JP2015078493A - 避難用構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】津波や洪水などの波力によって台座との係止を開放しうる避難用構造物を提供する。
【解決手段】台座と台座に固設された係止開放装置と、前記係止開放装置を介して係止される避難用構造体とからなる避難用構造物であって、津波や洪水などの波が避難用構造体に水平方向に負荷された際に、避難用構造体の横移動に基づいて前記係止開放装置が作用し、台座と避難用構造体との係止を開放することを特徴とする。台座との係止が開放されるため、構造体に対する津波などの破壊力を緩和することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、避難用構造物であって、被災者が乗り込む避難用構造体と、津波などの波力によって前記構造体の係止を開放する係止開放装置とを含む避難用構造物に関する。
近年、日本各地で異常気象が観察され、経験のない大雨により各所で洪水が発生している。台風や大雨による河川の氾濫や、津波が発生した場合には、高台へ避難するのが好ましい。しかしながら、避難場所が居住地から遠方にある場合や、高台への経路が崩落や浸水などによって壊滅した場合、海岸に近いため短時間で津波に飲まれる可能性がある場合には、高台への避難が困難である。
このような緊急時に備え、基礎地盤の上に設置されるカプセル型のシェルター装置がある(特許文献1)。基礎地盤とシェルターとは連結索で連結され、津波襲来時に水によって連結索の長さまでカプセルが浮遊するというものである。一方、家屋に対して一体に付設され、家屋からの出入りが可能で、緊急時以外も使用できるシェルターもある(特許文献2)。家屋とシェルターとを分離する分離手段が配設されており、津波襲来時にシェルターを分離すると水に浮遊するという。また、建物の屋根部を密閉空間を有するシェルターで形成されたシェルター付き建物もある(特許文献3)。津波や洪水によって建物が屋根まで浸水した際に、水の力で自然に建物からシェルターが分離して浮遊するという。
特許第4084408号公報 特開2007−277998号公報 特開2012−233306号公報
津波は流速が早く、まるで壁のように立ったままで押し寄せるほど威力が強い。津波や河川の氾濫、山林の崩落時など、家屋から安全地帯に移動することが困難な場合には、家屋の1階よりも2階に上がるなど、より高いところに迅速に退避することが好ましい。前記特許文献2記載のシェルターは、家屋一体型であり容易に避難しうる点で好ましいが、シェルターを家屋の1階部分に連設するものであり、浸水被害を受けやすく、津波による瓦礫などが衝撃する可能性も高い。また、特許文献3のシェルター付き建物は、家屋の屋根部分をシェルターで構成するものであり、構築が大掛かりなものとなる。従って、安価かつ簡便に構成しうる避難用構造体が望まれる。
一方、屋根への出入りができる屋根に取り付けるハッチ(以下、屋根ハッチと称する。)が市販されている。屋根ハッチの下部にはしごなどの昇降手段を配設すれば、室内から屋根に出ることができる。屋根の陸棟から軒先に至るなだらかな傾斜は、開放感があり、ベランダなどとは異なる魅力がある。屋根ハッチを利用して夜空を眺めたり、気分転換を図ることができる。屋根ハッチを利用し、屋根ハッチに連設して屋根部に避難用構造体を配設すれば、安価に避難用構造物を構築することができる。これは、室内からの出入りも容易であるため、例えば通常時に天体観測を行うなど、多面的に活用することもできる。
しかしながら、津波や洪水時に発生する波の力は極めて強い。このため、波の力による強い衝撃によって避難用構造物が破壊され、または内部の被災者に衝撃が伝播されると、危険である。衝撃緩和策の一例として、例えば前記特許文献1では、カプセル型シェルターを連結索でつなぎ、津波襲来時に水に浮遊させているが、屋根の上の避難用構造体を何らの係止もなく構築すれば安定性に欠ける。一方、避難用構造体を屋根に固設したのでは、津波がそれ以上の高さとなった場合に水没する可能性がある。更に、前記特許文献2では、家屋の1階部分に設けたシェルターを、油圧シリンダのON/OFF操作によって切り離す方法を開示しているが、津波や洪水の際には停電することも多い。従って、電力を使用せずに津波による衝撃を緩和したり浮遊できる避難用構造体が望まれる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、屋根などの高所に配設できる避難用構造物を提供することを目的とする。
また本発明は、停電の際にも津波や洪水の波の力による衝撃を緩和したり、浮遊することができる、避難用構造物を提供することを目的とする。
本発明者は、被災者を収納できる避難用構造体に台座を設け、台座と避難用構造体とを係止し、津波などの被災時にこの係止を開放すれば、津波による避難用構造体への衝撃を緩和できること、台座を屋根の上に固設すれば、例えば屋根ハッチなどを使用して室内から屋根に移動して避難用構造体に入室して避難できることなどを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、上下動可能な錐状凸部部材を有する係止開放装置と、前記錐状凸部部材が天面より突出するように前記係止開放装置を固設する台座と、前記錐状凸部部材と嵌着する逆錐状凹部が底部に形成された避難用構造体とを含む避難用構造物であって、
前記避難用構造体は、前記逆錐状凹部と前記錐状凸部部材とを嵌着して前記台座に係止され、
前記係止開放装置は、前記台座に係止された避難用構造体に水平方向の力が負荷された際に、避難用構造体の横移動に基づいて前記錐状凸部部材を前記台座の天面より下方に移動させ、前記錐状凸部部材と逆錐状凹部とを嵌脱し、前記台座と避難用構造体との係止を開放するものである、避難用構造物を提供するものである。
また本発明は、更に前記構造体を固定する固定手段が配設されることを特徴とする、上記避難用構造物を提供するものである。
本発明は、前記構造体は、箱体、船体、カプセル、または筏のいずれかである、上記避難用構造物を提供するものである。
また本発明は、前記台座は、家屋の屋根に配設された屋根ハッチと連設して配設され、前記構造体は、底部に前記屋根ハッチから侵入可能な入り口部を有する箱体またはカプセルであることを特徴とする、上記避難用構造物を提供するものである。
本発明によれば、台座と避難用構造体とが係止開放部材によって係止され、かつ波などの災害時に発生する力によってこの係止を開放できるため、電力を使用せずに避難用構造体に負荷される衝撃を緩和することができる。
本発明の実施形態に係る避難用構造物の一例を示す部分断面図である。 截頭円錐状凸部部材を有する円柱と逆截頭円錐状凹部を有する円柱との嵌着体に横から力がかかった場合、截頭円錐状凸部部材の傾斜に沿って逆截頭円錐状凹部を有する円柱が移動することを説明する図である。 (a)は、台座に固定された係止開放装置と避難用構造体とが係止される状態を説明する図であり、(b)は、避難用構造体に水平方向に力が掛かった場合に避難用構造体の横移動に連動して係止開放装置の錐状凸部部材が下方に移動する状態を説明する図であり、(c)は、係止が開放された後の台座と避難用構造体との状態を説明する図である。 (a)は、係止開放装置の斜視図であり、(b)は台座を構成する枠の対向する面に、それぞれ係止開放装置を固設した状態を説明する図である。 (a)は、台座と、台座に固設した係止開放装置と、係止開放装置を介して台座に係止される避難用構造体との関係を説明する図である。また、(b)は、避難用構造体に水平方向に力が加わった場合の、係止開放装置の動きを説明する図である。 方形の避難用構造体の隣接する2面のいずれかから力Fが負荷された場合に錐状凸部部材が台座の天面より下方に移動する係止開放装置の他の一例を示す図である。 避難用構造体と台座とが、固定手段によって固定された状態を説明する図である。 (a)は、台座、避難用構造体、および固定手段の部分断面図であり、(b)は、固定手段を構成する掛止部材と掛止解除部材とを説明する図である。
本発明は、上下動可能な錐状凸部部材を有する係止開放装置と、前記錐状凸部部材が天面より突出するように前記係止開放装置を固設する台座と、前記錐状凸部部材と嵌着する逆錐状凹部が底部に形成された避難用構造体とを含む避難用構造物であって、前記避難用構造体は、前記逆錐状凹部と前記錐状凸部部材とを嵌着して前記台座に係止され、前記係止開放装置は、前記台座に係止された避難用構造体に水平方向の力が負荷された際に、避難用構造体の横移動に基づいて前記錐状凸部部材を前記台座の天面より下方に移動させ、前記錐状凸部部材と逆錐状凹部とを嵌脱し、前記台座と避難用構造体との係止を開放するものである、避難用構造物である。以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
(1)避難用構造物
図1は、本発明の実施態様の好適な一例を示す部分断面図である。屋根101の上方に、家屋100から延設され、避難用構造物を支えるに充分な強度と耐震性を有する支柱102を介して台座10が固設され、この台座10に、錐状凸部部材21を有する係止開放装置20が固設されている。避難用構造体30の底部には逆錐状凹部31が形成されており、前記係止開放装置20の錐状凸部部材21に避難用構造体30の逆錐状凹部31が嵌着により係止されている。更に、避難用構造体30は、固定手段40を介して台座10に固定されている。台座10は、四角い枠組み11からなり、従って中央部は人が出入りできる開放部12となっている。なお、避難用構造体30の底部も、人が出入りできるように開閉扉32が配設されている。台座10の下方には屋根ハッチ50が配設されている。台座10と屋根ハッチ50との間は、風雨の侵入を回避できる被覆部材60で連設されている。なお、屋根ハッチ50の下部には、室内103から屋根101へ出られるように、階段104が配備されている。
図1に示す避難用構造体30は、底部に開放扉32を有し、かつ液密に構成された避難用カプセルである。カプセル上部に出入り用開閉扉33と、カプセル内に内梯子34とが配設され、更に室内から外部を観察できる望遠鏡35や錨36などが配備されている。カプセルの内壁37は発泡スチロールなどの緩衝材や断熱材で構成され、カプセルが衝突した際の衝撃や外界の温度変化を緩和することができる。しかも、発泡スチロールは低比重であるため、カプセルを水に浮遊させることができる。なお、カプセル外周には図示しないタラップが配設され、更に、カプセル内には図示しない水や食料などの飲食品、電池、ラジオ、照明具、簡易トイレその他が備蓄されてもよい。
なお、図1は、屋根ハッチ50、台座10、および避難用構造体30が被覆部材60を介して連設される態様を示すが、屋根ハッチ50と台座10とは連結していなくてもよい。例えば、屋根ハッチ50から屋根101に出た後、屋根伝いに避難用構造体30に設けた上部の出入り用開閉扉33からカプセル内に入室してもよい。
更に、台座10は、陸棟から軒先にかけて傾斜を有する屋根101に固設される場合に限定されない。配設した場所に固設できるものであれば、例えば、傾斜のない屋上に固設されるものでもよく、庭や野原などの平地に埋設され、あるいは庭や野原に架設した櫓に固設されるものでもよい。更に、海岸や河原などの水辺に設けた櫓に固設されるものであってもよい。櫓に梯子を掛ければ、台座10に係止された避難用構造体30に入室することができる。
(2)避難方法
津波や洪水などの災害時、例えば高台に避難できない緊急時には、家屋100の室内103から階段104を上って屋根ハッチ50の開閉扉51を開ける。屋根ハッチ50は避難用構造体30の底部に連設されている。被覆部材60で囲まれた空間を通り抜けて避難用構造体30の底部に配設された開閉扉32を開け、室内に入る。入室後に避難用構造体30の開閉扉32を閉じれば、液密を確保することができる。なお、図1では、避難用構造体30は、固定手段40を介して台座10に固定されている。なお、固定手段40は、後記するように、台座10と避難用構造体30とを固定すると共に、要時、前記固定を解除しうる機構を有している。
避難用構造体30に入室した後、津波や洪水による破壊が間近に迫った場合には、固定手段40を操作して台座10と避難用構造体30との固定を解除する。固定手段40は、台座10と避難用構造体30とを固定でき、かつ電力を使用せずにこの固定を解除することができる。避難用構造体30は、台座10と避難用構造体30との固定を解除した後も、係止開放装置20によって台座10と係止され、安定している。
台座10に係止された避難用構造体30に、津波や洪水などの波力によって水平方向に力が負荷されると、前記波力に対応して避難用構造体30が水平に移動し、この動きに連動して係止開放装置20が作動し、台座10と避難用構造体30との係止を開放する。係止開放装置20によって、津波や洪水が避難用構造体30を襲撃しても、波力に任せて避難用構造体30が揺動するため波力による衝撃を緩和し、または避難用構造体30の浮遊により水没を回避することができる。
なお、水平方向の力が加わることがなく水によって水位が上昇した場合には、避難用構造体30は浮力により台座10から浮上し係止を開放することができる。
(3)係止開放装置
避難用構造体30は、台座10に固設された係止開放装置20の錐状凸部部材21と、避難用構造体30の底部に形成した逆錐状凹部31との嵌着により、台座10に係止される。本発明における係止開放装置20は、このように台座10と避難用構造体30とを係止すると共に、係止された台座10と避難用構造体30との係止を開放する機構を有するものである。係止を開放することで、津波や洪水による波力の衝撃から避難用構造体30を保護することができる。
係止開放装置20に配設される錐状凸部部材21は、先端に向かって傾斜を有する凸部を有する部材である。錐状凸部としては、三角錐状凸部部材、四角錐状凸部部材などの多角錐状凸部部材のほか、円錐状凸部部材であってもよい。更に、錐状を一部に有する截頭錐状凸部部材であってもよい。錐状凸部部材21は、避難用構造体30を係止しうる強度を有すると共に、避難用構造体30の底部に設けた逆錐状凹部と容易に脱嵌しうる摺動性を有することが好ましい。従って、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレスなどの金属や、RPFなどのプラスチック、木材などで構成されることが好ましい。なお、係止開放装置20を構成する他の部材も、その機能を発揮できればよく、金属やプラスチック、木材などで構成することができる。
図2(a)に、截頭円錐状の円柱21’と、逆截頭円錐状凹部が形成された円柱31’とを示す。図2(b)は、前記円柱21’に前記円柱31’を嵌着した態様を説明する図である。円柱21’の截頭円錐状凸部の内部の傾斜角をαとすれば、円柱31’に水平方向から力Fを加えると、垂直方向にF・sinαの力が加わり、円柱31’が円柱21’の円錐面に沿って頂部側に移動する。
本発明で使用する係止開放装置20の錐状凸部部材21と避難用構造体30の逆錐状凹部31も、上記と同様に作動する。図3(a)に、台座10と係止開放装置20と避難用構造体30との関係を模式的に示す。図3(a)は、台座10に、係止開放装置20の錐状凸部部材21が台座10の天面13より突出するように固設される状態を示す。避難用構造体30は底部に逆錐状凹部31が形成されており、前記逆錐状凹部31と前記錐状凸部部材21とを嵌着して台座10に係止される。図3(b)に、津波や洪水などによる避難用構造体30に負荷される水平方向の力Fを矢印で示す。避難用構造体30に水平方向から力Fが付加されると、前記錐状凸部部材21の傾斜に沿って避難用構造体30全体が横移動する。この避難用構造体30の横移動に連動し、係止開放装置20の作動レバーs1その他が動き、錐状凸部部材21が下方に移動する。図3(c)に、錐状凸部部材21が台座10の天面13より下方に移動し、避難用構造体30と台座10との係止が開放された状態を示す。なお、錐状凸部部材21は自重により回転する。図3(c)に、回転後の錐状凸部部材を符号21’で示す。
係止開放装置20は、台座10に対して上下動可能な錐状凸部部材21を有すると共に、避難用構造体30の横移動に連動して前記錐状凸部部材21を下方に押し下げる機構を有する。このような係止開放装置20の斜視図を図4(a)に示し、四角い枠11からなる台座10に2組の係止開放装置20を平行して固設した際の部分透過図を図4(b)に示す。なお、図4(a)は、係止開放装置20に2つの錐状凸部部材21が配設される態様である。
図4(a)に示すように、係止開放装置20は、ショートバーb1、連結バーb2、ショートバーb3を介して作動レバーs1と作動レバーs2とが連設され、前記連結バーb2の両端に、それぞれL字金具を介して錐状凸部部材21が連設される。この係止開放装置20は、作動レバーs1の下部に配設した回転支持可能な固定金具k1と、作動レバーs2の中央部に配設した回転支持可能な固定金具k2とを介して台座10に固設される。L字金具の屈曲部に形成した貫通孔h1、h2は軸受用のピン孔であり、各軸受は予め台座10に固定されている。貫通孔h1、h2と各軸受に軸を差し込んで抜け止めを施せば、台座10の所定位置にL字金具を配設することができる。このように固定された係止開放装置20は、固定金具k1、k2、貫通孔h1、h2が支点となり、作動レバーs1の動きに伴って各部材が連動して作用する。なお、錐状凸部部材21およびL字金具の自重と、軸受と貫通孔h1、h2の遊びによって錐状凸部部材21が天面13より垂下しないように、垂下防止機構を設けてもよい。このような垂下防止機構としては、例えば、台座10の連結バーb2の中央下部辺りに設けた圧縮バネを使用するものがある。圧縮バネを、連結バーb2の水平方向への動きを確保し、かつ垂下を防止しうる様に配設する。また、台座10に懸架または固設されたバネなどに連結バーb2を懸吊し、連結バーb2の水平方向への動きを確保し、かつ垂下を防止するものであってもよい。
上記構成による係止開放装置20の動きを図5を用いて説明する。図5(a)は、避難用構造物に水平方向の力が加わる面を正面とした場合、台座10と避難用構造体30とが係止された状態の係止開放装置20の側面図である。k1、k2、h1、h2は台座10に固定され、作動レバーs1、s2はそれぞれ避難用構造体30の正面および背面と接触している。図5(b)に示すように、津波や洪水などの水平方向の波力Fが避難用構造体30に付加されると、台座10に固設された係止開放装置20の錐状凸部部材21に沿って避難用構造体30が横移動する。この横移動に連動して作動レバーs1が固定金具k1を支点として外側に傾斜t1し、傾斜t1に連動してショートバーb1が作動レバーs1側に移動t2し、ショートバーb1の移動t2に連動してL字金具がh1を支点として下方に回転t3する。この回転t3により錐状凸部部材21が台座10の天面13より下方に移動する。また、ショートバーb1の移動t2に連動して連結バーb2も作動レバーs1側に移動t4し、この移動t4に連動して貫通孔h2のピンを支点としてL字金具が下方に回転t5し、この回転t5に連動して錐状凸部部材21が台座10の天面13より下方に移動する。なお、前記回転t5に連動してショートバーb3が移動t6し、この移動t6に連動して作動レバーs2が固定金具k2を支点として傾斜t7する。なお、錐状凸部部材21が台座10の天面13より下方に移動すると、自重によりその先端を下部に回転する。図5(b)に示す符号21’は、回転後の錐状凸部部材である。
図5(b)は、作動レバーs2が接触する面に力Fが負荷され、作動レバーs1が傾斜t1する態様を示した。しかしながら、この係止開放装置20は、作動レバーs1が接触する面に、図示しない力F’が負荷された場合にも、上記と逆方向に作動して係止を開放することができる。力F’によって避難用構造体30が作動レバーs2側に移動すると、これに連動して作動レバーs2が固定金具k2を支点に傾斜t7し、この傾斜t7に連動してショートバーb3が作動レバーs1側に移動t6し、この移動t6に連動して貫通孔h2のピンを支点としてL字金具が下方に回転t5し、錐状凸部部材21が台座10の天面13より下方に移動する。更に、L字金具の回転t5に連動して連結バーb2が作動レバーs1側に移動t4し、この移動t4に連動して貫通孔h1のピンを支点としてL字金具が下方に回転t3し、錐状凸部部材21が台座10の天面13より下方に移動する。
係止開放装置20は、津波や洪水などの波の移動方向を勘案して台座10に設置することが好ましい。避難用構造体30の水平移動に連動して係止開放装置20が作動するため、津波や洪水による避難用構造体30の移動方向を予測して台座10に係止開放装置20を配設する。例えば、作動レバーs1または作動レバーs2が海と対向するように、係止開放装置20を配設する。なお、図4(b)では、台座10に2組の係止開放装置20を平行して固設する態様を示したが、これに限定されない。係止開放装置20の構成は、避難用構造体30のサイズや、底部に設けた開閉扉32のサイズや位置などに応じて適宜選択することができる。
図4(b)では説明を簡便に行うため、避難用構造体30の一の面、例えば正面から水平方向の力Fが負荷される態様を示したが、係止開放装置20は更に側面から水平方向の力Fが付加された場合に、作動バーs1または作動バーs2が作動するように構成してもよい。このような係止開放装置20の一例を図6に示す。図6に示す係止開放装置20は、組(I)と組(II)とが交差して1つの係止開放装置20を構成すること、組(I)は、図4(b)と相異して錐状凸部部材21を連設するL字金具とL字金具とが更に連結バーb4で連設され、かつこれが2つ集まって作動レバーs1、s2を共通する1組を構成していること、組(II)は、組(I)と相異して錐状凸部部材21に代えて連結バーb4を押圧する押圧パットpが連結バーb2に固設されていることである。説明の便宜のため、図6において、図4(a)と共通する部材は同じ符号を使用し、組(II)の作動レバーは、それぞれ作動レバーs3、s4とした。
この係止開放装置20で方形の避難用構造体30を係止するには、作動レバーs1、s2、s3およびs4が避難用構造体4の各壁にそれぞれ接触するように台座10に取り付ければよい。
この係止開放装置20による係止開放の動きは以下の通りである。力Fの負荷される面毎に説明する。
図5(b)と同様に作動レバーs2が接触する面に力Fが負荷されると、組(I)の作動レバーs1が固定金具k1を支点として外側に傾斜t1し、傾斜t1に連動してショートバーb1が作動レバーs1側に移動t2し、ショートバーb1の移動t2に連動してL字金具が貫通孔h1のピンを支点として下方に回転t3する。この回転t3により錐状凸部部材21が台座10の天面13より下方に移動する。また、ショートバーb1の移動t2に連動して連結バーb2も作動レバーs1側に移動t4し、この移動t4に連動して貫通孔h2のピンを支点としてL字金具が下方に回転t5し、この回転t5に連動して錐状凸部部材21が台座10の天面13より下方に移動する。なお、L字金具の回転t5に連動してショートバーb3が作動レバーs1側に移動t6し、この移動t6に連動して作動レバーs2が固定金具k2を支点に傾斜t7する。なお、2つのL字金具を連結する連結バーb4は、前記L字金具の回転t3、t5に対応して作動レバーs2側に移動しつつ下方に降下t8する。
作動レバーs1が接触する面に力Fが負荷された場合には、上記と逆の順序で組(I)の各部材が上記と同じ方向に移動し、係止を開放する。
作動レバーs4が接触する面に力Fが負荷された場合は、組(II)の作動レバーs3が固定金具k1を支点として外側に傾斜t1’し、傾斜t1’に連動してショートバーb1が作動レバーs3側に移動t2’し、ショートバーb1の移動t2’に連動して2つのL字金具がそれぞれ貫通孔h1、h2のピンを支点として下方に回転t3’、t5’する。この回転t3’、t5’に連動して2つのL字金具を連結する連結バーb4が作動レバーs4側に移動しつつ下方に降下t8する。回転t3’、t5’に連動して、連結バーb2、ショートバーb3もそれぞれ作動レバーs3側に移動t4’、t6’する。ショートバーb3の移動t6’に連動して作動レバーs4が固定金具k2を支点に傾斜t7’する。一方、前記連結バーb4の降下t8によって、組(I)の連結バー4が押圧t9される。この押圧t9に連動して、組(I)の2つのL字金具がそれぞれ貫通孔h1、h2のピンを支点に回転t3,t5し、これと連動して錐状凸部部材21が台座10の天面13より下方に移動する。L字金具の回転t3、t5に連動して連結バーb2の移動t4、ショートバーb1の移動t2、作動レバーの傾斜t1、ショートバーb3の移動t6、作動レバーs2の傾斜t7が同時に発生する。
作動レバーs3が接触する面に力Fが負荷された場合は、組(II)の作動レバーs4が固定金具k2を支点として外側に傾斜t7’し、傾斜t7’に連動してショートバーb3が作動レバーs3側に移動t6’し、ショートバーb3’の移動t6’に連動して2つのL字金具がそれぞれ貫通孔h1、h2のピンを支点として下方に回転t3’、t5’する。この回転t3’、t5’に連動して2つのL字金具を連結する連結バーb4が作動レバーs4側に移動しつつ下方に降下t8する。また前記回転t3’、t5’に連動して連結バーb2、ショートバーb1もそれぞれ作動レバーs3側に移動t4’、t2’する。ショートバーb1の移動t2’に連動して作動レバーs3が固定金具k1を支点に傾斜t1’する。一方、前記連結バーb4の降下t8によって、組(I)の連結バーb4が押圧t9される。この押圧t9に連動して、組(I)の2つのL字金具がそれぞれ貫通孔h1、h2のピンを支点に回転t3,t5し、これと連動して錐状凸部部材21が台座10の天面13より下方に移動する。L字金具の回転t3、t5に連動して連結バーb2の作動レバーs1側への移動t4、ショートバーb1の作動レバーs1側への移動t2、作動レバーs1の固定金具k1を支点とする傾斜t1、およびショートバーb3の作動レバーs1側への移動t6、作動レバーs2の固定金具k2を支点とする傾斜t7が同時に発生する。
図6に示す係止開放装置20によって係止を開放する際は、何れの方向から力Fが負荷された場合でも、組(I)、組(II)を構成する各部材の移動方向は同じである。従って、方形の避難用構造体30を構成するいずれかの側面に力Fが負荷される場合に限定されず、2つの側面からなる角部に力Fが負荷される場合でも、上記と同様にして錐状凸部部材21を台座10の天面13より下方に移動させ、台座10と避難用構造体30との係止を開放することができる。
なお、本発明で使用する係止開放装置20は、錐状凸部部材21を有することを特徴とする。係止のみであれば先端が錐状凸部である必要はない。しかしながら錐状凸部部材21を使用すると、避難用構造体30に波力などが付加された際に避難用構造体30が波の揚力によって避難用構造体30を浮き上がらせ、かつ波の水平方向の力によって錐状の傾斜に沿って避難用構造体30を移動させることができる。
(4)避難用構造体
避難用構造体30は、底面に逆錐状凹部31が形成される。逆錐状凹部は、係止開放装置20との嵌着による係止を達成するものである。従って、台座10に固設する係止開放装置20の錐状凸部部材21の形状に対応して逆錐状凹部31の形状やサイズが選択される。逆錐状凹部31としては、逆三角錐状凹部、逆四角錐状凹部などの逆多角錐状凹部のほか、逆円錐状凹部、逆截頭多角錐状凹部、逆截頭円錐状凹部であってもよい。避難用構造体30は、少なくとも底部に逆錐状凹部31を有すればよく、材質その他は、シェルターとしての機能を発揮し得るものを広く使用することができる。
また、前記図1では、避難用構造体30として避難用カプセルを例示したが、これに限定されるものではない。従って、例えば、船体や筏、水に浮遊する屋根のない避難用箱体などであってもよい。前記船体は、ゴム製やビニール製のボートなどであってもよい。この場合、底部に逆錐状凹部31が形成された板状物に、ゴムやビニール製のボートなどを離脱可能に固設して、全体を避難用構造体30とすることができる。台座10に係止開放装置20を介して前記板状物を係止すれば、係止解放後にこの板状物に固定されたボートなどを避難用構造体として使用することができる。船体などを避難用構造体30として使用する場合は、例えば、屋根ハッチ50から屋根101に出た後に、屋根伝いに台座10に係止された船体に乗り込むことができる。避難用構造体30が、板状物に離脱可能に固設したボートの場合は、係止解放後に板状物とボートとを離脱すればよい。
図1では、避難用構造体30に、底部に設けた開閉扉32から入室する態様を示したが、入室方法はこれに限定されない。前記したように、屋根ハッチ50から屋根101に出た後、屋根伝いに台座10に係止された避難用構造体30に上部の開閉扉33から入室することもできる。他からの入室が可能であれば、避難用構造体30の底部に開閉扉32を形成する必要はない。なお、避難用構造体30が略方形の箱型の場合には、地面着地時に瓦礫その他の障害物に衝突して反転する場合がある。この場合でも、避難用構造体30の底部と上部にそれぞれ開閉扉32、開閉扉33が存在すれば、いずれかの開閉扉から脱出することができる。
なお、避難用カプセルなどの避難用構造体30は、通常時は、天体望遠鏡を持ち込み天体観測用に使用したり、室内で植物を生育したり、その他の個室として使用することができる。更に、このような常時使用は避難訓練の一環となる。
(5)台座
台座10は、係止開放装置20を固設でき、避難用構造物の移動を抑制しうる固定性を有し、かつ避難用構造体30を支持しうる耐荷重性、外部に配設しても腐食しない耐候性などを有する部材で構成されることが好ましい。このような部材としては、木材、プラスチック、金属、およびこれらの複合体などを例示することができる。台座10のサイズや形状も特に限定はなく、避難用構造体30のサイズなどに応じて適宜選択することができる。従って、図1と同様に四角い枠状物であってもよく、単なる板状物であってもよい。図1では、避難用構造体30の底部から入室する態様を示したため、台座10にも中央に開放部12が形成されたが、これに限定されるものでもない。また、図4では、台座10の内部に係止開放装置20が収納される態様で説明したが、係止開放装置20を台座10に固設する方法も、その機能が発揮できれば上記に限定されるものではない。
(6)固定手段
避難用構造体30と台座10とは、固定手段40によって固定される。係止開放装置20との係止のみでは、強風、竜巻、地震その他の力が付与された場合に、避難用構造体30が台座10から離脱する場合がある。しかしながら固定手段40を配設することで、通常の建築物と同様の安定性を確保することができる。
本発明で使用する固定手段40は、避難用構造体30と台座10とを固定すると共に、この固定を解除する機能を有する。台座10と避難用構造体30とが固定されたままでは、係止開放装置20によって、台座10と避難用構造体30との係止を開放することができないからである。なお、固定方法としては掛止による固定、押圧による固定、締結による固定、嵌着による固定、その他がある。また、固定解除方法も前記した固定方法に対応して、掛止解除、押圧解除、締結解除、脱嵌などがある。固定手段を構成する部材は、固定方法や固定解除方法に応じて適宜選択することができる。なお、固定手段40は、停電などの際にも台座10と避難用構造体30との固定を解除できるように、電気などのエネルギーを使用しない方法であることが好ましい。
固定手段40として、例えば台座10に固設され、避難用構造体30を掛止する掛止部材41と、避難用構造体30に固設された掛止解除部材42とがある。掛止によって台座10と避難用構造体30とを固定するものであり、機械的強度に優れる金属などで構成されることが好ましい。このような固定手段40が配設された避難用構造体30の斜視図を図7に示す。
避難用構造体30の底部には、開閉扉32を構成する枠組みが配設されている。台座10の外周に掛止部材41を構成する部材の一部が固設され、開閉扉32の枠組みと避難用構造体30の内壁との間にも掛止部材41を構成する部材の一部が固設されている。掛止部材41には、掛止解除部材42の一部を構成するクサビwが挿入される。掛止解除部材42は、クサビw、クサビwに連接される押し棒p1、ロングレバーp2を介して作動レバーp3等から構成される。ロングレバーp2の略中央部は、避難用構造体30の天面部に固設されたレバー支持部材39で固定される。作動レバーp3を下方に引き下げると、ロングレバーp2がレバー支持部材39を支点として回動し、他端が上方に移動する。この移動に連動して押し棒p1が上方に移動し、連設するクサビwが掛止部材41から離脱し、台座10と避難用構造体30との掛止が開放される。図7では、作動レバーp3の両端にそれぞれロングレバーp2、押し棒p1およびクサビwが延設され、2つの作動レバーp3の操作によって4箇所全ての掛止解除部材42が離脱できる仕組みとなっている。
図8を用いて、掛止部材41および掛止解除部材42による台座10と避難用構造体30との固定と前記固定を解除する方法について、より詳細に説明する。図8(a)は、台座10と避難用構造体30とが、掛止部材41および掛止解除部材42によって固定される態様の部分断面図であり、図8(b)は、掛止部材41および掛止解除部材42の一部の斜視図である。
掛止部材41は、回動可能に固定された固定バーr1を含み、固定バーr1には止金r2が一体に形成されている。この止金r2は、避難用構造体30の側壁と開閉扉32を構成する枠組みとの間に固設された、バネr3が収納されたパイプr4に挿入されている。なお、固定バーr1は、取り付け台r5に、固定レバーピンr6を介して回転可能に固設され、前記取り付け台r5は、ボルト穴r7にボルトを貫通して台座10に固定されている。避難用構造体30に固設されたパイプr4の開閉扉32側の端部内周には螺状の溝が切られている。この螺状の溝に、中心にガイド棒r8を嵌挿できる貫通穴が形成され、外周に螺状の溝が切られ、かつ一端が六角の細径に構成された調整ネジr9が、前記六角の細径をスパナ等で回転させ螺着されている。調整ネジr9にはガイド棒r8が嵌挿され、ガイド棒r8のパイプr4内の端部には当板11が、パイプr4の外側端部にはナットr10が装着されている。なお、取り付け台r5には、クサビwを挿入して固定バーr1の回動を停止するクサビ受けr12が一体に形成されている。なお、クサビwの上端は、ピンcを介して押し棒p1に延設されている。
この掛止部材41は、避難用構造体30に固設されたパイプr4に、台座10に回転自在に固設された固定バーr1の止金r2を挿入して台座10と避難用構造体30とを掛止するものである。止金r2をパイプr4に挿入した状態でクサビ受けr12にクサビwを挿入することで、バネr3の反発による固定バーr1の回動を抑制し、前記掛止を維持することができる。
台座10と避難用構造体30との固定を解除するには、避難用構造体30の内部に延設された作動レバーp3を引き下げればよい。作動レバーp3に連設されるロングレバーp2が、レバー支持部材39を支点として回動し、ロングレバーp2の他端が上向きに移動する。この移動に連動して押し棒p1が上方に移動し、この動きに連動してクサビwが取り付け台r5の固定バーr1とクサビ受けr12との間から離脱する。固定バーr1の止金r2は、パイプr4内に収納されたバネr3の弾性力によってクサビ受けr12側に回転するように負荷を受けている。クサビwがクサビ受けr12から離脱すると、前記バネr3の弾性力によって固定バーr1がクサビ受けr12側に回転し、止金r2がパイプr4から離脱し、避難用構造体30と台座10との掛止による固定が開放される。避難用構造体30に配設された2つの作動レバーp3を同時に引き下げれば、4箇所全てのクサビwをクサビ受けr12から離脱させ、止金r2による全ての掛止を解除することができる。
固定バーr1とクサビw、およびクサビ受けr12の構造は、クサビwがクサビ受けr12から離脱し、パイプr4に収納されたバネr3の弾性力によりパイプr4から止金r2を離脱できればその構造に限定はない。ただし、固定バーr1の横幅Bとクサビ受けr12の開放幅Aとの関係をA>Bとすれば、クサビwが離脱した後にバネr3の弾性力によって固定バーr1がクサビ受けr12の開放幅Aを通過して速やかに半回転し、確実に止金r2をパイプr4から離脱させることがきる。なお、固定バーr1は回転後に自重により垂下する。図8(a)の符合r1’は、このように垂下した状態の固定バーr1を示す。なお、固定バーr1が固定レバーピンr6を支点に回動し、パイプr4から離脱しても、バネr3は、ガイド棒r8に装着したナットr10と当板r11とによってパイプr4内に留まることができる。
上記は、パイプr4が、避難用構造体30と開閉扉32の枠組みとの間に固設される態様であったが、パイプr4が避難用構造体30に固設できれば上記に限定されるものではない。パイプr4を、避難用構造体30の機械的強度に優れる内壁や、別個に設けた支持部材で固定するものなどであってもよい。
上記は、掛止による固定手段を説明したが、他の方法による固定および固定解除方法であってもよい。例えば、台座10と避難用構造体30とを一体として締結部材で固定し、固定解除を希望する際に、前記締結部材を切断する方法であってもよい。
(7)被覆部材
被覆部材60は、避難用構造体30と屋根ハッチ50との間を連設する部材である。風雨の際にも屋根ハッチ50から室内に風雨が入り込むのを防止することができる。木材や金属板、プラスチックシートやゴムシート、その他で台座10と屋根ハッチ50との間を被覆することができる。この際、被覆部材60は、台座10から避難用構造体30が移動する際の移動を妨げるものであってはならない。この要件を満たせば、被覆部材60の材質に制限はない。前記したように、避難用構造体30は、係止開放装置20によって台座10から分離されるが、被覆部材60によって台座10と避難用構造体30とが相互に固設される場合には、上記手段による台座10と避難用構造体30との分離が阻害されるからである。従って、被覆部材60は、材料と取り付け方法とを適宜選択し、通常は室内への液密を確保でき、係止開放装置の作動時には、破断、分離、分解、嵌脱その他によって屋根ハッチ50と避難用構造体30とを分離しうるように配設する。
(8)屋根ハッチ
屋根ハッチ50としては、市販品を使用することができる。室内103から屋根101に出るための開放扉51が形成されていればよい。更に前記被覆部材60によって閉鎖された空間に、避難用構造体30を経て屋根ハッチ50近傍に入り込んだ水を抜き出すために、屋根ハッチ50の上部にドレイン52が配設されるものであってもよい。
その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
10・・・台座、
11・・・枠、
12・・・開放部、
20・・・係止開放装置、
21・・・錐状凸部部材、
30・・・避難用構造体、
31・・・逆錐状凹部、
32、33・・・開閉扉、
34・・・内梯子、
35・・・望遠鏡、
36・・・錨、
37・・・内壁、
38・・・固定部材、
39・・・レバー支持部材、
40・・・固定手段、
41・・・掛止部材、
42・・・掛止解除部材、
50・・・屋根ハッチ、
51・・・開閉扉、
52・・・ドレイン、
60・・・被覆部材
100・・・家屋、
101・・・屋根、
102・・・支柱、
103・・・室内、
104・・・階段

Claims (4)

  1. 上下動可能な錐状凸部部材を有する係止開放装置と、前記錐状凸部部材が天面より突出するように前記係止開放装置を固設する台座と、前記錐状凸部部材と嵌着する逆錐状凹部が底部に形成された避難用構造体とを含む避難用構造物であって、
    前記避難用構造体は、前記逆錐状凹部と前記錐状凸部部材とを嵌着して前記台座に係止され、
    前記係止開放装置は、前記台座に係止された避難用構造体に水平方向の力が負荷された際に、避難用構造体の横移動に基づいて前記錐状凸部部材を前記台座の天面より下方に移動させ、前記錐状凸部部材と逆錐状凹部とを嵌脱し、前記台座と避難用構造体との係止を開放するものである、避難用構造物。
  2. 更に前記構造体を固定する固定手段が配設されることを特徴とする、請求項1記載の避難用構造物。
  3. 前記構造体は、箱体、船体、カプセル、または筏のいずれかである、請求項1または2記載の避難用構造物。
  4. 前記台座は、家屋の屋根に配設された屋根ハッチと連設して配設され、前記構造体は、底部に前記屋根ハッチから侵入可能な入り口部を有する箱体またはカプセルであることを特徴とする、請求項2記載の避難用構造物。
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