JP2015077869A - 自動二輪車のアンダーカウル構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクト化を図りながら、過給機及びその周辺部品の防護性や冷却性を効果的に実現する自動二輪車のアンダーカウル構造を提供する。【解決手段】シリンダヘッドの前側にエキゾーストパイプ32が接続されると共に、シリンダヘッドの後側にスロットルボディが接続されるエンジンと、燃焼用の空気を圧縮する過給機30と、過給機30によって圧縮された空気を冷却するためのインタークーラと、インタークーラからの空気をスロットルボディに流すサージタンクとを備える。過給機30はエンジンの前側下方に配置され、過給機30の左右を合成樹脂製のアンダーカウル119で覆うと共に、その前方を金属製のアンダーガード36で覆う。【選択図】図9
Description
本発明は、自動二輪車等の車両におけるアンダーカウルの構造に関するものである。
自動二輪車等の車両において、内燃機関であるエンジンの燃費改善と出力向上を図るために、エンジンの排気量ダウン及び過給機の組合せを用い、即ちエンジンの小排気量化と過給機による吸気効率の向上を同時に行う場合がある。
エンジンの前方下部且つアンダーカウルで覆われた空間内に、過給機(ターボチャージャ)を配置する構造の公知公報として、例えば特許文献1が開示されている。なお、過給機を用いると、過給機により加圧された空気が高温になるため、そのままでは吸気効率低下の原因になる。吸気効率を犠牲しないように吸気を冷却すべくインタークーラが追加される。このように過給機を使用する場合には通常、インタークーラが併用される。
特許文献1のものでは、過給機のコンプレッサの発熱に対して継ぎ手にゴムを使用して熱伝達を防いだり、コンプレッサの前面のアンダーカウルに導風穴を開けて走行風を取り入れて冷却している。このため過給機の周囲部品への熱害対応にコストや部品点数がかかっている。
また、前輪の後方に位置している中心部に導風穴を開けているので、泥水や土砂からの飛散に曝されることになり、コンプレッサの破損に繋がってしまう。また、アンダーカウルを熱可塑性樹脂で形成した場合、耐熱性に限度があるため発熱部品(コンプレッサ)から隙間を多く取る必要が有り、結果的に前輪から後輪スイングアームのピボットシャフトまでの距離が伸びるので、車両のコンパクト化の阻害要因となる。
本発明はかかる実情に鑑み、コンパクト化を図りながら、過給機及びその周辺部品の防護性や冷却性を効果的に実現する自動二輪車のアンダーカウル構造を提供することを目的とする。
本発明の自動二輪車のアンダーカウル構造は、シリンダヘッドの前側にエキゾーストパイプが接続されると共に、前記シリンダヘッドの後側にスロットルボディが接続されるエンジンと、吸入した燃焼用の空気を圧縮する過給機と、この過給機によって圧縮された空気を冷却するためのインタークーラと、このインタークーラからの空気をスロットルボディに流すサージタンクとを備える自動二輪車において、前記過給機は前記エンジンの前側下方に配置され、該過給機の左右を合成樹脂製のアンダーカウルで覆うと共に、その前方を金属製のアンダーガードで覆ったことを特徴とする。
また、本発明の自動二輪車のアンダーカウル構造において、前記アンダーガードは、前記過給機とその上方のラジエータの間から前記過給機を覆うように設定され、前記アンダーガードは車幅方向で前輪タイヤと同等の幅を有すると共に、該前輪タイヤとセンタ一致で配置されることを特徴とする。
また、本発明の自動二輪車のアンダーカウル構造において、前記アンダーガードは車両側面視において、その上端部がラジエータカバーの最前面を延長した線よりも前記過給機側に設定されていることを特徴とする。
また、本発明の自動二輪車のアンダーカウル構造において、前記アンダーガードは車幅方向で最上部がその最大幅よりも狭めた形状に形成され、前記アンダーカウルとの左右の重なり部分の上方に導風用スリットが構成されることを特徴とする。
本発明によれば、アンダーカウルにおいて合成樹脂材と金属材とを効果的に組み合わせて用いることで、発熱部品である過給機との隙間を最小にすることでコンパクトな車両にしながら、前輪からの泥水及び土砂等の飛散を効果的に防ぐことができる。
以下、図面に基づき、本発明による自動二輪車のアンダーカウル構造における好適な実施の形態を説明する。
図1〜図3は、本発明の適用例としての自動二輪車100の概略構成を示し、図1は車両全体の側面図、図2及び図3は外装を取り外した状態のそれぞれ側面図である。先ず、これらの図を用いて、自動二輪車100の全体構成について説明する。なお、図1〜図3を含め、以下の説明で用いる図においては、必要に応じて車両の前方を矢印Frにより、車両の後方を矢印Rrにより示し、また、車両の側方右側を矢印Rにより、車両の側方左側を矢印Lにより示す。
図1〜図3は、本発明の適用例としての自動二輪車100の概略構成を示し、図1は車両全体の側面図、図2及び図3は外装を取り外した状態のそれぞれ側面図である。先ず、これらの図を用いて、自動二輪車100の全体構成について説明する。なお、図1〜図3を含め、以下の説明で用いる図においては、必要に応じて車両の前方を矢印Frにより、車両の後方を矢印Rrにより示し、また、車両の側方右側を矢印Rにより、車両の側方左側を矢印Lにより示す。
図1〜図3において鋼製あるいはアルミニウム合金材でなる車体フレーム101(メインフレーム)の前部には、ステアリングヘッドパイプ102によって左右に回動可能に支持された左右2本のフロントフォーク103が設けられる。フロントフォーク103の上端にはステアリングブラケット105を介してハンドルバー104が固定される。フロントフォーク103の下部には前輪106が回転可能に支持されると共に、前輪106の上部を覆うようにフロントフェンダ107が固定される。
車体フレーム101はステアリングヘッドパイプ102の後部に一体的に結合し、後方に向けて左右一対で二又状に分岐し、ステアリングヘッドパイプ102から後下方に拡幅しながら延設する。本例では高速性能を要求される車両等に好適なものとして採用される所謂、ツインスパータイプのフレームであってよい。なお、図示を省略するが車体フレーム101の後部付近から、後上りに適度に傾斜してシートレールが後方へ延出し、シート108(着座シート)を支持する。また、車体フレーム101はその後端部付近で下方へ湾曲もしくは屈曲しつつ左右が相互に結合し、全体として内側にスペースが形成された立体的構造を有する。
車体フレーム101の後端下方付近にはピボット軸109を介して、スイングアーム110が上下方向に揺動可能に結合する。スイングアーム110の後端には後輪111が回転可能に支持される。この例では後輪111はスイングアーム110の後部側で片持ち式に支持される。車体フレーム101とスイングアーム110の間にはリヤショックアブソーバ112が装架されるが、特にリヤショックアブソーバ112の下端側はリンク機構113を介して車体フレーム101及びスイングアーム110の双方に連結される。後輪111には、後述するエンジンの動力を伝達するチェーン115が巻回されるドリブンスプロケット114が軸着し、後輪111はこのドリブンスプロケット114を介して回転駆動される。後輪111の直近周囲にはその前上部付近及び後上部付近をそれぞれ覆うリヤフェンダ116A,116Bが設けられる。
車両外装において、車両の主に前部及び左右両側部はそれぞれカウリング、この例ではハーフカウル117及びサイドカウル118によって覆われる。また、車両後部ではシート108まわりにシートカバーもしくはシートカウル119が被着する。更に、後述するエンジンの下部まわりを覆うアンダーカウル120を有し、これらの外装部材によって所謂、流線型を有する車両の外観フォルムが形成される。なお、シート108の前側には燃料タンク121が搭載される。
自動二輪車100の略車両中央部においてエンジンユニット10が搭載される。図4はエンジンユニット10の要部構成を示している。次に図4〜図6をも参照して、エンジンユニット10について説明する。エンジンユニット10はエンジン11を有し、本実施形態では水冷式多気筒の4サイクルガソリンエンジンを使用する。エンジン11は1番(♯1)気筒及び2番(♯2)気筒が左右(車幅方向)に並設された並列2気筒エンジンとし、左右に水平支持されるクランクシャフトを収容するクランクケース12の上方にシリンダ13、シリンダヘッド14及びシリンダヘッドカバー15が順次重なるように一体的に結合し(図4)、最下部にはオイルパン16が付設される。なお、エンジン11のシリンダ軸線は前方に適度に傾斜し、またオイルパン16は実質的に車幅方向略中央で前後方向に沿って配置され(図6参照)、クランクケース12の底部から下方へ突設される。かかるエンジン11は複数のエンジンマウントを介して車体フレーム101に懸架されることで車体フレーム101の内側に一体的に結合支持され、それ自体で車体フレーム101の剛性部材として作用する。
クランクケース12の後部にはトランスミッションケース17が結合し(図2参照)、このトランスミッションケース17内には図示しないカウンタシャフトや複数のトランスミッションギヤが配設される。エンジンユニット10の動力はクランクシャフトからトランスミッションを経て最終的に、その出力端であるドライブスプロケット18(図4等参照)へ伝達され、このドライブスプロケット18が動力伝達用チェーン115(図1)を介してドリブンスプロケット114、従って後輪111を回転駆動する。
なお、クランクケース12とトランスミッションケース17は相互に一体的に結合し、全体としてエンジンユニット10のケーシングアセンブリを構成する。このケーシングアセンブリの適所にはエンジン始動用のスタータモータやクラッチ装置等を始めとする複数の補機類が搭載もしくは結合し、これらを含めたエンジンユニット10全体が車体フレーム101によって支持される。
エンジン11には更に、エアクリーナ及び燃料供給装置(これらについては後述するものとする)からそれぞれ供給される空気(吸気)及び燃料でなる混合気を供給する吸気系、燃焼後の排気ガスをエンジン11から排出する排気系、エンジン11を冷却する冷却系及びエンジン11の可動部を潤滑する潤滑系、更にはそれらを作動制御する制御系(ECU;Engine Control Unit)が付属する。制御系の制御により複数の機能系が上述の補機類等と協働し、これによりエンジンユニット10全体として円滑作動が遂行される。
より具体的には先ず、吸気系において♯1及び♯2気筒ともシリンダヘッド14の後側に吸気口19(インテークポート;図5にその概略位置を点線で略記する)が開口し、この吸気口19に吸気管21(インテークパイプ)を介してスロットルボディ20が接続される。スロットルボディ20にはその内部に形成されている吸気流路もしくは通路を、アクセル開度に応じて開閉するスロットルバルブ(図示せず)が装着され、後述するエアクリーナから送給されてくる空気の流量が制御される。この例では♯1及び♯2気筒のスロットルバルブ軸が同軸に配置され、このスロットルバルブ軸を電気もしくは電磁式に駆動するバルブ駆動機構22を有する。
一方、各スロットルボディ20にはスロットルバルブの下流側に燃料噴射用のインジェクタ23が配置され、これらのインジェクタ23に対して燃料ポンプによって燃料タンク121内の燃料が供給される。この場合、各インジェクタ23はその上側にて車幅方向に横架されたデリバリパイプ24と接続され、燃料ポンプに接続されたデリバリパイプ24から燃料が配給されるようになっている。各インジェクタ23は上述の制御系の制御により所定タイミングでスロットルボディ20内の吸気流路に燃料を噴射し、これにより♯1及び♯2気筒のシリンダ13に所定空燃比の混合気が供給される。
ここで、図4あるいは図6に示したようにエンジン11の下部、即ちクランクケース12の左側に設けられたマグネト室25の下方であって、オイルパン16の左側方に所定間隔あけてエアクリーナ26が隣接配置される。エアクリーナ26は図7あるいは図8等に示されるように左側面が下方に向けて内側へ傾斜する箱型のケーシングを有し、このケーシング内にエアフィルタが装着されており、ケーシング内に取り込んだ空気を該エアフィルタで清浄化する。エアクリーナ26のケーシング後面部には空気を取り込むための流入口26aが、またケーシング前面部には清浄化された空気の流出口26b(図6にその概略位置をそれぞれ点線で略記する)が開設されており、流出口26bに空気送給パイプ27が接続される。空気送給パイプ27はエアクリーナ26から前方に延出して図4等に示されるようにクランクケース12の前方に回り込み、その後上方へ湾曲し、更にシリンダ13(♯1気筒)の左側方を通って本例では空冷式のインタークーラ28に接続される。
インタークーラ28は空気送給パイプ27から供給された空気を冷却し、その冷却された空気は、サージタンク29を介して♯1及び♯2気筒のスロットルボディ20に供給されるようになっている。本例では吸気系において空気送給パイプ27の途中、即ちエンジン11の前側に配置されて、吸入した空気を圧縮する過給機30(ターボチャージャ)を備える。過給機30のコンプレッサによって圧縮された空気は発熱するため、そのままではエンジン11の吸気効率を低下させる。スロットルボディ20の吸気上流側でインタークーラ28により、過給機30から供給される空気を冷却することで吸気効率を有効に向上することができる。
次に、排気系において♯1及び♯2気筒ともシリンダヘッド14の前側にて排気口31(エキゾーストポート;図4にその概略位置を点線で略記する)が開口し、この排気口31に排気管32(エキゾーストパイプ)が接続される。各気筒の排気管32は図4に示されるように排気口31から一旦下方へ延出して、シリンダ13の前側で合流して一体化する。排気管32はその後、クランクケース12の右方下部に回り込んで、図6のように更に後方へ延出する。排気管32の後端にはマフラ33(図1にその一部が示される)が取り付けられる。本例では排気管32の途中に過給機30の駆動部側、即ちタービンが配置され、このタービンにより回転駆動される過給機30のコンプレッサが空気送給パイプ27の途中に配置される。このように本実施形態ではエンジン11の排気流を利用して、エアクリーナ26から送給される空気を加圧しインタークーラ28に供給するターボチャージャを採用する。
なお、上述の吸気系に付随して、インタークーラ28に対して冷却風を導風する導風手段を備える。この例では例えば図2に概略示したように燃料タンク121の下方に前後方向に延設されたエアダクト34を有する。このエアダクト34はその前端部にて、ハーフカウル117の前端部から取り込んだ走行風が供給され、その後端部からインタークーラ28に対して冷却風を供給するように導風する。
また、冷却系において詳細図示は省略するが、シリンダ13を含むシリンダブロックの周囲には冷却水が循環するように形成されたウォータジャケットが構成される。図7及び図8等に示すように、ウォータジャケットに送給される冷却水を冷却するラジエータ35を装備する。この例ではラジエータ35は図8のように正面視で上辺側が底辺側よりも長く設定された台形状を呈し、図2及び図3等に示されるようにステアリングヘッドパイプ102の下端付近からクランクケース12の前方付近まで、後方に適度に傾斜して延設配置される。エンジン11のシリンダブロックは図8のようにラジエータ35によって略覆われる。なお、ラジエータ35はエンジンユニット10の前部にて車体フレーム101等を利用して、それらの適所に支持される。
更に、エンジンユニット10の可動部に潤滑油を供給して、それらを潤滑するための潤滑系が構成される。この潤滑系には、なお同様に詳細図示は省略するが、クランクシャフトやシリンダヘッド14内に構成される動弁装置、そしてそれらを連結するカムチェーン、トランスミッション等々が含まれる。本実施形態において潤滑系に対して、通常のオイルポンプを使用するが、このオイルポンプによりオイルパン16から吸い上げた潤滑油を潤滑系に送給する。
ここで、本発明における基本的な作用等について説明する。先ず、過給機30を備えることによりエンジン11の実質的な排気量ダウンと吸気効率の向上を同時に図ることができる。この場合インタークーラ28によって、過給機30により加圧された空気を冷却することで、吸気効率の低下を防ぎ、燃費改善と出力向上を実現する。
上記に加えて、インタークーラ28をサージタンク29に隣接配置することで、両者間の空気経路を短縮できてスロットルレスポンスが向上する。また配管類を減らすことができるため軽量化、部品点数減にも繋がる。また、インタークーラ28をエンジン11の後方に配置することで、ラジエータ35や排気管32、及び過給機30(主にターボの場合)が配置されるエンジン11の前方側のレイアウトを容易化できる。
上記に加えて、インタークーラ28をサージタンク29に隣接配置することで、両者間の空気経路を短縮できてスロットルレスポンスが向上する。また配管類を減らすことができるため軽量化、部品点数減にも繋がる。また、インタークーラ28をエンジン11の後方に配置することで、ラジエータ35や排気管32、及び過給機30(主にターボの場合)が配置されるエンジン11の前方側のレイアウトを容易化できる。
また、過給機30をインタークーラ28の前方に配置することで、過給機30がエンジン11付近に配置されることになり、吸気系部品を集約できるため配管を短縮、簡略化できる。また、部品重量が車体中央部に集中するため、車両の操作性が向上する。本例において排気流を利用して吸入空気を圧縮する所謂ターボである過給機30は、シリンダ13の前側から延びる排気管32に隣接してエンジン11の前方に配置する必要が有るが、インタークーラ28を後方に配置したことでエンジン11前方のレイアウトを容易にしている。
また、インタークーラ28において詳細図示は省略するが、空気の流入口と流出口とが一方側(車体前半部)に位置し、内部の空気流路が略U字形状となる。これにより空気の流路をインタークーラ28の内部で折り返す構成とすることで、折返し型のU字配管を設けた場合に較べてインタークーラ28を、従来のU字配管の占有分広く設定できる。これによりシート108下側の限られた空間もしくはスペースを最大限に活用できるため吸入空気の冷却効率が向上する上、部品点数も減らすことが可能になる。
また、インタークーラ28はシート108の下方に位置し、少なくともその一部がシート108の前端に対して後方に位置する。これにより高温の排熱風を発するインタークーラ28を、シート108の下方(真下もしくは後方)に配置することで、シート108の前方に設けた場合に較べて排熱風が乗員に当り難くなり、乗員における快適性が向上する。
さて、本発明のアンダーカウル構造において、図1に示されるようにエンジン11の下部まわりがアンダーカウル120により覆われる。また、図7等に示したようにエンジン11の前側下方には前述のように過給機30が配置される。図9は、本発明のアンダーカウル構造の要部構成を示している。図9(A)はアンダーカウル120等が装着された状態のエンジン11の前側下方まわりを示し、図9(B)はアンダーカウル120等が取り外された状態のエンジン11の前側下方まわりを示す。本発明では特に図9に示すように過給機30の左右を合成樹脂製のアンダーカウル120で覆うと共に、その前方を金属製のアンダーガード36で覆っている。なお、アンダーガード36の材質として典型的には鋼あるいはアルミニウム合金等が選ばれる。
アンダーカウル120はエンジン11の前寄り下部を左右両側から覆い、その概略形状として正面視では例えば逆三角形型(あるいはV字型)の樋状等に形成され、即ち下方に向けて先細となるように形成される。アンダーカウル120の前端縁部は図9(A)のように開口しており、折返し部120aが適度な幅で内側に折り返されている。このアンダーカウル120の前端開口に後方から臨むように過給機30が配置されると共に、該前端開口から走行風が導風されるようになっている。
一方、アンダーガード36は図9に示されるように、過給機30とその上方のラジエータ35の間から過給機30を覆うように設定される。アンダーガード36は過給機30を前方から覆い、その概略形状として正面視では例えば盾形もしくは変形ダイヤモンド形に形成され、前方に凸となるように緩やかに湾曲している。図10にも示すようにアンダーガード36はアンダーカウル120の前端開口にすっぽりと嵌るように配置される。アンダーガード36の取付方法として例えばアンダーガード36の左右にステーもしくはブラケットを突設する。そして、図9(A)に示したようにアンダーカウル120の左右とも折返し部120aに設けた複数の締結部37において、該ステー等をビスもしくはボルト等の締結手段で固定し、これによりアンダーガード36を取り付けることができる。
また、アンダーガード36は図10に示されるように車幅方向で、その最上部がその最大幅よりも狭めた形状に形成される。即ち、アンダーガード36の最上部の幅w1は、上下方向で略中央に位置する最大幅w2よりも小さく設定され、w1<w2である。アンダーガード36はかかる形状を持つことで、アンダーカウル120との左右の重なり部分の上方に左右一対の導風用スリット38が構成される。なお、各導風用スリット38は図10のように正面視では概略楔状を呈している。
また、アンダーガード36は上記のように最大幅w2を有し、この最大幅w2は図10に示されるように車幅方向での前輪106の前輪タイヤ106Aの幅w3と実質的に同等である。即ち、w2=(もしくは≒)w3である。この場合、前輪タイヤ106Aに対してアンダーガード36は実質的に車幅方向でセンタ一致で配置される。
更に,図11に示されるようにアンダーガード36は車両側面視において、その上端部36aがラジエータ35のラジエータカバー35Aの最前面を延長した線Pよりも過給機30側に設定される。
本発明のアンダーカウル構造は上記のように構成されており、次にその作用等について説明する。
本発明のアンダーカウル構造では先ず、過給機30の左右を合成樹脂製のアンダーカウル120で覆うと共に、その前方を金属製のアンダーガード36で覆う。このように合成樹脂材と金属材、典型的にはアルミニウム合金材を効果的に組み合わせて用いることで、発熱部品である過給機30との隙間を最小にすることによりコンパクトな車両にしながら、前輪106からの泥水及び土砂等の飛散を効果的に防ぐことができる。
本発明のアンダーカウル構造では先ず、過給機30の左右を合成樹脂製のアンダーカウル120で覆うと共に、その前方を金属製のアンダーガード36で覆う。このように合成樹脂材と金属材、典型的にはアルミニウム合金材を効果的に組み合わせて用いることで、発熱部品である過給機30との隙間を最小にすることによりコンパクトな車両にしながら、前輪106からの泥水及び土砂等の飛散を効果的に防ぐことができる。
仮にアンダーカウル120を合成樹脂材のみで構成すると、主に耐熱性等の点から特に過給機30まわりでは過給機30から距離を離して、即ち一定以上の隙間をあけるようにアンダーカウル120を配置する必要がある。この場合には少なくとも過給機30まわりのアンダーカウル120が嵩張ってしまい、アンダーカウル120自体、更には車両が大型化せざるを得ない。これに加えて、そのような隙間をあける程、そのままでは泥水等が浸入し易くなってしまう。本発明では過給機30の前方については金属製のアンダーガード36で覆い、この場合、過給機30の前方直近にアンダーガード36を配置することができ、上述のようにコンパクト化と泥水等の飛散防止効果とを有効に実現することが可能になる。
また、アンダーガード36は上述のように前輪タイヤ106Aに対して同等の幅で、センタ一致で配置される。前輪タイヤ106Aに付着した泥水等は典型的には、その車幅方向センタ上の接線方向に飛散し、過給機30はその接線延長方向に位置している。アンダーガード36は前輪タイヤ106Aと同等の幅を有し、センタ一致で配置されているため、そのような泥水等が飛散して過給機30に到達するのを有効に防止することがでる。
更に、上述のようにアンダーガード36の上端部36aは、ラジエータ35のラジエータカバー35Aの最前面を延長した線Pよりも過給機30側に位置している。このようにアンダーガード36を過給機30側へ偏倚して配置することで、ラジエータ35やその周辺部品に対する過給機30からの熱を遮熱する。これにより発熱部品である過給機30を搭載していながら、ラジエータ35の冷却効率を有効に確保保証することができる。
また、アンダーガード36の上部両側にはアンダーカウル120との間で左右一対の導風用スリット38が構成され、これらのスリット38を介して走行風を効率的に取り込むことができる。このように走行風を取り込み、アンダーカウル120内の過給機30のコンプレッサ等の部品を効果的に冷却することができる。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
上記実施形態においてアンダーカウル120にアンダーガード36を取付固定する例を説明したが、これに限らず例えばアンダーガード36を過給機30のコンプレッサ側に取り付け、そのコンプレッサの放熱板として機能させることが可能であり、これによりコンプレッサの冷却効率を高めることができる。
また、上記実施形態において水冷式の並列2気筒エンジンの例で説明したが、エンジン11の気筒数や冷却方式等は適宜選択可能であり、例えば3気筒以上の空冷エンジンに対しても適用可能である。
上記実施形態においてアンダーカウル120にアンダーガード36を取付固定する例を説明したが、これに限らず例えばアンダーガード36を過給機30のコンプレッサ側に取り付け、そのコンプレッサの放熱板として機能させることが可能であり、これによりコンプレッサの冷却効率を高めることができる。
また、上記実施形態において水冷式の並列2気筒エンジンの例で説明したが、エンジン11の気筒数や冷却方式等は適宜選択可能であり、例えば3気筒以上の空冷エンジンに対しても適用可能である。
10 エンジンユニット、11 エンジン、12 クランクケース、13 シリンダ、14 シリンダヘッド、16 オイルパン、17 トランスミッションケース、18 ドライブスプロケット、19 吸気口、20 スロットルボディ、21 吸気管、22 バルブ駆動機構、23 インジェクタ、24 デリバリパイプ、25 マグネト室、26 エアクリーナ、27 空気送給パイプ、28 インタークーラ、29 サージタンク、30 過給機、31 排気口、32 排気管、33 マフラ、34 エアダクト、35 ラジエータ、36 アンダーガード、37 締結部、38 導風用スリット、100 自動二輪車、101 車体フレーム、103 フロントフォーク、106 前輪、106A 前輪タイヤ、107 フロントフェンダ、120 アンダーカウル、121 燃料タンク。
Claims (4)
- シリンダヘッドの前側にエキゾーストパイプが接続されると共に、前記シリンダヘッドの後側にスロットルボディが接続されるエンジンと、吸入した燃焼用の空気を圧縮する過給機と、この過給機によって圧縮された空気を冷却するためのインタークーラと、このインタークーラからの空気をスロットルボディに流すサージタンクとを備える自動二輪車において、
前記過給機は前記エンジンの前側下方に配置され、該過給機の左右を合成樹脂製のアンダーカウルで覆うと共に、その前方を金属製のアンダーガードで覆ったことを特徴とする自動二輪車のアンダーカウル構造。 - 前記アンダーガードは、前記過給機とその上方のラジエータの間から前記過給機を覆うように設定され、
前記アンダーガードは車幅方向で前輪タイヤと同等の幅を有すると共に、該前輪タイヤとセンタ一致で配置されることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のアンダーカウル構造。 - 前記アンダーガードは車両側面視において、その上端部がラジエータカバーの最前面を延長した線よりも前記過給機側に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車のアンダーカウル構造。
- 前記アンダーガードは車幅方向で最上部がその最大幅よりも狭めた形状に形成され、前記アンダーカウルとの左右の重なり部分の上方に導風用スリットが構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動二輪車のアンダーカウル構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013215534A JP2015077869A (ja) | 2013-10-16 | 2013-10-16 | 自動二輪車のアンダーカウル構造 |
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JP2013215534A JP2015077869A (ja) | 2013-10-16 | 2013-10-16 | 自動二輪車のアンダーカウル構造 |
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JP2015077869A true JP2015077869A (ja) | 2015-04-23 |
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ID=53009723
Family Applications (1)
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JP2013215534A Pending JP2015077869A (ja) | 2013-10-16 | 2013-10-16 | 自動二輪車のアンダーカウル構造 |
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JP (1) | JP2015077869A (ja) |
-
2013
- 2013-10-16 JP JP2013215534A patent/JP2015077869A/ja active Pending
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