JP2015085054A - ダクトカバー取付構造およびデスク - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーブルダクトの上方に所定の隙間を空けてデスクトップパネルが設けられている場合であっても広い開口幅を確保し、起立位置にあるダクトカバーをその位置で安定させてケーブルダクトの開口が不用意に閉止されないダクトカバー取付構造およびデスクを提供する。【解決手段】ダクトカバー4を軸6a、6bおよび軸受4a、4bを介してケーブルダクト3の開口30を開閉する位置に支持させるようにしたものであって、軸6a、6bと軸受4a、4bとの間に、ダクトカバー4がケーブルダクト3の開口30を閉止する使用位置4(R)にあるときに軸6a、6b回りにダクトカバー4が起立方向に回転することを許容する第1の回転支持部44と、ダクトカバー4の角度が使用位置4(R)から所定角度まで至った以降に軸6a、6bを前記軸受4a、4b内においてダクトカバー4が沈み込む方向に誘導することを許容する誘導支持部とを設ける。【選択図】図7

Description

本発明は、デスクトップパネルの下方に設けられたケーブルダクトを開閉する際に特に好適に使用されるダクトカバー取付構造およびデスクに関するものである。
この種のダクトカバーとしては、例えば対向配置したデスクの天板同士の間に設けられ、いずれの方向にも回転可能とした特許文献1に示すようなものが知られている。このものは、図13に示すように、ダクトカバー204の両端面204´に2つの軸受204a、204bを互いに離間させて形成し、これらの軸受204a、204bを軸206a、206bにそれぞれ支持させたものであり、一方の軸206b(206a)を軸受204b(204a)から開放することでダクトカバー204を何れの方向へも回転可能とするものである。このように特許文献1に記載のダクトカバー204は、ケーブルダクト3の開口30の開放時に少なくとも何れか一方の軸受204a、204bを軸206a、206bに支持させる構造であることから、開口30内への落下のおそれを極力減らすことができる。
特開2011−224171号公報
ところで、上記のようなダクトカバー204をデスクに採用する場合には、天板21の反使用端21a側に設置することが一般的である。またデスクには対向配置して使用する場合等に目隠し機能を発揮させるためのデスクトップパネル8を天板21の反使用端21a側に設けることが多く、上記特許文献1には、ダクトカバー204の上方に所定の隙間を空けてデスクトップパネル8を設置したデスクにおいて上記のようなダクトカバー204を採用することが記載されている。しかしながらこのような構成の場合、図13に想像線(二点鎖線)で示すように開口30を開放するためにダクトカバー204を前記開口30を閉止する使用位置204(R)から起立方向に向けて回転させていくと、開口縁がデスクトップパネル8の下方と接触して最大開口が制限されることから、特にコンセント等のある程度厚みのある部材を出し入れする際に支障が生じるおそれがあり、改善の余地がある。また、デスクトップパネル8が装着されていない場合であっても、起立位置にあるダクトカバー204が使用位置204(R)に向けて回転しやすく、配線作業等の途中でダクトカバー204に少し当たっただけで前記開口30が不用意に閉止されてしまうおそれがあり、この点にも改善の余地がある。
本発明は、このような課題を有効に解決するものであって、ケーブルダクトの上方に所定の隙間を空けてデスクトップパネルが設けられている場合であっても広い開口幅を確保することが可能であるとともに、起立位置にあるダクトカバーをその位置で安定させてケーブルダクトの開口が不用意に閉止されてしまうことを抑制できるダクトカバー取付構造およびデスクを実現することを目的としている。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明のダクトカバー取付構造は、ダクトカバーを軸および軸受を介してケーブルダクトの開口を開閉する位置に支持させるようにしたものであって、前記軸と前記軸受との間に、前記ダクトカバーが前記開口を閉止する使用位置にあるときに前記軸回りに前記ダクトカバーが起立方向に回転することを許容する回転支持部と、この回転支持部に連続する位置にあって前記ダクトカバーの角度が前記使用位置から所定角度まで至った以降に前記軸を前記軸受内において前記ダクトカバーが沈み込む方向に誘導することを許容する誘導支持部とを設けたことを特徴とする。
このような構成であると、ダクトカバーを、使用位置から所定角度に至るまでの間では回転支持部により軸回りに回転させ、所定角度まで至った以降では誘導支持部により沈み込む方向に移動させることができる。そのため、起立位置にあるダクトカバーの上端位置を低くすることができることから、例えばケーブルダクトの開口の上方に隙間を空けてデスクトップパネルを設置しているような場合であっても、ダクトカバーを起立させた際に前記隙間に入り込ませることができ、ダクトカバーの開口幅を広くすることができる。また、所定角度まで至った以降ではダクトカバーの重心を下方に下げることが可能になり、それによって当該ダクトカバーを誘導しやすくすることができることから、ケーブルダクトの開口を配線処理が可能な広さまで開放する動作を容易に行うことができる。さらに、この動作により起立姿勢となったダクトカバーは重心が下方に位置し、使用位置に向けて比較的回転しにくくなることから、配線処理を行っている途中でダクトカバーが使用位置に向けて不用意に回転してケーブルダクトの開口が閉止されることを抑制することができる。
下方へ沈み込むダクトカバーの動きを安定させるとともに、誘導先でさらに十分な広さの開口幅を確保可能にするためには、前記軸と前記軸受との間に、前記誘導支持部の終端位置において前記ダクトカバーが前記軸回りに更に起立方向に回転することを許容する第2の回転支持部と、前記誘導支持部内を前記軸が移動する際に前記ダクトカバーが一定以上回転することを規制する姿勢規制部分とを更に設けていることが好ましい。
最大起立姿勢にあるダクトカバーをその位置で安定させ、配線処理を行っている途中でケーブルダクトの開口が閉止されることをより安定して抑制するためには、前記第2の回転支持部は、前記ダクトカバーを最大起立姿勢に保持するとともに、当該ダクトカバーが最大起立位置から前記軸回りに所定角度反起立方向に回転した位置で当該軸が前記誘導支持部に移動できるように構成されていることが好ましい。
上記のような軸受構造を実現する具体的な構成として、前記軸が略半月状の断面を有するものであり、前記誘導支持部が当該軸の短軸方向の長さよりも幅広で長軸方向の長さよりも幅狭な溝である構成が挙げられる。
さらに上記効果を備えつつ、ダクトカバーを両開きにしてケーブルダクトへのアクセスの便を向上させるためには、ダクトカバーの両端側の2箇所をそれぞれ前記軸及び前記軸受を介してケーブルダクトの開口を閉止する位置に支持させ、前記各々の軸と前記軸受との間に、前記ダクトカバーが前記使用位置から前記所定角度に至るまでの範囲内で前記軸の前記軸受に対する着脱を許容する着脱許容部を設け、一方の軸を前記軸受から開放するとともに他方の軸を軸受に支持させたままでダクトカバーを何れの方向へも回転可能な構成としていることが好ましい。
ケーブルダクトの開口を開放する動作が容易であるとともに、配線処理の途中で当該開口が不用意に閉止されにくいデスクを実現するためには、上記ダクトカバー取付構造を天板の反使用端側に配置されるダクトカバーに適用して、当該ダクトカバーをケーブルダクトの開口を塞ぐ位置に配置していることが好ましい。
このようなデスクにおいてダクトカバーの上方に所定の隙間を介してデスクトップパネルの下端部を位置づけた場合であっても、ケーブルダクトの開口幅を広く確保するとともに当該ダクトカバーを安定的に支持することを可能にするためには、当該ダクトカバーが所定量沈み込んだ位置でその上縁が前記デスクトップパネルの下端に当接して停止するように構成していることが好ましい。
本発明は、以上説明した構成であるから、ケーブルダクトの上方に所定の隙間を空けてデスクトップパネルが設けられている場合等であっても広い開口幅を確保することが可能であるとともに、起立位置にあるダクトカバーをその位置で安定させてケーブルダクトの開口が不用意に閉止されてしまうことを抑制できるダクトカバー取付構造およびデスクを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るデスクを示す斜視図。 同デスクをダクトカバーを取り外した状態で示す斜視図。 ケーブルダクトを構成する第1ハブ保持部材の斜視図。 第2ハブ保持部材の斜視図。 同ダクトカバーを支持する軸受構造を説明するための部分斜視図。 同ダクトカバーを支持する軸受構造を説明するための部分分解斜視図。 図1に示すVI−VI線の部分断面図。 図7に示すダクトカバーを所定角度回転させた状態で示す部分断面図。 図8に示すダクトカバーを沈み込ませている途中の状態を示す部分断面図。 図9に示すダクトカバーを沈み込ませつつデスクトップパネルに突き当たる位置まで回転させた状態を示す部分断面。 同デスクからデスクトップパネルを取り外している場合において同ダクトカバーが最大起立にある状態を示す図7に対応した部分断面図。 本発明の変形例を示す図。 従来のダクトカバーを支持する軸受構造を示す側断面図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示す本実施形態のデスク1は、左右の脚体1a、1bの間に天板21、22を架設し、天板21、22の反使用端21a、22a側に図2に示すケーブルダクト3を構成してなるもので、ケーブルダクト3への出し入れ口となる上方への開口30を塞ぐべく、その開口縁にダクトカバー4を着脱可能に配している。特にこの実施形態は、対面使用可能なように天板21、22の反使用端21a、22aを背板5を挟んで対向させ、ケーブルダクト3を一対の天板21、22の反使用端21a、22a間に開口させているものである。なお、図示例は背板5を共通のものとしているが、独立のデスクに付帯する背板を2枚突き合わせて構成されていても構わない。
図2に示すように、背板5の幅方向両端部は概略柱状の支持体61、61と一体をなしていて、それらの支持体61の上端部にダクトカバー受け61a、61aをそれぞれ設け、平面視においてこれらのダクトカバー受け61a、61aと一対の天板21、22の反使用端21a、22aとで囲まれる開口30を塞ぐ平板状のダクトカバー4を、対向する前記ダクトカバー受け61a、61a間にそれぞれ架け渡して取り付けるようにしている。このようにダクトカバー4を取り付け可能にするため、ダクトカバー受け61a、61aの互いに対向する端面には、図5に示すようにダクトカバー4との間に軸受構造を構成するための一対の軸6a、6bをそれぞれ形成している。一方の軸6aは図5においては図示されていない対向位置にあるもう一つのダクトカバー受け61aに設けられた軸6aとともに互いに軸心を合致させて天板幅方向(X方向)に向けて突出するものであり、他方の軸6bも同様にもう一つのダクトカバー受け61aに設けられた軸6bとともに互いに軸心を合致させて天板幅方向(X方向)に向けて突出するものである。
図1に示すように、支持体61、61にはそれぞれデスクトップパネル取付部61d、61dが設けてあり、デスクトップパネル8が装着されていないときには図2に示すようにカバー61c、61cによって閉塞されている。このカバー61c、61cを図1に示すように開いてその奥にある図示しないデスクトップパネル取付部を上方に開放し、パネル本体80の両側から垂下する支持杆82をデスクトップパネル取付部に上方から挿し込むことで、ダクトカバー4の上方所定高さにデスクトップパネル8の下端部81を位置づけることができる。その際、デスクトップパネル8の下端部81をダクトカバー4の上面49に直接載せ置くのではなく、ダクトカバー4の上方に図6に示したように所定の隙間L(図7参照)を介して若干浮かせて配置している。これによりこの隙間Lを利用して、デスクトップパネル8を取り外すことなくダクトカバー4を回転および下方に沈み込ませてケーブルダクト3の開口を十分な広さで開放可能にしている。これについては後で詳述する。
図3は、ケーブルダクト3を構成するとともにハブを保持する機能を有する第1ハブ保持部材31を拡大して示したものである。第1ハブ保持部材31は板金素材からなるチャネル状のもので、図2にも示すように底壁31aを背板5の上面51に載せ置いた状態に配置される。この第1ハブ保持部材31は、天板21、22の反使用端21a、22a側から開口30を通じて落とし込んだ図示しないケーブルやコンセント等を底壁31aおよび底壁31aの両端からそれぞれ起立する側壁31b、31bにより形成される収納空間Sに収める機能を有するとともに、底壁31aに形成された開口部31abを介してハブH1を吊り下げた状態で保持する機能を有するものである。ケーブルダクト3は、この第1ハブ保持部材31を主体として天板21、22間に形成される配線通路(配線空間)である。
また、図2に示すように第1ハブ保持部材31の隣には、第2ハブ保持部材33が背板5を利用して吊り下げられている。第2ハブ保持部材33は、図4に示すように、底壁33aの両端からそれぞれ起立する側壁33b、33cとの間にハブH2を収納可能であり、このようにハブH2を保持した状態で、一方の側壁33cよりも高く延びる他方の側壁33bの上端に備わる側面視略L字状の掛止部33dを介して背板5の上端に掛止させることができるものである。掛止部33dは、他方の側壁33bの上端から一方の側壁33cを超えて水平に延びる水平部分33daと水平部分33daの端部から下方に向けて垂直に延びる垂直部分33dbとから構成されており、背板5に掛止される際には、水平部分33daを背板5の上面51に乗せ置き、垂直部分33dbと一方の側壁33cとで背板5を両側から挟み込んだ状態とする。ケーブルダクト3内のケーブルは、これらハブ保持部材31、33にそれぞれ保持されているハブH1、H2に接続可能とされる。
ダクトカバー4は、図5,6に示すように、ダクトカバー受け61a、61aからそれぞれ突出する軸6a、6bとの対応位置に軸受4a、4bを有する一対の端部部材41、41と、両端に前記端部部材41、41を嵌め合わせることによってこれら両端部部材41、41間に架け渡されるカバー本体40とを具備している。カバー本体40は押し出し材であって、上面49に長手方向に沿って延び開口よりも内空が広がった形状の係り合い溝49aを有している。ダクトカバー4には、デスクトップパネル8下方の前記隙間L(図7参照)を通して対面側から天板作業面が視認されることを防ぐために、当該隙間Lを塞ぐ閉塞部材7をオプション部材として付帯させている。この閉塞部材7は、図6に示すように前記係り合い溝49aに対して端部71からのスライド動作のみによって着脱可能な拡開した基端72を有する正面視板状のもので、端部71からスライド挿入してダクトカバー4の短手方向(図6におけるT方向)の中央部より上方に立ち上がった状態に配され、端部部材41、41を嵌め合わせた状態で当該端部部材41の端板41aで係り合い溝49aを閉止して、閉塞部材7を抜脱不能としている。かかる閉塞部材7は、図7に示す隙間閉塞位置7(R)において、ダクトカバー4の上面49からデスクトップパネル8の下端部81における厚み中心8xに向かって起立状態で配される。
ダクトカバー4の左右両端面4´、4´に設けられている各一対の軸受4a、4bは、ダクトカバー受け61aから突出する軸6a、6bと係り合うものであり、図7に示すように、下向き略U字状をなす軸受本体4A1、4B1と、軸受本体4A1、4B1よりダクトカバー4の短手方向の中央部に向けて傾斜して延びる斜め下向き略U字状の誘導溝4A2、4B2とから構成される。
図7に示すように、軸受本体4A1、4B1は、その下端側に略三角形状の固定片42と弾性片43によって軸受面に通じる挿脱口Sが設けられて、挿脱口Sよりも内空部が広がった形態をなしている。弾性片43は、ダクトカバー4の端面4´よりも内部に設けられたもので、軸6a、6bの着脱に伴って挿脱口Sを押し広げる方向に弾性変形可能であり、嵌め込まれた軸6a、6bに対してこれを抱え込むように先端43aが挿脱口Sを狭める方向に突出している。固定片42は、使用位置4(R)での下端側が挿脱口Sを狭める方向に突出しており、その突出した先端部はダクトカバー4の上面49と直交する平面によって切除した第1平坦面42a、42aを有する。誘導溝4A2、4B2は、軸6a、6bの後述する短軸方向の長さよりも幅広で、かつ軸6a、6bの後述する長軸方向の長さよりも幅狭なものであり、一部が固定片42の傾斜面42c、42cおよびこれに連続する第2平坦面42b、42b、ならびに前記傾斜面42c,42cの対向位置に設けられた傾斜面42d,42dにより構成されている。第2平坦面42b、42bは、固定片42の使用位置4(R)での上端側をダクトカバー4の上面49と平行な平面によって切除したものであり、傾斜面42c、42cは第1平坦面42a、42aと第2平坦面42b、42bとの間に形成されたものである。
一方、一対の軸6a、6bは、固定片42の第1平坦面42aと平行な平面によって切除した平坦面6yを一部に有する、断面D字状をなす中実のもので、平坦面6yを向かい合わせた状態で対称的に設けられている。以下、必要に応じ、軸断面において平坦面6yに平行な方向を長軸方向(図6におけるm方向)、平坦面6yに垂直な方向を短軸方向(図6におけるn方向)と称する。
これらの軸6a、6b及び軸受本体4A1、4B1は、ダクトカバー4の角度がケーブルダクト3の開口30を閉止する使用位置4(R)にある角度(水平)から所定角度θ1(図8参照)に至るまでの範囲内でダクトカバー4を双方向に対して回転可能に支持させるためのもので、図7→図8に示すように一方の軸6bを軸受4bから開放するとともに他方の軸6aを軸受4aに支持させたままでダクトカバー4を一方向へ回転させることができる。より具体的には、ダクトカバー4の回転により図6に示した長軸方向(m方向)に沿って一方の軸6bが挿脱口Sに向かい、短軸方向(n方向)を通過させ得る程度に弾性片43が挿脱口Sを広げる方向に弾性的に変形して、一方の軸6bを離脱させるとともに、他方の軸6aの円筒面6zの上方を軸受本体4A1の上端面と接触させて軸6aにより軸受本体4A1を支持させることができる。このような着脱が成り立つ関係にある部位を着脱許容部Aと称するとともに、軸6a回りにダクトカバー4が起立方向に回転することを許容する関係にある部位を第1の回転支持部44と称する。また、図示しないがこれとは対称的に、他方の軸6aを軸受4aから開放するとともに一方の軸6bを軸受4bに支持させたままでダクトカバー4を他方向へ回転させることができるようにしている。
また、軸6a、6b及び誘導溝4A2、4B2は、ダクトカバー4の角度が所定角度θ1まで至った以降に軸6a、6bをダクトカバー4が沈み込む方向に誘導することを許容するもので、図8→図9→図10に示すように誘導溝4A2内で他方の軸6aを相対的に移動させて所定角度θ1にあるダクトカバー4を沈み込ませるとともにダクトカバー4の重心を下方に移動させることができ、また、図示しないがこれとは対称的に、誘導溝4B2内で一方の軸6bを相対的に移動させて所定角度にあるダクトカバー4を沈み込ませるとともにダクトカバー4の重心を下方に移動させることができるようにしている。このとき、固定片42の傾斜面42c、42cおよびこの傾斜面42c、42cと対向する傾斜面42d、42dは、軸6a、6bの平坦面6y、6yと共働して、傾斜面42d、42dが当該軸6a、6bをバックアップしつつ傾斜面42c、42cが当該軸6a、6bの平坦面6y、6yと接触することでダクトカバー4が一定以上回転することを規制する姿勢規制部分としての役割を果たす。このようにダクトカバー4が沈み込む方向に誘導することを許容する関係にある部位を誘導支持部45と称する。
さらに、軸6a、6b及び誘導溝4A2、4B2の終端面4A2´、4B2´は、それらが図10に示すように互いに接触しているときにダクトカバー4が軸6a回り又は軸6b回りに回転することを許容するものであり、このような関係にある部位を第2の回転支持部46と称する。
なお、ダクトカバー4が図7に示す使用位置4(R)にあるときには、ダクトカバー4の上面49はダクトカバー受け61a、61aの上面69や天板面29と略同じ高さ位置にあり、ダクトカバー4の対向する縁部48、48と天板の反使用端21a、22aとの間には、指を差し込める程度の間隙Δが確保されている。
このようなダクトカバー4に対して、図7に示す使用位置4(R)から一方の軸6aの回りの回転力を与えると、図7→図8に示すように他方の軸6bが軸受4bから開放されて、一方の軸6a回りにダクトカバー4が回転することができる。またこれと同時に閉塞部材7がデスクトップパネル8の厚み中心8xから遠ざかる方向に移動する。その後、所定角度θ1まで至ったダクトカバー4を、更に起立方向に回転させながら図8→図9に示すように誘導溝4A2に沿って沈み込ませ、図10に示すようにデスクトップパネル8の下端81と干渉させて停止させる。このときケーブルダクト3の開口30は配線処理を容易に行える程度に十分な幅τで開放されている。なお、ダクトカバー4を誘導溝4A2に沿って沈み込ませる際に回転を伴うことなく単にスライド移動させ、軸6aが終端面4A2´に当接してから回転させるようにしてもよい。また、開口30を閉止する際には、図10に示すダクトカバー4を図9→図8に示すように反起立方向に回転させながら誘導溝4A2に沿って上方に持ち上げ、その後、所定角度θ1まで至ったダクトカバー4を、図8→図7に示すように一方の軸6a回りに使用位置4(R)の角度まで回転させる。なお、図示していないがダクトカバー4に対して図7に示す使用位置4(R)から他方の軸6bの回りの回転力を与えた場合にも上記と同様にしてケーブルダクト3の開口30を開放することができるとともに、開放した開口30を閉止することができる。開口30のこのような開閉動作においてダクトカバー4がどのような姿勢にある場合でも少なくとも一方の軸6a(6b)と軸受4a(4b)とが係合していることから、ダクトカバー4がケーブルダクト3内に落下することを有効に防止することができる。
なお、デスク1からデスクトップパネル8を取り外している場合には、デスクカバー4は図10に示す位置から所定角度θ2だけ更に回転した図11に示す起立角度を回転終端とすべく、この起立角度で軸6aの平坦面6yを固定片42の第2平坦面42bに突き当ててダクトカバー4の回転を停止させる停止部4kを構成するようにしている。なお、図11に示す最大起立姿勢にあるダクトカバー4は、使用位置4(R)(図7参照)から略90°起立した状態にあるものである。以上は、ダクトカバー4が逆方向に回転したときも全く同様である。
以上のように、本実施形態のダクトカバー取付構造は、ダクトカバー4を軸6a、6bおよび軸受4a、4bを介してケーブルダクト3の開口30を開閉する位置に支持させるようにしたものであって、前記軸6a、6bと前記軸受4a、4bとの間に、ダクトカバー4がケーブルダクト3の開口30を閉止する使用位置4(R)にあるときに軸6a(6b)回りにダクトカバー4が起立方向に回転することを許容する第1の回転支持部44と、この第1の回転支持部44に連続する位置にあってダクトカバー4の角度が使用位置4(R)から所定角度θ1まで至った以降に軸6a(6b)を前記軸受4a(4b)内においてダクトカバー4が沈み込む方向に誘導することを許容する誘導支持部45とを設けるように構成したものである。
このような構成であることから、ダクトカバー4を、使用位置4(R)から所定角度θ1に至るまでの間では第1の回転支持部44により軸6a(6b)回りに回転させ、所定角度θ1まで至った以降では第1の回転支持部44により沈み込む方向に移動させることができる。そのため、起立位置にあるダクトカバー4の上端位置を低くすることができることから、ケーブルダクト3の開口30の上方に隙間Lを空けてデスクトップパネル8を設置しているような場合であっても、ダクトカバー4を起立させた際に前記隙間Lに入り込ませることができ、ダクトカバー4の開口幅τを広くすることができる。また、所定角度θ1まで至った以降ではダクトカバー4の重心を下方に下げることが可能になり、それによって当該ダクトカバー4を誘導しやすくすることができることから、ケーブルダクト3の開口30を配線処理が可能な広さまで開放する動作を容易に行うことができる。さらに、この動作により起立姿勢となったダクトカバー4は重心が下方に位置し、使用位置4(R)に向けて比較的回転しにくくなることから、配線処理を行っている途中でダクトカバー4が使用位置4(R)に向けて不用意に回転して開口30が閉止されることを抑制することができる。
また、前記軸6a、6bと前記軸受4a、4bとの間に、誘導支持部45の終端位置においてダクトカバー4が軸6a(6b)回りに更に起立方向に回転することを許容する第2の回転支持部46と、第2の回転支持部46内を前記軸6a(6b)が移動する際に前記ダクトカバー4が一定以上回転することを規制する姿勢規制部分としての傾斜面42c、42dおよび平坦面6y、6yを有するように構成したことから、沈み込ませている途中のダクトカバー4の回転をある程度規制して動きを安定させるとともに、誘導先でさらにダクトカバー4を沈み込ませた位置で回転可能にすることで十分な広さの開口幅τを確保することができる。
また、第2の回転支持部46は、このようなダクトカバー4を最大起立姿勢に保持するとともに、当該ダクトカバー4が最大起立位置から軸6a回りに所定角度反起立方向に回転した位置で軸6aが前記誘導支持部45に移動できるように構成されていることで、最大起立姿勢にあるダクトカバー4をその位置で安定させ、配線処理を行っている途中でケーブルダクト3の開口30が閉止されることをより安定して抑制することができる。
そしてこのような軸受構造を実現するため、具体的には、前記軸6a、6bが略半月状の断面を有するものであり、前記誘導支持部45が当該軸6a、6bの短軸方向nの長さよりも幅広で長軸方向mの長さよりも幅狭な誘導溝4A2、4B2で構成されている。
さらにダクトカバー4の両端側の2箇所をそれぞれ前記軸6a、6b及び前記軸受4a、4bを介してケーブルダクト3の開口30を閉止する位置に支持させ、前記各々の軸6a、6bと前記軸受4a、4bとの間に、前記ダクトカバー4が前記使用位置4(R)から前記所定角度θ1に至るまでの範囲内で前記軸6a、6bの前記軸受4a、4bに対する着脱を許容する着脱許容部Aを設け、一方の軸6a(6b)を前記軸受4a(4b)から開放するとともに他方の軸6b(6a)を軸受4b(4a)に支持させたままでダクトカバー4を何れの方向へも回転可能な構成としていることから、本発明の目的を達成しつつ、ダクトカバー4を両開きにしてケーブルダクト3へのアクセスの便を向上させることができる。
また、上記のような本発明のダクトカバー取付構造を天板21,22の反使用端21a、22a側に配置されるダクトカバー4に適用して、当該ダクトカバー4をケーブルダクト3の開口30を塞ぐ位置に配置していることから、ケーブルダクト3の開口30を開放する動作が容易であるとともに、配線処理の途中で当該開口30が不用意に閉止されにくいデスク1を実現することができる。
またさらに、このような取付構造を適用したデスク1においてダクトカバー4の上方に所定の隙間Lを介してデスクトップパネル8の下端部81を位置づけた場合であっても、ケーブルダクト3の開口幅τを広く確保するとともに当該ダクトカバー4を安定的に支持することを可能にするためには、当該ダクトカバー4が所定量沈み込んだ位置でその上縁が前記デスクトップパネル8の下端81aに当接して停止するように構成している。
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
例えば、本実施形態では本発明のダクトカバー取付構造をデスクトップパネル8を装着可能なデスク1に適用したが、これを装着することができない構造のデスクに適用してもよい。
上記実施形態では、ダクトカバー4の対向する縁部48、48をそれぞれ軸6a、6b及びそれらと対をなす軸受4a、4bを介してケーブルダクト3の開口30を閉止する位置に支持させ、一方の軸6b(6a)を軸受4b(4a)から開放するとともに他方の軸6a(6b)を軸受4a(4b)に支持させたままでダクトカバー4を何れの方向へも回転して両開き可能としたが、図12に示すように、ダクトカバー104の一方の縁部148aを図示しない軸及びそれと対をなす軸受を介してケーブルダクト3の開口30を閉止する位置に支持させた片開きタイプのものにおいても、軸と軸受との間に前述したような回転支持部44、46および誘導支持部45(図7等参照)を設けるなどすれば、同図において想像線(二点鎖線)で示すようにダクトカバー104の開口縁をデスクトップパネル8の下方に入り込ませることができ、上記に準じた作用効果が奏される。この場合、閉塞部材107はデスクトップパネル8の下端81aから下方に向けて取り付けることが好ましい。
その他、ダクトカバー側に軸を突出させ、支持体側のダクトカバー受けを軸受とする構成など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1・・・デスク
3・・・ケーブルダクト
4・・・ダクトカバー
4a、4b・・・軸受
4A2、4B2・・・溝(誘導溝)
4(R)・・・使用位置
6a、6b・・・軸
8・・・デスクトップパネル
21、22・・・天板
21a、22a・・・反使用端
30・・・開口
42c、42d、6y・・・姿勢規制部分(傾斜面、平坦面)
44・・・回転支持部(第1の回転支持部)
45・・・誘導支持部
46・・・第2の回転支持部
81・・・下端部
81a・・・下端
A・・・着脱許容部
L・・・隙間
θ1・・・所定角度

Claims (7)

  1. ダクトカバーを軸および軸受を介してケーブルダクトの開口を開閉する位置に支持させるようにしたものであって、
    前記軸と前記軸受との間に、前記ダクトカバーが前記開口を閉止する使用位置にあるときに前記軸回りに前記ダクトカバーが起立方向に回転することを許容する回転支持部と、この回転支持部に連続する位置にあって前記ダクトカバーの角度が前記使用位置から所定角度まで至った以降に前記軸を前記軸受内において前記ダクトカバーが沈み込む方向に誘導することを許容する誘導支持部とを設けたことを特徴とするダクトカバー取付構造。
  2. 前記軸と前記軸受との間に、前記誘導支持部の終端位置において前記ダクトカバーが前記軸回りに更に起立方向に回転することを許容する第2の回転支持部と、
    前記誘導支持部内を前記軸が移動する際に前記ダクトカバーが一定以上回転することを規制する姿勢規制部分とを更に設けていることを特徴とする請求項1記載のダクトカバー取付構造。
  3. 前記第2の回転支持部は、前記ダクトカバーを最大起立姿勢に保持するとともに、当該ダクトカバーが最大起立位置から前記軸回りに所定角度反起立方向に回転した位置で当該軸が前記誘導支持部に移動できるように構成されていることを特徴とする請求項2記載のダクトカバー取付構造。
  4. 前記軸が略半月状の断面を有するものであり、前記誘導支持部が当該軸の短軸方向の長さよりも幅広で長軸方向の長さよりも幅狭な溝によって構成されている請求項2又は3記載のダクトカバー取付構造。
  5. ダクトカバーの両端側の2箇所をそれぞれ前記軸及び前記軸受を介してケーブルダクトの開口を閉止する位置に支持させ、
    前記各々の軸と前記軸受との間に、前記ダクトカバーが前記使用位置から前記所定角度に至るまでの範囲内で前記軸の前記軸受に対する着脱を許容する着脱許容部を設け、
    一方の軸を前記軸受から開放するとともに他方の軸を軸受に支持させたままでダクトカバーを何れの方向へも回転可能としていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のダクトカバー取付構造。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のダクトカバー取付構造を天板の反使用端側に配置されるダクトカバーに適用して、当該ダクトカバーをケーブルダクトの開口を塞ぐ位置に配置していることを特徴とするデスク。
  7. 請求項1〜5の何れかに記載のダクトカバー取付構造を天板の反使用端側に配置されるダクトカバーに適用して、当該ダクトカバーをケーブルダクトの開口を塞ぐ位置に配置するとともに、当該ダクトカバーの上方に所定の隙間を介してデスクトップパネルの下端部を位置づけ、当該ダクトカバーが所定量沈み込んだ位置でその上縁が前記デスクトップパネルの下端に当接して停止するように構成していることを特徴とするデスク。
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