JP2015083957A - 採取管吊り上げ装置 - Google Patents

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貴治 原
Takaharu Hara
貴治 原
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Abstract

【課題】軽量で簡単な構造でありながら、排ガス試料の採取管を鉛直方向に対して平行に保持しつつ運搬するとともに、上下方向へ移動させて、その吸引口の高さを容易に調節することが可能な採取管吊り上げ装置を提供する。
【解決手段】採取管吊り上げ装置は、採取管を鉛直方向に対して平行に保持する架台1と、この架台に設置され採取管の栓体を保持する採取管保持手段2と、採取管保持手段2を上下動させる昇降手段3を備えており、架台1は、鉛直方向に対して平行に設置され下端にキャスタ4aが取り付けられた4本の支柱4と、これら4本の支柱1の上端に設置され開口部5aを有する平面視矩形状の天板5と、隣り合う支柱4,4を連結する補強部材6と、支柱4の側面に一端が連結されるアウトリガ7によって構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、煙道内を流れる排ガスを採取する採取管の吊り上げ装置に係り、特に、排ガスの流れ方向に対して直交するように採取管をトラバースさせることが可能な採取管吊り上げ装置に関する。
ボイラーなどの燃焼装置で発生した排ガスは、煙道と呼ばれる通路によって煙突へ導かれる。この排ガスは、大気汚染の防止を目的とした法令等による規制対象となっており、煙道から排ガスを採取して、有害物質の有無を定期的に検査することが義務付けられている。
排ガスの検査方法について図6及び図7を用いて説明する。図6(a)は一般的な火力発電プラントの外観を示す図であり、図6(b)は採取管を用いて煙道から排ガスを採取する様子を模式的に示した図である。また、図7(a)及び図7(b)はそれぞれ煙道の平面図及び側面図である。なお、図7(b)では、鉛直方向の位置(高さ)が異なる4つの測定点を「○」で示している。
図6(a)に矢印Fで示すように、ボイラー等で発生し、集塵装置や脱硫装置によって各処理を施された排ガスは煙道51によって煙突52へ導かれる。そして、例えば、測定箇所53において煙突52に送り込まれる直前の排ガスが採取される。
図6(b)に示すように、測定箇所53では、煙道52の上面にフランジ54aを有する採取孔54が設けられている。そして、排ガスの流れ(矢印F)に直交するように採取孔54から煙道51の内部へ挿入された採取管55を用いて排ガスが採取される。
採取管55は、中空の円筒体であり、円板状の栓体56が外挿される直管部55aの一端が曲折されて吸引口55bが設けられるとともに、直管部55aの他端に、後述する導管60(図3(a)参照)を接続するための導出口55cが設けられた構造となっている。
栓体56の中央には挿通孔(図示せず)が設けられており、採取管55の直管部55aは栓体56に対して直交し、かつ、摺動可能に、この挿通孔に挿通されている。そして、栓体56は、図示しないボルト等の固定手段によって直管部55aに固定されている。すなわち、栓体56は、この固定手段による拘束を解除することで、直管部55aに対し、その長手方向の位置を調節可能となっている。
採取管55は、クレーン等によって測定箇所53まで搬送され、吸引口55bを下方に向けた状態で架台57に吊り下げられ、栓体56がフランジ54aに当接するまで採取孔54に挿入される。そして、栓体56がフランジ54aに固定された後、ボルト等を緩めるなどして直管部55aに対する拘束が解除され、ウィンチ(図示せず)等を用いて採取管55の上下方向の位置が調節される。なお、ウィンチは採取孔54の周囲に組み上げられた足場58などの上に設置される。
通常、採取孔54は閉栓されているが、排ガスを採取する際には開栓する必要がある。そこで、採取孔54に挿入された採取管55の周囲から排ガスが漏れ出さないように、栓体56が採取孔54の蓋としてフランジ54aに取り付けられるのである。
一般に、煙道51は内径が大きいため、排ガスの流れ方向だけでなく、それに垂直な平面内についても、複数の箇所において、排ガスを採取する必要がある。例えば、図7(a)は、煙道51の長手方向に沿って等間隔に4つの採取孔54が設けられた状態を示し、図7(b)には、高さの異なる4つの箇所に測定点59が設定された状態を示している。すなわち、この場合には、合計20箇所の測定点59について排ガスを採取することになる。
しかしながら、従来、予め決められた複数の測定点59に対し吸引口55bをそれぞれ一致させるように採取管55を上下方向に移動させることは容易でなく、複数の作業者が時間をかけて慎重に行っていた。また、1つの採取孔54から他の採取孔54まで、採取管55を移動させる際には、クレーンを用いなければならないため、作業が大掛かりなものとなっていた。さらに、ウィンチを設置するために組み上げた足場58や採取管55を吊り下げるために設置した架台57を一旦解体して、次の採取孔54の周囲で、それらを再度組み上げるという無駄な作業が発生していた。
そこで、このような課題を解決するものとして、上下方向の位置を調節可能に採取管を保持しつつ搬送する装置が求められている。なお、現状、本願発明以外に、このような要求を満たす発明は開示されていない。ただし、長尺部材を鉛直方向に対して平行な状態に保持して運搬する装置については、例えば、特許文献1に、「パームバンチ採取装置」という名称で、パーム油を含むパーム実の房を採取する装置に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、先端に鎌を取り付けた細長いポールが挿通された中空円筒状の細長い支持管を垂直軸及び水平軸を中心に揺動可能に支持する台車を備えたことを特徴とする。
このような構造によれば、剛性の高いポールの使用が可能となるため、短時間にパームバンチを採取することができる。
また、特許文献2には、「ケーブル昇降装置」という名称で、床面に開口部を備えて形成され内部に多数のケーブルが収納されたケーブルピットの上方に配置され、ケーブルを上方に保持する装置に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、ケーブルピットの開口部の両側に配置される脚部と、この脚部に取り付けられ開口部の上方に配置される支持部を有する架台と、支持部から垂下される垂下部材を上下動させる駆動装置を備えたことを特徴としている。
このような構造によれば、ケーブルピット内から所望のケーブルを容易に持ち上げることができる
さらに、特許文献3には、「支柱の立設及び引抜機能を備えた運搬車」という名称で、バレーボール用の支柱の立設と引抜を可能とする機能を備えた運搬車に関する考案が開示されている。
特許文献3に開示された考案は、バレーボール用支柱を2本の支柱把持管によって支持し、この支柱把持管に内設された螺子軸を回動することで、上記支柱を立設状態で保持したまま、昇降させる構造となっている。
このような構造によれば、支柱の運搬、立設及び引抜を機械的に行うことができる。したがって、人力作業に伴う事故や床面等の損傷を防ぐとともに、支柱をセットしたままで保管することが可能である。
特開平7−87828号公報 特許第4912126号公報 実登3017595号公報
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示された発明においては、保持した長尺部材(ポール)を鉛直方向に対して平行に保持した状態で、上下方向へ移動させる構造となっていないため、本願発明と同じ用途に用いることはできない。
また、特許文献2や特許文献3に開示された発明や考案では、長尺部材に螺子軸等を連結し、この螺子軸等を回動することにより、長尺部材を上下方向へ移動させる構造であり、上下方向へ移動させる距離が長い場合には、螺子軸を長く形成しなければならないため、装置の構造が複雑で重くなり、製造コストが高くなる上、長尺部材を上下方向へ効率良く移動させることができないという課題を有している。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであって、軽量で簡単な構造でありながら、排ガス試料の採取管を鉛直方向に対して平行に保持しつつ運搬するとともに、上下方向へ移動させて、その吸引口の高さを容易に調節することが可能な採取管を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、吸引口側が直角に曲折され直管部に栓体が外挿された採取管を煙道の上面に設けられた採取孔に対して挿入可能に保持する採取管吊り上げ装置であって、鉛直方向に対して平行に設置され下端にキャスタが取り付けられた4本の支柱と、支柱の長手方向に沿って上下動可能に設置されて採取管の栓体を保持する採取管保持手段と、支柱の上部に設置される滑車と、この滑車に巻回され一端が採取管保持手段に連結される紐状体と、を備えたことを特徴とするものである。
このような構成の採取管吊り上げ装置においては、直管部が採取管保持手段に保持された状態で紐状体を操作すると、採取管保持手段が上下方向へ移動するという作用を有する。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の採取管吊り上げ装置において、支柱に対して平行にそれぞれ設置される4本のガイドレールを備え、採取管保持手段は、支柱に対して平行をなすようにガイドレールによってスライド可能にそれぞれ保持される二対の連結部材と、支柱に対して直交し、かつ、水平面内で平行に設置されるとともに二対の連結部材に両端がそれぞれ固定される一対のガイド部材と、この一対のガイド部材により長手方向へ沿ってスライド自在に両端をそれぞれ保持される一対の挟持部材と、からなることを特徴とするものである。
このような構成の採取管吊り上げ装置においては、請求項1記載の発明の作用に加えて、直管部が一対の挟持部材の間に配置され、かつ、栓体が一対の挟持部材の上面に設置されるように採取管を設置した後、一対の挟持部材を直管部に当接するまで互いの間隔を狭めると、採取管が鉛直方向に対して平行をなすように保持されるという作用を有する。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の採取管吊り上げ装置において、支柱から外側へ突出するように設置される水平部と、この水平部に接続され支柱に対して平行をなすとともに伸縮自在に形成され下端に接地板が取り付けられた垂直部と、からなり、側面視「L」字状をなすアウトリガを備えたことを特徴とするものである。
このような構成の採取管吊り上げ装置においては、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、路面等に対する設置状態が安定するという作用を有する。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の採取管吊り上げ装置において、煙道の上面に採取孔を挟んで平行に設置される一対の搬送用レールを備え、支柱の下端には、キャスタに代えてガイドローラが取り付けられ、このガイドローラは搬送用レールによって、その内部を転動しながら長手方向に沿って移動可能に保持されることを特徴とするものである。
このような構造の採取管吊り上げ装置においては、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、路面等に対する設置状態がさらに安定するという作用を有する。
本発明の請求項1に記載の発明によれば、紐状体を操作するという簡単な操作によって、採取管を上下方向へ移動させることができる。そして、下端を路面等から浮かせた状態に採取管を採取管保持手段によって保持しつつ、採取管を鉛直方向に対して平行な姿勢のまま、搬送することができる。したがって、採取孔の場所まで採取管吊り上げ装置を移動させるだけで、採取管を採取孔の上方へ短時間で容易に配置することができる。
また、栓体が採取管保持手段によって保持されているため、栓体を採取孔のフランジ等に取り付ける作業や、栓体と直管部の間の拘束を解除して吸引口の高さを調節するという作業を容易に行うことができる。
本発明の請求項2に記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果を奏することに加え、直管部を一対の挟持部材で横方向から挟持することにより、採取管を確実に保持できるという効果を奏する。
本発明の請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果を奏することに加え、採取管の搬送や設置作業を安全に行うことができる。さらに、採取管に取り付けた状態で保管し、保管スペースの削減を図ることが可能である。
本発明の請求項4に記載の発明によれば、採取管の搬送や設置作業及び保管時の安全性が高まるという請求項3に記載の発明の効果がより一層発揮される。
(a)及び(b)はそれぞれ本発明の実施の形態に係る採取管吊り上げ装置の実施例1の外観斜視図と、その上部を拡大して示した図である。 (a)及び(b)はそれぞれ図1(a)におけるA方向矢視図及びB方向矢視図であり、(c)は同図(b)におけるC−C線矢視断面図である。 (a)は実施例1の採取管吊り上げ装置に排ガス試料の採取管が取り付けられた状態を示す図であり、(b)は上面に実施例1の採取管吊り上げ装置が設置された状態を模式的に示す煙道の側面図である。 本発明の実施の形態に係る採取管吊り上げ装置の実施例2の外観斜視図である。 (a)は実施例2の採取管吊り上げ装置が設置される煙道の平面図であり、(b)は上面に実施例2の採取管吊り上げ装置が設置された状態を模式的に示す煙道の正面図である。 (a)は一般的な火力発電プラントの外観を示す図であり、(b)は採取管を用いて煙道から排ガスを採取する様子を模式的に示した図である。 (a)及び(b)はそれぞれ煙道の平面図及び側面図である。
本発明の採取管吊り上げ装置は、排ガス検査用の採取管に用いられるものである。以下、発電プラントに設置された煙道に設置する場合を例にとって、本発明の実施の形態に係る採取管吊り上げ装置の構造と、その作用及び効果について、具体的に説明する。
実施例1の採取管吊り上げ装置について図1〜図3を用いて説明する。
図1(a)は本実施例の採取管吊り上げ装置の外観を示した斜視図であり、図1(b)は図1(a)において採取管吊り上げ装置の上部を拡大して示した図である。図2(a)及び図2(b)はそれぞれ図1(a)におけるA方向矢視図及びB方向矢視図であり、図2(c)は図2(b)におけるC−C線矢視断面図である。図3(a)は実施例1の採取管吊り上げ装置に排ガス試料の採取管が取り付けられた状態を示す図であり、図3(b)は上面に実施例1の採取管吊り上げ装置が設置された状態を模式的に示す煙道の側面図である。
なお、図2では採取管保持手段以外の構成要素については図示を省略し、図2(c)については、断面を示すハッチングを省略している。また、以下の説明において、図6及び図7を用いて説明した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施例の採取管吊り上げ装置は、採取管55を鉛直方向に対して平行に保持する架台1と、この架台1に設置され採取管55の栓体56を保持する採取管保持手段2と、採取管保持手段2を上下動させる昇降手段3によって構成されている。
架台1は、鉛直方向に対して平行に設置され下端にキャスタ4aが取り付けられた4本の支柱4と、これら4本の支柱4の上端に設置され開口部5aを有する平面視矩形状の天板5と、隣り合う支柱4,4を連結する補強部材6と、支柱4の側面に一端が連結されるアウトリガ7と、からなる。
4本の支柱4は、架台1を上方から見た場合に、天板5の4つの頂点にそれぞれ上端が連結されており、補強部材6は天板5の各辺に対して平行に設置されている。ただし、煙道51の採取孔54の上方に採取管55を配置する際に、採取孔54と干渉するおそれがあるため、架台1の下部においては、天板5の4辺のうち、少なくとも1辺を除いて、補強部材6が設置されている。
また、キャスタ4aはロック機構を有するとともに、支柱4に対し、その長手方向に平行な軸を中心に回動自在に取り付けられている。
アウトリガ7は、側面視「L」字状をなしており、支柱4から外側へ突出するように設置される水平部と、この水平部に接続され支柱4に対して平行をなす垂直部とからなる。垂直部は、油圧シリンダ(図示せず)を内蔵する収納パイプ(図示せず)と、下端に接地板7aが取り付けられるとともに、収納パイプに上下動自在に収納される摺動脚(図示せず)とからなる。すなわち、アウトリガ7は、油圧シリンダを操作して収納パイプを上下動させることにより、接地板7aを路面等に対して接離可能に伸縮する構造となっている。なお、水平部同士及び垂直部同士はそれぞれ補強部材8によって連結されている。
採取管保持手段2は、平行に設置される一対の枠体9,9と、この枠体9,9に直交するように、それらの4つの角部にそれぞれ取り付けられる4本の連結部材10と、からなる。
昇降手段3は、4本の支柱4に対してそれぞれ平行に設置され連結部材10をその長手方向に沿ってスライド可能に保持するガイドレール(図示せず)と、天板5に設置される滑車11及びワイヤレール12と、一端が採取管保持手段2に連結され、滑車10に巻回されるとともに、ワイヤレール12によって案内される4本のワイヤ13と、この4本のワイヤ13の他端をまとめる連結具(図示せず)に一端が連結されるとともに他端が架台1に沿って垂下される操作用ベルト14と、からなる。
なお、本実施例では、ベルトとワイヤを使い分けているが、このような構造に限定されるものではない。すなわち、少なくとも紐状体であれば良く、ベルトとワイヤのどちらを用いても本発明の作用及び効果は同様に発揮される。
図2(a)に示すように、枠体9は、平行に配置された一対の挟持部材15,15と、長手方向へ沿ってスライド自在に挟持部材15,15の両端を保持する一対のガイド部材16,16と、からなる。
挟持部材15には、枠体9に直交する軸を中心として回動可能にギヤ17が一端に接続され他端に操作ピン18が接続された一対のストッパー19,19と、このストッパー19,19が両端に接続され一対のギヤ17,17を互いに引き離す方向へ付勢する押しバネ20が上面に設置されている。また、ガイド部材16には、ギヤ17と噛み合うラック21が長手方向に対して平行に設置されている。
ギヤ17は、一定方向のみの回転を許容し逆方向への回転を阻止する図示しない係止刃を備えており、この係止刃がガイド部材16のラック21に係止することで、図2(a)に矢印Dで示すように、挟持部材15,15が互いに近付くように移動する場合のみ回転可能とするラチェット機構を構成している。なお、挟持部材15の上方へ突出するように設置された操作ピン18,18を手でつかんで、ストッパー19,19を互いに近付く方向へ移動させると、ギヤ17がラック21から離脱し、ラチェット機構が作用しなくなる。その結果、挟持部材15,15は矢印Dで示す方向と逆の方向へも移動可能となる。
図2(b)及び図2(c)に示すように、ガイド部材16の内部には、連結部材10及びガイド部材16に直交する軸を中心として回動可能にギヤ17が一端に接続され他端に操作ピン18が接続された一対のストッパー19,19と、このストッパー19,19が両端に接続され一対のギヤ17,17を互いに引き離す方向へ付勢する押しバネ20が設置されている。また、連結部材10には、ギヤ17と噛み合うラック21が長手方向に対して平行に設置されている。
さらに、ギヤ17は、図2(b)に矢印Eで示すように、ガイド部材16,16が互いに近付くように移動する場合のみ回転可能とするラチェット機構を構成している。なお、ガイド部材16の側方へ突出するように設置された操作ピン18,18を手でつかんで、ストッパー19,19を互いに近付く方向へ移動させると、ギヤ17がラック21から離脱し、ラチェット機構が作用しなくなるため、ガイド部材16,16は矢印Eで示す方向と逆の方向へも移動可能となる。
このような構造の採取管吊り上げ装置において、図3(a)に示すように、直管部55aが枠体9の挟持部材15,15の間に配置され、かつ、栓体56が枠体9,9の間に配置され導管60が天板5の開口部5aを通るように採取管55を架台1に設置した後、枠体9に設置された挟持部材15,15を直管部55aに当接するまで水平に移動させるとともに、上下に配置された挟持部材15,15が栓体56に当接するまで枠体9,9の間隔を狭めると、採取管55が鉛直方向に対して平行をなすように採取管保持手段2によって保持される。すなわち、本発明の採取管吊り上げ装置によれば、直管部55aを挟持部材15,15で横方向から挟持し、栓体56を挟持部材15,15で上下方向から挟持することにより、採取管55を確実に保持することができる。
なお、操作用ベルト14を手でつかんで下方へ引下げると、ワイヤ13に連結された連結部材10が吊り上げられ、採取管保持手段2が上方へ移動する。その結果、採取管55が上方へ移動する。一方、操作用ベルト14をつかんだ手を緩めると、採取管保持手段2は自重と採取管55の重さにより、下方へ移動する。
以上説明したように、本発明の採取管吊り上げ装置によれば、操作用ベルト14を操作するという簡単な操作によって、採取管55を上下方向へ移動させることができる。そして、下端を路面等から浮かせた状態に採取管55を採取管保持手段2によって保持しつつ、採取管55を鉛直方向に対して平行な姿勢のまま、搬送することができる。この場合、図3(b)に示すように、架台1の中心が採取孔54の中心と一致するように、採取管吊り上げ装置を移動させるだけで、採取管55を採取孔54の上方へ短時間で容易に配置することができる。
また、栓体56が採取管保持手段2によって保持されているため、栓体56を採取孔54のフランジ54aに取り付ける作業や、栓体56と直管部55aの間の拘束を解除して吸引口55bの高さを調節するという作業を容易に行うことができる。
さらに、アウトリガ7によって路面等に対する設置状態が安定するため、採取管55の搬送や設置作業を安全に行うことができる。加えて、採取管55を架台1に取り付けた状態で保管できるため、保管スペースの削減を図ることも可能である。
実施例2の採取管吊り上げ装置について図4及び図5を用いて説明する。
図4は本実施例の採取管吊り上げ装置の外観斜視図である。また、図5(a)は本実施例の採取管吊り上げ装置が設置される煙道の平面図であり、図5(b)は上面に本実施例の採取管吊り上げ装置が設置された状態を模式的に示す煙道の正面図である。なお、図5(b)は図5(a)を長手方向に見た図に相当する。また、図1〜図3を用いて説明した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、本実施例の採取管吊り上げ装置は、実施例1の採取管吊り上げ装置において、支柱4の下端にキャスタ4aの代わりにガイドローラ4bが取り付けられるとともに、このガイドローラ4bを、その内部で転動可能に、かつ、長手方向に沿って移動可能に保持する一対の搬送用レール22,22が、図5(a)に示すように、煙道51の上面に採取孔54を挟んで平行に設置されたことを特徴とする。
このような構造の採取管吊り上げ装置においては、路面等に対する設置状態が実施例1の場合よりもさらに安定する。したがって、採取管55の搬送や設置作業及び保管時の安全性がより一層高まるという効果を奏する。
本発明の請求項1乃至請求項4に記載された発明は、煙道に限らず、各種の装置や設備から内部の流体(主にガス)を採取する際に適用可能である。
1…架台 2…採取管保持手段 3…昇降手段 4…支柱 4a…キャスタ 4b…ガイドローラ 5…天板 5a…開口部 6…補強部材 7…アウトリガ 7a…接地板 8…補強部材 9…枠体 10…連結部材 11…滑車 12…ワイヤレール 13…ワイヤ 14…操作用ベルト 15…挟持部材 16…ガイド部材 17…ギヤ 18…操作ピン 19…ストッパー 20…押しバネ 21…ラック 22…搬送用レール 51…煙道 52…煙突 53…測定箇所 54…採取孔 54a…フランジ 55…採取管 55a…直管部 55b…吸引口 55c…導出口 56…栓体 57…架台 58…足場 59…測定点 60…導管

Claims (4)

  1. 吸引口側が直角に曲折され直管部に栓体が外挿された採取管を煙道の上面に設けられた採取孔に対して挿入可能に保持する採取管吊り上げ装置であって、
    鉛直方向に対して平行に設置され下端にキャスタが取り付けられた4本の支柱と、
    前記支柱の長手方向に沿って上下動可能に設置されて前記採取管の前記栓体を保持する採取管保持手段と、
    前記支柱の上部に設置される滑車と、
    この滑車に巻回され一端が前記採取管保持手段に連結される紐状体と、を備えたことを特徴とする採取管吊り上げ装置。
  2. 前記支柱に対して平行にそれぞれ設置される4本のガイドレールを備え、
    前記採取管保持手段は、
    前記支柱に対して平行をなすように前記ガイドレールによってスライド可能にそれぞれ保持される二対の連結部材と、
    前記支柱に対して直交し、かつ、水平面内で平行に設置されるとともに前記二対の連結部材に両端がそれぞれ固定される一対のガイド部材と、
    この一対のガイド部材により長手方向へ沿ってスライド自在に両端をそれぞれ保持される一対の挟持部材と、からなることを特徴とする請求項1記載の採取管吊り上げ装置。
  3. 前記支柱から外側へ突出するように設置される水平部と、
    この水平部に接続され前記支柱に対して平行をなすとともに伸縮自在に形成され下端に接地板が取り付けられた垂直部と、からなり、側面視「L」字状をなすアウトリガを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の採取管吊り上げ装置。
  4. 前記煙道の上面に前記採取孔を挟んで平行に設置される一対の搬送用レールを備え、
    前記支柱の下端には、前記キャスタに代えてガイドローラが取り付けられ、
    このガイドローラは前記搬送用レールによって、その内部を転動しながら長手方向に沿って移動可能に保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の採取管吊り上げ装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017044627A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 エム・エイチ・アイさがみハイテック株式会社 集塵装置及び集塵システム
CN110308019A (zh) * 2019-06-26 2019-10-08 郭豪 一种地下水工程用水样采集装置
CN112710787A (zh) * 2020-12-18 2021-04-27 重庆工程职业技术学院 大气污染检测设备
JP2022135982A (ja) * 2021-03-03 2022-09-15 コリア リサーチ インスティチュート オブ スタンダーズ アンド サイエンス 位置変動多重サンプリングが可能な自動チャンバシステム
CN115629176A (zh) * 2022-12-19 2023-01-20 河北省沧州生态环境监测中心 一种用于污水环境检测装置

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