JPH11347383A - 分離膜支持体およびその製造方法 - Google Patents

分離膜支持体およびその製造方法

Info

Publication number
JPH11347383A
JPH11347383A JP15747098A JP15747098A JPH11347383A JP H11347383 A JPH11347383 A JP H11347383A JP 15747098 A JP15747098 A JP 15747098A JP 15747098 A JP15747098 A JP 15747098A JP H11347383 A JPH11347383 A JP H11347383A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fibers
section
cross
fiber
separation membrane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15747098A
Other languages
English (en)
Inventor
Masae Shigetomi
正栄 重冨
Kazuhide Yamakawa
一秀 山川
Maki Ichikawa
真樹 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daio Paper Corp
Original Assignee
Daio Paper Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daio Paper Corp filed Critical Daio Paper Corp
Priority to JP15747098A priority Critical patent/JPH11347383A/ja
Publication of JPH11347383A publication Critical patent/JPH11347383A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】分離膜との固着力を高くし、もって長期の使用
に耐えうる分離膜体を製造しうる分離膜支持体を提供す
る。 【解決手段】繊維長3〜10mm、繊度1.0〜6.0
デニールの異形断面繊維1を10重量%以上、および残
部としてバインダー繊維を含有する繊維からなる製膜側
表面層10と、繊維長3〜10mm、繊度0.1〜2.
0デニールの円形断面繊維2、および残部としてバイン
ダー繊維とを含有する繊維からなる裏面層11とを、2
重構造を有する分離膜支持体S1とする。本分離膜支持
体S1は、不織布として製造し、加熱カレンダー処理に
より製膜側表面の毛羽立ちが実質的に無いものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる逆浸透膜
式濾過装置や限外濾過装置などにおいて使用する分離膜
の支持体、およびその支持体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、かかる逆浸透膜式濾過装置や
限外濾過装置などにおいて用いられる分離膜は、機械的
圧力に対する耐久性・連続製膜性・モジュールの組立作
業性を考慮して、シート状の透液性支持体上に固着支持
された形態で使用されている。一般には、分離膜支持体
として不織布を使用するとともに、膜素材たる高分子物
質溶液(以下、キャスト溶液という)を支持体上にキャ
ストして、支持体上に膜体を形成することにより分離膜
を得ていた。
【0003】ところが、膜体と分離膜支持体とを強固に
固着するためには分離膜支持体の表面密度を下げる必要
があるが、特に湿式不織布を分離膜支持体とする場合、
加熱加圧加工を弱くして表面密度を下げると毛羽を押さ
えきれず膜体に欠陥を生じてしまう。逆に、加熱加圧加
工を強くして毛羽立ちを無くすと、膜体の欠陥生成を防
止できるものの、膜体と支持体とを強固に固着させるこ
とができなくなる。
【0004】これらの問題点を解決するべく、特公平4
−21526号公報においては、2〜10デニールの太
い繊維を含み目開きおよび表面粗度の大きな表面層と、
0.05〜2デニールの細い繊維を含み目開きおよび表
面粗度の小さい緻密な裏面層とからなる2重構造を有す
る分離膜支持体が提案されている。すなわち、表面を粗
くすることによって膜体の食い付きを良くするものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この特
公平4−21526号公報記載の分離膜支持体を用いて
形成した分離膜においては、膜体と支持体との固着力が
十分に強いものではなかった。そのため、かかる分離膜
を逆浸透膜式濾過装置や限外濾過装置などにおいて使用
すると、短期間の使用であっても、装置のスタートやス
トップによる圧力変動を繰り返し受けることにより膜体
が支持体から剥離してしまうことがあった。
【0006】そこで、本発明の主たる課題は、膜体との
固着力が高く、長期の使用によっても膜体と支持体とが
剥離しにくい耐久性の高い分離膜を製造しうる分離膜支
持体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の分離膜支持体は、少なくとも、製膜側の表面層が、
円形断面繊維よりも繊維比表面積の大きい異形断面繊維
を主体とする繊維よりなることを特徴とするものであ
る。
【0008】他の本発明の分離膜支持体は、少なくとも
一方の表面から、円形断面繊維よりも繊維比表面積の大
きい異形断面繊維を主体とする繊維からなる表面層、お
よび円形断面繊維を主体とする繊維からなる層をこの順
に有することを特徴とするものである。この場合におい
て、前記円形断面繊維を主体とする繊維からなる層の円
形断面繊維の繊度が0.1〜2.0デニールであるのは
好ましく、また前記表面層の異形断面繊維の断面積が、
円形断面繊維を主体とする繊維からなる層の円形断面繊
維の断面積より大きいのも好ましい。
【0009】さらに、本発明の分離膜支持体において、
前記異形断面繊維の繊度が1.0〜6.0デニール以下
であるのは好ましい。
【0010】本発明の分離膜支持体における前記異形断
面繊維は、断面トライローバル状繊維、断面ペンタロー
バル状繊維、断面オクタローバル状繊維、断面H状繊
維、断面十字状繊維、およびこれらを2種以上混合した
ものの群から選ばれたものであるのは好ましい。
【0011】本発明の分離膜支持体においては、前記異
形断面繊維を主体とする繊維中における異形断面繊維の
含有率が10重量%以上であるのが好ましい。また、少
なくとも製膜側の表面における毛羽立ちが実質的に無い
のも好ましい。
【0012】一方、本発明の分離膜支持体の製造方法
は、円形断面繊維よりも繊維比表面積の大きい異形断面
繊維を主体とする繊維よりなる第1のウェブを形成し、
これとは別に、円形断面繊維を主体とする繊維よりなる
第2のウェブを形成し、しかる後、これら第1および第
2ウェブを積層し接着処理を施すことにより、少なくと
も一方の表面から、異形断面繊維を主体とする繊維から
なる表面層および円形断面繊維を主体とする繊維からな
る層をこの順に有する不織布として分離膜支持体を得る
ことを特徴とする方法である。
【0013】他の分離膜支持体の製造方法は、異形断面
繊維を主体とする繊維よりなる層および円形断面繊維を
主体とする繊維からなる層を少なくとも一方の表面から
この順に有する一体的なウェブを形成し、この一体ウェ
ブに対して接着処理を施すことにより、少なくとも一方
の表面から、異形断面繊維を主体とする繊維からなる表
面層および円形断面繊維を主体とする繊維からなる層を
この順に有する不織布として分離膜支持体を得ることを
特徴とする方法である。
【0014】これら本発明方法において、前記接着処理
は加熱カレンダー処理であり、かつ温度100〜300
℃、ロール圧力50〜200kgf/cm、かつ加工速
度5〜100m/min.の条件下で行われるのは好ま
しい。
【0015】<作用>分離膜支持体上にキャスト溶液を
キャストして製膜を図る場合、キャスト溶液は製膜側表
面層に浸透し、凝固し、膜化するため、製膜後において
は膜体の一部がアンカーとして支持体の表面層内に食い
込んだ状態となる。かかる機構に着目してなした本発明
の分離膜支持体は、少なくとも、製膜側の表面層が異形
断面繊維を主体とする繊維よりなるものであるため、当
該表面層における繊維比表面積は通常の円形断面繊維の
それよりも大きい。また、異形断面繊維表面は凹凸を有
する。したがって、本発明の分離膜支持体に対して製膜
をした場合、膜体は、分離膜支持体表面層内の繊維に対
してより大きい接触面積をもって且つ複雑に絡み合うよ
うにして接触し固着する。よって、本発明の分離膜支持
体は、より強固に分離膜と固着しうるものである。ま
た、かかる本発明の分離膜支持体に対して製膜を行って
形成した分離膜は、長期の使用によっても支持体と膜体
とが剥離しにくい耐久性の高いものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照しつつ詳述する。前述のとおり本発明
の分離膜支持体は、少なくとも、製膜側の表面層が、円
形断面繊維よりも繊維比表面積の大きい異形断面繊維を
主体とする繊維よりなるものである。したがって、少な
くとも一方の表面から異形断面繊維を主体とする繊維か
らなる表面層、および円形断面繊維を主体とする繊維か
らなる層をこの順に有する分離膜支持体とすることもで
きる。
【0017】例えば、全体が異形断面繊維1を主体とす
る繊維のみからなる分離膜支持体(図示せず)とした
り、図1に示すように、異形断面繊維1を主体とする繊
維からなる表面層10と、円形断面繊維2を主体とする
繊維からなる層11との2重構造を有する分離膜支持体
S1としたり、図2に示すように、異形断面繊維1を主
体とする繊維からなる表面層10と、これと同じ繊維よ
りなる裏面層10Aで円形断面繊維2を主体とする繊維
からなる層11を挟んだ3重構造を有する分離膜支持体
S2としたりできる。これらの図中、R1は異形断面繊
維1を主体とする表面層10に含まれる円形断面繊維や
バインダー繊維を示し、R2は、円形断面繊維2を主体
とする層11に含まれるバインダー繊維を示している。
【0018】かかる分離膜支持体S1,S2において
は、製膜側表面層10が異形断面繊維1を主体とする繊
維よりなるため、当該表面層10における繊維比表面積
は通常の円形断面繊維2のそれよりも大きい。また、異
形断面繊維1表面は凹凸を有する。さらに、この異形断
面繊維1の凹凸によって表面層10内に生ずる隙間も大
きい。そのため、本発明の分離膜支持体S1,S2に対
して製膜をした場合、膜体Mのアンカー部M1は、分離
膜支持体S1,S2の表面層10内の繊維に対してより
大きい接触面積をもって且つ複雑に絡み合うようにして
接触し、固着する。したがって、本発明に係る分離膜支
持体S1,S2は、より強固に分離膜Mと固着しうるも
のである。また、かかる分離膜支持体S1,S2に製膜
を行って形成した分離膜F1,F2は、長期の使用によ
っても膜体と支持体との剥離が生じにくい耐久性の高い
ものとなる。
【0019】他方、本発明の分離膜支持体は、高効率か
つ低コストな製造が可能であるとの観点から不織布とし
て製造するのが好ましい。不織布には、湿式製法による
湿式不織布や乾式製法による乾式不織布などがあるが、
製造に際して表面性、密度、強度および通気度などの物
性を自由にコントロールできる点で、本発明の分離膜支
持体は、湿式不織布として製造するのが好ましい。
【0020】前述のように全体が異形断面繊維1を主体
とする繊維のみからなる不織布として分離膜支持体を製
造する場合には、異形断面繊維を主材として、公知の不
織布製造方法により製造することができる。
【0021】これに対して、前述の図2および図3に示
すように少なくとも一方の表面から異形断面繊維を主体
とする繊維からなる表面層10、および円形断面繊維を
主体とする繊維からなる層11をこの順に有する、複数
層よりなる積層構造不織布として分離膜支持体を製造す
る場合には、次の2通りの製造方法を推奨する。すなわ
ち、第1の製造方法は、異形断面繊維を主体とする繊維
よりなる第1のウェブを形成し、これとは別に、円形断
面繊維を主体とする繊維よりなる第2のウェブを形成
し、しかる後、これら第1および第2ウェブを積層し接
着処理を施すことにより、少なくとも一方の表面から、
異形断面繊維を主体とする繊維からなる表面層10およ
び円形断面繊維を主体とする繊維からなる層11をこの
順に有する不織布として分離膜支持体を得る方法であ
る。
【0022】第2の製造方法は、異形断面繊維を主体と
する繊維よりなる表面層および円形断面繊維を主体とす
る繊維からなる層を少なくとも一方の表面からこの順に
有する一体的なウェブを形成し、この一体ウェブに対し
て接着処理を施す方法である。本第2の製法によっても
第1の製法と同様に、少なくとも一方の表面から、異形
断面繊維を主体とする繊維からなる表面層10および円
形断面繊維を主体とする繊維からなる層11をこの順に
有する不織布として分離膜支持体を得る方法である。
【0023】なお、これらの製法に従って湿式不織布製
造方法により分離膜支持体を製造する場合、概ね次のよ
うになる。すなわち、第1の製法に従う場合、湿式抄紙
法によって異形断面繊維を主体とする繊維よりなる第1
のウェブを抄造し、これとは別に、湿式抄紙法によって
円形断面繊維を主体とする繊維よりなる第2のウェブを
抄造し、しかる後、これら第1および第2ウェブを積層
し接着処理を施すようにする。また第2の製法に従う場
合、円網式、傾斜短網式、長網式、円網短網コンビネー
ション式等の湿式多層抄紙機を用いて、異形断面繊維を
主体とする繊維よりなる表面層および円形断面繊維を主
体とする繊維からなる層を少なくとも一方の表面からこ
の順に有する一体的なウェブを抄造し、この一体ウェブ
に対して接着処理を施すようにする。
【0024】これらの製法における接着処理として、加
熱カレンダー処理を行い、異形断面繊維を主体とする繊
維よりなる層が露出するウェブ表面の毛羽立ちを実質的
に無くすのが好ましい。加熱カレンダー処理は、温度1
00〜300℃、ロール圧力50〜200kgf/c
m、かつ加工速度5〜100m/min.の条件下で行
うと、ウェブ表面の毛羽立ちを実質的に無くすことがで
きる。特に、使用する繊維がポリエステルのみの場合に
は、加熱カレンダー処理温度は150〜250℃とする
のが好ましい。
【0025】次に、本発明の分離膜支持体の材料につい
て説明する。先ず、本発明で用いうる異形断面繊維1
は、表面凹凸を実質的に有しない円形断面繊維(真円形
断面繊維のほか、楕円形断面繊維、特に偏平繊維断面を
含む。)と比べて繊維比表面積が大きいものであれば良
い。異形断面繊維1は表面凹凸を有し、例えば図3に示
す断面トライローバル(三葉)状繊維1A、図4に示す
断面ペンタローバル(五葉)状繊維1B、図5に示す断
面オクタローバル(八葉)状繊維1C、図6に示す断面
H状繊維1D、図7に示す断面十字状繊維1E、および
これらを2種以上混合した混合繊維(図示せず)などか
ら選ぶことができる。
【0026】異形断面繊維は溶融紡糸法で製造すること
ができる。異形断面繊維は、ポリエステル繊維であるの
が好ましいが、この他にも例えばポリオレフィン( ポリ
プロピレン、ポリエチレン) 、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リアリレートなど溶融紡糸法で製造できる繊維であって
も良い。
【0027】また、異形断面繊維の繊維長は3〜10m
mが好ましく、特に4〜7mmが好適である。繊維長が
3mmより短くなると湿式不織布とした場合に強度が低
下する傾向があり、また、10mmより長くなると湿式
不織布とする場合に懸濁工程における水中での分散性が
悪く、表面毛羽や裏抜けの原因となる。
【0028】異形断面繊維の繊度は地合向上の面から、
又、表面毛羽の面から細い方が好ましい。しかし、繊度
が1.0デニールよりも細くなると、分離膜支持体の表
面へキャスト溶液をキャステイングして製膜する際に、
キャスト溶液の浸漬性が悪くなる。逆に繊度が6.0デ
ニールより大きくなると加熱カレンダー処理をする場合
により高い圧力で圧着する必要を生じる。また、圧着圧
力が高くなると繊維が変形して断面楕円状となる結果、
通気度の極端な低下をまねき、分離膜支持体としての適
性を失うことになる。したがって、異形断面繊維の繊度
は1.0〜6.0デニールであるのが好ましく、1.5
〜3.0デニールであるとさらに好ましい。なお、異形
断面繊維は同一繊度の繊維みから構成されていても、異
なる繊度の繊維で構成されていても良い。
【0029】異形断面繊維を主体とする繊維における異
形断面繊維の含有率は、分離膜のアンカー効果をある程
度まで向上させるためには、10重量%以上とする。特
にかかる異形断面繊維の含有率を20重量%以上とする
と、著しいアンカー効果の向上が見られる。異形断面繊
維以外の繊維としては、異形断面繊維と同様の繊維長お
よび繊度の円形断面繊維(断面真円形の繊維や断面楕円
形の繊維のほか、扁平状繊維を含む)用いたりたり、後
述のバインダー繊維を用いたりすることができる。
【0030】一方、前述のように、複数層よりなる分離
膜支持体を製造する場合、製膜側表面層の下層を円形断
面繊維を主体とする繊維により形成する。この円形断面
繊維としては、断面真円形の繊維や断面楕円形の繊維の
ほか、扁平状繊維を用いることができるが、断面真円形
の繊維が好ましい。特に、この製膜側表面層の下層によ
りキャスト溶液の裏抜けを防ぐため、使用する円形断面
繊維を細くするのが好ましいが、細くし過ぎると通気度
が支持体の許容範囲内に入らなくなる。したがって円形
断面繊維の繊度は0.1〜2.0デニールが好適であ
る。また、円形断面繊維の繊維長は3mm〜10mmが
好ましい。さらに、円形断面繊維は同一繊度の繊維みか
ら構成されていても、異なる繊度の繊維で構成されてい
ても良い。異形断面繊維以外の繊維としては、次述のバ
インダー繊維を用いることができる。
【0031】また、同様の場合において、製膜側表面層
に含まれる異形断面繊維および他の繊維の断面積の、そ
の下層に含まれる円形断面繊維の断面積に対する比を、
好ましくは1.2以上とする。これにより、製膜時にお
けるキャスト液の裏抜け防止効果が十分に発揮される。
【0032】接着処理として加熱カレンダーなどの加熱
接着処理を用いる場合、前述の異形断面繊維を主体とす
る表面層や、その下の円形断面繊維を主体とする層に、
バインダー繊維として、主体繊維より融点のやや低い共
重合繊維、複合繊維および未延伸繊維等を用いる。バイ
ンダー繊維は、各層におけるバインダー繊維の含有率は
10〜80重量%とすることができる。
【0033】また、前述の複数層よりなる構造の分離膜
支持体においては、異形断面繊維を主体とする表面層
と、その下の円形断面繊維を主体とする層との厚さ比が
2:8〜8:2となるようにするのが良い。
【0034】さらに、本発明に係る分離膜支持体は、坪
量を40〜100g/m2 、厚さを130μm以下とす
るのが好ましい。
【0035】他方、本発明の分離膜支持体を用いて分離
膜を製造するには、例えば浸漬凝固法などの公知の方法
を用いることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明の効果を明らか
にする。本実施例では、本発明に係る分離膜支持体およ
び従来の分離膜支持体を製造し、両者の特性について比
較を行った。 <本発明例1>繊度2デニール、繊維長5mmの断面ト
ライローバル状(図1参照)ポリエステル繊維を20重
量%、繊度3デニール、繊維長5mmの断面円形のポリ
エステル延伸繊維を40重量%、および繊度1.1デニ
ール、繊維長5mmの断面円形のポリエステル未延伸繊
維(バインダー繊維)を40重量%混合し、シートマシ
ンを用いて手抄きにより坪量40g/m2 の製膜側表面
層となる第1のウェブを製造した。
【0037】これとは別に、繊度0.5デニール、繊維
長5mmの断面円形のポリエステル延伸繊維を60重量
%、繊度1.1デニール、繊維長5mmの断面円形のポ
リエステル未延伸繊維(バインダー繊維)を40重量%
混合し、上記第1のウェブと同様の方法により坪量40
g/m2 の第2のウェブを製造した。
【0038】これら第1および第2のウェブを、温度2
20℃、ロール圧力100kgf/cm、加工速度5m
/min.の条件で圧着して、断面トライローバル状ポ
リエステル繊維を主体とする製膜側表面層および断面円
形のポリエステル延伸繊維を主体とする裏面層との2重
不織布として分離膜支持体を得た。
【0039】<本発明例2>第1のウェブにおける繊維
配合割合を変更して、断面トライローバル状ポリエステ
ル繊維を40重量%とし、断面円形のポリエステル延伸
繊維を20重量%とし、断面円形のポリエステル未延伸
繊維を40重量%としたこと以外は、前述の本発明例1
と同様にして分離膜支持体を得た。
【0040】<本発明例3>第1のウェブにおける繊維
配合割合を変更して、断面トライローバル状ポリエステ
ル繊維を60重量%とし、ポリエステル未延伸繊維40
重量%としたこと以外は、前述の本発明例1と同様にし
て分離膜支持体を得た。
【0041】<比較例>表面層の繊維配合割合を変更し
て、断面トライローバル状ポリエステル繊維を無添加と
し、断面円形のポリエステル延伸繊維を60重量%と
し、断面円形ポリエステル未延伸繊維を40重量%とし
たこと以外は、前述の本発明例1と同様にして分離膜支
持体を得た。
【0042】<断面構造>これら本発明例1〜3および
比較例の分離膜支持体の断面構造模式図(SEM観察に
基づく)をそれぞれ図8〜図11に示した。これらの図
中、SE1〜SE3はそれぞれ本発明例1〜3の分離膜
支持体を示し、SE4は比較例の分離膜支持体を示して
いる。また、1Aは表面層10に含まれる断面トライロ
ーバル状繊維(繊度2デニール)を示し、2Lは表面層
10に含まれる断面円形のポリエステル延伸繊維(繊度
0.5デニール)を示し、2Sは裏面層11に含まれる
断面円形のポリエステル延伸繊維(繊度3デニール)を
示し、B1,B2は、それぞれ表面層10および裏面層
11に含まれる、断面円形のポリエステル未延伸繊維
(繊度1.1デニール)を示している。
【0043】<分離膜支持体の評価> (イ)本発明例1〜3および比較例1で得られた各分離
膜支持体について、坪量、厚さおよび密度を測定した。 (ロ)空隙特性を評価するべく、JIS−L1096
(A法)に準拠して通気度を測定した。 (ハ)アンカー効果を評価するべく、セルローストリア
セテート(ダウエックス社製)を用い、分離膜支持体上
に厚さ100μmの膜体を形成した幅15mmの分離膜
を作製し、この分離膜における膜体と支持体との固着強
度を、JIS−P8113にて使用する引張強度試験機
を用いて測定した。
【0044】(ニ)キャスト溶液の裏抜けを目視評価し
た。 (ホ)抄紙性に関し、ワイヤーからの剥離性およびピン
ホールで評価した。 (ヘ)製膜側表面の毛羽立ちを目視評価した。 これら(イ)〜(ヘ)の測定結果等を、各支持体の繊維
配合とともに表1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】<考察>表1から明らかなように、断面ト
ライローバル状ポリエステル繊維を配合した本発明例1
〜3に係る支持体を用いた分離膜は、同異形断面繊維を
繊維を添加しなかった比較例1に係る支持体を用いた分
離膜の約1.6〜2.7倍もの膜体固着強度を発揮し
た。また、断面トライローバル状ポリエステル繊維の配
合率が増えるほど、支持体に対する膜体の固着強度が向
上し、アンカー効果が高くなることが分かる。
【0047】また、表1より、製膜側表面層における断
面トライローバル状ポリエステル繊維の配合割合を増や
すほど、密度が下がり、通気性も良くなることが分か
る。
【0048】本発明例および比較例ともにキャスト溶液
の裏抜けは認められなかった。これは、全ての分離膜支
持体において、裏面層に0.5デニールの細い繊維を多
量配合したためであると考察する。また、全ての分離膜
支持体に対して加熱カレンダー処理を行ったため、本発
明例および比較例ともに製膜側表面の毛羽立ちも認めら
れなかった。
【0049】他方、断面トライローバル状ポリエステル
繊維を添加しなかった比較例1では、抄紙ワイヤー上へ
の繊維の取られが多く、抄紙性が極めて悪かったが、断
面トライローバル状ポリエステル繊維を配合した本発明
例1〜3では抄紙性が良好であった。また、断面トライ
ローバル状ポリエステル繊維の配合率が増えるほど抄紙
性が改善されることが分かった。
【0050】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、膜体と
の固着力が高く、長期の使用によっても膜体と支持体と
が剥離しにくい耐久性の高い分離膜を製造しうる分離膜
支持体となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分離膜支持体の実施形態を示す断
面該略図である。
【図2】他の、本発明に係る分離膜支持体の実施形態を
示す断面該略図である。
【図3】断面トライローバル状繊維を示す横断面図であ
る。
【図4】断面ペンタローバル状繊維を示す横断面図であ
る。
【図5】断面オクタローバル状繊維を示す横断面図であ
る。
【図6】断面H状繊維を示す横断面図である。
【図7】断面十字状繊維を示す横断面図である。
【図8】本発明例1の分離膜支持体の横断面を示す説明
図である。
【図9】本発明例2の分離膜支持体の横断面を示す説明
図である。
【図10】本発明例3の分離膜支持体の横断面を示す説
明図である。
【図11】比較例1の分離膜支持体の横断面を示す説明
図である。
【符号の説明】
1…異形断面繊維、1A…断面トライローバル状繊維、
1B…断面ペンタローバル状繊維、1C…断面オクタロ
ーバル状繊維、1D…断面H状繊維、1E…断面十字状
繊維、2…、3…、4…、5…、6…、7…、8…、9
…、10…膜形成側表面層、11…裏面層。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、製膜側の表面層が、円形断面
    繊維よりも繊維比表面積の大きい異形断面繊維を主体と
    する繊維よりなることを特徴とする分離膜支持体。
  2. 【請求項2】少なくとも一方の表面から、円形断面繊維
    よりも繊維比表面積の大きい異形断面繊維を主体とする
    繊維からなる表面層、および円形断面繊維を主体とする
    繊維からなる層をこの順に有することを特徴とする分離
    膜支持体。
  3. 【請求項3】前記円形断面繊維を主体とする繊維からな
    る層の円形断面繊維の繊度が0.1〜2.0デニールで
    ある請求項2記載の分離膜支持体。
  4. 【請求項4】前記表面層の異形断面繊維の断面積が、円
    形断面繊維を主体とする繊維からなる層の円形断面繊維
    の断面積より大きい請求項2または3記載の分離膜支持
    体。
  5. 【請求項5】前記異形断面繊維の繊度が1.0〜6.0
    デニール以下である請求項1〜4のいずれか1項記載の
    分離膜支持体。
  6. 【請求項6】前記異形断面繊維は、断面トライローバル
    状繊維、断面ペンタローバル状繊維、断面オクタローバ
    ル状繊維、断面H状繊維、断面十字状繊維、およびこれ
    らを2種以上混合したものの群から選ばれたものである
    請求項1〜5のいずれか1項記載の分離膜支持体。
  7. 【請求項7】前記異形断面繊維を主体とする繊維中にお
    ける異形断面繊維の含有率が10重量%以上である請求
    項1〜6のいずれか1項記載の分離膜支持体。
  8. 【請求項8】少なくとも製膜側の表面における毛羽立ち
    が実質的に無い請求項1〜7のいずれか1項記載の分離
    膜支持体。
  9. 【請求項9】円形断面繊維よりも繊維比表面積の大きい
    異形断面繊維を主体とする繊維よりなる第1のウェブを
    形成し、 これとは別に、円形断面繊維を主体とする繊維よりなる
    第2のウェブを形成し、 しかる後、これら第1および第2ウェブを積層し接着処
    理を施すことにより、少なくとも一方の表面から、異形
    断面繊維を主体とする繊維からなる表面層および円形断
    面繊維を主体とする繊維からなる層をこの順に有する不
    織布として分離膜支持体を得ることを特徴とする分離膜
    支持体の製造方法。
  10. 【請求項10】異形断面繊維を主体とする繊維よりなる
    表面層および円形断面繊維を主体とする繊維からなる層
    を少なくとも一方の表面からこの順に有する一体的なウ
    ェブを形成し、この一体ウェブに対して接着処理を施す
    ことにより、少なくとも一方の表面から、異形断面繊維
    を主体とする繊維からなる表面層および円形断面繊維を
    主体とする繊維からなる層をこの順に有する不織布とし
    て分離膜支持体を得ることを特徴とする分離膜支持体の
    製造方法。
  11. 【請求項11】前記接着処理は加熱カレンダー処理であ
    り、かつ温度100〜300℃、ロール圧力50〜20
    0kgf/cm、かつ加工速度5〜100m/min.
    の条件下で行われる請求項9または10の分離膜支持体
    の製造方法。
JP15747098A 1998-06-05 1998-06-05 分離膜支持体およびその製造方法 Pending JPH11347383A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15747098A JPH11347383A (ja) 1998-06-05 1998-06-05 分離膜支持体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15747098A JPH11347383A (ja) 1998-06-05 1998-06-05 分離膜支持体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11347383A true JPH11347383A (ja) 1999-12-21

Family

ID=15650387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15747098A Pending JPH11347383A (ja) 1998-06-05 1998-06-05 分離膜支持体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11347383A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011049231A1 (ja) 2009-10-21 2011-04-28 三菱製紙株式会社 半透膜支持体、スパイラル型半透膜エレメント及び半透膜支持体の製造方法
JP2012161725A (ja) * 2011-02-04 2012-08-30 Daio Paper Corp 半透膜支持体、水処理用半透膜、および半透膜支持体の製造方法
WO2013108722A1 (ja) 2012-01-16 2013-07-25 北越紀州製紙株式会社 半透膜支持体用不織布
WO2013115149A1 (ja) 2012-01-30 2013-08-08 北越紀州製紙株式会社 半透膜支持体用不織布
JP2015073946A (ja) * 2013-10-09 2015-04-20 帝人株式会社 分離膜用不織布および分離膜支持体
JP2015085277A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 帝人株式会社 分離膜用不織布および分離膜支持体
WO2022181195A1 (ja) 2021-02-24 2022-09-01 国立研究開発法人物質・材料研究機構 分離膜用不織布及びその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011049231A1 (ja) 2009-10-21 2011-04-28 三菱製紙株式会社 半透膜支持体、スパイラル型半透膜エレメント及び半透膜支持体の製造方法
JP2012161725A (ja) * 2011-02-04 2012-08-30 Daio Paper Corp 半透膜支持体、水処理用半透膜、および半透膜支持体の製造方法
WO2013108722A1 (ja) 2012-01-16 2013-07-25 北越紀州製紙株式会社 半透膜支持体用不織布
US9889411B2 (en) 2012-01-16 2018-02-13 Hokuetsu Kishu Paper Co., Ltd. Nonwoven fabric for semipermeable membrane support
WO2013115149A1 (ja) 2012-01-30 2013-08-08 北越紀州製紙株式会社 半透膜支持体用不織布
JP2015073946A (ja) * 2013-10-09 2015-04-20 帝人株式会社 分離膜用不織布および分離膜支持体
JP2015085277A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 帝人株式会社 分離膜用不織布および分離膜支持体
WO2022181195A1 (ja) 2021-02-24 2022-09-01 国立研究開発法人物質・材料研究機構 分離膜用不織布及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4668210B2 (ja) 分離膜支持体
KR101254423B1 (ko) 반투막 지지체 및 반투막 지지체의 제조 방법
US6156680A (en) Reverse osmosis support substrate and method for its manufacture
JP3153487B2 (ja) 半透膜支持体
EP2810702B1 (en) Non-woven fabric for semipermeable membrane support
JP5203518B1 (ja) 半透膜支持体用不織布及びその製造方法
KR20120022732A (ko) 적층 부직포
JPS61222506A (ja) 半透膜支持体及びその製造方法
CN110453377A (zh) 支撑材料和半透膜复合材料
JP5902886B2 (ja) 半透膜支持体の製造方法
JP2023009107A (ja) 半透膜支持体の製造方法
JP6625916B2 (ja) 半透膜支持体
EP2805760B1 (en) Nonwoven fabric for semipermeable membrane support
JP2016140785A (ja) 半透膜支持体
JP7296759B2 (ja) 膜分離活性汚泥処理用半透膜用支持体及び濾過膜
JP5802373B2 (ja) 薄型分離膜支持体
WO2000009246A1 (fr) Support pour membrane semi-permeable
JPH11347383A (ja) 分離膜支持体およびその製造方法
JP5913070B2 (ja) 半透膜支持体用不織布及びその製造方法
JP2009183879A (ja) 分離膜用基材シート、その製造方法並びに分離膜積層シート
JP2013154341A (ja) 半透膜支持体用不織布
JP2018153758A (ja) 分離膜用不織布
JP2019055356A (ja) 半透膜支持体
JP5809588B2 (ja) 半透膜支持体
JP2021112695A (ja) 分離膜支持体