JP2015077646A - 工作機械の加工液タンク - Google Patents

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Abstract

【課題】工作機械の加工槽から排出される加工液を貯留しかつ浄化してから加工槽に供給する加工液タンクは、設置面積を過度に大型化せずに浄化した加工液を供給することが望まれる。
【解決手段】本発明の加工液タンク(10)は、加工槽(2)が排出する加工液(7)を回収して貯留する内部空間の水平断面積が上部分(11a)よりも下部分(11b)の方が小さい汚液槽(11)と、汚液槽から送られる間に浄化される加工液を貯留しかつ加工槽に送る清液槽とを含む。清液槽が、加工槽に送る浄化した加工液を貯留する第1の清液槽(12)と、汚液槽から送られる間に浄化した加工液を貯留しかつ第1の清液槽に送る第2の清液槽(13)とを含むと良い。所定の液位より汚液槽の液位(Ld)が低い時のみ清液槽又は第1清液槽から汚液槽に加工液を送る送液手段(30)を含むと良い。所定の液位が清液槽の液位又は第1の清液槽の液位(Lm)であると良い。
【選択図】図1

Description

本発明は、工作機械の加工槽から排出される加工液を貯留するとともに貯留したその加工液を浄化してからその加工槽に再び供給する加工液タンクに関する。
加工槽を有する工作機械では、加工槽の中の被加工物と加工工具との間に加工液を供給するために、その間隙に向けてノズル等から加工液を供給したり、被加工物を加工液の中に沈めた状態にする等して被加工物を加工する。そうした加工液は、加工屑等によって汚れるので、加工液タンクに排出されて、その加工液タンク内で浄化されたあと再び供給される仕組みになっている。
例えば、放電加工装置は、ワイヤ電極を一対のワイヤガイド間で更新移動させて、そのワイヤ電極と被加工物の間の微小間隙に加工液を供給し、その微小間隙に電圧パルスを繰返し印加して放電を発生させることで被加工物を放電加工するワイヤカット放電加工装置と、立体形状の加工用電極を用いて、その加工用電極と被加工物の間の微小間隙に加工液を供給し、その微小間隙に電圧パルスを繰返し印加して放電を発生させることで被加工物を放電加工する形彫放電加工装置とに大別される。放電加工装置では、加工液としてイオン交換された水や油系加工液等が使用されている。
放電加工装置は、加工槽内に被加工物を固定して、その被加工物を加工液に沈めた状態で放電加工する方法、加工液に沈めた被加工物の加工部位に噴流ノズルから加工液を噴流しながら放電加工する方法、そして、被加工物の加工部位にだけ噴流ノズルから加工液を供給しながら放電加工する方法などがある。加工槽内の加工液は、被加工物の放電加工で生じる加工屑等で汚れるので、少なくとも加工中はその加工槽のドレンバルブ(加工液排出弁)を開いて加工液タンクに所定の流量で排出されながら、その加工液タンクで浄化されてからポンプ等の送液装置によって加工槽に設けた供給口または噴流ノズルから、その加工槽内から排出される加工液の所定の流量と同じだけ加工槽に供給される。また、加工液は、被加工物の放電加工が終了した時などに、加工槽のドレンバルブを開いて加工液タンクに全て排出される。したがって、加工槽に加工液を充満して加工する放電加工装置の場合で、加工液タンクは、加工槽を浄化された加工液で充満できる容量と加工槽から加工に供された使用済の加工液を全て回収できる容量とを合わせた容量に、加工液の供給不足と加工液の溢出事故を防止する安全のための容量を加えた総量を収容できる容積を有することが要求される。このとき、加工の原理的には、加工槽に加工液が満載されている加工中、加工液タンクの中には、加工液が殆ど貯留されていなくてもよいと言える。ただし、実用上は、例えば、ポンプを空運転させないために、ないしは、加工中に常時所定の液圧の加工液の噴流を供給し続けるために、液面を所要の液位以上に維持し得る十分な量の加工液が加工液タンクに残されて貯留されている必要がある。以下、液面を所要の液位以上に維持するために、加工液タンクに最低限度貯留されていなければならない加工液の容量を通常容量という。
特許文献1(特開2002−263961号公報)のワイヤ放電加工機の加工液タンクは、より短期間に加工槽を加工液で満たすことができるようにするために、その内部が、2つの仕切り板により、ダーティ槽と中間槽およびクリーン槽に3分割されている。第1の仕切り板は、クリーン槽と中間槽の間を仕切るとともに、加工液をクリーン槽から中間槽に移動させる第1の手段を含む。第2の仕切り板は、ダーティ槽と中間槽の間を仕切るとともに、加工液をダーティ槽から中間槽に移動させる第2の手段を含む。それら第1と第2の手段は、仕切り板に設けた貫通穴とこの貫通穴を開閉する弁からなり、それぞれの弁をそれぞれの貫通穴の両側に収納されている加工液の液位差により開閉する。ダーティ槽は、加工槽から排出される加工液を収納する。ダーティ槽内の加工液は、ダーティポンプによって吸い上げられて、フィルタに通されて加工屑などが除去されたあとクリーン槽に送られる。また、ダーティ槽内の加工液は、ダーティ槽内の加工液の液面の高さが中間槽の加工液の液面の高さよりも高いときにのみ、第2の弁を開いて中間槽に供給される。クリーン槽は、浄化された加工液を収納する。クリーン槽内の加工液は、供給ポンプによって吸い上げられてノズルから加工槽内の加工部に供給される。また、クリーン槽内の加工液は、クリーン槽内の加工液の液面の高さが中間槽の加工液の液面の高さよりも高いときにのみ、第1の弁を開いて中間槽に供給される。中間槽は、第1の弁と第2の弁が開いたときにクリーン槽とダーティ槽から供給される加工液を収納する。中間槽の加工液は、急送ポンプによって吸い上げられて加工槽の供給口から加工槽の中に供給される。また、中間槽の加工液は、中間槽の収納できる許容量を超えると第2仕切り板の上端からダーティ槽にオーバーフローする。
特許文献1の加工液タンクは、特許文献1の図2に具体的に示されているように、まず、クリーン槽内の加工液の液面Lcと中間槽内の加工液の液面Lmの高さは等しく、ダーティ槽内の加工液の液面Ldよりも高いとする。この状態では、第1の弁と第2の弁は閉じた状態になっている。それで、加工槽の加工液排出弁を閉じてから、急送ポンプをオンして、中間槽内の加工液を加工槽に送り出す。液面Lmが下降して液面Lcよりも低くなると、第1の弁は左右の液圧差により開き、クリーン槽内の加工液が中間槽に流れ込み、液面Lmと液面Lcの高さは等しくなる。液面Lmと液面Lcがさらに下降して液面Ldよりも低くなると、第2の弁が左右の液圧差により開き、ダーティ槽内の加工液が中間槽に流れ込む。以後、液面Lm、液面Lcおよび液面Ldが等しい高さになって下降する。そして、加工槽内の加工液位が予め定める高さになった後、急送ポンプをオフする。急送ポンプがオフされると第1と第2の弁が閉じる。しかし、ダーティポンプから加工液が供給されることにより液面Lcが上昇するため、第1の弁は直ちに開き、液面Lmと液面Lcは同一の高さになって上昇する。この時、中間槽内の加工液がダーティ槽に流れ込むことはない。また、加工が終了して加工液排出弁を全開にした時に液面Ldが液面Lmより低かった場合は、加工槽から戻った加工液により液面Ldが液面Lmよりも高くなった時点で第2の弁が開き、以後、液面Ldと液面Lmは同一の高さになって上昇する。しかし、液面Lmが上昇して液面Lcよりも高くなっても、第1の弁が閉じられるので、中間槽内の加工液がクリーン槽に流れ込むことはない。以上の構成によって、特許文献1の発明によると、加工液タンクの設置面積を大きくすることなく、加工槽を加工液で充満させるために加工液タンクから加工槽に送る加工液の送液量を増大させて加工液を“急送”し、段取り時間を短縮させることができる。
特開2002−263961号公報
しかしながら、特許文献1の放電加工装置の加工液タンクは、中間槽内の加工液の液面がダーティ槽内の加工液の液面よりも低いと、ダーティ槽側の第2の仕切り板に設けられた第2の弁が開き、ダーティ槽内の加工屑等を含んだ加工液がフィルタ等の浄化装置を経由せずに中間槽内に直接供給されるので、例えば、加工前の空の加工槽に中間槽から加工液を急送してその加工槽を所定量の加工液で満たすときや加工後の加工槽からすべての加工液を速やかにダーティ槽に排出してその加工槽を空にするとき等の正常動作時においても、急送の途中または排出の途中から第2の弁が開いて、中間槽内に加工屑等を含む汚れた加工液が混入してしまい、最終的に加工槽に浄化が不十分な加工液を供給することになる。加工液中の加工屑等は、加工速度の低下、加工面の面粗さの低下、または、加工不安定によるワイヤ電極の断線等を誘発する。特に、加工液が水系加工液の場合は、放電加工に供されて比抵抗値が所要値以下に低下した使用済の加工液が混入するので、中間槽の加工液が全く使えなくなってしまう。
また、加工液タンクの高さは、加工槽に固定されているドレンパイプ(排出管)の排出口の高さに制約を受けるとともに、加工液タンクのダーティ槽の全長または全幅がドレンパイプの移動距離、言い換えると、加工槽を移動させる移動体の移動ストロークに制約を受けている。そのため、特許文献1に開示される加工液タンクのように中間槽を有する加工液タンクは、理論上は、設置面積を大きくすることなく加工液を加工槽に急送できるようになるが、現実的には、殆どの加工機において、加工槽を含む加工機本機の構成に対応して加工液タンクの設置面積を大きくせざるを得ない。そして、設置面積が大きくなるほど、所要の液位を維持するために通常容量をより多くする必要があるので、特にダーティ槽の容積が通常容量分一層増大して、加工液タンクが大型化する。反対に、設置面積を大きくできない場合は、中間槽の容量を犠牲にしてダーティ槽の容量を中間槽の容量に比べて大きくする必要がある。そのため、中間槽から加工槽に加工液を急送するときの単位時間当たりの送液量を少なくせざるを得ず、加工液の供給に要する時間がより長くなる。
そこで、本発明は、設置面積を過度に大型化することなく、正常動作時には浄化した加工液を工作機械の加工槽に供給することを可能にする加工液タンクを提案することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の加工液タンクでは、工作機械の加工槽から排出される加工液を貯留するとともに貯留したその加工液を浄化してからその加工槽に供給する加工液タンクであって、前記加工槽から排出される前記加工液を回収して貯留するとともにその加工液を貯留する内部空間の水平断面積が上部分よりも下部分の方が小さく形成されている汚液槽と、前記汚液槽から送られてくる間に浄化される加工液を貯留するとともにその浄化された加工液を前記加工槽に送る清液槽と、を含むことを特徴とする。このとき、前記清液槽が、前記加工槽に送る浄化された加工液を貯留する第1の清液槽と、前記汚液槽から送られてくる間に浄化される加工液を貯留するとともに前記浄化された加工液を前記第1の清液槽に送る第2の清液槽と、を少なくとも含んでも良い。
本発明の加工液タンクによれば、従来の汚液槽において通常容量を少なくするために水平断面積を小さくすると、汚液槽の加工液の収容能力が低下して加工槽から全ての加工液が排出されるときに必要な容積が不足することがあったが、本発明の加工液タンクの汚液槽のように、汚液槽をその内部空間の水平断面積が上部分よりも下部分を小さくする構造にすることで、上部分において加工槽から排出される全ての加工液を収容させることができるとともに、下部分の水平断面積を小さくすることができるので、汚液槽における前述の通常容量を少なくすることができる。そのため、加工液タンクの設置面積を過度に大きくすることなく、加工に必要な程度に浄化された十分な量の加工液を供給することができる。また、本発明の加工液タンクでは、基本的に清液槽に汚液槽の加工屑等を含んだ汚れた加工液が直接流れ込むことがなくなることで、清液槽から加工に必要な程度浄化された十分な量の加工液を加工槽に常に供給することができるようになって、例えば、加工液中の加工屑等による加工速度の低下、加工面の面粗さの低下、または、加工不安定によるワイヤ電極の断線等の誘発といったことを防止することができる。また、本発明の加工液タンクでは、汚液槽において、加工液タンクの上部分の開口を小さくすることがないので、加工液タンクのメインテナンス作業の作業性を悪化させない。特に、ドレンパイプが移動する場合には、加工槽の排出口を形成するドレンパイプと対面する使用済の加工液の受入口となる空間を十分に確保できる。
また、好ましくは、本発明の加工液タンクが、所定の液位よりも前記汚液槽の液位の方が低いときにだけ、前記清液槽からその汚液槽に前記加工液を送る送液手段を含むと良い。このとき、前記清液槽が前記第1の清液槽と前記第1の清液槽を少なくとも含む場合には、所定の液位よりも前記汚液槽の液位の方が低いときにだけ、前記第1の清液槽からその汚液槽に前記加工液を送る送液手段を含むと良い。
本発明の加工液タンクによれば、基本的に汚液槽と清液槽との間に設けられる送液手段によって、浄化された加工液を貯留する清液槽から使用済の加工液を回収する汚液槽にきれいな加工液が送られることがあっても汚液槽から清液槽に汚れた加工液が送られることがないので、清液槽に汚液槽の加工屑等を含んだ汚れた加工液が直接流れ込むことがなく、清液槽から加工に必要な程度浄化された十分な量の加工液を加工槽に常に供給することができる。したがって、本発明の加工液タンクでは、加工槽にきれいな加工液を供給することができるので、例えば、加工液中の加工屑等による加工速度の低下、加工面の面粗さの低下、または、加工不安定によるワイヤ電極の断線等の誘発といったことを防止することができる。また、本発明の加工液タンクは、汚液槽と清液槽との間に設けられる送液手段を含むことで、汚液槽の液位が所定の液位よりも低くなるときにだけ、清液槽から汚液槽に加工液が送られて、汚液槽の内部空間の水平断面積に関係なく汚液槽の液位が所定の液位になろうとするので、汚液槽の内部空間の水平断面積を小さくすれば、加工槽が所定量の加工液で満たされているときの汚液槽に貯留される加工液の通常容量が比較的少なくなる。ここで、例えば、所定の液位は、清液槽の液位としても良い。また、例えば、所定の液位は、加工槽が空のときの上位の液位とそれ以外のときの下位の液位とに切り換えるようにしても良い。また、本発明の加工液タンクは、加工槽に貯留されている全ての加工液を排出するときに、汚液槽の液位が急激に上昇して所定の液位よりも高くなるために、送液手段によって清液槽から汚液槽に加工液が送られなくなるが、その排出中も汚液槽から清液槽に加工液が送られ続けているので、その排出中に汚液槽から清液槽に送られる加工液の容量の分だけ汚液槽を小さく形成することができる。したがって、本発明の加工液タンクは、汚液槽の総容量が、上記通常容量と、加工槽に貯留されている全ての加工液を排出されても溢れないだけの容量と、を合わせた必要最小限度の容量にすることができるので、清液槽の容積を犠牲にすることなく汚液槽を比較的小さくすることができるとともに加工液タンクの設置面積が過度に大型化しない。
また、好ましくは、本発明の加工液タンクが、前記所定の液位が前記清液槽の液位であると良い。このとき、前記清液槽が前記第1の清液槽と前記第1の清液槽を少なくとも含む場合には、前記所定の液位が前記第1の清液槽の液位であると良い。
本発明の加工液タンクによれば、汚液槽と清液槽との間に設けられる送液手段が、汚液槽の液位が清液槽の液位よりも低くなるときにだけ、清液槽から汚液槽に加工液を送り、清液槽と汚液槽の加工液の液位が同じになろうとするので、加工槽が所定量の加工液で満たされているときに、清液槽と汚液槽の液位が低位で安定し、汚液槽に貯留される加工液の通常容量を少なくできるので、汚液槽を小さくすることができるとともに加工液タンクの設置面積が過度に大型化されない。
また、好ましくは、本発明の加工液タンクが、1つの槽の内部を前記汚液槽と前記清液槽に仕切るとともに、その清液槽の少なくとも一部の上方にその汚液槽の上部分の少なくとも一部が配置されていると良い。このとき、前記清液槽が前記第1の清液槽と前記第1の清液槽を少なくとも含む場合には、1つの槽の内部を前記汚液槽と前記第1の清液槽と前記第2の清液槽からなる3つの槽に仕切るとともに、その第1の清液槽の少なくとも一部の上方にその汚液槽の上部分の少なくとも一部が配置されていると良い。
本発明の加工液タンクによれば、水平断面積が大きく形成される汚液槽の上部分の少なくとも一部が、清液槽の少なくとも一部の上方に配置されることで、加工液タンクの設置面積を小さくすることができる。また、汚液槽において、加工液タンクの上部分の開口を小さくすることがないので、加工液タンクのメインテナンス作業の作業性を悪化させない。特に、ドレンパイプが移動する場合には、加工槽の排出口を形成するドレンパイプと対面する使用済の加工液の受入口となる空間を十分に確保できる。例えば、本発明の加工液タンクは、汚液槽と反対に、清液槽の内部空間の水平断面積が上部分よりも下部分を大きく形成して、清液槽の下部分の一部の上方に汚液槽の上部分を配置した2段構造とすれば、加工槽が所定量の加工液で満たされているときに、汚液槽と清液槽の各液が同位だとすると、汚液槽に加工液を少なく通常容量だけ貯留し、清液槽に加工に必要な程度に浄化された加工液を十分な量貯留させておくことができる。
本発明の加工液タンクによれば、設置面積を過度に大型化することなく、加工に必要な程度に浄化された加工液を工作機械の加工槽に短時間に供給することを可能にする。
本発明の加工液タンクにおける加工槽が空のときの状態を示す模式図である。 本発明の加工液タンクにおける空の加工槽に加工液を急送する状態を示す模式図である。 本発明の加工液タンクにおける加工槽が所定量の加工液で満たされた状態を示す模式図である。 本発明の加工液タンクにおける上ガイドと下ガイドから加工液を高圧または低圧で噴流している状態を示す模式図である。 本発明の加工液タンクにおける加工槽から加工液をすべて排出する状態を示す模式図である。 本発明の加工液タンクの汚液槽と第1の清液槽と第2の清液槽の形状の一例を示す模式図である。 図6の本発明の加工液タンクを汚液槽と第1の清液槽と第2の清液槽に分解して示す模式図である。 図aが本発明の加工液タンクの上部分の水平断面図を示す図6のA−A断面図であり、図bが本発明の加工液タンクの下部分の水平断面図を示す図6のB−B断面図である。 本発明の加工液タンクの第1と第2の送液手段の一例を示すために代表して第2の送液手段を示す図6のC−C矢視断面図である。
本発明の工作機械の加工液タンクとしてワイヤ放電加工装置の加工液タンクの実施の態様を一例にして、図1ないし図9を参照しながら以下に説明する。
ワイヤ放電加工装置1は、加工槽2の中に被加工物6を固定し、その加工槽2に加工液タンク10から所定量の加工液7を供給して被加工物6を加工液7に沈めた状態で、ワイヤ電極5を上ガイド4aと下ガイド4bの間で更新移動させて、加工液7の中でワイヤ電極5と被加工物6の間の微小間隙に電圧パルスを繰返し印加して放電を発生させることで被加工物6を放電加工する。
加工槽2は、加工液タンク10から加工液7を流入するための供給口2aと加工液タンク10に加工液7を排出するための排出口2bを含む。加工槽2の排出口2bには、加工液排出弁3を有する。加工液排出弁3は、空の加工槽2に加工液タンク10の加工液7が急送されてくるときに排出口2bを閉じる。また、加工液排出弁3は、加工時などに加工槽2に加工液タンク10から加工液7が供給される流量に開度を合わせることで、加工槽2の液位を一定に維持しながら加工槽2と加工液タンク10との間で加工液7を循環させる。また、加工液排出弁3は、放電加工が完了し、加工槽2の加工液7をすべて排出するときには全開にして大きな流量で加工液タンク10に排出させる。
上ガイド4aと下ガイド4bには、ワイヤ電極5と被加工物6の間の微小間隙に加工液7を供給することができる加工液噴出口が形成されている。また、図示省略されるが、上下ガイド4a、4bとは別途に、上ノズルと下ノズルを含んで、ワイヤ電極5と被加工物6の間の微小間隙に加工液7を供給するようにしても良い。また、図示省略されるが、ワイヤ電極5と被加工物6の間の微小間隙に加工液7を供給する噴出孔を被加工物6に形成しても良い。また、図示省略されるが、型彫り放電加工装置であれば、加工液7の噴出孔を電極に形成しても良い。
加工液タンク10は、汚液槽11と清液槽とを有する。清液槽は、被加工物を浸漬するために必要な程度に浄化され加工液を充満させるための加工液を貯留する急送用の第1の清液槽12と、加工媒体として必要な程度に浄化され加工間隙に直接供給するための加工液を貯留する噴流用の第2の清液槽13とから成る。汚液槽11は、加工槽2の排出口2bから排出される加工屑などを含んで汚れている使用済の加工液7を回収して貯留する。循環ポンプ21は、汲み上げた汚液槽11の加工液7を濾過フィルタ等の浄化装置25を通過させることで浄化し、その浄化されたあとのきれいな加工液7を第2の清液槽13に所定の流量で送る。第2の清液槽13は、きれいな加工液7を貯留し、常時加工液7が供給されてくることから、貯留可能な容量を超えて加工液7が溢れるので、その溢れた加工液7、すなわち、そのオーバーフローした加工液7を第1の清液槽12に送るようになっている。第1の清液槽12は、第2の清液槽13から常時送られてくるきれいな加工液7を貯留する。また、第1の清液槽12は、後述される第1の送液手段30によって汚液槽11にきれいな加工液7を送るようになっている。なお、汚液槽11の加工液7d、第1の清液槽12の加工液7m、第2の清液槽13の加工液7c、そして、加工槽2の加工液7aを総じて、加工液7と称することにする。
送液ポンプ22は、常時第1の清液槽12のきれいな加工液7を汲み上げて、冷却装置26を介して第2の清液槽13に送る。冷却装置26は、放電加工のときに加熱されて温度が上昇した加工液7を冷却して、常に加工液7を所定の一定温度に維持する。また、その送液ポンプ22は、常時第1の清液槽12のきれいな加工液7を汲み上げて、加工液排出弁3を閉じてから加工槽2の供給口2aから空の加工槽2に加工液7を満たすときには所定の大きな流量で加工液7を加工槽2に送り、加工液7が加工槽2の所定の液位Laまで貯まったときには所定の小さな流量に切り換えて加工液を送るとともにそのときの流量に加工液排出弁3の開度を合わせることで所定の小さな流量で加工液7を循環させる。もちろん、送液ポンプ22は、第2の清液槽13に送るポンプと加工槽2に送るポンプで別々のポンプを使っても良い。また、空の加工槽2にさらに速く加工液7を供給するために、送液ポンプ21とは別に急送ポンプ23を設けても良い。急送ポンプ23は、送液ポンプ21と一緒に所定の大きな流量で第1の清液槽12の加工液7を加工槽2に急送し、加工液7が加工槽2の所定の液位まで貯留されたら停止するようにしても良い。噴流ポンプ24は、第2の清液槽13のきれいな加工液7を汲み上げて、所定の大きな流量で上ガイド4aや下ガイド4bなどから加工槽2にきれいな加工液7を供給する。なお、加工液7がイオン交換された水である場合には、例えば、樹脂省略されるイオン交換樹脂からなる純水器を冷却装置26の前後の流路に配置するようにしても良いし、また、図示省略される別途に設けるポンプで第2の清液槽13から汲み上げた加工液7を図示省略されるイオン交換樹脂からなる純水器を通したあと再び第2の清液槽113に戻すようにしても良い。
ここからは、本発明の加工液タンク10の特有の構成が説明される。本発明の加工液タンク10は、汚液槽11と第1の清液槽12と第2の清液槽13との3つの貯留槽を含む。例えば、図に示すように、本発明の加工液タンク10は、1つの槽内を汚液槽11と第1の清液槽12と第2の清液槽13に仕切り板で分割されて、内部空間の上部分11aよりも下部分11bの方の水平断面積が小さい汚液槽と、内部空間の上部分12aよりも下部分12bの方の水平断面積が大きい第1の清液槽12と、そして、内部空間の水平断面積が上部分13aと下部分13bとで略等しい第2の清液槽13と、が組み合わされた1つの直方体を成している。したがって、加工液タンク10は、その上部分10に各槽の上部分11a、12a、13aが配置され、その下部分10bに各槽の下部分11b、12b、13bが配置されている。なお、図では、XY平面を水平方向とし、Z方向を垂直方向とする。Z軸方向が加工液タンク10の深さを示す方向である。また、循環ポンプ21が停止するなどした場合において、図のように汚液槽11からオーバーフローする汚れた加工液7を濾過フィルタ等の浄化装置26を通してから第2の清液槽13に送るための流路を設けてあっても良い。また、循環ポンプ21が停止するなどした場合において、汚液槽11からオーバーフローする加工液7が仕切り板の上端から隣の第2の清液槽13に流入しないようにしても良い。
また、本発明の加工液タンク10は、汚液槽11と第1の清液槽12の間に第1の送液手段30を含む。第1の送液手段30は、汚液槽11の液位Ldが所定の液位よりも低くなるときにだけ、第1の清液槽12から汚液槽11に加工液7を送るものである。例えば、図に示すように、本発明の加工液タンク10では、汚液槽11の下部分11bと第1の清液槽12の下部分12bの間の仕切り板に、第1の送液手段30が設けられて、前記所定の液位を第1の清液槽12の液位Lmとして、汚液槽11の液位Ldが第1の清液槽12の液位Lmよりも低いときにだけ、第1の清液槽12のきれいな加工液7を汚液槽11に送る。例えば、第1の送液手段30は、汚液槽11の下部分11bと第1の清液槽12の下部分12bの間の仕切り板に汚液槽11と第1の清液槽12を連通す連通孔30aと、その連通孔30aを汚液槽11の内側から開閉する開閉板30bとを含み、汚液槽11の液位Ldが第1の清液槽12の液位Lmよりも低いことで生じる液圧差で開閉板30bを汚液槽11の内側に開いて、第1の清液槽12の加工液7を汚液槽11に供給し、それ以外では開閉板30bが開かない逆止弁であっても良い。そうした逆止弁であれば、送液手段30の構成が容易になる。また、第1の送液手段30は、液位あるいは液位差あるいは液圧差を検出する各種センサを適宜用いて、その検出信号を受けて開閉板30bを駆動手段で開閉するようにしても良いし、その検出信号を受けて別途に設けるポンプで第1の清液槽12から汚液槽11に加工液7を送液するようにしても良い。また、第1の送液手段30は、例えば、所定の液位を加工槽2が空のときのある一定の上位の液位とそれ以外のときのある一定の下位の液位とに切り換えるようにしても良い。
また、本発明の加工液タンク10は、第1の清液槽12と第2の清液槽13の間に第2の送液手段40を含んでも良い。第2の送液手段40は、循環ポンプ21が故障したときや浄化手段の濾過フィルタが目詰まりしたときなどのように、汚液槽11から第2の清液槽13に送る加工液7が不足しまたは全く送ることができないときにでも、上下ガイド4a、4b等から加工液7を噴流しながら加工が継続できるように、または、噴流ポンプ24の空運転による焼付けを防止するために、第2の清液槽13の液位Lcが所定の液位よりも低くなるときにだけ、第1の清液槽12から第2の清液槽13に加工液7を送るものである。例えば、図に示すように、本発明の加工液タンク10では、第1の清液槽12の下部分12bと第2の清液槽12の下部分13bの間の仕切り板に、第2の送液手段40が設けられて、前記所定の液位を第1の清液槽12の液位Lmとして、第2の清液槽13の液位Lcが第1の清液槽12の液位Lmよりも低いときにだけ、第1の清液槽12の加工液7を第2の清液槽13に送る。例えば、図に示すように、第2の送液手段40が、第1の清液槽12の下部分12bと第2の清液槽13の下部分13bの間の仕切り板に第1の清液槽12と第2の清液槽13を連通す連通孔40bと、その連通孔40bを第2の清液槽13の内側から開閉する開閉板40aとを含み、第2の清液槽13の液位Lcが第1の清液槽12の液位Lmよりも低いことで生じる液圧差で開閉板40aを第2の清液槽の内側に開いて、第1の清液槽12の加工液7を第2の清液槽13に供給し、それ以外では開閉板40bが開かない逆止弁であっても良い。その液圧差を用いる第2の送液手段40であれば、液位を検出するセンサを用いる場合よりも構成が容易になる。また、第2の送液手段40は、例えば、所定の液位をある一定の液位としても良い。なお、避けがたい事情によって加工を継続することを優先するために、作業者が加工液タンクを運転しながら修理をすることを選択した場合は、この実施の形態の加工液タンク10の構成上、例えば、循環ポンプ21が停止すると、第2の清液槽13の加工液7が第1の清液槽12に供給されずに、汚液槽11から仕切り板の上端を越えてオーバーフローしてくる加工液7が第1の清液槽12に流入するため、加工液タンク10に貯留される加工液のほぼ全体の清浄度が徐々に低下し続けていくが、少なくとも、加工液タンク10から加工液が溢出することを防ぐことができる利点を有する。
さらにここからは、本発明の加工液タンク10がその状態毎に詳しく説明される。例えば、加工槽2の最大貯留容量が490リットル、汚液槽11の最大貯留容量が500リットル、第1の清液槽12の最大貯留容量が600リットル、そして、第2の清液槽の最大貯留容量が100リットルとする。第1の送液手段30は、汚液槽11の液位Ldが第1の清液槽12の液位Lmよりも低いときにだけ、第1の清液槽12の加工液7を汚液槽11に送る。また、第2の送液手段40は、第2の清液槽13の液位Lcが第1の清液槽12の液位Lmよりも低いときにだけ、第1の清液槽12の加工液7を第2の清液槽13に送る。ここで、循環ポンプ21と送液ポンプ22は、常時駆動しているものとする。
加工槽2が空の最初の状態である準備段階を説明する(図1)。汚液槽11の加工液7は、循環ポンプ21によって汲み上げられ、浄化装置25を通して第2の清液槽13に毎分60リットルの流量で送られている。第2の清液槽13は、常時最大貯留容量の加工液7で満たされているので、循環ポンプ21で常時送られてくる毎分60リットルの加工液7と、後述される冷却装置26を通して常時送られてくる毎分30リットルの加工液7と、を合わせた毎分90リットルの加工液7が溢れることになり、その溢れる加工液7を仕切り板の上端から第1の清液槽12にオーバーフローする。第1の清液槽12の加工液7は、送液ポンプ22によって汲み上げられて、冷却装置26を通して第2の清液槽13に毎分30リットルの流量で常時送られているとともに、電磁弁8aを開いて、加工液排出弁3を全開に開いた状態の加工槽2に毎分15リットルの流量で常時送られている。加工槽2は、加工液排出弁3が全開に開いているので、供給口2aから供給される加工液7が貯まることなく、排出口2bから毎分15リットルの流量で加工液タンク10の汚液槽11に排出されている。このとき、汚液槽11の加工液7は毎分45リットルで減るので液位Ldが下がり、第1の清液槽12の加工液7は毎分45リットルで増えるので液位Lmが上がることになるので、第1の送液手段30は、第1の清液槽12から汚液槽11に加工液7を毎分45リットルで送り出して、汚液槽11の液位Ldと第1の清液槽12の液位Lmが同じ液位になるようにしている。それで、第1の清液槽12には、準備段階として、加工槽2を十分に充満できる加工液7が貯留されて準備されることになる。なお、加工液排出弁が全開の状態の加工槽2に毎分15リットルで送られる加工液7は、例えば、加工槽2の底や加工液排出弁3等に残る加工屑などを清掃するため等を目的に流しているので、必要に応じて常時または適時に流すようにしても良い。また、加工槽7が空の状態であっても、加工槽の中に設けられる被加工物6を固定するための図示省略されるテーブル等の熱変異を抑制するために、テーブル等が浸る程度に加工液7を加工槽2内に僅かに低い水位で維持させておく場合もある。そうした場合にも加工槽2の中の加工液7を常時または適時に循環させるようにしても良い。
空の加工槽2に加工液7を急送する状態を説明する(図2)。まずは、前述で説明されたように、第1の清液槽12には、加工槽2を十分に充満できる加工液7が貯留されている。第2の清液槽13は、継続して循環ポンプ21と浄化装置25で浄化した加工液7が毎分60リットルで常時送られてきて、送液ポンプ22と冷却装置26で冷却された加工液7が毎分30リットルで常時送られてきて、それで、送られてくる加工液7と同じ毎分90リットルの流量で加工液7をオーバーフローしている。その状態から加工槽2の加工液排出弁3が閉じられる。そのあと、第1の清液槽12の加工液7は、加工槽2の所定の液位Laまで加工液7が貯まるまで、流量を増大させた送液ポンプ22で毎分140リットルの流量で供給口2aから加工槽2の中に送られるのと一緒に、電磁弁8bを開いて急送ポンプ23でも毎分170リットルの流量で供給口2aから加工槽2の中に送られる。このとき、第1の清液槽12の液位Lmは、急激に下がり、汚液槽11の液位Ldよりも低いので、第1の送液手段30が閉じられて第1の清液槽12から汚液槽11に加工液7が送られていない。
加工槽2の所定の液位Laまで加工液が貯まった状態であるとともに加工中の状態を説明する(図3)。第2の清液槽13は、継続して毎分60リットルで浄化された加工液7と毎分30リットルで冷却された加工液7が送られてきて、それで、送られてくる加工液7と同じ流量で第1の清液槽12に加工液7を毎分90リットルでオーバーフローしている。加工槽2に所定の液位Laまで加工液7が貯まると、送液ポンプ22で加工槽2に送られている加工液7の流量を毎分15リットルに減らすとともに急送ポンプ23を停止して電磁弁8bを閉じる。また、加工液排出弁3は、送液ポンプ22が加工液7を毎分15リットルの流量で加工槽2に送るのに開度を合わせることで、加工槽2の排出口2bから排出される加工液7の流量を調整して、加工槽2の加工液7を所定の液位Laに維持する。急送を完了してしばらくは、汚液槽11の液位Ldが第1の清液槽12の液位Lmよりも高い。しかし、汚液槽11の加工液7は毎分45リットルで減るので液位Ldが下がり、第1の清液槽12の加工液7は毎分45リットルで増えるので液位Lmが上がることになるので、汚液槽11の液位Ldが第1の清液槽12の液位Lmよりも下がり始めた時点で、第1の送液手段30は、第1の清液槽12から汚液槽11に加工液7を毎分45リットルで送り出して、汚液槽11の液位Ldと第1の清液槽12の液位Lmが同じ液位になろうとする。汚液槽11の液位Ldは、低い位置で安定する。このときの汚液槽11の加工液7が汚液槽11の通常容量となる。この実施例の汚液槽11の通常容量は、100リットル程度である。なお、このときの状態では、加工槽2に毎分15リットルのきれいな加工液7が送られて、加工槽2の加工で汚れた加工液7を毎分15リットルで排出するように、加工槽2の加工液7を循環させている。
上下ガイド4a、4bから加工液7を噴流しながら加工を行う状態を説明する(図4)。第2の清液槽13は、継続して毎分60リットルで浄化された加工液7と毎分30リットルで冷却された加工液7が送られてきて、それで、送られてくる加工液7と同じ流量で第1の清液槽12に加工液7を毎分90リットルでオーバーフローしている。また、加工液排出弁3は、送液ポンプ22が加工液7を毎分15リットルの流量で加工槽2に送るのに開度を合わせることで、加工槽2から排出される加工液7の流量を調整して、加工槽2の加工液7を所定の液位Laに維持している。加工槽2は、上下ガイド4a、4bから適宜選択して電磁弁8c、8dを開く。例えば、第2の清液槽13の加工液7が噴流ポンプ24で上ガイド4aと下ガイド4bからあわせて毎分40リットルの流量で高圧噴流されるとする。このとき、第2の清液槽13から溢れて第1の清液槽12にオーバーフローする加工液7の流量は、毎分90リットルから毎分50リットルに減ることになる。また、加工槽2の加工液7は、加工液排出弁3が、送液ポンプで常時送られてくる毎分15リットルの加工液7と噴流ポンプ24で送られてくる毎分40リットルの加工液7を合わせた毎分55リットルの流量に開度をあわせることで、加工液タンク10の汚液槽11に毎分55リットルが排出されることになる。したがって、汚液槽11の加工液7は毎分5リットルで減るので液位Ldが下がり、第1の清液槽12の加工液7は毎分5リットルで増えるので液位Lmが上がることになるので、第1の送液手段30は、第1の清液槽12から汚液槽11に加工液7を毎分5リットルで送り出して、汚液槽11の液位Ldと第1の清液槽12の液位Lmが同じ液位になる。また、例えば、第2の清液槽13の加工液7が噴流ポンプ24で上ガイド4aと下ガイド4bからあわせて毎分10リットルの流量で低圧噴流されるとする。このとき、第2の清液槽13から溢れて第1の清液槽12にオーバーフローする加工液7の流量は、毎分90リットルから毎分80リットルに減ることになる。また、加工槽2の加工液7は、加工液排出弁3が、送液ポンプで常時送られてくる毎分15リットルの加工液7と噴流ポンプ24で送られてくる毎分10リットルの加工液7を合わせた毎分25リットルの流量に開度をあわせることで、加工液タンク10の汚液槽11に毎分25リットルが排出されることになる。したがって、汚液槽11の加工液7は毎分35リットルで減るので液位Ldが下がり、第1の清液槽12の加工液7は毎分35リットルで増えるので液位Lmが上がることになるので、汚液槽11の液位Ldが第1の清液槽12の液位Lmよりも下がり始めた時点で、第1の送液手段30は、第1の清液槽12から汚液槽11に加工液7を毎分35リットルで送り出して、汚液槽11の液位Ldと第1の清液槽12の液位Lmが同じ液位になろうとする。
加工を終了するとき等に、加工槽2に貯められた加工液7をすべて排出する状態を説明する(図5)。第2の清液槽13は、継続して毎分60リットルで浄化された加工液7と毎分30リットルで冷却された加工液7が送られてきて、それら送られてくる加工液7と同じ流量で第1の清液槽12に加工液7を毎分90リットルでオーバーフローしている。また、送液ポンプ22で第1の清液槽12の加工液7が加工槽に毎分15リットルの流量で送られている。その状態から、加工液排出弁3を全開にすることで、例えば、加工槽2に貯められた最大で490リットルの加工液7を排出口2bから加工液タンク10の汚液槽11に毎分280リットルで排出するとする。490リットルの加工液7は、2分間程度で完全に加工槽から排出されることになる。その際、その排出の約2分間に送液ポンプ22で加工槽2に供給される約30リットルの加工液7も一緒に排出されることになるので、実質520リットルの加工液7が排出口2bから排出されることになる。汚液槽11の最大貯留容量は、加工液排出弁3を全開にする前から汚液槽11に貯留されている加工液7の通常容量と、加工槽2の最大貯留容量と、排出中にも加工槽2に送液ポンプ22で供給される加工液7と、を合わせた容量から、循環ポンプ21で汚液槽11から第2の清液槽13に送られる加工液7の容量を差し引いた容量となる。例えば、通常容量が100リットル、加工槽2の最大貯留容量490リットル、排出中の加工槽2への加工液7の供給分の容量が30リットル(毎分15リットル)、循環ポンプ21で汚液槽11から第2の清液槽13に送られる分の容量が120リットル(毎分60リットル)とすると、汚液槽11の最大貯留容量は、500リットル程度あれば良いことになる。このとき、汚液槽11は、この大量の加工液7の排出によって、液位Ldが急上昇して、第1の清液槽12の液位Lmを超えるので、第1の送液手段30による第1の清液槽12から汚液槽11への加工液7の供給が停止している。なお、加工槽2の加工液7をすべて排出する間は、加工槽2に加工液7を送らないようにしても良い。ただし、送液ポンプ22が加工液7を加工槽2に常時送るようにすれば、例えば、電磁弁8aを不要にし、冷却装置用と同じポンプを共用できるので、装置の構成や製作コストを低減できる。また、本発明の加工液タンクでは、加工槽2の加工液7を加工液排出弁3からすべて排出する際の加工液7の流量を小さくすることで、排液時間が長くなれば、その間に循環ポンプ21によって汚液槽11から第2の清液槽13に送られる加工液7の量が多くなるので、更なる汚液槽11の省スペース化が可能になる。
なお、本発明の加工液タンク10では、例えば、加工槽2に加工液7を急送するとともにその急送された分の加工液7が加工液タンク10に排出される状態が継続するような特殊な状態が万一発生しても、汚液槽11から仕切り板の上端を越えてオーバーフローしてくる加工液7が第1の清液槽12に流入できるようにしておくことで、加工液タンク10に貯留される加工液のほぼ全体の清浄度が徐々に低下し続けていくことにはなるが、少なくとも、その急送を継続することができるとともに加工液タンク10から加工液が溢出することを防ぐことができる利点を有する。なお、加工液7を加工槽2に急送しながら同じ流量で加工槽2の加工液7を排出するようなことを防止するために、加工液排出弁を開くときには急送を停止するようにしても良い。また、このときに、第1の清液槽12から冷却装置26を通して送られてくる加工液7を濾過フィルタ等を通してから第2の清液槽13に送る構成や第2の清液槽13から冷却装置26を介して再び第2の清液槽13に戻す構成などであり、そして、循環ポンプ22が駆動していれば、第2の清液槽13の加工液7は、清浄な状態を維持できる。
本発明の加工液タンク10は、ここまで説明してきた実施の態様に限定されることはない。本発明の加工液タンク10は、放電加工装置に限定されることなく、各種工作機械にも適用可能である。また、各種ポンプは、流量を可変可能なポンプまたは定量ポンプ等を適宜に選択して用いれば良い。また、電磁弁8a、8b、8c、8dは、必要に応じて適宜に必要な箇所に設けられれば良い。
本発明の加工液タンクは、工作機械に備えられる加工液タンクにおいて広く適用される。特に、本発明の加工液タンクは、工作機械の加工槽から排出される加工液を貯留するとともに貯留したその加工液を浄化してからその加工槽に再び供給する加工液タンクに適用される。
1 放電加工装置
2 加工槽
2a 加工槽の供給口
2b 加工槽の排出口
3 加工液排出弁
4a 上ガイド
4b 下ガイド
5 ワイヤ電極
6 被加工物
7 加工液
7a 加工槽の加工液
7c 第2の清液槽の加工液
7d 汚液槽の加工液
7m 第1の清液槽の加工液
8a 電磁弁
8b 電磁弁
8c 電磁弁
8d 電磁弁
10 加工液タンク
11 汚液槽
12 第1の清液槽
13 第2の清液槽
21 循環ポンプ
22 送液ポンプ
23 急送ポンプ
24 噴流ポンプ
25 浄化装置(濾過フィルタ)
26 冷却装置
30 第1の送液手段
40 第2の送液手段
La 加工槽の加工液の液位
Lc 第2の清液槽の加工液の液位
Ld 汚液槽の加工液の液位
Lm 第1の清液槽の加工液の液位

Claims (8)

  1. 工作機械の加工槽から排出される加工液を貯留するとともに貯留したその加工液を浄化してからその加工槽に供給する加工液タンクであって、
    前記加工槽から排出される前記加工液を回収して貯留するとともにその加工液を貯留する内部空間の水平断面積が上部分よりも下部分の方が小さく形成されている汚液槽と、
    前記汚液槽から送られてくる間に浄化される加工液を貯留するとともにその浄化された加工液を前記加工槽に送る清液槽と、
    を含むことを特徴とする加工液タンク。
  2. 所定の液位よりも前記汚液槽の液位の方が低いときにだけ、前記清液槽からその汚液槽に前記加工液を送る送液手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の加工液タンク。
  3. 前記所定の液位が前記清液槽の液位であることを特徴とする請求項2に記載の加工液タンク。
  4. 1つの槽の内部を前記汚液槽と前記清液槽に仕切るとともに、その清液槽の少なくとも一部の上方にその汚液槽の上部分の少なくとも一部が配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の加工液タンク。
  5. 前記清液槽が、
    前記加工槽に送る浄化された加工液を貯留する第1の清液槽と、
    前記汚液槽から送られてくる間に浄化される加工液を貯留するとともに前記浄化された加工液を前記第1の清液槽に送る第2の清液槽と、
    を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の加工液タンク。
  6. 所定の液位よりも前記汚液槽の液位の方が低いときにだけ、前記第1の清液槽からその汚液槽に前記加工液を送る送液手段を含むことを特徴とする請求項5に記載の加工液タンク。
  7. 前記所定の液位が前記第1の清液槽の液位であることを特徴とする請求項6に記載の加工液タンク。
  8. 1つの槽の内部を前記汚液槽と前記第1の清液槽と前記第2の清液槽からなる3つの槽に仕切るとともに、その第1の清液槽の少なくとも一部の上方にその汚液槽の上部分の少なくとも一部が配置されていることを特徴とする請求項5から7のいずれか1つに記載の加工液タンク。
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