JP2015077862A - 駐車支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駐車経路上の各位置に見合った駆動力を発生させることができる駐車支援装置を提供することを課題とする。
【解決手段】車両を目標駐車位置に駐車させるための駐車支援を行う駐車支援装置1において、予め設定された目標駐車位置に対して運転者の運転操作によって車両を駐車させる場合に車両が移動した経路上の所定の位置における駆動力を記憶しておき、目標駐車位置に対して車両側で自動的に駆動力を制御して車両を駐車させる場合にその記憶している所定の位置における駆動力を利用して駆動力を発生させことを特徴とし、例えば、車両が移動した経路上の各位置における駆動力をそれぞれ記憶しておき、経路上の各位置における駆動力を発生させたり、あるいは、車両が移動した経路上で発生した最大駆動力を記憶しておき、最大駆動力を上限として駆動力を発生させる。
【選択図】図1
【解決手段】車両を目標駐車位置に駐車させるための駐車支援を行う駐車支援装置1において、予め設定された目標駐車位置に対して運転者の運転操作によって車両を駐車させる場合に車両が移動した経路上の所定の位置における駆動力を記憶しておき、目標駐車位置に対して車両側で自動的に駆動力を制御して車両を駐車させる場合にその記憶している所定の位置における駆動力を利用して駆動力を発生させことを特徴とし、例えば、車両が移動した経路上の各位置における駆動力をそれぞれ記憶しておき、経路上の各位置における駆動力を発生させたり、あるいは、車両が移動した経路上で発生した最大駆動力を記憶しておき、最大駆動力を上限として駆動力を発生させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両を目標駐車位置に駐車させるための駐車支援を行う駐車支援装置に関する。
近年、車両を駐車させる場合に運転者に各種支援を行う駐車支援装置が開発されている。例えば、特許文献1には、基準局を駐車スペースの近くに設置し、自車両を駐車エリアに進入させて駐車スペースに駐車させるまでの走行軌跡を自車両を複数回走行させたときの平均値から算出することが開示されている。この走行軌跡の各位置に、車速、ハンドル角等をリンクさせている。また、特許文献2には、予め設定された初期位置(自宅等)から目標位置までの車両の駆動履歴情報(車速等)を記憶し、その駆動履歴情報に追従して車両を目標位置まで走行させる運転支援することが開示されている。また、特許文献3には、最後に走行した区間における車両速度等を記憶し、車庫入れ等のときにその記憶した車両速度等に基づいてエンジンやブレーキ等を制御することが開示されている。
駐車経路上の各位置において記憶されている車速(目標車速)となるように駆動力を制御する場合、駐車場に起伏があったりあるいは駐車場の路面の摩擦係数が低いと、従来の駐車支援装置での通常の制御で車両の車速を目標車速とするために必要となる駆動力を発生させても、駆動力が不足したりあるいは過剰になったりする。そのため、駐車経路上の各位置において、車両の車速が目標車速とならず、適切な車速で駐車を行えない可能性がある。
そこで、本発明は、駐車経路上の各位置に見合った駆動力を発生させることができる駐車支援装置を提供することを課題とする。
本発明に係る駐車支援装置は、予め設定された目標駐車位置に対して運転者の運転操作によって車両を駐車させる場合に、車両が移動した経路上の所定の位置における駆動力を記憶する記憶手段と、目標駐車位置に対して車両側で自動的に駆動力を制御して車両を駐車させる場合に、記憶手段で記憶した所定の位置における駆動力を利用して駆動力を発生させる駐車制御手段とを備えることを特徴とする。
この駐車支援装置では、予め設定された目標駐車位置に対して運転者の運転操作によって車両を駐車させる場合に、記憶手段でその車両が移動した経路上の所定の位置における駆動力を記憶する。この記憶する経路上の所定の位置の駆動力は、経路上の各位置における駆動力等の複数の位置での駆動力でもよいし、あるいは、経路上のある位置で発生した最大の駆動力等の1つの位置での駆動力でもよい。運転者は、駐車場の状況に応じて運転操作を行い、目標駐車位置まで確実に駐車させる。そのため、例えば、上り勾配等によって通常の駆動力(例えば、駐車場に起伏がなく、路面の摩擦係数が標準的な値の場合に発生させる駆動力)では駆動力不足になるような状況の場合には通常の駆動力よりも大きな駆動力を発生させるための運転操作を行い、低い路面摩擦係数や下り勾配等によって通常の駆動力では駆動力過剰になるような状況の場合には通常の駆動力よりも小さな駆動力を発生させるための運転操作を行う。したがって、運転者の運転操作による駆動力は、駐車場の状況に応じた駆動力となっており、安全性も考慮された駆動力である。そこで、駐車支援装置では、その同じ目標駐車位置に対して車両側で自動的に駆動力を制御して車両を駐車させる場合に、駐車制御手段によって記憶手段に記憶されている所定の位置における駆動力を利用して駆動力を発生させる。この発生させた駆動力によって、駐車経路上の各位置に見合った駆動力となり、適切な車速となる。このように、駐車支援装置は、過去の運転者の駐車時の運転操作による駆動力を利用して駆動力制御を行うことにより、駐車経路上の各位置に見合った駆動力を発生させることができる。その結果、安全性を考慮しつつ、駐車途中における駆動力の不足や過剰を無くして目標駐車位置に車両を確実に駐車させることができる。なお、駐車制御手段によって記憶手段に記憶されている駆動力を利用して駆動力を発生させて目標駐車位置に車両を駐車させるのは、運転者による運転操作で車両を所定の方向から目標駐車位置に駐車させたときの駆動力を記憶手段に記憶させたときと同じ方向から同じ目標駐車位置に駐車させる場合である。
本発明の上記駐車支援装置では、記憶手段は、車両が移動した経路上の各位置における駆動力をそれぞれ記憶し、駐車制御手段は、記憶手段で記憶した経路上の各位置における駆動力を発生させる構成としてもよい。このように過去の運転者の駐車時の運転操作による駐車経路上の各位置の駆動力を発生させることにより、駐車経路上の各位置に見合った駆動力となる。
本発明の上記駐車支援装置では、記憶手段は、車両が移動した経路上で発生した最大駆動力を記憶し、駐車制御手段は、記憶手段で記憶した最大駆動力を上限として駆動力を発生させる構成としてもよい。このように過去の運転者の駐車時の運転操作で発生した最大駆動力を上限として駐車経路上の各位置で駆動力を発生させることにより、目標駐車位置まで車両を移動させるために必要な最大駆動力の範囲内で各位置における駆動力を発生させることができ、駐車経路上の各位置に見合った駆動力を発生させることができる。
本発明の上記駐車支援装置では、目標駐車位置は、ナビゲーション装置に記憶された自宅の駐車場の位置である。
本発明によれば、過去の運転者の駐車時の運転操作による駆動力を利用して駆動力制御を行うことにより、駐車経路上の各位置に見合った駆動力を発生させることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る駐車支援装置の実施の形態を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施の形態では、本発明を、車両に搭載され、車両側で自動的に制駆動力及び操舵を制御して自動駐車で車両を駐車させる駐車支援装置に適用する。本実施の形態では、自動駐車による駐車支援は運転者が車両に乗車している状態での駐車でもよいし、あるいは、運転者が車両から降車し、車外からリモコン利用による駐車でもよい。但し、リモコン利用の場合には、安全ガードとして制御量(例えば、駐車支援時の駆動力の制御量)の最小値を利用することを推奨する。また、本実施の形態では、駐車させる駐車場が自宅の駐車場であり、この自宅の駐車場に起伏があり(駐車時には上り勾配であり、出庫時には下り勾配)、自宅の駐車場に後退駐車させる例で説明する。
図1〜図3を参照して、本実施の形態に係る駐車支援装置1について説明する。図1は、駐車支援装置1の構成図である。図2は、自宅の駐車場に運転者の運転操作で後退駐車する際の車両の制駆動力の変化、車両の車速の変化、駐車場の勾配の変化の一例である。図3は、駐車支援装置1の自動駐車制御部における制駆動力制御の制御ブロック図である。
駐車支援装置1は、自宅の駐車場等の駐車頻度の多い駐車場の場合、運転者による運転操作で車両を駐車させるときに駐車中の駆動力等の情報を事前に記憶しておき、自動駐車させるときにその事前に記憶した情報を利用する。特に、駐車支援装置1は、自動駐車中に駐車場の起伏や路面摩擦係数等によって駆動力の不足や過剰が発生しないように、事前に記憶しておいた駆動力を利用して駆動力制御を行う。なお、事前に記憶した情報を利用して自動駐車で駐車場に駐車させるのは、運転者による運転操作で車両を所定の方向から駐車場に駐車させたときの情報を記憶させたときと同じ方向から同じ駐車場に駐車させる場合である。
駐車支援装置1は、車両情報検出部10、周辺環境検出部11、駐車支援スイッチ12、ナビゲーションECU[Electronic Control Unit]13、ステアリングECU20、ブレーキECU21、パワーマネージメントECU22、自動駐車ECU30(情報更新記憶部31、自動駐車制御部32)を備えている。なお、本実施の形態では、情報更新記憶部31が特許請求の範囲に記載する記憶手段に相当し、自動駐車制御部32、パワーマネージメントECU22が特許請求の範囲に記載する駐車制御手段に相当する。
車両情報検出部10は、車両の各種情報を検出する手段である。検出する情報としては、例えば、車速、加速度、車高、タイヤの舵角(切れ角)がある。車両情報検出部10としては、例えば、車速センサ、Gセンサ、車高センサ、舵角センサがある。車両情報検出部10では、一定時間毎に、車両の各情報を検出し、その各検出情報を示す車両情報信号を自動駐車ECU30に送信する。なお、車両がナビゲーション装置を搭載していない場合、車両の現在位置を検出するためのGPS[Global Positioning System]受信装置も車両情報検出部10に含まれる。また、Gセンサの場合、その検出値を利用して路面の勾配を検出することも可能であり、この検出方法は従来の周知の方法を適用する。
周辺環境検出部11は、車両の周辺環境を検出する手段である。検出する周辺環境としては、駐車場の駐車区間に関する環境、周辺の物体(特に、地図情報にない駐車中に障害となる物体)、車両と物体との近接状態がある。周辺環境検出部11としては、レーザセンサ、クリアランスソナーセンサ、カメラを用いた画像センサがある。周辺環境検出部11では、一定時間毎に、車両の周辺環境を検出し、その各検出周辺環境を示す周辺環境信号を自動駐車ECU30に送信する。なお、レーザセンサの場合、その検出値を利用して路面の勾配を検出することも可能であり、この検出方法は従来の周知の方法を適用する。
駐車支援スイッチ12は、運転者が駐車支援装置1による自動駐車のON/OFFを選択するためのスイッチである。駐車支援スイッチ12では、運転者によって選択されている自動駐車のON/OFF情報を示すスイッチ信号を自動駐車ECU30に送信する。
ナビゲーションECU13は、車両に搭載されるナビゲーション装置を統括制御するための電子制御ユニットである。ナビゲーションECU13では、現在位置検出、地図表示、地点登録、目的地設定、経路探索、経路案内等の各種機能を有しており、各機能での処理に応じてスピーカから音声を出力させたり、ディスプレイで画像を表示させる。特に、ナビゲーションECU13では、一定時間毎に、車両の現在位置を検出すると、その現在位置情報を示す現在位置信号を自動駐車ECU30に送信する。また、ナビゲーションECU13では、運転者の操作によって地図上の所定の地点を自宅の駐車場として登録されると、その地点情報を自宅駐車場として保持する。この自宅駐車場の登録については、自宅の登録でもよい。そして、ナビゲーションECU13では、自宅駐車場が登録された後に、車両の現在位置が自宅駐車場の周辺の所定範囲(Am)未満になったか否かを判定し、所定範囲未満になった場合にはその情報を示す駐車場周辺検知信号を自動駐車ECU30に送信する。なお、車両がナビゲーション装置を搭載していない場合、駐車支援スイッチ12に付加した登録機能あるいは別途の登録ボタンなどを設けることにより、自宅駐車場の登録できるようにするとよい。
ステアリングECU20は、操舵機構(ステアリングホイールから転舵輪までの機構)に付加する操舵力(操舵トルク)を制御するための電子制御ユニットである。ステアリングECU20では、通常、運転者によるステアリングホイール操作に基づいて運転者の操舵力を補助するための目標操舵力(アシストトルク)を設定する。そして、ステアリングECU20では、その目標操舵力を発生させるために操舵アクチュエータ(図示せず)を制御する。特に、ステアリングECU20では、自動駐車ECU30から操舵力制御信号を受信すると、その操舵力制御信号に示される目標操舵力を発生させるために操舵アクチュエータを制御する。
ブレーキECU21は、車両の制動力を制御するための電子制御ユニットである。ブレーキECU21では、通常、運転者によるブレーキペダル操作に基づいて目標制動力を設定する。そして、ブレーキECU21では、その目標制動力を発生させるために各輪のブレーキアクチュエータ(図示せず)を制御する。特に、ブレーキECU21では、自動駐車ECU30から制動力制御信号を受信すると、その制動力制御信号に示される目標制動力を発生させるために各輪のブレーキアクチュエータを制御する。また、ブレーキECU21では、一定時間毎に、車両の現在の制動力を検出すると、その現在の制動力を示す制動力検出信号を自動駐車ECU30に送信する。
パワーマネージメントECU22は、駆動源で発生させる駆動力を制御するための電子制御ユニットである。駆動源としては、例えば、エンジンのみの駆動源、モータのみの駆動源、エンジンとモータのハイブリッドの駆動源がある。パワーマネージメントECU22では、通常、運転者によるアクセルペダル操作に基づいて目標駆動力を設定する。そして、パワーマネージメントECU22では、その目標駆動力を発生させるために駆動源の形態に応じてアクチュエータ(図示せず)を制御する。特に、パワーマネージメントECU22では、自動駐車ECU30から駆動力制御信号を受信すると、その駆動力制御信号に示される目標駆動力を発生させるためにアクチュエータを制御する。また、パワーマネージメントECU22では、一定時間毎に、車両の現在の駆動力を検出すると、その現在の駆動力を示す駆動力検出信号を自動駐車ECU30に送信する。
自動駐車ECU30は、CPU[CentralProcessing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等からなる電子制御ユニットであり、駐車支援装置1を統括制御する。自動駐車ECU30では、ROMに格納されるアプリケーションプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することにより、情報更新記憶部31、自動駐車制御部32が構成される。自動駐車ECU30では、車両情報検出部10から車両情報検出信号を受信するとその車両情報検出信号から車両の各情報を取得するとともに、周辺環境検出部11から周辺環境検出信号を受信するとその周辺環境検出信号から車両の各周辺環境を取得する。また、自動駐車ECU30では、ブレーキECU21から制動力検出信号を受信するとその制動力検出信号から車両の現在の制動力を取得するとともに、パワーマネージメントECU22から駆動力検出信号を受信するとその駆動力検出信号から車両の現在の駆動力を取得する。また、自動駐車ECU30では、ナビゲーションECU13から駐車場周辺検知信号を受信すると、情報更新記憶部31での処理を実行する。また、自動駐車ECU30では、駐車支援スイッチ12からスイッチ信号を受信すると、そのスイッチ信号で自動駐車のONが示されている場合には自動駐車制御部32での処理を実行し、必要に応じてステアリングECU20、ブレーキECU21、パワーマネージメントECU22に各制御信号を送信する。
情報更新記憶部31、自動駐車制御部32での具体的な処理について説明する前に、図2を参照して、運転者による運転操作で自宅の駐車場に車両MVを後退駐車させた場合の駆動力や車速の変化について説明する。図2の上側には自宅の駐車場周辺の模式図を示しており、下側には3つのグラフを示している。この3つのグラフにおける横軸は、駐車中の車両MVの駐車経路Cに沿った目標駐車位置までの残距離(移動距離)である。一番上のグラフにおける縦軸は駐車中の車両MVの駆動力であり、運転者のアクセルペダル操作によって車両MVで発生した駆動力の変化を示すグラフGgを示す。但し、駆動力(制駆動力)はプラスマイナス値で表され、プラス値の場合には駆動力であり、マイナス値の場合には制動力である。中間のグラフにおける縦軸は駐車中の車両MVの車速であり、グラフGgで示す駆動力を発生させたときの車両MVの車速の変化を示すグラフGsを示す。一番下のグラフにおける縦軸は駐車場の勾配であり、駐車場の勾配の変化を示すグラフGiを示す。なお、残距離は、駐車場のタイヤ止めS,Sに車両MVの車輪が当たるまでの残距離であり、残距離L4(目標駐車位置)=0とする。
自宅の駐車場は、駐車区画が区画線L,Lで区画されており、タイヤ止めS,Sが設置されている。この駐車場周辺には、一番下のグラフGiで示す変化の勾配があり、タイヤ止めS,S側が高くなっている。したがって、車両MVが駐車するときには上り勾配になり、出庫するときには下り勾配になる。そのため、この駐車場に車両MVを駐車させる場合、起伏のない平坦な駐車場に駐車させる場合の通常の駆動力よりも大きな駆動力が必要となる。
従来の駐車支援装置では、安全ガード(例えば、後退時の衝突防止)のために、起伏のない平坦な駐車場に駐車させる場合を前提して、過剰な駆動力出力を制限するための駆動力制限値Rが設定されており、自動駐車中は駆動力制限値R以上の駆動力を発生させない。しかし、運転者のアクセルペダル操作に応じたグラフGgの駆動力の変化からも判るように、上り勾配の駐車場に車両MVを駐車させるためには、駆動力制限値Rよりも大きな駆動力となる。このように、運転者は、上り勾配によって通常の駆動力(平坦な駐車場で必要となる駆動力)では駆動力不足になるような状況の場合にはその状況に応じて通常の駆動力よりも大きな駆動力を発生させるための運転操作を行い、駆動力制限値Rよりも大きな駆動力を発生させる。この上り勾配の駐車場に従来の駐車支援装置で自動駐車させた場合、発生させる駆動力が駆動力制限値Rで制限されるので、グラフGg’で示すように残距離L1から駆動力が駆動力制限値Rを上限として低減し、車両が残距離L4(=目標駐車位置)まで到達しない。グラフGgで示すように、残距離L1からL3の間で駆動力が駆動力制限値Rを超え、残距離L2のときに駆動力がピーク(MAX値)となる。そこで、自動駐車ECU30では、一定値の駆動力制限値Rを設定するのでなく、運転者による運転操作で車両を駐車させるときの駆動力を用いて駆動力の制限値(MAX駆動力Fc)を設定する。駐車時に上り勾配の駐車場の場合、MAX駆動力Fcは、駆動力制限値Rよりも大きな値となる。
また、グラフGgで示す運転者のアクセルペダル操作に応じた駆動力を発生させると、この駆動力の変化に応じて車両MVの車速はグラフGsで示す変化となる。この上り勾配の駐車場に従来の駐車支援装置で自動駐車させた場合、上記したように発生させる駆動力が駆動力制限値Rで制限されるので、グラフGs’で示すように残距離L1から車速も低下する。なお、符号Qで示す二点鎖線は、車速制限値を示している。車速制限値Qは、安全ガード(例えば、下り勾配の場合の車速過剰防止)のための車速の制限値である。自動駐車ECU30では、この車速制限値Qは、駐車場の各位置での勾配に応じて設定され、勾配が大きいほど高い速度が設定される。
なお、上記の例では、駐車時に上り勾配の駐車場であるが、下り勾配の駐車場の場合、運転者は、下り勾配によって通常の駆動力では駆動力過剰になるような状況の場合にはその状況に応じて通常の駆動力よりも小さい駆動力を発生させるための運転操作を行い、駆動力制限値Rよりも小さい駆動力を発生させる。そのため、このような場合、MAX駆動力Fcは、駆動力制限値Rよりも小さい値としてもよいしあるいは駆動力制限値Rのままでもよい。また、駐車場の路面摩擦係数についても、勾配と同様に、通常の駆動力では駆動力不足や駆動力過剰が発生する場合がある。例えば、駐車場の路面摩擦係数が標準的な値よりも小さい場合、通常の駆動力では駆動力過剰になるので、そのような場合にはMAX駆動力Fcは駆動力制限値Rよりも小さい値としてもよいしあるいは駆動力制限値Rのままでもよい。一方、駐車場の路面摩擦係数が標準的な値よりも大きい場合、通常の駆動力では駆動力不足になる場合があるので、そのような場合にはMAX駆動力Fcは駆動力制限値Rよりも大きい値となる。
それでは、情報更新記憶部31での具体的な処理について説明する。ナビゲーションECU13から駐車場周辺検知信号を受信した場合、情報更新記憶部31では、まず、駐車場周辺のグリッドマップ(Gridmap)を作成する。そして、情報更新記憶部31では、周辺環境検出部11からの周辺環境信号に基づいて、グリッドマップ上に駐車の障害となる物体を配置させるとともに、目標駐車位置を認識するための駐車区画線L,Lやタイヤ止めS,S等を配置させる。情報更新記憶部31では、これらの駐車区画線L,Lやタイヤ止めS,Sから目標駐車位置(残距離L4の位置)を認識する。
情報更新記憶部31では、サンプリング周期毎に、車両MVの現在位置に対応付けて駆動力、制動力、車速、勾配等の情報をRAMの所定の領域に記憶させる。サンプリング周期は、一定の距離でもよいし、一定の時間でよい。勾配は、上記したように、Gセンサ又はレーザセンサの検出値から得られる。勾配は、傾斜角、高さ等の情報でもよい。
また、情報更新記憶部31では、目標駐車位置に車両MVを後退で駐車させるための最適な駐車経路を算出する。この算出方法としては、従来の周辺の方法を適用する。そして、情報更新記憶部31では、サンプリング周期毎に、記憶している車両MVの現在位置までの各位置からなる実経路と駐車経路との差分量を算出し、この経路差分量を車両MVの現在位置に対応付けてRAMの所定の領域に記憶させる。ちなみに、駐車場に起伏があると、その起伏によってタイヤの舵角(切れ角)にわずかな誤差が発生し、その誤差が積算して駐車誤差(例えば、目標駐車位置から車両の駐車位置がずれる)となる。
また、情報更新記憶部31では、サンプリング周期毎に、車両MVの現在の駆動力と記憶しているMAX駆動力Fcとを比較し、現在の駆動力がMAX駆動力Fc以上となる場合にはその現在の駆動力をMAX駆動力Fcとして更新し、MAX駆動力FcとそのMAX駆動力Fcとなる位置を記憶させる。MAX駆動力Fcの初期値としては、駆動力制限値Rとする。同様に、情報更新記憶部31では、サンプリング周期毎に、車両MVの現在の車速と記憶しているMAX車速Vcとを比較し、現在の車速がMAX車速Vc以上となる場合にはその現在の車速をMAX車速Vcとして更新し、MAX車速VcとそのMAX車速Vcとなる位置を記憶させる。MAX車速Vcの初期値としては、0とする。
情報更新記憶部31では、車両MVが目標駐車位置に到達したか否かを判定する。この判定では、例えば、車両MVが停止(車速=0km/h)し、イグニッションスイッチがOFFになった場合に目標駐車位置に到達したと判定する。情報更新記憶部31では、車両MVが目標駐車位置に到達すると、上記の処理を終了する。そして、情報更新記憶部31では、この到達した位置を残距離L4=0の位置として設定して、駐車のゴール地点として記憶させる。また、情報更新記憶部31では、サンプリングした各位置での残距離をそれぞれ算出し、車両MVの各位置に対応付けて残距離も記憶させる。
なお、情報更新記憶部31での処理は、基本的には車両MVの運転者が運転操作して駐車させる場合に行うが、自動駐車中に行ってもよい。したがって、自動駐車中の情報からMAX駆動力FcやMAX車速Vcが更新される場合もある。但し、この場合の自動駐車は、運転者による運転操作で車両を駐車させるときに駐車中の駆動力等の情報を少なくとも1回記憶した以降に、その事前に記憶した情報を利用して自動駐車する場合である。また、雨等で路面が濡れているか否かで路面摩擦係数が変化し、車両で発生させる駆動力等が変わり、MAX駆動力Fc等も更新される可能性がある。そこで、1回分の駐車に関する情報に、雨滴センサ等の検出値に基づいて路面がドライ/ウェットの情報を付加してもよいし、あるいは、路面摩擦係数の値を付加してもよい。路面摩擦係数は、推定車体速度と実車体速度との差から推定する従来の推定方法から推定できる。また、情報更新記憶部31では、少なくとも残距離L1から残距離L3まで(駆動力が駆動力制限値R以上となる範囲)の間において、各位置の情報の記憶及びMAX駆動力FcやMAX車速Vcの更新を行えばよい。また、情報更新記憶部31では、位置に対応付けて各情報を記憶しているが、残距離(移動距離)に対応付けて各情報を記憶してもよい。
次に、自動駐車制御部32での具体的な処理について説明する。駐車支援スイッチ12からスイッチ信号で自動駐車のONが示されている場合、自動駐車制御部32では、情報更新記憶部31と同様に、駐車場周辺のグリッドマップを作成し、周辺環境検出部11からの周辺環境信号に基づいてグリッドマップ上に障害物や駐車区画線L,Lやタイヤ止めS,Sを配置させ、目標駐車位置を認識する。
自動駐車制御部32で、RAMに記憶させている自宅の駐車場の各位置(あるいは、各残距離)に対応付けた駆動力、制動力、車速、勾配等の情報及びMAX駆動力Fc等を読み出す。なお、自宅の駐車場に駐車させた複数回分の情報が記憶されている場合、複数回分の各情報から平均値等を算出して各情報を用いてもよいし、あるいは、最も直近で記憶された情報あるいは最も安全性が高い情報等を用いてもよい。
まず、図3を参照して、自動駐車の制駆動力制御(フィードバック制御)について説明する。自動駐車制御部32では、車両MVが所定距離移動する毎に、駐車経路上の目標位置とその位置での目標車速を設定する。駐車経路としては、目標駐車位置に基づいて算出される最適な駐車経路でもよいし、あるいは、記憶されている過去の駐車時の各位置からなる駐車経路を用いてもよい。目標位置は、算出された最適な駐車経路上の各位置でもよいし、あるいは、記憶されている過去の駐車時の各位置をそのまま用いてもよい。目標車速は、従来の周知の方法で設定される車速でもよいし、あるいは、記憶されている過去の駐車時の各位置での車速をそのまま用いてもよい。なお、駐車経路には、障害物とのクリアランスを考慮してマージンを持たせている。
自動駐車制御部32では、目標位置での目標車速と車両MVの現在位置での実車速との偏差を算出し、この偏差に基づいて車両MVの車速を目標車速にするために必要な制駆動力に変換し、PID[Proportional Integral Derivative]制御を行い、目標駆動力あるいは目標制動力を算出する。この制駆動力への変換方法は、従来の周知の方法を適用する。さらに、自動駐車制御部32では、PID制御後の目標駆動力がMAX駆動力Fcを超えるか否かを判定し、超えている場合には目標駆動力をMAX駆動力Fcに置き換える。ちなみに、従来の駐車支援装置での通常の制御では、このMAX駆動力FcによるMAXガード処理でなく、駆動力制限値RによるMAXガード処理となる。そして、自動駐車制御部32では、目標駆動力の場合にはその目標駆動力を示す駆動力制御信号をパワーマネージメントECU22に送信し、目標制動力の場合にはその目標制動力を示す制動力制御信号をブレーキECU21に送信する。
制駆動力制御中、自動駐車制御部32では、車両MVの現在位置での実車速が車速制限値Qを超えているか否かを判定し、超えている場合には車速制限値Q以下になるために必要な目標駆動力あるいは目標制動力を算出する。自動駐車制御部32では、この車速制限値Qを、車両MVの現在位置の勾配に基づいて設定する。
なお、上記の制駆動力制御は一例であり、他の制駆動力制御を行ってもよい。例えば、記憶されている過去の駐車時の各位置での駆動力をそのまま目標駆動力として制御を行ってもよい。また、記憶されているMAX駆動力Fcの位置(図2で示す残距離=L2の位置)でMAX駆動力Fcになるように制御を行ってもよい。また、記憶されているMAX車速Vcの位置(図2で示す残距離=L2の位置)でMAX車速Vcになるように制御を行ってもよい。
図2に示すように、駐車開始位置から残距離L1まで及び残距離L3から残距離L4(目標駐車位置)までは、車両MVで発生する駆動力が駆動力制限値R以下となる従来の駐車支援装置と同様の通常の駆動力制御が行われる。一方、残距離L1から残距離L3では、駆動力制限値Rを超える駆動力を発生させるので、MAX駆動力Fcを上限とする駆動力制御が行われる。例えば、残距離L2で車両MVの駆動力としてMAX駆動力Fcを発生させ、その後、車両MVが残距離L4(目標駐車位置)までスムーズに到達する。あるいは、残距離L2で駆動力がMAX駆動力Fc未満の状態で、慣性が働いて車両MVの車速がMAX車速Vcとなった場合には、その小さい駆動力でも車両MVが残距離L4(目標駐車位置)までスムーズに到達する。この際、その残距離L2での小さい駆動力がMAX駆動力Fcとして更新される。
次に、自動駐車の操舵制御(フィードバック制御)について説明する。自動駐車制御部32では、従来の駐車支援装置での制御と同様に、車両MVが所定距離移動する毎に、駐車経路に沿って車両MVが移動するように各目標位置での目標舵角を設定する。特に、自動駐車制御部32では、各目標位置での勾配に基づいて、駐車場における起伏によるタイヤの舵角(誤差分)を推定し、その推定した舵角を目標舵角に加味する。この際、各位置に対応付けて記憶させている経路差分量を利用してもよい。この起伏によるタイヤの舵角の加味は、少なくとも残距離L1から残距離L3までの範囲で行えばよい。そして、自動駐車制御部32では、目標位置での目標舵角と車両MVの現在位置での実舵角との偏差を算出し、この偏差に基づいて車両MVの舵角を目標舵角にするために必要な操舵力に変換し、PID制御を行い、目標操舵力を算出する。この操舵力への変換方法は、従来の周知の方法を適用する。そして、自動駐車制御部32では、目標操舵力を示す操舵力制御信号をステアリングECU20に送信する。この操舵制御は一例であり、他の操舵制御を行ってもよい。
なお、情報更新記憶部31では上記したように各位置に対応付けて経路差分量も記憶させている。この経路差分量から駐車場の起伏による経路の偏差が判るので、この各位置での経路差分量を利用して自動駐車中における車両MVの障害物とのクリアランスのマージンを従来よりも小さく設定することができる。特に、目標駐車位置に基づいて算出される最適な駐車経路に基づいて自動駐車する場合に好適である。
車両MVを駐車場から出庫させる場合に、MAX駆動力Fcを利用して駆動力を制限することもできる。本実施の形態の自宅の駐車場の例では、前進による出庫時には下り勾配となるので、駆動力(=0)+制動力によって駆動力を制限する(つまり、制動力を発生させるブレーキのみを用いて出庫)。駆動力(=0)+制動力で出庫するか否かの判断条件を以下に示す。MAX駆動力Fcを、式(1)で表すことができる。式(1)におけるWは、車重(=車両MVの重量+乗員の重量)である。乗員の重量は、例えば、車高センサの検出値を利用して従来の周知の方法で推定可能である。θは、駐車場のMAX駆動力Fcを示す位置での傾斜角(勾配)である。μは、駐車場の路面摩擦係数である。路面摩擦係数μは、式(2)で表すことができる。この式(1)と式(2)から、角度Φを算出する。そして、この角度Φが傾斜角θより小さい場合、駆動力を0として、制動力だけで出庫するようにする。このような出庫時の制限については、車両側の制御で行ってもよいし、あるいは、音声やディスプレイ表示等による情報提供してもよい。
Fc=W×(sinθ+μ×cosθ)・・・(1)
μ=tanΦ・・・(2)
Fc=W×(sinθ+μ×cosθ)・・・(1)
μ=tanΦ・・・(2)
図1〜図3を参照して、駐車支援装置1の動作の流れを説明する。特に、駐車中の各情報を記憶するときの動作については図4のフローチャートに沿って説明し、自動駐車での制駆動力制御については図5のフローチャートに沿って説明する。図4は、駐車支援装置1における駐車中の各情報を記憶するときの動作の流れを示すフローチャートである。図5は、駐車支援装置1における自動駐車するときの制駆動力制御の動作の流れを示すフローチャートである。
車両情報検出部10では、一定時間毎に、車両の各情報を検出し、車両情報信号を自動駐車ECU30に送信する。自動駐車ECU30では、この車両情報信号を受信し、車両の情報を取得する。また、周辺環境検出部11では、一定時間毎に、車両の周辺環境を検出し、周辺環境信号を自動駐車ECU30に送信する。自動駐車ECU30では、この周辺環境信号を受信し、周辺環境を取得する。ナビゲーションECU13では、一定時間毎に、車両の現在位置を検出し、現在位置信号を自動駐車ECU30に送信する。自動駐車ECU30では、この現在位置信号を受信し、車両の現在位置を取得する。また、ブレーキECU21では、一定時間毎に、車両の現在の制動力を検出し、制動力検出信号を自動駐車ECU30に送信する。自動駐車ECU30では、この制動力検出信号を受信し、車両の現在の制動力を取得する。また、パワーマネージメントECU22では、一定時間毎に、車両の現在の駆動力を検出し、駆動力検出信号を自動駐車ECU30に送信する。自動駐車ECU30では、この駆動力検出信号を受信し、車両の現在の駆動力を取得する。
ナビゲーションECU13では、運転者の操作によって地図上の所定の地点が自宅の駐車場として登録されると、その地点情報を自宅駐車場として設定する(S10)。この自宅駐車場の設定は、自宅駐車場の初回駐車時の1回のみである。
自宅駐車場が設定されている場合、ナビゲーションECU13では、車両の現在位置が更新される毎に、車両の現在位置が自宅駐車場の周辺の所定範囲(=Am)未満になったか否かを判定する(S11)。S11にて所定範囲未満でないと判定した場合、今回の処理は終了となる。S11にて所定範囲未満と判定した場合、ナビゲーションECU13では、駐車場周辺検知信号を自動駐車ECU30に送信する。この際、運転者による運転操作で自宅の駐車場に駐車させる場合もあるし、自動駐車で自宅の駐車場に駐車させる場合もある。
自動駐車ECU30では、この駐車場周辺検知信号を受信すると、グリッドマップを作成し、そのグリッドマップ上に障害物等を設定する(S12)。そして、自動駐車ECU30では、現在位置に対応付けた駆動力、制動力、車速、勾配等の記憶を開始する(S13)。この各情報の記憶は、サンプリング周期毎に行われる。また、自動駐車ECU30では、駐車区画線L,Lやタイヤ止めS,S等から目標駐車位置を認識する(S14)。
自動駐車ECU30では、目標駐車位置に後退駐車するための最適な駐車経路を算出する(S15)。また、自動駐車ECU30では、サンプリング周期毎に現在位置を記憶することによって、実際の経路を記憶する(S16)。そして、自動駐車ECU30では、記憶されている実経路から算出された駐車経路を減算し、各位置での経路差分量を算出し、その経路差分量も各位置に対応付けて記憶する(S17)。この各経路差分量の記憶も、サンプリング周期毎に行われる。
自動駐車ECU30では、現在の駆動力がMAX駆動力Fc以上か否かを判定する(S18)。S18にて現在の駆動力がMAX駆動力Fc以上と判定した場合、自動駐車ECU30では、MAX駆動力Fcを更新し、その更新したMAX駆動力Fcとそのときの位置を記憶する(S19)。この記憶は、MAX駆動力が更新される場合にのみ行われる。MAX駆動力Fcは、車両MVの駆動力が駆動力制限値Rを超える残距離L1からL3の間において更新される。
自動駐車ECU30では、車両MVが目標駐車位置に到達したか否かを判定する(S20)。S20にて目標駐車位置に到達していないと判定した場合、自動駐車ECU30では、今回の処理を終了する。S20にて目標駐車位置に到達したと判定した場合、自動駐車ECU30では、この位置での残距離L4=0と設定して、この位置をゴール地点として記憶する(S21)。
運転者が駐車支援スイッチ12に対してON操作すると、駐車支援スイッチ12では、自動駐車のONを示すスイッチ信号を自動駐車ECU30に送信する。自動駐車ECU30では、このスイッチ信号を受信すると、自動駐車を開始する(S30)。そして、自動駐車ECU30では、グリッドマップを作成し、そのグリッドマップ上に障害物等を設定する(S31)。
ナビゲーションECU13では、車両の現在位置が更新される毎に、車両の現在位置が自宅駐車場の周辺の所定範囲(=Am)未満になったか否かを判定する(S32)。S32にて所定範囲未満でないと判定した場合、ナビゲーションECU13では、駐車場周辺検知信号を自動駐車ECU30に送信しない。この際、自動駐車ECU30では、通常の制御となり(駆動力制限値Rより小さく駆動力を発生させる駆動力制御、目標舵角に駐車場の起伏によるタイヤの舵角(誤差分)を加味しない操舵制御)、駆動力制御信号をパワーマネージメントECU22に又は制動力制御信号をブレーキECU21に送信し、操舵力制御信号をステアリングECU20に送信する(S33)。S32にて所定範囲未満と判定した場合、ナビゲーションECU13では、駐車場周辺検知信号を自動駐車ECU30に送信する。
自動駐車ECU30では、駐車場周辺検知信号を受信すると、駐車区画線L,Lやタイヤ止めS,S等から目標駐車位置を認識する(S34)。ここでは、記憶しているゴール地点の情報を用いてもよい。また、自動駐車ECU30では、RAMに記憶させている自宅の駐車場の現在位置からゴール地点までの各位置に対応付けた駆動力、制動力、車速、勾配等の情報及びMAX駆動力Fcを読み出す(S35)。
そして、自動駐車ECU30では、車両MVが所定距離移動する毎に、各目標位置での目標車速を設定する(S36)。そして、自動駐車制御部32では、その目標車速と実車速から目標駆動力又は目標制動力を算出する(S36)。さらに、自動駐車制御部32では、その算出した目標駆動力がMAX駆動力Fcを超えるか否かを判定し、超えている場合には目標駆動力をMAX駆動力Fcに置き換える(S36)。そして、自動駐車制御部32では、目標駆動力の場合にはその目標駆動力を示す駆動力制御信号をパワーマネージメントECU22に送信し、目標制動力の場合にはその目標制動力を示す制動力制御信号をブレーキECU21に送信する(S36)。
また、自動駐車ECU30では、車両MVが所定距離移動する毎に、各目標位置での目標舵角を設定し、特に、目標舵角に対しては目標位置での勾配に基づいてタイヤの舵角(誤差分)を推定してその舵角を目標舵角に加味する。そして、自動駐車ECU30では、その目標舵角と実舵角から目標操舵力を算出する。そして、自動駐車ECU30では、その目標操舵力を示す操舵力制御信号をステアリングECU20に送信する。
自動駐車ECU30では、車両MVが目標駐車位置に到達したか否かを判定する(S37)。S37にて目標駐車位置に到達していないと判定した場合、自動駐車ECU30では、残距離L3から残距離L4の間においては通常の制御を行い、駆動力制御信号をパワーマネージメントECU22に又は制動力制御信号をブレーキECU21に送信し、操舵力制御信号をステアリングECU20に送信する(S33)。S37にて目標駐車位置に到達したと判定した場合、自動駐車ECU30では、自動駐車の制御を終了する。
パワーマネージメントECU22では、駆動力制御信号を受信すると、その駆動力制御信号に示される目標駆動力になるように駆動源の形態に応じてアクチュエータを制御する。これによって、車両MVでは、目標駆動力に相当する駆動力が発生し、目標車速になる。あるいは、ブレーキECU21では制動力制御信号を受信すると、その制動力制御信号に示される目標制動力になるように各輪のブレーキアクチュエータを制御する。これによって、車両MVでは、目標制動力に相当する制動力を発生し、目標車速になる。また、ステアリングECU20では、操舵力制御信号を受信すると、その操舵力制御信号に示される目標操舵力になるように操舵アクチュエータを制御する。これによって、車両MVでは、目標操舵力に相当する操舵力を発生し、タイヤの舵角が目標舵角になる。
駐車支援装置1によれば、過去の運転者の駐車時の運転操作による駆動力等を利用して駆動力制御を行うことにより、駐車経路上の各位置に見合った駆動力を発生させることができる。その結果、安全性を考慮しつつ、駐車途中における駆動力の不足や過剰を無くして、駐車経路において誤差を累積させずに高精度に目標駐車位置に車両を駐車させることができる。特に、駐車支援装置1によれば、過去の運転者の駐車時の運転操作による駆動力によってMAX駆動力を更新し、記憶したMAX駆動力を上限として駆動力制御を行うことにより、目標駐車位置まで車両を移動させるために必要な最大駆動力の範囲内で各位置における駆動力を発生させることができ、駐車経路上の各位置に見合った駆動力を発生させることができる。あるいは、駐車支援装置1によれば、過去の運転者の駐車時の運転操作による各位置の駆動力をそのまま目標駆動力として駆動力制御を行うことにより、駐車経路上の各位置に見合った駆動力を発生させることができる。
駐車支援装置1によれば、駐車場の各位置での勾配に基づいてタイヤの舵角(誤差分)を推定し、その推定した舵角を目標舵角に加味して操舵制御を行うことにより、駐車経路上の各位置に見合った操舵力を発生させることができる。その結果、駐車経路において誤差を累積させずに、高精度に目標駐車位置に車両を駐車させることができる。
駐車支援装置1によれば、運転者の運転操作によって駐車場に駐車させたときの各位置での駆動力、車速、勾配等の情報及びMAX駆動力を記憶しておくことにより、駐車場での外乱要因(勾配、路面摩擦係数等)を考慮して上記したような各制御を行うことできる。また、駐車支援装置1によれば、このような記憶した駆動力、車速、勾配等及びMAX駆動力を用いることにより、駐車場に関する詳細な地図データを必要とせず、従来の簡素な地図データで自動駐車を実現できる。
なお、従来の駐車支援装置では駆動力制限値によって途中で駆動力不足になって自動駐車できないような駐車場でも、駐車支援装置1では、駆動力不足になるようなことなく、駆動力制御を継続して、目標駐車位置まで車両を到達させることができる。また、従来の駐車支援装置では駐車経路を設定できないような駐車場でも、地図上にない障害物を事前に認識し、駐車場の各位置における勾配、駆動力、車速等を事前に記憶しておくことにより、駐車経路を設定して、自動駐車を行うことができる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では制駆動力制御と操舵制御による自動駐車の駐車支援装置に適用したが、制駆動力制御だけを行う駐車支援装置にも適用できる。
また、本実施の形態では自宅の駐車場を例に示したが、自宅の駐車場以外にも駐車頻度の多い駐車場に適用でき、例えば、職場の駐車場である。また、本実施の形態では後退駐車の例を示したが、前進駐車などの他の駐車の場合も同様に適用できる。
また、本実施の形態では駐車経路の各位置での駆動力や車速等の情報及びMAX駆動力を記憶しておく構成としたが、駐車経路の各位置での駆動力や車速等の情報だけを記憶しておき、各位置での駆動力等を用いて駆動力制御を行ってもよいし、あるいは、MAX駆動力だけを記憶しておき、MAX駆動力をMAXガードに用いて駆動力制御を行ってもよい。
1…駐車支援装置、10…車両情報検出部、11…周辺環境検出部、12…駐車支援スイッチ、13…ナビゲーションECU、20…ステアリングECU、21…ブレーキECU、22…パワーマネージメントECU、30…自動駐車ECU、31…情報更新記憶部、32…自動駐車制御部。
Claims (4)
- 予め設定された目標駐車位置に対して運転者の運転操作によって車両を駐車させる場合に、車両が移動した経路上の所定の位置における駆動力を記憶する記憶手段と、
前記目標駐車位置に対して車両側で自動的に駆動力を制御して車両を駐車させる場合に、前記記憶手段で記憶した前記所定の位置における駆動力を利用して駆動力を発生させる駐車制御手段と、
を備えることを特徴とする駐車支援装置。 - 前記記憶手段は、車両が移動した経路上の各位置における駆動力をそれぞれ記憶し、
前記駐車制御手段は、前記記憶手段で記憶した経路上の各位置における駆動力を発生させることを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。 - 前記記憶手段は、車両が移動した経路上で発生した最大駆動力を記憶し、
前記駐車制御手段は、前記記憶手段で記憶した最大駆動力を上限として駆動力を発生させることを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。 - 前記目標駐車位置は、ナビゲーション装置に記憶された自宅の駐車場の位置であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
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