JP2015075143A - 磁気粘性流体緩衝器 - Google Patents

磁気粘性流体緩衝器 Download PDF

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隆久 望月
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直樹 伊藤
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Keiji Saito
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Abstract

【課題】 小型化するとともに、コイルに流れる電流を変えることなく、ピストン速度と、ピストン位置に依存した減衰力を発生可能な磁気粘性流体緩衝器を提供する。
【解決手段】 筒状のシリンダ1に出入りするピストンロッド2に保持されてシリンダ1内を軸方向に移動する磁性体からなるピストン3と、シリンダ1内に形成されてピストン3で区画される二つの部屋L1,L2と、これら二つの部屋L1,L2に充填されて磁界の作用で粘度が変化する磁気粘性流体と、二つの部屋L1,L2を連通する通路L3と、通電時に通路L3に磁界を発生させるコイル4とを備える磁気粘性流体緩衝器Dにおいて、シリンダ1は、磁性体からなり、ピストン3の可動範囲の一部に他の部分1bと肉厚の異なる肉厚変更部1aを備ており、通路L3は、ピストン3とシリンダ1との間に形成されており、コイル4は、ピストン4の外周に巻き回されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気粘性流体緩衝器に関する。
磁気粘性流体緩衝器は、磁界の作用によって粘度が変化する磁気粘性流体を利用して減衰力を発生する緩衝器である。一般的に、磁気粘性流体緩衝器は、筒状のシリンダと、このシリンダに出入りするピストンロッドと、このピストンロッドに保持されてシリンダ内を軸方向に移動可能なピストンと、シリンダ内にピストンで区画される二つの部屋と、これら二つの部屋に充填される磁気粘性流体と、二つの部屋を連通する通路とを備えるとともに、当該通路に磁界を発生させる磁石を備えている。
また、特許文献1に開示の磁気粘性流体緩衝器では、図3に示すように、ピストン300が、磁性体からなるピストンアッシー301と、同じく磁性体からなりピストンアッシー301の外周に設けられる環状のリング302とを備えて構成されており、ピストンアッシー301とリング302との間に、二つの部屋L1,L2を連通する通路L3が形成されている。また、ピストンアッシー301の外周にコイル4を巻き回して電磁石を構成し、コイル4に電流を流すことにより、通路L3に磁界を発生させる。
そして、磁気粘性流体緩衝器の伸縮作動時には、リング302の外周に設けられる軸受け303をシリンダ100の内周面に摺接させながら、ピストン300がシリンダ100内を軸方向に移動し、縮小される一方の部屋(L1またはL2)の磁気粘性流体が、通路L3を通って拡大する他方の部屋(L2またはL1)に移動する。このため、磁気粘性流体緩衝器は、磁気粘性流体が通路L3を通過する際の抵抗に起因する減衰力を発生する。また、通路L3に発生する磁界の強さに応じて、通路L3を流れる磁気粘性流体の粘度が変わるので、コイル4に流れる電流量を変更して上記減衰力を調節できる。
特開2008−175369号公報
従来の磁気粘性流体緩衝器の減衰力は、コイル4に流れる電流量が同じ場合、ピストン速度に応じて変化する。そして、このような磁気粘性流体緩衝器は、多くの場合、スカイフック制御等の任意の制御則に則り、コイル4への供給電流量を適宜調節して所望の減衰特性を実現している(例えば、特開2008−12959号公報)。
しかしながら、上記従来の磁気粘性流体緩衝器においては、コイル4への電流供給量を変更しない限り、シリンダ100に対するピストン300の位置(以下、ピストン位置という)に応じて減衰力を変化させることができない。また、ピストン300がリング302を備える場合、ピストン300が大径化するので、シリンダ100内径を大きくする必要があり、磁気粘性流体緩衝器が大型化する。
そこで、本発明の目的は、小型化するとともに、コイルに流れる電流を変えることなく、ピストン速度と、ピストン位置に依存した減衰力を発生可能な磁気粘性流体緩衝器を提供することである。
上記課題を解決するための手段は、筒状のシリンダと、このシリンダに出入りするピストンロッドと、このピストンロッドに保持されて上記シリンダ内を軸方向に移動する磁性体からなるピストンと、上記シリンダ内に形成されて上記ピストンで区画される二つの部屋と、これら二つの部屋に充填されて磁界の作用で粘度が変化する磁気粘性流体と、上記二つの部屋を連通する通路と、通電時に上記通路に磁界を発生させるコイルとを備える磁気粘性流体緩衝器において、上記シリンダは、磁性体からなり、上記ピストンの可動範囲の一部に他の部分と肉厚の異なる肉厚変更部を備ており、上記通路は、上記ピストンと上記シリンダとの間に形成されており、上記コイルは、上記ピストンの外周に巻き回されていることである。
本発明の磁気粘性流体緩衝器によれば、小型化するとともに、コイルに流れる電流を変えることなく、ピストン速度と、ピストン位置に依存した減衰力を発生できる。
本発明の一実施の形態に係る磁気粘性流体緩衝器を部分的に切り欠いて示した正面図である。 図1の一部を拡大して示した図である。 従来の磁気粘性流体緩衝器におけるピストン部分を拡大して示した縦断面図である。
以下に本発明の一実施の形態に係る磁気粘性流体緩衝器について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
図1に示すように、本実施の形態に係る磁気粘性流体緩衝器Dは、筒状のシリンダ1と、このシリンダ1に出入りするピストンロッド2と、このピストンロッド2に保持されて上記シリンダ1内を軸方向に移動する磁性体からなるピストン3と、上記シリンダ1内に形成されて上記ピストン3で区画される二つの部屋L1,L2と、これら二つの部屋L1,L2に充填されて磁界の作用で粘度が変化する磁気粘性流体と、上記二つの部屋L1,L2を連通する通路L3と、通電時に上記通路Lに磁界を発生させるコイル4とを備えている。そして、上記シリンダ1は、磁性体からなり、上記ピストン3の可動範囲Mの一部に他の部分1bと肉厚の異なる肉厚変更部1aを備えている。さらに、上記通路L3は、上記ピストン3と上記シリンダ1との間に形成されており、上記コイル4は、上記ピストン3の外周に巻き回されている。
また、本実施の形態において、上記磁気粘性流体緩衝器Dは、二輪車や三輪車等の鞍乗型車両において前輪を懸架するフロントフォークに利用されている。このフロントフォークの構成は周知であるため、詳細に図示しないが、前輪の両側に起立する一対の脚部F(一方の脚部Fのみを図示し、他方の脚部を図示せず)を備えている。一対の脚部Fは、アウターチューブ5とインナーチューブ6とからなるテレスコピック型のチューブ部材Tをそれぞれ備えている。そして、両脚部Fのアウターチューブ5が図示しない車体側ブラケットを介して連結され、この車体側ブラケットを介して車体の骨格となる車体フレームに連結されている。他方、両脚部Fのインナーチューブ6は、それぞれ、下端部に取り付けられる車輪側ブラケット60を介して前輪の車軸に連結されている。このため、路面凹凸による衝撃が前輪に入力されると、アウターチューブ5にインナーチューブ6が出入りしてフロントフォークが伸縮作動する。そして、上記一対の脚部Fのうち、一方または両方が本実施の形態に係る磁気粘性流体緩衝器Dである。
なお、一方の脚部Fのみが本実施の形態に係る磁気粘性流体緩衝器Dである場合、他方の脚部は、作動油を利用して減衰力を発生する油圧緩衝器であっても、他の緩衝器であってもよく、他方の脚部におけるチューブ部材T内に、減衰力を発生するための機構を収容しなくてもよい。また、本実施の形態において、アウターチューブ5が車体側に連結されるとともに、インナーチューブ6が車輪側に連結されて、フロントフォークが倒立型に設定されているが、アウターチューブ5が車輪側に連結されるとともに、インナーチューブ6が車体側に連結されてフロントフォークが正立型に設定されるとしてもよい。また、本発明に係る磁気粘性流体緩衝器Dは、フロントフォーク以外に利用されるとしてもよく、例えば、鞍乗型車両の後輪を懸架するリアクッションや、自動車用の緩衝器や、車両以外に利用されるとしてもよい。
以下、本実施の形態に係る磁気粘性流体緩衝器Dの各構成について詳細に説明する。当該磁気粘性流体緩衝器Dは、上記したチューブ部材Tと、このチューブ部材Tに収容される緩衝器本体d1とを備えており、チューブ部材Tと緩衝器本体d1との間にリザーバRが形成されている。このリザーバRには、油が貯留されるとともに、この油の液面を介して上側に気体が封入されている。さらに、リザーバRには、磁気粘性流体緩衝器Dを伸長方向に附勢して、車体を弾性支持する懸架ばねSが収容されている。本実施の形態において、懸架ばねSはコイルばねからなるが、エアばねからなるとしてもよい。また、リザーバRに収容される気体や液体の種類や、気体と液体の比率も適宜変更できる。
上記したように、チューブ部材Tは、アウターチューブ5と、このアウターチューブ5に出入りするインナーチューブ6とを備えてテレスコピック型となっている。そして、アウターチューブ5の上側開口がキャップ部材50で塞がれ、インナーチューブ6の下側開口が車輪側ブラケット60で塞がれ、アウターチューブ5とインナーチューブ6の重複部の間に形成される筒状隙間(符示せず)の下側開口が環状のシール部材51で塞がれている。このため、チューブ部材T内が外気側と区画され、チューブ部材T内に収容される液体や気体が外気側に漏れないようになっている。
また、アウターチューブ5とインナーチューブ6の重複部の間に形成される筒状隙間には、アウターチューブ5に出入りするインナーチューブ6を軸支する上下一対の環状の軸受け52(下側の軸受け52のみを図示し、上側の軸受けを図示せず)が設けられている。インナーチューブ6には、その肉厚を貫通する通孔6aが形成されており、上下の軸受け52の摺動面をリザーバRに収容される油で潤滑できるようになっている。
つづいて、緩衝器本体d1は、インナーチューブ6の軸心部に起立する筒状の磁性体からなるシリンダ1と、このシリンダ1の上側開口部に固定される環状のロッドガイド7と、キャップ部材50に吊り下げられた状態に保持されるとともにロッドガイド7に軸支されシリンダ1に出入りする筒状のピストンロッド2と、このピストンロッド2の下端部に保持されてシリンダ1内を軸方向に移動する磁性体からなるピストン3と、シリンダ1の反ピストンロッド側の内周面に摺接するフリーピストン8と、シリンダ1の下側開口を塞ぐ図示しない封止部材と、ロッドガイド7とピストン3との間に配置されるリバウンド部材9とを備えている。本実施の形態において、シリンダ1が車輪側に連結されるとともに、ピストンロッド2が車体側に連結されて磁気粘性流体緩衝器Dが正立型に設定されているが、シリンダ1が車体側に連結されるとともに、ピストンロッド2が車輪側に連結されて磁気粘性流体緩衝器Dが倒立型に設定されるとしてもよい。
そして、シリンダ1内には、ピストン3で区画され磁気粘性流体が充填される二つの部屋L1,L2と、ピストン側の部屋L2とフリーピストン8で区画され気体が圧縮されながら封入される気室Gとが形成されている。以下、上記二つの部屋L1,L2を区別するため、ピストンロッド2側の部屋をロッド側室L1、ピストン3側の部屋をピストン側室L2という。これらに充填される磁気粘性流体は、油等の液体中に強磁性を有する微粒子を分散させた液体であり、磁界の作用により高粘度化する。磁気粘性流体の粘度は、磁界の強さに応じて変わり、磁界を除くと元の状態に戻る。
ロッドガイド7の内周には、ピストンロッド2の外周面に摺接する上下一対の環状のUパッキン70,71が取り付けられており、ロッド側室L1の磁気粘性流体とリザーバRの油が混じることを防いでいる。また、フリーピストン8の外周には、シリンダ1の内周面に摺接するOリング80が取り付けられており、ピストン側室L2の磁気粘性流体と気室Gの気体が混じることを防いでいる。さらに、この気室Gの気体は、図示しない封止部材で、シリンダ1外への流出が防がれており、リザーバRの油と混じらないようになっている。
上記ロッド側室L1とピストン側室L2とを区画するピストン3は、上記したように磁性体からなり、ピストンロッド2の下端部外周に螺合する小径な連結部3aと、この連結部3aよりも大径に形成される本体部3bとを備えている。この本体部3bの外径は、シリンダ1の内径よりもわずかに小さく形成されており、本体部3bとシリンダ1との間に、環状の通路L3を形成している。そして、ロッド側室L1とピストン側室L2は、当該通路L3を介して連通する。
さらに、ピストン3の本体部3bにおける軸方向の中央部外周には、周方向に沿う環状の溝部3cが形成されており、この溝部3cにコイル4が巻き回されている。このコイル4には、配線40を介して図示しないコントローラが接続されており、当該コントローラでコイル4に流れる電流量を多段階若しくは無段階に調節できるようになっている。上記コントローラは、チューブ部材Tの外側に配置されているので、配線40は、筒状に形成されるピストンロッド2の内側を通ってチューブ部材Tの外に延びている。
また、ロッドガイド7とピストン3との間に配置されるリバウンド部材9は、ピストンロッド2の外周に配置されており、コイルばね90と、環状に形成されて内周にコイルばね90の上端部が嵌合する上側のばね受け91と、有底筒状に形成されて底部にコイルばね90の下端が離着座する有底筒状の下側のばね受け92とを備えている。上側のばね受け91は、ロッドガイド7の下端に取り付けられて、コイルばね90を吊り下げた状態に保持している。他方、下側のばね受け92は、コイルばね90が離着座する底部をピストン3の連結部3a外周に螺合させており、シリンダ1の内周面に摺接してピストン3とともにシリンダ1内を軸方向に移動する。また、当該ばね受け92の底部には、上下に貫通する複数の通孔92aが形成されており、ロッド側室L1の磁気粘性流体が通孔92aを通って当該ばね受け92の上下に移動できるようになっている。
そして、磁気粘性流体緩衝器Dの最伸長時に、コイルばね90が上下のばね受け91,92の間で圧縮されて反力を発生し、最伸長時の衝撃を吸収する。また、本実施の形態においては、下側のばね受け92が、ピストン3を介してピストンロッド2の下端部に保持されて、シリンダ1の内周面に摺接しているので、従来のように、ピストン300が軸受け303を備えていなくても、ロッドガイド7と下側のばね受け92でピストンロッド2を軸支し、ピストンロッド2をシリンダ1に円滑に出入りさせることができる。
つづいて、シリンダ1は、上記したように筒状の磁性体からなり、本実施の形態においては鉄で形成されている。このため、図示しないコントローラでコイル40に電流を流して磁界Zを発生させると(図2)、ピストン3及びシリンダ1が磁化される。このとき、通路L3を磁力線が横切り、通路L3を流れる磁気粘性流体が高粘度化する。また、ピストン3の可動範囲Mにあるシリンダ1の内径は均一である一方、外径は部分的に拡径されている。本実施の形態において、外径が拡径されている部分がシリンダ1の肉厚変更部1aであり、他の部分1bと比較して厚みが増している。このため、当該肉厚変更部1aは、他の部分1bと比較して、コイル4に流れる電流量が同じであっても強い磁力を発生できる。つまり、通電されているコイル4と肉厚変更部1aとの軸方向の位置が重なると、上記強い磁力の作用で通路L3を通過する磁気粘性流体の粘度が更に高くなる。なお、シリンダ1は、鉄以外の磁性体からなるとしてもよい。
上記ピストン3の可動範囲Mとは、磁気粘性流体緩衝器Dが最伸長状態にあるときの、本体部3bの上端を通る水平線(磁気粘性流体緩衝器Dの軸に直交する直線)m1と、磁気粘性流体緩衝器Dが最圧縮状態にあるときの、本体部3bの下端を通る水平線(磁気粘性流体緩衝器Dの軸に直交する直線)m2とで挟まれる範囲のことである。そして、上記可動範囲Mにおいて、水平線m1側(上側)が伸長側であり、水平線m2側(下側)が圧縮側である。
本実施の形態において、肉厚変更部1aは、ピストン3の可動範囲Mにおける圧縮側に配置されている。このため、磁気粘性流体緩衝器Dの圧縮作動の後半で、減衰係数(ピストン速度変化量に対する減衰力変化量の割合)を大きくできる。また、本実施の形態において、他の部分1bに連なる肉厚変更部1aの一端にテーパを設けており、他の部分1bから肉厚変更部1aにかけての肉厚変化を緩やかにしている。このため、減衰係数を徐々に変化させることができる。なお、肉厚変更部1aを設ける位置や形状は、適宜変更することが可能である。例えば、肉厚変更部1aの肉厚は、他の部分1bと比較して薄くてもよい。また、肉厚変更部1aのテーパを廃して段差形状にするとしてもよく、肉厚変更部1aを可動範囲Mにおける伸長側に設けるとしてもよい。
以下、本実施の形態に係る磁気粘性流体緩衝器Dの作動について説明する。
インナーチューブ6がアウターチューブ5に出入りするとともに、ピストンロッド2がシリンダ1に出入りする磁気粘性流体緩衝器Dの伸縮作動時において、ロッド側室L1とピストン側室L2のうち、縮小される一方の部屋の磁気粘性流体が通路L3を通過して拡大する他方の部屋に移動するので、磁気粘性流体緩衝器Dは、磁気粘性流体が通路L3を通過する際の抵抗に起因する減衰力を発生する。このとき、シリンダ1に出入りしたピストンロッド2体積分シリンダ1内容積が変化するが、フリーピストン8が上下に移動して気室G容積を変更し、上記シリンダ1内容積変化を補償する。
また、コイル4に電流を流すと通路L3に磁界Zが発生し、この磁界Zの作用で磁気粘性流体が高粘度化するので、磁気粘性流体が通路L3を通過する際の抵抗が大きくなり、減衰力を大きくできる。さらに、コイル4への供給電流量を変更すると、通路L3を通過する磁気粘性流体の粘度を変えることができるので、上記磁気粘性流体の粘度を高くして減衰力を大きくしたり、反対に、上記磁気粘性流体の粘度を低くして減衰力を小さくしたりできる。
また、磁気粘性流体緩衝器Dの圧縮量が所定量以上となり、コイル4が肉厚変更部1aに達すると、この肉厚変更部1aでは磁力が強くなるので、この強い磁力の影響を受けて磁気粘性流体の粘度が高まり、磁気粘性流体が通路L3を通過する際の抵抗が大きくなる。このため、コイル4に流れる電流量が一定であっても、肉厚変更部1aでは、他の部分1bと比較して、ピストン速度に対する減衰力変化、すなわち、減衰係数が大きくなる。つまり、磁気粘性流体緩衝器Dは、ピストン速度に依存した減衰力を発生するとともに、ピストン位置に依存した減衰力を発生できる。また、本実施の形態においては、肉厚変更部1aがピストン3の可動範囲Mにおける圧縮側部分に設けられているので、圧縮作動の後半で減衰係数を大きくできる。
以下、本実施の形態に係る磁気粘性流体緩衝器Dの作用効果について説明する。
本実施の形態において、磁気粘性流体緩衝器Dは、アウターチューブ5とインナーチューブ6とからなるテレスコピック型のチューブ部材Tを備えており、当該チューブ部材Tにシリンダ1及びピストンロッド2が収容されている。
本実施の形態のように、フロントフォークの脚部Fを構成する緩衝器では、多くの場合、チューブ部材Tに緩衝器本体d1を収容する。そして、従来の磁気粘性流体緩衝器のように、ピストン300がリング302を備える場合、ピストン300が大径化してシリンダ100が大径化する。このため、従来の磁気粘性流体緩衝器を、そのまま緩衝器本体d1としてチューブ部材Tに収容しようとすると、チューブ部材Tの径を大きくしなければならず、既存のチューブ部材Tを使用することができない。
そこで、本実施の形態のように、シリンダ1を磁性体にしてリング302を廃することで、シリンダ径を小さくできるので、既存のチューブ部材Tを利用することが可能となる。つまり、本実施の形態のように、チューブ部材Tに緩衝器本体d1を収容する場合、シリンダ1を磁性体にしてリング302を廃し、シリンダ1とピストン3の間に通路L3を形成することが特に有効である。なお、このような、リング302を廃することによる小型化の効果は、チューブ部材Tを備える磁気粘性流体緩衝器Dであれ、他の磁気粘性流体緩衝器であれ、得ることができ、チューブ部材Tを廃するとしてもよい。
また、本実施の形態において、シリンダ1は、磁性体からなり、ピストン3の可動範囲Mの一部に他の部分1bと肉厚の異なる肉厚変更部1aを備えている。また、通路L3は、ピストン3とシリンダ1との間に形成されており、コイル4は、上記ピストン3の外周に巻き回されている。
上記構成によれば、従来のリング302を廃することができるので、上記したようにシリンダ1を小径化し、延いては、磁気粘性流体緩衝器Dを小型化することが可能となる。
さらには、ピストン3の可動範囲Mの一部に他の部分1bと肉厚の異なる肉厚変更部1aを備えているので、コイル4に流れる電流量を変えることなく、磁気粘性流体緩衝器Dがピストン速度と、ピストン位置に依存した減衰力を発生できる。このようにすることで、例えば、コイル4への供給電流量を使用者の手動操作で変更する場合であっても、ピストン位置に依存して減衰力を変化させることができる。なお、スカイフック制御等、任意の制御則に則りコイル4への供給電流量を変更する磁気粘性流体緩衝器に本発明が適用されるとしてもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
D 磁気粘性流体緩衝器
L1,L2 部屋
L3 通路
M ピストンの可動範囲
T チューブ部材
Z 磁界
1 シリンダ
1a 肉厚変更部
1b 他の部分
2 ピストンロッド
3 ピストン
4 コイル
5 アウターチューブ
6 インナーチューブ

Claims (4)

  1. 筒状のシリンダと、このシリンダに出入りするピストンロッドと、このピストンロッドに保持されて上記シリンダ内を軸方向に移動する磁性体からなるピストンと、上記シリンダ内に形成されて上記ピストンで区画される二つの部屋と、これら二つの部屋に充填されて磁界の作用で粘度が変化する磁気粘性流体と、上記二つの部屋を連通する通路と、通電時に上記通路に磁界を発生させるコイルとを備える磁気粘性流体緩衝器において、
    上記シリンダは、磁性体からなり、上記ピストンの可動範囲の一部に他の部分と肉厚の異なる肉厚変更部を備ており、
    上記通路は、上記ピストンと上記シリンダとの間に形成されており、
    上記コイルは、上記ピストンの外周に巻き回されていることを特徴とする磁気粘性流体緩衝器。
  2. 上記肉厚変更部は、上記可動範囲の圧縮側に配置されており、上記可動範囲の上記他の部分よりも肉厚が厚いことを特徴とする請求項1に記載の磁気粘性流体緩衝器。
  3. 上記可動範囲において、上記他の部分に連なる上記肉厚変更部の一端に、テーパが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気粘性流体緩衝器。
  4. アウターチューブとインナーチューブとからなるテレスコピック型のチューブ部材を備えており、当該チューブ部材に上記シリンダ及び上記ピストンロッドが収容されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の磁気粘性流体緩衝器。
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