JP2015084155A - パラメータ調整装置、パラメータ調整方法およびパラメータ調整プログラム - Google Patents

パラメータ調整装置、パラメータ調整方法およびパラメータ調整プログラム Download PDF

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隆章 山田
細川 博史
Hiroshi Hosokawa
博史 細川
亮介 蓮井
Ryosuke Hasui
亮介 蓮井
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Abstract

【課題】PIDパラメータの調整をより適切かつより迅速に行なうための、パラメータ調整装置、パラメータ調整方法およびパラメータ調整プログラムを提供する。
【解決手段】PIDパラメータとして比例パラメータ、積分パラメータ、微分パラメータが設定されてPID制御演算に従い制御信号を算出するPID制御モジュールと連携するように構成された、PID制御のためのパラメータ調整装置が提供される。パラメータ調整装置は、ユーザーからの積分パラメータの値および微分パラメータの値の少なくとも一方の入力を受付ける入力インターフェイスと、ユーザーにより入力された積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの一方の値に基づいて、積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの他方の値を、予め定められた制約条件を満たすように決定するパラメータ決定手段と、パラメータ決定手段で決定された他方のパラメータの値を出力する出力部とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、PID(Proportional Integral Derivative)パラメータの調整を支援するパラメータ調整装置、パラメータ調整方法およびパラメータ調整プログラムに関する。
現在、PID制御系は、温度制御、圧力制御、流量制御、レベル制御、速度制御、位置制御といった様々な用途で利用されている。PID制御系の制御動作を規定するPIDパラメータは、比例パラメータ、積分パラメータ、微分パラメータを含む。PID制御系を用いて制御対象を制御する場合には、その制御対象から得られた実測値やその制御対象のモデルなどを用いて、PIDパラメータが調整される。これらの調整手法は、PIDパラメータのオートチューニングとして知られている。
例えば、特開2008−310648号公報(特許文献1)は、制御対象のモデルを利用したシミュレーションによりPIDパラメータの調整を支援する調整支援装置を開示する。
特開2008−310648号公報
上述したオートチューニング技術としては、様々な手法が提案および実用化されている。しかしながら、オートチューニング技術は、どのような制御対象に対してもPIDパラメータを最適化できるというものではない。また、制御対象の性質に応じて、何が最適なPIDパラメータであるかという評価も異なってくる。
例えば、目標値に対する観測量の追従性が重視される制御系では、目標値に対する行き過ぎ量であるオーバーシュートが生じても整定時間がより短くなるようなPIDパラメータが最適であると判断される。これに対して、例えば、オーバーシュートが生じることで、その製造物に致命的な欠陥が生じるような制御系では、整定時間がより長くなろうとも、オーバーシュートが生じないPIDパラメータが最適であると判断される。
このように、PIDパラメータの調整過程においては、制御対象の特性や要求を考慮して、各パラメータの値を決定する必要があり、このような制御対象の特性や要求のすべてを反映できないオートチューニング技術を用いただけでは、PIDパラメータを必ずしも最適化することはできない。
そのため、PIDパラメータをユーザーが試行錯誤的に決定しなければならない場合も多く、このような場合において、PIDパラメータの調整を支援できる技術が要望されている。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、PIDパラメータの調整をより適切かつより迅速に行なうための、パラメータ調整装置、パラメータ調整方法およびパラメータ調整プログラムを提供することである。
本発明のある局面によれば、PIDパラメータとして比例パラメータ、積分パラメータ、微分パラメータが設定されてPID制御演算に従い制御信号を算出するPID制御モジュールと連携するように構成された、PID制御のためのパラメータ調整装置が提供される。パラメータ調整装置は、ユーザーからの積分パラメータの値および微分パラメータの値の少なくとも一方の入力を受付ける入力インターフェイスと、ユーザーにより入力された積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの一方の値に基づいて、積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの他方の値を、予め定められた制約条件を満たすように決定するパラメータ決定手段と、パラメータ決定手段で決定された他方のパラメータの値を出力する出力部とを含む。
好ましくは、制約条件は、一方の値と他方の値との間の比が一定であることを含む。
さらに好ましくは、制約条件は、微分パラメータの値に対する積分パラメータの値の比が1より大きいことを含む。
好ましくは、制約条件は、一方の値と他方の値との間の比が所定の範囲内であることを含み、パラメータ決定手段は、ユーザーにより入力された積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの一方の値と先に設定されている他方の値とが制約条件を満たしていれば、当該他方の値を維持する。
好ましくは、パラメータ調整装置は、一方の値をユーザーに提示する出力インターフェイスをさらに含む。
好ましくは、パラメータ決定手段は、パラメータ決定手段によるパラメータの決定機能が有効化されると、入力インターフェイスを介してPID制御モジュールに先に設定されている積分パラメータの値を維持したまま、制約条件を満たすように微分パラメータを変更する。
好ましくは、入力インターフェイスは、積分パラメータの値を設定するための第1操作オブジェクトと、微分パラメータの値を設定するための第2操作オブジェクトとを表示する。
さらに好ましくは、入力インターフェイスは、パラメータ決定手段によるパラメータの決定機能が有効化されると、第1操作オブジェクトおよび第2操作オブジェクトのうちの一方に対するユーザーによる入力を無効化する。
好ましくは、入力インターフェイスは、ユーザーからの制約条件に係る設定を受付けるように構成される。
好ましくは、パラメータ調整装置は、PID制御モジュールに関連付けられる制御対象のモデルを決定するためのモデル決定手段と、制御対象のモデルに基づいて、PID制御モジュールに設定可能な積分パラメータおよび微分パラメータの許容範囲を決定する許容範囲決定手段とをさらに含み、入力インターフェイスは、許容範囲決定手段により決定された許容範囲に従って、ユーザーからの積分パラメータの値および微分パラメータの値についての入力を制限する。
本発明の別の局面によれば、PIDパラメータとして比例パラメータ、積分パラメータ、微分パラメータが設定されてPID制御演算に従い制御信号を算出するPID制御モジュールに対する、装置によって実行されるパラメータ調整方法が提供される。パラメータ調整方法は、ユーザーからの積分パラメータの値および微分パラメータの値の少なくとも一方の入力を受付けるステップと、ユーザーにより入力された積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの一方の値に基づいて、積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの他方の値を、予め定められた制約条件を満たすように決定するステップと、決定された他方のパラメータの値をPID制御モジュールに出力するステップとを含む。
本発明のさらに別の局面によれば、PIDパラメータとして比例パラメータ、積分パラメータ、微分パラメータが設定されてPID制御演算に従い制御信号を算出するPID制御モジュールに対してパラメータを調整するためのパラメータ調整プログラムが提供される。パラメータ調整プログラムは、コンピュータに、ユーザーからの積分パラメータの値および微分パラメータの値の少なくとも一方の入力を受付けるステップと、ユーザーにより入力された積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの一方の値に基づいて、積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの他方の値を、予め定められた制約条件を満たすように決定するステップと、決定された他方のパラメータの値をPID制御モジュールに出力するステップとを実行させる。
本発明によれば、PIDパラメータの調整をより適切かつより迅速に行なうことができる。
本実施の形態に係るパラメータ調整モジュールを含むシステムの機能構成を示す概略図である。 図1に示すPID制御モジュールで実行されるPID制御演算の典型例を示す図である。 図2に示すPID制御演算のシステムゲインの周波数特性を示すボード線図である。 制御対象の特性を示すモデルを用いたシミュレーション結果の一例を示す図である。 本実施の形態に係るパラメータ調整方法の実装形態の一例を示す図である。 図5に示すシミュレータを実現するためのプラットフォームであるコンピュータのハードウェア構成を示す模式図である。 本実施の形態に係るパラメータ調整方法の実装形態の別の一例を示す図である。 本実施の形態に係るパラメータ調整方法の実装形態のさらに別の一例を示す図である。 本実施の形態に係るパラメータ調整方法に係るユーザーインターフェイスの一例を示す図である。 調整支援モードが有効化中の動作例を示す図である。 調整支援モードが有効化中の動作例を示す図である。 一方のパラメータの値を設定するための操作オブジェクトを表示しない動作例を示す図である。 一方のパラメータの値を設定するための操作オブジェクトをグレイアウトする動作例を示す図である。 パラメータの値を設定するための操作オブジェクトを選択的に無効化する動作例を示す図である。 許容下限比を制約条件として採用した場合の動作例を示す図である。 図1に示すパラメータ調整モジュールによって実行されるパラメータ調整方法の処理手順を示すフローチャートである。 入力可能範囲の制限機能を実装したユーザーインターフェイス画面の一例を示す図である。 本実施の形態に係る入力可能範囲の制限機能の実装形態の一例を示す図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[A.機能構成]
本実施の形態に係るPID制御のためのパラメータ調整装置の機能構成を概略的に説明する。図1は、本実施の形態に係るパラメータ調整モジュールを含むシステムの機能構成を示す概略図である。図1を参照して、制御システム1は、その機能構成として、パラメータ調整モジュール10と、PID制御モジュール20とを含む。図1に示す制御システム1は、後述するように、単一の装置もしくはアプリケーションに実装されてもよいし、それぞれの機能構成が複数の装置にわたって実装されてもよい。具体的な実装形態の一例については後述する。
PID制御モジュール20は、制御対象から取得された観測量(Process Value;以下「PV」とも記す。)が、設定される目標値(あるいは、設定値:Setting Value;以下「SV」とも記す。)と一致するように、操作量(Manipulated Value;以下「MV」とも記す。)を出力する。すなわち、PID制御モジュール20は、制御対象からの観測量が目標値と一致するように、制御対象へ出力する操作量を決定する。
より具体的には、PID制御モジュール20は、PIDパラメータとして比例パラメータ22、積分パラメータ24、微分パラメータ26が設定されてPID制御演算に従い制御信号として操作量(MV)を算出する。
パラメータ調整モジュール10は、PID制御モジュール20と連携するように構成されており、PID制御モジュール20におけるPID制御のためのパラメータの調整を支援する。より具体的には、パラメータ調整モジュール10は、PID制御モジュール20に設定されている比例パラメータ22、積分パラメータ24、微分パラメータ26の各値を取得するとともに、ユーザーからの入力に応じて、そのパラメータの値を変更する。より具体的には、パラメータ調整モジュール10は、入力インターフェイス12と、パラメータ決定モジュール14と、出力部16と、出力インターフェイス18とを含む。
入力インターフェイス12は、ユーザーからの積分パラメータの値および微分パラメータの値の少なくとも一方の入力を受付ける。入力インターフェイス12は、ユーザーからの入力を受付けるものであればどのような形態で実装されてもよい。典型的には、入力インターフェイス12は、パーソナルコンピュータ上で提供されるGUI(Graphical User Interface)、PID調節器や各種制御装置の表面に設けられる操作パネル、外部装置や他のソフトウェアモジュールやアプリケーションプログラムとの間でデータを遣り取りするOLE(Object Linking and Embedding)などとして実装することができる。
パラメータ決定モジュール14は、ユーザーにより入力された積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの一方の値に基づいて、PID制御モジュール20に設定されている積分パラメータ24の値および微分パラメータ26の値のうちの他方の値を、予め定められた制約条件15を満たすように決定する。典型的には、パラメータ決定モジュール14は、入力インターフェイス12を介してユーザーから入力される、比例パラメータ22、積分パラメータ24、微分パラメータ26の値を保持および監視している。例えば、ユーザーが積分パラメータ24の値を変更すると、パラメータ決定モジュール14は、制約条件15に従って、微分パラメータ26の値を変更する。あるいは、ユーザーが微分パラメータ26の値を変更すると、パラメータ決定モジュール14は、制約条件15に従って、積分パラメータ24の値を変更する。
なお、パラメータ決定モジュール14は、PID制御モジュール20に設定されている積分パラメータ24の値および微分パラメータ26の値を定期的またはイベント的に取得可能に構成されるとともに、その取得した値の変化などに従って、当該設定されている積分パラメータ24または微分パラメータ26の値を変更するようにしてもよい。
なお、ユーザーによる積分パラメータ24の値の変更に伴って、制約条件15を満たすように、ユーザーによる変更後の積分パラメータ24の値をさらに変更するともに、微分パラメータ26の値についても変更するようにしてもよい。ユーザーによる微分パラメータ26の値の変更においても同様の動作をするようにしてもよい。
パラメータ決定モジュール14に格納されている制約条件15のより詳細については後述する。
出力部16は、パラメータ決定モジュール14で決定された他方のパラメータの値をPID制御モジュール20へ出力する。出力部16は、パラメータ決定モジュール14で決定されたパラメータの値を出力すればどのような形態で実装されてもよい。典型的には、出力部16は、外部装置や他のソフトウェアモジュールやアプリケーションプログラムとの間でデータを遣り取りするOLEや各種の通信インターフェイスなどとして実装することができる。すなわち、出力部16は、PID制御モジュール20が実装されるシミュレータやPID調節器などがアクセス可能な記憶領域に算出されたデータを格納する処理、算出されたデータを外部へ送信する処理、算出されたデータをその数値を表示する形でユーザーに提示する処理などを実行する。
出力インターフェイス18は、パラメータ決定モジュール14で決定された他方のパラメータの値をユーザーに提示する。出力インターフェイス18は、決定されたパラメータの値をユーザーへ提示するものであればどのような形態で実装されてもよい。典型的には、出力インターフェイス18は、パーソナルコンピュータ上で提供されるGUI、PID調節器や各種制御装置の表面に設けられる操作パネル、外部装置や他のソフトウェアモジュールやアプリケーションプログラムとの間でデータを遣り取りするOLEなどとして実装することができる。
[B.PID制御演算]
次に、PID制御モジュール20で実行されるPID制御演算について説明する。図2は、図1に示すPID制御モジュール20で実行されるPID制御演算の典型例を示す図である。図1を参照して、PID制御モジュール20で実行されるPID制御演算は、比例動作(Proportional Operation:P動作)を行なう比例要素222と、積分動作(Integral Operation:I動作)を行なう積分要素224と、微分動作(Derivative Operation:D動作)を行なう微分要素226とを含む。
減算部202において、目標値(SV)に対する観測量(PV)の偏差が算出され、この算出された偏差がオフセット加算部220と、積分要素224と、微分要素226へ入力される。積分要素224および微分要素226では、それぞれ設定されている積分パラメータおよび微分パラメータに従って、積分演算および微分演算が実行される。オフセット加算部220から出力される偏差そのものと、積分要素224で算出された積分結果と、微分要素226で算出された微分結果とが加算部204へ入力される。加算部204では、入力されたそれぞれの値が合算され、その結果が比例要素222へ入力される。比例要素222は、入力された値に予め設定された比例パラメータに応じた係数を乗じて、操作量(MV)として出力される。このようなPID制御演算を用いることで、制御対象からの観測値が設定された目標値と一致するように、操作量が出力される。
PIDパラメータとしての比例パラメータは、比例要素222の動作を決定する係数であり、典型的には、比例帯Pbとして定義される。あるいは、比例帯Pbの逆数に相当する比例ゲインKpとして定義してもよい。なお、比例帯Pbとしては、比率(例えば、0〜100%)として定義してもよいし、観測量の物理量に応じて定義してもよい(例えば、0〜100℃に対して、±5℃)。
PIDパラメータとしての積分パラメータは、積分要素224の動作を決定する係数であり、典型的には、積分時間Tiとして定義される。あるいは、積分時間Tiの逆数に相当する積分ゲインKiとして定義してもよい。つまり、積分時間Ti=1/積分ゲインKiの関係式に従って、積分ゲインKiとして定義してもよい。
なお、図2に示す比例要素222および積分要素224を一体として積分要素とみなすこともでき、この場合には、積分時間Ti=比例ゲインKp/積分ゲインKi=1/(比例帯Pb×積分ゲインKi)の関係式に従って、積分時間Tiまたは積分ゲインKiを定義できる。
PIDパラメータとしての微分パラメータは、微分要素226の動作を決定する係数であり、典型的には、微分時間Tdとして定義される。なお、図2に示す比例要素222および微分要素226を一体として微分要素とみなすこともでき、この場合には、微分時間Ti=微分ゲインKi/比例ゲインKp=微分ゲインKi×比例帯Pbの関係式に従って、微分時間Tiまたは微分ゲインKiを定義できる。
なお、PIDパラメータの値を調整することによって、比例要素222、積分要素224、微分要素226の動作が実質的に無効化されることもある。例えば、積分時間Tiを∞(無限大)にすることで、積分動作は停止し、実質的にPD制御となる。また、微分時間Tdを0(ゼロ)にすることで、微分動作は停止、実質的にPI制御となる。このような比例動作、積分動作、微分動作のすべてが有効化されていない状態であっても、本実施の形態に係るパラメータ調整方法を適用できる。
なお、図2にはPID制御演算の一例を示すに過ぎず、PID制御の本質を失うことなく、各種の変形が可能である。例えば、目標値(MV)の入力側に1次遅れ要素を付加した2自由度PID制御系を採用してもよい。あるいは、比例・積分・微分の各演算要素の配置を変更して、比例・微分先行型や微分先行型のPID制御演算を採用することもできる。PID制御演算の具体的なロジックについては、制御対象の特性などに応じて適宜選択されるが、少なくとも比例要素222、積分要素224、微分要素226を含むPID制御演算であれば、本実施の形態に係るパラメータ調整方法を適用できる。
[C.課題および新たな知見]
次に、従来のPIDパラメータの調整に係る課題について説明し、この課題を解決するための本願発明者らが見出した新たな知見について説明する。
一般的なPID調節器では、PIDパラメータに含まれるそれぞれのパラメータ(比例帯、積分時間、微分時間)を独立に設定変更することができる。これは、PIDパラメータの調整には、少なくとも3つの自由度があり、これら3つのパラメータを調整する必要があることを意味する。このようなPIDパラメータの調整手順としては、例えば、あるPIDパラメータを設定したときに生じるオーバーシュート量を算出し、ユーザーは、この算出したオーバーシュート量が適切な値になるように、それぞれのパラメータを調整する。発生するオーバーシュート量の大きさは、3つのパラメータの相互関係に依存するので、ある特定のパラメータを調整しただけでは不十分であり、他のパラメータについても調整しなければならない。
さらに、オーバーシュート量の大きさだけではなく、ハンチングの大きさや整定時間といった他の目標仕様要求を同時に満たすように、PIDパラメータを調整する必要があるため、PIDパラメータの調整は、熟練者でさえも非常に難しく、多大な調整工数が係っていた。つまり、PIDパラメータの膨大な組み合わせのうち、目的の制御応答を実現できる組み合わせはごく一部であるため、多大な調整工数を要するという課題があった。
このような課題に対して、本願発明者らは、PIDパラメータのうち、積分パラメータと比例パラメータとを後述するような制約条件下で連動させて調整することで、より少ない調整工数でより最適なパラメータ値を決定できるという新たな知見を見出した。具体的には、積分パラメータと比例パラメータとの比が予め定められた範囲になるように維持するという制約条件を採用した。このよう制約条件が適切であることは、以下のような理論的な考察によって見出された。
図3は、図2に示すPID制御演算のシステムゲインの周波数特性を示すボード線図である。図3(a)〜(c)は、それぞれ以下のパラメータ条件1〜3におけるシステムゲインの周波数特性を示す。以下に示す周波数特性は、Pの設計余裕として、P制御(P制御単独)で発振限界から6dB程度弱く(比例帯Pbとしては大きく)調整した場合の数値例である。パラメータ条件1〜3の間では、微分時間Tdの大きさのみを変化させている。
図3(a):パラメータ条件1(積分時間Ti>微分時間Td)
比例帯Pb=1
積分時間Ti=10
微分時間Td=1
図3(b):パラメータ条件2(積分時間Ti=微分時間Td)
比例帯Pb=1
積分時間Ti=10
微分時間Td=10
図3(c):パラメータ条件3(積分時間Ti<微分時間Td)
比例帯Pb=1
積分時間Ti=10
微分時間Td=100
まず、比例要素222、積分要素224、微分要素226には、それぞれ以下のような働きがある。
比例要素222の比例帯Pbは、全周波数帯域にわたる基本的なシステムゲイン(利得)を決定する。
積分要素224の積分時間Tiは、積分時間に対応する周波数(すなわち、積分時間の逆数に相当する周波数)付近より低い周波数帯域におけるシステムゲイン(利得)を改善する(すなわち、ゲインを高める)。そのため、積分時間Tiが小さいほど、定常状態でのオフセットを改善することができ、定常状態への収束を早めることができる。
微分要素226の微分時間Tdは、微分時間に対応する周波数(すなわち、微分時間の逆数に相当する周波数)付近より高い周波数帯域におけるシステムゲイン(利得)を改善する(すなわち、ゲインを高める)。そのため、微分時間Tdが大きいほど、外乱による比較的高速な変動を改善(軽減)できる。
積分要素224および微分要素226をそれぞれ見ると、積分時間Tiが小さく、かつ、微分時間Tdが大きいほど、制御性能は改善されるはずである。しかしながら、現実には、積分時間Tiと微分時間Tdとを近接させたり、積分時間Ti<微分時間Tdと設定したりすると、これらの時間に相当する周波数付近で制御対象での共振(発振)が発生する。
この現象をシステムゲインの周波数特性を用いて検討した結果を図3に示す。図3(a)に示すように、積分時間Ti>微分時間Tdである場合には、PID制御演算の全体出力に相当するシステムゲインの最小値は、比例帯のみのゲインの値に近い。これは、PID制御演算のシステムゲインの最小値とP制御単独の場合のゲインとの差が小さいことを示している(この例では、4dB)。そのため、システムの発振は生じ難い。
これに対して、図3(b)に示すように、積分時間Ti=微分時間Tdである場合には、PID制御演算のシステムゲインの最小値とP制御単独の場合のゲインとの差は、図3(a)の場合に比較して、より大きくなっていることが判る(この例では、10dB)。また、図3(c)に示すように、積分時間Ti<微分時間Tdである場合には、PID制御演算のシステムゲインの最小値とP制御単独の場合のゲインとの差は、さらに大きくなっていることが判る(この例では、17dB)。
上述の結果によれば、比例帯で基本的な周波数特性を決定しておき、積分要素(積分時間Ti)および微分要素(微分時間Td)を補助的に付加するといった調整手法を採用した場合には、上述の図3(b)および(c)のようなときに、システムが発振することが判る。
本願発明者らは、このようなシステムゲインの周波数特性を検討した結果、システムの安定性は、ボード線図上で、積分要素224のゲインが0(ゼロ)dBになる周波数と、微分要素226のゲインが0(ゼロ)dBになる周波数との差(マージン)の大きさに依存することを見出した。つまり、実用上は、「積分時間Ti>微分時間Td」の関係を維持することが好ましく、さらに設計余裕を考慮すると、「積分時間Ti≧k×微分時間Td」(但し、kは1以上の定数)とすることが好ましい。この関係は、積分時間Tiと微分時間Tdとの「比」の大きさが所定範囲(つまり、1より大きい)に維持されることを意味する。なお、本願発明者らの検討によれば、係数kは4以上の値に設定することが好ましい。言い換えれば、制約条件としては、微分パラメータの値(微分時間Td)に対する積分パラメータ(積分時間Ti)の値の比(積分時間Ti/微分時間Td)が1より大きいことを含み、好ましくは、この比は4以上に設定することが好ましい。
図1に示すパラメータ決定モジュール14では、制約条件15として、積分パラメータの値と微分パラメータの値との間の比が所定範囲に維持されるという条件を採用する。典型的には、積分パラメータおよび微分パラメータの一方の値が所定の範囲にある場合、両パラメータの間の比が一定であるといった条件を採用してもよい。つまり、積分パラメータの値がPID制御系を有効に動作させる範囲にある間、一方の微分パラメータの値は、積分パラメータの値に対して、所定の倍率/比を維持するように制約される。あるいは、微分パラメータの値がPID制御系を有効に動作させる範囲にある間、一方の積分パラメータの値は、微分パラメータの値に対して、所定の倍率/比を維持するように制約される。このようなPID制御系を有効に動作させる範囲は、例えば、制御対象の特性などに応じて定めることができる。より具体的には、PID制御系および制御対象を含む一巡伝達関数のカットオフ周波数などが予め判っている、あるいは推定できるような場合には、このカットオフ周波数の大きさに依存させて、PID制御系が制御動作を行なうべき周波数範囲を決定することができる。この決定された周波数範囲から、PID制御系を有効に動作させることのできる、積分パラメータおよび/または微分パラメータの値の範囲を決定できる。
図4は、制御対象の特性を示すモデルを用いたシミュレーション結果の一例を示す図である。図4(a)は、本実施の形態に係るパラメータ調整方法で用いる制約条件を満たさない場合のシミュレーション結果を示し、図4(b)は、本実施の形態に係るパラメータ調整方法で用いる制約条件を満たす場合のシミュレーション結果を示す。
より具体的には、図4(a)には、積分時間Ti=32および微分時間Td=16(すなわち、積分時間Ti/微分時間Td<<4)の場合のシミュレーション例を示す。図4(a)に示す例では、観測量(PV)にオーバーシュートが発生し、整定時間が長くなっているのが判る。また、操作量(MV)も振動的になっている。
これに対して、図4(b)には、積分時間Ti=32および微分時間Td=8(すなわち、積分時間Ti/微分時間Td=4)の場合のシミュレーション例を示す。本実施の形態に係る制約条件を満たすように、積分時間Tiおよび微分時間Tdを調整することで、オーバーシュートの発生がなく、速やかに整定していることが判る。
なお、積分パラメータと微分パラメータとの間の倍率/比を一定に維持する必要は必ずしもなく、実質的に「積分時間Ti>微分時間Td」の関係を維持できるような制約条件を採用すればよい。また、積分パラメータと微分パラメータとのうち、いずれを主位的に設定してもよい。すなわち、積分パラメータが変更されると、それに付随して微分パラメータが変更されるようにしてもよいし、微分パラメータが変更されると、それに付随して積分パラメータが変更されるようにしてもよい。
以下、このような本願発明者らが新たに見出した知見に基づく、PIDパラメータの調整を支援するためのいくつかの具体的な実施形態について説明する。以下に例示する実施形態によれば、本願発明の技術的思想の内容がより一層明らかになるであろう。
[D.実装形態]
次に、本実施の形態に係るパラメータ調整方法の実装形態の一例について説明する。本実施の形態に係るパラメータ調整方法は、PID制御モジュールと連携するように構成されていれば、どのような構成を採用してもよいが、典型例として、(1)PID制御系の挙動をシミュレーションするシミュレータと連携させる構成、(2)PID調節器に実装した構成、(3)PID調節器に対して外部からPIDパラメータを設定する外部装置に実装した構成、について説明する。
《d1:シミュレータと連携させる構成》
図5は、本実施の形態に係るパラメータ調整方法の実装形態の一例を示す図である。図5に示すシミュレータ100は、典型的には、コンピュータにアプリケーションがインストールされることで実現される。より具体的には、シミュレータ100は、PID制御モジュール20を含んでおり、制御対象の特性を示すモデル(以下「制御対象モデル」とも称す。)を用いて、制御対象に対するPID制御をシミュレーションし、それによって得られるシミュレーション結果やログデータを出力する。制御対象モデルは、典型的には、伝達関数の形で表現される。
公知の手段を用いて制御対象モデルを決定し、シミュレータ100に設定してもよいが、図5に示すシミュレータ100は、PID調節器が実際に制御対象に対して制御を行なった結果得られるログデータ62が入力されると、その入力されたログデータ62に基づいて当該制御対象の制御対象モデルを決定(同定)する機能も搭載している。但し、この制御対象モデルを決定する機能については、シミュレータ100にとって必須の機能ではない。
より具体的には、シミュレータ100には、設定表示アプリケーション3と、シミュレーションアプリケーション4と、モデル同定アプリケーション5とがインストールされている。
設定表示アプリケーション3は、ユーザーとのインターフェイスを提供するものであり、ユーザーにより入力された各種の設定値を受付けるとともに、各種の演算結果などをユーザーへ提示する。より具体的には、設定表示アプリケーション3は、パラメータ調整モジュール10と、シミュレーション結果表示モジュール40とを含む。パラメータ調整モジュール10は、上述したように、PID制御モジュール20に設定されるPIDパラメータのユーザーによる調整を支援する。シミュレーション結果表示モジュール40は、シミュレーションアプリケーション4の実行によって得られる、シミュレーション結果やログデータを出力する。このシミュレーション結果には、制御特性の評価値(例えば、オーバーシュートの発生有無、オーバーシュート量、ハンチングの大きさ、整定時間など)を含んでいてもよい。
シミュレーションアプリケーション4は、制御対象の特性を示す制御対象モデル30に対してPID制御モジュール20でPID制御演算を行なうことで、任意のPIDパラメータを用いた制御対象に対するPID制御の挙動を模擬的に実行する。すなわち、PID制御モジュール20は、設定された比例パラメータ22、積分パラメータ24、微分パラメータ26を用いてPID制御演算に従い、制御信号として操作量(MV)を算出する。この算出された操作量(MV)を制御対象モデル30に入力するとともに、その入力に応じた制御対象モデル30からの出力を観測量(PV)として取得する。このようなフィードバック演算を所定時間にわたって実行することで、PID制御のシミュレーションを実現する。
モデル同定アプリケーション5は、PID調節器が実際に制御対象に対して制御を行なった結果得られるログデータ62を受付け、当該制御対象の特性を示す制御対象モデル30を決定する。より具体的には、モデル同定アプリケーション5は、PID調節器と通信するための通信モジュール50と、制御対象モデル同定モジュール60とを含む。通信モジュール50は、後述するようなハードウェアを制御して、PID調節器からログデータ62を取得する。制御対象モデル同定モジュール60は、PID調節器から取得したログデータ62を用いて、公知の同定処理を実行することで、制御対象モデルを決定する。
なお、図5に示すアプリケーションプログラムの連携は、一実施例に過ぎず、必要な機能が互いに連携する構成であれば、どのようなソフトウェアモジュールの組み合わせを採用してもよい。
図6は、図5に示すシミュレータ100を実現するためのプラットフォームであるコンピュータのハードウェア構成を示す模式図である。図6に示すプラットフォームは、汎用的なコンピュータアーキテクチャに従う構造を有しており、予めインストールされたアプリケーションプログラムがプロセッサで実行されることで、シミュレータ100を実現する。
より具体的には、シミュレータ100は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)などのプロセッサ102と、メモリ104と、ディスプレイ106と、入力部108と、通信インターフェイス110と、光学ドライブ112と、ハードディスク120とを含む。これらの各部は、バス114を介して互いにデータ通信可能に構成される。
プロセッサ102は、ハードディスク120などに格納されている各種アプリケーションプログラムを実行する処理主体である。すなわち、シミュレータ100では、プロセッサ102が各種アプリケーションプログラムを実行することで、目的の機能が実現される。
メモリ104は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置であり、ハードディスク120から読み出された各種アプリケーションプログラムや、プロセッサ102でのアプリケーションプログラムの実行に必要なワークデータなどを保持する。
ディスプレイ106は、プロセッサ102などでの演算結果に応じた映像信号を受け、その内容を表示する。すなわち、ディスプレイ106は、各種情報を視覚的にユーザーへ提示する。入力部108は、典型的には、キーボード、マウス、タッチパネルなどであり、ユーザーからの指示や入力を受付け、その内容をプロセッサ102へ出力する。
通信インターフェイス110は、外部装置との間でデータを遣り取りする。通信インターフェイス110は、典型的には、イーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)などの規格に係るインターフェイスが用いられる。
ハードディスク120は、典型的には、不揮発性の磁気記憶装置であり、プロセッサ102で実行される、設定表示アプリケーション3、シミュレーションアプリケーション4、モデル同定アプリケーション5などを保持する。ハードディスク120にインストールされる各種アプリケーションプログラムは、DVD−RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory)といった光学記録媒体や、フラッシュメモリといった半導体記録媒体などに格納された状態で流通する。図6には、各種アプリケーションプログラムが格納された光学記録媒体113を光学ドライブ112で読み取る構成を例示する。あるいは、配信サーバなどからダウンロードしたプログラムをハードディスク120にインストールするようにしてもよい。
上述のような汎用的なコンピュータアーキテクチャに従う構造を有するプラットフォームを利用する場合には、本実施の形態に係る機能を提供するためのアプリケーションプログラムに加えて、コンピュータの基本的な機能を提供するためのOS(Operating System)がインストールされていてもよい。この場合には、本実施の形態に係るアプリケーションプログラムは、OSの一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の順序および/またはタイミングで呼び出して処理を実行するものであってもよい。
なお、代替的に、各種アプリケーションプログラムの実行により提供される機能の一部もしくは全部を専用のハードウェア回路として実装してもよい。
《d2:PID調節器に実装した構成》
図7は、本実施の形態に係るパラメータ調整方法の実装形態の別の一例を示す図である。図7に示すPID調節器150は、PIDパラメータとして比例パラメータ、積分パラメータ、微分パラメータが設定されてPID制御演算に従い制御信号として操作量(MV)を算出する制御装置である。より具体的には、PID調節器150は、入力回路152と、アナログ・デジタル変換部154(以下、「A/D変換部154」とも記す。)と、表示部170と、操作部172と、通信インターフェイス174と、処理部160と、デジタル・アナログ変換部156(以下、「D/A変換部156」とも記す。)と、出力回路158とを含む。
入力回路152は、制御対象からの観測量(PV)を受信する。入力回路152は、高周波成分を除去するためのフィルタ回路を含んでいてもよい。A/D変換部154は、入力回路152からのアナログ信号をデジタル信号へ変換し、処理部160へ出力する。
表示部170は、処理部160におけるPID制御演算の結果や決定されたPIDパラメータなどをユーザーへ提示する。操作部172は、ユーザーからの入力を受付け、その受付けたユーザーからの入力を処理部160へ出力する。通信インターフェイス174は、外部装置(典型的には、PLC(Programmable Logic Controller)など)との間で各種情報を遣り取りする。システム構成例として、上位に配置されたPLCからPID調節器150に対して目標値が入力される場合があり、このような場合に、PLCからの情報(例えば、SV)は通信インターフェイス174を介して、処理部160へ入力される。ここで、図7に示す構成と図1に示すパラメータ調整モジュール10との対応関係としては、パラメータ調整モジュール10の入力インターフェイス12(図1参照)は、操作部172とその機能を協同して実現する。また、パラメータ調整モジュール10の出力インターフェイス18(図1参照)は、表示部170とその機能を協同して実現する。
処理部160は、本実施の形態に係るパラメータ調整方法を実現するための演算主体であり、プロセッサ162と、メモリ164と、パラメータ調整モジュール10と、PID制御モジュール20とを含む。プロセッサ162は、各種アプリケーションプログラムを実行する。この際、読み出された各種アプリケーションプログラムおよび処理に必要なデータ(PVおよびSVなど)は、メモリ164に一次的に格納される。プロセッサ162としては、汎用のCPUやMPUを用いてもよいし、デジタル信号処理に向けられたDSP(Digital Signal Processor)を用いてもよい。パラメータ調整モジュール10およびPID制御モジュール20は、フラッシュメモリなどの不揮発性記録媒体に格納される。これらのアプリケーションプログラムは、各種の記録媒体を介して、アップデートできるように構成されてよい。そのため、これらのプログラムモジュール自体も本発明の技術的範囲に含まれ得る。処理部160については、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を用いて構成してもよい。
D/A変換部156は、処理部160で算出された操作量を示すデジタル信号をアナログ信号に変換し、出力回路158へ出力する。出力回路158は、D/A変換部156からのアナログ信号を制御対象に応じた信号に成形して出力する。
《d3:外部装置に実装した構成》
図8は、本実施の形態に係るパラメータ調整方法の実装形態のさらに別の一例を示す図である。図8に示すPID調節器150Aでは、外部接続されるパーソナルコンピュータ190などを介して、PIDパラメータが設定・調整される。すなわち、PID調節器150Aは、図7に示すPID調節器150に比較して、パラメータ調整モジュール10を含まない点において相違している。その他のコンポーネントについては、図7に示すPID調節器150と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
パーソナルコンピュータ190は、汎用的なコンピュータアーキテクチャに従う構造を有しており、パラメータ調整モジュール10が予めインストールされているとする。パーソナルコンピュータ190においてパラメータ調整モジュール10が実行されることで、本実施の形態に係るパラメータ調整方法が実現される。ユーザーは、パーソナルコンピュータ190を介して、PID調節器150Aに設定されるPIDパラメータを調整する。
[E.ユーザーインターフェイス]
次に、パラメータ調整モジュール10が提供するユーザーインターフェイスのいくつかの実装例について説明する。
《e1:ユーザーインターフェイスの実装例》
図9は、本実施の形態に係るパラメータ調整方法に係るユーザーインターフェイスの一例を示す図である。図9に示すユーザーインターフェイス画面300は、パラメータ調整モジュール10(図1)によって生成され、シミュレータ100のディスプレイ106(図6)、PID調節器150の表示部170(図7)、パーソナルコンピュータ190のディスプレイ(図8)などを介してユーザーへ提示される。
ユーザーインターフェイス画面300は、比例要素222に係る比例パラメータ(比例帯)の値を設定するための操作オブジェクト310と、積分要素224に係る積分パラメータ(積分時間)の値を設定するための操作オブジェクト320と、微分要素226に係る微分パラメータ(微分時間)の値を設定するための操作オブジェクト330とを含む。すなわち、パラメータ調整モジュール10の入力インターフェイス12(図1)は、積分パラメータの値を設定するための操作オブジェクトと、微分パラメータの値を設定するための操作オブジェクトとを表示する。
操作オブジェクト310,320,330は、それぞれ操作レバー312,322,332を含んでおり、ユーザーは、操作レバー312,322,332のうち、変更すべきPIDパラメータに対応する操作レバーを操作して、その値を変更する。この操作レバーの操作は、マウスやトラックボールなどの入力装置を介した操作や、タッチパネルを備えたディスプレイ上に表示される場合には、ユーザーのタッチ操作によって行なわれる。
操作オブジェクト310,320,330によってそれぞれ設定されるPIDパラメータの値は、数値表示ボックス314,324,334内にそれぞれの数値が表示される。
ユーザーインターフェイス画面300は、さらに、制約条件を設定するための数値入力ボックス302を含む。ユーザーは、数値入力ボックス302を介して、所望の制約条件を入力することもできる。上述したように、制約条件15の典型例としては、積分パラメータの値と微分パラメータの値との間の比の範囲または数値である。図9に示す例では、数値入力ボックス302には、制約条件であるパラメータ間の比が満たすべき数値が入力される。すなわち、パラメータ調整モジュール10の入力インターフェイス12(図1)は、ユーザーからの制約条件15に係る設定を受付けるように構成される。
なお、ユーザーによる各種入力は、図示したものに限らず、任意の方法を採用することができる。例えば、ユーザーの音声を認識した入力値を決定してもよい。
このように、ユーザーインターフェイス画面300は、ユーザーからの積分パラメータの値および微分パラメータの値の少なくとも一方の入力を受付けるとともに、設定されているPIDパラメータをユーザーへ提示する。
なお、本実施の形態に係るパラメータ調整方法に係る機能は、ユーザーによって任意に有効化/無効化できるものとする。一例として、調整支援モードの有効化/無効化を選択できるボタンまたはスイッチなどが用意されており、ユーザーが調整支援モードを有効化すると、本実施の形態に係るパラメータ調整方法が有効化される。以下の説明では、「調整支援モード」という用語を便宜上使用する。
《e2:調整支援モードの有効化直後の動作》
図9には、調整支援モードが有効化された直後の動作例を示す。図9(a)は、調整支援モードが有効化される前の状態例を示し、図9(b)は、調整支援モードが有効化された後の状態例を示す。図9(a)に示す状態例では、積分時間Ti=200秒、微分時間Td=40秒に設定されており、このときの比(=積分時間Ti/微分時間Td)は「5」となり、制約条件の「10」を満たしていないとする。この状態において、ユーザーが調整支援モードを有効化すると、積分時間Tiおよび微分時間Tdが制約条件を満たすように、積分時間Tiの値および/または微分時間Tdの値が変更される。
このとき、好ましい一形態としては、積分時間Tiの値を維持したまま、微分時間Tdを変更する。すなわち、パラメータ調整モジュール10のパラメータ決定モジュール14(図1)は、パラメータ決定モジュール14によるパラメータの決定機能が有効化されると、入力インターフェイス12を介してPID制御モジュール20に先に設定されている積分パラメータの値を維持したまま、制約条件を満たすように微分パラメータを変更する。
具体的には、図9(b)に示すように、積分時間Tiの値はそのままで、微分時間Tdの値のみが制約条件を満たすように変更される。この微分時間Tdの値の変更は、パラメータ調整モジュール10のパラメータ決定モジュール14によって実行される。
図9(b)に示す状態例では、積分時間Ti=200秒、微分時間Td=20秒に設定されており、このときの比(=積分時間Ti/微分時間Td)は10となり、制約条件の「10」を満たしている。
このように、積分時間Tiの値を維持するように調整することで、調整支援モードの有効化/無効化によって、積分要素の挙動が大きく変化することを抑制できるので、PIDパラメータをより適切に調整することができる。すなわち、積分時間Tiを変更すると、PID制御系の挙動が比較的大きく変動する場合があり、このような不安定要素をより小さくできる点で、積分時間Tiの値を維持することがより好ましい。
一方で、先に設定されているPIDパラメータが最適な値から大きくずれているような場合には、調整支援モードが有効化されると、積分時間Tiの値および微分時間Tdの値を両方変更するようにしてもよい。これによって、PIDパラメータの調整工数をより低減できる場合がある。
《e3:調整支援モードの有効化中の動作》
図10および図11は、調整支援モードが有効化中の動作例を示す図である。この動作例においては、ユーザーにより入力された積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの一方の値に基づいて、積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの他方の値が、予め定められた制約条件を満たすように決定される。より具体的には、図10は、調整支援モードが有効化中において、ユーザーが積分パラメータを変更した場合の動作を示し、図11は、調整支援モードが有効化中において、ユーザーが微分パラメータを変更した場合の動作を示す。
図10(a)に示す状態例では、積分時間Ti=100秒、微分時間Td=10秒に設定されており、このときの比(=積分時間Ti/微分時間Td)は「10」となり、制約条件の「10」を満たしている。この状態において、ユーザーが操作オブジェクト320の操作レバー322を操作して、積分パラメータ(積分時間Ti)を変更したとする。変更後の積分時間Ti=200秒に設定されている。このときの比(=積分時間Ti/微分時間Td)は「20」となり、制約条件を満たさない。制約条件が満たされていないので、図10(c)に示すように、制約条件を満たすように微分時間Tdの値も変更される。図10(c)に示す状態例では、積分時間Ti=200秒、微分時間Td=20秒に設定されており、このときの比(=積分時間Ti/微分時間Td)は10となり、制約条件の「10」を満たしている。
同様に、図11(a)に示す状態例では、図10(a)と同様に、積分時間Ti=100秒、微分時間Td=10秒に設定されており、このときの比(=積分時間Ti/微分時間Td)は「10」となり、制約条件の「10」を満たしている。この状態において、ユーザーが操作オブジェクト330の操作レバー332を操作して、微分パラメータ(微分時間Td)を変更したとする。変更後の微分時間Td=20秒に設定されている。このときの比(=積分時間Ti/微分時間Td)は5となり、制約条件を満たさない。制約条件が満たされていないので、図11(c)に示すように、制約条件を満たすように積分時間Tiの値も変更される。図11(c)に示す状態例では、積分時間Ti=200秒、微分時間Td=20秒に設定されており、このときの比(=積分時間Ti/微分時間Td)は「10」となり、制約条件の「10」を満たしている。
図10および図11に示すように、調整支援モードが有効化されている間は、ユーザーが積分時間Tiまたは微分時間Tdのうちの一方を変更すると、予め定める比(制約条件)に従って、他方の値が自動的に変更される。
《e4:調整支援モードの有効化中における入力操作の無効化》
上述したように、本実施の形態に係るパラメータ調整方法においては、積分パラメータおよび微分パラメータのうち一方に対してのみユーザーは操作を行なえばよい。そのため、ユーザーが変更しない方のPIDパラメータについては、入力操作を無効化してもよい。以下、このような一方のパラメータに対する入力操作の無効化の動作例を説明する。
すなわち、パラメータ調整モジュール10の入力インターフェイス12(図1)は、パラメータ決定モジュール14によるパラメータの決定機能が有効化されると(すなわち、調整支援モードが有効化されると)、操作オブジェクト320および操作オブジェクト330のうちの一方に対するユーザーによる入力を無効化してもよい。
(i)操作オブジェクトの非表示
図12は、一方のパラメータの値を設定するための操作オブジェクトを表示しない動作例を示す図である。図12(a)は、調整支援モードが有効化される前の状態例を示し、図12(b)は、調整支援モードが有効化された後の状態例を示し、図12(c)は、調整支援モードが有効化された後の別の状態例を示す。図12(a)と図12(b)および図12(c)とを比較すると、調整支援モードが有効化されることで、操作オブジェクト330が表示されなくなっているのが判る。但し、図12(b)のように、操作オブジェクト330が表示されなくなり、ユーザーによる微分時間の入力(変更)ができない状態であっても、数値表示ボックス334の表示は依然として有効化されている。これによって、ユーザーが操作オブジェクト320を操作して積分時間Tiを変更し、それに伴って微分時間Tdが変更された場合には、その変更後の微分時間Tdがユーザーに提示されるようになっている。
すなわち、図12(b)に示すユーザーインターフェイス画面300Aにおいては、微分時間Tdについては、数値の表示のみが可能で、ユーザーによる入力が無効化される。つまり、積分時間Tiおよび微分時間Tdのうちの一方についての入力インターフェイスのみが有効化されている。言い換えれば、積分時間Tiおよび微分時間Tdのうちの一方についての入力インターフェイスが隠されている。
一方、図12(c)に示すユーザーインターフェイス画面300A’においては、微分時間Tdについては、ユーザーによる入力が無効化されるとともに、数値の表示も不可視にされている。つまり、積分時間Tiおよび微分時間Tdのうちの一方についての入力インターフェイスが隠されている。
なお、図12においては、微分要素226に係る微分パラメータ(微分時間)の値を設定するための操作オブジェクト330を表示しない動作例について説明したが、積分要素224に係る積分パラメータ(積分時間)の値を設定するための操作オブジェクト320を表示しないようにしてもよい。
このように、調整支援モードが有効化されている状態において、ユーザーが調整するパラメータに関する入力インターフェイスのみが有効化されるので、ユーザーから見たときの操作をより簡単化することができる。
(ii)操作オブジェクトのグレイアウト
図13は、一方のパラメータの値を設定するための操作オブジェクトをグレイアウトする動作例を示す図である。図13(a)は、調整支援モードが有効化される前の状態例を示し、図13(b)は、調整支援モードが有効化された後の状態例を示す。図12(b)に示すユーザーインターフェイス画面300Bにおいては、調整支援モードが有効化されることで、操作オブジェクト330が、いわゆる「グレイアウト」された状態になっており、ユーザーは操作オブジェクト330を操作して微分時間を設定することができなくなっている。但し、操作オブジェクト330の操作による微分時間の入力(変更)ができない状態であっても、操作オブジェクト330および数値表示ボックス334の表示自体は依然として有効化されている。これによって、ユーザーが操作オブジェクト320を操作して積分時間Tiを変更し、それに伴って微分時間Tdが変更された場合には、その変更後の微分時間Tdがユーザーに提示されるようになっている。
なお、図13においては、微分要素226に係る微分パラメータ(微分時間)の値を設定するための操作オブジェクト330をグレイアウトする動作例について説明したが、積分要素224に係る積分パラメータ(積分時間)の値を設定するための操作オブジェクト320をグレイアウトするようにしてもよい。
このように、調整支援モードが有効化されている状態において、ユーザーが調整するパラメータに関する入力インターフェイスのみが有効化される、つまり一方の入力インターフェイスをユーザーが操作できない状態にされるので、ユーザーから見たときの操作をより簡単化することができる。
(iii)操作オブジェクトの選択的非表示
図12および図13に示すユーザーインターフェイス画面では、微分パラメータ(微分時間)の値を設定するための操作オブジェクト330に対するユーザー操作を無効化する動作例について説明したが、いずれの操作オブジェクトに対するユーザー操作を無効化するのかをユーザーが任意に選択できるようにしてもよい。
図14は、パラメータの値を設定するための操作オブジェクトを選択的に無効化する動作例を示す図である。図14(a)は、調整支援モードが有効化される前の状態例を示し、図14(b)は、積分優先モードが選択されて調整支援モードが有効化された後の状態例を示し、図14(c)は、微分優先モードが選択されて調整支援モードが有効化された後の状態例を示す。
図14(a)に示すユーザーインターフェイス画面300Cは、積分優先モードおよび微分優先モードのラジオボタン304および306をさらに含む。いずれかのラジオボタンが選択された上で、調整支援モードが有効化されると、選択されたラジオボタンに応じて、積分パラメータ(積分時間)の値を設定するための操作オブジェクト320と微分パラメータ(微分時間)の値を設定するための操作オブジェクト330との一方に対する、ユーザー入力が無効化される。
図14(b)には、積分優先モードが選択されている状態を示し、この状態においては、操作オブジェクト330に対するユーザー操作が無効化されている。一方、図14(c)には、微分優先モードが選択されている状態を示し、この状態においては、操作オブジェクト320に対するユーザー操作が無効化されている。
このように、いずれの操作オブジェクトに対するユーザーの操作を無効化するのかについてユーザーが任意に選択できるようにすることで、ユーザーから見たときの操作をより簡単化することができるとともに、積分パラメータ(積分時間)および微分パラメータ(微分時間)のうちいずれの調整を優先させるのかについて状況に応じて決定できる。
なお、図14には、操作オブジェクトの表示を行なわない例について説明したが、図13に示すような、対象の操作オブジェクトをグレイアウトするような構成を採用できることは自明である。
《e5:制約条件としての許容下限値の採用》
上述の動作例においては、積分パラメータおよび微分パラメータの一方の値が所定の範囲にある場合、両パラメータの間の比が「一定」であるといった制約条件を採用した場合について説明した。しかしながら、図3を参照しつつ説明したように、「積分時間Ti≧k×微分時間Td」の関係が維持されればよいので、積分パラメータと微分パラメータとの間の比が一定値に保たれることを制約条件に必ずしもする必要はない。より具体的には、積分パラメータと微分パラメータとの間の比が一定値以上であれば、システムの発振は生じない。
そこで、制約条件として、積分パラメータと微分パラメータとの間の比が予め定められた設定値以上であるといった条件を採用することもできる。つまり、ユーザーは、積分パラメータと微分パラメータとの間の比について許容される最低限の値(許容下限比)を設定することもできる。以下では、制約条件が積分パラメータの値と微分パラメータの値との間の比が所定の範囲内であることを含む場合について説明する。このような制約条件を採用した場合には、積分パラメータおよび微分パラメータの一方の値が変更されたとしても、その比が許容下限比を下回っていなければ、他方の値を必ずしも変更する必要はない。むしろ、制約条件が満たされない場合に限って、積分パラメータおよび微分パラメータを連動して変更させるようにすればよい。つまり、パラメータ調整モジュール10のパラメータ決定モジュール14(図1)は、ユーザーにより入力された積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの一方の値と先に設定されている他方の値とが制約条件を満たしていれば、当該他方の値を維持する。以下、このような許容下限比を制約条件として採用した場合の動作例について説明する。
図15は、許容下限比を制約条件として採用した場合の動作例を示す図である。図15に示すユーザーインターフェイス画面300Dは、許容下限比を設定するための数値入力ボックス303を含む。図15(a)は、調整支援モードが有効化されている状態例を示し、図15(b)は、積分時間をより大きな値に変更した場合の動作例を示し、図15(c)は、積分時間をより小さな値に変更した場合の動作例を示す。
図15(a)に示す状態例では、制約条件である許容下限比は「4」に設定されているとする。図15(a)に示す状態例では、積分時間Ti=100秒、微分時間Td=10秒に設定されており、このときの比(=積分時間Ti/微分時間Td)は「10」となり、許容下限比の「4」以上になっているので、制約条件を満たす。
その後、図15(b)に示すように、ユーザーが操作レバー322を操作して、積分時間Tiを100秒から200秒に変更したとする。この変更後の状態においても、パラメータ間の比(=積分時間Ti/微分時間Td)は「20」となり、許容下限比の「4」以上になっているので、制約条件を満たす。そのため、微分時間Tdは変更されない。
これに対して、図15(c)に示すように、ユーザーが操作レバー322を操作して、積分時間Tiを100秒から20秒に変更したとする。この変更後の状態では、パラメータ間の比(=積分時間Ti/微分時間Td)が「2」となり、許容下限比の「4」未満になり、制約条件を満たさない。そのため、制約条件を満たすように、微分時間Tdは変更される。より具体的には、その比が許容下限比の「4」と一致するように、微分時間Tdは、10秒から5秒に変更される。
このように、制約条件として許容下限比を採用することで、システムの発振を回避しつつ、より迅速にPIDパラメータを最適化することができる。また、パラメータ間の比が一定でなくともよいので、積分時間Tiおおび微分時間Tdの微調整をより容易に行なうことができる。
《e6:制約条件の入力制限》
図9〜図15では、ユーザーが制約条件を設定するための数値入力ボックスを含むユーザーインターフェイス画面について例示した。しかしながら、制約条件の設定については、ユーザーが入力しないように制限してもよい。なぜならば、制約条件は、システムの発振を防止するための制限であり、PID制御に関する知識のないユーザーが技術的に意味のない値を制約条件として設定することを防止することが好ましい場合も多いからである。
あるいは、ユーザーが設定できる制約条件の値の範囲を制限してもよい。例えば、パラメータ間の比としては、4〜10の範囲までの値の入力のみを許容するように構成してもよい。
このように、制約条件に対するユーザーの入力を制限することで、意図しない制御挙動の発生を防止できる。
[F.処理手順]
次に、本実施の形態に係るパラメータ調整方法の処理手順について説明する。図16は、図1に示すパラメータ調整モジュール10によって実行されるパラメータ調整方法の処理手順を示すフローチャートである。図16に示す各ステップは、典型的には、パラメータ調整モジュール10が実装される装置のプロセッサによって実行される。但し、この処理手順の実行主体および実装方法については公知の任意の方法を採用できる。
図16を参照して、プロセッサは、PID制御モジュール20に設定されているPIDパラメータの値を取得する(ステップS2)。続いて、プロセッサは、調整支援モードが有効化されているか否かを判断する(ステップS4)。
調整支援モードが有効化されていない場合(ステップS4においてNOの場合)には、プロセッサは、ユーザーによってPIDパラメータの値の変更操作がなされたか否かを判断する(ステップS6)。ユーザーによってPIDパラメータの値の変更操作がなされた場合(ステップS6においてYESの場合)には、プロセッサは、ユーザーによる変更操作後のPIDパラメータをPID制御モジュール20に設定する(ステップS8)。そして、ステップS2以下の処理が繰り返し実行される。これに対して、ユーザーによってPIDパラメータの値の変更操作がなされていない場合(ステップS6においてNOの場合)には、ステップS2以下の処理が繰り返し実行される。
一方、調整支援モードが有効化されている場合(ステップS4においてYESの場合)には、プロセッサは、PID制御モジュール20に設定されているPIDパラメータの値が制約条件を満たしているか否かを判断する(ステップS10)。PID制御モジュール20に設定されているPIDパラメータの値が制約条件を満たしていない場合(ステップS10においてNOの場合)には、プロセッサは、制約条件を満たすように、積分パラメータ(積分時間)および/または微分パラメータ(微分時間)を決定し(ステップS12)、新たに決定された積分パラメータおよび/または微分パラメータをPID制御モジュール20に設定する(ステップS14)。そして、ステップS16以下の処理が実行される。
これに対して、PID制御モジュール20に設定されているPIDパラメータの値が制約条件を満たしている場合(ステップS10においてYESの場合)には、プロセッサは、ユーザーによって、積分パラメータ(積分時間)または微分パラメータ(微分時間)の値の変更操作がなされたか否かを判断する(ステップS16)。ユーザーによって、積分パラメータ(積分時間)および微分パラメータ(微分時間)のいずれの値に対しても変更操作がなされていない場合(ステップS16においてNOの場合)には、ステップS2以下の処理が繰り返し実行される。
ユーザーによって、積分パラメータ(積分時間)または微分パラメータ(微分時間)の値の変更操作がなされた場合(ステップS16においてYESの場合)には、プロセッサは、ユーザーによる変更後のパラメータ値と他方のパラメータ値とが制約条件を満たしているか否かを判断する(ステップS18)。ユーザーによる変更後のパラメータ値と他方のパラメータ値とが制約条件を満たしていない場合(ステップS18においてNOの場合)には、プロセッサは、制約条件を満たすように、他方のパラメータの値を決定し(ステップS20)、決定された積分パラメータおよび微分パラメータをPID制御モジュール20に設定する(ステップS22)。そして、ステップS2以下の処理が繰り返し実行される。
ユーザーによる変更後のパラメータ値と他方のパラメータ値とが制約条件を満たしている場合(ステップS18においてYESの場合)には、プロセッサは、ユーザーによる変更後のパラメータ値と他方のパラメータ値とをPID制御モジュール20に設定する(ステップS24)。そして、ステップS2以下の処理が繰り返し実行される。
[G.入力可能範囲の制限機能]
上述の説明においては、積分パラメータと微分パラメータとの間の制約条件を用いて、PIDパラメータの調整の操作をより簡単化する動作例について説明した。このような制約条件に従う操作の簡単化に加えて、制御対象に応じて、PIDパラメータの入力可能範囲を制限するようにしてもよい。このような入力可能範囲を制限することで、ユーザー操作をさらに簡単化することができる。
図17は、入力可能範囲の制限機能を実装したユーザーインターフェイス画面300の一例を示す図である。図17(a)は、入力可能範囲の制限機能が有効化される前の状態例を示し、図17(b)は、入力可能範囲の制限機能が有効化された後の状態例を示す。
図17(a)に示すユーザーインターフェイス画面300では、比例パラメータ、積分パラメータ、微分パラメータのいずれについても、ユーザーは任意に設定できるようになっている。これに対して、図17(b)に示すユーザーインターフェイス画面300Eでは、積分パラメータ(積分時間)の値を設定するための操作オブジェクト320Eおよび微分パラメータ(微分時間)の値を設定するための操作オブジェクト330Eにおいて、ユーザーによる入力可能な範囲が制限されていることが判る。このような、積分パラメータ(積分時間)および微分パラメータ(微分時間)の値を設定できる範囲を制限することで、ユーザーが明らかに不適切な範囲の値を設定してしまうことを防止する。すなわち、ユーザーによるPIDパラメータの調整作業をさらに簡単化できる。
図18は、本実施の形態に係る入力可能範囲の制限機能の実装形態の一例を示す図である。図18には、典型例として、図5に示すシミュレータに対して入力可能範囲の制限機能を付加した構成を示す。図18に示すシミュレータ100Eでは、設定表示アプリケーション3Eが許容範囲設定モジュール70を含む点において、図5に示すシミュレータ100とは相違している。その他の構成については、図5を参照して説明したので、同様の説明は繰り返さない。
図18を参照して、モデル同定アプリケーション5の制御対象モデル同定モジュール60は、モデル決定手段として機能し、PID制御モジュール20に関連付けられる制御対象のモデル(制御対象モデル30)を決定する。
設定表示アプリケーション3Eの許容範囲設定モジュール70は、制御対象モデル30に基づいて、PID制御モジュール20に設定可能な積分パラメータおよび微分パラメータの許容範囲を決定する。より具体的には、許容範囲設定モジュール70は、制御対象モデル30を定義する係数などを参照して、むだ時間や振動周期に予め定めた一定値を乗じた値を超えないように、積分パラメータ(積分時間)および微分パラメータ(微分時間)の調整可能範囲を決定する。
パラメータ調整モジュール10の入力インターフェイス12(図1)は、許容範囲設定モジュール70により決定された許容範囲に従って、ユーザーからの積分パラメータの値および微分パラメータの値についての入力を制限する。
このような機能モジュールを採用することで、図17に示すような、積分パラメータおよび微分パラメータについて、ユーザーが明らかに不適切な範囲の値を設定してしまうことを防止できる。
[H.利点]
PID調節器に含まれるPID制御モジュールに対するPIDパラメータの調整は、試行錯誤的に行なう必要がある。すなわち、PIDパラメータの設定値を変更し、その変更後のPIDパラメータに基づいてPID制御演算を行なった結果を評価するといった作業を複数回実行する必要がある。この調整シーケンス(手順)は、自動で行なわれる場合もあるし、手動で行なわれる場合もある。いずれの場合であっても、最適なPIDパラメータを決定するためには、複数回の調整が必要になる。このとき、通常はPIDパラメータの各々を独立して設定できるため、PIDの調整則上、不適切な設定の組み合わせが生じる可能性が高く、調整が難しい。
このような課題に対して、本実施の形態においては、積分パラメータ(典型的には、積分時間)の値および微分パラメータ(典型的には、微分時間)の値のうちの一方の値が変更されると、それに基づいて、積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの他方の値を、予め定められた制約条件を満たすように決定する。すなわち、片方のパラメータを変化させた場合、それらの比が予め定めた範囲から出ないように、もう一方を連動して自動的に変化させる。このように、積分パラメータと微分パラメータとを適切な比率条件下で設定できるため、制御応答の調整をより簡単化できる。
また、PID制御系において、積分パラメータ(積分時間)および微分パラメータ(微分時間)の調整範囲を制限することにより、制御応答の調整をさらに簡単化できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 制御システム、3 設定表示アプリケーション、4 シミュレーションアプリケーション、5 モデル同定アプリケーション、10 パラメータ調整モジュール、12 入力インターフェイス、14 パラメータ決定モジュール、15 制約条件、16 出力部、18 出力インターフェイス、20 PID制御モジュール、22 比例パラメータ、24 積分パラメータ、26 微分パラメータ、30 制御対象モデル、40 シミュレーション結果表示モジュール、50 通信モジュール、60 制御対象モデル同定モジュール、62 ログデータ、70 許容範囲設定モジュール、100,100E シミュレータ、102,162 プロセッサ、104,164 メモリ、106 ディスプレイ、108 入力部、110,174 通信インターフェイス、112 光学ドライブ、113 光学記録媒体、114 バス、120 ハードディスク、150,150A 調節器、152 入力回路、154 アナログ・デジタル変換部(A/D変換部)、156 デジタル・アナログ変換部(D/A変換部)、158 出力回路、160 処理部、170 表示部、172 操作部、190 パーソナルコンピュータ、202 減算部、204 加算部、220 オフセット加算部、222 比例要素、224 積分要素、226 微分要素。

Claims (12)

  1. PIDパラメータとして比例パラメータ、積分パラメータ、微分パラメータが設定されてPID制御演算に従い制御信号を算出するPID制御モジュールと連携するように構成された、PID制御のためのパラメータ調整装置であって、
    ユーザーからの積分パラメータの値および微分パラメータの値の少なくとも一方の入力を受付ける入力インターフェイスと、
    ユーザーにより入力された積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの一方の値に基づいて、積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの他方の値を、予め定められた制約条件を満たすように決定するパラメータ決定手段と、
    前記パラメータ決定手段で決定された他方のパラメータの値を出力する出力部とを備える、パラメータ調整装置。
  2. 前記制約条件は、前記一方の値と前記他方の値との間の比が一定であることを含む、請求項1に記載のパラメータ調整装置。
  3. 前記制約条件は、微分パラメータの値に対する積分パラメータの値の比が1より大きいことを含む、請求項2に記載のパラメータ調整装置。
  4. 前記制約条件は、前記一方の値と前記他方の値との間の比が所定の範囲内であることを含み、
    前記パラメータ決定手段は、ユーザーにより入力された積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの一方の値と先に設定されている他方の値とが前記制約条件を満たしていれば、当該他方の値を維持する、請求項1に記載のパラメータ調整装置。
  5. 前記一方の値をユーザーに提示する出力インターフェイスをさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパラメータ調整装置。
  6. 前記パラメータ決定手段は、前記パラメータ決定手段によるパラメータの決定機能が有効化されると、前記入力インターフェイスを介して前記PID制御モジュールに先に設定されている積分パラメータの値を維持したまま、前記制約条件を満たすように微分パラメータを変更する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパラメータ調整装置。
  7. 前記入力インターフェイスは、積分パラメータの値を設定するための第1操作オブジェクトと、微分パラメータの値を設定するための第2操作オブジェクトとを表示する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパラメータ調整装置。
  8. 前記入力インターフェイスは、前記パラメータ決定手段によるパラメータの決定機能が有効化されると、前記第1操作オブジェクトおよび前記第2操作オブジェクトのうちの一方に対するユーザーによる入力を無効化する、請求項7に記載のパラメータ調整装置。
  9. 前記入力インターフェイスは、ユーザーからの前記制約条件に係る設定を受付けるように構成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のパラメータ調整装置。
  10. 前記PID制御モジュールに関連付けられる制御対象のモデルを決定するためのモデル決定手段と、
    前記制御対象のモデルに基づいて、前記PID制御モジュールに設定可能な積分パラメータおよび微分パラメータの許容範囲を決定する許容範囲決定手段とをさらに備え、
    前記入力インターフェイスは、前記許容範囲決定手段により決定された許容範囲に従って、ユーザーからの積分パラメータの値および微分パラメータの値についての入力を制限する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のパラメータ調整装置。
  11. PIDパラメータとして比例パラメータ、積分パラメータ、微分パラメータが設定されてPID制御演算に従い制御信号を算出するPID制御モジュールに対する、装置によって実行されるパラメータ調整方法であって、
    ユーザーからの積分パラメータの値および微分パラメータの値の少なくとも一方の入力を受付けるステップと、
    ユーザーにより入力された積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの一方の値に基づいて、積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの他方の値を、予め定められた制約条件を満たすように決定するステップと、
    決定された他方のパラメータの値を前記PID制御モジュールに出力するステップとを含む、パラメータ調整方法。
  12. PIDパラメータとして比例パラメータ、積分パラメータ、微分パラメータが設定されてPID制御演算に従い制御信号を算出するPID制御モジュールに対してパラメータを調整するためのパラメータ調整プログラムであって、コンピュータに
    ユーザーからの積分パラメータの値および微分パラメータの値の少なくとも一方の入力を受付けるステップと、
    ユーザーにより入力された積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの一方の値に基づいて、積分パラメータの値および微分パラメータの値のうちの他方の値を、予め定められた制約条件を満たすように決定するステップと、
    決定された他方のパラメータの値を前記PID制御モジュールに出力するステップとを実行させる、パラメータ調整プログラム。
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