JP2015076422A - 粘接着剤層付き半導体チップの製造方法 - Google Patents

粘接着剤層付き半導体チップの製造方法 Download PDF

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倫生 梶田
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紀憲 藤田
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Abstract

【課題】粘接着剤層の切断時に、粘接着剤層に直接接している基材層に亀裂が生じ難いダイシング−ダイボンディングテープを提供する。
【解決手段】本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法は、粘接着剤層3と、粘接着剤層3の一方の表面側に配置された基材層4と、基材層4の粘接着剤層3側とは反対の表面側に配置されたダイシング層5とを備え、かつダイシング層5が、粘接着剤層3及び基材層4の外周側面よりも側方に張り出している領域を有するダイシング−ダイボンディングテープ1を用いて、ダイシング層5の貼付起点5Cと該貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向Xと、分割後半導体ウェーハ23のダイシングラインの方向L1,L2とをずらすように、粘接着剤層3とダイシング層5との貼り付けを行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、ダイシング−ダイボンディングテープを用いて、粘接着剤層付き半導体チップを得る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法に関する。
半導体ウェーハから半導体チップを切り出す方法として、先ダイシング法と呼ばれているダイシング法が用いられている。先ダイシング法の一例は、例えば、下記の特許文献1に開示されている。
先ダイシング法では、先ず、半導体素子が一方の表面に形成された円形の半導体ウェーハを用意する。この半導体ウェーハの上記半導体素子が形成された表面側に、ダイシングラインに沿って、完成時の半導体チップの厚さよりも深い溝を形成する。次に、溝が形成された半導体ウェーハの半導体素子が形成された表面に、保護シートを貼り付ける。その後、半導体ウェーハの保護シート側とは反対の表面を、完成時の半導体チップの厚さになるまで、研削及び研磨する。このようにして、半導体ウェーハを個々の半導体チップに分離する。それによって、薄い複数の半導体チップが得られる。
また、上記先ダイシング法により得られた個々の半導体チップを基板上に容易に実装するために、半導体チップの裏面にダイボンディング層が貼り付けられることが多い。このダイボンディング層付き半導体チップを得るために、ダイボンディング層とダイシング層とを備えるダイシング−ダイボンディングテープが用いられている。
ダイシング−ダイボンディングテープの一例として、下記の特許文献2,3には、接着シートと基材(ダイシングテープ)とが積層されたダイシング−ダイボンディングテープが開示されている。このダイシング−ダイボンディングテープにおける接着シートは、ダイボンディング層であり、半導体チップの裏面に、接着シートが分割された接着剤層が積層され、接着剤層付き半導体チップを得るために用いられる。
特開平11−40502号公報 特開2005−260204号公報 特開2006−080142号公報
特許文献2,3に記載のダイシング−ダイボンディングテープを用いて接着剤層付き半導体チップを得る際には、ダイシング−ダイボンディングテープを接着シート側から、分割後半導体ウェーハに貼り付ける。次に、レーザー光を照射したり、加熱又は冷却等したりして、接着シートを改質させる。次に、改質された接着シートと基材とを引き延ばして、該接着シートを分割後半導体ウェーハの切断部分に沿って切断し、かつ個々の半導体チップを離間して、半導体チップの裏面側に、切断された接着剤層を形成する。その後、接着剤層付き半導体チップを基材から剥離して、取り出す。取り出された接着剤層付き半導体チップは、接着剤層側から基板上に実装される。
特許文献2,3に記載のダイシング−ダイボンディングテープでは、基材と接着シートとを引き延ばしたときに、接着シートに直接接している基材に、亀裂が生じることがある。この結果、基材ごと接着剤層付き半導体チップがピックアップされることがある。基材ごとピックアップされた接着剤層付き半導体チップは、ダイボンディング不良の原因となる。
なお、特許文献2,3に記載のダイシング−ダイボンディングテープに用いられる基材に関しては、基材の生産時に、流れ方向に樹脂の配向が生じている。このような基材における樹脂の配向状態については、特許文献2,3では何ら考慮されていない。
本発明の目的は、粘接着剤層の切断時に、粘接着剤層に直接接している基材層に亀裂が生じ難く、粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を高めることができるダイシング−ダイボンディングテープを提供することである。また、本発明の目的は、上記ダイシング−ダイボンディングテープを用いた粘接着剤層付き半導体チップの製造方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、粘接着剤層と、前記粘接着剤層の一方の表面側に配置された基材層と、前記基材層の前記粘接着剤層側とは反対の表面側に配置されたダイシング層とを有し、かつ前記ダイシング層が、前記粘接着剤層及び前記基材層の外周側面よりも側方に張り出している領域を有するダイシング−ダイボンディングテープを用いて、かつ、保護シートと、前記保護シートの一方の表面に積層されており、かつ個々の半導体チップに分割されている分割後半導体ウェーハとを有する積層体を用いて、前記ダイシング−ダイボンディングテープの前記粘接着剤層を、前記積層体の前記分割後半導体ウェーハに貼り付ける工程と、前記ダイシング層を貼付起点からダイシングリングに貼り付ける工程と、前記保護シートを前記分割後半導体ウェーハから剥離する工程と、前記粘接着剤層を引き延ばして、前記分割後半導体ウェーハの切断部分に沿って切断する工程と、切断の後に、前記半導体チップが貼り付けられた前記粘接着剤層の剥離を行い、前記半導体チップを前記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備える粘接着剤層付き半導体チップの製造方法であって、前記ダイシング−ダイボンディングテープの前記粘接着剤層を、前記積層体の前記分割後半導体ウェーハに貼り付ける工程において、前記ダイシング層の前記貼付起点と前記貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向と、前記分割後半導体ウェーハのダイシングラインの方向とをずらすように、前記粘接着剤層と前記ダイシング層との貼り付けを行う、粘接着剤層付き半導体チップの製造方法が提供される。
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法のある特定の局面では、前記ダイシング−ダイボンディングテープが離型層をさらに有し、前記ダイシング−ダイボンディングテープにおいて、前記粘接着剤層の前記基材層側とは反対側の表面が、前記離型層に貼り付けられており、かつ前記ダイシング層の前記粘接着剤層及び前記基材層の外周側面よりも側方に張り出している領域の表面が、前記離型層に貼り付けられている。
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法のある特定の局面では、前記離型層が長尺状であり、長尺状の前記離型層の長さ方向に並んで、前記離型層の表面上に、前記粘接着剤層と前記基材層と前記ダイシング層との積層体が複数配置されており、前記ダイシング層の前記貼付起点と前記貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向が、前記離型層の長さ方向に沿う方向である。
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法のある特定の局面では、前記ダイシング層が、基材と、前記基材の一方の表面側に配置された粘着部とを有し、前記ダイシング−ダイボンディングテープにおいて、前記基材層の前記粘接着剤層側とは反対の表面側に、前記ダイシング層が前記粘着部側から配置されている。
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法のある特定の局面では、前記ダイシング層の前記貼付起点と前記貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向と、前記分割後半導体ウェーハのダイシングラインの方向とが5度以上ずれている。
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法のある特定の局面では、前記粘接着剤層付き半導体チップの製造方法は、半導体ウェーハの第1の表面に、前記半導体ウェーハを個々の半導体チップに分割するための切り込みを形成する工程と、切り込みが形成された前記半導体ウェーハの前記第1の表面に保護シートを貼り付ける工程と、前記保護シートが貼り付けられた前記半導体ウェーハの前記第1の表面とは反対の第2の表面を研削し、前記半導体ウェーハを個々の半導体チップに分割し、前記積層体を得る工程をさらに備える。
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法では、上記のダイシング−ダイボンディングテープと、上記の積層体とを用いる。本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法は、上記ダイシング−ダイボンディングテープの上記粘接着剤層を、上記積層体の上記分割後半導体ウェーハに貼り付ける工程と、上記ダイシング層の貼付起点をダイシングリングに貼り付けて、次に、上記貼付起点を除く上記ダイシング層の外周部分を上記ダイシングリングに貼り付ける工程と、上記保護シートを上記分割後半導体ウェーハから剥離する工程と、上記粘接着剤層を引き延ばして、上記分割後半導体ウェーハの切断部分に沿って切断する工程と、切断の後に、上記半導体チップが貼り付けられた上記粘接着剤層の剥離を行い、半導体チップを上記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備えており、更に上記ダイシング層の上記貼付起点と該貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向と、上記分割後半導体ウェーハのダイシングラインの方向とをずらすように、上記粘接着剤層と上記ダイシング層との貼り付けを行うので、上記粘接着剤層と上記基材層と上記ダイシング層とを引き延ばして、粘接着剤層を切断するときに、粘接着剤層に直接接している基材層に亀裂を生じ難くすることができる。この結果、粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を高めることができる。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法に用いられるダイシング−ダイボンディングテープを模式的に示す部分切欠平面図及び部分切欠正面断面図である。 図2(a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法に用いられる積層体を得る各工程の一例を説明するための部分切欠正面断面図である。 図3(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る粘接着剤層付き半導体チップを製造する方法の一例を説明するための部分切欠正面断面図である。 図4(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る粘接着剤層付き半導体チップを製造する方法の一例を説明するための部分切欠正面断面図である。 図5(a)は、ダイシング−ダイボンディングテープをダイシングリングに貼り付けるときの状態を示す正面断面図であり、図5(b)は、ダイシング−ダイボンディングテープをダイシングリングに貼り付けた後の状態を示す平面図である。 図6(a)及び(b)は、図1に示すダイシング−ダイボンディングテープの変形例を模式的に示す部分切欠平面図及び部分切欠正面断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(粘接着剤層付き半導体チップの製造方法)
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法では、ダイシング−ダイボンディングテープと、積層体とを用いる。
上記ダイシング−ダイボンディングテープは、先ダイシング法により個々の半導体チップに分割されている分割後半導体ウェーハに貼り付けられた後に、粘接着剤層を引き延ばすことにより切断することで、粘接着剤層付き半導体チップを得るために用いられる。上記ダイシング−ダイボンディングテープは、粘接着剤層と、該粘接着剤層の一方の表面側に配置された基材層と、該基材層の上記粘接着剤層側とは反対の表面側に配置されたダイシング層とを備える。上記ダイシング層は、上記粘接着剤層及び上記基材層の外周側面よりも側方に張り出している領域を有する。
上記積層体は、保護シートと、上記保護シートの一方の表面に積層されており、かつ個々の半導体チップに分割されている分割後半導体ウェーハとを有する。
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法は、上記ダイシング−ダイボンディングテープの上記粘接着剤層を、上記積層体の上記分割後半導体ウェーハに貼り付ける工程と、上記ダイシング層を貼付起点からダイシングリングに貼り付ける工程と、上記保護シートを上記分割後半導体ウェーハから剥離する工程と、上記粘接着剤層を引き延ばして、上記分割後半導体ウェーハの切断部分に沿って切断する工程と、切断の後に、上記半導体チップが貼り付けられた上記粘接着剤層の剥離を行い、半導体チップを上記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備える。
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法では、上記ダイシング層の上記貼付起点と上記貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向と、上記分割後半導体ウェーハのダイシングラインの方向とをずらすように、上記粘接着剤層と上記ダイシング層との貼り付けを行う。すなわち、方向をずらした状態で、上記粘接着剤層を分割後半導体ウェーハに貼り付け、かつ上記ダイシング層をダイシングリングに貼り付ける。
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法は、上述した構成が備えられているので、基材層における亀裂の発生を抑えつつ、上記粘接着剤層を、上記分割後半導体ウェーハの切断部分に沿って精度よく切断できる。この結果、粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を高めることができる。本発明者らは、上記ダイシング層の上記貼付起点と上記貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向と、上記分割後半導体ウェーハのダイシングラインの方向とをずらすように、上記ダイシング−ダイボンディングテープの上記粘接着剤層を、上記積層体の上記分割後半導体ウェーハに貼り付けるだけで、基材層における亀裂の発生を抑えることができることを見出した。
なお、基材層がオレフィン樹脂などの合成樹脂により形成されている場合には、基材層の生産時に、流れ方向に樹脂の配向が生じている。また、ダイシング−ダイボンディングテープでは、ダイシング層の貼付起点は、ダイシング−ダイボンディングテープの流れ方向の先端に位置する。基材層の樹脂の配向方向は、ダイシング−ダイボンディングテープの流れ方向に沿う方向になる。これは、ダイシング−ダイボンディングテープの作製時に、基材層が溶融押出などで、離型層上に形成されるためである。
このようなダイシング−ダイボンディングテープを用いて粘接着剤層付き半導体チップを製造する際には、ダイシング−ダイボンディングテープ及び基材層の流れ方向と、分割後半導体ウェーハのダイシングラインの方向とが揃っていると、基材層に亀裂が生じやすいという問題がある。
これに対して、基材層の流れ方向と、分割後半導体ウェーハのダイシングラインの方向とをずらすだけで、基材層における亀裂の発生を抑えることができる。
基材層に亀裂をより一層生じ難くする観点からは、貼付起点と、該貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向と、ダイシングラインの方向とは、5度以上ずれていることが好ましく、45度ずれていることが最も好ましい。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
先ず、本発明の一実施形態に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法に用いられるダイシング−ダイボンディングテープについて説明する。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法に用いられるダイシング−ダイボンディングテープを模式的に示す図である。図1(a)は部分切欠平面図であり、図1(b)は図1(a)中のI−I線に沿う部分切欠正面断面図である。なお、図1及び後述の図では、図示の便宜上、寸法及び大きさは、実際の寸法及び大きさから適宜変更している。
図1(a)及び(b)に示すように、ダイシング−ダイボンディングテープ1は、長尺状の離型層2を有する。離型層2の上面2aに、粘接着剤層3と、基材層4と、ダイシング層5とがこの順に積層されている。粘接着剤層3の一方の表面3a(第1の表面)側に、ダイシング層5が配置されている。粘接着剤層3とダイシング層5との間に基材層4が配置されている。
粘接着剤層3の一方の表面3a(第1の表面)に、基材層4が積層されている。粘接着剤層3の他方の表面3b(第2の表面)に離型層2が積層されている。基材層4の一方の表面4a(第1の表面)に粘接着剤層3が積層されている。基材層4の粘接着剤層3側とは反対側の他方の表面4b(第2の表面)に、ダイシング層5が積層されている。
ダイシング層5は、基材5Aと、粘着部5Bとを有する。粘着部5Bは、基材5Aの一方の表面に積層されている。ダイシング層5は、粘着部5B側から基材層4の表面に積層されている。
ダイシング−ダイボンディングテープ1は、図1(a)に示す矢印Xで示す方向(流れ方向)に搬送されて、剥離及び貼付工程が行われる。
離型層2は、長尺状である。長尺状の離型層2の長さ方向に並んで、離型層2の表面上に、粘接着剤層3と基材層4とダイシング層5との積層体が複数配置されている。積層体は等間隔に配置されている。上記積層体の側方において、離型層2の上面2aに保護シートが設けられていてもよい。
粘接着剤層3及び基材層4の平面形状は、略円形である。ダイシング層5の平面形状は略円形である。粘接着剤層3の径は、基材層4の径と同じであってもよく、異なってもよい。基材層4の径は、粘接着剤層3の径よりも大きいことが好ましい。基材層4の外周側面は、粘接着剤層3の外周側面3cよりも外側に張り出していることが好ましく、粘接着剤層3の外周側面3cよりも側方に貼り出している領域を有することが好ましい。また、基材層4の外周側面は、粘接着剤層により覆われていないことが好ましい。粘接着剤層3と基材層4との大きさがこのような好ましい関係を満足すると、粘接着剤層3に半導体ウェーハを貼り付ける際に、粘接着剤層3の基材層4が積層されている部分に半導体ウェーハを正確に位置合わせできる。また、半導体ウェーハを粘接着剤層3に、より一層確実に貼り付けることができる。
ダイシング層5の径は、粘接着剤層3及び基材層4の径よりも大きい。ダイシング層5の外周側面は、粘接着剤層3及び基材層4の外周側面よりも外側に張り出している。従って、ダイシング層5は、粘接着剤層3及び基材層4の外周側面よりも側方に張り出している領域を有する。ダイシング層5と粘接着剤層3及び基材層4との大きさがこのような好ましい関係を満足することによっても、粘接着剤層3に半導体ウェーハを貼り付ける際に、粘接着剤層3の基材層4が貼り付けられている部分に、半導体ウェーハを正確に位置合わせすることができる。貼り付けの後には、半導体ウェーハが貼り付けられた粘接着剤層3の一方の表面3a上に基材層4を確実に配置できる。このため、基材層4からの粘接着剤層3の剥離性を高めることで、ダイシングの後に、粘接着剤層3付き半導体チップを、基材層4から容易に剥離できる。特に、基材層4が非粘着性を有する非粘着層である場合には、粘接着剤層3付き半導体チップを、基材層4からより一層容易に剥離できる。このため、生産ロスを低減でき、歩止まりを向上できる。さらに、ダイシングリングと半導体ウェーハとを異なる層に貼り付けることができるので、粘接着剤層3と基材層4とダイシング層5とをそれぞれ最適な材料により構成できる。このため、切削性及びピックアップ性と、ダイボンディング後の接合信頼性とを高くすることができる。
ダイシング層5は、粘接着剤層3及び基材層4の外周側面よりも外側に張り出している延長部5xを有する。ダイシング層5の延長部5xの片面が、粘着部5Bにより離型層2の上面に貼り付けられている。すなわち、粘接着剤層3及び基材層4の外周側面よりも外側の領域で、ダイシング層5が離型層2の上面に貼り付けられている。
ダイシング層5が延長部5xを有するのは、粘接着剤層3の他方の表面に半導体ウェーハを貼り付ける際に、粘接着剤層3の外周側面よりも外側に位置する延長部5xの粘着部5Bに、ダイシングリングを貼り付けるためである。
ダイシング−ダイボンディングテープ1では、ダイシング層5は外周部分に、貼り付け開始時にダイシングリングに貼り付けられる貼付起点5Cを有する。貼付起点5Cは、言い換えれば、剥離起点である。すなわち、ダイシング層5の貼り付けの際に、貼付起点5Cから剥離が行われる。貼付起点5Cは貼付開始部分であり、剥離開始部分である。貼付起点5Cは、ダイシング層5の先端に形成されている。粘接着剤層付き半導体チップを得る際には、貼付起点5Cからダイシング層5の外周部分をダイシングリングに貼り付ける。ダイシング層5のダイシングリングに貼り付けられる部分は、粘着性を有する粘着部5Bである。
以下の粘接着剤層付き半導体チップの製造方法において具体的に説明するように、ダイシング−ダイボンディングテープ1では、貼付起点5Cと、該貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向(図1に示す矢印Xで示す方向)を考慮して、貼り付けが行われる。貼付起点5Cと、該貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向は、離型層2の長さ方向に沿う方向であり、ダイシング−ダイボンディングテープ1の流れ方向である。貼付起点5Cと、該貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向は、基材層4のMD方向であることが好ましい。
図1に示すダイシング−ダイボンディングテープ1では、ダイシング層5は、基材5Aと粘着部5Bとが積層された多層構造を有する。図6(a)及び(b)に示すダイシング−ダイボンディングテープ61のように、単層のダイシング層62を形成してもよい。この場合には、ダイシング層62を、粘着性を有する材料により形成することが好ましい。なお、ダイシング層62は、ダイシング層5の貼付起点5Cと同様の貼付起点62Cを有する。
図2(a)〜(d)は、図2(a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法に用いられる積層体を得る各工程の一例を説明するための部分切欠正面断面図である。
図2(d)に示すように、積層体21は、保護シート22と、保護シート22の一方の表面22a(第1の表面)に積層されている分割後半導体ウェーハ23とを有する。分割後半導体ウェーハ23は個々の半導体チップに分割されている。分割後半導体ウェーハ23の平面形状は略円形である。分割後半導体ウェーハ23は、複数の半導体チップがマトリクス状に集合された状態である。分割後半導体ウェーハ23は、ある方向L1(例えば縦方向)と、方向L1と直交する方向L2(例えば横方向)とに沿って、分割されている(図5(b)参照))。分割後半導体ウェーハ23は、後の切断(割裂)工程において、ダイシングラインに沿って、個々の半導体チップに分割される。
分割後半導体ウェーハ23を備える積層体21は、周知のダイシング法に従って、得ることができる。例えば、積層体21は、図2(a)〜(d)に示す各工程を経て、以下のようにして得ることができる。
先ず、図2(a)に示すように、半導体ウェーハ23Aを用意する。半導体ウェーハ23Aは分割前半導体ウェーハである。半導体ウェーハ23Aの平面形状は円形である。半導体ウェーハ23Aの表面23aには、マトリックス状にストリートによって区画された各領域に、個々の半導体チップを構成するための回路が形成されている。
図2(b)に示すように、用意した半導体ウェーハ23Aを表面23a側からダイシングする。ダイシングの後、半導体ウェーハ23Aは分断されていない。半導体ウェーハ23Aの表面23aには、個々の半導体チップに分割するための切り込み23cが形成されている。ダイシングは、例えば、高速回転するブレードを備えるダイシング装置等を用いて行われる。
次に、図2(c)に示すように、半導体ウェーハ23Aの表面23aに、保護シート22を貼り付ける。その後、半導体ウェーハ23Aの裏面23bを研削し、半導体ウェーハ23Aの厚みを薄くする。ここでは、半導体ウェーハ23Aの裏面23bは、切り込み23c部分まで研削している。このようにして、図2(d)に示す積層体21を得ることができる。
半導体ウェーハ23Aの裏面23bは、切り込み23c部分まで研削することが好ましい。研削は、例えば研削磁石等を備えるグラインダなどの研削機を用いて行われる。研削時には、半導体ウェーハ23Aの表面23aには保護シート22が貼り付けられているので、回路に研削屑が付着しない。また、研削後に半導体ウェーハ23Aが個々の半導体チップに分割されても、複数の半導体チップがばらばらにならずに保護シート22に貼り付けられたままである。
ダイシング−ダイボンディングテープ1と、積層体21とを用いて、粘接着剤層付き半導体チップは以下のようにして得ることができる。
図3(a)に示すように、積層体21を保護シート22側からステージ25上に載せる。ステージ25上には、分割後半導体ウェーハ23の外周側面から一定間隔を隔てられた位置に、円環状のダイシングリング26が設けられている。ダイシング−ダイボンディングテープ1の離型層2を剥離しながら、又は離型層2を剥離した後に、露出した粘接着剤層3の他方の表面3bを、分割後半導体ウェーハ23の裏面23bに貼り付ける。また、露出したダイシング層5の延長部5xに位置する粘着部5Bを、貼付起点5Cからダイシングリング26に貼り付ける。
図5(a)にダイシング層5をダイシングリング26に貼り付ける際の状態を正面断面図で示し、図5(b)にダイシング層5をダイシングリング26に貼り付けた後の状態を平面図で示す。
図5(a)及び(b)に示すように、ダイシング層5をダイシングリング26に貼り付ける際には、剥離エッジ32を用いて、ダイシング層5を貼付起点5Cから、離型層2の上面2aから剥離する。剥離時に、貼付起点5C(先端)を突き出す。ダイシング層5を貼付起点5Cからダイシングリング26に貼り付ける。ダイシング層5の貼付起点5Cをダイシングリング26に貼り付けて、貼付起点5C上をロール31で押さえ付ける。そして、粘接着剤層3、基材層4及びダイシング層5に皺が生じないように、粘接着剤層3、基材層4及びダイシング層5を引き延ばしながら、ダイシング層5の外周部分をダイシングリング26に貼り付けることが好ましい。本実施形態では、図5(b)に示すように、ダイシング−ダイボンディングテープ1の貼り付け時に、ダイシング層4の貼付起点4Cと該貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向Xと、分割後半導体ウェーハ21のダイシングラインの方向L1及び方向L2とをずらす。ここでは、方向Xと、全てのダイシングラインの方向L1と方向L2とがずれており、方向L1、並びに方向Xと方向L2とが45度ずれている。このようにして、粘接着剤層3とダイシング層5との貼り付けを行う。すなわち、方向Xと方向L1、並びに方向Xと方向L2とをずらした状態で、粘接着剤層3を分割後半導体ウェーハ21に貼り付け、かつダイシング層5をダイシングリング26に貼り付ける。
ダイシング層5をダイシングリング26に貼り付けた後、図3(b)に示すように、粘接着剤層3が貼り付けられた分割後半導体ウェーハ23をステージ25から取り出して、裏返す。このとき、ダイシングリング26をダイシング層5に貼り付けた状態で取り出す。取り出した分割後半導体ウェーハ23を表面23aが上方になるように裏返して、別のステージ27上に載せる。
次に、図4(a)に示すように、分割後半導体ウェーハ23の表面23aから保護シート22を剥離する。保護シート22を剥離する際に、剥離を容易にするために、保護シート22を加熱してもよい。ただし、保護シート22を加熱する際に、粘接着剤層3を改質しないほうが好ましい。
次に、図4(b)に示すように、粘接着剤層3と基材層4とダイシング層5とを引き延ばして、粘接着剤層3をのみを切断する。このとき、分割後半導体ウェーハ23の切断部分23aに沿って粘接着剤層3を切断し(ダイシング工程)、かつ分割後半導体ウェーハ23における個々の半導体チップを離間させる。粘接着剤層3は、基材層4に積層されており、かつ分割後半導体ウェーハ23の裏面に貼り付けられているため、更に基材層4を特定の方向で、粘接着剤層3とダイシング層5との貼り付けを行っているため、分割後半導体ウェーハ23の切断部分23aに沿って、すなわちダイシングラインに沿って、粘接着剤層3を切断できる。粘接着剤層3の切断の後に、粘接着剤層3には切断部分3dが形成される。
なお、本明細書では、粘接着剤層3を引き延ばして切断することを、割裂するともいう。粘接着剤層3を引き延ばして切断する作業(割裂)には、ダイシングも含まれることとし、ダイシング−ダイボンディングテープ1は、粘接着剤層3を引き延ばして切断する(割裂する)ために用いることができる。ダイシング−ダイボンディングテープ1は、言い換えれば、割裂−ダイボンディングテープとも言える。
粘接着剤層3を引き伸ばす方法としては、例えば、ダイシングリング26を押し下げる方法、並びに粘接着剤層3の下方から突き上げて、粘接着剤層3、基材層4及びダイシング層5に、図4(b)に示す力Aを付与する方法が挙げられる。力Aの付与により、ダイシング層5が外側に向かって引っ張られ、それに呼応して基材層4に外側に向かって引っ張られる力B1,B2が付与され、結果として粘接着剤層3が引き伸ばされる。粘接着剤層3、基材層及びダイシング層5は、基材層4の上記第1の方向と上記第2の方向との双方に引き延ばされることが好ましく、中心から外側(径方向外側)に向かって全体が引き延ばされることが好ましく、中心から外側(径方向外側)に向かって全体が均一に引き延ばされることが好ましい。
粘接着剤層3と基材層4とダイシング層5とを引き伸ばす前又は間に、粘接着剤層3を改質しないことが好ましい。粘接着剤層3と基材層4とダイシング層5を引き伸ばす前又は間に、粘接着剤層3を改質するために、粘接着剤層3を加熱(保護シート22を剥離するための加熱を除く)及び冷却せず、かつレーザー光を照射しないことが好ましい。ただし、粘接着剤層3を改質してもよい。粘接着剤層3を改質しない場合であっても、粘接着剤層3付き半導体チップの製造効率がかなり高くなる。
粘接着剤層3を切断した後、粘接着剤層3が積層された状態で、半導体チップを粘接着剤層3ごと非粘着層4から剥離して、取り出す。このようにして、粘接着剤層3付き半導体チップを得ることができる。ダイシング−ダイボンディングテープ1を用いた場合には、分割後半導体ウェーハ23が貼り付けられている粘接着剤層3部分の下方には、基材層4が位置しているので、粘接着剤層3付き半導体チップのピックアップ性が高くなる。粘接着剤層3の切断の後、粘接着剤層3付き半導体チップを基材層4から剥離する前に、ダイシング層5を引き延ばして、個々の半導体チップ間の間隔をさらに拡張してもよい。
また、ダイシングの後に、粘接着剤層3と基材層4との間の剥離力を変化させることなく、半導体チップを取り出すことが好ましい。基材層4が非粘着性を有する非粘着層である場合には、ダイシングの後に、上記剥離力を変化させなくても、粘接着剤層3付き半導体チップを無理なく取り出すことができる。
(ダイシング−ダイボンディングテープの他の詳細)
以下、ダイシング−ダイボンディングテープの他の詳細について説明する。
上記離型層の材料としては、プラスチック樹脂が挙げられ、具体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂等のポリオレフィン樹脂や、ポリ塩化ビニル樹脂や、アクリル樹脂等が挙げられる。
上記離型層の表面は離型処理されていてもよい。上記離型層は単層であってもよく、複数層であってもよい。上記離型層が複数層である場合には、各層は異なる樹脂により形成されていてもよい。
上記離型層の取扱い性又は剥離性をより一層高める観点からは、上記離型層の厚みは、好ましくは10μm以上、好ましくは100μm以下である。
上記粘接着剤層は、半導体チップのダイボンディングに用いられる層である。上記粘接着剤層は、半導体チップを基板又は他の半導体チップ等に接合するために用いられる。
上記粘接着剤層は、例えば適宜の硬化性樹脂などの硬化性化合物を含む硬化性樹脂組成物、又は熱可塑性樹脂等により形成される。硬化前の上記硬化性樹脂組成物は柔らかいので、外力により容易に変形する。上記粘接着剤層付き半導体チップを得た後に、得られた粘接着剤層付き半導体チップを上記粘接着剤層側から基板等の被着体に積層する。その後、熱又は光のエネルギーを与えて、上記粘接着剤層を硬化させることにより、上記粘接着剤層を介して、被着体に半導体チップを強固に接合させることができる。
上記硬化性樹脂組成物を硬化させるために、硬化剤が用いられる。該硬化剤としては、例えば、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等の加熱硬化型酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤もしくはジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、及びカチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。硬化速度又は硬化物の物性等を調整するために、上記硬化剤と硬化促進剤とを併用してもよい。
上記粘接着剤層の厚みは特に限定されない。上記粘接着剤層の厚みは、一般的には5μm以上、150μm以下である。半導体装置の設計寸法に応じて、適正な粘接着剤層の厚みが選定される。
上記基材層の材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂等のポリオレフィン樹脂や、ポリ塩化ビニル樹脂や、アクリル樹脂等が挙げられる。ダイシングの際のエキスパンド性に優れており、基材層に亀裂がより一層生じ難くかつ環境負荷が小さいために、ポリオレフィン樹脂が好ましい。ダイシングの際のエキスパンド性に優れており、かつ環境負荷が小さいために、ポリオレフィン樹脂が好ましい。引張荷重が小さいため、ポリエチレン樹脂が特に好ましい。
上記基材層は、粘着性を有する粘着層であってもよく、非粘着性を有する(粘着性を有さない)非粘着層であってもよい。上記基材層の上記粘接着剤層側の表面は非粘着性を有することが好ましい。上記基材層の上記ダイシング層側の表面は非粘着性を有していてもよい。なお、「非粘着性」とは、表面が粘着性を有さないだけでなく、表面を指で触ったときにくっつかない程度の粘着性を有する場合も含まれることとする。具体的には、「非粘着性」とは、上記基材層をステンレス板に貼り付けて、上記基材層を300mm/分の剥離速度で剥離したときに、粘着力が0.05N/25mm幅以下であることを意味する。
上記基材層の厚みは特に限定されない。上記基材層の厚みは、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、好ましくは80μm以下、より好ましくは50μm以下である。上記基材層の厚みが上記下限以上であると、エクスパンド性がより一層高くなる。上記基材層の厚みが上記上限以下であると、厚みがより一層均一になり、ダイシングの精度がよく一層高くなる。上記基材層の厚みは、30μm以上、50μm以下であることが特に好ましい。上記基材層の厚みが30μm以上、50μm以下であると、粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性がより一層良好になる。
上記ダイシング層は、上記基材と、上記粘着部とを有することが好ましい。上記粘着部は粘着剤層であることが好ましい。
上記基材層と上記ダイシング層との剥離力は、上記粘接着剤層と上記基材層との剥離力よりも大きいことが好ましい。このような剥離力を満足するように上記粘着部が構成されていることが好ましい。
上記ダイシング層における上記基材の材料としては、プラスチック樹脂が挙げられ、具体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂等のポリオレフィン樹脂や、ポリ塩化ビニル樹脂や、アクリル樹脂等が挙げられる。ダイシングの際のエキスパンド性に優れており、かつ環境負荷が小さいために、ポリオレフィン樹脂が好ましい。ポリエチレン樹脂が特に好ましい。
上記粘着部は特に限定されない。上記粘着部を構成する粘着剤の具体例として、アクリル系粘着剤、特殊合成ゴム系粘着剤、合成樹脂系粘着剤及びゴム系粘着剤等が挙げられる。なかでも、感圧タイプのアクリル系粘着剤が好ましい。感圧タイプのアクリル系粘着剤が用いられた場合、ダイシングリングを上記粘着部からより一層容易に剥離できる。さらに、上記粘着部のコストを低減できる。
上記ダイシング層の厚みは特に限定されない。上記ダイシング層の厚みは、好ましくは52μm以上、より好ましくは82μm以上、好ましくは250μm以下、より好ましくは210μm以下である。
上記ダイシング層における上記基材の厚みは特に限定されない。上記ダイシング層における基材の厚みは、好ましくは50μm以上、より好ましくは80μm以上、好ましくは200μm以下、より好ましくは160μm以下である。上記基材の合計の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、半導体ウェーハをより一層精度よくダイシングでき、ピックアップ性をより一層高めることができる。さらに、上記離型層の剥離性及び上記ダイシング層のエクスパンド性がより一層高くなる。
上記粘着部の厚みは特に限定されない。上記粘着部の厚みは、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下である。上記粘着部の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、上記基材層と上記ダイシング層との剥離力を適度な範囲に制御することが容易になる。
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
エポキシ基含有アクリル樹脂(日油社製「G−2050M」)15重量部と、エポキシ基含有アクリル樹脂(日油社製「G−0150M」)20重量部と、フェノキシ系エポキシ樹脂(三菱化学社製「1004F」)45重量部と、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(DIC社製「EXA−850CRP」)20重量部と、酸無水物系硬化剤(三菱化学社製「YH−309」)35重量部と、イミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業社製「2MAOK−DS」)5重量部と、無水超微細無定形シリカ(トクヤマ社製「MT−10」)10重量部と、アミノシランカップリング剤(チッソ社製「S320」)1重量部とを配合し、配合物を得た。得られた配合物をメチルエチルケトン(MEK)に固形分50重量%となるように添加し、撹拌し、粘接着剤である硬化性組成物を得た。
離型層である離型フィルム上に、得られた硬化性組成物を厚み7μmになるように塗布し、100℃で3分間オーブン中で加熱乾燥し、離型層上に粘接着剤層を形成した。
粘接着剤層の離型層側とは反対の表面に、非粘着性を有する非粘着層(基材層)としてポリエチレンフィルム(タマポリ社製「GF」、厚み20μm)をラミネートし、ラミネート体を得た。ラミネート体を円形に切り抜いた後、基材層の粘接着剤層側とは反対の表面にダイシング層としてPEテープ#6318−B(積水化学社製粘着フィルム、厚み70μmのポリエチレン基材層の片面に厚み10μmのゴム系粘着剤層が形成されている。)を粘着剤層側から貼り付けた。粘接着剤層よりも大きな円形にダイシング層を切り抜いた。このようにして、離型層/粘接着剤層/基材層/ダイシング層の積層構造を有する4層のダイシング−ダイボンディングテープを作製した。
先ダイシングされた分割後半導体ウェーハを有する積層体として、保護シートと、チップサイズ10mm角に先ダイシングされた分割後半導体ウェーハ(シリコンミラーウェーハ、直径300mm、厚み40μm)との積層体を用意した。
得られたダイシングーダイボンディングテープの離型層を粘接着剤層及びダイシング層から剥離して、粘接着剤層と、ダイシング層の外周部分とを露出させた。先ダイシングされた分割後半導体ウェーハの裏面に、ダイシング−ダイボンディングテープを粘接着剤層側から60℃の温度でラミネートし、露出したダイシング層の外周部分をダイシングリングに貼り付けた。
このとき、図5(a)に示すように、ダイシング層の貼付起点と該貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向Xと、分割後半導体ウェーハのダイシングラインの方向L1及び方向L2とを45度ずらした。
次に、粘接着剤層が貼り付けられた半導体ウェーハをステージから取り出して、裏返し、別のステージ上に載せた。その後、半導体ウェーハの表面から、60℃で保護シートを剥離した。このとき、粘接着剤層は改質しないようにした。
次に、ダイボンダー(芝浦メカトロニクス社製「FPD−7000FP」)を用いて、23℃及びエキスパンド量3.5mm、エキスパンド速度8mm/secの条件で、粘接着剤層と基材層とダイシング層とを引き延ばして、先ダイシングされた分割後半導体ウェーハの切断部分(ダイシングライン)に沿って、粘接着剤層を切断し、かつ先ダイシングされた分割後半導体ウェーハにおける個々の半導体チップを離間させた。
この結果、基材層における亀裂は生じなかった。また、粘接着剤層付き半導体チップをピックアップしたところ、粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性に優れていた。
(比較例1)
ダイシング層の貼付起点と該貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向Xと、分割後半導体ウェーハのダイシングラインの方向L1とを一致させたこと以外は実施例1と同様にして、粘接着剤層と基材層とダイシング層とを引き延ばして、先ダイシングされた分割後半導体ウェーハの切断部分に沿って、粘接着剤層を切断し、かつ先ダイシングされた分割後半導体ウェーハにおける個々の半導体チップを離間させた。この結果、任意の個片化された半導体チップ間50箇所中、50箇所で亀裂が見られた。
なお、ダイシング層の貼付起点と該貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向Xと、分割後半導体ウェーハのダイシングラインの方向L1及び方向L2とを45度ずらした具体的な実施例を示したが、これらの方向が少しでもずれている場合に、これらの方向が一致している場合と比べて、基材層に亀裂が生じにくくなることを確認した。特に、ダイシング層の貼付起点と該貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向Xと、分割後半導体ウェーハのダイシングラインの方向L1及び方向L2とを5度以上ずらすことで、基材層に亀裂がかなり生じにくくなることを確認した。
1…ダイシング−ダイボンディングテープ
2…離型層
2a…上面
3…粘接着剤層
3a…一方の表面
3b…他方の表面
3c…外周側面
3d…切断部分
4…基材層
4a…一方の表面
4b…他方の表面
5…ダイシング層
5A…基材
5B…粘着部
5x…延長部
5C…貼付起点(先端)
21…積層体
22…保護シート
22a…一方の表面
23…分割後半導体ウェーハ
23A…半導体ウェーハ
23a…表面
23b…裏面
23c…切り込み
25…ステージ
26…ダイシングリング
27…ステージ
31…ロール
32…剥離エッジ
61…ダイシング−ダイボンディングテープ
62…ダイシング層
62C…貼付起点(先端)

Claims (6)

  1. 粘接着剤層と、前記粘接着剤層の一方の表面側に配置された基材層と、前記基材層の前記粘接着剤層側とは反対の表面側に配置されたダイシング層とを有し、かつ前記ダイシング層が、前記粘接着剤層及び前記基材層の外周側面よりも側方に張り出している領域を有するダイシング−ダイボンディングテープを用いて、かつ、
    保護シートと、前記保護シートの一方の表面に積層されており、かつ個々の半導体チップに分割されている分割後半導体ウェーハとを有する積層体を用いて、
    前記ダイシング−ダイボンディングテープの前記粘接着剤層を、前記積層体の前記分割後半導体ウェーハに貼り付ける工程と、
    前記ダイシング層を貼付起点からダイシングリングに貼り付ける工程と、
    前記保護シートを前記分割後半導体ウェーハから剥離する工程と、
    前記粘接着剤層を引き延ばして、前記分割後半導体ウェーハの切断部分に沿って切断する工程と、
    切断の後に、前記半導体チップが貼り付けられた前記粘接着剤層の剥離を行い、前記半導体チップを前記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備える粘接着剤層付き半導体チップの製造方法であって、
    前記ダイシング−ダイボンディングテープの前記粘接着剤層を、前記積層体の前記分割後半導体ウェーハに貼り付ける工程において、前記ダイシング層の前記貼付起点と前記貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向と、前記分割後半導体ウェーハのダイシングラインの方向とをずらすように、前記粘接着剤層と前記ダイシング層との貼り付けを行う、粘接着剤層付き半導体チップの製造方法。
  2. 前記ダイシング−ダイボンディングテープが離型層を有し、
    前記ダイシング−ダイボンディングテープにおいて、前記粘接着剤層の前記基材層側とは反対側の表面が、前記離型層に貼り付けられており、かつ前記ダイシング層の前記粘接着剤層及び前記基材層の外周側面よりも側方に張り出している領域の表面が、前記離型層に貼り付けられている、請求項1に記載の粘接着剤層付き半導体チップの製造方法。
  3. 前記ダイシング−ダイボンディングテープが離型層を有し、
    前記離型層が長尺状であり、
    長尺状の前記離型層の長さ方向に並んで、前記離型層の表面上に、前記粘接着剤層と前記基材層と前記ダイシング層との積層体が複数配置されており、
    前記ダイシング層の前記貼付起点と前記貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向が、前記離型層の長さ方向に沿う方向である、請求項1又は2に記載の粘接着剤層付き半導体チップの製造方法。
  4. 前記ダイシング層が、基材と、前記基材の一方の表面側に配置された粘着部とを有し、
    前記ダイシング−ダイボンディングテープにおいて、前記基材層の前記粘接着剤層側とは反対の表面側に、前記ダイシング層が前記粘着部側から配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘接着剤層付き半導体チップの製造方法。
  5. 前記ダイシング層の前記貼付起点と前記貼付起点とは反対側の一端とを結ぶ方向と、前記分割後半導体ウェーハのダイシングラインの方向とが5度以上ずれている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘接着剤層付き半導体チップの製造方法。
  6. 半導体ウェーハの第1の表面に、前記半導体ウェーハを個々の半導体チップに分割するための切り込みを形成する工程と、
    切り込みが形成された前記半導体ウェーハの前記第1の表面に保護シートを貼り付ける工程と、
    前記保護シートが貼り付けられた前記半導体ウェーハの前記第1の表面とは反対の第2の表面を研削し、前記半導体ウェーハを個々の半導体チップに分割し、前記積層体を得る工程をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘接着剤層付き半導体チップの製造方法。
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