、電池特性が特に向上する。
負極活物質層32の密度(g/cm)は、特に制限されないが、例えば1.0以上2.0以下であることが好ましい。負極活物質層32の密度がこのような範囲のときに、電池特性が特に向上する。負極活物質層32は、例えば、負極活物質、及び結着剤を適当な溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン(N−methyl−2− pyrrolidone)や水)に分散させることでスラリーを形成し、このスラリーを集電体31上に塗工し、乾燥させることで形成される。なお、負極活物質層32の密度は、負極活物質層32の圧延後の面密度を負極活物質層32の圧延後の厚さで除算することで得られる。
セパレータ層40は、セパレータ(separator)40aと、電解液43とを含む。セパレータ40aは、基材41と、多孔質層42とを含む。基材41は、ポリエチレン(polyethylene)及びポリプロピレン(polypropylene)等から選択される材料で構成され、多数の第1の気孔(細孔)41aを含む。なお、図1では、第1の気孔41aが球形となっているが、第1の気孔41aは様々な形状をとりうる。第1の気孔41aの孔径は、例えば0.1〜0.5μmの範囲内で分布している。第1の気孔41aの孔径は、例えば、第1の気孔41aを球とみなした時の直径、即ち球相当径である。第1の気孔41aは、例えば自動ポロキシメータAutoporeIV、島津製作所株式会社によって測定される。この測定装置は、例えば、第1の気孔41aの孔径分布を測定し、さらに、分布が最も高い孔径を代表値として測定する。なお、基材41の表面層に存在する気孔41aの孔径は、例えば、走査型電子顕微鏡JSM−6060 日本電子株式会社によっても測定可能である。この測定装置は、例えば、表面層における第1の気孔41aの各々について孔径を測定する。
基材41の気孔率は、例えば38〜44%となる。基材41の気孔率がこのような範囲のときに、サイクル寿命が特に向上する。基材41の気孔率は、第1の気孔41aの総体積を基材41の総体積(基材41の樹脂部分及び第1の気孔41aの総体積)で除算することで得られる。基材41の気孔率は、例えば自動ポロキシメータAutoporeIV、島津製作所株式会社によって測定される。基材41の厚さは、6〜19μmであることが好ましい。基材41の厚さがこのような範囲のときに、サイクル寿命が特に向上する。
多孔質層42は、基材41と異なる材料、例えばポリフッ化ビニリデン(Polyvinylidene fluoride)、ポリアミドイミド(Polyamide−imide)、及びアラミド(Aramid)(芳香族ポリアミド)等から選択される材料で構成され、多数の第2の気孔(細孔)42aを含む。なお、図1では、第2の気孔42aが球形となっているが、第2の気孔42aは様々な形状をとりうる。
第2の気孔42aは第1の気孔41aと異なる。具体的には、第2の気孔42aの孔径及び気孔率が第1の気孔41aの値よりも大きくなる。即ち、第2の気孔42aの孔径は、例えば1〜2μmの範囲内で分布している。第2の気孔42aの孔径は、例えば、第2の気孔42aを球とみなした時の直径、即ち球相当径であり、例えば、走査型電子顕微鏡JSM−6060 日本電子株式会社によって測定される。この測定装置は、第2の気孔42aの各々について孔径を測定する。
なお、多孔質層42に適用されるポリフッ化ビニリデンとしては、例えば、株式会社クレハ製KFポリマー #1700、#9200、#9300等が考えられる。ポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量は約50万〜100万となる。多孔質層42は、自ら合成しても良いし、既存のものを購入するようにしてもよい。
セパレータ40aの気孔率は、例えば39〜58%となる。セパレータ40aの気孔率がこのような範囲のときに、サイクル寿命が特に向上する。ここで、セパレータ40aの気孔率は、第1の気孔41a及び第2の気孔42aの総体積を、セパレータ40aの総体積(基材41の樹脂部分及び第1の気孔41aと、多孔質層42の樹脂部分及び第2の気孔42aとの総体積)で除算することで得られる。セパレータ40aの気孔率は、例えば、自動ポロキシメータAutoporeIV、島津製作所株式会社によって測定される。セパレータ40aの気孔率が基材41の気孔率よりも大きいので、多孔質層42の気孔率、即ち第2の気孔42aの気孔率は、基材41の気孔率、即ち第1の気孔41aの気孔率よりも高いと言える。
多孔質層42の厚さは、1〜5μmであることが好ましい。セパレータ40aの総厚さ、即ち基材41の厚さと多孔質層42の厚さとの総和は、10〜25μmとなることが好ましい。多孔質層42やセパレータ40aの厚さがこれらの範囲となる場合に、サイクル寿命が特に向上する。また、図1では、多孔質層42は基材41の表裏両面、即ち正極20側の面と負極30側の面との両方に設けられるが、少なくとも負極30側の面に設けられればよい。リチウムイオン二次電池のサイクル寿命を向上させるという観点からは、多孔質層42は、基材41の表裏両面に設けられることが好ましい。
なお、基材41の透気度(JIS P8117で定義される透気度)は、特に制限されないが、例えば250〜300sec/100ccであることが好ましい。セパレータ40aの透気度は、特に制限されないが、例えば220〜340sec/100ccであることが好ましい。基材41及びセパレータ40aの透気度がこれらの範囲となる場合に、サイクル寿命が特に向上する。基材41及びセパレータ40aの透気度は、例えば、ガーレー式透気度計G−B2 東洋精器株式会社によって測定される。
セパレータ40aは、例えば、多孔質層42を構成する樹脂及び水溶性有機溶媒を含む塗工液を基材41に塗工し、その後、樹脂の凝固及び水溶性有機溶媒の除去等を行なうことで形成される。このように、セパレータ40aは、基材41及び多孔質層42を有する多層構造となるが、単層構造(例えば基材41のみの構造)であってもよい。
電解液43は、リチウム塩と、溶媒と、添加剤となるS=O化合物と、を含む。リチウム塩は、電解液43の電解質となるものである。このようなリチウム塩としては、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)の他、LiClO、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiSOCF、LiN(SOCF)、LiN(SOCFCF)、LiC(SOCFCF、LiC(SOCF、LiI、LiCl、LiF、LiPF(SOCF)、LiPF(SOCF等が挙げられる。これらのリチウム塩のうち、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiSbFが特に好ましい。これらのリチウム塩が電解液43に溶解される場合、電池特性が特に向上する。電解液43は、これらのリチウム塩のうちいずれか1種類が溶解していてもよく、複数種類のリチウム塩が溶解していてもよい。
リチウム塩の濃度(電解液43に複数種類のリチウム塩が溶解している場合には、リチウム塩の濃度の総和)は、1.15〜1.5mol/Lであることが好ましく、1.3〜1.45mol/Lであることがより好ましい。リチウム塩の濃度がこのような範囲のときに、電池特性が特に向上する。
溶媒は、リチウムイオン二次電池に使用される各種の非水溶媒を含む。溶媒には、ハイドロフルオロエーテル(HFE)、鎖状炭酸エステル及びフルオロ炭酸エチレンの少なくとも一種類以上が含まれることがさらに好ましい。
ハイドロフルオロエーテルは、エーテルの水素の一部をフッ素に置換することで、耐酸化性が向上したものである。このようなハイドロフルオロエーテルとしては、正極材料の充電電圧及び電流密度に対する耐性等を鑑みると、2,2,2−トリフルオロエチルメチルエーテル(CFCHOCH)、2,2,2−トリフルオロエチルジフルオロメチルエーテル(CFCHOCHF)、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメチルエーテル(CFCFCHOCH)、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル(CFCFCHOCHF)、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル(CFCFCHOCFCFH)、1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル(HCFCFOCH)、1,1,2,2−テトラフルオロエチルエチルエーテル(HCFCFOCHCH)、1,1,2,2−テトラフルオロエチルプロピルエーテル(HCFCFOC)、 1,1,2,2−テトラフルオロエチルブチルエーテル(HCFCFOC)、1,1,2,2−テトラフルオロエチルイソブチルエーテル(HCFCFOCHCH(CH)、1,1,2,2−テトラフルオロエチルイソペンチルエーテル(HCFCFOCHC(CH)、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル(HCFCFOCHCF)、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル(HCFCFOCHCFCFH)、ヘキサフルオロイソプロピルメチルエーテル((CFCHOCH)、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トリフルオロメチルプロピルメチルエーテル((CFCHCFOCH)、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルメチルエーテル(CFCHFCFOCH)、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエチルエーテル(CFCHFCFOCHCH)及び2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルジフルオロメチルエーテル(CFCHFCFCHOCHF)等が挙げられる。ハイドロフルオロエーテルは、これらの物質のいずれか1つから構成されていてもよいが、これらの物質の混合物であってもよい。ハイドロフルオロエーテルの体積比は、電解液43の溶媒の総体積に対して10〜60体積%が好ましく、30〜50体積%がより好ましい。ハイドロフルオロエーテルの体積比がこのような範囲のときに、電池特性が特に向上する。
鎖状炭酸エステルは、鎖状構造を有する炭酸エステルである。鎖状炭酸エステルとしては、例えば炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、及び炭酸ジエチル等が挙げられる。電解液43には、これらの鎖状炭酸エステルのうちいずれか1種以上が含まれていることが好ましい。鎖状炭酸エステルの体積比は、電解液43の溶媒の総体積に対して5〜60体積%が好ましく、20〜50体積%がより好ましい。鎖状炭酸エステルの体積比がこのような範囲のときに、電池特性が特に向上する。
フルオロ炭酸エチレンの体積比は、電解液43の溶媒の総体積に対して10〜30体積%が好ましく、15〜20体積%がより好ましい。モノフルオロ炭酸エチレンの体積比がこのような範囲のときに、サイクル寿命が特に向上する。また、電解液43は、リチウムイオン二次電池に使用される各種の非水溶媒をさらに含んでいてもよい。
S=O化合物は、S=O構造を有する化合物である。S=O化合物は、炭素系活物質のG/D比に応じて異なる構造を有する。すなわち、本発明者は、負極活物質としてケイ素系活物質だけを使用しても、電池特性が十分でないことを見出した。そこで、本発明者は、ケイ素系活物質に炭素系活物質を混合することに着目した。この結果、電池特性は若干向上したが、依然として電池特性は十分でなかった。
そこで、本発明者は、その理由を探るべく、以下の実験を行った。すなわち、本発明者は、リチウム箔を正極活物質とし、ケイ素系活物質及び炭素系活物質の混合物を負極活物質とし、炭酸エチレンを溶媒としたリチウムイオン二次電池を作製した。そして、本発明者は、リチウムイオン二次電池を複数回充放電させ、その時のリチウムイオン二次電池の挙動、具体的には負極活物質の電位(Li/Li基準)とdQ/dV値との相関を確認した。この結果、リチウムイオン二次電池の充電過程において、負極活物質の電位が0.4V前後となった際に、dQ/dV値に乱れが生じた。また、2回目以降の充放電時には、負極活物質の電位は、0.5V〜10mV程度の間で遷移した。
この結果、本発明者は、少なくとも充電過程において負極活物質上で溶媒(炭酸エチレン)が分解すること、溶媒の分解は充電のたびに生じることを突き止めた。そして、本発明者は、電池特性が十分でない理由として、溶媒の分解生成物が負極活物質上に堆積し、リチウムイオンの負極活物質への出入りを阻害していることを考えた。
そこで、本発明者は、以下の3つの条件を満たす添加剤を電解液に添加することを考えた。
(1)充電時に溶媒よりも優先的に(すなわち、溶媒よりも高い電位で)分解する。
(2)分解生成物が溶媒の分解を抑制する。例えば分解生成物が負極活物質を覆うことで、溶媒と負極活物質との接触を抑制する。
(3)分解生成物がリチウムイオンの負極活物質への出入りをほとんど阻害しない。
本発明者は、上記の条件を満たす添加剤を鋭意検討した。この結果、本発明者は、S=O化合物(S=O結合を有する化合物)に着目し、以下の実験を行った。具体的には、本発明者は、リチウム箔を正極活物質とし、ケイ素系活物質及び炭素系活物質の混合物を負極活物質とし、炭酸エチレンを溶媒としたリチウムイオン二次電池を作製した。また、本発明者は、S=O化合物を電解液に添加した。そして、本発明者は、リチウムイオン二次電池を複数回充放電させ、その時のリチウムイオン二次電池の挙動、具体的には負極活物質の電位(Li/Li基準)とdQ/dV値との相関を確認した。この結果、リチウムイオン二次電池の充電過程において、0.4Vよりも高い電位でdQ/dV値に乱れが生じるとともに、0.4V前後の電位ではdQ/dV値にほとんど乱れが生じなかった。さらに、電池特性が明確に向上していた(後述する実施例参照)。したがって、S=O化合物が溶媒よりも優先的に分解し、分解生成物が溶媒の分解を抑制し、かつ、分解生成物がリチウムイオンの負極活物質への出入りをほとんど阻害しないと推定される。すなわち、S=O化合物は、上記の3つの条件を全て満たす。
なお、炭素系活物質の種類は上述したように様々である。これらの炭素系活物質は、例えばリチウムイオン二次電池に要求されるエネルギー密度又はリチウムイオン二次電池の用途によって使い分けられている。したがって、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池10が実用的なものとなるためには、リチウムイオン二次電池10が様々な炭素系活物質に対応できることが必要である。
一方、炭素系活物質はケイ素系活物質よりも比表面積が大きいので、ケイ素系活物質よりも溶媒(あるいはS=O化合物)を大量に分解する可能性がある。したがって、S=O化合物には、炭素系活物質上での消費(分解)に耐えつつ、溶媒の分解を抑えることが要求される。
そこで、本発明者は、いずれの炭素系活物質が負極活物質として使用された場合であっても電池特性が向上するように、S=O化合物についてさらに検討を行った。具体的には、炭素系活物質は溶媒(あるいはS=O化合物)を大量に分解する可能性があることから、本発明者は、炭素系活物質の反応性を指標するパラメータ(Parameter)であるG/D比に着目し、G/D比とS=O化合物との相関について検討した。
この結果、本発明者は、炭素系活物質のG/D比によって好適なS=O化合物が異なることを突き止めた。より具体的には、本発明者は、S=O化合物を、炭素系活物質のG/D比によって以下の表1に示す4象限(区分)に区分することに成功した。
Figure 2015088261
ここで、表1中、「Gr」は炭素系活物質を意味する。また、「効果あり」は、電解液にS=Oを含まないリチウムイオン二次電池よりも電池特性が向上したことを意味し、「効果なし」は、電解液にS=Oを含まないリチウムイオン二次電池と電池特性が同程度または低いことを意味する。カッコ内の構造式は、S=O結合の構造を示す。
また、第1象限は、G/D比>2かつ「効果あり」に対応する象限であり、第2象限は、G/D比2以下かつ「効果あり」に対応する象限である。第3象限は、G/D比>2かつ「効果なし」に対応する象限であり、第4象限は、G/D比2以下かつ「効果なし」に対応する象限である。
第1象限に属するS=O化合物は、以下の化学式1〜3のいずれか1つで示される。
Figure 2015088261
・・・(化学式1)
Figure 2015088261

・・・(化学式2)
Figure 2015088261
・・・(化学式3)
ここで、R、R’は、互いに独立して炭素数1または2の炭化水素基であり、R、R’を構成する水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよい。R、R’は、互いに独立して炭素数1または2の炭化水素基であり、かつ、互いに連結されていてもよく、R、R’を構成する水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよい。R、R’は、互いに独立して炭素数1または2の炭化水素基であり、R、R’を構成する水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよい。
化学式1で示されるS=O化合物としては、例えばエチルメチルスルホン(EMS)、ジエチルスルホン(DES)等が挙げられる。化学式2で示されるS=O化合物としては、亜硫酸ジメチル(DMSi)、亜硫酸ジエチル(DESi)、亜硫酸エチレン(ES)等が挙げられる。化学式3で示されるS=O化合物としては、硫酸ジメチル(DMSa)、硫酸ジエチル(DESa)等が挙げられる。
第2象限に属するS=O化合物は、以下の化学式4〜5のいずれか1つで示される。
Figure 2015088261

・・・(化学式4)
Figure 2015088261
・・・(化学式5)
ここで、R、R’のうち、いずれか一方は炭素数3以上の炭化水素基であり、他方は炭素数1または2の炭化水素基であり、R、R’を構成する水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよい。Rは、炭素数1以上の炭化水素基であり、Rを構成する水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよい。
化学式4で示されるS=O化合物としては、例えば、エチルイソプロピルスルホン(EiPS)、エチルブチルスルホン(EBS)、及びブチルイソプロピルスルホン(BiPS)等が挙げられる。化学式5で示される化合物としては、例えばブタンスルトン(BS)等が挙げられる。
第3象限に属するS=O化合物は、例えばスルホラン(SL)であり、第4象限に属するS=O化合物は、例えばプロパンスルトン(PS)である。
したがって、本実施形態では、炭素系活物質のG/D比が2より大きい場合、電解液43は、第1象限に属するS=O化合物を少なくとも1種類含む。また、炭素系活物質のG/D比が2以下となる場合、電解液43は、第2象限に含まれるS=O化合物を少なくとも1種類含む。
S=O化合物の添加量は、溶媒の総体積に対して0.5〜5.0体積%であることが好ましく、3.0〜5.0体積%であることがさらに好ましく、3.0体積%であることがさらに好ましい。S=O化合物の添加量が0.5体積%未満の場合には、S=O化合物の効果が十分に発揮されず、S=O化合物の添加量が5体積%を超える場合には、電解液の粘度が非常に高くなるからである。この場合、電解液のイオン伝導度が下がる他、電解液が各活物質に染み込みにくくなるので、放電容量が低下する。
なお、電解液43には、各種の添加剤を添加してもよい。このような添加剤としては、負極作用添加剤、正極作用添加剤、エステル系の添加剤、炭酸エステル系の添加剤、硫酸エステル系の添加剤、リン酸エステル系の添加剤、ホウ酸エステル系の添加剤、酸無水物系の添加剤、及び電解質系の添加剤等が挙げられる。これらのうちいずれか1種を電解液43に添加しても良いし、複数種類の添加剤を電解液43に添加してもよい。添加剤の添加量は、電解液43の電解質及び溶媒(S=O化合物含む)の総質量に対して、0.01〜5.0質量%(外数)であることが好ましい。添加剤の添加量がこのような範囲のときに、電池特性が特に向上する。
[リチウムイオン二次電池の製造方法]
次に、リチウムイオン二次電池10の製造方法について説明する。正極20は、以下のように作製される。まず、正極活物質、導電剤、及び結着剤を上記の割合で混合したものを、有機溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン)に分散させることでスラリーを形成する。次いで、スラリーを集電体21上に形成(例えば塗工)し、乾燥させることで、正極活物質層22を形成する。なお、塗工の方法は、特に限定されない。塗工の方法としては、例えば、ナイフコーター(knife coater)法、グラビアコーター(gravure coater)法等が考えられる。以下の各塗工工程も同様の方法により行われる。次いで、プレス(press)機により正極活物質層22を上記の範囲内の密度となるようにプレスする。これにより、正極20が作製される。
負極30も、正極20と同様に作製される。まず、負極活物質及び結着剤を上記の割合で混合したものを、有機溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン)に分散させることでスラリーを形成する。次いで、スラリーを集電体31上に形成(例えば塗工)し、乾燥させることで、負極活物質層32を形成する。次いで、プレス機により負極活物質層32を上記の範囲内の密度となるようにプレスする。これにより、負極30が作製される。
セパレータ40aは、以下のように作製される。まず、多孔質層42を構成する樹脂と、水溶性有機溶媒とを5〜10:90〜95の質量比で混合することで、塗工液を作製する。ここで、水溶性有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAc)、トリプロピレングリコール(TPG)等が考えられる。ついで、この塗工液を基材41の両面または片面に1〜5μmの厚さで形成(例えば塗工)する。次いで、塗工液が塗工された基材41を凝固液で処理することで、塗工液中の樹脂を凝固させる。ここで、塗工液が塗工された基材41を凝固液で処理する方法としては、例えば、塗工液が塗工された基材41を凝固液に含浸させる方法、塗工液が塗工された基材41に凝固液を吹きつける方法等が考えられる。これにより、セパレータ40aが作製される。ここで、凝固液は、例えば、上記の水溶性有機溶媒に水を混合させたものである。水の混合量は、凝固液の総体積に対して40〜80体積%が好適である。次いで、セパレータ40aを水洗、乾燥することで、セパレータ40aから水及び水溶性有機溶媒を除去する。
次いで、セパレータ40aを正極20及び負極30で挟むことで、電極構造体を作製する。多孔質層42が基材41の一方の面にのみ形成されている場合、負極30を多孔質層42に対向させる。次いで、電極構造体を所望の形態(例えば、円筒形、角形、ラミネート形、ボタン形等)に加工し、当該形態の容器に挿入する。次いで、当該容器内に上記組成の電解液を注入することで、セパレータ40a内の各気孔に電解液を含浸させる。ここで、電解液に添加されるS=O化合物は、炭素系活物質のG/D比が2より大きい場合、第1象限に属するS=O化合物から選択され、炭素系活物質のG/D比が2以下の場合、第2象限に属するS=O化合物から選択される。これにより、リチウムイオン二次電池が作製される。
次に、実施例を説明する。なお、以下の各実施例における各パラメータ(例えば孔径)は、上述した装置により測定された。
[実施例1]
[リチウムイオン二次電池の作製]
本発明者は、S=O化合物によるサイクル寿命の改善効果を確認するために、以下に説明する実施例1を行った。まず、本発明者は、リチウムイオン二次電池10を以下のように作製した。正極20については、まず、LiCoO90質量%、ケッチェンブラック6質量%、ポリフッ化ビニリデン4質量%をN−メチル−2−ピロリドンに分散させることで、スラリーを形成した。次いで、スラリーを集電体21であるアルミニウム集電箔上に塗工し、乾燥させることで、正極活物質層22を形成した。次いで、プレス機により正極活物質層22をプレスすることで、正極活物質層22の密度を2.3g/cmとした。これにより、正極20を作製した。
負極30については、ケイ素合金(Si:Al:Fe=55:29:16(質量比))10.2質量%、炭素系活物質81.8質量%、ポリアクリル酸系バインダ8.0質量%をN−メチル−2−ピロリドンに分散させることで、スラリーを形成した。次いで、スラリーを集電体31であるアルミニウム集電箔上に塗工し、乾燥させることで、負極活物質層32を形成した。次いで、プレス機により負極活物質層32をプレスすることで、負極活物質層32の密度を1.45g/cmとした。これにより、負極30を作製した。負極30におけるケイ素系活物質と炭素系活物質との質量比は約10/80となる。
セパレータ40aについては、アラミド(シグマルドリッチジャパン株式会社商品 Poly[N,N‘−(1,3−phenylene)isophthalamide])と水溶性有機溶媒とを(5.5:94.5質量%)の割合で混合することで、塗工液を作製した。ここで、DMAcとTPGとを50:50の質量比で混合したものを水溶性有機溶媒とした。
一方、基材41に多孔質ポリエチレンフィルム(厚さ13μm、気孔率42%)を用いた。ついで、塗工液を基材41の両面に2μmの厚さで塗工した。次いで、塗工液が塗工された基材41を凝固液に含浸させることで、塗工液中の樹脂を凝固させた。これにより、セパレータ40aを作製した。ここで、水とDMAcとTPGとを50:25:25の割合で混合したものを凝固液とした。次いで、セパレータ40aを水洗、乾燥することで、セパレータ40aから水及び水溶性有機溶媒を除去した。
次いで、セパレータ40aを正極20及び負極30で挟むことで、電極構造体を作製した。次いで、電極構造体を試験容器に挿入した。一方、炭酸エチレン(EC)、S=O化合物、炭酸エチルメチル(EMC)、及び炭酸ジエチル(DEC)を27:3:50:20の体積比で混合した溶媒に、ヘキサフルオロリン酸リチウムを1.3mol/Lの濃度となるように溶解することで、電解液を作製した。次いで、試験容器内に電解液を注入することで、セパレータ40a内の各気孔に電解液を含浸させた。これにより、評価用のリチウムイオン二次電池10を作製した。ここで、本発明者は、炭素系活物質とS=O化合物との組み合わせを表2に示すように変更することで、複数種類のリチウムイオン二次電池10を作製した。
[サイクル試験]
つぎに、各リチウムイオン二次電池10について、サイクル試験を行った。具体的には、電池電圧が4.40Vとなるまで3mA/cmで定電流定電圧充電を行い、電池電圧が2.75Vとなるまで定電流放電を行う充放電サイクルを100サイクル行った。そして、1サイクル目の放電容量と、100サイクル目の放電容量とを測定した。1サイクル目の放電容量を初期容量はいずれのリチウムイオン二次電池10においても200mAhであった。100サイクル目の放電容量は以下の表2に示されるとおりとなった。なお、上記の試験はすべて25℃の温度環境下で行われた。放電容量の測定は、TOSCAT3000 東洋システム株式会社により行われた。炭素系活物質及びS=O化合物の組み合わせと100サイクル目の放電容量との対応関係を表2に示す。
Figure 2015088261
表1において、G/D比は、以下のように測定された値である。すなわち、まず、炭素系活物質1〜6のラマンスペクトルをラマン分光法により取得した。そして、ラマンスペクトルのGバンド及びDバンドの面積を区分求積法により算出した。そして、Gバンドの面積をDバンドの面積で除算することで、炭素系活物質1〜6のG/D比を算出した。「Ref」は、上述した製造方法においてS=O化合物をECに置き換えることで作製されたリチウムイオン二次電池を示す。また、炭素系活物質とS=O化合物との組み合わせに対応する数値は、100サイクル目の放電容量を示す。太字で示される放電容量は、「Ref」の放電容量よりも大きい。
表1によれば、DMSi、DMSa、ES、EMSはいずれもG/D比が2より大きな炭素系活物質3〜6と組み合わされた場合にサイクル寿命を向上させることがわかる。したがって、これらのS=O化合物は表1の第1象限に属することがわかる。
また、EiPS、EBS、BSは、G/D比が2以下の炭素系活物質1〜2と組み合わされた場合にサイクル寿命を向上させることがわかる。したがって、これらのS=O化合物は、第2象限に属することがわかる。
[実施例2]
[リチウムイオン二次電池の作製]
本発明者は、ケイ素系活物質と炭素系活物質との混合比によらずサイクル寿命が改善することを確認するために、以下に説明する実施例2を行った。実施例2では、以下の点を除き、実施例1と同様の方法によりリチウムイオン二次電池10を作製した。
(1)正極活物質として、LiMnCoNiOとLiMnOとの固溶体を使用した。具体的な組成はLi1.20Mn0.55Co0.10Ni0.15である。
(2)負極30を構成する材料の質量比を、ケイ素合金47.0質量%、炭素系活物質47.0質量%、ポリアクリル酸系バインダ6.0質量%とした。したがって、負極30におけるケイ素系活物質と炭素系活物質との質量比は50/50となる。
(3)溶媒の組成(材料及び体積比)を、フルオロ炭酸エチレン(FEC):S=O化合物:炭酸ジメチル(DMC):H(CFCHO(CF)H=10:5:45:40とした。
[サイクル試験]
つぎに、各リチウムイオン二次電池10について、サイクル試験を行った。具体的には、電池電圧が4.55Vとなるまで3mA/cmで定電流定電圧充電を行い、電池電圧が2.50Vとなるまで定電流放電を行う充放電サイクルを100サイクル行った。そして、1サイクル目の放電容量と、100サイクル目の放電容量とを測定した。1サイクル目の放電容量を初期容量はいずれのリチウムイオン二次電池10においても200mAhであった。100サイクル目の放電容量は以下の表3に示されるとおりとなった。なお、上記の試験はすべて25℃の温度環境下で行われた。放電容量の測定は、TOSCAT3000 東洋システム株式会社により行われた。炭素系活物質及びS=O化合物の組み合わせと100サイクル目の放電容量との対応関係を表3に示す。
Figure 2015088261
表3の各パラメータの意味は表2と同様である。ただし、「Ref」は、上述した製造方法においてS=O化合物をFECに置き換えることで作製されたリチウムイオン二次電池を示す。「−」は測定を行わなかったことを示す。表3によれば、炭素系活物質とS=O化合物との組み合わせが適切であれば、ケイ素系活物質と炭素系活物質との混合比によらず、サイクル寿命が向上することがわかる。
[実施例3]
[リチウムイオン二次電池の作製]
本発明者は、ケイ素系活物質と炭素系活物質との混合比によらずサイクル寿命が改善することを確認するために、以下に説明する実施例3を行った。実施例3では、以下の点を除き、実施例1と同様の方法によりリチウムイオン二次電池10を作製した。
(1)正極活物質として、LiMnCoNiOとLiMnOとの固溶体を使用した。具体的な組成はLi1.20Mn0.55Co0.10Ni0.15である。
(2)負極30を構成する材料の質量比を、ケイ素合金81.8質量%、炭素系活物質10.2質量%、ポリアクリル酸系バインダ6.0質量%とした。したがって、負極30におけるケイ素系活物質と炭素系活物質との質量比は約80/10となる。
(3)溶媒の組成(材料及び体積比)を、FEC:S=O化合物:DMC:H(CFCHO(CF)H=10:5:45:40とした。
[サイクル試験]
つぎに、各リチウムイオン二次電池10について、実施例2と同様の方法によりサイクル試験を行った。炭素系活物質及びS=O化合物の組み合わせと100サイクル目の放電容量との対応関係を表4に示す。
Figure 2015088261
表4の各パラメータの意味は表2と同様である。「Ref」は、上述した製造方法においてS=O化合物をFECに置き換えることで作製されたリチウムイオン二次電池を示す。表4によれば、炭素系活物質とS=O化合物との組み合わせが適切であれば、ケイ素系活物質と炭素系活物質との混合比によらず、サイクル寿命が向上することがわかる。
[実施例4]
[リチウムイオン二次電池の作製]
次に、本発明者は、S=O化合物による貯蔵容量の改善効果を確認するために、以下に説明する実施例4を行った。まず、本発明者は、実施例1と同様の方法によりリチウムイオン二次電池10を作製した。
[貯蔵容量評価試験]
次に、本発明者は、各リチウムイオン二次電池10について、貯蔵容量評価試験を行った。具体的には、電池電圧が4.40Vとなるまで0.3mA/cmで定電流定電圧充電を行い、電池電圧が2.75Vとなるまで定電流放電を行う充放電サイクルを2サイクル行った。そして、2サイクル目の放電容量を測定し、これを初期値とした。初期値は200mAhであった。次に、電池電圧が4.40Vとなるまで0.3mA/cmで定電流定電圧充電を行い、充電後のリチウムイオン二次電池10を槽内60℃の恒温槽に移し、30日間放置した。ついで、リチウムイオン二次電池10を槽内25℃の恒温槽に移し、12時間放置した。ついで、電池電圧が2.75Vとなるまで0.3mA/cmで定電流放電を行うことで、放電容量を測定した。これを残存容量とした。なお、残存容量は、充電後のリチウムイオン二次電池10を長期間保存した場合に、S=O化合物の分解生成物による被膜がどの程度残存しているかを評価するための指標である。その後、電池電圧が4.40Vとなるまで0.3mA/cmで定電流定電圧充電を行い、電池電圧が2.75Vとなるまで定電流放電を行う充放電サイクルを1回行い、この時の放電容量を回復容量とした。
なお、上記の試験はすべて25℃の温度環境下で行われた。放電容量の測定は、TOSCAT3000 東洋システム株式会社により行われた。炭素系活物質及びS=O化合物の組み合わせと残存容量との対応関係を表5に、炭素系活物質及びS=O化合物の組み合わせと回復容量との対応関係を表6にそれぞれ示す。
Figure 2015088261
Figure 2015088261
表5、6の各パラメータの意味は表2と同様である。「−」は測定を行わなかったことを示す。表5、6によれば、炭素系活物質とS=O化合物との組み合わせが適切であれば、貯蔵容量(すなわち残存容量及び回復容量)が向上することがわかる。
[実施例5]
[リチウムイオン二次電池の作製]
本発明者は、ケイ素系活物質と炭素系活物質との混合比によらず貯蔵容量が改善することを確認するために、以下に説明する実施例5を行った。実施例5では、実施例3と同様の方法によりリチウムイオン二次電池10を作製した。
[貯蔵容量評価試験]
次に、本発明者は、各リチウムイオン二次電池10について、貯蔵容量評価試験を行った。具体的には、電池電圧が4.55Vとなるまで0.3mA/cmで定電流定電圧充電を行い、電池電圧が2.50Vとなるまで定電流放電を行う充放電サイクルを2サイクル行った。そして、2サイクル目の放電容量を測定し、これを初期値とした。初期値は200mAhであった。次に、電池電圧が4.55Vとなるまで0.3mA/cmで定電流定電圧充電を行い、充電後のリチウムイオン二次電池10を槽内60℃の恒温槽に移し、30日間放置した。ついで、リチウムイオン二次電池10を槽内25℃の恒温槽に移し、12時間放置した。ついで、電池電圧が2.50Vとなるまで0.3mA/cmで定電流放電を行うことで、放電容量を測定した。これを残存容量とした。その後、電池電圧が4.55Vとなるまで0.3mA/cmで定電流定電圧充電を行い、電池電圧が2.50Vとなるまで定電流放電を行う充放電サイクルを1回行い、この時の放電容量を回復容量とした。
なお、上記の試験はすべて25℃の温度環境下で行われた。放電容量の測定は、TOSCAT3000 東洋システム株式会社により行われた。炭素系活物質及びS=O化合物の組み合わせと残存容量との対応関係を表7に、炭素系活物質及びS=O化合物の組み合わせと回復容量との対応関係を表8にそれぞれ示す。
Figure 2015088261
Figure 2015088261
表7、8の各パラメータの意味は表2と同様である。ただし、「Ref」は、上述した製造方法においてS=O化合物をFECに置き換えることで作製されたリチウムイオン二次電池を示す。「−」は測定を行わなかったことを示す。また、「EiPS_10%」は、EiPSの体積%を10体積%としたことを示す。表7、8によれば、炭素系活物質とS=O化合物との組み合わせが適切であれば、ケイ素系活物質と炭素系活物質との混合比によらず、貯蔵容量(すなわち残存容量及び回復容量)が向上することがわかる。
以上により、本実施形態によるリチウムイオン二次電池10では、電解液43は、炭素系活物質のG/D比に応じて異なる構造を有するS=O化合物を含むので、電池特性が向上する。
具体的には、リチウムイオン二次電池10では、炭素系活物質のG/D比が2より大きい場合には第1象限に属するS=O化合物が使用され、炭素系活物質のG/D比が2以下の場合には、第2象限に属するS=O化合物が使用される。したがって、電池特性が向上する。
さらに、多孔質層42に形成された第2の気孔42aの特性が基材41に形成された第1の気孔41aと異なっている。さらに、電解液43は、ハイドロフルオロエーテルを含む。したがって、リチウムイオン二次電池10は、サイクル寿命を大幅に向上させることができる。即ち、多孔質層42により、電極近傍の電解液が強固に保持される。多孔質層42により、セパレータ40aが電気化学的に分解されることが防止される。ハイドロフルオロエーテルにより、電解液43が電気化学的に酸化分解されることが防止される。これらの要因により、サイクル寿命が大幅に向上するものと推定される。
さらに、多孔質層42は、基材41の表裏両面に形成されることもできる。この場合、サイクル寿命が更に向上する。
さらに、第2の気孔42aの孔径は、第1の気孔41aの孔径よりも大きいので、堆積物によるセパレータ40aの目詰まりを防止することができる。これにより、サイクル寿命が向上する。
さらに、多孔質層42の気孔率、即ち第2の気孔42aの気孔率は、第1の気孔41aの気孔率、即ち基材41の気孔率よりも大きいので、この点においても、堆積物によるセパレータ40aの目詰まりを防止することができる。これにより、サイクル寿命が向上する。
さらに、ハイドロフルオロエーテルは、2,2,2−トリフルオロエチルメチルエーテル、2,2,2−トリフルオロエチルジフルオロメチルエーテル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチルメチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチルエチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチルプロピルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチルブチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチルイソブチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチルイソペンチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、ヘキサフルオロイソプロピルメチルエーテル、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トリフルオロメチルプロピルメチルエーテル、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルメチルエーテル、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエチルエーテル、及び2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルジフルオロメチルエーテルからなる群から選択される。実施例に示されるように、ハイドロフルオロエーテルがこれらの物質である場合、サイクル寿命が大幅に向上する。
さらに、電解液43は、ハイドロフルオロエーテルを、電解液43の総体積に対して10〜60体積%含むので、この点においてもサイクル寿命が大幅に向上する。
さらに、電解液は、鎖状炭酸エステル及びフルオロ炭酸エチレンのうち、少なくとも一方を含むので、電池特性がさらに向上する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 リチウムイオン二次電池
20 正極
30 負極
40 セパレータ
41 基材
41a 第1の気孔
42 多孔質層
42a 第2の気孔
43 電解液

Claims (6)

  1. ケイ素系活物質と、炭素系活物質とを含む負極活物質と、
    前記炭素系活物質のG/D比に応じて異なる構造を有するS=O化合物を含む電解液と、を備えることを特徴とする、リチウムイオン二次電池。
  2. 前記炭素系活物質のG/D比が2より大きい場合、前記電解液は、以下の化学式1〜3のいずれか1つで示される第1のS=O化合物、または前記第1のS=O化合物の混合物を含む、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
    Figure 2015088261
    ・・・(化学式1)
    Figure 2015088261
    ・・・(化学式2)
    Figure 2015088261
    ・・・(化学式3)
    ここで、R、R’は、互いに独立して炭素数1または2の炭化水素基であり、R、R’を構成する水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよく、
    、R’は、互いに独立して炭素数1または2の炭化水素基であり、かつ、互いに連結されていてもよく、R、R’を構成する水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよく、
    、R’は、互いに独立して炭素数1または2の炭化水素基であり、R、R’を構成する水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよい。
  3. 前記炭素系活物質のG/D比が2以下の場合、前記電解液は、以下の化学式4または5で示される第2のS=O化合物、または前記第2のS=O化合物の混合物を含む、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
    Figure 2015088261

    ・・・(化学式4)
    Figure 2015088261
    ・・・(化学式5)
    ここで、R、R’のうち、いずれか一方は炭素数3以上の炭化水素基であり、他方は炭素数1または2の炭化水素基であり、R、R’を構成する水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよく、
    は、炭素数1以上の炭化水素基であり、Rを構成する水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよい。
  4. 前記電解液は、ハイドロフルオロエーテルを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記電解液は、鎖状炭酸エステル及びフルオロ炭酸エチレンのうち、少なくとも一方を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. ケイ素系活物質と、炭素系活物質とを混合することで、負極活物質を作製するステップと、
    前記炭素系活物質のG/D比に基づいて、S=O化合物を選択するステップと、
    選択されたS=O化合物を含む電解液を作製するステップと、を含む、リチウムイオン二次電池の製造方法。


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