JP2015087715A - 反応現像画像形成法 - Google Patents
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Abstract
Description
ミクロ電子工学の半導体集積部品の製造において回路構造を作るために半導体基材はフォトレジストで被覆されるフォトレジスト層の画像形成露光及びこれに続く現像はフォトレジストレリーフ構造を作り出す。このレリーフ構造は半導体基材上に、金属又は他の半導体又は絶縁基材を用いたエッチング−ドーピング、被覆により実際の回路パターンを作るためのマスクとして使用される。その後、フォトレジストマスクは通常除かれる。複数のかかる加工サイクルを用いてマイクロチップのレリーフ構造は基材に形成される。フォトレジストには、ポジ型とネガ型があり、ポジ型フォトレジストの露光域は現像プロセスにより除去され、未露光域が基材上に層として残り、ネガ型作用フォトレジストの露光域はレリーフ構造として残る。
本発明者らは、主鎖にイミド基を有するポリマーを用い、これに光酸発生剤としてジアゾナフトキノン化合物及び露光部溶解阻害剤(「アニオン再生剤」ともいう)としてN−置換マレイミド化合物を用いて、ネガ型のフォトレジストを形成する「反応現像画像形成法」を開発した(特許文献1、2)。
また、脂環式部分を有するポリイミドを用いて解像度の高いポジ型フォトレジストを形成する方法が開示されている(特許文献3)。
また、本発明は、基板上に、この感光性樹脂組成物を含むフォトレジスト層を設け、所望のパターンでマスクする段階、このパターン面に紫外線を照射する段階、及び該フォトレジスト層を現像液で処理する現像段階から成り、該現像液がアルカリの水溶液又はアルコールと水との混合溶液である、ネガ型のフォトレジストを形成する方法である。
また、本発明は、基板上に上記の方法によって形成されたフォトレジスト層を有し、該フォトレジスト層の膜厚が0.1〜500μmであるネガ型フォトレジスト構造物である。このフォトレジスト層として所望のパターンのレリーフ構造を形成することができる。
本発明で用いる酸二無水物は脂環式酸二無水物を含有することを特徴とする。この酸二無水物は、脂環式酸二無水物と芳香族酸二無水物の混合物であってもよい。この脂環式酸二無水物と芳香族酸二無水物との比(モル比、脂環式酸二無水物:芳香族酸二無水物)は、好ましくは8:2〜5:5、より好ましくは7.5:2.5〜5.5:4.5、更に好ましくは7:3〜6:4である。
酸二無水物とジアミン化合物との比は、化学量論比であることが好ましいが、10%程度ずれてもよい。
上記ポリイミド樹脂は、イミド化率(ポリアミック酸のイミド環化割合をいう。)が、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
上記ポリイミド樹脂の好ましい例として、脂環式酸二無水物として下記酸二無水物A及び芳香族酸二無水物として下記酸二無水物Bと下記ジアミン化合物を原料に合成したポリアミック酸から得られるポリイミド樹脂が挙げられる。
アミノ基(−NH2)は、それぞれ独立して、Xに対してメタ位又はパラ位にあることが好ましく、パラ位にあることがより好ましい。
R及びR'は、それぞれ独立して、アルキル基、好ましくはメチル基を表す。
R及びR'は、アミノ基(−NH2)に対してオルト位にあることが好ましい。
m及びnはそれぞれ独立して0〜2、好ましくは0又は1、より好ましくは0の整数を表す。
好ましいジアミン化合物の例を下式に示す。
酸二無水物とジアミン化合物を有機溶媒に溶解する。この有機溶媒には酸二無水物、ジアミン、および生成するポリマーがすべて溶解する溶媒を用いる。得られる溶液に触媒であるγ-バレロラクトン及びピリジンを加え、さらにトルエンを加える。トルエンは重合反応で生成する水を共沸除去するためのものであり、少量(沈殿や濁りが生じない程度)加える。得られた溶液を窒素雰囲気下において加熱撹拌する。加熱温度はバス温で150〜250℃程度、好ましくは170〜200℃、さらに好ましくは180℃である。撹拌速度は150〜250 rpm、好ましくは170〜200 rpm、さらに好ましくは180 rpmである。加熱時間は重合反応の進行の度合いにもよるが、4〜20時間で調整する。反応溶液を約20倍量のメタノールに投入し、得られた固体を減圧条件下で加熱乾燥することによりポリイミド樹脂を得る。酸二無水物とジアミンの重合により得られるポリイミドの前駆体であるポリアミック酸(ポリアミド酸)を、高温加熱(300℃以上)、または触媒存在下での反応により脱水・環化反応することによりポリイミド樹脂を得てもよい。
なお、本発明のジアミンを用いたポリイミド樹脂は、ポリイミド樹脂を構成する酸二無水物が芳香族酸二無水物のみから成る場合、NMP等の製膜溶媒に溶解せず、成膜することが困難である(後述の比較例2と3を参照)。そのため、ポリイミド樹脂を構成する酸二無水物に脂環式酸二無水物を含有させると、本発明のジアミンを用いたポリイミド樹脂は、NMP等の製膜溶媒に溶解し、成膜することが可能になる。
この露光部溶解阻害剤は、好ましくは、下記(1)〜(4)のいずれかの化合物である。
(1)下式で表される構造を有する化合物:
これらの式中、R6は、それぞれ独立して、水素原子、脂肪族基又は芳香族基、好ましくは芳香族基、より好ましくはフェニル基を表す。脂肪族基としては、メチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基が挙げられる。
R7−CONHR6
又は
R7−COCH(R6)2
式中、R7は、それぞれ独立して、脂肪族基又は芳香族基を表す。脂肪族基としては、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基などのアルキル基が挙げられ、芳香族基としては、フェニル基、フェニレン基などが挙げられる。
R6は上記と同様に定義される。
Zは酸素原子(−O−)又は硫黄原子(−S−)を表す。
CH(R9)2C(R6)2OCO−N(R6)2
式中、R9の少なくとも一方は電子求引基を表し、その他は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。電子求引基としては、フルオレニル基、有機スルホキシド基、シアノ基、ニトロ基、エステル基、カルボニル基、アミド基、ピリジル基、好ましくは、フルオレニル基が挙げられる。脂肪族基としてはアルキル基、芳香族基としては、フェニル基、フェニレン基などが挙げられる。
R6は上記と同様に定義される。
アルキルスルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、ブタンスルホン酸が挙げられる。
アリールスルホン酸としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸が挙げられる。
アルキルカルボン酸としては、例えば、酪酸、吉草酸、ステアリン酸があげられ、また、アリールカルボン酸としては、例えば、アリールカルボン酸:安息香酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸が挙げられる。
これらの中で、アリールスルホン酸、アリールカルボン酸が好ましく、アリールスルホン酸としては、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、アリールカルボン酸としては、上記アリールカルボン酸:安息香酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸が好ましい。これらの中で、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、5−ヒドロキシイソフタル酸が特に好ましい。
光酸発生剤はフォトレジスト中に全固形含量に対して5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜30重量%用いられる。
アルカリ溶解促進剤は、ポリイミド樹脂を100重量部に対して、通常1〜40重量部、好ましくは3〜20重量部用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物はそれ自身公知の方法により成分を溶剤又は溶剤混合物中に混合又は溶解することにより配合される。一旦成分は溶液中に溶解され、得られた感光性樹脂組成物溶液は0.1〜1μmの細孔を有するろ過膜を用いて、ろ過してもよい。
基板上への被覆は通常、浸漬、噴霧、ロール塗り又はスピンコーティングによって行われる。生じた層の厚さはフォトレジスト溶液の粘度、固形分含量及びスピンコーティング速度に依存する。本発明のフォトレジストは0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmの層厚を持つ層及びレリーフ構造を作ることができる。多層回路における薄層は一時の間に合わせのフォトレジストとして又は絶縁層として1〜50μmにすることができる。
フォトレジストを基材に塗布した後、これに普通50〜120℃の温度範囲で予備乾燥させる。オーブン又は加熱プレートを使用できる。オーブン中での乾燥時間は5〜60分である。
普通、輻射は紫外線ランプを用いて行われる。市販で入手できる輻射装置、例えば接触又は非接触露光機、走査投光型露光装置又はウエハステッパーを使用することが好ましい。
本発明で用いる現像液は、溶媒として、水又はアルコールと水との混合液を用い、アルカリ成分を主成分とする。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、又はイソ若しくはn−プロパノール等を用いることができる。
アルコールと水との混合液を溶媒として用いる場合、水/アルコール(重量比)は、好ましくは1.0/0.2〜2.0、より好ましくは1.0/0.2〜1.0、更に好ましくは1.0/0.4〜0.5である。
アルカリ成分としてはKOHやNaOHが好ましい。
現像液中のアルカリ成分濃度は、0.1〜25重量%、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは4〜6重量%である。
現像は、ポリマーやその他の成分の種類、現像液の種類、露光エネルギー、現像の形式、予備乾燥温度、現像温度、現像時間を考慮し適宜調整して行う。
現像後、適当な溶媒で洗浄してもよい。
本発明のネガ型フォトレジストは0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmの層厚を有するポリマー被膜及び鋭い輪郭丸みを付けられたレリーフ構造をとることができる。
本実施例で用いたポリイミド樹脂は既報(J.Polym. Sci. Part A: Polym. Chem., 39, 3451 (2001).)に準じて合成した。また、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社、デュアルポンプDP-8020、紫外可視検出器UV-8020(測定波長270nm)、カラムTSKgel GMHHR-M(2本)、ガードカラムTSKguardcolumn HHR-H(1本))を用い、室温でポリイミドの分子量を測定した。N,N'-ジメチルホルムアミドDMF(流速0.8mL/min、DMF 1Lに対してLiBr 30mmol H3PO4 60mmolを含む。)を溶離液として用い、ポリスチレン換算で数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwをそれぞれ決定した。
本実施例においては、以下の方法でフォトレジストを形成させた。各フォトレジスト配合物を、3μm細孔径のろ過膜でろ過し、表面処理を行った直径10cmの銅箔の表面上に、スピンコート法で塗布した。次いで、赤外線熱風乾燥機中で乾燥した。このフォトレジスト配合物塗布膜上に、ネガ型フォトマスク用のテストパターン(10-200μmのラインアンドスペースパターン)を置き、2kW超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP-2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。照射後の塗布膜を現像液に浸漬した後、純水で洗浄し、赤外線ランプで乾燥した。
解像度は、レーザー顕微鏡(キーエンス社製、VK-8510)で現像後のラインアンドスペースパターンを観察することで行った。残膜率については、接触式膜厚計(ニコン デジマイクロMF-501)で露光前の膜と現像後の露光部の膜厚を測定し、その比(残膜率)を算出した。
いくつかの実施例においては、形成したフォトレジストをSEM(日本電子、走査型電子顕微鏡:JSM-6390LV、加速電圧:1.2kV)により観察した。
本製造例では、実施例1〜2で用いるポリイミド樹脂1(下式)を合成した。
フッ素樹脂製板付きガラス製撹拌棒及び水分分離トラップを備えた玉付き冷却管 (Dean-Stark trap) を取り付けた四つ口フラスコに、CHDA (1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、東京化成工業製) 1.35g (6 mmol)、DSDA(3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、東京化成工業製) 1.43g (4 mmol)、4ODA(4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、東京化成工業製) 2.00g (10 mmol)、m-クレゾール 43gを仕込み、γ-バレロラクトン0.11g (1.0 mmol)、ピリジン 0.16g (2.0 mmol)、トルエン 5gを加え、窒素雰囲気下バス温180℃/180rpmで5時間反応させ、約20倍量のメタノールに再沈殿させた。得られた固体を70℃で一晩減圧乾燥させポリイミド樹脂を得た。得られたポリイミド樹脂は、数平均分子量Mn27,000、重量平均分子量Mw74,000、多分散度Mw/Mn=2.7であった。このポリイミド樹脂を1mol/kg KOH水溶液5mLに対して1mg仕込み、25℃で24時間攪拌することにより溶解性を調査した結果、その液が濁らず透明であることが目視で確認された。
本製造例では、実施例3〜4で用いるポリイミド樹脂2(下式)を合成した。
フッ素樹脂製板付きガラス製撹拌棒及び水分分離トラップを備えた玉付き冷却管 (Dean-Stark trap) を取り付けた四つ口フラスコに、CHDA (1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、東京化成工業製) 1.35g (6 mmol)、DSDA(3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、東京化成工業製) 1.43g (4 mmol)、3ODA(3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、東京化成工業製) 2.00g (10 mmol)、m-クレゾール 43gを仕込み、γ-バレロラクトン0.11g (1.0 mmol)、ピリジン 0.16g (2.0 mmol)、トルエン 5gを加え、窒素雰囲気下バス温180℃/180rpmで5時間反応させ、約20倍量のメタノールに再沈殿させた。得られた固体を70℃で一晩減圧乾燥させポリイミド樹脂を得た。得られたポリイミド樹脂は、数平均分子量Mn28,000、重量平均分子量Mw89,000、多分散度Mw/Mn=3.1であった。このポリイミド樹脂を1mol/kg KOH水溶液5mLに対して1mg仕込み、25℃で24時間攪拌することにより溶解性を調査した結果、その液が濁らず透明であることが目視で確認された。
本製造例では、実施例5〜6で用いるポリイミド樹脂3(下式)を合成した。
フッ素樹脂製板付きガラス製撹拌棒及び水分分離トラップを備えた玉付き冷却管 (Dean-Stark trap) を取り付けた四つ口フラスコに、CHDA 1.35g (6 mmol)、DSDA 1.43g (4 mmol)、MDA (4,4'-ジアミノジフェニルメタン東京化成工業製)1.98g (10 mmol)、m-クレゾール 43gを仕込み、γ-バレロラクトン0.11g (1.0 mmol)、ピリジン 0.16g (2.0 mmol)、トルエン 5gを加え、窒素雰囲気下バス温180℃/180rpmで5時間反応させ、約20倍量のメタノールに再沈殿させた。得られた固体を70℃で一晩減圧乾燥させポリイミド樹脂を得た。得られたポリイミド樹脂は、数平均分子量25,000、重量平均分子量Mw61,000、多分散度Mw/Mn=2.4であった。このポリイミド樹脂を1mol/kg KOH水溶液5mLに対して1mg仕込み、25℃で24時間攪拌することにより溶解性を調査した結果、その液が濁らず透明であることが目視で確認された。
本製造例では、比較例1で用いるポリイミド樹脂4(下式)を合成した。
フッ素樹脂製板付きガラス製撹拌棒及び水分分離トラップを備えた玉付き冷却管 (Dean-Stark trap) を取り付けた四つ口フラスコに、CHDA 1.35g (6 mmol)、DSDA 1.43g (4 mmol)、2,4-ジアミノトルエン(DAT) 1.22g (10 mmol)、m-クレゾール 36gを仕込み、γ-バレロラクトン0.11g (1.0 mmol)、ピリジン 0.16g (2.0 mmol)、トルエン 5gを加え、窒素雰囲気下バス温180℃/180rpmで5時間反応させ、約20倍量のメタノールに再沈殿させた。得られた固体を70℃で一晩減圧乾燥させポリイミド樹脂を得た。得られたポリイミド樹脂は、数平均分子量Mn23,000、重量平均分子量Mw38,000、多分散度Mw/Mn=1.6であった。このポリイミド樹脂を1mol/kg KOH水溶液5mLに対して1mg仕込み、25℃で24時間攪拌することにより溶解性を調査した結果、その液が濁らず透明であることが目視で確認された。
NMP4.0 gに製造例1で得たポリイミド樹脂1 1.0gを添加して溶解させた後、光酸発生剤としてジアゾナフトキノン系感光剤PC-5(東洋合成製、1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-5-スルホン酸-p-クレゾールエステル)0.15g、露光部溶解阻害剤としてPMI(N-フェニルマレイミド)0.3g、アルカリ溶解促進剤として5HIPA(5-ヒドロキシイソフタル酸)0.1gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5 15重量部、PMI 30重量部、5HIPA 10重量部)。この溶液を43μmの銅張積層版上にスピンコート法 (1000rpm/10sec +1200rpm/30sec) にて塗布し、遠赤外線熱風循環式乾燥機でプリベーク (90℃/10min) 後、膜厚約20μmの感光性PI被塗膜を得た。
これにPET製のフォトマスクを介して、紫外線露光機(オーク社製)によりi線からg線帯域の光を照射した。i線帯域用の照度計で測定した露光量は300mJ/cm2であった。
露光後、1mol/kg KOH水溶液10gを用いて、30℃、超音波法により現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄し、ネガ型フォトレジストを得た。現像時間は4分32秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで20μmであり、残膜率は84%であった。このフォトレジストのSEM写真を図1Aに示す。
NMP 4.0gに製造例1で得たポリイミド樹脂1 1.0gを添加して溶解させた後、PC-5 0.15g、PMI 0.3g、5HIPA 0.1gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5 15重量部、PMI 30重量部、5HIPA 10重量部)。実施例1と同様の操作で、プリベーク、露光及び現像を行い、ネガ型フォトレジストを得た。現像液には30wt% EtOH(エタノール)含有1mol/kg KOH水溶液を用いた。現像時間は1分44秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで25μmであり、残膜率は91%であった。このフォトレジストのSEM写真を図1Bに示す。
実施例3
実施例1のポリイミド樹脂1を、同量の製造例2で得たポリイミド樹脂2に代えて、実施例1と同様にして、感光性PI被塗膜を作製し、ネガ型フォトレジストを形成させた。現像時間は6分00秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで20μmであり、残膜率は88%であった。
実施例1のポリイミド樹脂1を、同量の製造例2で得たポリイミド樹脂2に代えて、実施例2と同様にして、感光性PI被塗膜を作製し、ネガ型フォトレジストを形成させた。現像時間は1分35秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで15μmであり、残膜率は79%であった。
実施例5
実施例1のポリイミド樹脂1を、同量の製造例3で得たポリイミド樹脂3に代えて、実施例1と同様にして、感光性PI被塗膜を作製し、ネガ型フォトレジストを形成させた。現像時間は5分24秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで35μmであり、残膜率は67%であった。
実施例6
実施例1のポリイミド樹脂1を、同量の製造例3で得たポリイミド樹脂3に代えて、実施例2と同様にして、感光性PI被塗膜を作製し、ネガ型フォトレジストを形成させた。現像時間は1分24秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで20μmであり、残膜率は77%であった。
この比較例では、ポリイミド樹脂を構成するジアミンとして、本発明以外のジアミンを用いた場合について検討した。そのため、ジアミンとして2,4-ジアミノトルエン(DAT)を用いて得たポリイミド樹脂4を使用した。このポリイミド樹脂は現像液に対する溶解性が高いため、本比較例においては、現像液として、同じ重量濃度あたりでの溶解性が実施例1等で用いたKOH溶液より低いTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)溶液を用い、その濃度も低くした。
NMP5.3 gに製造例4で得たポリイミド樹脂4 1.0gを添加して溶解させた後、光酸発生剤としてジアゾナフトキノン系感光剤PC-5 0.1g、露光部溶解阻害剤としてPMI 0.2g、アルカリ溶解促進剤として5HIPA 0.1gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5 10重量部、PMI 20重量部、5HIPA 10重量部)。この溶液を35μmの電解銅箔上(マット面)にスピンコート法 (400rpm/10sec +600rpm/30sec) にて塗布し、遠赤外線熱風循環式乾燥機でプリベーク (75℃/10min) 後、膜厚約10μmの感光性PI被塗膜を得た。
これにPET製のフォトマスクを介して、紫外線露光機(オーク社製)によりi線からg線帯域の光を照射した。i線帯域用の照度計で測定した露光量は300mJ/cm2であった。
露光後、2.5重量%(0.274mol/kg) TMAH水溶液10gを用いて、室温下、浸漬法により現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄し、ネガ型フォトレジストを得た。現像時間は6分27秒であり、残膜率は43%であった。
実施例1、3及び5と本比較例1とを比較すると、露光後の本発明のポリイミド樹脂は、比較例1のポリイミド樹脂に比べて、現像液への溶解度が適度であり(即ち、溶解し過ぎず)、その結果高い残膜率を達成することができるといえる。
本比較例では、ポリイミド樹脂5(下式)を合成した。
本比較例では、ポリイミド樹脂6(下式)を合成した。
比較例2と3の結果は、本発明のジアミンを用いたポリイミド樹脂は、ポリイミド樹脂を構成する酸二無水物が芳香族酸二無水物のみから成る場合、製膜溶媒に溶解せず、成膜することができないことを示している。
Claims (14)
- ポリイミド樹脂、露光部溶解阻害剤及び光酸発生剤を含有するネガ型フォトレジスト構造物を形成させるための感光性樹脂組成物であって、該ポリイミド樹脂が酸二無水物と下式
- 前記アミノ基(−NH2)がそれぞれ独立してXに対してメタ位又はパラ位にある請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記Xが−O−又は−S−である請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記酸二無水物が、脂環式酸二無水物と芳香族酸二無水物の混合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記脂環式酸二無水物と前記芳香族酸二無水物との比(モル比)が、8:2〜5:5である請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記酸二無水物が酸二無水物Aと酸二無水物Bから成り、該酸二無水物Aが下式で表され、
該酸二無水物Bが下式
- 前記酸二無水物Aと酸二無水物Bとの比(モル比A:B)が、8:2〜5:5である請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記露光部溶解阻害剤が下式
R7−CONHR6
又は
R7−COCH(R6)2
(式中、R7は、それぞれ独立して、脂肪族基又は芳香族基を表し、R6は上記と同様に定義される。)で表される化合物、下式
CH(R9)2C(R6)2OCO−N(R6)2
(式中、R9の少なくとも一方は電子求引基を表し、その他は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。R6は上記と同様に定義される。)で表される化合物である請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。 - 前記光酸発生剤が1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-5-スルホン酸-p-クレゾールエステルであり、前記露光部溶解阻害剤が下式
- 前記感光性樹脂組成物が、更に、アルカリ溶解促進剤を含有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ溶解促進剤が、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルカルボン酸及びアリールカルボン酸から成る群から選択される請求項10に記載の感光性樹脂組成物。
- 基板上に、請求項1〜11のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を含むフォトレジスト層を設け、所望のパターンでマスクする段階、このパターン面に紫外線を照射する段階、及び該フォトレジスト層を現像液で処理する現像段階から成り、該現像液がアルカリの水溶液又はアルコールと水との混合溶液である、ネガ型のフォトレジストを形成する方法。
- 前記アルカリ水溶液が、KOH又はNaOHの水溶液又はアルコールと水との混合溶液から成る請求項12に記載の方法。
- 基板上に請求項12又は13に記載の方法によって形成されたフォトレジスト層を有し、該フォトレジスト層の膜厚が0.1〜500μmであるネガ型フォトレジスト構造物。
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