JP2015077095A - 食肉包装用ケーシング及び食肉包装用ケーシングの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャード加工時の毛羽立ちを抑えることができる食肉包装用ケーシング及び食肉包装用ケーシングの製造方法を提供する。
【解決手段】A層とB層とを接着した食肉包装用シートのうち、食肉包装用シートのA層を外側として両端部を封筒法によりヒートシールして筒状に形成した食肉包装用ケーシングであって、A層を以下のa,b及びcを混合して製造した湿式不織布から構成し、このうち、aはポリエステルを芯としポリエチレンを鞘とした芯鞘構造を有する繊維であり、bはポリエステルを芯とし低融点ポリエステルを鞘とした芯鞘構造を有する繊維であり、cは極細ポリエステル繊維である。また、B層はポリエステルを芯としポリエチレンを鞘とした芯鞘構造を有する繊維のスパンボンド不織布である。
【選択図】なし

Description

本発明は、食肉の包装に用いる食肉包装用ケーシング及び食肉包装用ケーシングの製造方法に関するものである。
ハム、ソーセージ、サラミ、魚肉練製品等のいわゆる食肉を包装するための食肉包装用ケーシング(以下、単に「ケーシング」ともいう)は、食肉包装用シート(以下、単に「シート」ともいう)を長尺状に切断等した後に、両幅部分をヒートシールにより接合することにより、一定長さの筒状に形成される。そして、この筒状に成形したケーシングの内部に食肉充填機から食肉を充填し、一定量が充填された後に端部をクリップ止めするとともにケーシングをカットすると、一定長さ(例えば、数十センチ)のケーシングに充填された食肉となり、これに燻蒸、乾燥等の加工を行うことによりハム、サラミ等の食肉製品が完成する。本出願人らはこのような食肉ケーシング用シートとして、共重合ポリエステル複合繊維と親水性繊維とから形成した発明を行っている(特許文献1)。
特許第3142677号公報
ところで、ケーシングに食肉を充填する食肉充填機は一定長さに形成された充填管を有しており、その先端に食肉を吐出する吐出ノズルが開口形成されている。ケーシングの内部に食肉を充填していくには、ケーシングを充填管に外嵌する形で装着して吐出ノズルからケーシングの内側に直接食肉を吐出する形で食肉を充填させていく。このため、ケーシングへの食肉の充填に先だって充填管にケーシングを装着する必要がある。
しかし、充填管の長さよりもケーシングの全長がはるかに長く、そのままではケーシングの全長を充填管に装着することができない。この場合、ケーシングを充填管に装着させる方法としてケーシングを全長方向に圧縮して、すなわちケーシングを蛇腹状に伸張可能に折り畳むことにより見かけ上の全長を短くしてケーシングを充填管に装着する。ケーシングに対して行うこのような加工をシャード加工といい、その加工を行う機械をシャード加工機という。シャード加工により20〜40mの全長を有するケーシングが40〜50cmの長さに畳まれて充填筒に装着されることとなる。
シャード加工にあっては、ケーシングの内部にエアを吹き入れて膨らませた状態で、ケーシングの外面をシャード加工機に備えられたパドル(シャード加工ヘッドともいう)で掻き込むように蛇腹状に折り畳んでいく。このため、ケーシングの表面にはパドルとの接触による負荷が掛かってケーシング表面に毛羽立ちが発生することがあり、ケーシングの見目が悪くなったり、ケーシングから毛羽が脱落することがある。なお、シャード加工時の負荷を軽減するためにシャード加工に先立ってケーシングをオイルに浸漬してすべり性を良くする加工を行うことも利用されているが、十分ではないこともある。
そこで、本発明は、シャード加工時の毛羽立ちを抑えることができる食肉包装用ケーシング及び食肉包装用ケーシングの製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を解決するため、請求項1に記載の発明では、A層とB層とを接着した食肉包装用シートのうちA層を外側として筒状に形成した食肉包装用ケーシングであって、A層を以下のa,b及びcを混合して製造した湿式不織布から構成し、このうち、aはポリエステルを芯としポリエチレンを鞘とした芯鞘構造を有する繊維であり、bはポリエステルを芯とし低融点ポリエステルを鞘とした芯鞘構造を有する繊維であり、cは極細ポリエステル繊維である。また、B層はポリエステルを芯としポリエチレンを鞘とした芯鞘構造を有する繊維のスパンボンド不織布であることを要旨とする。
請求項2に記載の発明では、前記A層の坪量は15〜40g/mであり、前記B層の坪量は15〜50g/mであることを特徴とする請求項1に記載の食肉包装用ケーシングを要旨とする。
請求項3に記載の発明では、前記食肉包装用シートの両端部を封筒法によりヒートシールして筒状に形成した請求項1又は2に記載の食肉包装用ケーシングを要旨とする。
請求項4では、前記食肉包装用ケーシングは、シャード加工時の毛羽立ちを抑えるものである請求項3に記載の食肉包装用ケーシングを要旨とする。
請求項5では、A層とB層とを積層し、B層に対して熱加工ローラ圧接してA層とB層とを熱接着した食肉包装用シートとし、同食肉包装用シートのA層を外側として両側部同士を封筒法によりヒートシールして筒状の食肉包装用ケーシングを製造する食肉包装用ケーシングの製造方法である。このうち、A層は以下のa,b及びcを混合して製造した湿式不織布であり、aはポリエステルを芯としポリエチレンを鞘とした芯鞘構造を有する繊維、bはポリエステルを芯とし低融点ポリエステルを鞘とした芯鞘構造を有する繊維、cは極細ポリエステル繊維、B層はポリエステルを芯としポリエチレンを鞘とした芯鞘構造を有する繊維のスパンボンド不織布である。
本発明によれば、シャード加工時の毛羽立ちを抑えることができる食肉包装用ケーシング及び食肉包装用ケーシングの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を具体化した食肉包装用シート、食肉包装用ケーシング及び食肉包装用ケーシングの製造方法並びに食肉包装用ケーシングを用いた食肉包装作業の一実施形態を説明する。なお、食肉包装用シートとは平面状のシートを意味し、この食肉包装用シートを筒状に加工したものが食肉包装用ケーシングとなる。
食肉包装用シートの構成及び各層の形成について
本発明の食肉包装用シートは多層構成になっており、具体的にはA層及びB層を熱加工により接着(熱接着)した構成を有する。
このうち、A層は、繊維a,繊維b及び繊維cの三種類の繊維を混合した繊維原料を抄紙機にて抄紙してシート状とした湿式不織布である。
繊維aは、ポリエステルを芯としポリエチレンを鞘とした芯鞘構造を有する複合繊維である。この繊維aは加熱ローラーによる熱加工(140〜190℃)を行う際に芯部分が溶融せず鞘部分が溶融して接着性を有するものであり、A層とB層とを積層して熱加工により接着する際に繊維としての機能を保持しつつB層を構成する繊維との接着性を良好にすることが可能となる。繊維aはその太さが0.55〜5.5dtex、繊維の長さは2〜12mm程度が好ましい。また、繊維aの含有量はA層を構成する繊維のうち15質量%〜60質量%の範囲で用いることが好ましい。このような繊維として、具体的にはユニチカ株式会社の「商品名メルティ(登録商標)」、ダイワボウポリテック株式会社の「商品名NBF(SH)(登録商標)」、JNC株式会社の「商品名ETC(登録商標)」等がある。
繊維bは、ポリエステルを芯とし低融点ポリエステルを鞘とした芯鞘構造を有する複合繊維である。繊維bは、繊維bにてA層全体の強度を保持することを目的として使用されるものであり、熱加工により芯部分のポリエステルは溶融せず、鞘部分の低融点ポリエステルが溶融して繊維同士を接着させるものであり、低融点ポリエステルは加熱ローラによる加熱温度以下の融点を有する必要がある。
また、繊維bはその太さが0.55〜5.5dtex、繊維の長さは2〜12mm程度が好ましい。繊維bの含有量はA層を構成する繊維のうち20質量%〜80質量%の範囲で用いることが好ましい。このような繊維として、具体的には株式会社クラレの「商品名ソフィットN720(登録商標)」、ユニチカ株式会社の「商品名メルティ3880、メルティ4080」、帝人株式会社の「商品名TJ04CN」がある。
繊維cは、極細ポリエステル繊維である。この繊維cはA層を構成する繊維原料を抄紙機にて抄紙、搬送する際に繊維同士を絡ませてフェルト上及びフェルト間での湿紙の移行を可能とするためのものである。そのため、繊維cはその太さが0.11〜0.55dtex、繊維の長さは2〜5mm程度が好ましい。また、繊維cの含有量はA層を構成する繊維のうち5質量%〜20質量%の範囲で用いることが好ましい。このような繊維として、具体的には帝人株式会社の「商品名TJ04PM」がある。
これら各繊維を用いてA層を製造するには、所定の配合比に沿って準備した繊維a、繊維b及び繊維cを混合して抄紙原料とした上で抄紙機にて抄紙することにより得ることができる。このA層の製造に用いる抄紙機はいわゆる紙の製造に使用する抄紙機であればよく、例えば短網抄紙機、長網抄紙機、円網抄紙機を使用することができる。
一方、A層に積層して熱加工により接着させるB層に使用する繊維は、ポリエステルを芯としポリエチレンを鞘とした芯鞘構造を有する繊維であり、これをスパンボンド法によりシート状に形成した繊維である。B層として使用することができるシート状の繊維の具体例として、ユニチカ株式会社の「商品名エルベス(登録商標)」がある。
シートとしてA層とB層とを積層した構成を採用する理由は、A層のみの単層にて食肉包装用シートを形成した場合には摩擦堅牢度が低くなり、食肉包装用ケーシング(以下、単に「ケーシング」という)を形成した後のシャード加工において毛羽立ちが発生しやすくなるからである。
また、B層のみの単層にてシートを形成した場合にも摩擦堅牢度が低くなり、ケーシングを形成した後のシャード加工において毛羽立ちが発生しやすくなるからである。
シートの坪量はA層とB層の合計(シート全体)で30〜90g/mが好ましい。坪量が30g/m未満であればシートに生じる隙間が多くなってケーシングに食肉を充填したとき、ケーシングから充填肉の漏れが生じるおそれがある。また、坪量が90g/mを超えると厚みが必要以上に増え、ヒートシール加工によるケーシングの形成作業が困難になるという問題点がある。
また、各層の坪量としては、繊維a、繊維b及び繊維cを混合して抄紙したA層の坪量としては15〜40g/mの範囲が好ましい。B層の坪量としては15〜50g/mの範囲が好ましい。
シートの作成について
A層とB層とを熱接着してシートを形成するには、A層とB層とを厚み方向に積層して加熱ローラにより加熱を行う方法がある。なお、積層の際にはA層及びB層ともに長手方向同士(A層の抄紙方向とB層の不織布シート形成方向)を積層する。
A層及びB層を積層した状態で加熱ローラに通すことによりA層に含有される低融点材料であるポリエチレン及び低融点ポリエステル、またB層に含有される低融点材料であるポリエチレンが熱溶融して各繊維同士が接着するとともにA層とB層とが接着されて一体となったシートが形成される。なお、この場合に使用する加熱ローラの表面温度は140〜190℃の範囲で、線圧3〜40Kgf/cm、加工速度は10〜30m/分の範囲が好ましい。また、加熱ローラに対してはA層及びB層のいずれ側を上面(加熱ローラに接触する面)としてもよい。この熱加工により形成されたシートは巻き取りローラに巻き取っておけばよい。
シート形成後の付加加工について
ケーシングに充填される食肉には、その外観や風味を向上させるため着色料やフレーバー、香辛料等を付着させる付加加工を行うこともある。この場合にはシート形成後であってケーシングを形成する前にシートに対して付加加工を行う。本実施形態のシートではB層を内層である肉接触面とするため、色素やフレーバー等の付着は内層として肉接触面であるB層表面に対して行う。
ケーシングの作成について
続けて、長尺状のシートの両幅部分を接合して連続した筒状のケーシングを形成するためのシーリング加工を行う。シーリング加工には主に接合面同士を加熱により溶融させて接着するヒートシールを用いるのが有効である。なお、シートの両幅部分をヒートシールにより接合して連続した筒状のケーシングを形成するにあたってはいわゆる封筒法とした。封筒法とは、シートの両幅の一方の内側面(B層)と他方の外側面(A層)を重ね合わせてその合わせ面に連続的或いはドット状にシール加工を行ってケーシングを形成する方法である。合わせ面に形成するシーリングの幅は形成されるケーシングの径等により3〜15mmの範囲で選択されるのが好ましい。また、シーリングにはヒートシーラーを使用するが、その際の条件は温度150〜230℃、シール圧3.0〜6.5kgf/cm、時間0.3〜0.6秒の範囲が好ましい。
シャード加工
ケーシングを形成した後にシャード加工を行う。シャード加工によりケーシングの表面に生じる負荷を軽減するためにシャード加工に先立ってケーシングをオイルに浸漬してすべり性を良くする加工を行うことができる。シャード加工により、20〜40mの全長を有するケーシングが40〜50cmの長さに畳まれて充填筒に装着されることとなる。
肉詰め、封止加工
充填管にケーシングを装着した後には、ケーシングの内部に吐出ノズルから充填物となる食肉を連続的に充填していく。所定の充填圧にて食肉を充填した後には、ケーシングを絞り込みクリップにて封止する。このとき、絞り込んだケーシングの2箇所をクリップにて封止することにより、先に充填したケーシングの密封作業が完了するとともに、次に充填するケーシングの先端の封止作業が同時に行われる。
ケーシングに充填、密封した食肉は、ハム、ソーセージ、サラミ等の用途に応じてそれぞれ必要な乾燥や燻煙等の加工が行われる。
次に実施例により本発明のシート及びケーシングを具体的に説明する。
実施例1
A層に用いる繊維原料として、繊維aにはユニチカ製のメルティ6080(2.2dtex×5mm)を30質量%、繊維bにはクラレ製のソフィットN720(2.2dtex×5mm)を65質量%、繊維cには帝人製のTA04PN(0.1dtex×3mm)を5質量%使用した。これらの繊維原料を混合して円網抄紙機にて坪量21g/mの湿式不織布を製造した。一方、B層として、エルベスの坪量20g/mの不織布シート(T0203WDO)を用いた。
次に、A層とB層とを積層し、B層を上面として加熱ローラにて温度185℃、線圧3.0kgf/cm、スピード13m/分の条件にて加熱してA層とB層とが一体となった坪量41g/mのシートを作成した。
実施例2
A層として、実施例1と同様の条件で坪量23g/mの湿式不織布を製造した。
一方、B層として、エルベスの坪量30g/mの不織布シート(T0303WDO)を用いた。次に、A層とB層とを積層して加熱ローラにて実施例1と同じ条件で加熱してA層とB層とが一体となった坪量53g/mのシートを作成した。
実施例3
A層として、実施例1と同様の条件で坪量33g/mの湿式不織布を製造した。
一方、B層として、エルベスの坪量20g/mの不織布シート(T0203WDO)を用いた。
次に、A層とB層とを積層して加熱ローラにて実施例1と同じ条件で加熱してA層とB層とが一体となった坪量53g/mのシートを作成した。
実施例4
A層として、実施例1と同様の条件で坪量30g/mの湿式不織布を製造した。
一方、B層として、エルベスの坪量30g/mの不織布シート(T0203WDO)を用いた。
次に、A層とB層とを積層して加熱ローラにて実施例1と同じ条件で加熱してA層とB層とが一体となった坪量60g/mのシートを作成した。
実施例5
A層として、実施例1と同様の条件で坪量31g/mの湿式不織布を製造した。
一方、B層として、エルベスの坪量15g/mの不織布シート(T0153WDO)を用いた。
次に、A層とB層とを積層して加熱ローラにて実施例1と同じ条件で加熱してA層とB層とが一体となった坪量46g/mのシートを作成した。
実施例6
A層に用いる繊維原料として、繊維aにはユニチカ製のメルティ6080(2.2dtex×5mm)を35質量%、繊維bにはクラレ製のソフィットN720(2.2dtex×5mm)を60質量%、繊維cには帝人製のTA04PN(0.1dtex×3mm)を5質量%使用した。これらの繊維原料を混合して円網抄紙機にて坪量19g/mの湿式不織布を製造した。
一方、B層として、エルベスの坪量30g/mの不織布シート(T0303WDO)を用いた。
次に、A層とB層とを積層して加熱ローラにて実施例1と同じ条件で加熱してA層とB層とが一体となった坪量49g/mのシートを作成した。
比較例1
A層として、実施例1と同様の条件で坪量30g/mの湿式不織布を製造し、このA層のみでシートとした。
比較例2
B層として、エルベスの坪量50g/mの不織布シート(T0503WDO)を用い、このB層のみでシートとした。
比較例3
比較例3として特許文献1に記載の実施例1と同等品のシートを使用した。すなわち、針葉樹パルプSR20゜を10質量%、クラレ製のソフィットN720(2.2dtex×10mm)を25質量%、クラレ製のソフィットN721(1.7dtex×5mm)を65質量%を使用した。これらの繊維原料を混合して円網抄紙機にて坪量56g/mの湿式不織布シートを製造した。
これら実施例及び比較例のシートについて測定した物性値を以下に示す。このうち引張強さ(N/15mm)及び伸び(%)は、いずれもシートにおける横方向、すなわちシートの長手方向に直交する方向(ケーシングとした場合に幅又は周方向)の数値であり、引張強さ及び伸びはJISP8113に従って測定した。
また、実施例及び比較例のシートについてシャード加工時の毛羽立ちを確認するために、シャード加工機に代えて摩擦堅牢度試験機を用いてシート同士を摺動させた場合に毛羽が発生するまでの摺動回数を測定する試験を行った。摩擦堅牢度はJISP8136に従って測定した。この摩擦堅牢度の測定に用いた試験機はテスター産業株式会社製のAB-301 COLOR FASTNESS RUBBING TESTERである。この試験機による試験では、2枚のシートを対向させてセットし、両シートの対向面同士を摺動させてシートの表面に毛羽が発生するまでの回数を測定した。各実施例のシートはA層とB層とを積層したシートであるため、両シートのうちA層同士を対向して摺動させた場合の摩擦堅牢度(回数)と、B層同士を対向して摺動させた場合の摩擦堅牢度(回数)とをそれぞれ測定した。一方、各比較例のシートは単層であって表裏の区別がないため対向させる面を特定する必要がない。また、各実施例及び比較例のシートは試験機の摺動方向がシートの長手方向となるようにセットした。各実施例及び比較例の試験結果を表1に示す。
この表1に示した結果から、各実施例のシートは引張強さ及び伸びにおいて比較例のシートと大差なく、従来のケーシング用シートと同等に食肉充填用として使用することができる。また、摩擦堅牢度(回数)に関しては特に各実施例のシートのうちA層同士を対向させた状態での試験結果が、各実施例のシートのうちB層同士を対向させた状態、及び各比較例のシートにおける摩擦堅牢度(回数)の数値を大きく上回っている。特に、同じA層同士を対向させた状態であっても、A層単独のシート(比較例1)に比してA層とB層とを積層させて熱接着した各実施形態のシートは摩擦堅牢度(回数)が高い数値となっている。また、B層単独のシート(比較例2)に比しても同様である。
このことからも、A層とB層との熱接着により得たシートは各層単独の場合に比して摩擦堅牢度が相乗的に向上する。特に、実施例のシートのA層を表側としB層を内側(肉充填面側)としてケーシングを形成することにより、ケーシングにおいてシャード加工時の毛羽立ちを抑えることができる。
次に、ヒートシールの強度試験を以下の方法にて行った。すなわち、シートの両端をヒートシールして筒状のケーシングとした場合、同ヒートシール部分の強度が弱いとケーシングへの食肉充填時にシートシール部分が破断することとなるため、ヒートシール部分の強度を測定した。
ヒートシール強度試験片の製造
各実施例および比較例のシートから所定形状にてそれぞれ2枚のシート片を切り出し、この2枚のシート片を積層してヒートシールすることによりヒートシール強度用の試験片を作成した。
各実施例のシートについて、2枚のシート片の表層となるA層と内層となるB層とをそれぞれヒートシールした試験片(封筒法タイプ)を作成した。
一方、各比較例はいずれも単層で表裏の区別がないため、表裏を限定せずに単に2枚のシート片を積層してヒートシールした試験片を作成した。
ヒートシールの条件は、いずれの試験片も、220℃×3.5kgf/cm×0.5秒、15mm幅で行い、シート片に対するヒートシールの向きは、ケーシング作成時にシートに対して行うヒートシールの向きと同じ方向となるように、シートの長手方向に沿う方向に行った。
そして、ヒートシールを行った後にシートの長手方向の長さ15mm×シートの長手方向と直交する方向の長さ数センチの長方形に切断して試験片とした。また、ヒートシール部分は長方形の中心に位置するようにした。すなわち、各試験片は、2枚のシート片がその中央で15mm幅のヒートシールにより接合され、左右両端部はシールされていない形状をなす。
各実施例及び比較例の試験片に対して、それぞれ把持部を異ならせた2種類の引っ張り強度試験を行った。
(その1)ヒートシール面に対する垂直方向の引っ張り強度
一つの試験片について同じ側の端部(例えば、試験片のうち1枚目のシート片の右側端部と2枚目のシート片の右側端部)をそれぞれ把持し、それぞれ把持した端部をヒートシール面に対して垂直方向に離間させながら試験片のヒートシール部分が破断する荷重(N/15mm)を求めた(垂直法)。
(その2)ヒートシール面に対する平行方向の引っ張り強度
一つ試験片について1枚目のシート片と2枚目のシート片との互いに反対側となる端部(例えば、1枚目のシート片の右側端部と2枚目のシート片の左側端部)をそれぞれ把持し、把持した端部をヒートシール面に対して平行方向に離間させながら試験片のヒートシール部分が破断する荷重(N/15mm)を求めた(平行法)。
各試験片に対する上記強度試験の結果を以下の表2に示す。
この試験結果からも、各実施例のシートを封筒法によりシーリングしてケーシングを製造してもヒートシール部分の強度は十分確保されることが明らかであり、ヒートシール部分がケーシングへの食肉充填時に破断することもない。
このため、本実施例の食肉包装用シートのうちA層を外側として筒状に形成した食肉包装用ケーシングにより、食肉包装用ケーシングとして要求される強度等の基本性能を有しつつ、更にシャード加工時の毛羽立ちを少なくすることができる。

Claims (5)

  1. 下に示すA層とB層とを接着した食肉包装用シートのうちA層を外側として筒状に形成した食肉包装用ケーシング。
    A層:以下のa,b及びcを混合して製造した湿式不織布
    a:ポリエステルを芯としポリエチレンを鞘とした芯鞘構造を有する繊維
    b:ポリエステルを芯とし低融点ポリエステルを鞘とした芯鞘構造を有する繊維
    c:極細ポリエステル繊維
    B層:ポリエステルを芯としポリエチレンを鞘とした芯鞘構造を有する繊維のスパンボンド不織布
  2. 前記A層の坪量は15〜40g/mであり、前記B層の坪量は15〜50g/mであることを特徴とする請求項1に記載の食肉包装用ケーシング。
  3. 前記食肉包装用シートの両端部を封筒法によりヒートシールして筒状に形成した請求項1又は2に記載の食肉包装用ケーシング。
  4. 前記食肉包装用ケーシングは、シャード加工時の毛羽立ちを抑えるものである請求項3に記載の食肉包装用ケーシング。
  5. 下に示すA層とB層とを積層し、B層に対して熱加工ローラを圧接してA層とB層とを熱接着した食肉包装用シートとし、同食肉包装用シートのA層を外側として両側部同士を封筒法によりヒートシールして筒状の食肉包装用ケーシングを製造する食肉包装用ケーシングの製造方法。
    A層:以下のa,b及びcを混合して製造した湿式不織布
    a:ポリエステルを芯としポリエチレンを鞘とした芯鞘構造を有する繊維
    b:ポリエステルを芯とし低融点ポリエステルを鞘とした芯鞘構造を有する繊維
    c:極細ポリエステル繊維
    B層:ポリエステルを芯としポリエチレンを鞘とした芯鞘構造を有する繊維のスパンボンド不織布
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