次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
まず本発明の第1の実施形態の構成について図1を参照して説明する。ここで、図1は本実施形態であるオーダエントリシステム1001の全体の構成を表す図である。
図1を参照するとオーダエントリシステム1001は、米飯自動盛付機101、味噌汁ディスペンサ102、厨房端末装置200(本発明の「提供管理装置」に対応する。)、POS端末装置300、コントロール端末装置400、ワイヤレスアクセスポイント(WAP:Wireless Access Point)500及び注文入力端末装置600を含む。
ここで各装置及び端末間はそれぞれ他の端末又は装置と通信接続されている。具体的には、POS端末装置300とコントロール端末装置400間、厨房端末装置200とコントロール端末装置400間、ワイヤレスアクセスポイント500とコントロール端末装置400間は、それぞれ有線LAN(Local Area Network)で接続されている。
また、注文入力端末装置600は、ワイヤレスアクセスポイント500を介してコントロール端末装置400と接続されている。具体的には、注文入力端末装置600とワイヤレスアクセスポイント500間は無線LANで接続されている。そして、注文入力端末装置600が送信したデータは、ワイヤレスアクセスポイント500へ無線通信にて送信され、ワイヤレスアクセスポイント500からコントロール端末装置400へ有線通信にて送信される。また、コントロール端末装置400が送信したデータは、ワイヤレスアクセスポイント500へ有線通信にて送信され、ワイヤレスアクセスポイント500から無線通信にて注文入力端末装置600へ送信される。
なお、上述した有線LANによる接続の一部又は全部を無線LANによる接続としても良い。
また、米飯自動盛付機101と味噌汁ディスペンサ102は、通信線で厨房端末装置200に有線又は無線接続されている。
注文入力端末装置600は、店舗の従業員が携帯し、顧客の注文を入力する装置である。注文入力端末装置600は、複数台がオーダエントリシステム1001内に含まれる。本説明においては、注文入力端末装置600−1、注文入力端末装置600−2及び注文入力端末装置600−nを図示する。
ワイヤレスアクセスポイント500は、注文入力端末装置600による無線通信を中継する装置である。
厨房端末装置200は、厨房に設置され、注文入力端末装置600に入力された顧客の注文を出力することにより調理担当者に対して調理を指示する装置である。
厨房端末装置200は、顧客の注文を印字出力するキッチンプリンタであっても良いし、顧客の注文を表示するキッチンディスプレイであっても良いし、これらの組み合わせであっても良い。厨房端末装置200は、複数台であってもよい。
POS端末装置300は、顧客が飲食した料理等の代金の会計処理を行う装置である。
米飯自動盛付機101は、食器に御飯の盛り付けを行う装置である。味噌汁ディスペンサ102は、食器に味噌汁をよそう装置である。なお、米飯自動盛付機101及び味噌汁ディスペンサ102は共に、指示に応じて品(商品)を自動で供給する装置であることから、以下の説明において米飯自動盛付機101及び味噌汁ディスペンサ102のことを適宜「商品自動供給装置100」と呼ぶ。また、商品自動供給装置100が供給する品(商品)のことを適宜「自動供給対象商品」と呼ぶ。対して、自動供給対象商品以外の調理担当者による人手での調理が必要な品(商品)のことを適宜「手動調理対象商品」と呼ぶ。なお、商品自動供給装置100には、御飯や味噌汁等の調理済みの商品を供給する装置だけでなく、生食できる食品や、ジュース等の加工品といった調理が不要な商品を供給する装置を含ませても良い。
コントロール端末装置400は、システム全体の制御を行う装置である。
次に、本実施形態特有の処理を実現するための機能ブロックについて、提供管理機能ブロック群800として図2を参照して説明する。本実施形態では、厨房端末装置200が提供管理機能ブロック群800を含む。なお、図2に表すのは特に本実施形態における特有の処理と関連する機能ブロックのみである。厨房端末装置200は、提供管理機能ブロック群800以外にも厨房端末装置としての一般的な機能を実現するための機能ブロックや他の機器との通信を行うための機能ブロックを更に含んでいるがこれらの図示は省略する。
図2を参照すると提供管理機能ブロック群800は、提供管理部801、通信部802及び記憶部803を含む。
提供管理部801は、注文の内容を把握し、必要な場合には商品自動調理装置700への調理開始指示を行う。その後、注文に含まれる調理を要する商品の調理が完了した旨の入力を、調理を完了した調理担当者や商品自動調理機から受け付ける。または、調理を要する商品の調理時間の平均等から調理の完了を予測する。そして、調理が完了したと判断できた場合には商品自動供給装置100に対して自動供給対象商品の提供を指示する。
通信部802は、商品自動供給装置100や後述する商品自動調理装置700と通信を行うための機能を実現する。例えば、調理が完了した旨の通知を受信し、受信した通知を提供管理部801に出力する。また、提供管理部801が出力した自動供給指示や自動調理指示の送信を行う。
記憶部803は、各種の情報を記憶する部分である。記憶部803は例えばコントロール端末装置400から送信された、注文の内容を表す注文データを記憶する。また、記憶部803は、後述する商品マスタや商品自動供給装置テーブル及び商品自動供給装置・商品自動調理装置テーブル等を記憶するようにしても良い。これらの情報は提供管理部801により参照される。また、これらの情報が外部の装置に格納されており、提供管理部801が外部の装置と通信を行うことによりこれらの情報を参照するようにしても良い。
以上が提供管理機能ブロック群800に含まれる各機能ブロックの内容である。
なお、以下に説明する各実施形態及びその変更例では、それぞれ異なる装置に提供管理機能ブロック群800が含まれる。具体的には、第1の実施形態及び第3の実施形態では厨房端末装置200に、第2の実施形態及び第4の実施形態ではコントロール端末装置400に、図13に表される変形例ではPOS端末装置310に、それぞれ提供管理機能ブロック群800が含まれる。また、厨房端末装置200に含まれる場合と同様に、提供管理機能ブロック群800以外の、コントロール端末装置やPOS端末装置としての一般的な機能を実現するための機能ブロックや他の機器との通信を行うための機能ブロックについては図示を省略する。
続いて、図3乃至図5を参照して、本実施形態のオーダエントリシステム1001による各種の情報の管理方法について説明する。
図3は、注文入力端末装置600に入力された顧客の注文に関する処理を行う際に、オーダエントリシステム1001内に含まれる各機器が参照する商品マスタの一具体例を表す図である。
商品マスタでは、品(商品)毎に、商品コード、商品名称、単価及び自動供給装置コードの項目が紐付けられる。
ここで、本実施形態特有の項目である「自動供給装置コード」について説明をする。自動供給対象商品でない商品に対しては、この項目は空白である(例えば、NULLが書き込まれる。)。これに対して、自動供給対象商品に対しては、この商品を供給する商品自動供給装置100の装置コードが、この項目に書き込まれている。例えば、「御飯(小)」、「御飯(中)」及び「御飯(大)」は、共通に御飯用の商品自動供給装置100である米飯自動盛付機101が自動供給のために利用される。そのため、これら「御飯(小)」、「御飯(中)」及び「御飯(大)」の自動供給装置コードの項目には、米飯自動盛付機101の装置コードである「01」が書き込まれている。味噌汁用の商品自動供給装置100である味噌汁ディスペンサ102によって自動で供給される商品である「味噌汁」の自動供給装置コードの項目には、味噌汁ディスペンサ102装置コードである「02」が書き込まれている。
ここで、装置コードについて図4を参照して説明する。図4は、商品自動供給装置テーブルの一具体例を表す図である。
商品自動供給装置テーブルには、商品自動供給装置100である米飯自動盛付機101や味噌汁ディスペンサ102を識別するための装置コードと装置名称とが対応付けられる。本例では、米飯自動盛付機101に対応する装置コードは「01」であるとする。また、味噌汁ディスペンサ102に対応する装置コードは「02」であるとする。そのため、図3の商品マスタでは、御飯(小)〜(大)には、御飯(小)〜(大)を提供する装置である米飯自動盛付機101に対応する装置コード「01」が紐付けられる。また、味噌汁には、味噌汁を提供する装置である味噌汁ディスペンサ102に対応する装置コード「02」が紐付けられる。
なお、これら商品マスタ及び商品自動供給装置テーブルは、例えばコントロール端末装置400が記憶する。そして、コントロール端末装置400以外の他の装置はコントロール端末装置400と通信を行うことにより商品マスタ及び商品自動供給装置テーブルを参照する。なお、コントロール端末装置400以外の他の装置の一部又は全部が記憶するようにしても良い。
次に、図5を参照して注文入力端末装置600に入力される顧客の注文内容について説明する。図5は、顧客の注文に対応した注文データの一例である。
ここで注文データの一例に含まれる各項目について説明する。注文番号は、本注文を特定するための番号である。図の例では、日付と同一日内の通し番号より構成されている。卓番は、顧客の座席位置であるテーブルそれぞれに割り当てられた番号である。注文品には顧客の注文した商品に関する情報が含まれる。商品に関する情報とは、図の例では、商品コード、商品名称、単価、注文を受けた数量である。また、商品自動供給装置100により提供される商品の自動供給装置コードの項目には、それを提供する商品自動供給装置100の装置コードも加えられる。他方で、自動供給対象でない商品の自動供給装置の項目は、空白のままである。
具体的には、今回の注文例では、「カレイ煮付け」、「御飯(中)[150g]」及び「味噌汁」が注文品に含まれている。そして、注文品中、「カレイ煮付け」は、厨房の作業員によって調理が必要な手動調理対象商品であり、「御飯(中)[150g]」は、米飯自動盛付機101によって自動供給される自動供給対象商品であり、「味噌汁」は、味噌汁ディスペンサ102によって自動供給される自動供給対象商品である。
また、自動供給対象商品である、「御飯(中)[150g]」の自動供給装置コードの項目の値は、「01」であり、自動供給対象商品である、「味噌汁」の自動供給装置コードの項目の値は、「02」である。他方で、自動供給対象でなく手動調理対象商品である「カレイ煮付け」の自動供給装置コードの項目は、空白である。
なお、自動供給対象装置コードの項目は、注文データを作成した初期状態では空白であるが、自動供給対象装置コードのその項目には、提供管理部801などが、記憶部803などに記憶されている商品マスタを、注文データに含まれる商品コードをキーとして検索することにより得た、注文された商品を供給する商品自動供給装置100の装置コードが書き込まれている。
続いて、図6を参照して本実施形態の基本的な動作について説明する。図6は、本実施形態のオーダエントリシステム1001における顧客の注文入力から注文品の調理完了までの動作を表すシーケンス図である。
まず、注文入力端末装置600が顧客の注文の入力を受け付ける(ステップS10)。次に、注文入力端末装置600は、受け付けた顧客の注文をコントロール端末装置400に送信する(ステップS11)。
コントロール端末装置400は、顧客の注文を受け付けて記憶すると共に、厨房端末装置200に注文品の内容を注文データとして送信することにより調理を指示する(ステップS12)。
厨房端末装置200は、コントロール端末装置400から送信されてきた注文品の内容を出力する(ステップS13)。より詳細には、厨房端末装置200の提供管理部801が、注文データを受信する。そして、注文データ内に含まれる商品コードをキーとして商品マスタを検索し、キーとした商品コードに対応する自動供給装置コードを取得する。そして、取得した自動供給装置コードを、注文データ内の自動供給装置コードの項目に書き込む。
また、自動供給の対象ではない手動調理対象商品について商品コードをキーとして商品マスタを検索した場合には、商品マスタの自動供給装置コードの項目は空白である。この場合には、注文データ内の自動供給装置コードの項目を空白とする(例えば、NULLが書き込まれる。)か、何も書き込まない。そして、これ以降の処理においては、注文データ内の自動供給装置コードの項目が空白又は何も書き込まれていない商品については、自動供給の対象ではない手動調理対象商品として扱う。
そして、少なくとも、自動供給装置コードの項目が空白である全ての商品(すなわち、自動供給対象でない全ての手動調理対象商品)について出力する。また、併せて自動供給装置コードの欄に自動供給装置コードが書き込まれている商品(すなわち、自動供給対象商品)の一部又は全部も出力するようにしても良い。
具体的には、厨房端末装置200がキッチンプリンタである場合は、注文品を印刷して出力し、厨房端末装置200がキッチンディスプレイである場合は、注文品を表示部に表示する。なお、この出力の際に自動供給対象商品も出力する場合には、手動調理対象商品と自動供給対象商品とを調理担当者が判別可能なように出力する。例えば、自動供給対象商品には「自動供給」等の文言や音声を付加する一方で、手動調理対象商品にはこのような文言や音声は付加しない、といった形で出力する。
厨房の調理担当者は、調理が必要な手動調理対象商品の調理を行い、調理が完了すると、厨房端末装置200に調理が完了した手動調理対象商品について、調理が完了した旨を入力するので、厨房端末装置200はこの入力を受け付ける(ステップS14)。より詳細には、厨房端末装置200内の提供管理部801が入力を受け付け、対応する手動調理対象商品について、調理が完了した旨を把握する。例えば図5に表される注文データ例の注文を受けていたとするならば、厨房の調理担当者は「カレイ煮付け」の調理が完了すると、「カレイ煮付け」について、調理が完了した旨を入力するので、厨房端末装置200はこの入力を受け付ける。なお、注文品中に手動調理対象商品が複数あれば、複数の手動調理対象商品それぞれについて調理が行われ、調理が完了すると、それぞれの手動調理対象商品について調理完了が入力される。
注文品中の全ての手動調理対象商品の調理完了が入力されると、厨房端末装置200は、注文品中の自動供給対象商品について、自動供給対象商品に対応する商品自動供給装置100に自動供給を指示する(ステップS15)。より詳細には、ステップS13で書き直した注文データに基づき、自動供給装置コードの欄が空白である全ての商品(すなわち、手動調理対象商品)について、調理が完了していると判断したならば、自動供給装置コードの欄に自動供給装置コードが書き込まれている商品(すなわち、自動供給対象商品)を、その識別情報を有する商品自動供給装置100に供給させるための指示(自動供給指示)を、その商品自動供給装置100に対して、出力する。例えば図5に表される注文例の注文を受けていたとするならば、注文品中に自動供給対象商品として「御飯(中)[150g]」と「味噌汁」がある。そこで、厨房端末装置200は、米飯自動盛付機101に「御飯(中)[150g]」の自動供給を指示し、味噌汁ディスペンサ102に「味噌汁」の自動供給を指示する。なお、仮に注文品中の自動供給対象商品が、「御飯」と「味噌汁」の何れかのみであれば、米飯自動盛付機101と味噌汁ディスペンサ102の何れかの、注文に含まれる自動供給対象商品に対応する商品自動供給装置100のみに指示をする。更に、仮に注文品中に「御飯」や「味噌汁」といった自動供給対象商品が含まれていなければ、商品自動供給装置100に自動供給を指示することなく、そのままS18に移行する。
自動供給の実行を指示された商品自動供給装置100は、商品の自動供給を実行する(ステップS16)。例えば、米飯自動盛付機101は、注文品に応じた重量の御飯を食器に盛り付ける。また、味噌汁ディスペンサ102は、食器に味噌汁をよそう。
商品自動供給装置100は、商品が自動供給された食器が、調理担当者等により供給位置から取り去られたことを検知すると、厨房端末装置200に対して自動供給が完了した旨を通知する(ステップS17)。
厨房端末装置200は、商品自動供給装置100からの供給完了通知を受信すると、コントロール端末装置400に対して注文品調理が完了した旨の通知を送信する(ステップS18)。より詳細には、厨房端末装置200内の提供管理部801が通信部802を介して供給完了通知を受信すると、コントロール端末装置400に対して注文品調理が完了した旨の通知を送信する。
コントロール端末装置400は、厨房端末装置200からの注文品調理完了通知を受信すると、注文品の配膳を促すため、注文入力端末装置600に注文品調理完了通知を送信する(ステップS19)。注文品調理完了通知を受信した注文入力端末装置600は、注文品の配膳を促すため、注文品の全ての調理が完了し、注文品の全ての提供が可能な状態になったことを店舗の授業員に知らせる情報を出力する。出力は、例えば注文入力端末装置600に含まれる表示部への表示や、注文入力端末装置600からの音による出力や、注文入力端末装置600を振動させること、の何れか又はその組み合わせにより行う。
以上説明した本実施形態は、厨房端末装置200が、厨房の調理担当者による調理完了のタイミングに基づいて、商品自動供給装置100に指示を出し、これに応じて商品自動供給装置100が供給を行うことから、注文品の全てが提供可能状態になることが遅れるおそれ無しに人手による作業を低減することが可能となる、という効果を奏する。
また、調理担当者は自身が調理した注文品についての調理完了した旨の入力を行えば良く、他の注文品を供給する商品自動供給装置100に対しての自動供給指示を行う必要はない。よって、人手による作業を低減することが可能となるという効果を奏する。
また、複数の調理担当者がそれぞれ別の注文品を調理するような場合も有り得るが、本実施形態であれば調理担当者は自身が調理する注文品の調理完了についてのみ把握すれば良く、他の調理担当者が調理する注文品が既に調理完了済みであるか等を把握する必要がなくなるという効果も奏する。なぜならば、厨房端末装置200が全ての注文品について調理が完了したか否かを管理するからである。
なお、上記した本実施形態では、注文品中の手動調理対象商品全ての調理が完了した後、商品自動供給装置100に自動供給を指示している(ステップS14及びステップS15)。もっとも、本実施形態の処理方法はこれに限定されない。
例えば、手動調理対象商品全ての平均的な調理時間に基づいて、注文品出力から所定時間経過後に、商品自動供給装置100に自動供給を指示するようにしてもよい。或いは、各商品について標準的調理時間を記憶しておき、注文品中で最も時間のかかる商品の調理が終了する所定時間前に、商品自動供給装置100に自動供給を指示するようにしてもよい。また、これらの方法を取ると共に、混雑度に応じて上記所定の時間を異ならせるようにしても良い。例えば、注文が殺到し、未だ調理が完了していない注文が多数ある場合には上記所定の時間を長くするようにしても良い。厨房端末装置200は、調理開始時に調理人からの所定の入力を受け付けて、それから所定時間経過後に、商品自動供給装置100に自動供給を指示するようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態の構成について図7を参照して説明する。ここで、図7は第2の実施形態であるオーダエントリシステム1002全体の構成を表す図である。
図7を参照するとオーダエントリシステム1002は、米飯自動盛付機101、味噌汁ディスペンサ102、厨房端末装置200、POS端末装置300、コントロール端末装置400(本発明の「提供管理装置」に対応する。)、ワイヤレスアクセスポイント500及び注文入力端末装置600を含む。このように、オーダエントリシステム1002内に含まれる各機器の種別は第1の実施形態と第2の実施形態とで同一である。また、下述する相違点に関する部分を除いて、各機器の構成及び機能も第1の実施形態と第2の実施形態とで同一である。従って、これら各機器の構成及び機能については説明を省略する。
一方で、第1の実施形態では商品自動供給装置100(米飯自動盛付機101及び味噌汁ディスペンサ102)が、厨房端末装置200に接続されていた。しかし、第2の実施形態では、商品自動供給装置100(米飯自動盛付機101及び味噌汁ディスペンサ102)が、コントロール端末装置400に通信線で接続されており、コントロール端末装置400内の提供管理機能ブロック群800が、米飯自動盛付機101と味噌汁ディスペンサ102に自動供給の指示を行う点で、第1の実施形態と第2の実施形態は相違している。
続いて、図8を参照して本実施形態の基本的な動作について説明する。図8は、本実施形態のオーダエントリシステム1002における顧客の注文入力から注文品の調理完了までの動作を表すシーケンス図である。
まず、注文入力端末装置600が顧客の注文の入力を受け付ける(ステップS20)。次に、注文入力端末装置600は、受け付けた顧客の注文をコントロール端末装置400に送信する(ステップS21)。
コントロール端末装置400は、顧客の注文を受け付けて記憶すると共に、厨房端末装置200に注文品の内容を送信して調理を指示する(ステップS22)。より詳細には、コントロール端末装置400の提供管理部801が、顧客の注文を注文データとして受信する。そして、注文データ内に含まれる商品コードをキーとして商品マスタを検索し、キーとした商品コードに対応する自動供給装置コードを取得する。そして、取得した自動供給装置コードを、注文データ内の自動供給装置コードの項目に書き込む。
また、自動供給の対象ではない手動調理対象商品について商品コードをキーとして商品マスタを検索した場合には、商品マスタの自動供給装置コードの項目は空白である。この場合には、注文データ内の自動供給装置コードの項目を空白とする(例えば、NULLが書き込まれる。)か、何も書き込まない。そして、これ以降の処理においては、注文データ内の自動供給装置コードの項目が空白又は何も書き込まれていない商品については、自動供給の対象ではない手動調理対象商品として扱う。そして、書き込み後の注文データを通信部802を介して送信する。
厨房端末装置200は、コントロール端末装置400から送信されてきた注文データの内容を出力する(ステップS23)。この際、自動供給装置コードの項目が空白である全ての商品(すなわち、自動供給対象でない全ての手動調理対象商品)について出力する。また、併せて自動供給装置コードの欄に自動供給装置コードが書き込まれている商品(すなわち、自動供給対象商品)の一部又は全部も出力するようにしても良い。
具体的には、厨房端末装置200がキッチンプリンタである場合は、注文品を印刷して出力し、厨房端末装置200がキッチンディスプレイである場合は、注文品を表示部に表示する。なお、この出力の際に自動供給対象商品も出力する場合には、手動調理対象商品と自動供給対象商品とを調理担当者が判別可能なように出力する。例えば、自動供給対象商品には「自動供給」等の文言や音声を付加する一方で、手動調理対象商品にはこのような文言や音声は付加しない、といった形で出力する。
厨房の調理担当者は、調理が必要な手動調理対象商品の調理を行い、調理が完了すると、厨房端末装置200に調理が完了した手動調理対象商品について、調理が完了した旨を入力するので、厨房端末装置200はこの入力を受け付ける(ステップS24)。例えば図5に表される注文例の注文を受けていたとするならば、厨房の調理担当者は「カレイ煮付け」の調理が完了すると、「カレイ煮付け」について、調理が完了した旨を入力するので、厨房端末装置200はこの入力を受け付ける。なお、注文品中に手動調理対象商品が複数あれば、複数の手動調理対象商品それぞれについて調理が行われ、調理が完了すると、それぞれの手動調理対象商品について調理完了が入力される。
注文品中の全ての手動調理対象商品の調理完了が入力されると、厨房端末装置200は、コントロール端末装置400に調理が完了した旨の通知を送信する(ステップS25)。
コントロール端末装置400は、厨房端末装置200から調理完了を受信すると、注文品中の自動供給対象商品について、自動供給対象商品に対応する商品自動供給装置100に自動供給を指示する(ステップS26)。より詳細には、自動供給装置コードの欄に自動供給装置コードが書き込まれている商品(すなわち、自動供給対象商品)を、その識別情報を有する商品自動供給装置100に供給させるための指示(自動供給指示)を、その商品自動供給装置100に対して、出力する。例えば図5に表される注文例の注文を受けていたとするならば、注文品中に自動供給対象商品として「御飯(中)[150g]」と「味噌汁」がある。そこで、厨房端末装置200は、米飯自動盛付機101に「御飯(中)[150g]」の自動供給を指示し、味噌汁ディスペンサ102に「味噌汁」の自動供給を指示する。なお、仮に注文品中の自動供給対象商品が、「御飯」と「味噌汁」の何れかのみであれば、米飯自動盛付機101と味噌汁ディスペンサ102の何れかの、注文に含まれる自動供給対象商品に対応する商品自動供給装置100のみに指示をする。更に、仮に注文品中に「御飯」や「味噌汁」といった自動供給対象商品が含まれていなければ、商品自動供給装置100に自動供給を指示することなく、そのままS29に移行する。
自動供給の実行を指示された商品自動供給装置100は、商品の自動供給を実行する(ステップS27)。例えば、米飯自動盛付機101は、注文品に応じた重量の御飯を食器に盛り付ける。また、味噌汁ディスペンサ102は、食器に味噌汁をよそう。
商品自動供給装置100は、商品が自動供給された食器が、調理担当者等により供給位置から取り去られたことを検知すると、コントロール端末装置400に対して自動供給が完了した旨を通知する(ステップS28)。
コントロール端末装置400は、商品自動供給装置100からの供給完了通知を受信すると、注文品の配膳を促すため、注文入力端末装置600に注文品調理完了通知を送信する(ステップS29)。注文品調理完了通知を受信した注文入力端末装置600は、注文品の配膳を促すため、注文品の全ての調理が完了し、注文品の全ての提供が可能な状態になったことを店舗の授業員に知らせる情報を出力する。出力は、例えば注文入力端末装置600に含まれる画面への表示や、注文入力端末装置600からの音による出力や、注文入力端末装置600を振動させること、の何れか又はその組み合わせにより行う。
以上説明した本実施形態は、コントロール端末装置400が適切なタイミングにて、商品自動供給装置100に指示を出し、これに応じて商品自動供給装置100が自動で供給を行うことから、調理の完了が遅れるおそれ無しに人手による作業を低減することが可能となる、という効果を奏する。
なお、上記した本実施形態では、注文品中の手動調理対象商品全ての調理が完了した後、商品自動供給装置100に自動供給を指示している(ステップS24、ステップS25及びステップS26)。もっとも、本実施形態の処理方法はこれに限定されない。
例えば、手動調理対象商品全ての平均的な調理時間に基づいて、注文品出力から所定時間経過後に、商品自動供給装置100に自動供給を指示するようにしてもよい。或いは、各商品について標準的調理時間を記憶しておき、注文品中で最も時間のかかる商品の調理が終了する所定時間前に、商品自動供給装置100に自動供給を指示するようにしてもよい。また、これらの方法を取ると共に、混雑度に応じて上記所定の時間を異ならせるようにしても良い。例えば、注文が殺到し、未だ調理が完了していない注文が多数ある場合には上記所定の時間を長くするようにしても良い。厨房端末装置200は、調理開始時に調理人からの所定の入力を受け付けて、それから所定時間経過後に、商品自動供給装置100に自動供給を指示するようにしてもよい。
次に、本発明の第3の実施形態の構成について図9を参照して説明する。ここで、図9は第3の本実施形態であるオーダエントリシステム1003全体の構成を表す図である。
図9を参照するとオーダエントリシステム1003は、米飯自動盛付機101、味噌汁ディスペンサ102、厨房端末装置200(本発明の「提供管理装置」に対応する。)、POS端末装置300、コントロール端末装置400、ワイヤレスアクセスポイント500、注文入力端末装置600及び自動フライヤー701を含む。
第3の実施形態と第1の実施形態とを比較すると、第3の実施形態では、自動フライヤー701が追加されている点で異なる。ここで、自動フライヤー701は、指示に応じて自動で注文品中のフライ(揚げ物)を調理する装置である。また、自動フライヤー701は、厨房端末装置200と通信線で接続されている。
なお、自動フライヤー701は、指示に応じて品(商品)を自動で調理する装置であることから、以下の説明において自動フライヤー701のことを適宜「商品自動調理装置700」と呼ぶ。また、商品自動調理装置700が調理する品(商品)のことを適宜「自動調理対象商品」と呼ぶ。
また、第3の実施形態では、商品マスタ及び商品自動供給装置テーブルについても第1の実施形態とは異なる。具体的には、図10に表されるように、第1の実施形態の商品マスタ(図3参照)に、第3の実施形態では「自動調理装置コード」欄が追加されている。そして、自動調理対象商品の「自動調理装置コード」欄には、その商品に対応する装置コードが紐付けられている。
また、図11に表されるように、第1の実施形態の「商品自動供給装置テーブル」(図4参照)は、第3の実施形態では「商品自動供給装置・自動調理装置テーブル」となっている。本例であれば、装置コード「03」の自動フライヤー701が追加されている。また、「白身魚フライ」は、自動フライヤー701により自動調理されるため、図10に表される「白身魚フライ」「自動調理装置コード」欄には、自動フライヤー701の装置コード「03」が紐付けられている。
続いて、図12を参照して本実施形態の基本的な動作について説明する。図12は、本実施形態のオーダエントリシステム1003における顧客の注文入力から注文品の調理完了までの動作を表すシーケンス図である。
まず、注文入力端末装置600が顧客の注文の入力を受け付ける(ステップS30)。次に、注文入力端末装置600は、受け付けた顧客の注文をコントロール端末装置400に送信する(ステップS31)。
コントロール端末装置400は、顧客の注文を受け付けて記憶すると共に、厨房端末装置200に注文品の内容を注文データとして送信して調理を指示する(ステップS32)。
厨房端末装置200は、コントロール端末装置400から送信されてきた注文品の内容を出力する(ステップS33)。より詳細には、厨房端末装置200の提供管理部801が、注文データを受信する。そして、注文データ内に含まれる商品コードをキーとして商品マスタを検索し、キーとした商品コードに対応する自動供給装置コード又は自動調理装置コードを取得する。そして、取得した自動供給装置コード又は自動調理装置コードを、注文データ内の自動供給装置コード又は自動調理装置コードの項目に書き込む。
また、自動供給対象商品及び自動調理対象商品の何れでもない手動調理対象商品について商品コードをキーとして商品マスタを検索した場合には、商品マスタの自動供給装置コード及び自動調理コードの項目は空白である。この場合には、注文データ内の自動供給装置コード及び自動調理装置コードの項目を空白とする(例えば、NULLが書き込まれる。)か、何も書き込まない。そして、これ以降の処理においては、注文データ内の自動供給装置コードの項目が空白又は何も書き込まれていない商品については自動供給及び自動調理の対象ではない手動調理対象商品として扱う。
そして、少なくとも、自動供給装置コードの項目が空白又は書き込まれていない全ての商品(すなわち、自動供給対象でない全ての手動調理対象商品)について出力する。また、併せて自動供給装置コードの欄に自動供給装置コードが書き込まれている商品(すなわち、自動供給対象商品)や、自動調理装置コードの欄に自動調理装置コードが書き込まれている商品(すなわち、自動調理対象商品)の一部又は全部も出力するようにしても良い。具体的には、厨房端末装置200がキッチンプリンタである場合は、注文品を印刷して出力し、厨房端末装置200がキッチンディスプレイである場合は、注文品を表示部に表示する。なお、この出力は、自動供給対象商品及び自動調理対象商品と、手動調理対象商品とを調理担当者が判別可能なように出力する。例えば、自動供給対象商品及び自動調理対象商品には「自動供給」や「自動調理」等の文言や音声を付加する一方で、手動調理対象商品にはこのような文言や音声は付加しない、といった形で出力する。
また、厨房端末装置200は、注文品中に商品自動調理装置700による自動調理の対象となる自動調理対象商品がある場合、この自動調理対象商品に対応する商品自動調理装置700に調理を指示する(ステップS34)。より詳細には、ステップS33で書き直した注文データに基づき、自動調理装置コードの欄が空白でない全ての商品(すなわち、全ての自動調理対象商品)について、装置コードに対応する商品自動調理装置700に対して通信部802を介して調理を指示する。例えば、注文品中に「白身魚フライ」が含まれているのであれば、厨房端末装置200は、「白身魚フライ」に対応する自動フライヤー701に調理を指示する。
なお、注文品中に商品自動調理装置700による自動調理の対象となる自動調理対象商品がない場合は、自動調理を指示することなく、ステップS35に移行する。なお、ステップS34は、ステップS33における注文品出力と同時に行われても良く、ステップS33を行った後にステップS34を行っても良い。
厨房の調理担当者は、商品自動調理装置700による自動調理の対象となる自動調理対象商品以外の、調理が必要な手動調理対象商品の調理を行い、調理が完了すると、厨房端末装置200に調理が完了した手動調理対象商品について、調理が完了した旨を入力するので、厨房端末装置200はこの入力を受け付ける(ステップS35)。より詳細には、厨房端末装置200内の提供管理部801が入力を受け付け、対応する手動調理対象商品について、調理が完了した旨を把握する。なお、注文品中に手動調理対象商品が複数あれば、複数の手動調理対象商品それぞれについて調理が行われ、調理が完了すると、それぞれの手動調理対象商品について調理完了が入力されるまた、厨房の調理担当者による調理が必要な手動調理対象商品が、注文に含まれていない場合にはステップS35は省略され、厨房端末装置200は、ステップS37の通知を待機することとなる。
他方で、自動調理を指示された商品自動調理装置700(例えば自動フライヤー701)は、自動調理対象商品を自動調理する(ステップS36)。なお、商品自動調理装置700にて調理対象とする食材は、装置内で自動的に供給されるものであってもよいし、人手によって供給されるものであってもよい。人手によって供給されるものである場合、自動調理が指示された時、調理対象とする食材が供給されていなければ、装置から警報を発するようにする。
自動調理を指示された商品自動調理装置700(例えば自動フライヤー701)は、自動調理した商品が調理担当者等により装置から取り去られたことを検知すると、自動調理が完了した旨の通知を厨房端末装置200対して送信する(ステップS37)。なお、図12ではステップS35の後に、ステップS37における調理完了通知が送信されている。しかし、先に商品自動調理装置700による調理が完了し、その後に、厨房の調理担当者による調理が完了する場合も有り得る。この場合には、ステップS37の後にステップS35が行われることとなる。つまり、ステップS35とステップS37は順番が前後することがある。
厨房の調理担当者による調理、及び商品自動調理装置700による調理が完了し、注文品中の全ての調理が必要な商品の調理完了が入力されると、厨房端末装置200は、注文品中の自動供給対象商品について、自動供給対象商品に対応する商品自動供給装置100に自動供給を指示する(ステップS38)。より詳細には、ステップS33で書き直した注文データに基づき、自動供給装置コードの欄が空白である全ての商品(すなわち、全ての自動調理対象商品及び手動調理対象商品)について、調理が完了していると判断したならば、自動供給装置コードの欄に自動供給装置コードが書き込まれている商品(すなわち、自動供給対象商品)を、その識別情報を有する自動供給装置に供給させるための指示(自動供給指示)を、その自動供給装置に対して、出力する。また、仮に注文品中に「御飯」や「味噌汁」といった自動供給多少商品が含まれていなければ、商品自動供給装置100に自動供給を指示することなく、そのままステップS41に移行する。
自動供給の実行を指示された商品自動供給装置100は、商品の自動供給を実行する(ステップS39)。
商品自動供給装置100は、商品が自動供給された食器が、調理担当者等により供給位置から取り去られたことを検知すると、厨房端末装置200に対して自動供給が完了した旨を通知する(ステップS40)。
厨房端末装置200は、商品自動供給装置100からの供給完了通知を受信すると、コントロール端末装置400に対して注文品調理が完了した旨の通知を送信する(ステップS41)。より詳細には、厨房端末装置200内の提供管理部801が通信部802を介して供給完了通知を受信すると、コントロール端末装置400に対して注文品調理が完了した旨の通知を送信する。
コントロール端末装置400は、厨房端末装置200からの注文品調理完了通知を受信すると、注文品の配膳を促すため、注文入力端末装置600に注文品調理完了通知を送信する(ステップS42)。注文品調理完了通知を受信した注文入力端末装置600は、注文品の配膳を促すため、注文品の全ての調理が完了し、注文品の全ての提供が可能な状態になったことを店舗の授業員に知らせる情報を出力する。出力は、例えば注文入力端末装置600に含まれる画面への表示や、注文入力端末装置600からの音による出力や、注文入力端末装置600を振動させること、の何れか又はその組み合わせにより行う。
以上説明した本実施形態は、厨房端末装置200が、商品自動調理装置700への調理の指示を出すと共に商品自動調理装置700による調理の終了を把握し、商品自動調理装置700による調理の終了に基づいたタイミングにて、商品自動供給装置100に指示を出し、これに応じて商品自動供給装置100が供給を行うことから、注文品の全てが提供可能状態になることが遅れるおそれ無しに人手による作業を低減することが可能となる、という効果を奏する。
なお、上記した本実施形態では、注文品中の手動調理対象商品全ての調理が完了した後、商品自動供給装置100に自動供給を指示している(ステップS35、ステップS37及びステップS38)。もっとも、本実施形態の処理方法はこれに限定されない。
例えば、手動調理対象商品全ての平均的な調理時間に基づいて、注文品出力から所定時間経過後に、商品自動供給装置100に自動供給を指示するようにしてもよい。或いは、各商品について標準的調理時間を記憶しておき、注文品中で最も時間のかかる商品の調理が終了する所定時間前に、商品自動供給装置100に自動供給を指示するようにしてもよい。また、これらの方法を取ると共に、混雑度に応じて上記所定の時間を異ならせるようにしても良い。例えば、注文が殺到し、未だ調理が完了していない注文が多数ある場合には上記所定の時間を長くするようにしても良い。厨房端末装置200は、調理開始時に調理人からの所定の入力を受け付けて、それから所定時間経過後に、商品自動供給装置100に自動供給を指示するようにしてもよい。
更に、ステップS33及びステップS35厨房端末装置200から注文品出力後、あるいは注文品出力と前後して、商品自動調理装置700に自動調理を指示していた。
この点、商品自動調理装置700による調理時間が、調理担当者による調理時間よりも短いことを考慮し、厨房端末装置200から注文品出力後、すみやかに商品自動調理装置700に自動調理を指示するのではなく、注文品出力して所定時間経過後に自動調理を指示するようにしてもよい。また、逆に調理担当者による調理時間が、商品自動調理装置700による調理時間よりも短いような場合には、自動調理を指示して所定時間経過後に注文品出力するようにしてもよい。
次に、第4の実施形態について説明する。本実施形態は、第2の実施形態の構成に、第3の実施形態を組み合わせるというものである。具体的には、図7に表されるコントロール端末装置400(本発明の「提供管理装置」に対応する。)に通信線で接続された自動フライヤー701を加える(この自動フライヤー701を加えた構成については図示を省略する)。
そして、実施形態3では、厨房端末装置200で自動フライヤー701を制御したが、本実施形態では、コントロール端末装置400で自動フライヤー701を制御する。本実施形態における顧客の注文入力から注文品の調理完了までの動作については、第2の実施形態及び第3の実施形態の対応する動作と同じであるので、再度の説明は省略する。
次に、以上説明した各実施形態の変形例について説明する。
まず、構成に関する変形例2つについて図13(a)及び図13(b)を参照して説明する。
本変形例のオーダエントリシステム1004及びオーダエントリシステム1005では、POS端末装置300をPOS端末装置310(本発明の「提供管理装置」に対応する。)へと置き換える。ここで、POS端末装置310は、POS端末装置300の機能に加えてコントロール端末装置400の機能を併せ持つ装置である。そのため、本実施形態では、コントロール端末装置400をオーダエントリシステム内に含ませる必要が無い。
図13(a)のオーダエントリシステム1004は、第1の実施形態を本変形例に適用させた構成に対応する。図13(a)のオーダエントリシステム1004に更に自動フライヤー701を追加した構成(図示を省略する)とすることにより実施形態3を本変形例に適用させた構成となる。
また、図13(b)のオーダエントリシステム1005は、第2の実施形態を本変形例に適用させた構成に対応する。図13(b)のオーダエントリシステム1005に更に自動フライヤー701を追加した構成(図示を省略する)とすることにより実施形態4を本変形例に適用させた構成となる。
なお、各実施形態では商品自動供給装置100として、米飯自動盛付機101及び味噌汁ディスペンサ102を使用したが、これは一例に過ぎず、米飯自動盛付機101及び味噌汁ディスペンサ102以外の商品自動供給装置100を使用するようにしても良い。また、商品自動調理装置700として自動フライヤー701以外の商品自動調理装置700を使用するようにしても良い。
また、上述した説明では、各オーダエントリシステム内の各機器が、コントロール端末装置400と通信して商品マスタや商品自動供給装置テーブル等を参照すると説明したが、各オーダエントリシステム内の各機器がそれぞれ商品マスタや商品自動供給装置テーブルを記憶するようにしても良い。
更に、上述した各実施形態及びその変形例における各処理について下記のようにすることも可能である。
上述したようにステップS16、ステップS27、ステップS39において商品自動供給装置100による自動供給を行う。この自動供給に用いる食器は、それぞれの商品自動供給装置100内で自動的に供給位置に供給されるものであってもよいし、人手によって供給位置に供給されるものであってもよい。人手によって供給位置に供給されるものである場合、自動供給が指示された時、供給されていなければ、装置から警報を発するようにする。
上述したステップS19、ステップS29、ステップS42において注文入力端末装置600に対して注文品調理完了通知を送信する。この注文品調理完了通知は、今回処理対象としている注文品を入力した注文入力端末装置600のみに対して送信しても良いが、今回処理対象としている注文品を入力した注文入力端末装置600を含む所定の注文入力端末装置600に対して送信しても良く、全ての注文入力端末装置600に対して送信しても良い。
上述した各実施形態では、例えば、ステップS14及びステップS15の処理のように、注文品中の全ての調理が必要な商品の調理完了が入力されると、厨房端末装置200は、注文品中の自動供給対象商品について、商品自動供給装置100に自動供給を指示していた。そして、商品自動供給装置100はこの指示に応じて自動供給を開始していた。
しかし、商品自動供給装置100による自動供給の準備が整っておらず、自動供給の指示を受けた商品自動供給装置100がすぐには自動供給を実行できないような状況も考えられる。例えば、商品自動供給装置100が米飯自動盛付機101である場合に、盛付けるべき御飯の残量が不足している場合が考えられる。同様に、商品自動供給装置100が味噌汁ディスペンサ102で有る場合に、味噌汁ディスペンサ102内の味噌汁が不足している場合が考えられる。このような場合には、調理担当者が、御飯や味噌汁を米飯自動盛付機101や味噌汁ディスペンサ102に新たに補充する必要がある。
そのため、調理が必要な商品の調理が完了して、自動供給指示がなされているにも関わらず、商品自動供給装置100は自動供給が開始できない事態となる。従って、注文品の提供が遅れると共に、調理済みの料理が冷めてしまう、といった問題が生じる。
そこで、このような事態を防止するべく、自動供給指示に先立って商品自動供給装置100に、自動供給する商品がすぐに自動供給できる状態であるか確認することが考えられる。
例えば、厨房端末装置200がステップS13にて注文品を出力する際に、厨房端末装置200は商品自動供給装置100に、自動供給対象商品がすぐに自動供給できる状態であるか確認するために、今回の注文に含まれている自動供給対象商品の内容を商品自動供給装置100に対して送信する。
そして、自動供給対象商品の内容を受信した商品自動供給装置100は、自動供給指示があった場合に自動供給対象商品をすぐに自動供給できる状態であるかを確認する。
仮にすぐに自動供給できる状態であれば、商品自動供給装置100は特に処理を行わず、ステップS15の自動供給指示がなされるまで待機をする。
一方で、すぐに自動供給できる状態にないのであれば、商品自動供給装置100は警告を出すようにする。
これにより、警告を聞いた厨房の調理担当者は、調理前にまず商品自動供給装置100に御飯等の補充を行ってから調理に着手することができる。このように商品自動供給装置100に補充を先に行っておけば、調理完了を入力後、ステップS15及びステップS16の処理により、すぐに自動供給がなされることとなる。これにより、上記した、調理が必要な商品の調理が完了して、自動供給指示がなされているにも関わらず、商品自動供給装置100は自動供給が開始できない、という事態の発生を防止することが可能となる。
また、他の変形例として、ステップS14では注文品中の全ての調理が必要な商品の調理完了が入力されると、厨房端末装置200は、注文品中の自動供給対象商品について、商品自動供給装置100に自動供給を指示していた。もっとも、注文品中に、調理が必要な商品ではあるが、別のタイミングで提供すべき商品が含まれている場合には、この別のタイミングで提供すべき商品以外の全ての商品の調理が完了した時点でS15を行うようにしても良い。別のタイミングで提供すべき商品とは、例えばデザート等である。この変形例を実現するためには、例えば商品マスタに別のタイミングで提供すべき商品を識別する情報を更に付加する。そして、厨房端末装置200がこの情報を参照することにより、注文品のなかの何れの商品が別のタイミングで提供すべき商品であるか判別するようにすれば良い。
また、他の変形例として、商品自動供給装置100に分類される装置であっても、各装置によって指示を受けてから自動供給が終了するまでの時間が異なることを考慮して、自動供給指示の送信に時間差をつけるようにしても良い。
例えば指示を受けてから自動供給が終了するまでの時間が、味噌汁ディスペンサ102は10秒、米飯自動盛付機101が5秒である場合には、まず味噌汁ディスペンサ102に自動供給指示を送信し、それから5秒経過後に米飯自動盛付機101に自動供給指示を送信するようにしても良い。これは、対象が商品自動調理装置700であっても同様である。つまり、商品自動調理装置700に分類される装置各々の調理に要する時間に応じて自動調理指示の送信に時間差をつけるようにして、供給の終了が同時になるようにしても良い。
また、他の変形例として、商品自動供給装置100により供給される品に対して、更に調理担当者が調理を行うことが有り得ることを考慮して変形を行っても良い。例えば米飯自動盛付機101が盛付けた御飯の上に調理担当者が更に食材を載せるような商品があったとする。このような商品が注文に含まれていた場合には、厨房端末装置200は、ステップS13にて注文品を出力すると共に米飯自動盛付機101に御飯の盛付けを指示する。調理担当者は、この盛付けられた御飯を使用して更に調理を行い、ステップS14における処理により調理完了入力が行われる。そして、入力を受け付けた厨房端末装置200は、例えば味噌汁ディスペンサ102に味噌汁をよそうことを指示する(ステップS15)。こうすることにより、商品自動供給装置100を、注文された商品に応じて更に広く活用することが可能となる。
また、提供管理機能ブロック群800を含まない注文入力端末装置600が、注文データ内に自動供給装置コードや自動調理装置コードの項目に書き込みを行ってもよい。この場合、参照する商品マスタは、注文入力端末装置600が内部に保持し、又は、オーダエントリシステムのネットワークを介して参照できる記録媒体に格納される。
更に、提供管理機能ブロック群800を含まないコントロール端末装置400が、注文データ内に自動供給装置コードや自動調理装置コードの項目に書き込みを行ってもよい。この場合、参照する商品マスタは、コントロール端末装置400が内部に保持し、又は、オーダエントリシステムのネットワークを介して参照できる記録媒体に格納される。
また、注文品出力のステップ(S13、S23、S33)までに必ずしも、商品マスタを参照して、自動供給装置コードや自動調理装置コードの項目に予め書き込みをしておく必要はなく、注文出力のステップ(S13、S23、S33)、自動供給指示のステップ(S15、S25、S38)及び自動調理指示のステップ(S34)で、その都度、商品マスタを参照して、その参照により取得した装置コードを、自動供給装置コード及び自動調理装置コードとして利用しても良い。
なお、上記のオーダエントリシステムに含まれる各機器は、それぞれがハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記のオーダエントリシステム及び送付先システムのそれぞれに含まれる各機器が協働することにより行なわれる通信方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1) 調理を要する第1の品と、調理済み又は調理不要の第2の品とを含んだ注文を受け付けた場合に、前記注文に含まれる前記第2の品を供給する装置である自動供給装置に対して、前記注文に含まれる前記第1の品についての調理が完了したことを契機として、前記注文に含まれる前記第2の品を供給するように指示を出すことを特徴とする提供管理装置。
(付記2) 少なくとも、前記注文に含まれる前記第1の品の調理を完了したユーザからの入力を受け付けることにより、前記注文に含まれる前記第1の品についての調理の完了を検出することを特徴とする付記1に記載の提供管理装置。
(付記3) 前記注文に含まれる前記第2の品毎に供給に要する時間が異なっており、前記異なる供給に要する時間に基づいて、前記注文に含まれる各前記第2の品の供給の完了が同時になるように時間差をつけて前記指示を出すことを特徴とする付記1又は2に記載の提供管理装置。
(付記4) 前記注文に含まれる前記第1の品についての調理が完了する前に、前記注文に含まれる前記第2の品を供給するように指示を出したとしたならば前記自動供給装置が該指示に応じた供給が可能な状態であるのか確認し、可能な状態にない場合には、前記自動供給装置が指示に応じた供給が可能な状態にないことを知らせる情報をユーザに対して出力することを特徴とする付記1乃至3の何れか1に記載の提供管理装置。
(付記5) 前記自動供給装置による前記注文に含まれる前記第2の品の供給の完了を検出し、その完了を契機として、前記注文された品が全て提供可能となったことを知らせる情報をユーザに対して出力することを特徴とする付記1乃至4の何れか1に記載の提供管理装置。
(付記6) 前記注文に含まれる前記第1の品を調理する自動調理装置に対して、前記注文に含まれる前記第1の品を調理するように指示を出し、少なくとも、該指示に応じた前記自動調理装置による調理完了を表す通知を受け付けることにより、前記注文に含まれる前記第1の品についての調理の完了を検出することを特徴とする付記1乃至5の何れか1に記載の提供管理装置。
(付記7) 付記1乃至5の何れか1に記載の提供管理装置と、
前記提供管理装置の指示に応じて前記注文に含まれる前記第2の品を供給する装置である自動供給装置と、
を備えることを特徴とする提供管理システム。
(付記8) 付記7に記載の提供管理システムであって、
前記注文に含まれる前記第1の品を調理する自動調理装置を更に備え、
前記提供管理装置は、前記注文に含まれる前記第1の品を調理する自動調理装置に対して、前記注文に含まれる前記第1の品を調理するように指示を出し、少なくとも、該指示に応じた前記自動調理装置による調理完了を表す通知を受け付けることにより、前記注文に含まれる前記第1の品についての調理の完了を検出することを特徴とする提供管理システム。
(付記9) 調理を要する第1の品と、調理済み又は調理不要の第2の品とを含んだ注文を受け付けた場合に、前記注文に含まれる前記第2の品を供給する装置である自動供給装置に対して、前記注文に含まれる前記第1の品についての調理が完了したことを契機として、前記注文に含まれる前記第2の品を供給するように指示を出すことを特徴とする提供管理装置としてコンピュータを機能させることを特徴とする提供管理プログラム。
(付記10) 提供管理装置と、前記提供管理装置と接続された前記自動供給装置と、を備えるシステムが行う提供管理方法であって、
前記提供管理装置が、調理を要する第1の品と、調理済み又は調理不要の第2の品とを含んだ注文を受け付けた場合に、前記注文に含まれる前記第2の品を供給する装置である前記自動供給装置に対して前記注文に含まれる前記第1の品についての調理が完了したことを契機として前記注文に含まれる前記第2の品を供給するように指示を出し、
前記自動供給装置が、前記提供管理装置の指示に応じて前記注文に含まれる前記第2の品を供給する、
ことを特徴とする提供管理方法。