JP2015087530A - 画像形成装置 - Google Patents

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Masaki Shimomura
正樹 下村
中原 久司
Hisashi Nakahara
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Abstract

【課題】画像形成装置において、FPOT(First PrintOut Time)短縮と、定着部のローラ硬度変化による巻き付きを抑制できる画像形成装置を提供する。【解決手段】装置が置かれた環境の湿度を検知する環境検知部材を有し、環境検知部材で検知した湿度が閾値湿度よりも低い時は高い時よりも定着ローラ1の待機温度を低くする。これにより定着ローラゴム層1bの硬度上昇を抑制し、記録紙が巻き付くことを経時にわたって抑制できるとともに、FPOTへの影響を少なくすることができる。【選択図】図2

Description

本実施例は、記録材に形成されたトナー画像を記録材に加熱定着させる定着装置を備える画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成プロセスを採用した画像形成装置が備える定着装置として次のようなものが知られている。ハロゲンランプ等のヒータを内包する定着ローラと、定着ローラと共に定着ニップ部を形成する加圧ローラと、を備え、定着ニップ部で未定着トナー画像を担持させた記録材を搬送しながら加熱して未定着トナー画像を記録材に加熱定着させるものである。
定着ローラや加圧ローラは、アルミニウムや鉄の芯金の表面にゴム層を形成し、その外側にフッ素系樹脂の被覆層を形成する構成が一般的である。
通常、このような定着装置では、ローラ表面にサーミスタ等の温度検知部材を設けて温度検知を行う。そして、制御部は、この検知温度に基づきハロゲンヒータの点灯を制御しローラ表面温度を目標温度に維持する。
ところで、ユーザからのプリント信号を受信後、すばやく印刷動作に移行するためには、プリント信号の待機(スタンバイ)期間におけるローラ表面温度をある程度の温度に維持しておく必要がある。例えば、特許文献1では、ローラの待機温度を低温環境で高温環境よりも高くなるように設定している。
特開平10−39672
しかしながら、ゴム層の材料として一般的に使用されるシリコーンゴムは高温状態で長期間放置されると、ポリマー間の架橋が進行するなどの影響を受けることで、硬度が高くなることがある。特に低湿環境でローラが高温に維持されると、よりローラ硬度の上昇が進行しやすい。
ローラ硬度が高くなると定着ニップ部の形状が変化するため、記録材がローラに巻き付きやすくなるという課題が発生することがある。この対策として、一律に待機温度を低くすることで硬度が上昇を抑制することが考えられる。しかしながら、一律にローラの待機温度を低くするとプリント信号があった時に定着装置を早く立ち上げることが難しくなり、FPOT(First PrintOut Time)が長くなるという課題がある。
(発明の目的)
上記のような課題を鑑み、本発明は、FPOTへの影響を抑えつつローラの硬度上昇による記録材の巻き付き等を抑制できる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の好適な態様としては、未定着トナー画像を記録材に形成する画像形成部と、ゴム層を有し前記未定着トナー画像と接触する回転体と、前記回転体を加熱するヒータと、前記回転体と共にニップ部を形成するバックアップ部材と、前記回転体の温度を検知する温度検知部材と、を有し、前記ニップ部で前記未定着トナー画像が形成された記録材を搬送しながら加熱して前記未定着トナー画像を記録材に定着する定着部と、プリント信号の受信を待つ待機期間に前記温度検知部材で検知した温度が待機温度に維持されるように前記ヒータに供給する電力を制御する制御部と、を備える画像形成装置において、前記装置が置かれた環境の湿度を検知する環境検知部材を有し、前記環境検知部材で検知した湿度が閾値湿度よりも低い時は高い時よりも前記待機温度が低いことを特徴とするものである。
本発明によると、FPOTへの影響を抑えつつローラの硬度上昇による記録材の巻き付きを抑制できる。
本発明の実施例1で説明に使用した画像形成装置の概略図 本発明の実施例1で説明に使用した定着装置の概略図 本発明の実施例1で説明に使用した定着ローラの待機温度と水分量の相関図 本発明の実施例1で説明に使用した制御のフローチャート 本発明の実施例1で説明に使用したローラの硬度変化図 本発明の実施例1で説明に使用したローラの硬度変化図 本発明の実施例1で説明に使用したローラの硬度変化図 本発明の実施例2で説明に使用した定着装置の概略図 本発明の実施例2で説明に使用したローラの待機温度と水分量の相関図 本発明の実施例2で説明に使用した制御のフローチャート 本発明の実施例2で説明に使用したローラの硬度変化図 本発明の実施例2で説明に使用したローラの硬度変化図 本発明の実施例2で説明に使用したローラの硬度変化図
以下、本発明の実施例について説明する。
(1)画像形成装置
図1は本実施形態例1における画像形成装置の一例の概略構成図である。本実施例の画像形成装置は、電子写真方式のA3サイズ対応のフルカラープリンタである。このプリンタの最大スループットは20PPM(Pages Per Minute)であり、FPOTは14.0秒である。ここで言うFPOTは、制御部にプリント信号が入力されてから、画像形成された1枚目の記録材が装置外に排出されるまで要する時間)である。
Y、M、C、Bkは画像形成部であり、それぞれ、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色のトナー画像を形成する画像形成部である。
17は中間転写体である中間転写ベルトであり、駆動ローラ17a、2次転写対向ローラ17b、ターンローラ(テンションローラ)17cの3つのローラ間に懸回張設してある。上記4つの画像形成部Y、M、C、Bkは、テンションローラ17cと駆動ローラ17aとの間の水平の中間転写ベルト部分の上側に図面上左側から右側に一定の間隔をおいて順に一列に配置してある。
中間転写ベルト17には、ポリイミド樹脂にカーボンを分散させて体積抵抗率を略10^7Ω・cmに調整した厚み0.1mmのシームレスベルトを用いている。この中間転写ベルト17は駆動ローラ17aが駆動系m1により回転駆動されることで矢印の時計方向に所定のプロセス速度(周速度=90mm/sec)で回転駆動される。
各画像形成部Y、M、C、Bkには、それぞれ像担持体としての感光ドラム11a〜11dが設置されている。各感光ドラムの周囲には、1次帯電器12a〜12d、レーザースキャナ13a〜13d、現像器14a〜14d、クリーニング装置16a〜16dがそれぞれ設置されている。各現像器14a〜14dには、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーが収納されている。
各画像形成部Y、M、C、Bkの感光ドラム11a〜11dの下面には中間転写ベルト17を介して、中抵抗の弾性材を芯金に被覆した1次転写ローラ15a〜15dを圧接させて配設している。それぞれ感光ドラム11a〜11dと中間転写ベルト17との間で1次転写ニップ部Ta〜Tdを形成させている。尚、ここで言う中抵抗とは、1KV印加時のニップ形成での実抵抗が10^6〜10^10Ωのものである。
18は芯金と、芯金の外側に形成された中抵抗のEPDM発泡層を有した2次転写ローラである。2次転写ローラは、2次転写対向ローラ17bと共に中間転写ベルト17を介して2次転写ニップ部Teを形成する。
19は中間転写ベルト17の面を清掃するブレード式のベルトクリーニング装置であり、ターンローラ17cの位置において中間転写ベルト17の外面側に配設してある。
10は記録材上の画像を加熱定着させる加熱装置(以下、定着装置と記す)であり、2次転写ニップ部Teよりも記録材搬送方向下流側位置に配設してある。
20は環境検知手段であるところの温湿度センサーで、本体内の機内昇温の影響を受けにくい場所に設置してあり、装置が置かれている環境温湿度をモニターしている。検知した温度、湿度から絶対水分量が算出でき、これらを制御回路(制御部)100に伝える。制御回路100は画像形成装置全体の作像シーケンス制御を司る。
画像形成動作開始信号(プリント開始信号)が発せられると、各画像形成部Y、M、C、Bkの感光ドラム11a〜11dが矢印の反時計方向に、また中間転写ベルト17が矢印の時計方向に、所定のプロセス速度(周速度=90mm/sec)で回転駆動される。
そして、各画像形成部Y、M、C、Bkのレーザースキャナ13a〜13dはホストコンピュ−タより送られたフルカラー画像情報の色分解画像信号に対応して変調されたレーザー光を出力して各感光ドラム11a〜11dの一様帯電処理面を走査露光する。これにより各感光ドラム11a〜11dにそれぞれフルカラー画像の色分解画像パターン(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像パターン)に対応した静電潜像が形成される。
レーザー光の強度及び照射スポット径は画像形成装置の解像度及び所望の画像濃度によって適正に設定されている。感光ドラム11a〜11d上の静電潜像は、レーザー光が照射された部分は明部電位VL(約−100V)に、照射されていない部分は1次帯電器12a〜12dで帯電された暗部電位VD(約−400V)に保持される。
各感光ドラム11a〜11d上の静電潜像は感光ドラムの回転により、現像器14a〜14dとの対向部に達し、同一極性(本例ではマイナス極性)に帯電されたトナーが供給されて顕像化される。すなわち各感光ドラム11a〜11dにはそれぞれフルカラー画像の色分解画像パターンであるイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像が形成される。
そして、各1次転写ニップ部Ta〜Tdにおいて中間転写体である中間転写ベルト17上に各感光ドラム11a〜11d上の上記イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像を順次に重畳転写してフルカラートナー画像を合成する。
各1次転写ニップ部Ta〜Tdでは、中間転写ベルト17の背面に接している1次転写ローラ15a〜15dに印加された、トナーと逆極性の電圧(+100〜+1000V)によって1次転写ニップ域に形成された電界によりトナー像は1次転写される。
中間転写ベルト17が最後の画像形成部Bkの感光ドラム11dとの1次転写ニップ部Tdを通過した段階でフルカラートナー画像が中間転写ベルト17上に重畳合成形成されて担持され、1次転写行程は完了する。
一方、中間転写ベルト17に対するトナー像の1次転写を終えた各感光ドラム11a〜11dの表面はクリーニング装置16a〜16dによりそれぞれ表面を清掃された後、次の画像形成工程に備える。
そして、記録材Pは不図示の給紙手段部よって給送され、更にレジストレーションローラ対21において中間転写ベルト17上のトナー画像の先端とタイミングが合うように搬送制御されて2次転写ニップ部Teに挿入される。この時、2次転写ローラ18にはトナーと逆極性の電圧(+1K〜+6KV)が印加され、フルカラートナー画像は中間転写ベルト17から記録材Pに2次転写される。
2次転写ニップ域を出た、未定着フルカラートナー画像を載せた記録材Pは、定着装置10に到達し、加熱・加圧されて永久定着像が得られる。
フルカラートナー画像を記録材Pに転写し終えた中間転写ベルト17の表面は、ベルトクリーニング装置19のウレタンゴムからなるクリーニングブレード19aによって2次転写後の残トナーを廃トナーボックス19bへと掻き落とすことにより清掃される。
モノクロ画像形成モードは、上記4つの画像形成部Y、M、C、Bkのうちブラックのトナー画像を形成する画像形成部Bkのみが作像動作することで実行される。
(2)定着装置(定着部)
図2は定着装置10の概略構成模型図である。この定着装置10は、回転体としての定着ローラ1と、バックアップ部材としての加圧ローラ3を主体とする。
定着ローラ1は、その中空部に配設したヒータとしてのハロゲンヒータ2によって加熱される。定着ローラ1は外径50mmであって、厚み3mmのアルミニウム製芯金1aと、該芯金の外周を被覆させた2mm厚のシリコーンゴムからなるゴム層1bと、その外周を被覆させた50μm厚のPFA樹脂1cと、を有する。ローラ初期硬度は1kg荷重のAsker−C測定にて71°、熱伝導率は0.8W/mKである。
加圧ローラ3は外径40mmであって、芯金3aと、該芯金の外周を被覆させた3mm厚のシリコーンゴムからなるゴム層3bと、その外周を被覆させた50μm厚のPFA樹脂3cと、を有する。ローラ初期硬度は1kg荷重のAsker−C測定にて70°、熱伝導率は0.2W/mKである。実施例1では加圧ローラ3はヒータを有していない。
本実施例で定着ローラ1と加圧ローラ3に採用されているシリコーンゴムは、架橋剤とポリマーの2液混合によって作られている。一般的にポリマー内のビニル基が多く残存していると熱により架橋が進行し、硬化が起こる。本実施例においては、未定着トナー画像と直接接触して熱を伝える定着ローラ1は、加圧ローラ3よりも多い熱伝導フィラーを含有させている。よって、定着ローラ1は、熱伝導フィラーの含有量が多い分、ポリマー間の架橋がさらに進行しやすくなり、硬化が起こりやすくなる。
尚、定着ローラ1のみ熱伝導性フィラーを含有させて加圧ローラ3には熱伝導フィラーを含有させない構成でも良い。
上記の定着ローラ1と加圧ローラ3は互いに上下に圧接させて不図示の装置筐体に組み込んで、両者(定着ローラ1と加圧ローラ3)間に所定幅の定着ニップ(加熱ニップ)部Nを形成させてある。
定着ローラ1は駆動手段m2により図2において矢印の時計方向に回転駆動され、加圧ローラ3は定着ニップ部N内の摩擦により反時計方向に従動回転する。
ハロゲンヒータ2は700W(100V時)の出力で、電源(不図示)内にあるトライアックにより電流のON/OFFを供給されて点灯・消灯する。
定着ローラ1には、第1の温度検知部材としてのサーミスタ5を配設してある。このサーミスタ5の検知温度が目標温度に維持されるように制御回路100は前記トライアックのON/OFFを制御してヒータに供給する電力を制御する。
而して、定着ニップ部Nに未定着トナー像tを担持した記録材Pが導入されると、記録材Pは定着ローラ1の外面に密着して定着ローラ1と一緒に定着ニップ部Nを通過する。定着ニップ部を通過する過程で、定着ローラ1からの熱伝導によってトナー像tが加熱されてトナー像の加熱定着がなされる。定着ニップ部Nを通った記録材Pは定着ニップ部Nの出口側で定着ローラ1の外面から分離されて搬送される。
(3)待機温度
本実施例の特徴であるローラ硬度変化抑制のための待機温度制御について説明する。
本実施例における待機温度とは、ユーザからのプリント信号を待つ待機期間における定着ローラもしくは加圧ローラの表面温度のことである。待機温度は、ユーザからプリント信号が送られたときにすぐさまプリント動作に移行できる温度に設定される。この待機温度はFPOTに大きく影響する。本実施例の画像形成装置では、装置が設置された環境の水分量(湿度)に応じて、定着ローラ1の待機温度を設定する。
環境の水分量と定着ローラ1の待機温度との相関を表した図を図3に示す。本実施例の待機温度制御における定着ローラ1の待機温度は、水分量が閾値水分量(閾値湿度)である16g/m^3以上の場合は190℃、水分量が16g/m^3より小さい場合は、160℃となる。
ここで、待機期間に本実施例の待機温度制御を実行せず、水分量によらず常に定着ローラの待機温度を190℃とするものを比較例とする。比較例は、FPOTを最優先としたものである。
次に、制御について図4のフローチャートを用いて全体像を説明する。はじめに、STEP1にて画像形成装置の電源が入れられる。次に、STEP2に移り、温湿度センサー20にて本画像形成装置が設置されている環境の水分量を測定する。次に、STEP3では、STEP2にて測定した水分量の結果に応じて、定着ローラ1の待機温度を決定する。決定後は、そのままSTEP4の待機状態へと移行する。最後に、STEP5に移り、5分毎に水分量の測定を実施する。測定結果から、定着ローラ1の待機温度を変更する必要があれば、STEP3へと移行する。変更する必要がなければ、再びSTEP4の待機状態へと移行する。
実施例1と比較例1とで、定着ローラ1と加圧ローラ3の硬度変化にどれほどの差がでるのか検証を行った。
図5に23℃50%(水分量8.9g/m^3)環境において、間欠プリント耐久を製品寿命である6万枚まで行った場合の、定着ローラ1と加圧ローラ3の硬度変化を示す。硬度は、Asker−Cにて測定している。この間欠プリント耐久は、A4用紙を60枚連続プリントした後に60分待機することを繰り返し行う耐久試験である。
水分量は8.9g/m^3であるので、本実施例の場合、図3より、定着ローラ1の待機温度は160℃である。比較例の場合、定着ローラ1の待機温度は190℃である。
一般的に定着ローラ1と加圧ローラ3との硬度差が大きくなるほど記録材がローラに巻き付きやすくなる傾向が見られる。よって、定着ローラ1と、加圧ローラ3と、のいずれかのローラの硬度変化を小さくすると巻き付きにくくなるという効果が得られる。
本実施例に用いた画像形成装置では、定着ローラ1と加圧ローラ3の硬度差が5.0°以上になると、定着ニップ幅の変化の影響を受け、記録材がローラに巻き付くなどの問題が発生する確率が上がるため、ローラ硬度変化を5.0°未満に抑えることが望ましい。
図5より、比較例1(待機温度190℃)は、定着ローラ1は初期値から−1.5°まで軟化が進み、その後、6万枚時点で4.8°まで硬化が進んでいることがわかる。
実施例1(待機温度160℃)は、加圧ローラ3は初期値から−1.5°まで軟化が進むが、その後、6万枚時点で−0.8に硬化が抑えられている。従って、実施例1は、比較例1と比較して、硬度上昇の傾きが小さく抑えられていることがわかる。つまり、実施例1は、耐久を通じて、比較例1よりも定着ローラ1の硬度変化が抑制できていることがわかる。
加圧ローラ3については、実施例1、比較例1の両方で大きい差はなく、−1.0まで軟化している。これは、前述したように加圧ローラ3の熱伝導性フィラー含有量が定着ローラ1よりも少ないからである。
次に図6に定着ローラ1と加圧ローラ3の硬度の差分を示す。硬度差は、定着ローラ1の硬度から加圧ローラ3の硬度を減じて算出している。
図6より、比較例1は、通紙枚数が5万枚時点で硬度差が+5.0を超え、6万枚時点で+7.0まで到達していることがわかる。実施例1は、6万枚時点で+1.3であり、硬度差を±5.0以内に抑えられていることがわかる。
これらのメカニズムについて説明する。間欠耐久がスタートし、定着ローラ1が加熱されると、熱によってポリマー間の架橋が進行することによる硬化と、熱と水分によってポリマー間の主鎖の切断が進行することによる軟化が同時に現れる。比較例1の場合は5千枚、実施例1の場合は4万枚まで、硬化よりも軟化の影響の方が大きいことがわかる。実施例1と比較例1とで飽和するまでの枚数に差が出たのは、定着ローラ1の待機温度の差により、軟化の進行速度に差が出たためである。その後、水分量8.9g/m^3環境におけるポリマー間の主鎖が切断されやすい部分には限りがあり、次第に軟化現象は飽和する。そのため、比較例1の場合は5000枚以降、実施例1の場合は4万枚以降、ポリマー間の架橋が進行することによる硬化現象が顕著となり、定着ローラの硬度は反転して、硬化傾向に転じている。硬化現象も待機温度の差により進行速度が異なっており、温度が高いほど、架橋の進行速度が速い。また、加圧ローラ3については、定着ローラ1からの熱及び圧による変形によりポリマー間の主鎖の切断が起こるため、6万枚まで−1.0程度軟化している。
実施例1において、水分量による待機温度の制御を入れると、水分量が16g/m^3より小さい場合は大きい場合よりも待機温度を低くすることで、FPOTを比較例1と同じ時間に保つとトナーの定着性が悪化する。この対策としては、プリント信号を受信後、定着ローラ1内のハロゲンヒータ2を点灯し、定着ローラ1が190℃に到達してからプリントを開始する、などが挙げられる。プリント信号を受信した後、定着ローラ1内のハロゲンヒータ2を点灯し、定着ローラ1が190℃に到達後にプリントを開始する方法を採用した場合は、FPOTは28秒になり長くなる。しかしながら、水分量16g/m^3以上の環境では実施例1についても待機温度190℃であり待機温度を低くしないのでFPOTへの影響はない。
では、ここで実施例1において、水分量16g/m^3以上の場合、定着ローラ1の待機温度を比較例1と同じ190℃に設定できる理由について説明する。図7に28℃70%(水分量16.9g/m^3)環境において、間欠プリント耐久を製品寿命である6万枚まで行った場合の、定着ローラ1と加圧ローラ3の硬度変化、及び定着ローラ1と加圧ローラ3の硬度差を示す。硬度は、Asker−Cにて測定している。この間欠プリント耐久は、A4用紙を60枚連続プリントした後に60分待機することを繰り返し行う耐久試験である。
図7より、定着ローラ1は初期値から2万枚時点で−3.0°まで軟化が進み、その後、6万枚時点で1.0までで硬化が抑えられている。また、加圧ローラ3は6万枚時点で−1.5まで軟化が進んでいる。図5の水分量8.9g/m^3の環境時の結果と比較して、定着ローラ1も加圧ローラ3も軟化側にシフトしている。これらは、水分量16.9g/m^3の絶対水分量の高い環境においては、水分量8.9g/m^3の環境よりも軟化現象が硬化現象と比較して支配的なためである。
硬度差については、耐久を通して、最大でも6万枚時点での−3.5であり、水分量16.9g/m^3環境であれば、待機温度を190℃にしても、硬度変化は±5.0以内に収まることが分かる。したがって、絶対水分量の高い環境においては、定着ローラ1の待機温度を定着性に最適な温度である190℃に設定しても良いと判断できる。
本実施例では、環境検知部材で検知した湿度が閾値湿度よりも低い時は高い時よりも前記待機温度が低くすることでローラ硬度上昇抑制を優先する。そして、環境検知部材で検知した湿度が閾値湿度よりも高い時は低い時よりも待機温度を上げてFPOT短縮を優先する。これによって、FPOTへの影響を抑えつつローラの硬度上昇による記録材の巻き付き等を抑制できるという効果が得られる。
本実施例の画像形成装置は、実施例1と基本構成は同じであるが、より高速印刷に対応しており、印刷速度は40PPM(プロセス速度(周速度)=180mm/sec)、FPOTは9.0秒である。
図8は定着装置40の概略構成模型図である。本実施例で使用する定着装置40では、加圧ローラ30が自身の中空部に第2のヒータとしてのハロゲンヒータ31を有する。ハロゲンヒータ31は700W(100V時)の出力で、電源(不図示)内にあるトライアックにより電流のON/OFFを供給されて点灯・消灯する。加圧ローラ30には、第2の温度検知部材としてのサーミスタ50を配設してある。このサーミスタ50による検知温度が第2の目標温度に維持されるようにハロゲンヒータ31へ供給する電力が制御回路100によって制御される。加圧ローラ30のその他の構成は実施例1の加圧ローラ3と同じであり省略する。
その他、実施例2の画像形成装置、定着装置の基本構成は、実施例1のものと同じであるので、実施例1のものと同一若しくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
実施例2で実施例1と異なる部分は、水分量検知手段(環境検知部材)により検知した水分量が閾値水分量より少ない場合は多い場合よりも加圧ローラ30の待機温度を高くすることである。実施例1では、定着ローラ1の硬度変化抑制を行うために、低水分量環境で定着ローラ1の待機温度を低くしたので定着装置の立ち上げに時間がかかりFPOTが長くなった。しかしながら、実施例2では、加圧ローラ30がハロゲンヒータ31を備えているため、低水分量環境において定着ローラ1の待機温度を低くすると共に加圧ローラ30の待機温度を高くして補うことができる。その結果、加圧ローラ30からの熱量が、定着ローラ1から記録材に与えられる熱量が減った分を加圧ローラからの熱で補うことができるので、FPOTを長くすることなく定着ローラ1の硬度上昇を抑制できる。
(3)待機温度
本実施例の特徴である待機温度の制御方法について説明する。本画像形成装置では、装置が設置された環境の水分量(湿度)に応じて、定着ローラ1と加圧ローラ30の待機温度を設定する。
環境の水分量と定着ローラ1、加圧ローラ30の待機温度との相関図を図9に示す。実施例2において、水分量が16g/m^3以上の場合は、定着ローラ1の待機温度は190℃、加圧ローラ30の待機温度は160℃である。また、実施例2において、水分量が16g/m^3より小さい場合は、定着ローラ1の待機温度は160℃、加圧ローラ30の待機温度は180℃である。
比較例2の場合は、水分量によらず、FPOTを最優先として定着ローラ1の待機温度は190℃、加圧ローラ30の待機温度は160℃である。
次に、待機温度制御について図10のフローチャートを用いて全体像を説明する。はじめに、STEP1にて画像形成装置の電源が入りになる。次に、STEP2に移り、温湿度センサー20にて本画像形成装置が設置されている環境の水分量を測定する。次に、STEP3では、STEP2にて測定した水分量の結果に応じて、定着ローラ1及び加圧ローラ30の待機温度を決定する。決定後は、そのままSTEP4の待機状態へと移行する。最後に、STEP5に移り、5分毎に水分量の測定を実施する。測定結果から、定着ローラ1及び加圧ローラ30の待機温度を変更する必要があれば、STEP3へと移行する。変更する必要がなければ、再びSTEP4の待機状態へと移行する。
図11に23℃50%(水分量8.9g/m^3)環境において、間欠プリント耐久(を製品寿命である6万枚まで行った場合の、定着ローラ1と加圧ローラ30の硬度変化を示す。硬度は、Asker−Cにて測定している。この間欠プリント耐久は、A4用紙を60枚連続プリントした後に60分待機することを繰り返し行う耐久試験である。
水分量8.9g/m^3環境において、実施例2(制御あり)の場合は、図9より定着ローラ1の待機温度は160℃、加圧ローラ30の待機温度は180℃である。比較例2(制御なし)は、定着ローラ1の待機温度は190℃、加圧ローラ30の待機温度は160℃である。
図11より、実施例2及び比較例2の両方について硬度変化は、各々実施例1及び比較例1と大きくは変わらないことがわかる。加圧ローラ30については、比較例2の場合は6万枚時点で−1.5°、実施例2の場合は6万枚時点で−2.5°まで軟化している。実施例1では−0.8〜−1.0程度だった軟化現象が実施例2でより進んだのは、実施例1と異なり、実施例2では加圧ローラ30自身も待機温度が設定されているため、実施例1ではまだ飽和していなかった軟化現象が加速するためである。
次に図12に定着ローラ1と加圧ローラ30の硬度の差分を示す。硬度差は、定着ローラ1の硬度−加圧ローラ30で算出している。
本実施例2においても実施例1と同じく硬度差を±5.0以内に抑えることがより好ましい。図12より、比較例2においては、通紙枚数が4万5千枚時点で硬度差が+5.0を超え、6万枚時点で+7.3まで到達していることがわかる。実施例2においては、6万枚時点で+2.3であり、硬度差を±5.0以内に抑えられていることがわかる。
続けて、実施例1と同じく水分量16g/m^3以上の環境で、実施例2においても比較例2と同じ待機温度に設定している理由について説明する。
図13に28℃70%(水分量16.9g/m^3)環境において、間欠プリント耐久を製品寿命である6万枚まで行った場合の、定着ローラ1と加圧ローラ3の硬度変化、及び定着ローラ1と加圧ローラ30の硬度差を示す。硬度は、Asker−Cにて測定している。この間欠プリント耐久は、A4用紙を60枚連続プリントした後に60分待機することを繰り返し行う耐久試験である。
図13より、定着ローラ1は初期値から2万枚時点で−3.0°まで軟化が進み、その後、6万枚時点で1.0までで硬化が抑えられている。また、加圧ローラ30は6万枚時点で−2.0まで軟化が進んでいる。
硬度差については、耐久を通して、最大でも6万枚時点での−4.0であり、水分量16.9g/m^3環境であれば、待機温度を190℃にしても、硬度変化は±5.0以内に収まることが分かる。つまり、水分量16.9g/m^3環境であれば、実施例1と同じく軟化現象が硬化現象と比較して支配的なため、待機温度を190℃にしても、硬度変化は±5.0以内に収まるからである。したがって、絶対水分量の高い環境においては、ローラ硬度変化による巻き付き等が発生しにくいので定着ローラ1と加圧ローラ30との待機温度をFPOT優先設定にしても良いのである。
以上述べたことから、実施例2の画像形成装置は、実施例1よりも更にFPOTに与える影響を抑えつつローラ硬度変化による巻き付きを抑制することのできるという効果がある。
1 定着ローラ
2 ヒータ
3、30 加圧ローラ
5、50 サーミスタ
10、40 定着装置
11a〜11d 感光ドラム
20 環境センサー

Claims (4)

  1. 未定着トナー画像を記録材に形成する画像形成部と、
    ゴム層を有し前記未定着トナー画像と接触する回転体と、前記回転体を加熱するヒータと、前記回転体と共にニップ部を形成するバックアップ部材と、前記回転体の温度を検知する温度検知部材と、を有し、前記ニップ部で前記未定着トナー画像が形成された記録材を搬送しながら加熱して前記未定着トナー画像を記録材に定着する定着部と、
    プリント信号の受信を待つ待機期間に前記温度検知部材で検知した温度が待機温度に維持されるように前記ヒータに供給する電力を制御する制御部と、
    を備える画像形成装置において、
    前記装置が置かれた環境の湿度を検知する環境検知部材を有し、
    前記環境検知部材で検知した湿度が閾値湿度よりも低い時は高い時よりも前記待機温度が低いことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記ゴム層を第1のゴム層と、前記待機温度を第1の待機温度として、
    前記バックアップ部材は第2のゴム層を有する第2の回転体であって、
    前記第2の回転体を加熱する第2のヒータと、前記第2の回転体の温度を検知する第2の温度検知部材を有し、
    前記待機期間に前記第2の温度検知部材で検知した温度が第2の待機温度になるように前記第2のヒータに供給される電力が制御され、
    前記環境検知部材で検知した湿度が前記閾値湿度よりも高い時は、前記第1の待機温度は前記第2の待機温度よりも高く、
    前記環境検知部材で検知した湿度が前記閾値湿度よりも低い時は高い時よりも前記第1の待機温度が低く且つ前記第2の待機温度が高いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1のゴム層及び前記第2のゴム層には熱伝導フィラーが含有され、前記第1のゴム層の熱伝導フィラーの含有量は前記第2のゴム層よりも多く、
    前記環境検知部材で検知した湿度が前記閾値湿度よりも低い時は前記第2の待機温度は前記第1の待機温度より高いことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記環境検知部材で検知した湿度が前記閾値湿度よりも低い時は高い時よりもプリント信号を受信してから1枚目のプリントを完了して前記装置外に排出するまでの時間が長いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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