JP2015078723A - ヒンジ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベース部と揺動部材とをヒンジ構造により連結した構造において、ベース部に対する揺動部材の回転速度が大きくなることを防ぐダンパーを設けても、揺動部材をベース部に取り付けた構造の外観意匠が損なわれることを防止できるようにする。
【解決手段】第一筒状部31を有し、ベース部に固定される第一筒状部材12と、第二筒状部41を有し、揺動部材に固定される第二筒状部材13と、第一筒状部及び第二筒状部に挿入されて一対の筒状部材を相互に回転自在に連結すると共に、一対の筒状部材に対して一対の筒状部材の回転軸線L1方向に直線移動可能とされた軸体11と、一対の筒状部材の相対的な回転移動を、軸体の回転軸線方向への直線移動に変換する移動変換機構15と、一対の筒状部材の相対的な回転に伴う軸体の移動に制動力を付与するダンパー14と、を備えるヒンジ構造10を提供する。
【選択図】図2
【解決手段】第一筒状部31を有し、ベース部に固定される第一筒状部材12と、第二筒状部41を有し、揺動部材に固定される第二筒状部材13と、第一筒状部及び第二筒状部に挿入されて一対の筒状部材を相互に回転自在に連結すると共に、一対の筒状部材に対して一対の筒状部材の回転軸線L1方向に直線移動可能とされた軸体11と、一対の筒状部材の相対的な回転移動を、軸体の回転軸線方向への直線移動に変換する移動変換機構15と、一対の筒状部材の相対的な回転に伴う軸体の移動に制動力を付与するダンパー14と、を備えるヒンジ構造10を提供する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ヒンジ構造に関する。
従来、本体(ベース部)に対して鍵盤蓋(揺動部材)をヒンジ構造により揺動自在に連結したピアノや、建屋の壁部(ベース部)に対して扉(揺動部材)をヒンジ構造により揺動自在に連結した建築構造には、例えば特許文献1,2のように、ベース部に対する揺動部材の回転移動に制動力を付与する制動装置としてダンパーを採用したものがある。これらの構成では、ベース部に対する揺動部材の回転速度が大きくなることを防止し、鍵盤蓋や扉が急激に閉じることを防いでいる。
しかしながら、上記従来の構成では、ダンパーがヒンジ構造と別個に設けられるため、揺動部材をベース部に取り付けた構造(ピアノや建築構造)の外観意匠が損なわれてしまう、という問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ベース部に対する揺動部材の回転速度が大きくなることを防ぐダンパーを設けても、揺動部材をベース部に取り付けた構造の外観意匠が損なわれることを防止できるヒンジ構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のヒンジ構造は、揺動部材をベース部に対して揺動自在に連結するヒンジ構造であって、第一筒状部を有し、前記ベース部に固定される第一筒状部材と、第二筒状部を有し、前記揺動部材に固定される第二筒状部材と、前記第一筒状部及び前記第二筒状部に挿入されて一対の筒状部材を相互に回転自在に連結すると共に、前記一対の筒状部材に対してその回転軸線方向に直線移動可能とされた軸体と、前記一対の筒状部材の相対的な回転移動を、前記軸体の回転軸線方向への直線移動に変換する移動変換機構と、前記一対の筒状部材の相対的な回転に伴う前記軸体の移動に制動力を付与するダンパーと、を備えることを特徴とする。
本発明のヒンジ構造では、一対の筒状部材の内部に設けられた軸体が、一対の筒状部材の相対的な回転移動に伴って移動する。また、ダンパーが軸体の移動に制動力を付与することで、一対の筒状部材の相対的な回転速度が制限されるため、一対の筒状部材が大きな速度で相対回転することを防止できる。すなわち、ベース部に対する揺動部材の回転速度が大きくなることを防止できる。
また、本発明のヒンジ構造によれば、ダンパーの制動対象である軸体が筒状部材の内部に設けられるため、ダンパーを、ベース部及び揺動部材を連結する構造(一対の筒状部材及び軸体からなる構造)に隣り合わせて設けることができる。したがって、本発明のヒンジ構造により揺動部材をベース部に取り付けても、ダンパーの存在が目立たないため、揺動部材をベース部に取り付けた構造の外観意匠が損なわれることを防止できる。
そして、前記ヒンジ構造においては、前記移動変換機構が、前記軸体の外周面に形成された螺旋状の溝と、前記第一筒状部及び前記第二筒状部の一方の内周面から突出して設けられ、前記螺旋状の溝に挿入される係合突起と、前記軸体の軸線方向の端部に設けられて前記第一筒状部及び前記第二筒状部の他方に挿入されるスプライン軸部と、前記第一筒状部及び前記第二筒状部の他方に形成され、前記スプライン軸部が挿入されることで、前記第一筒状部及び前記第二筒状部の他方に対する前記軸体の回転移動を規制するスプライン軸用孔部と、を備えてもよい。
上記構成によれば、スプライン軸部がスプライン軸用孔部に挿入されていることで、一対の筒状部材を相対的に回転させた際には、軸体が、他方の筒状部(第一筒状部及び第二筒状部の他方)を有する他方の筒状部材と共に、一方の筒状部材に対して回転移動する。また、一方の筒状部に設けられた係合突起が軸体に形成された螺旋状の溝(螺旋溝)に挿入されていることで、一対の筒状部材を相対的に回転させた際には、係合突起が螺旋溝に対してその長手方向に移動する。
これにより、軸体は、一対の筒状部材の相対的な回転に伴って、一方の筒状部材に対して回転移動すると共に、一対の筒状部材に対してその回転軸線方向に直線移動することができる。すなわち、一対の筒状部材の相対的な回転移動を、軸体の回転軸線方向への直線移動に変換することができる。
これにより、軸体は、一対の筒状部材の相対的な回転に伴って、一方の筒状部材に対して回転移動すると共に、一対の筒状部材に対してその回転軸線方向に直線移動することができる。すなわち、一対の筒状部材の相対的な回転移動を、軸体の回転軸線方向への直線移動に変換することができる。
また、前記ヒンジ構造においては、前記軸体が、前記ダンパーに接続されて該ダンパーの制動力が前記軸体に作用する被制動領域と、前記ダンパーから離間して該ダンパーの制動力が前記軸体に作用しない自由移動領域との間で、前記回転軸線方向に移動可能とされていてもよい。
上記構成によれば、軸体の回転軸線方向への移動範囲に、ダンパーの制動力が軸体に作用しない自由移動領域が含まれるため、一対の筒状部材の相対的な回転角度範囲が、ダンパーの性能(ダンパーの変位量)によって制限されることを防止できる。したがって、性能の低いダンパー(変位量の小さいダンパー)を使用しても、一対の筒状部材の相対的な回転角度の範囲を大きく設定することが可能となる。すなわち、小型で安価なダンパーを使用することが可能となり、ヒンジ構造の小型化及び低コスト化を図ることができる。
また、前記ヒンジ構造においては、前記ダンパーが、前記軸体の直線移動に制動力を付与する直動ダンパ―であってもよい。
上記構成によれば、直動ダンパーの制動力が、移動変換機構を介して一対の筒状部材の相対的な回転移動に付与されるため、一対の筒状部材の相対的な回転速度を制限し、一対の筒状部材が大きな速度で相対回転することを防止できる。
上記構成によれば、直動ダンパーの制動力が、移動変換機構を介して一対の筒状部材の相対的な回転移動に付与されるため、一対の筒状部材の相対的な回転速度を制限し、一対の筒状部材が大きな速度で相対回転することを防止できる。
また、直動ダンパーは、筒状のシリンダ、及び、シリンダに対してその軸方向に直線移動するピストン部を備えるため、ピストン部の移動方向が軸体の直線移動方向(回転軸線方向)に一致するように、直動ダンパーを軸体の回転軸線方向の端部に隣り合せて設けることができる。そして、直動ダンパーのシリンダの直径寸法は、容易に筒状部材の直径寸法以下に設定できるため、容易に直動ダンパーの存在が目立たないようにヒンジ構造をコンパクトに構成することが可能となる。また、直動ダンパーでは、その軸方向長さを延長してピストン部の変位量(移動長さ範囲)が長くなるように直動ダンパーの性能を向上させても、直動ダンパーの存在が目立つことはない。
さらに、前記ヒンジ構造においては、前記移動変換機構が、前記軸体を他方の筒状部材と共に一方の筒状部材に対して回転移動可能とし、前記ダンパーが、前記軸体の回転移動に制動力を付与するロータリーダンパーであってもよい。
本発明によれば、ダンパーの制動力によりベース部に対する揺動部材の回転速度が大きくなることを防止できると共に、揺動部材をベース部に取り付けた構造の外観意匠が損なわれることも防止できる。
〔第一実施形態〕
以下、図1〜5を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示すように、この実施形態に係るヒンジ構造10は、ピアノ(鍵盤楽器)1に設けたものである。また、本実施形態のピアノ1は、アコースティックピアノの一種であるアップライトピアノであり、本体(ベース部)2と、ヒンジ構造10によって本体2に対して揺動自在に連結された鍵盤蓋(揺動部材)3と、を備える。
以下、図1〜5を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示すように、この実施形態に係るヒンジ構造10は、ピアノ(鍵盤楽器)1に設けたものである。また、本実施形態のピアノ1は、アコースティックピアノの一種であるアップライトピアノであり、本体(ベース部)2と、ヒンジ構造10によって本体2に対して揺動自在に連結された鍵盤蓋(揺動部材)3と、を備える。
本体2は、筐体4、及び、筐体4の前面側に設けられる鍵盤部5を備える。また、本体2は、筐体4内部に設けられる従前のハンマ、弦、アクション機構(いずれも不図示)等も備える。
鍵盤蓋3は、鍵盤部5を覆うものであり、鍵盤部5を覆うカバー位置CLと、鍵盤部5を外部に露出させる開放位置OPとの間で、回転軸線L1を中心に本体2に対して揺動自在に設けられている。
ヒンジ構造10は、図2,3に示すように、軸体11と、第一筒状部材12と、第二筒状部材13と、ダンパー14と、を備える。
鍵盤蓋3は、鍵盤部5を覆うものであり、鍵盤部5を覆うカバー位置CLと、鍵盤部5を外部に露出させる開放位置OPとの間で、回転軸線L1を中心に本体2に対して揺動自在に設けられている。
ヒンジ構造10は、図2,3に示すように、軸体11と、第一筒状部材12と、第二筒状部材13と、ダンパー14と、を備える。
軸体11は、柱状に形成され、後述する第一筒状部材12及び第二筒状部材13の内部に挿入されることで、これら一対の筒状部材12,13を相互に回転自在に連結する。軸体11を一対の筒状部材12,13の内部に挿入した状態では、軸体11及び一対の筒状部材12,13の軸線が互いに一致する。以下の説明では、軸体11、一対の筒状部材12,13の軸線を回転軸線L1と呼ぶ。
軸体11は、ボールねじ部21、スプライン軸部22及び支持軸部23を一体に形成して構成されている。
ボールねじ部21は、円柱状に形成されている。ボールねじ部21の外周面には、螺旋状の溝(螺旋溝24)が形成されている。本実施形態では、螺旋溝24がボールねじ部21の軸線方向に間隔をあけて複数(図示例では三つ)配列されている。
ボールねじ部21は、円柱状に形成されている。ボールねじ部21の外周面には、螺旋状の溝(螺旋溝24)が形成されている。本実施形態では、螺旋溝24がボールねじ部21の軸線方向に間隔をあけて複数(図示例では三つ)配列されている。
スプライン軸部22は、ボールねじ部21の軸線方向の一端部に設けられている。また、支持軸部23は、円柱状に形成され、ボールねじ部21の軸線方向の他端部に設けられている。図示例では、スプライン軸部22及び支持軸部23の径寸法がボールねじ部21よりも小さく設定されているが、これに限ることはない。
これらボールねじ部21、スプライン軸部22及び支持軸部23の軸線は互いに一致しており、軸体11の回転軸線L1である。
これらボールねじ部21、スプライン軸部22及び支持軸部23の軸線は互いに一致しており、軸体11の回転軸線L1である。
第一筒状部材12は、本体2の筐体4(図1参照)に固定されるものであり、円筒状に形成された第一筒状部31と、第一筒状部31からその径方向外側に延びる第一固定用板部32とを一体に形成して構成されている。また、第二筒状部材13は、鍵盤蓋3に固定されるものであり、円筒状に形成された第二筒状部41と、第二筒状部41からその径方向外側に延びる第二固定用板部42とを一体に形成して構成されている。
各筒状部材12,13の固定用板部32,42には、その厚さ方向に貫通して、各筒状部材12,13を本体2の筐体4あるいは鍵盤蓋3にネジ止めにより固定するためのネジ孔33,43が形成されている。
第一筒状部31及び第二筒状部41は、これらの軸線を互いに一致させた状態で回転軸線L1方向に並べて配列されている。
各筒状部材12,13の固定用板部32,42には、その厚さ方向に貫通して、各筒状部材12,13を本体2の筐体4あるいは鍵盤蓋3にネジ止めにより固定するためのネジ孔33,43が形成されている。
第一筒状部31及び第二筒状部41は、これらの軸線を互いに一致させた状態で回転軸線L1方向に並べて配列されている。
軸体11を挿入する第一筒状部31の第一挿入孔34は、第一筒状部31の回転軸線L1方向の両端に開口している。第一挿入孔34は、第二筒状部41側に位置する第一筒状部31の一方の端部に開口して、軸体11のボールねじ部21を挿入する第一ねじ部用孔部35と、第一筒状部31の他方の端部に開口して、軸体11のスプライン軸部22を挿入するスプライン軸用孔部36と、を有する。図示例では、スプライン軸用孔部36の内径寸法が第一ねじ部用孔部35よりも小さく設定されているが、これに限ることはない。
スプライン軸用孔部36の内周面は、スプライン軸部22の外周面に対応する形状に形成されている。これにより、軸体11を第一筒状部31に挿入した状態では、第一筒状部31に対する軸体11の回転移動がスプライン軸部22及びスプライン軸用孔部36によって規制され、軸体11は第一筒状部31に対して回転軸線L1方向への直線移動のみ可能となる。スプライン軸用孔部36の軸方向長さは、スプライン軸部22よりも短く設定されている。
スプライン軸用孔部36の内周面は、スプライン軸部22の外周面に対応する形状に形成されている。これにより、軸体11を第一筒状部31に挿入した状態では、第一筒状部31に対する軸体11の回転移動がスプライン軸部22及びスプライン軸用孔部36によって規制され、軸体11は第一筒状部31に対して回転軸線L1方向への直線移動のみ可能となる。スプライン軸用孔部36の軸方向長さは、スプライン軸部22よりも短く設定されている。
軸体11を挿入する第二筒状部41の第二挿入孔44は、第一筒状部31側に位置する第二筒状部41の回転軸線L1方向の一方の端部にのみ開口している。第二挿入孔44は、第二筒状部41の一方の端部に開口して、軸体11のボールねじ部21を挿入する第二ねじ部用孔部45と、第二ねじ部用孔部45に対して第二筒状部41の他方の端部側に連ねて形成され、軸体11の支持軸部23を挿入する支持軸用孔部46と、を有する。図示例では、支持軸用孔部46の内径寸法が第二ねじ部用孔部45よりも小さく設定されているが、これに限ることはない。
また、第二筒状部41には、図2〜4に示すように、第二ねじ部用孔部45をなす第二筒状部41の内周面から突出する係合突起47が設けられている。係合突起47は、ボールねじ部21を第二ねじ部用孔部45に挿入した状態で、ボールねじ部21の螺旋溝24に挿入される。
本実施形態では、係合突起47が第二筒状部41の内周面の周方向に間隔をあけて複数(図示例では三つ)配列されている。また、係合突起47の数は、ボールねじ部21に形成された螺旋溝24の数に対応し、各螺旋溝24に一つの係合突起47が収容されている。なお、本実施形態では、図4に示すように、係合突起47が第二筒状部41とは別個に形成されて第二筒状部41に固定されているが、例えば第二筒状部41の内周面に一体に形成されてもよい。
本実施形態では、係合突起47が第二筒状部41の内周面の周方向に間隔をあけて複数(図示例では三つ)配列されている。また、係合突起47の数は、ボールねじ部21に形成された螺旋溝24の数に対応し、各螺旋溝24に一つの係合突起47が収容されている。なお、本実施形態では、図4に示すように、係合突起47が第二筒状部41とは別個に形成されて第二筒状部41に固定されているが、例えば第二筒状部41の内周面に一体に形成されてもよい。
以上のように構成される一対の筒状部材12,13内部に、前述した軸体11を挿入した状態では、軸体11のスプライン軸部22が第一筒状部材12のスプライン軸用孔部36に挿入されているため、一対の筒状部材12,13を相対的に回転させた際には、軸体11が第一筒状部材12と共に第二筒状部材13に対して回転移動する。また、第二筒状部材13の係合突起47が軸体11の螺旋溝24に挿入されるため、一対の筒状部材12,13を相対的に回転させた際には、係合突起47が螺旋溝24に対してその長手方向に移動する。これにより、軸体11は、第二筒状部材13に対して回転移動すると共に一対の筒状部材12,13に対して回転軸線L1方向に直線移動する。
すなわち、本実施形態では、軸体11のスプライン軸部22及び螺旋溝24、第一筒状部材12のスプライン軸用孔部36、並びに、第二筒状部材13の係合突起47によって、一対の筒状部材12,13の相対的な回転移動を、軸体11の回転軸線L1方向への直線移動に変換する移動変換機構15が構成されている。さらに、本実施形態の移動変換機構15は、軸体11を第一筒状部材12と共に第二筒状部材13に対して回転移動可能とする。
すなわち、本実施形態では、軸体11のスプライン軸部22及び螺旋溝24、第一筒状部材12のスプライン軸用孔部36、並びに、第二筒状部材13の係合突起47によって、一対の筒状部材12,13の相対的な回転移動を、軸体11の回転軸線L1方向への直線移動に変換する移動変換機構15が構成されている。さらに、本実施形態の移動変換機構15は、軸体11を第一筒状部材12と共に第二筒状部材13に対して回転移動可能とする。
本実施形態の構成では、例えば図2に示す状態において、第二筒状部材13を第一筒状部材12に対して第一回転方向R1に回転させた際に、軸体11が第二筒状部材13側から第一筒状部材12に向かう方向(X1方向)に直線移動する。この直線移動の際には、図2,3に示すように、第一筒状部31の他方の端部(スプライン軸用孔部36の開口端)から突出するスプライン軸部22の長さが長くなる。
本実施形態のダンパー14は、一対の筒状部材12,13の相対的な回転に伴う軸体11の直線移動に制動力を付与する直動ダンパー14である。直動ダンパー14は、オイル等を封入したシリンダ51と、シリンダ51に対して直線移動するように取り付けられたピストン部52と、を備える。
直動ダンパー14は、シリンダ51に対するピストン部52の移動方向が軸体11の回転軸線L1方向に一致するように、軸体11の回転軸線L1方向の端部に隣り合せて配されている。また、ピストン部52の先端部(ピストンヘッド53)がスプライン軸部22の端部に対向している。本実施形態では、一対の筒状部材12,13の相対的な回転位置に関わらず、ピストンヘッド53がスプライン軸部22の端部に当接している。これらピストンヘッド53及びスプライン軸部22は、例えば接着剤等により互いに固定されてもよいが、例えば固定されなくてもよい。
また、本実施形態では、直動ダンパー14が有底筒状の収容ケース54に収容されている。また、収容ケース54の開口端部は、スプライン軸用孔部36が開口する第一筒状部31の他方の端部に接続されている。これにより、一対の筒状部材12,13に対するシリンダ51の位置が固定されている。
直動ダンパー14は、シリンダ51に対するピストン部52の移動方向が軸体11の回転軸線L1方向に一致するように、軸体11の回転軸線L1方向の端部に隣り合せて配されている。また、ピストン部52の先端部(ピストンヘッド53)がスプライン軸部22の端部に対向している。本実施形態では、一対の筒状部材12,13の相対的な回転位置に関わらず、ピストンヘッド53がスプライン軸部22の端部に当接している。これらピストンヘッド53及びスプライン軸部22は、例えば接着剤等により互いに固定されてもよいが、例えば固定されなくてもよい。
また、本実施形態では、直動ダンパー14が有底筒状の収容ケース54に収容されている。また、収容ケース54の開口端部は、スプライン軸用孔部36が開口する第一筒状部31の他方の端部に接続されている。これにより、一対の筒状部材12,13に対するシリンダ51の位置が固定されている。
そして、本実施形態のヒンジ構造10は、第一筒状部材12に対する第二筒状部材13の回転位置が図2に示す第一回転位置P1であるときに鍵盤蓋3が開放位置OP(図1参照)に配されるように、また、第二筒状部材13の回転位置が図3に示す第二回転位置P2であるときに鍵盤蓋3がカバー位置CL(図1参照)に配されるように、本体2及び鍵盤部5に取り付けられている。
本実施形態のヒンジ構造10を備えるピアノ1では、鍵盤蓋3を開放位置OPからカバー位置CLまで回転移動させて閉じる際に、第二筒状部材13が第一筒状部材12に対して第一回転位置P1から第二回転位置P2まで第一回転方向R1に回転する。この際には、軸体11がX1方向に直線移動して、ピストンヘッド53に押し付けられるため、直動ダンパー14の制動力が軸体11の直線移動に付与される。そして、この制動力は移動変換機構15を介して第二筒状部材13の回転移動に付与されるため、一対の筒状部材12,13の相対的な回転速度が制限される。したがって、本体2に対する鍵盤蓋3の回転速度が大きくなること防いで、鍵盤蓋3が急激に閉じることを防止できる。
また、鍵盤蓋3をカバー位置CLから開放位置OPまで回転移動させて開く際には、第二筒状部材13が第一筒状部材12に対して第二回転位置P2から第一回転位置P1まで第二回転方向R2(第一回転方向R1と逆方向)に回転する。この際には、軸体11がX2方向(X1方向と逆方向)に直線移動して、直動ダンパー14のシリンダ51から離れる。ここで、軸体11がピストンヘッド53に固定されている場合には、軸体11の直線移動に直動ダンパー14の制動力が付与され、一対の筒状部材12,13の相対的な回転速度が制限される。したがって、鍵盤蓋3を開く動作に対して直動ダンパー14の制動力が付与される。一方、軸体11がピストンヘッド53に固定されていない場合には、軸体11のX2方向への直線移動に直動ダンパー14の制動力が付与されない。したがって、鍵盤蓋3を容易に開くことが可能となる。
以上説明したように、本実施形態のヒンジ構造10によれば、本体2に対する鍵盤蓋3の回転速度が大きくなること防いで、鍵盤蓋3が急激に閉じることを防止できる。
また、ダンパー14の制動対象である軸体11が一対の筒状部材12,13の内部に設けられるため、ダンパー14を、本体2及び鍵盤蓋3を連結する構造(一対の筒状部材12,13及び軸体11からなる構造)に隣り合せて設けることができる。特に、本実施形態では、ダンパー14が直動ダンパー14であり、そのシリンダ51やピストンヘッド53の径寸法は、容易に筒状部材12,13の筒状部31,41の径寸法以下に設定できる。したがって、直動ダンパー14の存在が目立たないようにヒンジ構造をコンパクトに構成することが可能となる。
また、ダンパー14の制動対象である軸体11が一対の筒状部材12,13の内部に設けられるため、ダンパー14を、本体2及び鍵盤蓋3を連結する構造(一対の筒状部材12,13及び軸体11からなる構造)に隣り合せて設けることができる。特に、本実施形態では、ダンパー14が直動ダンパー14であり、そのシリンダ51やピストンヘッド53の径寸法は、容易に筒状部材12,13の筒状部31,41の径寸法以下に設定できる。したがって、直動ダンパー14の存在が目立たないようにヒンジ構造をコンパクトに構成することが可能となる。
さらに、直動ダンパー14のシリンダの直径寸法は、容易に筒状部材12,13の直径寸法以下に設定できるため、容易に直動ダンパー14の存在が目立たないようにヒンジ構造10をコンパクトに構成することが可能となる。また、直動ダンパー14では、その軸方向長さを延長してピストン部52の変位量(移動長さ範囲)が長くなるように直動ダンパー14の性能を向上させても、直動ダンパー14の存在が目立つことはない。以上のことから、ピアノ1(鍵盤蓋3を本体2に取り付けた構造)の外観意匠が損なわれることを防止できる。
また、本実施形態のヒンジ構造10によれば、螺旋溝24のピッチを変更するだけで、一対の筒状部材12,13の相対的な回転角度に対するピストン部52の変位量の割合を調整できる。このため、一対の筒状部材12,13の相対的な回転角度が大きくても、ピストン部52の変位量を小さく抑えることができる。したがって、直動ダンパー14の軸方向長さを小さく抑えて、ヒンジ構造10の小型化を図ることも可能である。
なお、上記第一実施形態のヒンジ構造10においては、軸体11が支持軸部23を備えているが、軸体11は少なくともボールねじ部21及びスプライン軸部22を備えていればよい。これに伴い、第二筒状部41の第二挿入孔44は、例えば第二ねじ部用孔部45のみによって構成されてもよい。
〔第二実施形態〕
次に、図1、5,6を参照して本発明の第二実施形態について説明する。
この実施形態では、第一実施形態と比較して、ヒンジ構造の一部構造のみが異なっており、その他の構成については第一実施形態と同様である。本実施形態では、第一実施形態と同一の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図1,5,6に示すように、この実施形態のヒンジ構造100は、第一実施形態と同様に、ピアノ1の本体2に固定される第一筒状部材112、鍵盤蓋3に固定される第二筒状部材113、これら一対の筒状部材112,113内部に挿入されて一対の筒状部材112,113を相互に回転自在に連結する軸体111、及び、軸体111の移動に制動力を付与するダンパー114を備える。軸体111、一対の筒状部材112,113の軸線は互いに一致している。以下の説明ではこれらの軸線を回転軸線L1と呼ぶ。
次に、図1、5,6を参照して本発明の第二実施形態について説明する。
この実施形態では、第一実施形態と比較して、ヒンジ構造の一部構造のみが異なっており、その他の構成については第一実施形態と同様である。本実施形態では、第一実施形態と同一の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図1,5,6に示すように、この実施形態のヒンジ構造100は、第一実施形態と同様に、ピアノ1の本体2に固定される第一筒状部材112、鍵盤蓋3に固定される第二筒状部材113、これら一対の筒状部材112,113内部に挿入されて一対の筒状部材112,113を相互に回転自在に連結する軸体111、及び、軸体111の移動に制動力を付与するダンパー114を備える。軸体111、一対の筒状部材112,113の軸線は互いに一致している。以下の説明ではこれらの軸線を回転軸線L1と呼ぶ。
軸体111は、第一実施形態と同様のボールねじ部21及びスプライン軸部122A,122Bを備える。ただし、本実施形態では、ボールねじ部21に形成される螺旋溝24の数が二つとなっている。また、スプライン軸部122A,122Bが、ボールねじ部21の回転軸線L1方向の両端部に設けられている。
各筒状部材112,113は、第一実施形態と同様の筒状部131,141と、固定用板部32,42とを一体に形成して構成されている。
各筒状部材112,113は、第一実施形態と同様の筒状部131,141と、固定用板部32,42とを一体に形成して構成されている。
軸体11を挿入する第一筒状部131の第一挿入孔134は、第一筒状部131の回転軸線方向の両端に開口している。第一挿入孔134は、第二筒状部141側に位置する第一筒状部131の一方の端部に開口する第一ねじ部用孔部135を有する。
また、第一筒状部131には、第一ねじ部用孔部135をなす第一筒状部131の内周面から突出し、ボールねじ部21の螺旋溝24に挿入される係合突起137が設けられている。係合突起137は、第一実施形態の係合突起47と同様であり、第一筒状部131の内周面の周方向に間隔をあけて複数(図示例では二つ)配列されている。
また、第一筒状部131には、第一ねじ部用孔部135をなす第一筒状部131の内周面から突出し、ボールねじ部21の螺旋溝24に挿入される係合突起137が設けられている。係合突起137は、第一実施形態の係合突起47と同様であり、第一筒状部131の内周面の周方向に間隔をあけて複数(図示例では二つ)配列されている。
さらに、第一挿入孔134のうち第一筒状部131の他方の端部には、軸体111をダンパー114に連結するための連結部材116が収容されている。連結部材116は、円筒状に形成され、第一筒状部131に対して回転軸線L1を中心に回転自在に保持されている。連結部材116の内周面は、第一筒状部131内に軸体111の第一スプライン軸部122Aの外周面に対応する形状に形成されている。これにより、第一スプライン軸部122Aを連結部材116に挿入した状態では、軸体111が連結部材116と共に第一筒状部131に対して回転可能となる。
軸体111を挿入する第二筒状部141の第二挿入孔144は、第一筒状部131側に位置する第二筒状部141の一方の端部に開口して、ボールねじ部21を挿入する第二ねじ部用孔部145と、第二ねじ部用孔部145に対して第二筒状部141の他方の端部側に連ねて形成され、軸体111の第二スプライン軸部122Bを挿入するスプライン軸用孔部146と、を有する。スプライン軸用孔部146の内周面は、第二スプライン軸部122Bの外周面に対応する形状に形成されている。これにより、軸体111を第二筒状部141に挿入した状態では、第二筒状部141に対する軸体111の回転移動が第二スプライン軸部122B及びスプライン軸用孔部146によって規制され、軸体111は第二筒状部141に対して回転軸線L1方向への直線移動のみ可能となる。
以上のように構成される一対の筒状部材112,113内部に、前述した軸体111を挿入した状態では、軸体111の第二スプライン軸部122Bが第二筒状部材113のスプライン軸用孔部146に挿入されているため、一対の筒状部材12,13を相対的に回転させた際には、軸体111が第二筒状部材113と共に第一筒状部材112に対して回転移動する。また、第一筒状部材112の係合突起137が軸体111の螺旋溝24に挿入されるため、一対の筒状部材112,113を相対的に回転させた際には、第一実施形態の場合と同様に、軸体111が第一筒状部材112に対して回転移動すると共に一対の筒状部材112,113に対して回転軸線L1方向に直線移動する。
すなわち、本実施形態では、軸体111の第二スプライン軸部122B及び螺旋溝24、第一筒状部材112の係合突起137、並びに、第二筒状部材113のスプライン軸用孔部146によって、一対の筒状部材112,113の相対的な回転移動を、軸体111の回転軸線L1方向への直線移動に変換する移動変換機構115が構成されている。さらに、本実施形態の移動変換機構115は、軸体111を第二筒状部材113と共に第一筒状部材112に対して回転移動可能とする。
すなわち、本実施形態では、軸体111の第二スプライン軸部122B及び螺旋溝24、第一筒状部材112の係合突起137、並びに、第二筒状部材113のスプライン軸用孔部146によって、一対の筒状部材112,113の相対的な回転移動を、軸体111の回転軸線L1方向への直線移動に変換する移動変換機構115が構成されている。さらに、本実施形態の移動変換機構115は、軸体111を第二筒状部材113と共に第一筒状部材112に対して回転移動可能とする。
本実施形態のダンパー114は、一対の筒状部材112,113の相対的な回転に伴う軸体111の回転移動に制動力を付与するロータリーダンパー114である。ロータリーダンパー114は、オイル等を封入したケース151と、ケース151に対して回転自在に取り付けられたローター部152と、を備える。ケース151は、第一筒状部131に固定されている。一方、ローター部152は、第一筒状部131の他方の端部から連結部材116に挿入され、連結部材116に固定されている。これにより、軸体111の第一スプライン軸部122Aが連結部材116に挿入された状態では、ロータリーダンパー114の制動力が第一筒状部131に対する軸体111の回転移動に付与される。
さらに、本実施形態のヒンジ構造100では、例えば図5に示す状態において、軸体111の第一スプライン軸部122Aが連結部材116に対して間隔をあけて配されている。この状態において、第二筒状部材113を第一筒状部材112に対して図5に示す第一回転位置P1から図6に示す第二回転位置P2まで第一回転方向R1に回転移動させた際には、軸体111が連結部材116に近づく方向(X1方向)に直線移動するが、軸体111にはロータリーダンパー114の制動力が作用しない。その後、第二筒状部材113が第二回転位置P2に至る前の途中位置(不図示)において、第一スプライン軸部122Aが連結部材116に挿入され、軸体111が連結部材116を介してロータリーダンパー114(ローター部152)に接続される。このため、第二筒状部材113が途中位置から第二回転位置P2に至るまでの間には、軸体111が第二筒状部材113及びローター部152と共に第一筒状部131に対して回転移動し、軸体111にロータリーダンパー114の制動力が付与される。
すなわち、本実施形態では、軸体111が、図6に示すようにロータリーダンパー114に接続されてロータリーダンパー114の制動力が軸体111に作用する被制動領域BRと、図5に示すようにロータリーダンパー114から離間してロータリーダンパー114の制動力が軸体111に作用しない自由移動領域FRとの間で、回転軸線L1方向に移動可能となっている。
すなわち、本実施形態では、軸体111が、図6に示すようにロータリーダンパー114に接続されてロータリーダンパー114の制動力が軸体111に作用する被制動領域BRと、図5に示すようにロータリーダンパー114から離間してロータリーダンパー114の制動力が軸体111に作用しない自由移動領域FRとの間で、回転軸線L1方向に移動可能となっている。
以上のように構成される本実施形態のヒンジ構造100は、図5に示すように第二筒状部材113が第一回転位置P1に配された状態で、鍵盤蓋3が開放位置OP(図1参照)に配されるように、また、図6に示すように第二筒状部材113が第二回転位置P2に配された状態で、鍵盤蓋3がカバー位置CL(図1参照)に配されるように、本体2及び鍵盤部5に取り付けられている。
本実施形態のヒンジ構造100を備えるピアノ1では、鍵盤蓋3を開放位置OPからカバー位置CLまで回転移動させて閉じる際に、第二筒状部材113が第一回転位置P1から第二回転位置P2に向けて第一回転方向R1に回転する。第二筒状部材113の回転が開始された時点では、軸体111が自由移動領域FRに位置するため、ロータリーダンパー114の制動力は軸体111に作用しない。その後、第二筒状部材113が第一、第二回転位置P1,P2の途中位置に到達すると、軸体111のX1方向への移動によって軸体111がロータリーダンパー114に接続されて被制動領域BRに入り込む。これにより、ロータリーダンパー114の制動力が、移動変換機構115を介して第二筒状部材113の回転移動に付与され、一対の筒状部材112,113の相対的な回転速度が制限される。したがって、本体2に対する鍵盤蓋3の回転速度が大きくなること防いで、鍵盤蓋3が急激に閉じることを防止できる。
また、鍵盤蓋3をカバー位置CLから開放位置OPまで回転移動させて開く際には、第二筒状部材113が第二回転位置P2から第一回転位置P1まで第二回転方向R2に回転する。第二筒状部材113の回転が開始された時点では、軸体111が被制動領域BRに位置するため、軸体111の回転移動にロータリーダンパー114の制動力が付与され、一対の筒状部材112,113の相対的な回転速度が制限される。その後、第二筒状部材113が第一、第二回転位置P1,P2の途中位置に到達すると、軸体111のX2方向(X1方向と逆方向)への移動によって軸体111とロータリーダンパー114との接続が解除され、軸体111が自由移動領域FRに入り込む。この状態では、鍵盤蓋3を容易に開くことができる。
以上のように鍵盤蓋3に作用する本実施形態のヒンジ構造100において、ロータリーダンパー114の制動力が作用する軸体111の被制動領域FRは、鍵盤蓋3が自重によってカバー位置CLに向けて回転移動し得る領域に設定されるとよい。すなわち、軸体111の被制動領域FRは、例えば、カバー位置CLに対する鍵盤蓋3の開き角度θ(図1参照)が0度以上90度以下となる領域に設定されるとよい。また、被制動領域FRは、例えば鍵盤蓋3の開き角度θが0度以上45度以下となる領域に設定されるとよい。
本実施形態のヒンジ構造100によれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
例えば、ロータリーダンパー114を軸体111の回転軸線L1方向の端部に隣り合せて配することができるため、ロータリーダンパー114の存在が目立たず、ピアノ1の外観意匠が損なわれることを防止できる。
例えば、ロータリーダンパー114を軸体111の回転軸線L1方向の端部に隣り合せて配することができるため、ロータリーダンパー114の存在が目立たず、ピアノ1の外観意匠が損なわれることを防止できる。
さらに、本実施形態のヒンジ構造100によれば、軸体111の回転軸線L1方向への移動範囲には、ロータリーダンパー114の制動力が軸体111に作用しない自由移動領域FRが含まれるため、一対の筒状部材112,113の相対的な回転角度範囲が、ロータリーダンパー114の性能(ローター部152の変位量(回転角度範囲))によって制限されることを防止できる。したがって、性能の低いロータリーダンパー114(ローター部152の変位量が小さいロータリーダンパー114)を使用しても、一対の筒状部材112,113の相対的な回転角度の範囲を大きく設定することが可能となる。すなわち、小型で安価なロータリーダンパー114を使用することが可能となり、ヒンジ構造100の小型化及び低コスト化を図ることができる。
以上、二つの実施形態により本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第一実施形態のヒンジ構造10においても、第二実施形態と同様に、直動ダンパー14に接続されて直動ダンパー14の制動力が軸体11に作用する被制動領域と、直動ダンパー14から離間して直動ダンパー14の制動力が軸体11に作用しない自由移動領域との間で、軸体11を移動させることは可能である。例えば、図2に示す状態において、軸体11がピストンヘッド53に対して回転軸線L1方向に間隔をあけて配されればよい。
例えば、第一実施形態のヒンジ構造10においても、第二実施形態と同様に、直動ダンパー14に接続されて直動ダンパー14の制動力が軸体11に作用する被制動領域と、直動ダンパー14から離間して直動ダンパー14の制動力が軸体11に作用しない自由移動領域との間で、軸体11を移動させることは可能である。例えば、図2に示す状態において、軸体11がピストンヘッド53に対して回転軸線L1方向に間隔をあけて配されればよい。
また、本発明は、上記実施形態のようなアップライトピアノに適用されることに限らず、例えばグランドピアノに適用することも可能である。また、本発明は、アップライトピアノやグランドピアノ等のように弦をハンマにより打撃するアコースティックピアノに適用されることに限らず、例えば、アコースティックピアノと同様の外観意匠を有する電子ピアノにも適用することが可能である。さらに、本発明は、鍵盤楽器に適用されることに限らず、例えば建屋の壁部(ベース部)に対して扉(揺動部材)を揺動自在に連結する建築構造などにも適用可能である。
1…ピアノ(鍵盤楽器)、2…本体(ベース部)、3…鍵盤蓋(揺動部材)、10,100…ヒンジ構造、11,111…軸体、12,112…第一筒状部材、13,113…第二筒状部材、14…直動ダンパー(ダンパー)、15,115…移動変換機構、22…スプライン軸部、24…螺旋溝(螺旋状の溝)、31,131…第一筒状部、36,146…スプライン軸用孔部、41,141…第二筒状部、47,137…係合突起、114…ロータリーダンパー(ダンパー)、122B…第二スプライン軸部、L1…回転軸線、BR…被制動領域、FR…自由移動領域
Claims (4)
- 揺動部材をベース部に対して揺動自在に連結するヒンジ構造であって、
第一筒状部を有し、前記ベース部に固定される第一筒状部材と、
第二筒状部を有し、前記揺動部材に固定される第二筒状部材と、
前記第一筒状部及び前記第二筒状部に挿入されて一対の筒状部材を相互に回転自在に連結すると共に、前記一対の筒状部材に対してその回転軸線方向に直線移動可能とされた軸体と、
前記一対の筒状部材の相対的な回転移動を、前記軸体の回転軸線方向への直線移動に変換する移動変換機構と、
前記一対の筒状部材の相対的な回転に伴う前記軸体の移動に制動力を付与するダンパーと、を備えることを特徴とするヒンジ構造。 - 前記移動変換機構が、
前記軸体の外周面に形成された螺旋状の溝と、
前記第一筒状部及び前記第二筒状部の一方の内周面から突出して設けられ、前記螺旋状の溝に挿入される係合突起と、
前記軸体の軸線方向の端部に設けられて前記第一筒状部及び前記第二筒状部の他方に挿入されるスプライン軸部と、
前記第一筒状部及び前記第二筒状部の他方に形成され、前記スプライン軸部が挿入されることで、前記第一筒状部及び前記第二筒状部の他方に対する前記軸体の回転移動を規制するスプライン軸用孔部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ構造。 - 前記軸体が、前記ダンパーに接続されて該ダンパーの制動力が前記軸体に作用する被制動領域と、前記ダンパーから離間して該ダンパーの制動力が前記軸体に作用しない自由移動領域との間で、前記回転軸線方向に移動可能とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヒンジ構造。
- 前記ダンパーが、前記軸体の直線移動に制動力を付与する直動ダンパーであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のヒンジ構造。
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