JP2021112695A - 分離膜支持体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、耐熱性、耐アルカリ性を併せ備えた分離膜支持体を提供することである。【解決手段】ポリフェニレンサルファイド繊維のみで構成された湿式不織布であり、該ポリフェニレンサルファイド繊維が異型断面を有するポリフェニレンサルファイド繊維を含有することを特徴とする分離膜支持体であり、坪量が20g/m2以上150g/m2以下であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は分離膜支持体に関するものである。
逆浸透法や正浸透法での海水の淡水化、浄水器、食品の清澄・濃縮、廃水処理、血液濾過に代表される医療用、半導体洗浄用の超純水製造、プロセスガス等の分離・精製等の分野で、逆浸透膜、正浸透膜、ナノ濾過膜、限外濾過膜、精密濾過膜、ガス分離膜等の分離膜が広く用いられている。分離膜は、セルロース系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂等の合成樹脂で構成されている。しかしながら、分離膜単体では機械的強度に劣るため、不織布や織布等の繊維基材からなる分離膜支持体の片面に、分離膜の原料となる高分子溶液を塗布して固着させる方法により、分離膜と分離膜支持体とが一体化される。分離膜支持体の分離膜が設けられる片面を「塗布面」と呼び、反対側の面を「非塗布面」と呼ぶ。
主に、分離膜支持体としては、合成繊維を含有する不織布が用いられる。分離膜支持体又は分離膜に要求される性能としては、分離膜と分離膜支持体との接着性が良好であること、分離膜を設けるために、高分子溶液が分離膜支持体に塗布された際に、高分子溶液が非塗布面に裏抜けしないことが挙げられる。
従来の分離膜支持体としては、要求特性やコスト面から、ポリエステル繊維を含有する不織布が数多く提案されている。例えば、特許文献1では、高分子溶液を分離膜支持体に塗布した際に、高分子溶液が裏抜けせず、分離膜と分離膜支持体間の接着性に優れた、ポリエステル繊維が使用された分離膜支持体が提案されている。また、特許文献2には、少なくとも、製膜側の表面層が、円形断面繊維よりも繊維比表面積の大きい異形断面繊維を主体とする繊維よりなることを特徴とする分離膜支持体が開示されていて、異型断面を有するポリエステル繊維によって、分離膜支持体に対する膜体の固着強度が向上し、アンカー効果が高くなるという効果を達成している。しかし、従来のポリエステル繊維を含有する分離膜支持体は、耐アルカリ性が低いという課題があった。
上記課題に対して、特許文献3では、分離膜の汚染が進むと分離膜の処理能力が低下するため、酸やアルカリなどを添加した洗浄液を用いて膜洗浄を行うことから、ポリエステル繊維からなる分離膜支持体の代わりに、ポリフェニレンサルファイドを主成分とする繊維で構成されている不織布であり、少なくとも1層のスパンボンド不織布ウェブを含む分離膜支持体が提案されている。しかしながら、特許文献3では、耐薬品性に優れると記載されているものの、アルカリを添加した薬品の濃度等については言及されておらず、どの程度の耐薬品性を有しているのかが不明である。
また、特許文献4では、高温かつ高濃度のアルカリ溶液の処理が可能なスパイラル型分離膜エレメントが提案されていて、不織布材(分離膜支持体)が耐熱耐アルカリ性プラスチック(ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、エポキシ樹脂)であることが開示されている。しかしながら、特許文献4の実施例では、分離膜支持体はポリプロピレン繊維で構成されており、60℃で10%又は20%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液での評価しか行われていない。
特開2011−167608号公報 特開平11−347383号公報 特開2016−101558号公報 特開2000−354742号公報
本発明の課題は、裏抜けし難く、耐熱性及び耐アルカリ性を併せ備えた分離膜支持体を提供することである。
上記課題は、下記発明によって解決することができる。
(1)ポリフェニレンサルファイド繊維のみで構成された湿式不織布であり、該ポリフェニレンサルファイド繊維が異型断面を有するポリフェニレンサルファイド繊維を含有することを特徴とする分離膜支持体。
(2)坪量が20g/m以上150g/m以下である(1)に記載の分離膜支持体。
本発明によれば裏抜けし難く、耐熱性、耐アルカリ性を併せ備えた分離膜支持体を提供することができる。
本発明の分離膜支持体は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維のみで構成された湿式不織布であり、該ポリフェニレンサルファイド繊維が異型断面を有するポリフェニレンサルファイド繊維を含有することを特徴としている。本発明の分離膜支持体は、主体繊維として延伸PPS繊維を含有し、バインダー繊維として未延伸PPS繊維を含有することが好ましい。未延伸PPS繊維は、大部分が非結晶構造であり、熱を加えることで溶融し、バインダー繊維として働くことができる。延伸PPS繊維は、繊維製造工程において延伸を加えられることで、繊維の単繊維強度が強く、寸法安定性に優れている。本発明において、延伸PPS繊維及び未延伸PPS繊維を使用した場合には、耐熱性及び耐アルカリ性を併せ備えた分離膜支持体を提供することが容易になる。
ポリフェニレンサルファイド(Polyphenylenesulfide、PPS)繊維とは、ポリマー構成単位として−(C−S)−を主要構造単位とする重合体(PPS重合体)からなる合成繊維である。PPS重合体の代表例としては、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンサルファイドスルホン、ポリフェニレンサルファイドケトン等が挙げられる。また、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体等も挙げられる。さらに、前記重合体の混合物が挙げられる。特に好ましいPPS重合体としては、ポリマーの主要構造単位として、−(C−S)−で表されるp−フェニレン単位を、好ましくは90質量%以上含有するPPS重合体が挙げられる。
異型断面を有するPPS繊維において、異型断面とは、繊維の長さ方向に垂直に切断した場合の断面形状が円形断面形状以外のものであり、三角形状、Y型形状、扁平形状、ドックボーン形状、三つ葉形状等の断面を有するものを言う。例えば、これらは、異型金型を用いて直接紡糸する方法、複合繊維を溶解又は分割する方法などによって得られるが、異型金型を用いて直接紡糸することによって得られる異型断面を有するPPS繊維が本発明においては好適に用いられる。また、断面形状に特に限定はないが、強度向上の観点から、Y型形状又は三つ葉形状の断面形状を有するPPS繊維がより好ましい。Y型又は三つ葉形状は、円形断面形状に比べ比表面積が大きくなり、繊維同士の接着点が増加し、湿紙強度及び抄紙工程後の原紙強度が向上するだけではなく、熱カレンダー加工時に不織布内部の空間に入り込むように変形して接着するため、不織布としての強度を向上させることに寄与することができる。
本発明の分離膜支持体は、単層構造であっても良いし、多層構造であっても良い。各層での異型断面を有するPPS繊維の含有量は、全繊維量に対して10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上である。異型断面を有するPPS繊維の含有量が10質量%よりも少なくなると、高分子溶液を塗工した際に非塗工面への裏抜けが多くなる場合がある。また、原紙強度が十分に向上せず、抄紙の際に断紙が起こりやすくなる場合がある。なお、全てのPPS繊維が異型断面を有するPPS繊維であっても良い。
本発明の分離膜支持体において、未延伸PPS繊維の含有量は、全繊維量に対して30質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上、80質量%以下である。未延伸PPS繊維の含有量が30質量%よりも少なくなると、繊維同士を接着させるバインダー効果が不足し、不織布として十分な機械的強度が得られない場合がある。また、未延伸PPS繊維の含有量が90質量%よりも多くなると、熱カレンダー加工時に幅方向の収縮が大きくなり、プロファイルを悪化させる場合がある。
湿式抄紙法における製造効率を考慮すると、PPS繊維の直径は、好ましくは0.1〜30μmであり、より好ましくは1.0〜25μmであり、さらに好ましくは2〜20μmである。PPS繊維の直径が0.1μm未満の場合、湿式抄紙機の抄紙網から脱落してしまう場合がある。一方、PPS繊維の直径が30μmを超えた場合、スラリー中での繊維同士の絡み度合いが不十分になり、繊維間の接点が少なくなり過ぎて、強度維持が困難になる場合がある。なお、異型断面を有するPPS繊維の直径は、分離膜支持体を鋭利な刃物でカットして、その断面を2000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、無作為に抽出した繊維100本の各面積から真円の直径として算出した各繊維の直径の算術平均値である。
本発明の分離膜支持体に用いるPPS繊維の繊維長は、好ましくは1〜30mmであり、より好ましくは2〜27mmであり、さらに好ましくは3〜25mmである。1mm未満の場合、湿式抄紙時に抄紙網から抜け落ちる場合があり、十分な強度が得られない場合がある。一方、30mmを超えた場合、水に分散する際にもつれ等を起こす場合があり、均一な地合が得られない場合がある。
本発明の分離膜支持体は、湿式抄紙法で製造された湿式不織布である。まず、繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通し、スラリーを調製する。スラリーの最終繊維濃度は、好ましくは0.01〜0.50質量%である。該スラリーが、抄紙機で抄き上げられ、湿紙が得られる。工程中で、分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
抄紙機としては、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー等の抄紙網を単独で使用した抄紙機、同機種又は異種の2以上の抄紙網がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機を使用することができる。また、不織布が2層以上の多層構造の場合は、各々の抄紙機で抄き上げた湿紙を積層する「抄き合わせ法」や、一方の層を形成した後に、該層上に繊維を分散したスラリーを流延して積層とする「流延法」等で、不織布を製造することができる。繊維を分散したスラリーを流延する際に、先に形成した層は湿紙状態であっても、乾燥状態であってもいずれでも良い。また、2枚以上の乾燥状態の層を熱融着させて、多層構造の不織布とすることもできる。
湿式抄紙法では、抄紙網で製造され、ウェットプレス部で搾水された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等の乾燥機で乾燥することによって、湿式不織布原紙が得られる。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることを言う。熱ロールの表面温度は、好ましくは100〜180℃であり、より好ましくは120〜160℃である。圧力は、好ましくは50〜1000N/cmであり、より好ましくは100〜800N/cmである。
次に、熱ロールによる熱圧加工について説明するが、本発明は下記説明に限定されない。熱圧加工装置(カレンダー装置)において、ニップされているロール間にシートが通されることによって、シートが熱圧加工される。ロールの組み合わせとしては、2本の金属ロール、金属ロールと樹脂ロール、金属ロールとコットンロール等が挙げられる。2本のロールのうち、少なくとも一方のロールが加熱されて、熱ロールとして使用される。主に、金属ロールが熱ロールとして使用される。熱ロールによる熱圧加工は2回以上行うことも可能であり、その場合、直列に配置された2組以上の上記のロール組み合わせを使用しても良いし、1組のロール組み合わせを用いて、2回加工しても良い。必要に応じて、シートの表裏を逆にしても良い。熱ロールの表面温度、ロール間のニップ圧力、シートの加工速度を制御することによって、所望の分離支持体が得られる。
熱圧加工の際、金属ロールの表面温度は、好ましくは100〜260℃であり、より好ましくは150〜250℃である。金属ロールの温度が100℃より低いと、未延伸PPS繊維の溶融が進まず、繊維−繊維間の結着が進まない場合がある。また、金属ロールの温度が260℃より高いと、分離膜支持体を構成する繊維が、金属ロールに貼り付き、不織布表面の均一性を損なう場合がある。
熱カレンダー処理時のニップのニップ圧力は、好ましくは190〜1800N/cmであり、より好ましくは210〜1400N/cmである。加工速度は、好ましくは5〜150m/minであり、より好ましくは10〜80m/minである。
本発明の分離膜支持体は、単層であっても良く、各層の繊維配合が同一である多層構造であっても良く、各層の繊維配合が異なった多層構造であっても良い。単層構造に比べ多層構造である場合、各層の坪量が下がることにより、スラリーの繊維濃度を下げることができるため、分離膜支持体の地合の均一性が向上する。また、各層の地合が不均一であった場合でも、積層することで補填できる。さらに、抄紙速度を上げることができ、操業性が向上するという効果も得られる。
本発明の分離膜支持体の坪量は、好ましくは20〜150g/mであり、より好ましくは30〜100g/mである。坪量が20g/m未満では、分離膜支持体の機械的強度が低くなる場合がある。坪量が150g/mを超えると、通液抵抗が高くなる場合や厚みが増してユニットやモジュール内に規定量の分離膜を収納できない場合がある。
本発明の分離膜基材の密度は、好ましくは0.5〜1.0g/cmであり、より好ましくは0.6〜0.9g/cmである。密度が0.5g/cm未満の場合、厚みが厚くなるため、ユニットに組み込める分離膜の面積が小さくなってしまい、結果として、分離膜の寿命が短くなってしまうことがある。一方、密度が1.0g/cmを超えると、分離膜支持体が密になり、分離膜支持体内部へ高分子膜溶液の浸透が低下し、結果として、投錨性が下がるため分離膜が分離膜支持体から剥離する場合がある。
分離膜支持体の厚みは、20〜150μmであることが好ましく、30〜130μmであることがより好ましく、50〜120μmであることがさらに好ましい。分離膜支持体の厚みが150μmを超えると、ユニットに組み込める分離膜の面積が小さくなってしまい、結果として、分離膜の寿命が短くなってしまうことがある。一方、20μm未満の場合、十分な機械的強度が得られない場合や通液性が低くなって、分離膜の寿命が短くなる場合がある。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は断りのない限り、全て質量によるものである。
<PPS繊維1>
断面形状が三つ葉形状であり、繊度1.3デシテックス、直径11μm、繊維長5mmの異型断面を有する延伸PPS繊維を「PPS繊維1」とした。
<PPS繊維2>
断面形状が三つ葉形状であり、繊度1.3デシテックス、直径11μm、繊維長20mmの異型断面を有する延伸PPS繊維を「PPS繊維2」とした。
<PPS繊維3>
断面形状が円形断面形状であり、繊度1.1デシテックス、直径10μm、繊維長5mmの延伸PPS繊維を「PPS繊維3」とした。
<PPS繊維4>
断面形状が三つ葉形状であり、繊度2.6デシテックス、直径16μm、繊維長5mmの異型断面を有する未延伸PPS繊維を「PPS繊維4」とした。
<PPS繊維5>
断面形状が三つ葉形状であり、繊度2.6デシテックス、直径16μm、繊維長10mmの異型断面を有する未延伸PPS繊維を「PPS繊維5」とした。
<PPS繊維6>
断面形状が円形断面形状であり、繊度1.7デシテックス、直径13μm、繊維長5mmの未延伸PPS繊維を「PPS繊維6」とした。
<PET繊維1>
断面形状が円形断面形状であり、繊度0.6デシテックス、直径7.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を「PET繊維1」とした。
<PET繊維2>
断面形状が三角形状であり、繊度2.2デシテックス、直径14.5μm、繊維長5mmの異型断面を有する延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を「PET繊維2」とした。
<PET繊維3>
断面形状が円形断面形状であり、繊度1.2デシテックス、直径10.5μm、繊維長5mmの未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を「PET繊維3」とした。
<オレフィン繊維>
芯成分がポリプロピレン(PP)で、鞘成分がポリエチレン(PE)であり、断面形状が円形断面形状であり、繊度0.8デシテックス、直径12.5μm、繊維長5mmのPP/PE芯鞘型複合繊維を「オレフィン繊維」とした。
[実施例1]
PPS繊維1:PPS繊維4=30:70の繊維配合で、分散濃度0.1%で1分間、繊維を水に分散し、傾斜ワイヤー抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度160℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、目標坪量を60g/mとして、湿式不織布原紙を得た。
得られた湿式不織布原紙を、第1ステージの加熱した金属ロール(熱ロール)と樹脂ロールの組み合わせのカレンダー装置を用いて、熱ロール温度240℃、ニップ圧力210N/cm、加工速度20m/minの条件で熱圧加工した。第1ステージにおいて熱ロールに接した面が樹脂ロールに接するように、第2ステージの樹脂ロールと加熱した金属ロール(熱ロール)を組み合わせたカレンダー装置を用いて、熱ロール温度240℃、ニップ圧力210N/cm、加工速度20m/minの条件で熱圧加工を行い、分離膜支持体を得た。
[実施例2]
目標坪量を20g/mに変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
[実施例3]
目標坪量を150g/mに変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
[実施例4]
PPS繊維1:PPS繊維4=40:60の繊維配合に変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
[実施例5]
PPS繊維2:PPS繊維5=30:70の繊維配合に変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
[実施例6]
第1ステージ及び第2ステージの熱ロールの温度を180℃に変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
[実施例7]
第1ステージ及び第2ステージの熱ロールの温度を245℃、ニップ圧力を850N/cm、加工速度を40m/minに変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
[実施例8]
目標坪量を15g/mに変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
[実施例9]
目標坪量を200g/mに変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
[比較例1]
PPS繊維3:PPS繊維6=30:70の繊維配合に変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
[比較例2]
PPS繊維3:PPS繊維6=30:70の繊維配合で、目標坪量を20g/mに変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
[比較例3]
PPS繊維3:PPS繊維6=30:70の繊維配合で、目標坪量を150g/mに変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
[比較例4]
PPS繊維3:PPS繊維6=30:70の繊維配合で、目標坪量を15g/mに変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
[比較例5]
PPS繊維3:PPS繊維6=30:70の繊維配合で、目標坪量を200g/mに変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
[比較例6]
PET繊維1:PET繊維3=70:30の繊維配合で、目標坪量を75g/mとし、第1ステージの熱ロールの温度を235℃に変え、第1ステージ及び第2ステージのニップ圧力を850N/cm、加工速度を40m/minに変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
[比較例7]
PET繊維2:PET繊維3=70:30の繊維配合で、目標坪量を75g/mとし、第1ステージの熱ロールの温度を235℃に変え、第1ステージ及び第2ステージのニップ圧力を850N/cm、加工速度を40m/minに変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
[比較例8]
オレフィン繊維のみの繊維配合で、第1ステージの熱ロールの温度を125℃、ニップ圧力を800N/cm、加工速度を30m/minに変え、第2ステージの熱ロールの温度を125℃、ニップ圧力を900N/cm、加工速度を30m/minに変えた以外は、実施例1と同じ方法で分離膜支持体を得た。
Figure 2021112695
Figure 2021112695
実施例及び比較例において、坪量、厚さの測定、耐熱性、耐アルカリ性、分離膜裏抜けの評価を行い、結果を表3に示した。
(坪量)
JIS P 8124:2011に準拠して、分離膜支持体を100mm×100mmにカットして試験片とし、電子分析天秤(島津製作所社製)を用いて20枚測定した各値の平均値を坪量とした。
(厚さ)
JIS P 8118:2014に準拠して、坪量測定時に採取した試験片から1枚ずつマイクロメータ(ミツトヨ社製)を用いて、20枚測定した各値の平均値を厚さとした。
(密度)
密度は、下記式のとおり、坪量を厚さで除して算出した。
密度(g/cm)=坪量(g/m)/厚さ(μm)
(耐熱性)
JIS K 7212:1999に準拠して、23℃、相対湿度50%の条件下で、150mm×150mmの寸法に、幅方向における中心部で分離膜支持体をカットし、試験片とした。250℃に設定したオーブンに、試験片の一端を金属クリップで挟み、試験片取付け枠に懸垂し、2時間加熱を行い、加熱済試験片とした。未加熱試験片及び加熱済試験片を、23℃、相対湿度50%の条件下で、MD方向を長辺として15mm×150mmの短冊状にカットし、各々の引張試験用試料を得た。
JIS P 8113:2006に準拠して、定速緊張形引張試験機「シングルコラム型材料試験機、型番:STB−1225S」(エー・アンド・デイ社製)を用いて、チャック間距離100mmに設定し、チャックの移動速度を100mm/分として、定速で引張り、引張試験用試料が破断した際の強度を測定して引張強度とした。未加熱試験片の引張強度(T1)及び加熱済試験片の引張強度(T2)を測定し、以下の式から加熱強度維持率(%)を算出した。
加熱強度維持率=(T2/T1)×100
分離膜支持体の耐熱性を以下の指標で評価した。
「A」:97%以上、100%以下
「B」:94%以上、97%未満
「C」:90%以上、94%未満
「D」:90%未満
(耐アルカリ性)
分離膜支持体を、MD方向を長辺として15mm×150mmの短冊状にカットし、引張試験用試料とした。80℃の25%NaOH水溶液に、引張試験用試験片を100時間浸漬した後、十分に水洗及び風乾し、アルカリ処理済の引張試験用試料を得た。JIS P 8113:2006に準拠して、定速緊張形引張試験機「シングルコラム型材料試験機、型番:STB−1225S」(エー・アンド・デイ社製)を用いて、チャック間距離100mmに設定し、チャックの移動速度を100mm/分として、定速で引張試験用試料を引張り、引張試験用試料が破断した際の強度を測定して引張強度とした。未アルカリ処理の引張試験用試料における引張強度(A1)とアルカリ処理済の引張試験用資料の引張強度(A2)を用いて、以下の式から耐アルカリ強度維持率を算出した。
耐アルカリ強度維持率=(A2/A1)×100
分離膜支持体の耐アルカリ性を以下の指標で評価した。
「A」:97%以上、100%以下
「B」:93%以上、97%未満
「C」:90%以上、93%未満
「D」:90%未満
(分離膜裏抜け)
一定のクリアランスを有する定速塗工装置(商品名:Automatic Film Applicator、安田精機製作所社製)を用いて、第1ステージで熱ロールと接した面を塗布面とし、台紙の上に分離膜支持体をセットし、分離膜支持体の塗布面に黒色の油性インキを混合したポリスルホン樹脂のDMF溶液(濃度:19%)を塗工し、塗工後に分離膜支持体を貫通して台紙に写ったポリスルホン樹脂の量を目視で観察し、分離膜の裏抜け評価を行った。
「A」:全く裏抜けしていない。非常に良好なレベル。
「B」:小さな点状で、ごくわずかに裏抜けしている。良好なレベル。
「C」:小さな点状で、裏抜けしている。使用可能レベル。
「D」:大きな点状で、裏抜けしている。使用可能下限レベル。
「E」:大きな点状で、多く裏抜けしている。使用不可レベル。
Figure 2021112695
坪量が同程度である実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3、実施例8と比較例4、実施例9と比較例5をそれぞれ比較すると、異型断面を有するPPS繊維を含有する実施例1〜3及び8〜9の分離膜支持体は、異型断面を有するPPS繊維を含有しない比較例1〜5の分離膜支持体に対し、裏抜けし難いことがわかる。
坪量が20g/m未満である実施例8の分離膜支持体に対し、坪量が20g/mである実施例2の分離膜支持体は、裏抜けし難いことがわかる。
坪量が150g/mを超える実施例9の分離膜支持体に対し、坪量が150g/mである実施例3の分離膜支持体は、耐熱性が優れることがわかる。
実施例1〜9と比較例6及び比較例7を比較すると、80℃、25%NaOH水溶液に100時間浸漬しても実施例1〜9の分離膜支持体では、引張強度の大きな低下は見られないが、比較例6及び比較例7の分離膜支持体は、引張強度が大きく低下していることがわかる。
250℃のオーブン中で2時間加熱したところ、実施例1〜9の分離膜支持体は、強度の低下が10%以下であるのに対し、比較例6及び比較例7の分離膜支持体は、ポリエチレンテレフタレートの融点付近の温度での加熱であったことから、分離膜支持体の形状を維持することができなかった。比較例8の分離膜支持体は、ポリプロピレンやポリエチレンの融点を上回ったため、分離膜支持体の形状を維持することができなかった。
本発明の半透膜支持体は、海水の淡水化、浄水処理、排水処理等の水処理分野、食品工業分野、血液濾過に代表される医療用、半導体工業分野で利用することができる。

Claims (2)

  1. ポリフェニレンサルファイド繊維のみで構成された湿式不織布であり、該ポリフェニレンサルファイド繊維が異型断面を有するポリフェニレンサルファイド繊維を含有することを特徴とする分離膜支持体。
  2. 坪量が20g/m以上150g/m以下である請求項1に記載の分離膜支持体。
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