JP2015075137A - 駆動伝達装置、シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カム形状部13bには、半径がストッパ部13cよりも大きく、解除位置に位置するフラッパ部15bの係合部15b1に当接し得る復帰面13d2を有する弾性変形部13fが設けられ、弾性変形部13fは、カムの回転により、解除位置に位置するフラッパ部15bの係合部15b1が復帰面13d2に当接することで、復帰面13d2の半径が小さくなる方向に弾性変形するものであり、係合部15b1が復帰面13d2に当接した状態でフラッパ部15bの解除位置から係合位置への移動が開始されることで、係合部15b1は、カムの回転に伴い復帰面13d2からカム形状部13bの当接部13d上を摺動し続けてストッパ部13cまで導かれる。
【選択図】図1
Description
図9に従来のシート給送装置の駆動伝達部を示す。
駆動歯車41は軸42に支持され、図示しないモータ及び歯車40により常時反時計回りに回転されている。駆動軸44は図示しない給送ローラに駆動力を伝達するためのものである。駆動軸44には、第一の欠歯歯車43と第二の欠歯歯車47が備えられている。第二の欠歯歯車47は、駆動軸44と同期回転するように係合されている。第一の欠歯歯車43は第二の欠歯歯車47に設けられた支持軸に支持され、第二の欠歯歯車47との間に設けられた付勢バネ46により、時計回りの方向に付勢されている。第一の欠歯歯車43と第二の欠歯歯車47は各々図示しない伝達継手部を持っており、各歯車が回転する際には、この伝達継手部同士が当接して同期回転するように構成されている。また、第一の欠歯歯車43には、歯面43aの側面にカム形状43bとストッパ部43cが設けられている。
45はフラッパタイプのソレノイドである。第一の欠歯歯車43(駆動軸44)の静止状態においては、ソレノイド45のコイル部45aの通電が切られている。コイル部45aの通電が切られ、フラッパ部45bが付勢バネ45cにより第一の欠歯歯車43に近づく方向に付勢され、フラッパ部45bの先端に第一の欠歯歯車43のストッパ部43cが係合することで第一の欠歯歯車43の静止状態が保たれる。ソレノイド45のコイル部45aに電圧が入力されると、コイル部45aによって発生される電磁力によりフラッパ部45bはコイル部45aに吸着され、フラッパ部45bの先端と第一の欠歯歯車43のストッパ部43cとの係合が解除される。係合が解除された第一の欠歯歯車43は、付勢バネ46により時計回り方向に回転を始め、駆動歯車41と噛合う。駆動歯車41により受けた回転力は、伝達継手部により第二の欠歯歯車47に伝えられ、これにより第二の欠歯歯車47も回転を始め、駆動歯車41と噛合い駆動軸44を介して給送ローラを回転させる。ソレノイド45のコイル部45aへの通電は、第二の欠歯歯車47が回転するとすぐに切られる。これにより、フラッパ部45bは付勢バネ45cの付勢力により第一の欠歯歯車43に近づく方向に移動し、フラッパ部45bの先端とカム形状43bとが当接し、回転に伴ってカム形状に沿って移動し、ストッパ部43cと再び係合する。このようにして、第一の欠歯歯車43は静止状態に戻る。
このフラッパ部45bの衝突音を低減させる方法として、特許文献1ではカム面にゴム等の緩衝材を張り付けるものが提案されている。しかしながら、この方法では衝突音を小さくすることはできたが、衝突音をより小さくすることが望まれていた。また、緩衝部材を貼り付けることでコストアップを招くことが懸念される。
特許文献2では衝突音を無くしコストアップも防ぐ構成として、カム形状43bにストッパ部43cよりも大きな回転半径を有する面を設け、フラッパ部45bの先端に対して欠歯歯車の回転を妨げることの無いように当接させる構成が提案されている。
駆動源からの駆動力によって回転可能に設けられ、回転停止用の係止部を有するカム部材と、
前記係止部に係合する係合部を有し、前記係合部が前記係止部に係合する係合位置と、前記係合部と前記係止部との係合が解除される解除位置との間を移動可能な移動部材と、
を有し、
前記係合部が前記係止部に係合し、前記カム部材の回転が停止することで、駆動伝達が遮断される駆動伝達装置において、
前記カム部材には、半径が前記係止部よりも大きく、前記解除位置に位置する前記移動部材の前記係合部に当接し得る大径部分を有する、弾性変形可能な弾性変形部が設けられ、
前記弾性変形部は、前記カム部材の回転により、前記解除位置に位置する前記移動部材の前記係合部が前記大径部分に当接することで、前記大径部分の半径が小さくなる方向に弾性変形するものであり、
前記係合部が前記大径部分に当接した状態で前記移動部材の前記解除位置から前記係合位置への移動が開始されることで、前記係合部は、前記カム部材の回転に伴い前記大径部分から前記カム部材の外周面上を摺動し続けて前記係止部まで導かれることを特徴とする。
以下に、実施例について説明する。
図1は、本実施例の駆動伝達装置1の概略構成を示す側面図である。図2は、本実施例の駆動伝達装置1の概略構成を示す斜視図である。図3は、本実施例のカムの形状を詳細に説明するための概略図であり、(a)は側面図、(b)は斜視図である。図4〜7は、本実施例の駆動伝達装置1の概略構成を示す側面図であり、動作経過について説明するための図である。また、図8は、本実施例において、駆動伝達装置1が適用されたシート給送装置2を備えた画像形成装置3の概略構成を示す断面図である。
図8に示すシート給送装置2において、シート積載手段20に積載された記録材Sは、半月形状の給送ローラ21と図示しない分離手段によって一枚に分離され、搬送ローラ対22に送られる。この時、光学部23から発せられるレーザ光によって、作像部(画像形成部)24内の感光体24aに静電潜像が形成され、作像部24内に設けられた図示しない現像部によって感光体24aの表面上にトナー像が現像される。搬送ローラ対22に挟持搬送された記録材Sはそのまま感光体24aと転写ローラ25に挟持され、転写ローラ25によって感光体24a上のトナー像は記録材S上に転写される。記録材Sはその後、加熱装置26と加圧ローラ27で構成される定着部で、加熱、加圧されることで、トナー像が記録材S上に定着される。定着された記録材Sは搬送ローラ対28、排出ローラ対29によって挟持搬送され、装置外へと排出される。
駆動歯車(駆動伝達ギア)11は軸12に支持され、歯車列を介したモータ(駆動源)からの駆動力(回転力)によって、図1において常時、反時計回り方向に回転している。
駆動軸14は、給送ローラ21に駆動力を伝達する。駆動軸14には、第一の欠歯歯車13と第二の欠歯歯車17が着脱可能に取り付けられている。第二の欠歯歯車17は、駆動軸14と同期回転するように係合されている。ここで、第一の欠歯歯車13は、駆動歯車11に噛合する有歯部、及び、駆動歯車11に噛合しない欠け歯部を備える欠け歯ギアに相当する。
また、第一の欠歯歯車13には、歯面13aの側面に、ストッパ部13cを有するカム形状部13bが一体的に設けられている。ここで、ストッパ部13cは回転停止用の係止部に相当し、カム形状部13bはカム部材に相当する。
第一の欠歯歯車13(駆動軸14)の静止状態(停止状態)においては、ソレノイド15のコイル部15aの通電が切られている。コイル部15aの通電が切られ、フラッパ部15bが付勢バネ15cにより第一の欠歯歯車13に近づく方向に付勢され、フラッパ部15bの先端の係合部15b1に第一の欠歯歯車13のストッパ部13cが係合することで第一の欠歯歯車13の静止状態が保たれる。コイル部15aが通電されると、コイル部15aより発生する電磁力により、付勢バネ15cの付勢力に抗してフラッパ部15bが移動して、フラッパ部15bの係合部15b1と第一の欠歯歯車13のストッパ部13cとの係合が解除される。
図3に示すように、カム形状部13bには、ストッパ部13c、当接部(当接面)13d、切欠き部13e、切欠き部13hが設けられている。
ここで、ストッパ部13cは、上述のように、フラッパ部15bと係合するためのものである。当接部13dには、カム係止面13d1及び復帰面13d2が設けられている。フラッパ部15bの係合部15b1は、当接部13dに当接すると、カムが回転することで、当接部13d上を摺動し続け、ストッパ部13cまで導かれる。カム係止面13d1は、ストッパ部13cよりカム回転方向下流側で半径RDに設定されている面(カムの表面(外周面))であり、ストッパ部13cで係止されたフラッパ部15bの係合部15b1が当接する面である。なお、カム回転方向は、カム形状部13bの回転方向であり、第一の欠歯歯車13、駆動軸14の回転方向と同じである。また、カム形状部13bの回転中心(回転軸、軸心)Oは、第一の欠歯歯車13、駆動軸14の回転中心と同じである。
ここで、カム回転方向で弾性変形部13fの下流側に隣接するように切欠き部13eが設けられている。また、回転軸方向で弾性変形部13fに隣接して、カム回転方向に沿うように切欠き部13hが設けられている。切欠き部13eは、略環状のカム部材の一部が、カム回転方向と鉛直方向(径方向)に切欠かれた形態(溝を有する形態)となっている。
(半径)が、解除位置に位置するフラッパ部15bの係合部15b1までの距離REよりも大きくなるRFに形成されている。ここで、復帰面13d2は、半径がストッパ部13cよりも大きく、解除位置に位置するフラッパ部15bの係合部15b1に当接し得る大径部分に相当する。
弾性変形部13fにおいては、カム形状部13bの回転に伴い、復帰面13d2が、解除位置に位置するフラッパ部15bの係合部15b1に当接して押されることで、復帰面13d2の半径が小さくなる方向に弾性変形するように構成されている。
これにより、フラッパ部15bが解除位置に位置する状態で、カム形状部13bの回転が始まる(再開される)ときに、当接部13d(弾性変形部13f)のなかで自由端部13gが、解除位置に位置する係合部15b1に、最初に当接することとなる。
ソレノイド15のコイル部15aに電圧が入力されると、コイル部15aによって発生される電磁力によりフラッパ部15bはコイル部に吸着され、フラッパ部15bの係合部15b1と第一の欠歯歯車13のストッパ部13cとの係合が解除される。
図4に示すように、フラッパ部15bとの係合が解除された第一の欠歯歯車13は、付勢バネ16により時計回り方向に回転を始め、駆動歯車11と噛合う。駆動歯車11により受けた回転力は、図示しない伝達継手部により第二の欠歯歯車17に伝えられ、第二の欠歯歯車17も回転を始め、駆動歯車11と噛合い、駆動軸14を回転させる。
更に第一の欠歯歯車13の回転が進むと、弾性変形部13fは、フラッパ部15bの係合部15b1に押されて図6に示すように、半径が小さくなる方向(図6に示すA方向)に弾性変形する。
このようにして、第一の欠歯歯車13は、図1に示す静止状態に戻る。
また、本実施例では、駆動伝達装置1によって、給送ローラ21に駆動力を伝達する構成について説明したが、これに限るものではない。すなわち、画像形成の際に駆動される部材への駆動伝達が、駆動伝達装置1により行われるものであればよい。
Claims (8)
- 駆動源からの駆動力によって回転可能に設けられ、回転停止用の係止部を有するカム部材と、
前記係止部に係合する係合部を有し、前記係合部が前記係止部に係合する係合位置と、前記係合部と前記係止部との係合が解除される解除位置との間を移動可能な移動部材と、
を有し、
前記係合部が前記係止部に係合し、前記カム部材の回転が停止することで、駆動伝達が遮断される駆動伝達装置において、
前記カム部材には、半径が前記係止部よりも大きく、前記解除位置に位置する前記移動部材の前記係合部に当接し得る大径部分を有する、弾性変形可能な弾性変形部が設けられ、
前記弾性変形部は、前記カム部材の回転により、前記解除位置に位置する前記移動部材の前記係合部が前記大径部分に当接することで、前記大径部分の半径が小さくなる方向に弾性変形するものであり、
前記係合部が前記大径部分に当接した状態で前記移動部材の前記解除位置から前記係合位置への移動が開始されることで、前記係合部は、前記カム部材の回転に伴い前記大径部分から前記カム部材の外周面上を摺動し続けて前記係止部まで導かれることを特徴とする駆動伝達装置。 - 前記大径部分のうち前記カム部材の回転方向の下流側の端部には、下流に向かうにつれて半径が徐々に小さくなる傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。
- 前記弾性変形部のうち前記大径部分よりも前記カム部材の回転方向の下流側には、
前記カム部材の回転中心から、前記解除位置に位置する前記移動部材の前記係合部までの径方向の距離の大きさよりも半径が小さい小径部分が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動伝達装置。 - 前記弾性変形部は、周方向に沿うように前記カム部材に湾曲状に設けられた板状部であり、前記カム部材の回転方向の下流側の端部を自由端として、前記回転方向の上流側の端部がカム部材本体に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の駆動伝達装置。
- 前記駆動源からの駆動力を伝達する駆動伝達ギアと、
前記駆動伝達ギアに噛合する有歯部、及び、前記駆動伝達ギアに噛合しない欠け歯部を備える欠け歯ギアと、
を有し、
前記カム部材は、前記カム部材の回転が停止したときに、前記欠け歯ギアが前記駆動伝達ギアに噛合しないように、前記欠け歯ギアと同期回転することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の駆動伝達装置。 - 前記カム部材は前記欠け歯ギアに一体的に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の駆動伝達装置。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の駆動伝達装置と、
前記駆動伝達装置により駆動され、シートを給送する給送ローラと、
を備えることを特徴とするシート給送装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の駆動伝達装置を有し、
画像形成の際に駆動される部材への駆動伝達が、前記駆動伝達装置により行われることを特徴とする画像形成装置。
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