JP2015075210A - 軸受の組付方法および電動パワーステアリングの減速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外輪に外方にスペーサを圧入する必要が一切ないのに、内部隙間を負隙間とできて、内部でがたつきや異音が生じることを抑制できる玉軸受の組付方法を提供すること。
【解決手段】玉43、内輪42および外輪41が、正隙間を有している状態で保持器45を組み付ける。その後、外輪41の外周面および内輪42の内周面に治具を構成する筒状部材70および軸部材71を嵌合して、治具付軸受アッセンブリ80を形成する。その後、治具付軸受アッセンブリ80を焼き戻して外輪41および内輪42を熱膨張させて、玉43、内輪42および外輪41が負隙間を構成するようにする。その後、治具付軸受アッセンブリ80から筒状部材70および軸部材71を取り外すようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、軸受の組付方法および電動パワーステアリングの減速装置に関する。
従来、電動パワーステアリングの減速装置としては、特開2012−101649号公報(特許文献1)に記載されているものがある。この減速装置は、ハウジングと、電動モータに連結されたウォーム軸と、ウォームホイールと、玉軸受からなる第1軸受と、第2軸受とを備える。上記ウォームホイールは、上記ウォーム軸に噛み合い、転舵機構に連結されている。
上記玉軸受は、ウォーム軸の電動モータ側の端部を、ハウジングの内周面に対して回転自在に支持している。また、この減速装置は、筒状のスペーサを有し、そのスペーサは、上記玉軸受の外輪の外周面に締め代を有した状態で外嵌されて固定されている。
この減速装置は、上記スペーサを外輪の外周側に圧入することにより、玉軸受の内部隙間を詰めて、玉軸受の内部隙間を負隙間としている。このようにして、軸方向の移動や揺動等が許容されるウォーム軸を支持する軸受であっても、玉軸受の内部でアキシアル荷重に基づくがたつき(振動)や異音が生じることを抑制して、玉軸受でウォーム軸をより円滑に支持できるようにしている。
特開2012−101649号公報
上記従来の減速装置では、スペーサで玉軸受の内部隙間を詰めて、玉軸受の内部隙間を負隙間としているから、玉軸受の内部で、がたつき(振動)や異音が生じることを抑制できる。
しかしながら、上記従来の減速装置では、玉軸受の外輪をスペーサで径方向の内方側に押圧しなければならず、スペーサが必須となるから、スペーサを配置するスペースが必須となって、減速装置が、大型化する。また、スペーサが必要となるから、製造コストも高くなる。また、スペーサを外輪に圧入するのが必須となるから、製造する際の工数が多くなって、労力が大きくなり、サイクルタイムも長くなる。
そこで、本発明の課題は、外輪に外方にスペーサを圧入する必要が一切ないのに、内部隙間を負隙間とできて、内部でがたつきや異音が生じることを抑制できる玉軸受の組付方法を提供することにある。
また、本発明の課題は、玉軸受の内部隙間が負隙間で、玉軸受の内部でがたつきや異音が生じることを抑制できるのに、玉軸受の外輪の径方向の外側に筒状部材を圧入する必要がなくて、コンパクトで、かつ、製造コストやサイクルタイムも低減できる電動パワーステアリングの減速装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の軸受の組付方法は、
複数の玉を内輪および外輪に対して正隙間を有している状態で、内輪と外輪との間に配置した後、上記複数の玉を玉割りして保持器を組み付ける保持器組付工程と、
上記保持器組付工程の後、上記外輪の外周面および上記内輪の内周面のうちの少なくとも一方に治具の周面を嵌合して、上記外輪、上記内輪、上記複数の玉、上記保持器および上記治具を有する治具付軸受アッセンブリを形成する治具組付工程と、
上記治具組付工程の後、上記治具付軸受アッセンブリを焼き戻して、上記外輪および上記内輪のオーステナイトの少なくとも一部をマルテンサイト化して、上記外輪および上記内輪を熱膨張させて、上記玉、上記内輪および上記外輪が負隙間を構成するようにする軌道輪熱膨張工程と、
上記軌道輪熱膨張工程の後、治具付軸受アッセンブリから上記治具を取り外す治具取外工程と
を備えることを特徴としている。
尚、上記内輪の径方向の内方側に配置される治具は、内輪が外側に向かって膨張するのを促進するために用いられる。また、上記外輪の径方向の外方側に配置される治具は、外輪が内側に向かって膨張するのを促進するために用いられる。
本発明によれば、複数の玉が内輪および外輪に対して正隙間を有している状態で保持器を組み付けるから、最終的には内部隙間が負隙間になるにも拘わらず、保持器の組み付けの際に、各玉を自在に動かすことができる。したがって、複数の玉の玉割を容易に行うことができて、保持器を容易に組み付けできる。
また、本発明によれば、外輪の径方向の外側および内輪の径方向の内側のうちの少なくとも一方に治具を組み付けて、治具付軸受アッセンブリを構成した後、治具付軸受アッセンブリの状態で焼戻しを行うから、外輪の径方向の外側への熱膨張および内輪の径方向の内側への熱膨張のうちの少なくとも一方を治具で抑制できる。したがって、玉、内輪および外輪が確実に負隙間を構成できる。
また、本発明によれば、治具付軸受アッセンブリの状態で焼戻しを行って、玉、内輪および外輪が負隙間を構成するのに、外輪の外周面に筒状のスペーサを圧入する必要がない。したがって、玉、内輪および外輪が負隙間を構成する玉軸受を備える装置の製造コストを、スペーサを省略できる分だけ低減できると共に、その装置をコンパクトにできる。また、外輪の外周面にスペーサを圧入する必要がないから、製造の際に工数を低減できて、この視点からも製造コストを低減でき、また、サイクルタイムも低減できる。
また、本発明の電動パワーステアリングの減速装置は、
内周面を有するハウジングと、
電動モータに連結されるウォーム軸と、
上記ウォーム軸に噛み合うと共に、転舵機構に連結されるウォームホイールと、
上記ウォーム軸において上記ウォームホイールと噛み合っている噛合部よりも上記電動モータ側に位置する電動モータ側部に外嵌される一方、外輪、内輪、複数の玉および保持器を有する玉軸受と
を備え、
上記玉、上記内輪および上記外輪は、負隙間を構成し、
上記外輪の外周面は、その外周面の径方向の外方側に位置する上記ハウジングの内周面に部材や部位を介さず直接的に対向していることを特徴としている。
本発明によれば、玉、内輪および外輪が、負隙間を構成しているから、玉軸受が、軸方向の移動や揺動等が許容されるウォーム軸を支持しているにも拘わらず、玉軸受の内部で、がたつき(振動)や異音が生じることを抑制できて、玉軸受でウォーム軸を円滑に支持できる。
また、本発明によれば、外輪の外周面が、その外周面の径方向の外方側に位置するハウジングの内周面に部材や部位を介さず直接的に対向しているから、外輪の外周面に筒状のスペーサが圧入されている構成と比較して、製造コストを、スペーサを省略できる分だけ低減できると共に、コンパクトにできる。また、外輪の外周面にスペーサを圧入する必要がないから、製造の際に工数を低減できる。したがって、この視点からも製造コストを低減でき、また、サイクルタイムも低減できる。
本発明によれば、外輪の外方にスペーサを圧入する必要が一切ないのに、内部隙間を負隙間とできて、内部でがたつきや異音が生じることを抑制できる玉軸受の組付方法を実現できる。
また、本発明によれば、電動モータ側の玉軸受の内部でがたつきや異音が生じることを抑制できて、製造コストやサイクルタイムも低減できるコンパクトな電動パワーステアリングの減速装置を実現できる。
本発明の一実施形態のパワーステアリングの減速装置およびその周辺の構成の模式断面図である。 組み付け途中の玉軸受の径方向の模式断面図である。 治具付軸受アッセンブリの模式断面図である。 従来の組付方法による軸受の配置装置と、本発明の軸受の組付方法による軸受の配置装置との比較を示す模式図である。
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態のパワーステアリングの減速装置およびその周辺の構成の模式断面図である。
図1に示すように、この減速装置は、ハウジング1と、ウォーム軸2と、ウォームホイール3と、第1玉軸受4と、第2玉軸受5とを備える。上記ウォーム軸2は、電動モータ6に連結されている。また、上記ウォームホイール3は、図示しない転舵機構に連結されている。
上記ハウジング1は、筒状の駆動ギヤ収容ハウジング10と、筒状の従動ギヤ収容ハウジング11とを有する。上記駆動ギヤ収容ハウジング10は、ウォーム軸2を収容する一方、従動ギヤ収容ハウジング11は、ウォームホイール3を収容している。上記駆動ギヤ収容ハウジング10および従動ギヤ収容ハウジング11は、アルミニウム合金等の金属材料を用いて一体成形されている。
上記駆動ギヤ収容ハウジング10は、軸方向の一端部に環状のフランジ部15を有している。上記フランジ部15は、駆動ギヤ収容ハウジング10と一体成形されている。上記環状フランジ部15には、図示しない固定ねじを用いて、電動モータ6のモータハウジング17が取り付けられている。上記電動モータ6は、上記モータハウジング17と、出力軸19とを有し、出力軸19は、モータハウジング17に回転可能に支持されている。
上記ウォーム軸2は、第1端部22と、第2端部23と、ウォーム24とを有し、ウォーム24は、第1端部22と、第2端部23との間に配置されている。上記ウォーム24は、柱状で歯部を有している。上記第1端部22は、電動モータ6の出力軸19に継手50を介して動力伝達可能に連結されている。このようにして、上記電動モータ6の出力を、ウォーム軸2に伝達している。
上記ウォームホイール3は、環状の芯金30と、合成樹脂部材31とを有する。上記合成樹脂部材31は、芯金30の周囲を取り囲んでいる。上記合成樹脂部材31は、外周に歯部が形成されている。上記芯金30は、例えば合成樹脂部材31の樹脂成形時に金型内にインサートされ、芯金30および合成樹脂部材31を、一体成形するようになっている。
上記ウォームホイール3は、転舵機構に連結されている。詳しくは、上記芯金30は、ステアリングシャフトの出力軸40に、圧入等によって嵌め合わされて、出力軸40に一体回転可能に連結されている。このようにして、ウォームホイール3を、出力軸40に対して一体回転可能かつ軸方向に移動不能にしている。また、上記ウォームホイール3は、ウォーム軸2に噛合している。詳しくは、上記合成樹脂部材31の歯部を、ウォーム24の歯部に歯合している。このようにして、入力軸と出力軸とが互いに直角をなす構成を実現すると共に、大きな減速比を実現するようにしている。
上記第1玉軸受4は、ウォーム軸2においてウォームホイール3と噛み合っている噛合部55よりも電動モータ6側に位置している。上記第1玉軸受4は、ウォーム軸2の第1端部22上に配置される一方、第2玉軸受5は、ウォーム軸2の第2端部23上に配置されている。上記第1および第2玉軸受4,5は、ウォーム軸2を駆動ギヤ収容ハウジング10に回転可能に支持している。上記第1玉軸受4は、外輪41と、内輪42と、複数の玉43と、保持器45とを有している。
上記第1玉軸受4は、ウォーム軸2に対して軸方向に相対移動可能になっている。詳しくは、上記外輪41は、駆動ギヤ収容ハウジング10の内周面に隙間嵌めにより内嵌されている。上記外輪41の外周面は、その外周面の径方向の外方側に位置する駆動ギヤ収容ハウジング10の内周面に部材や部位を介さずに直接的に対向している。すなわち、上記外輪41の外周面と、その外周面に径方向に対向する駆動ギヤ収容ハウジング10との間には、如何なる部材も存在せず、また、如何なる部位も存在しないようになっている。一方、上記内輪42は、第1端部22の外周面に隙間嵌めにより嵌合されている。
上記第1玉軸受4の内輪42は、外輪41に対して揺動可能になっている。詳しくは、第1玉軸受4の外輪41および内輪42の軌道溝の曲率半径を大きくすることで、内輪42が外輪41に対して揺動可能となっている。上記ウォーム軸2の他端部は、弾性体によってウォームホイール3側に付勢されている。上記ウォーム軸2が、一端部を中心としてウォームホイール3側に傾くことで、ウォーム軸2とウォームホイール3との噛み合い部分のバックラッシが詰められている。
上記ウォームホイール3からウォーム軸2に対してウォーム軸2の軸方向に沿うアキシャル荷重が作用したとき、第1玉軸受4の外輪41および内輪42が弾性的に撓むことにより、ウォーム軸2をわずかに軸方向に移動させることが可能となっている。これにより、ステアリングホイールの操舵の開始の瞬間等、電動モータ6が駆動されないときに、ステアリングホイールからウォームホイール3を介してウォーム軸2に伝わった力によって、ウォーム軸2が軸方向に移動可能となっている。これにより、操舵部材が操作されてから電動モータ6が駆動されるまでの時間等、電動モータ6が駆動していないときに、電動モータ6からウォーム軸2が受ける抵抗を少なくし、その結果、電動モータ6が駆動されていないときの運転者の操舵負荷を低減するようになっている。
また、上記玉43、外輪41および内輪42は、負隙間を構成し、第1玉軸受4の内部隙間は、数μmから数十μm程度の負隙間となっている。このようにして、軸方向の移動や揺動等が許容されるウォーム軸2を支持するにも拘わらず、第1玉軸受4の内部でアキシアル荷重に基づくがたつき(振動)や異音が生じることを抑制し、第1玉軸受4でウォーム軸2をより円滑に支持できるようにしている。尚、上記保持器45は、金属製の保持器であり、所謂波形保持器である。また、上記複数の玉43は、外輪41の軌道溝と、内輪42の軌道溝との間に保持器45に保持された状態で周方向に互いに間隔をおいて配置されている。
上記第1玉軸受4は、例えば、次の手順で製造されることができる。
先ず、焼戻しを行う前の状態で、正隙間を構成する3つの部材、すなわち、外輪41、内輪42および複数の玉43を用意する。また、焼戻しを行う前の波形保持器を構成する部材、すなわち、周方向に互いに間隔をおいて位置する複数のリベット挿通穴を有する二つの鋼板と、複数のリベットとを用意する。
続いて、保持器組付工程を行う。詳しくは、先ず、図2、すなわち、組み付け途中の玉軸受の径方向の模式断面図に示すように、複数の玉43を、外輪41の内周軌道溝60と、内輪42の外周軌道溝61との間に配置する。また、一方の鋼板のプレス挿通穴に複数のリベットを取り付ける。その後、玉割りされた、外輪41と内輪42との間の軸方向の一方側の開口から一方の鋼板を挿通する一方、外輪41と内輪42との間の軸方向の他方側の開口からリベット付きの他方の鋼板を挿通する。その後、二つの鋼板で構成される各ポケットに玉43が配置されている状態で、他方の鋼板に取り付けられた各リベットの先端を、一方の鋼板のリベット挿通穴に挿通する。最後に、他方の鋼板に取り付けられたリベットの先端をかしめて、外輪41と内輪42との間に波形保持器を組み付ける。
続いて、治具組付工程を行う。詳しくは、上記外輪41の外周面に筒状部材70を外嵌して固定する。また、上記内輪42の内周面に軸部材71の外周面を内嵌して固定する。上記筒状部材70および軸部材71の夫々は、治具を構成している。このようにして、図3に示すように、上記外輪41、内輪42、複数の玉43、保持器45および治具70,71を有する治具付軸受アッセンブリ80を形成する。
上記筒状部材70および軸部材71の夫々の材質は、内外輪41,42のいずれの材質よりも線膨張係数が小さい材質となっている。例えば、内外輪41,42が軸受鋼である場合には、筒状部材70および軸部材71の材質としては、鋳鉄やセラミックを好適に使用でき、筒状部材70および軸部材71の線膨張係数が、内外輪41,42の線膨張係数よりも小さくなるようにする。尚、治具の線膨張係数が、内輪および外輪の線膨張係数よりも小さいという条件を満たしているのであれば、治具、外輪および内輪の材質は、如何なる材質であっても良い。
その後、軌道輪熱膨張工程を行う。この軌道輪熱膨張工程では、治具付軸受アッセンブリ80を、焼戻炉に配置して、例えば130℃〜140℃程度の温度で外輪41および内輪42を焼戻しする。このようにして、上記外輪41および内輪42の夫々において、外輪41および内輪42の残留オーステナイト(外輪41および内輪42に残されていたオーステナイト)の一部をマルテンサイト化して、外輪41および内輪42を熱膨張させる。上記筒状部材70および軸部材71の夫々の線膨張係数が、内外輪41,42の線膨張係数よりも小さいから、筒状部材70から外輪41に矢印Aで示す径方向の内方側への力を付与できると共に、軸部材71から内輪42に矢印Bで示す径方向の外方側への力を付与できる。したがって、外輪41、内輪42、複数の玉43および保持器45を有する第1玉軸受4の内部空間を効率的に詰めることができる。このようにして、上記玉43、外輪41および内輪42が負隙間を構成するようにする。
続いて、治具取外工程を行う。この治具取外工程では、治具付軸受アッセンブリ80から、筒状部材70と軸部材71とを取り外す。このようにして、保持器45を有するから玉割が不可欠で保持器45の取付時に正隙間であることが必要であるにも拘わらず、最終的に内部隙間が負隙間である第1玉軸受4を組み付ける。
上記実施形態の玉軸受の組付方法によれば、複数の玉43を外輪41および内輪42に対して正隙間を有している状態で保持器45を組み付けるから、最終的には内部隙間が負隙間になるにも拘わらず、保持器45の組み付けの際に、各玉43を自在に動かすことができる。したがって、玉割を容易に行うことができて、保持器45を容易に組み付けできる。
また、上記実施形態の玉軸受の組付方法によれば、外輪41の径方向の外側および内輪42の径方向の内側に、筒状部材70および軸部材71を組み付けて、治具付軸受アッセンブリ80を構成した後、治具付軸受アッセンブリ80の状態で焼戻しを行うから、筒状部材70および軸部材71で外輪41の径方向の外側への熱膨張と、内輪42の径方向の内側への熱膨張とを抑制できる。したがって、玉43、外輪41および内輪42が確実に負隙間を構成できる。
また、上記実施形態の玉軸受の組付方法によれば、治具付軸受アッセンブリ80の状態で焼戻しを行って、玉43、外輪41および内輪42が負隙間を構成するようにしているから、玉42、外輪41および内輪42が負隙間を構成するのに、外輪41の外周面に筒状のスペーサを圧入する必要がない。したがって、図4、すなわち、従来の組付方法による軸受の配置装置と、本発明の軸受の組付方法による軸受の配置装置との比較を示す模式図に示すように、第1玉軸受4を備える装置の製造コストを、筒状のスペーサ100を省略できる分だけ低減できると共に、装置の径方向の寸法を、図4にdで示す筒状のスペーサ100の径方向の厚さの2倍程度だけコンパクトにできる。また、外輪41の外周面にスペーサ100を圧入する必要がないから、製造の際に工数を低減できる。したがって、この視点からも製造コストを低減でき、また、サイクルタイムも低減できる。尚、図4において、参照番号91は、本発明での玉軸受に対向するハウジングの内周面の位置を示し、参照番号191は、従来品での玉軸受に対向するハウジングの内周面の位置を示す。
また、上記実施形態の減速装置によれば、玉43、外輪41および内輪42が、負隙間を構成しているから、第1玉軸受4が、軸方向の移動や揺動等が許容されるウォーム軸2を支持しているにも拘わらず、第1玉軸受4の内部で、がたつき(振動)や異音が生じることを抑制できて、第1玉軸受4でウォーム軸2を円滑に支持できる。
また、上記実施形態の減速装置によれば、外輪41の外周面が、その外周面の径方向の外方側に位置する駆動ギヤ収容ハウジング10の内周面に部材や部位を介さず直接的に対向しているから、外輪41の外周面に筒状のスペーサが圧入されている構成と比較して、製造コストを、スペーサを省略できる分だけ低減できると共に、コンパクトにできる。また、上記外輪41の外周面にスペーサを圧入する必要がないから、製造の際に工数を低減できる。したがって、この視点からも製造コストを低減でき、また、サイクルタイムも低減できる。
尚、上記実施形態では、治具(筒状部材70および軸部材71)が、外輪41の径方向の外方側と、内輪42の径方向の内方側とに配置されたが、この発明では、治具は、外輪41の径方向の外方側および内輪42の径方向の内方側のうちの少なくとも一方に配置されれば良い。尚、内輪の径方向の内方側に配置された治具が、内輪が外側に向かって膨張するのを促進し、外輪の径方向の外方側に配置された治具が、外輪が内側に向かって膨張するのを促進することは、言うまでもない。また、この発明では、特に、治具を、外輪の径方向の外方側に配置すると好ましい。外輪の径方向の外方側への膨張を効率的に抑制できて、負隙間を容易に構成できるからである。
また、上記実施形態では、保持器が、波形保持器45であったが、この発明では、保持器は、環状部が一つしかない冠型保持器であっても良い。また、保持器が、冠型保持器である場合には、冠型保持器の環状側とは反対側を先頭にして、冠型保持器を、玉割りされた外輪と内輪との間の軸方向の一方側の開口から軸方向の中心側に機械等で押圧する。このようにして、冠型保持器を、軸方向の中心側に移動させて、その冠型保持器の各ポケットに玉を収容し、冠型保持器を軌道輪および複数の玉に組み付ける。
尚、冠型保持器の材質は、金属であっても良く、また、樹脂であっても良いことは、言うまでもない。また、保持器の材質が、樹脂である場合には、焼戻しの影響を受けないポリアミド46樹脂やフェノール樹脂等、耐熱温度が高い樹脂を好適に使用できる。
また、上記実施形態では、焼戻しを、130℃〜140℃程度の温度で行ったが、焼戻し温度が、軌道輪の材質によって変動することは勿論であり、例えば100℃〜250℃程度の温度で焼戻しを行っても良く、それ以外の温度で焼戻しを行っても良い。
また、上記実施形態では、内輪42の径方向の内方側の治具が、軸部材71であったが、この発明では、内輪の径方向の内方側の治具は、筒状の部材であっても良い。
また、上記実施形態では、第1玉軸受4の外輪41を、ハウジング1に隙間嵌めしたが、第1玉軸受の外輪は、ハウジングに中間嵌めされても良く、締まり嵌めされても良い。また、第1玉軸受4の内輪42を、ウォーム軸2の外周面に隙間嵌めしたが、第1玉軸受の内輪は、ウォーム軸の外周面に中間嵌めされても良く、締まり嵌めされても良い。尚、玉軸受が、軸方向に移動できる構成であれば好ましいことは言うまでもない。
また、上記実施形態では、本発明の方法で組み付けられた玉軸受4が、電動パワーステアリングの減速装置に配置されたが、本発明の方法で組み付けられた玉軸受を、電動パワーステアリングの減速装置以外の一般産業機械や建設機械に配置しても良いことは言うまでもない。特に、本発明の方法で組み付けられた玉軸受は、回転速度が、比較的遅くて、振動等を抑制することが好ましい用途に好適に使用されることができる。また、上記実施形態および変形例で説明した構成のうちの二以上の構成を組み合わせて新たな実施形態を形成できることは、勿論である。
1 ハウジング
2 ウォーム軸
3 ウォームホイール
3 ウォーム軸
4 第1玉軸受
5 第2玉軸受
6 電動モータ
10 駆動ギヤ収容ハウジング
11 従動ギヤ収容ハウジング
24 ウォーム
41 外輪
42 内輪
43 玉
45 保持器
55 ウォーム軸の噛合部
70 筒状部材
71 軸部材
80 治具付軸受アッセンブリ
100 スペーサ

Claims (2)

  1. 複数の玉を内輪および外輪に対して正隙間を有している状態で、内輪と外輪との間に配置した後、上記複数の玉を玉割りして保持器を組み付ける保持器組付工程と、
    上記保持器組付工程の後、上記外輪の外周面および上記内輪の内周面のうちの少なくとも一方に治具の周面を嵌合して、上記外輪、上記内輪、上記複数の玉、上記保持器および上記治具を有する治具付軸受アッセンブリを形成する治具組付工程と、
    上記治具組付工程の後、上記治具付軸受アッセンブリを焼き戻して、上記外輪および上記内輪のオーステナイトの少なくとも一部をマルテンサイト化して、上記外輪および上記内輪を熱膨張させて、上記玉、上記内輪および上記外輪が負隙間を構成するようにする軌道輪熱膨張工程と、
    上記軌道輪熱膨張工程の後、治具付軸受アッセンブリから上記治具を取り外す治具取外工程と
    を備えることを特徴とする軸受の組付方法。
  2. 内周面を有するハウジングと、
    電動モータに連結されるウォーム軸と、
    上記ウォーム軸に噛み合うと共に、転舵機構に連結されるウォームホイールと、
    上記ウォーム軸において上記ウォームホイールと噛み合っている噛合部よりも上記電動モータ側に位置する電動モータ側部に外嵌される一方、外輪、内輪、複数の玉および保持器を有する玉軸受と
    を備え、
    上記玉、上記内輪および上記外輪は、負隙間を構成し、
    上記外輪の外周面は、その外周面の径方向の外方側に位置する上記ハウジングの内周面に部材や部位を介さず直接的に対向していることを特徴とする電動パワーステアリングの減速装置。
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