JP2009255223A - 複合加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工槽の内壁面や底面に付着したり、槽壁板の下側の段差部分や底面の角隅部分に溜まる研磨材粒や砥粒の洗浄作業が負担であるとともに、洗い残しが生じる。
【解決手段】加工槽1は、槽壁2で構成される。槽壁2は、上部1Aの空間を形成する槽壁板3と下部1Bの空間を形成するベッド4に形成された鋳物壁5を含む。水路12は、下部1Bの空間を形成するベッド4の左側壁52、右側壁53、後壁54の上縁部位に沿って加工槽1の全周にわたって槽壁2を横断するように設けられる。シャッタ6は、上昇時に槽壁板3の後壁板に相当し、シャッタ6の下側に水路12が設けられる。また、開閉する前扉の下縁に沿って水路12を設ける。前扉の下側に斜板を設ける。水路12の開口から水を流下させて鋳物壁5の内壁面、底面7、斜板を満遍なく洗浄する。
【選択図】図1
【解決手段】加工槽1は、槽壁2で構成される。槽壁2は、上部1Aの空間を形成する槽壁板3と下部1Bの空間を形成するベッド4に形成された鋳物壁5を含む。水路12は、下部1Bの空間を形成するベッド4の左側壁52、右側壁53、後壁54の上縁部位に沿って加工槽1の全周にわたって槽壁2を横断するように設けられる。シャッタ6は、上昇時に槽壁板3の後壁板に相当し、シャッタ6の下側に水路12が設けられる。また、開閉する前扉の下縁に沿って水路12を設ける。前扉の下側に斜板を設ける。水路12の開口から水を流下させて鋳物壁5の内壁面、底面7、斜板を満遍なく洗浄する。
【選択図】図1
Description
本発明は、1台の機械でウォータジェット加工とワイヤカット放電加工を実施することができる複合加工装置に関する。特に、ウォータジェット加工とワイヤカット放電加工で共通の加工槽を有し、加工槽を洗浄する機能を有する複合加工装置に関する。
上下一対のワイヤガイド間に張架されたワイヤ電極を走行させながらワイヤ電極と被加工物を所定の加工間隙をもって対向配置させ、加工間隙に所定の加工電圧を印加するとともにワイヤ電極と被加工物を相対移動させて、ワイヤ電極と被加工物との間に連続的に発生する放電によって糸鋸のように被加工物を所望の加工形状に切断加工するワイヤカット放電加工が知られている。
ワイヤカット放電加工では、要求される加工面粗さが小さく加工形状精度が高いほど放電一発毎の取り量を小さくする必要があるため加工速度が遅くなる。そこで、加工時間を短くするために、加工を複数の加工工程に分けて、大きな放電エネルギで荒加工してから放電エネルギを小さくして仕上げ加工するようにされている。被加工物を大まかに所望の加工形状に切断する荒加工工程をファーストカット、被加工物の切断された加工面を加工する仕上げ加工工程を、加工する工程順に、セカンドカット、サードカット、フォースカットのように称する。
現在、ファーストカットの加工速度は、φ0.3mmの亜鉛鍍金された特殊黄銅ワイヤ電極線で550mm2/mim程度まで得られるようになってきているが、ワイヤ電極線の材質と径および被加工物の材質によって異なり、通常は、100mm2/min〜350mm2/min程度である。そして、加工速度をこれまで以上に大幅に速くすることは、困難になってきている。
そこで、特許文献1に開示されるように、荒加工工程を、ウォータジェット加工、特に板厚の厚い材料や金属材料を切断することができる研磨材粒や砥粒を混入させた高圧水をウォータジェットノズルから噴射させて被加工物を切断加工するアブレイシブウォータジェット加工で行ない、1回以上の仕上げ加工工程をワイヤカット放電加工で行なうようにする加工方法および1台の機械でウォータジェット加工とワイヤカット放電加工を行なえる複合加工装置(以下、単に複合加工装置という)が考え出された。
ウォータジェット加工装置は、被加工物を任意の加工形状に切断加工するタイプの場合、一般に、ウォータジェットノズルの先端が桟材の上に設置された被加工物の上面から所定のスタンドオフ距離離れた位置にあるようにウォータジェットノズルを配置して、ウォータジェットノズルから下側にジェットが噴出するように構成されている。そのため、ウォータジェット加工装置には、被加工物の下側にジェットを受ける容器が設けられている。この容器は、キャッチャあるいはキャッチタンクと称されているが、キャッチタンクの中には被加工物を取り囲む槽壁が設けられているものがある。以下、被加工物を取り囲む槽壁が設けられたタンクを加工槽と総称する。
アブレイシブウォータジェット加工におけるジェットは、被加工物を切断する破砕力を有するので、被加工物の下側にセラミックボールなどの緩衝部材を設けて、加工槽の底を保護している。また、しばしば加工槽に水を貯留して、ジェットの飛散を防止するとともにエネルギを減衰させるようにしている。好ましくは、加工槽を可能な限り深くして、加工部位から加工槽の底面までの距離が長くされる。
一方、ワイヤカット放電加工装置は、一般に、ワークスタンドに水平に設置された被加工物を挟んで上下に設けられる一対のワイヤガイド間にワイヤ電極を張架するとともに張架されたワイヤ電極と同軸に加工液噴流を噴出させ加工間隙に加工液を供給するように構成されている。また、しばしば被加工物を加工液に浸漬して加工する。そのため、ワイヤカット放電加工装置は、被加工物を包囲するように槽壁が設けられた加工槽を備えている。
複合加工装置の場合、ウォータジェット加工の加工槽とワイヤカット放電加工の加工槽を設けると、複合加工装置の設置面積が大きくなりすぎるとともに加工のたびに被加工物を移設しなければならないので、複合加工装置としての利点が半減する。特許文献1に開示されている複合加工装置は、ウォータジェット加工装置とワイヤカット放電加工装置の加工槽を兼用する構造を実現して上記問題を解決している。
加工槽を兼用した場合は、加工槽に被加工物の下側まで水を貯留してウォータジェット加工を行ない、ウォータジェット加工が終了すると、一旦加工槽内の水を排出する。そして、加工液供給装置から所定の比抵抗値に維持されるとともに不純物が取り除かれて浄化された水を主成分とする加工液(以下単に水という)を被加工物が水に浸漬されるまで供給する。
ところで、アブレイシブウォータジェット加工を行なうと、加工槽内に貯留されている水には、ジェットに混入された多量の研磨材粒や砥粒が含まれるので、加工槽内の水を排出したときに加工槽内に研磨材粒や砥粒が残留する。従来のウォータジェット加工では、加工槽内の水を交換する必要が殆んどなく、通常は加工槽内に水を貯留したままにしているので、加工槽内の水を排出したときに加工槽内に研磨材粒や砥粒が残留するという点に特に注意が払われていない。
ウォータジェット加工装置を移設するときや加工屑が多くあるときなど、従来のウォータジェット加工でもメインテナンスとして加工槽を洗浄することがあるが、加工槽内の水を排出したときに加工槽内に研磨材粒や砥粒が残留していてもウォータジェット加工に影響しないので、細かな研磨材粒や砥粒を残留させないところまで洗浄する必要性はなく、加工槽内を効率よく洗浄する手段が殆んど考えられていない。例えば、特許文献2にタンクの底を傾斜させておき、複数の洗浄ノズルを側壁に設けてタンクの底を洗い流すようにしている装置が開示されているが、タンクの底に大きめの加工屑を残さないようにする程度である。
特開2006−110697号公報
特開昭64−87199号公報(第2頁)
しかしながら、加工槽を兼用している場合、被加工物を水に浸漬してワイヤカット放電加工を実施するときに、加工槽内にウォータジェット加工で使用した研磨材粒や砥粒が残留していると、比抵抗値が管理され不純物が除去された清浄な水に残留した研磨材粒や砥粒が混入して水が汚染されてしまう。水に研磨材粒や砥粒が混入した状態で被加工物を水に浸漬してワイヤカット放電加工を行なうと、いくつかの問題が生じる。
最も重大な問題は、水に浸漬されている下アームの先端に設けられているワイヤ電極を案内する下側ワイヤガイドや方向転換プーリ、ワイヤ電極に加工電流を供給する通電子のようなワイヤカット放電加工装置の精密部材に研磨材粒や砥粒が侵入して付着して、部材の寿命を著しく短くしたり、故障の原因になる。また、加工間隙に研磨材粒や砥粒が介在することによって予定されている正常なワイヤカット放電加工を妨げることがある。加えて、被加工物が研磨材粒や砥粒によって濁った水に浸漬されるために加工部位が見えなくなってしまう。
したがって、複合加工装置で加工槽を兼用させた場合、ウォータジェット加工後にワイヤカット放電加工を行なうために、加工槽内に清浄な水を供給する前に加工槽を清浄な水や洗浄水で洗浄しておく必要があり、加工槽を洗浄する作業が作業者にとって負担になっている。混入される研磨材粒や砥粒がガーネット、アルミナ、サンドのような比重が軽く微細な粒子であるので、水を排出した後に加工槽の内壁面や底面に付着したまま残りやすく、内壁面や底面を満遍なく洗浄する必要がある。また、槽壁板の下側に形成される段差部分や加工槽の底面の角隅部分に溜まった研磨材粒や砥粒は、加工槽に水を散布するだけでは排水口まで流され難いため、洗浄作業が面倒であり、研磨材粒や砥粒が取残されやすい。
特に、被加工物を出し入れするために前扉が開閉する構造上、前扉の下側の前壁に段差部分が形成されていて、段差部分に研磨材粒や砥粒が溜まりやすい。しかも、段差部分が前扉の下縁近傍にあるため、前扉を開いて洗浄しようとすると、水が加工槽の外に飛散してしまう。そのため、大型の加工槽の前扉を閉じたまま洗浄しなければならず、洗浄作業が大変であるばかりでなく、研磨材粒や砥粒を洗い流しきれずに残されやすい。
本発明は、上記課題に鑑みて、加工槽の前扉の下側に形成される段差部分に溜まる研磨在留や砥粒を効果的に洗浄する機能を有する複合加工装置を提供することを主たる目的とする。また、本発明は、槽壁板より下位にある槽壁の内壁面の全面にわたって満遍なく洗浄水を供給して内壁面や底面を効果的に洗浄する機能を有する複合加工装置を提供することを目的とする。
本発明の複合加工装置は、上記目的を達成するために、ウォータジェット加工とワイヤカット放電加工で共通の加工槽(1)を有する複合加工装置において、加工槽(1)の開閉する前扉(31)に前扉(31)の下縁に沿って水路(12)を設けるとともに水路(12)の長手方向下側に沿って水路(12)に開口(100)を設けて水路(12)に水を供給して水路(12)の水を加工槽(1)の槽壁(2)の内壁面に沿って流下させるように構成する。
好ましくは、前扉(31)の下位に位置するベッド(4)の前壁(51)の上縁部位に固定され前扉(31)を閉じたときに前扉(31)の内壁面との間で加工槽(1)を密閉して水路(12)から流下される水を加工槽(1)の底面に案内する斜板(13)を設ける。特に、水路(12)は、斜板(13)の上端部位に設けられる。
そして、好ましくは、加工槽(1)の下部(1B)の空間を形成するベッド(4)の左側壁(52)、右側壁(53)、後壁(54)の上縁部位に沿って加工槽(1)の全周にわたって槽壁(2)を横断するように水路(12)を設けるとともに水路(12)に水路(12)に沿って開口(100)を設けて水路(12)に水を供給して水路(12)の水を加工槽(1)の槽壁(2)の内壁面に沿って流下させるように構成する。
本発明は、加工槽の開閉する前扉に前扉の下縁に沿って設けられた水路から水を流下させるように構成したので、前扉を閉じたままで前扉の下側と前壁との間に形成される段差部分全体にわたって水が流されて、段差部分に残留堆積した研磨材粒や砥粒が確実に洗い流される。したがって、作業者が手作業で洗浄する必要がなく、洗浄作業の負担が軽減され、作業能率が向上する。また、前扉を閉じたままで段差部分を洗浄できるので、洗浄水の飛散がなく、段差部分に溜まっている研磨材粒や砥粒の洗い残しがなくなり、研磨材粒や砥粒が除去された状態でワイヤカット放電加工を行なうことができる。
前壁の上縁部位に固定された斜板が設けられている場合は、段差部分から洗い流された研磨材粒や砥粒がより確実に加工槽の底面に導かれて流下されるので、研磨材粒や砥粒の洗い残しがなくなるとともに、洗浄作業の負担をより軽減することができる。
特に、加工槽の下部の空間を形成するベッドの左側壁、右側壁、後壁の上縁部位に沿って加工槽の全周にわたって槽壁を横断するように設けられた水路から水を加工槽の槽壁の内壁面に沿って流下させるように構成したので、加工槽の槽壁板の下側に位置する槽壁の内壁面や底面に付着した研磨材粒や砥粒が満遍なく洗い流される。したがって、加工槽内を洗浄する作業の負担が軽減され、作業能率が向上する。特に、槽壁板の下側に形成される段差部分や加工槽の底面の角隅部分に溜まったり内壁面や底面に付着している研磨材粒や砥粒が効果的に洗い流されて洗い残しがなくなり、研磨材粒や砥粒が除去された状態でワイヤカット放電加工を行なうことができる。
図1に、本発明の複合加工装置における加工槽の全体構成が断面で示されている。図2に、加工槽を中央から前後に切断した後部が示されている。図3は、加工槽の前扉を閉じたときの前扉側の左下側部分が示されている。図4は、前扉の水路の部分的な拡大図である。以下、図1ないし図4を用いて、本発明の複合加工装置を説明する。なお、本発明では加工槽の左右は全て正面から向かって左であるか右であるかで説明される。
加工槽1は、図1および図2に示されるように、槽壁2で構成され、槽壁2で囲まれた空間を形成する。加工槽1は、槽壁板3で囲まれた上部1Aの空間とベッド4に形成された下部1Bの空間とでなる。本発明の加工槽1の槽壁2は、槽壁板3とベッド4に形成された鋳物壁5を含んでいう。ウォータジェット加工では、ジェットのエネルギを加工槽1に貯留された水で十分に減衰させるために、ある程度の深さが必要であるが、ベッド4に加工槽1の下部1Bを形成することによって、機械本機の全高を高くすることなく加工槽1を深くすることができる。その結果、実施の形態の複合加工装置は、ウォータジェット加工を可能にするとともに、作業性を悪化させないようにしている。
加工槽1の上部1Aの槽壁板3は、図3に示される前扉(前壁板)31、図2に示される向かって左側の側壁板32、右側の側壁板33、後壁板34で構成される。実施の形態の複合加工装置は、前壁板が開閉する前扉31になっており、前扉31が閉じられているときは、槽壁板3によって囲まれて水を加工槽1の上部1Aまで貯留することができる。本発明では、図3に示される前壁51の上位に位置する壁板の一部位だけが開放することができる前扉になっている構造である場合は、壁板の開放できない残りの部位を含めて前壁板と称する。また、本発明の槽壁板3は、必ずしも1枚の板材でなるものに限らない。複数枚の板材が組み合わされている構造や複数枚の板材の間に空間が形成されている構造を含めて槽壁板という。
図1に示されるように、左側の側壁板32と右側の側壁板33の少なくとも一方は、板材と板材との間に加工槽1をオーバフローする水を収容して排出するためのオーバフロー室321が形成された構造になっている。図2に示されるように、左側の側壁板32の内壁に加工槽1に貯留された水をオーバフローさせるオーバフロー排出開口322が形成される。したがって、加工槽1に貯留される水の水位が一定に維持される。オーバフロー室321に上下に移動する堰板を設けるなどして、水位を調整するようにすることができる。
図1および図2に示されるように、加工槽1の上部1Aに昇降するシャッタ6が設けられている。シャッタ6は、上昇した位置にあるときに加工槽1の上部1Aを仕切って加工槽1の前部と後部に空間を形成することができる。シャッタ6は、ウォータジェット加工のときに上昇されて加工槽1の上部1Aに2つの空間1C,1Dを形成し、加工槽1の後部側に形成される空間1Cに図示しないワイヤカット放電加工用の下アームを収納する。加工槽1の後部側に形成される空間1Cに収納された下アームは、ウォータジェット加工の間に加工槽1の前部側の空間1Dに貯留されている水から隔離されるため、ウォータジェット加工で使用される研磨材粒や砥粒を含む水に接触することがない。シャッタ6は、ワイヤカット放電加工のときに下げられて、加工槽1の上部1Aの仕切りをなくして1つの空間を形成する。
シャッタ6が上昇した位置にあるときに、加工槽1の前部と後部に形成される2つの空間1C,1Dのうち、加工槽1の前部側に形成される空間1Dは、ウォータジェット加工における加工槽になる。このとき、シャッタ6は、加工槽1の槽壁2の一部を構成して槽壁板3の機能を有するので、後壁板に相当する。したがって、実施の形態の複合加工装置では、シャッタ6は、槽壁2および槽壁板3に含まれることがある。加工槽1の後部側に形成される空間1Cは、ウォータジェット加工の間、加工槽1の前部側に形成される空間1Dから隔離されているので、ジェットに含まれる研磨材粒や砥粒に汚染されない。そのため、基本的には、加工槽1の後部側に形成される空間1Cに槽壁を洗浄する機能を設ける必要がない。
ベッド4にある加工槽1の底面7は、底面7の中央部に設けられる排出口8に向かって傾斜するようにすり鉢状に形成されている。したがって、加工槽1に供給される水は、図1に示されるように、バルブ9を開き排水ポンプ10を駆動することによって加工槽1の底面7に残ることなく図示しない加工液供給装置の汚水槽に排出される。加工液供給装置は、汚水を回収して加工屑および研磨材粒や砥粒のような不純物を除去する複数の汚水槽と、浄化された清水を貯留してウォータジェットノズルやワイヤカット放電加工用の噴流ノズルに供給する複数の清水槽を有する。
ワークスタンド11の下側に、図示しないセラミックボールを容器に収納した緩衝部材を設置することができる。加工槽1の中に設けられる緩衝部材は、ウォータジェット加工のときに、高圧のジェットを受けてジェットのエネルギを減衰させ、ベッド4に形成された加工槽1の底面7を保護する。ワークスタンド11は、槽壁2のベッド4に形成された鋳物壁5に取り付けられる。ワークスタンド11の取付部分111は山形に形成されていて、加工槽1に貯留されている水を排出するときに、取付部分111に研磨材粒や砥粒が堆積して残らないようにされている。同様に、ワークスタンド11の台座部分112は、下向きに傾斜するように形成されていて、台座部分112に研磨材粒や砥粒が堆積して残らないようにされている。
加工槽1の下部1Bの空間を形成するベッド4の前壁51、左側壁52、右側壁53、後壁54の鋳物壁5の上縁部位に沿って加工槽1の全周にわたって槽壁2を横断するように水路12を設ける。実施の形態の複合加工装置は、前扉31、左側壁板32、右側壁板33、上昇した位置にあるときに後壁板として機能するシャッタ6のそれぞれの下側に槽壁2を横断するように水路12が設けられている。
水路12は、図4に示されるように、加工槽1の槽壁2を横断する方向に水路12に沿って開口100が設けられている。水路12に水を供給して水路12の水を加工槽1の槽壁2の内壁面、特に槽壁板3の下位に位置する鋳物壁5の内壁面に沿って流下させるようにされる。実施の形態の複合加工装置では、図示しない既述の加工液供給装置に回収され研磨材粒や砥粒が除去されて浄化再生された水を、加工槽1を洗浄する洗浄水として使用する。
ウォータジェット加工を行なうときは、加工槽1に貯留される水によってジェットの破砕力を失わせないようにするために、被加工物が水に浸漬されないようにしておかなければならない。したがって、加工槽1の左側の側壁板32に形成されたオーバフロー室321の水位調整によって加工槽1に貯留されている水の水位がワークスタンド11に取り付けられる被加工物の高さ位置よりも下位にあるようにされる。そのため、研磨材粒や砥粒を含んだ水の水位がベッド4の鋳物壁5の僅かに上側にあるから、加工槽1の上部1Aの槽壁板3は、研磨材粒や砥粒を含んだ水に殆んど接触しない。その結果、ウォータジェット加工後に槽壁板3の内壁面に研磨材粒や砥粒が殆んど付着していないので、実施の形態における複合加工装置では、水路12が槽壁板3の下位にあるベッド4の鋳物壁5の上縁部位に沿って設けられるが、加工槽1の洗浄効果が十分に有効に発揮する。
一方、ワイヤカット放電加工を行なうときは、ワークスタンド11に取り付けられる被加工物が加工槽1内に貯留されている水に浸漬されることがあり、左側の側壁板32に形成されたオーバフロー室321の水位調整によって加工槽1内の水の水位が被加工物よりも上位にあるようにされる。しかしながら、ワイヤカット放電加工では、噴射ノズルから供給される水に研磨材粒や砥粒が含まれていないので、ワイヤカット放電加工後に加工槽1から水を全て排出するときに、研磨材粒や砥粒が加工槽1の槽壁2の内壁面や底面に付着したり、槽壁板3の下側に形成される段差部分や加工槽1の底面7の角隅部分に溜まったりして残留することがない。
水路12の開口100から、例えば、毎分500ミリリットルの洗浄水を供給する。図2に示されるように、加工槽1を横断する方向に沿って開口100が設けられた水路12が槽壁2を横断するように全周に設けられているので、水路12から加工槽1内に供給される水は、研磨材粒や砥粒を洗い流しながら加工槽1の下部1Bのベッド4に形成された鋳物壁5の内壁面と底面7に満遍なくいきわたって流下して、排出口8に流れ込んで加工槽1の外に排出される。したがって、研磨材粒や砥粒は、段差部分や角隅部分および底面7に残ることなく、確実に洗い流される。
図3に示されるように、加工槽1の開閉する前扉31に前扉31の下縁に沿って水路12が設けられる。図4に示されるように、水路12には、水路12に沿って開口100が設けられている。水路12に加工液供給装置から研磨材粒または砥粒が除去された水を洗浄水として供給して、供給された水は、水路12の開口100から加工槽1の中に流下して、前扉31の下側の段差部分から前壁51を伝わって底面7に流れ落ちる。
実施の形態の複合加工装置は、加工槽1の前面側に斜板13を設けている。斜板13は、前扉31の下位に位置するベッド4の前壁51の上縁部位に固定される。斜板13は、前扉31を閉じたときにその上端が接触して前扉31の内壁面との間で加工槽を密閉する。斜板13は、水路12から流下される水を加工槽1の底面7に案内する。
したがって、水路12から供給される水は、洗浄水として前扉31の下側の段差部分などに溜まっている研磨材粒や砥粒を除去しながら、斜板13を伝わって加工槽1の底面7に流下する。加工槽1を横断する方向に開口100が設けられた水路12が前扉31の下縁に沿って設けられているので、水路12から加工槽1に供給される水は、満遍なく段差部分にいきわたり、研磨材粒や砥粒を確実に洗い流す。また、斜板13によって、研磨材粒や砥粒は底面7に案内されるため、より確実に研磨材粒や砥粒が排出される。
図示しない加工液供給装置は、加工槽1から排出される使用済の水を汚水槽に回収し、回収した水から研磨材粒や砥粒、加工屑を分離除去して浄化して清水槽に貯留する。加工液供給装置は、水路12に水を供給することができ、また、加工槽1、図示しないウォータジェットノズル、図示しないワイヤカット放電加工用の噴流ノズルに水を供給する。加工槽1には、図3に示されるように、供給口14が設けられており、加工液供給装置から図示しない供給管を通して加工槽1に水を供給する。図1に示されるように、オーバフローした加工槽1に貯留されている水は、左側の槽壁板32に形成されたオーバーフロー室321に一旦回収されて、排出管路15を通して加工液供給装置の汚水槽に回収される。
以下に、図1〜図4を用いて既に説明された実施の形態におけるウォータジェット加工とワイヤカット放電加工で共通の加工槽を有し、1台の機械でウォータジェット加工とワイヤカット放電加工を選択的に実施できる複合加工装置の動作を説明する。
ワイヤカット放電加工が終了すると、ワークスタンド11に取付固定されて加工液である水に浸漬された被加工物を取り外すことができるようにするとともに、水を循環させて再利用することができるようにするために、バルブ9を開放するとともに排出ポンプ10を駆動して、排出口8から加工槽1に貯留された水を一旦全て加工液供給装置に排出する。したがって、次に、ウォータジェット加工とワイヤカット放電加工の何れを実施するかに関わらず、加工槽1に水が貯留されておらず、空になっている状態にされる。
ウォータジェット加工を実施するときは、水位がワークスタンド11に設置された被加工物の下側に位置するまで、図示しない加工液供給装置から研磨材粒や砥粒が除去されて浄化された水を供給口14から加工槽1に供給する。したがって、ウォータジェット加工によって発生する研磨材粒や砥粒が含まれた加工槽1に貯留される水は、ワークスタンド11の下側にある。そのため、ウォータジェット加工のときに、主に、研磨材粒や砥粒が槽壁板3の下側に位置する加工槽1の下部1Bにおける槽壁2の鋳物壁5の内壁面または底面7に付着したり、槽壁板3と鋳物壁5との間の段差部分や底面7の角隅部分に堆積する。
ウォータジェット加工で被加工物を切断するときは、加工液供給装置の清水槽から研磨材粒や砥粒がほぼ完全に除去されて浄化された清水を高圧ポンプによってウォータジェットノズルに供給する。ウォータジェットノズルに供給された高圧水は、混合室で研磨材粒や砥粒が混入されてウォータジェットノズルから被加工物に向けて噴射される。ウォータジェットノズルから噴射された研磨材粒や砥粒を含んだ高圧水は、被加工物を切断して加工槽1に貯留されている水を通って緩衝部材に衝突する。ウォータジェット加工の間に供給された水によって加工槽1の水位が一定のレベルを超えると、加工槽1の水面付近の水が左側の側壁板32の内壁に形成されたオーバフロー排出開口322からオーバフロー室321に溢出して、排出管路15から加工液供給装置の汚液槽に排出される。
ウォータジェット加工が終了したら、加工液供給装置の清水槽からウォータジェットノズルに隣接されている図示しない洗浄ノズルに洗浄水として高圧水を供給し、洗浄ノズルから高圧水を噴射して、被加工物に付着している研磨材粒や砥粒を洗い流す。洗浄ノズルからの水は、加工槽1に貯留している水の中に流れ込む。
複合加工装置は、1台の機械でウォータジェット加工とワイヤカット放電加工を実施することができるように、加工液再生装置を設けて、ウォータジェット加工およびワイヤカット放電加工で使用した水を回収して浄化再生して再度ウォータジェットノズルおよびワイヤカット放電加工用の噴流ノズルに供給するように構成されているので、ウォータジェット加工後に、バルブ9を開いてポンプ10を駆動して、加工槽1に貯留されている研磨材粒や砥粒を含んだ水を一旦全て加工液供給装置の汚水槽に排出する。したがって、次に、ウォータジェット加工とワイヤカット放電加工の何れを実施するかに関わらず、加工槽1に水が貯留されておらず、空になっている状態にされる。
次に、加工液供給装置の清水槽から加工槽1の槽壁2を横断する方向に加工槽1の全周にわたって設けられた水路12に洗浄水として水が供給される。水路12に供給された水は、水路12に沿って設けられた開口100から加工槽1のベッド4に形成された鋳物壁5の内壁面および前扉31の下位に設けられた斜板13の全面を覆うように流下する。そして、洗浄水としての水は、槽壁板3や前扉31の下側に形成される段差部分に堆積したり、鋳物壁5の内壁面や斜板1に付着している研磨材粒や砥粒を洗い流しながら、加工槽1の底面7に到達する。
鋳物壁5の内壁面と斜板13の全面を伝わって流下してきた水は、加工槽1の底面7で合流して、底面7の角隅部分に残っている研磨材粒や砥粒を洗い流す。そして、底面7で合流した水は、底面7の全面を完全に覆うように底面7の全面にわたって底面7に付着して残っている研磨材粒や砥粒を洗い流しながら、底面7の傾斜に導かれて排出口8に流れ込む。排出口8に流れ込んだ水は、排出ポンプ10によって加工液供給装置の汚液槽に回収される。
ワイヤカット放電加工を実施するときは、研磨材粒、砥粒、金属加工屑が除去され所定の高比抵抗値に維持されている水を加工液供給装置の清水槽から供給口14を通して加工槽1に供給して、ワークスタンド11に取り付けられた被加工物を完全に浸漬させる。
ワイヤカット放電加工で被加工物を切断するときは、ワイヤカット放電加工用の噴流ノズルからワイヤ電極を供給する方向と同軸に研磨材粒、砥粒、金属加工屑が除去され所定の高比抵抗値に維持されている水を加工間隙に供給する。同時に、ワイヤ電極を更新送りしながら加工間隙に電圧パルスを印加して放電を発生させて加工間隙に放電電流を供給する。ワイヤカット放電加工が終了したら、バルブ9を開放して排出ポンプ10によって加工槽1に貯留されている水を排出口8から加工液供給装置の汚水槽に排出する。
以上に説明される1台の機械でウォータジェット加工とワイヤカット放電加工を実施することができる実施の形態の複合加工装置は、図示されている複合加工装置の構成に限定されず、本発明の目的と効果を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、加工槽の前面側に設けられている水路は、実施の形態では、前扉の下縁に取り付けられているが、前扉の開閉を阻害しない範囲で斜板の上端部位に取り付けることができる。また、シャッタがないときは、後壁板の下側に水路が設けられる。
本発明は、ウォータジェット加工とワイヤカット放電加工で共通の加工槽を有する複合加工装置に利用できる。本発明は、複合加工装置でウォータジェット加工後にワイヤカット放電加工を実施するために、研磨材粒や砥粒を除去するように加工槽を洗浄するときに、研磨材粒や砥粒を効果的に除去するとともに、作業者の負担を軽減して作業効率を向上させ、複合加工装置の普及に役立つ。
1 加工槽
2 槽壁
3 槽壁板
4 ベッド
5 鋳物壁
6 シャッタ
7 底面
8 排出口
9 バルブ
10 ポンプ
11 ワークスタンド
12 水路
13 斜板
14 供給口
15 排出管路
31 前扉(前壁板)
32,33 側壁板
34 後壁板
2 槽壁
3 槽壁板
4 ベッド
5 鋳物壁
6 シャッタ
7 底面
8 排出口
9 バルブ
10 ポンプ
11 ワークスタンド
12 水路
13 斜板
14 供給口
15 排出管路
31 前扉(前壁板)
32,33 側壁板
34 後壁板
Claims (4)
- ウォータジェット加工とワイヤカット放電加工で共通の加工槽を有する複合加工装置において、前記加工槽の開閉する前扉に前記前扉の下縁に沿って水路を設けるとともに前記水路の長手方向下側に沿って前記水路に開口を設けて前記水路に水を供給して前記水路の水を前記加工槽の槽壁の内壁面に沿って流下させるように構成した複合加工装置。
- 前記前扉の下位に位置するベッドの前壁の上縁部位に固定され前記前扉を閉じたときに前記前扉の内壁面との間で前記加工槽を密閉して前記水路から流下される水を加工槽の底面に案内する斜板を有する請求項1に記載の複合加工装置。
- 前記水路は、前記斜板の上端部位に設けられることを特徴とする請求項2に記載の複合加工装置。
- 前記加工槽の下部の空間を形成するベッドの左側壁、右側壁、後壁の上縁部位に沿って前記加工槽の全周にわたって前記槽壁を横断するように水路を設けるとともに前記水路に前記水路に沿って開口を設けて前記水路に水を供給して前記水路の水を前記加工槽の槽壁の内壁面に沿って流下させるように構成した複合加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008106974A JP2009255223A (ja) | 2008-04-16 | 2008-04-16 | 複合加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008106974A JP2009255223A (ja) | 2008-04-16 | 2008-04-16 | 複合加工装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009255223A true JP2009255223A (ja) | 2009-11-05 |
Family
ID=41383319
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008106974A Pending JP2009255223A (ja) | 2008-04-16 | 2008-04-16 | 複合加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009255223A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3034222A1 (en) | 2014-12-15 | 2016-06-22 | Fanuc Corporation | Electric discharge machine |
EP3067139A1 (en) | 2015-03-13 | 2016-09-14 | Fanuc Corporation | Wire electric discharge machine having function of cleaning inside of machining tank |
-
2008
- 2008-04-16 JP JP2008106974A patent/JP2009255223A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP3034222A1 (en) | 2014-12-15 | 2016-06-22 | Fanuc Corporation | Electric discharge machine |
KR101777476B1 (ko) | 2014-12-15 | 2017-09-11 | 화낙 코퍼레이션 | 방전 가공기 |
EP3067139A1 (en) | 2015-03-13 | 2016-09-14 | Fanuc Corporation | Wire electric discharge machine having function of cleaning inside of machining tank |
US10265790B2 (en) | 2015-03-13 | 2019-04-23 | Fanuc Corporation | Wire electric discharge machine having function of cleaning inside of machining tank |
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