JP2015084721A - 加熱調理用油脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】 入手が容易で安価な物質を用いて、加熱調理用油脂における問題点を改善し、長期間の使用にも耐え得る加熱調理用油脂を提供すること。
【解決手段】 油脂中に、蛋白加水分解物を5〜300ppm含有させることで、脂肪酸組成や物理性状を変化させることなく、加熱劣化耐性を有する加熱調理用油脂を得ることができる。また、本発明品を使用した加熱調理食品の製造時に、加熱による劣化を防止することできる。
【選択図】なし
【解決手段】 油脂中に、蛋白加水分解物を5〜300ppm含有させることで、脂肪酸組成や物理性状を変化させることなく、加熱劣化耐性を有する加熱調理用油脂を得ることができる。また、本発明品を使用した加熱調理食品の製造時に、加熱による劣化を防止することできる。
【選択図】なし
Description
本発明は、加熱調理用油脂に関し、より詳しくは、加熱時の劣化に対する耐性を有する加熱調理用油脂に関する。
油脂は優れた熱媒体としての特性があり、食品調理における「焼く」「炒める」「揚げる」といった加熱調理用途に広く利用されている。油脂は加熱することにより、熱酸化、熱分解、熱重合、加水分解などの反応が進み、着色、酸価上昇、粘度上昇、酸敗臭の発現等油脂の劣化が起こり、調理環境や加熱調理用油脂の品質が悪化する等の問題を引き起こす。ここで言う酸敗臭とは、油脂を加熱調理に用いた場合、劣化に応じ生じるオフフレーバーであり、油臭さ等の風味低下、過剰な場合は油酔いを引き起こす事もある。酸敗臭を構成する物質としては、加熱調理により、酸化、加水分解、重合、分解など様々な化学反応が起こり、油脂に含まれるオレイン酸やリノール酸から生じるn- ヘキサナール、2- ヘキセナール、2,4- デカジエナールなどの飽和・不飽和酸化物や低分子化合物などが挙げられる。
特にパーム系油脂は、加熱による着色の速度が、大豆油や菜種油などに比べると早いため、パーム系油脂をフライ油として用いたり、あるいはスプレー油としてオーブン焼成などの加熱調理に用いたりすると、加熱による色調変化が急速に生じやすい。そのため、パーム系油脂をフライ油として使用すると、風味に問題がなくとも、比較的頻繁にフライ油を交換する必要があり、また、スプレー後、焼成された調理品が着色するといった問題もあり、加熱調理用途でのパーム系油脂の使用は、敬遠される傾向がある。
揚げ物を調理する際の加熱着色を抑制する先行技術として、加熱時の油脂の劣化を促進する物質として知られているリン脂質、Fe分などをできる限り除去するために精製度合を上げる手法が取られている。しかし、油脂の精製度合いはすでにかなり高く、さらに精製度合いを上げると、逆に油脂の酸化安定性が低下するという問題がある。
油脂の加熱安定性を向上させるために、乳化剤などを配合する技術、エステル交換技術、油糧 種子を 交配、 突然変異、 遺伝子 組み換え技術などにより任意の 脂肪酸組成にすることが提案されている。しかし、このような技術により調製された油脂は高コストになるという問題がある。
加熱時の色調悪化を抑制する手段として、特許文献1〜3には、油脂中にリン脂質由来成分を一定量残存・添加する方法が開示されている。特許文献1では、精製された食用油脂に、圧搾および/または抽出油、あるいは脱ガム油をリン分が0.1〜10.0ppmとなるように添加することを含む、180℃での加熱耐性に優れた揚げ物用油脂組成物の製造方法が示されている。
特許文献2では、リン脂質を0.5〜70ppmの量で含有する原料油脂を脱臭する工程を含み、かつ前記脱臭する工程を経た後に得られる食用油脂に、脱臭する工程を経ていないリン脂質を添加せず、前記原料油脂中に含有されるリン脂質の少なくとも一部が添加されたものであり、前記脱臭する工程を経た後の食用油脂中に、リン脂質が0.5〜70ppmの量で含有されてなる食用油脂を得ることを特徴とする食用油脂の製造方法が示されている。
また、特許文献3では、ヨウ素価が10以上81未満のパーム系油脂を10重量%以上含有する油脂組成物に、リン分をパーム系油脂に対して0.07ppm〜0.7ppm添加することを含む、油脂組成物の製造方法が示されている。
パーム系油脂に限った場合、加熱による色調の悪化を抑制する方法は、これまでにもいくつか検討されており、例えば、特許文献4には、パーム油を比表面積250〜350m2/g、三二酸化鉄含有量0〜3重量%、および酸化ケイ素含有量70〜90重量%の酸性白土で処理する方法が提案されている。また、特許文献5には、パーム原油を精製する工程において、脱色処理前に脂肪酸およびβカロチンを低減する方法が提案されているが、この方法はパーム原油を精製する方法に過ぎず、また、特許文献6には、ステアリン酸カルシウム、オクタン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウムおよびベヘン酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種のカルシウム塩による、油脂の劣化抑制方法が提案されているが、この方法では油脂中に脂肪酸カルシウムを多量に添加しなければ効果が得られず、油脂が白濁してしまうといった問題があり、さらに、上記いずれの方法でも、パーム系油脂の加熱による色調の悪化を十分に抑制することが出来なかった。また、特許文献7においては、ヨウ素価55以上の食用パームオレインに、アスコルビン酸カルシウムを2〜30ppm含有する加熱調理用油脂が示されている。
油脂含有食品に蛋白加水分解物を配合する事は、従来から実施されている。例えば、特許文献8は、油脂、複合体、風味性素材、及び水を含有してなる混合物であって、該複合体が蛋白質と脂肪酸単独、又は蛋白質と脂肪酸とモノグリセリド及び/又はジグリセリドとの複合体であり、該混合物を30〜100℃の温度で加熱処理した後、固形分及び水を分離除去することで、風味性素材そのものの香りとコク味が付与された風味油脂の製造法に関するものである。本製造法は、風味付与を目的・効果としており、加熱着色抑制を目的とするものではない。
前記のとおり、特許文献1〜3では、油脂中にリン脂質由来成分を一定量残存・添加する方法が開示されているが、より加熱着色抑制効果を追い求めると、リン脂質由来成分であるレシチンを増量しても着色抑制効果を高めることはできないので、かかる効果を高めるためにはレシチンの添加では不十分であることがわかった。
本出願人は、特許文献7で着色を抑制する技術を完成しているが、消費者の要望に応えるためには、更に着色を抑制する必要があった。またかかる発明においては加熱時の臭いの発生を抑制する効果は十分ではなかった。
このように、これまでいくつかの検討が行われてきたが、いずれの方法においても、加熱調理時の油脂の着色を抑制するに十分な効果を得られるものではなく、また、消費者のコストダウン要望の高まりから、平易な方法で油脂の加熱時の着色を抑制する技術の開発が望まれてきた。
本発明の目的は、入手が容易で安価な物質を用いて、加熱調理用油脂における問題点である加熱時の劣化を抑制することにより、長期間の使用にも耐え得る加熱調理用油脂を提供することにある。
本発明者らは、これらの諸問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに、蛋白加水分解物を油脂に添加する事で、強く加熱による劣化を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(1) 蛋白加水分解物を油脂中に5〜300ppm含有することを特徴とする、加熱調理用油脂、
(2) 蛋白加水分解物としてペプチドおよび/または酵母エキスを含有する、(1)の加熱調理用油脂、
(3) ヨウ素価55以上の食用パームオレインを10%以上含む、(1)の加熱調理用油脂、
(4) 蛋白加水分解物の水溶液を、油脂中に分散させる事を特徴とする(1)の加熱調理用油脂の製造方法、
(5) フライ油用である、(1)の加熱調理用油脂、
(6) (1)〜(3)のいずれかの加熱調理用油脂を含有する食品、
(7) 蛋白加水分解物を油脂中に5〜300ppm含有することを特徴とする、加熱調理用油脂の着色および酸敗臭を抑制する方法、
(8) 蛋白加水分解物を油脂中に5〜300ppm含有することを特徴とする、加熱調理用油脂の着色を抑制する方法、
(9) 蛋白加水分解物を油脂中に5〜300ppm含有することを特徴とする、加熱調理用油脂の酸敗臭を抑制する方法、である。
(1) 蛋白加水分解物を油脂中に5〜300ppm含有することを特徴とする、加熱調理用油脂、
(2) 蛋白加水分解物としてペプチドおよび/または酵母エキスを含有する、(1)の加熱調理用油脂、
(3) ヨウ素価55以上の食用パームオレインを10%以上含む、(1)の加熱調理用油脂、
(4) 蛋白加水分解物の水溶液を、油脂中に分散させる事を特徴とする(1)の加熱調理用油脂の製造方法、
(5) フライ油用である、(1)の加熱調理用油脂、
(6) (1)〜(3)のいずれかの加熱調理用油脂を含有する食品、
(7) 蛋白加水分解物を油脂中に5〜300ppm含有することを特徴とする、加熱調理用油脂の着色および酸敗臭を抑制する方法、
(8) 蛋白加水分解物を油脂中に5〜300ppm含有することを特徴とする、加熱調理用油脂の着色を抑制する方法、
(9) 蛋白加水分解物を油脂中に5〜300ppm含有することを特徴とする、加熱調理用油脂の酸敗臭を抑制する方法、である。
本発明により、油脂の組成や物理性状を変化させることなく、安価に、加熱劣化が抑制された加熱調理用油脂を得る事が出来る。
本発明に使用する蛋白加水分解物としては、動物・植物由来の蛋白質を塩酸で加水分解した物やプロテアーゼなどの酵素で加水分解した物、タンパク質を熱水で煮てエキスを抽出した物などが例示され、何れも使用できる。本発明においては、蛋白加水分解物に含まれるペプチドが有効成分と考えられる。動物・植物由来以外にペプチドを含有する食品としては、酵母を由来として、上述の方法で得られる物質、つまり酵母エキスが例示される。酵母エキスの添加も加熱着色抑制に有効であり、本発明の蛋白加水分解物として使用することができる。更に、蛋白加水分解物の1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の加熱調理用油脂中の蛋白加水分解物の含有量は、5〜300ppm、好ましくは10〜200ppm、更に好ましくは、40〜100ppmである。蛋白加水分解物の含有量が少ないと、十分に加熱着色を抑制できない。また、蛋白加水分解物の含有量に応じ強く加熱着色を抑制できるが、多すぎると加熱調理用油脂を保存する際に、蛋白加水分解物が沈降してしまうため、好ましくない。
本発明の加熱調理用油脂として使用できる油脂は、特に限定されず、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、胡麻油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、落下生油、米糠油、小麦胚芽油、玄米胚芽油、ハトムギ油、ガーリックオイル、椿油、パーム油、ヤシ油、オリーブ油、ホホバ油、マカダミアンナッツ油、アボガド油、ひまし油、亜麻仁油、紫蘇油、ユーカリ油、豚脂、牛脂、馬油、魚油、卵油、乳脂肪などの食用油脂およびこれらを分別、水素添加またはエステル交換等を施した加工油脂を1種または2種以上組み合わせて、使用することができる。本発明の効果を十分に発揮するためには、安定性に優れ加熱調理時の臭いの発生が少ないパーム系油脂が配合された油脂を用いる事が好ましい。また、パーム系油脂の中では、常温で液状であるものの加熱着色が比較的生じやすいヨウ素価55以上のパームオレインが配合された油脂に用いる事がより効果的である。
本発明の加熱調理用油脂は、既知の酸化防止剤を併用する事が出来る。併用する酸化防止剤としては、天然及び合成された酸化防止剤が使用でき、例えば、各種トコフェロール類が挙げられ、α、β、γ、δ等が濃縮されたトコフェロール製剤やミックストコフェロール、あるいはトコフェロールと同等の機能を有するトコトリエノール類も使用できる。その他、L−アスコルビン酸ステアレート、L−アスコルビン酸パルミテート、エリソルビン酸ナトリウム、ごま抽出物、カテキン類、茶抽出物等、油脂の酸化防止剤として使用可能な酸化防止剤は、上記例に限定すること無く使用することができる。その添加量は、通常0.0002〜2重量%であり、好ましくは0.002〜0.05重量%である。
本発明の加熱調理用油脂は、本発明の有効成分を加熱調理用油脂中に多く含有させるために、乳化剤を用いる事ができる。乳化剤は、W/O型乳化作用を有する乳化剤であれば特に制限はなく、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等を使用することができる。好ましい乳化剤として、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが使用できる。例えば、市販されている理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100、ポエム PR-300、阪本薬品工業株式会社製 SYグリスターCRS-75、SYグリスターCR-ED、太陽化学株式会社製 サンソフト818H等が例示できる。
本発明の加熱調理用油脂は、必要に応じて、香料、色素、シリコーン等を添加することができる。
本発明の加熱調理用油脂は、本来油脂中にほとんど溶けることのない蛋白加水分解物を含有することを特徴とする。これは、蛋白加水分解物を油脂中添加し、分散させる事で製造することができるが、蛋白加水分解物の水溶液を、油脂中に添加し分散させる事で、より高濃度に蛋白加水分解物を含有する油脂を安定し製造することができる。蛋白加水分解物の水溶液を添加した油脂組成物は、必要に応じ、加温・減圧下で脱水処理する事も出来る。この際、温度50〜180℃、真空度0.5〜100Torrの条件下で脱水処理することが好ましい。
本発明の加熱調理用油脂は加熱劣化耐性を有するが、好ましい効果は、加熱着色および/または酸敗臭等の臭いの発生を抑制することであり、より好ましい効果は加熱着色を顕著に抑制できることである。
本発明の加熱調理用油脂は、フライ油用、炒め物用、焼き物用、オーブン焼成調理時の際のスプレー油用などの加熱調理用途に幅広く利用することができる。加熱着色や、酸敗臭が発生しやすい点から、好ましい用途は、フライ油用途である。
以下、実施例を示し、本発明の効果をより明確にする。なお、例中のppmおよび%は重量基準を意味する。
(実施例1)
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、蛋白加水分解物である大豆ペプチド(ハイニュートDC6:不二製油株式会社製)10%水溶液を0.005重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、大豆ペプチド含量5ppmの加熱調理用油脂を得た。
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、蛋白加水分解物である大豆ペプチド(ハイニュートDC6:不二製油株式会社製)10%水溶液を0.005重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、大豆ペプチド含量5ppmの加熱調理用油脂を得た。
(実施例2)
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、蛋白加水分解物である大豆ペプチド(ハイニュートDC6:不二製油株式会社製)10%水溶液を0.015重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、大豆ペプチド含量15ppmの加熱調理用油脂を得た。
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、蛋白加水分解物である大豆ペプチド(ハイニュートDC6:不二製油株式会社製)10%水溶液を0.015重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、大豆ペプチド含量15ppmの加熱調理用油脂を得た。
(実施例3)
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、蛋白加水分解物である大豆ペプチド(ハイニュートDC6:不二製油株式会社製)10%水溶液を0.045重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、大豆ペプチド含量45ppmの加熱調理用油脂を得た。
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、蛋白加水分解物である大豆ペプチド(ハイニュートDC6:不二製油株式会社製)10%水溶液を0.045重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、大豆ペプチド含量45ppmの加熱調理用油脂を得た。
(実施例4)
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、蛋白加水分解物である大豆ペプチド(ハイニュートDC6:不二製油株式会社製)10%水溶液を0.10重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、大豆ペプチド含量100ppmの加熱調理用油脂を得た。
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、蛋白加水分解物である大豆ペプチド(ハイニュートDC6:不二製油株式会社製)10%水溶液を0.10重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、大豆ペプチド含量100ppmの加熱調理用油脂を得た。
(実施例5)
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、蛋白加水分解物であるコラーゲンペプチド(コラーゲンペプチド800F:新田ゼラチン株式会社製:豚由来)5%水溶液を0.09重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、コラーゲンペプチド含量45ppmの加熱調理用油脂を得た。
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、蛋白加水分解物であるコラーゲンペプチド(コラーゲンペプチド800F:新田ゼラチン株式会社製:豚由来)5%水溶液を0.09重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、コラーゲンペプチド含量45ppmの加熱調理用油脂を得た。
(実施例6)
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、ペプチドであるグルタチオンを含む酵母エキス(グルタルイーストエキスN:協和発酵バイオ株式会社製)10%水溶液を0.045重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、酵母エキス含量45ppmの加熱調理用油脂を得た。
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、ペプチドであるグルタチオンを含む酵母エキス(グルタルイーストエキスN:協和発酵バイオ株式会社製)10%水溶液を0.045重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、酵母エキス含量45ppmの加熱調理用油脂を得た。
(比較例1)
食用パームオレイン(不二製油株式会社製、パームエースN、ヨウ素価:67)を用いた。
食用パームオレイン(不二製油株式会社製、パームエースN、ヨウ素価:67)を用いた。
(比較例2)
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、蛋白加水分解物である大豆ペプチド(ハイニュートDC6:不二製油株式会社製)10%水溶液を0.001重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、大豆ペプチド含量1ppmの加熱調理用油脂を得た。
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、蛋白加水分解物である大豆ペプチド(ハイニュートDC6:不二製油株式会社製)10%水溶液を0.001重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、大豆ペプチド含量1ppmの加熱調理用油脂を得た。
(比較例3)
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、大豆たん白(フジプロR:不二製油株式会社製)5%水溶液を0.03重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、大豆たん白含量15ppmの加熱調理用油脂を得た。
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、大豆たん白(フジプロR:不二製油株式会社製)5%水溶液を0.03重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、大豆たん白含量15ppmの加熱調理用油脂を得た。
(比較例4)
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、大豆たん白(フジプロR:不二製油株式会社製)5%水溶液を0.20重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、大豆たん白含量100ppmの加熱調理用油脂を得た。
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、大豆たん白(フジプロR:不二製油株式会社製)5%水溶液を0.20重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、大豆たん白含量100ppmの加熱調理用油脂を得た。
(比較例5)
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、ゼラチン(APH−100:新田ゼラチン株式会社製:豚由来)5%水溶液を0.03重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、ゼラチン含量15ppmの加熱調理用油脂を得た。
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、ゼラチン(APH−100:新田ゼラチン株式会社製:豚由来)5%水溶液を0.03重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、ゼラチン含量15ppmの加熱調理用油脂を得た。
(比較例6)
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、ゼラチン(APH−100:新田ゼラチン株式会社製:豚由来)5%水溶液を0.20重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、ゼラチン含量100ppmの加熱調理用油脂を得た。
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、ゼラチン(APH−100:新田ゼラチン株式会社製:豚由来)5%水溶液を0.20重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、ゼラチン含量100ppmの加熱調理用油脂を得た。
(比較例7)
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、酵母(インスタントドライイースト:ルサッフル社製)1%水溶液を0.15重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、酵母含量15ppmの加熱調理用油脂を得た。
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、酵母(インスタントドライイースト:ルサッフル社製)1%水溶液を0.15重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、酵母含量15ppmの加熱調理用油脂を得た。
(比較例8)
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、酵母(インスタントドライイースト:ルサッフル社製)1%水溶液を1.0重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、酵母含量100ppmの加熱調理用油脂を得た。
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、酵母(インスタントドライイースト:ルサッフル社製)1%水溶液を1.0重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、酵母含量100ppmの加熱調理用油脂を得た。
(比較例9)
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、グルタミン酸5%水溶液を0.09重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、グルタミン酸含量45ppmの加熱調理用油脂を得た。
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、グルタミン酸5%水溶液を0.09重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、グルタミン酸含量45ppmの加熱調理用油脂を得た。
(比較例10)
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、グルタミン酸ナトリウム5%水溶液を0.09重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、グルタミン酸ナトリウム含量45ppmの加熱調理用油脂を得た。
品温70℃の食用パームオレイン(ヨウ素価:67)100重量部に対して、グルタミン酸ナトリウム5%水溶液を0.09重量部、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)を0.01重量部添加し、温度70℃、真空度10Torrで15分間脱水処理を行い、グルタミン酸ナトリウム含量45ppmの加熱調理用油脂を得た。
(加熱試験による色、においの評価)
実施例1〜6および比較例1〜10の油脂を内径24mmの試験管3本に各20g計量し、アルミブロック試験管加熱装置にて、190℃で24時間加熱した後の油の色調を測定した。色調は、ロビボンド比色計により、1インチセルを用いて測定し、10R+Y値で示した。加熱後の酸敗臭等の劣化臭の測定を、190℃、24時間加熱した油脂の臭いをパネラー5名が官能的に評価することにより行った。評点は、最良が5点、最低が1点とする5段階評価とした。
実施例1〜6および比較例1〜10の油脂を内径24mmの試験管3本に各20g計量し、アルミブロック試験管加熱装置にて、190℃で24時間加熱した後の油の色調を測定した。色調は、ロビボンド比色計により、1インチセルを用いて測定し、10R+Y値で示した。加熱後の酸敗臭等の劣化臭の測定を、190℃、24時間加熱した油脂の臭いをパネラー5名が官能的に評価することにより行った。評点は、最良が5点、最低が1点とする5段階評価とした。
実施例1〜6および比較例1〜10の結果を表1に示す。
(表1の考察)
表1より、蛋白加水物の添加により、食用パームオレインの加熱着色が抑制され、加熱劣化臭が抑制されている事が明らかである。
表1より、蛋白加水物の添加により、食用パームオレインの加熱着色が抑制され、加熱劣化臭が抑制されている事が明らかである。
本発明により、入手が容易で安価な物質を用いて、加熱調理用油脂における問題点である加熱時の劣化を抑制することにより、長期間の使用にも耐え得る加熱調理用油脂を提供することができる。
Claims (9)
- 蛋白加水分解物を油脂中に5〜300ppm含有することを特徴とする、加熱調理用油脂。
- 蛋白加水分解物としてペプチド及び/又は酵母エキスを含有する、請求項1に記載の加熱調理用油脂。
- ヨウ素価55以上の食用パームオレインを10%以上含む、請求項1に記載の加熱調理用油脂。
- 蛋白加水分解物の水溶液を、油脂中に分散させる事を特徴とする請求項1に記載の加熱調理用油脂の製造方法。
- フライ油用である、請求項1に記載の加熱調理用油脂。
- 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の加熱調理用油脂を含有する食品。
- 蛋白加水分解物を油脂中に5〜300ppm含有することを特徴とする、加熱調理用油脂の着色及び酸敗臭を抑制する方法。
- 蛋白加水分解物を油脂中に5〜300ppm含有することを特徴とする、加熱調理用油脂の着色を抑制する方法。
- 蛋白加水分解物を油脂中に5〜300ppm含有することを特徴とする、加熱調理用油脂の酸敗臭を抑制する方法。
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WO2019151009A1 (ja) * | 2018-01-31 | 2019-08-08 | 株式会社J-オイルミルズ | フライ調理用油脂組成物の安定化方法 |
-
2013
- 2013-10-31 JP JP2013226226A patent/JP2015084721A/ja active Pending
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WO2019151009A1 (ja) * | 2018-01-31 | 2019-08-08 | 株式会社J-オイルミルズ | フライ調理用油脂組成物の安定化方法 |
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JP7225128B2 (ja) | 2018-01-31 | 2023-02-20 | 株式会社J-オイルミルズ | フライ調理用油脂組成物の安定化方法 |
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