JP2015085277A - 分離膜用不織布および分離膜支持体 - Google Patents

分離膜用不織布および分離膜支持体 Download PDF

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Abstract

【課題】海水淡水化用分離膜や濃度濃縮等用分離膜などの支持体に好適に用いることのできる分離膜用不織布であって、地合い、強度、加工性に優れた分離膜用不織布、および該分離膜用不織布を用いてなる分離膜支持体を提供する。
【解決手段】主体繊維とバインダー繊維とを含み、かつ前記主体繊維がバインダー繊維によって固着されてなる分離膜用不織布において、前記主体繊維の単繊維横断面形状において、異型度を1.2以上10.0以下とし、かつ前記主体繊維の単繊維繊度を0.1〜6.6dtexの範囲内とし、かつ不織布の曲げ剛性を0.50gf・cm/cm以上とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、海水淡水化用分離膜や濃度濃縮等用分離膜などの支持体に好適に用いることのできる分離膜用不織布であって、地合い、強度、加工性に優れた分離膜用不織布、および該分離膜用不織布を用いてなる分離膜支持体に関する。
近年の水処理には、多くの場合において膜技術が適用されている。例えば、浄水場での水処理には、精密ろ過膜や限外ろ過膜が用いられており、海水の淡水化には、逆浸透膜が用いられている。また、半導体製造用水、ボイラー用水、医療用水およびラボ用純水等の処理には、逆浸透膜やナノろ過膜が用いられている。さらに、下廃水の処理には、精密ろ過膜や限外ろ過膜を用いた膜分離活性汚泥法も適用されている。
これらの分離膜は、その形状から平膜と中空糸膜に大別され、主に合成重合体から形成される平膜は、分離機能を有する膜単体では機械的強度に劣るため、一般に不織布や織布等の支持体と固着一体化して使用されることが多い。分離膜が高圧下で使用されることが多い逆浸透膜等の半透膜の場合は、支持体には分離膜の耐久性向上のために高い機械的強度が要求され、また、膜分離活性汚泥法に適用される下廃水処理用の分離膜においても、使用中に砂のような無機物や汚泥、その他の固形物が激しく衝突したり、活性汚泥への酸素の供給や目詰まり防止のために行うエアレーション操作による気泡が膜面に激しく衝突したりするので、支持体はそのような衝撃にも十分に耐えられる高い機械的強度を備えていることが重要である。さらには支持体の性状として曲げに対する強度が低いと、製膜する工程でカールが発生して加工性が低下するという問題がある。
従来、このような分離膜支持体として、太い繊維を使用した目開きおよび表面粗度の大きな表面層と、細い繊維を使用した目開きが小で緻密な構造を有する裏面層との二重構造を基本とした多層構造体の不織布よりなる分離膜支持体(例えば、特許文献1参照)や製膜側の表面層が異形断面繊維を主体とする繊維からなる分離膜支持体(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
また、ポリエステル主体繊維とポリエステル未延伸型バインダー繊維とで構成され、最終的にカレンダー加工が施された、地合いに優れたポリエステル系湿式不織布(例えば特許文献3、特許文献4参照)も提案されている。
しかしながら、コスト生産性、強度が高く、地合いが良好で、その後の支持体への分離膜塗工プロセスが容易な分離膜支持体は、これまであまり提案されていない。
特公平4−21526号公報 特開平11−347383号公報 特開2002−95937号公報 特許第3153487号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、海水淡水化用分離膜や濃度濃縮等用分離膜などの支持体に好適に用いることのできる分離膜用不織布であって、地合い、強度、加工性に優れた分離膜用不織布、および該分離膜用不織布を用いてなる分離膜支持体を提供することである。
本発明者らは上記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の異型度を有する主体繊維を用いて不織布を構成すると、地合い、強度、加工性に優れた分離膜用不織布が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「主体繊維とバインダー繊維とを含み、かつ前記主体繊維がバインダー繊維によって固着されてなる分離膜用不織布であって、下記(1)〜(3)の要件を同時に満足することを特徴とする分離膜用不織布。」が提供される。
(1)前記主体繊維の単繊維横断面形状において、異型度が1.2以上10.0以下である。ただし、前記異型度は下記式により定義する。
異型度=(A/B)
A:繊維断面の外接円の半径の長さ
B:繊維断面の内接円の半径の長さ
(2)前記主体繊維の単繊維繊度が0.1〜6.6dtexの範囲内である。
(3)不織布の曲げ剛性が0.50gf・cm/cm以上である。
その際、前記主体繊維において、10%引張伸長時の応力が4.0〜6.0cN/dtexの範囲内であることが好ましい。また、バインダー繊維の不織布全体重量に対する重量比率が20〜60重量%の範囲内であることが好ましい。また、不織布の密度が0.85g/cm以上であることが好ましい。また、不織布の通気度が0.1〜10.0cm/cm/secの範囲内であることが好ましい。また、不織布を構成する繊維がすべてポリエステル繊維であることが好ましい。また、不織布が湿式不織布であることが好ましい。また、不織布の目付けが40〜100g/mの範囲内であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の分離膜用不織布を用いてなる分離膜支持体が提供される。
本発明によれば、海水淡水化用分離膜や濃度濃縮等用分離膜などの支持体に好適に用いることのできる分離膜用不織布であって、地合い、強度、加工性に優れた分離膜用不織布、および該分離膜用不織布を用いてなる分離膜支持体が提供される。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の分離膜用不織布は、主体繊維とバインダー繊維とを含み、かつ前記主体繊維がバインダー繊維によって固着されている。
ここで、前記主体繊維の単繊維横断面形状において、異型度が1.2以上10.0以下(好ましくは1.5以上5.0以下)であることが肝要である。ただし、前記異型度は下記式により定義する。
異型度=(A/B)
A:繊維断面の外接円の半径の長さである。
B:繊維断面の内接円の半径の長さであり、断面内に対向する2辺がある場合は該2辺に内接する内接円の半径を測定し、内接円が複数存在する場合は、最小の内接円の半径を測定する。
該異型度が1.2未満では、不織布の剛性が低くなり、加工性が低下する恐れがある。逆に、該異型度が10.0を越えると、カレンダー加工等で圧力がかかった際に断面部分の最も細い部分が割れたり、フィルム状となって通気性能を発揮できなくなるおそれがある。
前記主体繊維において、単繊維繊度が0.1〜6.6dtex(好ましくは0.3〜4.5dtex、より好ましくは0.5〜3.3dtex)の範囲内であることが肝要である。該単繊維繊度が0.1dtex未満では繊維同士の絡みを生じ、得られる不織布の地合い悪化の原因になるおそれがある。逆に、該繊維径が6.6dtexよりも大きいと不織布に占める繊維の本数が極めて少なくなり、不織布の特長のひとつである緻密性が損なわれるおそれがある。なお、溶融紡糸の際の溶融ポリマーの吐出量、引取り速度、その後必要に応じて行う延伸処理条件の設定により、かかる単繊維繊度を有する主体繊維を得ることができる。
かかる主体繊維の種類としては、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリオレフィン系重合体、あるいはこれらの混合物や共重合体等を用いた繊維が挙げられる。なかでも、より機械的強度、耐熱性、耐水性および耐薬品性等の耐久性に優れた分離膜支持体を得る上でポリエステル系重合体を用いたポリエステル繊維が好ましく用いられる。
ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリピバロラクトンやこれらの共重合体、または、ポリ乳酸やステレオコンプレックスポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルを常法により紡糸、延伸した繊維が好ましく例示される。前記ポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
また、前記主体繊維において、10%引張伸長時の応力が4.0cN/dtex以上(より好ましくは4.0〜6.0cN/dtex)であることが好ましい。該応力が4.0cN/dtexよりも小さいと、主体繊維の剛性が小さくなりすぎて不織布の曲げ剛性が低下するおそれがある。一方で該応力が6.0cN/dtexよりも大きいとバインダー繊維との接着性不良による不織布の強度低下を招くおそれがある。前記主体繊維の10%引張伸長時の応力は、繊維を構成する樹脂の固有粘度を高めることや、繊維製造過程における緊張熱セット温度、緊張熱セット倍率等により調整することが可能である。
前記主体繊維において、繊維の形態は長繊維でもよいが繊維の分散性をあげることによりバインダー繊維の流動性を向上させバインダー繊維による固着点が形成されやすくする上で短繊維が好ましい。その際、繊維長としては1〜25mm(より好ましくは1.5〜20mm、さらに好ましくは2.0〜15mm、もっとも好ましくは3.0〜10mm)の範囲内であることが好ましい。該繊維長が1mmよりも小さいと、水分散後、ワイヤーでの抄上げ時の繊維同士の絡みが小さくなり、繊維脱落や湿紙切れ等の懸念がある。逆に、該繊維長が25mmよりも大きいと、水分散が極めて難しく、均一な地合いを有する不織布が得られないおそれがある。
前記主体繊維は、捲縮の付与されていないストレート繊維でもよいし、機械捲縮や異方冷却により捲縮を付与した捲縮繊維でもよい。
本発明の分離膜用不織布において、バインダー繊維の不織布全体重量に対する重量比率が20〜60重量%(すなわち、主体繊維の重量比率が80〜40重量%)の範囲内であることが好ましい。バインダー繊維の重量比率が20重量%よりも小さいと、不織布の強度が低下するおそれがある。逆に、バインダー繊維の重量比率が60重量%よりも大きいと主体繊維の重量比率が低下すると同時に、カレンダー加工時にバインダー繊維がフィルム化して通気度が低下するおそれがある。
ここで、バインダー繊維としては、融点が220〜265℃の成分を含む繊維が好ましい。また、バインダー繊維は、芯鞘型複合繊維でもよいし単一成分からなる繊維でもよい。
芯鞘型複合繊維としては、鞘成分に熱融着成分と芯成分にポリエチレンテレフタレートなどポリエステルを配しており前者が繊維表面に露出している繊維が好ましい。重量割合としては、前者と後者が30/70〜70/30の範囲が適当である。この芯鞘型においては、繊維形成性熱可塑性ポリマーが芯部となるが、該芯部は同心円状あるいは偏心状であってもよい。特に、偏心状のものにあっては、スパイラル捲縮が発現するので好ましい。なお、該複合短繊維の断面形状としては、中空、中実、異型いずれでもよい。
芯鞘型複合繊維の熱融着成分として配されるポリマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマーおよびその共重合物(共重合系ポリエステルポリマー)、ポリオレフィン系ポリマーおよびその共重合物、ポリビニルアルコール系ポリマーなどを挙げることができる。
一方、単一成分からなるバインダー繊維として、ポリエステルからなる未延伸繊維が好ましい。かかる未延伸繊維としては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルを紡糸速度が800〜1200m/分で紡糸された未延伸繊維が挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートからなる未延伸繊維である。ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートからなる未延伸繊維は、通常、o−クロロフェノール、35℃で測定された固有粘度が0.80〜1.00dL/gのポリマーを240〜280℃の紡糸口金から吐出し、800〜1200m/分、好ましくは900〜1100m/分で巻き取ることにより得られる。この未延伸繊維は、通常、複屈折率が0.01〜0.05で、融点は220〜230℃であり、バインダー繊維として有用である。
前記バインダー繊維において、単繊維径が2〜25μm(より好ましくは5〜20μm、特に好ましくは7〜18μm)の範囲内であることが好ましい。該単繊維径が2μmよりも小さい場合、不織布の強度が低下するおそれがある。逆に、該単繊維径が25μmよりも大きいと不織布の地合いが悪くなるおそれがある。
また、前記バインダー繊維において、繊維長が0.1〜25mmの範囲内にあることが好ましい。該繊維長が0.1mm未満では、不織布の強度が低下するおそれがある。逆に、該繊維長が25mmよりも大きいと、抄紙の際の繊維分散が悪くなり、地合いが低下するおそれがある。
本発明の分離膜用不織布において、不織布の曲げ剛性が0.50gf・cm/cm以上(好ましくは0.50〜1.0gf・cm/cm)であることが肝要である。不織布の曲げ剛性が0.50gf・cm/cmよりも小さいと、製膜する工程でカールが発生するなど加工性が低下するおそれがあり好ましくない。
本発明の分離膜用不織布において、不織布の種類としては、湿式不織布、乾式不織布、エアレイド不織布いずれでもよいが、地合いの点で湿式不織布が好ましい。
本発明の分離膜用不織布を製造する方法は通常の方法でよい。例えば、湿式不織布の場合、通常の長網抄紙機、短網抄紙機、丸網抄紙機、あるいはこれらを複数台組み合わせて多層抄きなどにしても何ら問題ない。
熱処理工程としては、抄紙工程後、ヤンキードライヤー、あるいはエアースルードライヤーのどちらでも可能である。また、金属/金属ローラー、金属/ペーパーローラー、金属/弾性ローラーなどのカレンダー/エンボスを施しても良い。特にカレンダー加工(2本のロールの間に不織布を通す加工)を不織布に施すと、バインダー繊維である芯鞘型ポリエステル複合繊維の鞘部が熱溶融し、該バインダー繊維により主体繊維が熱接着されるため、不織布の強度が向上し好ましい。
ここで、熱カレンダー処理は、通常、温度が150〜230℃(より好ましくは180〜200℃)で、圧力は80〜240kg/cm(より好ましくは120〜180kg/cm)であることが好ましい。
かくして得られた分離膜用不織布において、不織布の目付けとしては40〜100g/m(より好ましくは50〜80g/m)の範囲が好ましい。該目付けが40g/m未満では支持体としての機能を発揮するだけの強度等を達成する事が困難となるおそれがある。逆に、該目付けが100g/mを越える場合、軽量性やコンパクト性が損なわれるおそれがある。
不織布の厚さとしては、60〜130μmの範囲内であることが好ましい。該厚さが60μm未満では支持体としての機能を発揮するだけの強度等を達成する事が困難となるおそれがある。逆に、該厚さが130μmを越える場合、軽量性やコンパクト性が損なわれるおそれがある。
また、不織布の密度としては、0.85g/cm以上(より好ましくは0.85〜1.1g/cm)であることが好ましい。該密度が0.85g/cm未満では支持体としての機能を発揮するだけの強度等を達成する事が困難となるおそれがある。
また、不織布の通気度としては0.1〜10cc/cm/s(より好ましくは0.5〜2cc/cm/s)であることが好ましい。0.1cc/cm/s未満では、通気度が低すぎて製膜の際に膜が不織布に接着しにくくなり加工性が低下するおそれがある。逆に、通気度が10cc/cm/sを超えた場合、製膜液が不織布の裏面にまで滲出しやすくなり、膜構造にピンホールが発生しやすくなるおそれがある。
本発明の分離膜用不織布は、前記の構成を有しているので、地合い、強度、加工性に優れる。
次に、本発明の分離膜支持体は、前記の分離膜用不織布を用いてなる分離膜支持体である。かかる分離膜支持体は前記の分離膜用不織布を用いているので、地合い、強度、加工性に優れる。なお、かかる分離膜支持体には、海水淡水化用分離膜支持体、濃度濃縮等用分離膜支持体、浄水場での水処理用分離膜支持体、下水や廃水の処理用分離膜支持体などが含まれる。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)引張強度
JIS P8113(紙及び板紙の引張強さ試験方法)に基づいて実施し、MD方向とCD方向の引張り強度の値を、それぞれ小数点以下第二位を四捨五入して求めた。
(2)目付
JIS P8124(紙のメートル坪量測定方法)に基づいて実施し、小数点以下第一位を四捨五入して求めた。
(3)厚み
JIS P8118(紙及び板紙の厚さと密度の試験方法)に基づいて実施した。
(4)密度
JIS P8118(紙及び板紙の厚さと密度の試験方法)に基づいて実施した。
(5)通気度
JIS L1913(一般短繊維不織布試験方法)に基づいて測定した。
(6)異型度
不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し、走査型電子顕微鏡で500〜3000倍の写真を撮影し、内接円、外接円の半径値より、それらの平均値を小数点以下第二位を四捨五入して下記式により求めた。
異型度=(A/B)
A:繊維断面の外接円の半径の長さである。
B:繊維断面の内接円の半径の長さであり、断面内に対向する2辺がある場合は該2辺に内接する内接円の半径を測定し、内接円が複数存在する場合は、最小の内接円の半径を測定する。
(7)固有粘度
繊維を100℃、60分間でオルトクロロフェノールに溶解した希薄溶液を、35℃でウベローデ粘度計を用いて測定した値から求めた。
(8)融点
パーキンエルマ社製示差走査型熱量計を用い、昇温速度20℃/分の条件で窒素雰囲気下にて測定し、得られた融解吸熱曲線において極値を与える温度を融点とした。また、示差走査型熱量計において融解吸熱曲線が極値を示さない樹脂については、ホットプレート上で加熱し、顕微鏡観察により樹脂が完全に溶融した温度を融点とした。
(9)曲げ剛性
カトーテック株式会社製「KES−FB2純曲げ試験機」を使用し、5cm×5cmのサンプル片を変形速度0.50cm−1/secで曲げ曲率K=−2.5〜2.5cm−1まで走査した際の、K=−1.5〜−0.5における傾きBb、およびK=0.5〜1.5cm−1における傾きBfから得られる、B=(Bb+Bf)/2を曲げ剛性と定義した。また、ここで言う曲げ剛性は、サンプル片のタテ方向の曲げ剛性とヨコ方向の曲げ剛性を平均化した数値で示した。
[実施例1]
繊維繊度0.6dtex、繊維長5mm、断面の異型度が3.1の十字断面形状で、10%引張伸長時の応力が4.08cN/dtexの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維60%と、繊維繊度が1.2dtexであり、融点が257℃であり、繊維の固有粘度が0.608である、繊維長が5mmの未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維40%を、チェスト内で水中に充分分散させて、繊維濃度0.05%の水性スラリーを調整し、これを傾斜短網抄紙機に送り、抄紙流れ方向と幅方向の引張強度比を調整しながら繊維が立体的に集合してなる不織布を抄造した。得られた不織布を、加熱金属ロールと弾性ロールの組み合わせのカレンダー装置を用いて、温度210℃、圧力60kg/cm、スピード25m/minの条件で加工した。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
主体繊維に、繊維繊度1.7dtex、繊維長5mm、断面の異型度が3.1の十字断面形状で、10%引張伸長時の応力が4.20cN/dtexの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維60%を使用した以外は、実施例1と同条件にて実施した。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
主体繊維に、繊維繊度3.3dtex、繊維長5mm、断面の異型度が3.1の十字断面形状で、10%引張伸長時の応力が4.15cN/dtexの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維60%を使用した以外は、実施例1と同条件にて実施した。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
主体繊維に、繊維繊度0.6dtex、繊維長5mm、断面の異型度が1.9のY字断面形状で、10%引張伸長時の応力が4.11cN/dtexの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維60%を使用した以外は、実施例1と同条件にて実施した。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
主体繊維に、繊維繊度1.7dtex、繊維長5mm、断面の異型度が1.9のY字断面形状で、10%引張伸長時の応力が4.18cN/dtexの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維60%を使用した以外は、実施例1と同条件にて実施した。評価結果を表1に示す。
[実施例6]
主体繊維に、繊維繊度3.3dtex、繊維長5mm、断面の異型度が1.9のY字断面形状で、10%引張伸長時の応力が4.30cN/dtexの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維60%を使用した以外は、実施例1と同条件にて実施した。評価結果を表1に示す。
[実施例7]
主体繊維に、繊維繊度0.6dtex、繊維長5mm、断面の異型度が4.4のW字断面形状で、10%引張伸長時の応力が4.01cN/dtexの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維60%を使用した以外は、実施例1と同条件にて実施した。評価結果を表1に示す。
[実施例8]
主体繊維に、繊維繊度1.7dtex、繊維長5mm、断面の異型度が4.4のW字断面形状で、10%引張伸長時の応力が4.12cN/dtexの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維60%を使用した以外は、実施例1と同条件にて実施した。評価結果を表1に示す。
[実施例9]
主体繊維に、繊維繊度3.3dtex、繊維長5mm、断面の異型度が4.4のW字断面形状で、10%引張伸長時の応力が4.31cN/dtexの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維60%を使用した以外は、実施例1と同条件にて実施した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
主体繊維に、繊維繊度0.6dtex、繊維長5mm、断面の異型度が5.2の扁平断面形状で、10%引張伸長時の応力が4.01cN/dtexの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維60%を使用した以外は、実施例1と同条件にて実施した。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
主体繊維に、繊維繊度1.7dtex、繊維長5mm、断面の異型度が5.2の扁平断面形状で、10%引張伸長時の応力が3.97cN/dtexの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維60%を使用した以外は、実施例1と同条件にて実施した。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
主体繊維に、繊維繊度3.3dtex、繊維長5mm、断面の異型度が5.2の扁平断面形状で、10%引張伸長時の応力が4.10cN/dtexの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維60%を使用した以外は、実施例1と同条件にて実施した。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
主体繊維に、繊維繊度3.3dtex、繊維長5mm、丸断面で、10%引張伸長時の応力が4.15cN/dtexの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維60%を使用した以外は、実施例1と同条件にて実施した。評価結果を表1に示す。
[実施例10]
カレンダー処理温度を220℃、カレンダー処理圧力を100kg/cmとした以外は、実施例1と同条件で実施した。
[比較例5]
主体繊維に、繊維繊度0.6dtex、繊維長5mm、丸断面で、10%引張伸長時の応力が2.92cN/dtexの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維60%を使用した以外は、実施例1と同条件にて実施した。評価結果を表1に示す。
Figure 2015085277
本発明によれば、海水淡水化用分離膜や濃度濃縮等用分離膜などの支持体に好適に用いることのできる分離膜用不織布であって、地合い、強度、加工性に優れた分離膜用不織布、および該分離膜用不織布を用いてなる分離膜支持体が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (9)

  1. 主体繊維とバインダー繊維とを含み、かつ前記主体繊維がバインダー繊維によって固着されてなる分離膜用不織布であって、下記(1)〜(3)の要件を同時に満足することを特徴とする分離膜用不織布。
    (1)前記主体繊維の単繊維横断面形状において、異型度が1.2以上10.0以下である。ただし、前記異型度は下記式により定義する。
    異型度=(A/B)
    A:繊維断面の外接円の半径の長さ
    B:繊維断面の内接円の半径の長さ
    (2)前記主体繊維の単繊維繊度が0.1〜6.6dtexの範囲内である。
    (3)不織布の曲げ剛性が0.50gf・cm/cm以上である。
  2. 前記主体繊維において、10%引張伸長時の応力が4.0〜6.0cN/dtexの範囲内である、請求項1記載の分離膜用不織布。
  3. バインダー繊維の不織布全体重量に対する重量比率が20〜60重量%の範囲内である、請求項1〜2のいずれかに記載の分離膜用不織布。
  4. 不織布の密度が0.85g/cm以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の分離膜用不織布。
  5. 不織布の通気度が0.1〜10.0cm/cm/secの範囲内である、請求項1〜4のいずれかに記載の分離膜用不織布。
  6. 不織布を構成する繊維がすべてポリエステル繊維である、請求項1〜5のいずれかに記載の分離膜用不織布。
  7. 不織布が湿式不織布である、請求項1〜6のいずれかに記載の分離膜用不織布。
  8. 不織布の目付けが40〜100g/mの範囲内である、請求項1〜7のいずれかに記載の分離膜用不織布。
  9. 請求項1〜8に記載の分離膜用不織布を用いてなる分離膜支持体。
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