JP2015074389A - 車両用衝突検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】チューブ式の車両用衝突検知装置において、圧力センサを適切な位置に配置可能な車両用衝突検知装置を提供する。【解決手段】車両用衝突検知装置1は、車両のバンパ6内におけるバンパレインフォースメント9の車両前方側に配設された中空の検出用チューブ部材2と、検出用チューブ部材2内の圧力を検出する圧力センサ3とを有し、圧力センサ3による圧力検出結果に基づいてバンパ6への物体の衝突を検知するものである。そして、中空のチューブ状を呈する部材であって、一端が検出用チューブ部材2に対して中空部が互いに連通するように接続される接続用チューブ4を備えている。圧力センサ3は、接続用チューブ4の他端に接続され、検出用チューブ部材2内の圧力を検出する。【選択図】図2

Description

本発明は、バンパにおける圧力変化に基づいて物体の衝突を検知する車両用衝突検知装置に関する。
従来、歩行者が車両に衝突した際、歩行者への衝撃を軽減するための歩行者保護装置を備えた車両がある。この車両では、バンパ部にセンサを備えた衝突検知装置を設け、このセンサにより車両に歩行者などが衝突したことを検知した場合、歩行者保護装置を作動させ、歩行者への衝撃を和らげる構成となっている。この歩行者保護装置には、例えばポップアップフードと呼ばれるものがある。このポップアップフードは、車両の衝突検知時に、エンジンフードの後端を上昇させ、歩行者とエンジンなどの硬い部品との間隔(クリアランス)を増加させ、そのスペースを用いて歩行者の頭部への衝突エネルギーを吸収し、頭部への衝撃を低減させるものである。
上記した車両用衝突検知装置には、車両バンパ内におけるバンパレインフォースメントの前面に、チャンバ空間を内部に有するチャンバ部材を配設し、このチャンバ空間内の圧力を圧力センサにより検出するようにしたものがある。この構成のものでは、バンパ(バンパカバー)へ物体(歩行者など)が衝突すると、バンパカバーの変形に伴ってチャンバ部材が変形し、チャンバ空間に圧力変化が発生する。この圧力変化を圧力センサが検出することで物体の衝突を検知している(例えば特許文献1参照)。
近年、上記したチャンバ式の車両用衝突検知装置よりも、小型で搭載性に優れたチューブ部材を用いて衝突を検知するチューブ式の車両用衝突検知装置が提案されている。この車両用衝突検知装置では、バンパ内に車幅方向に延びる中空のチューブ部材を配設するとともに、バンパレインフォースメントの左右両側面の外側に圧力センサを設け、チューブ部材内の圧力変化を圧力センサにより検出することに基づいて、バンパに物体が衝突したことを検知する(例えば特許文献2参照)。
特開2013−23027号公報 独国特許出願公開第102011011964号明細書
しかしながら、上記した構成のチューブ式の車両用衝突検知装置では、圧力センサがバンパレインフォースメントの左右両側面の外側に配設されているので、バンパの左右端部付近に物体が衝突した場合、バンパカバーの変形に伴い圧力センサに外力が加わるおそれがあるという問題がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、チューブ式の車両用衝突検知装置において、圧力センサを適切な位置に配置可能な車両用衝突検知装置を提供することを目的とする。
上記目的を解決するためになされた請求項1に記載の車両用衝突検知装置(1)は、車両のバンパ(6)内におけるバンパレインフォースメント(9)の車両前方側に配設された中空の検出用チューブ部材(2)と、前記検出用チューブ部材内の圧力を検出する圧力センサ(3)とを有し、前記圧力センサによる圧力検出結果に基づいて前記バンパへの物体の衝突を検知する。そして、中空のチューブ状を呈する部材であって、一端が前記検出用チューブ部材に対して中空部が互いに連通するように接続される接続用チューブ(4)を備えている。前記圧力センサは、前記接続用チューブの他端に接続されて前記検出用チューブ部材内の圧力を検出するように構成されることを特徴とする。
この構成によれば、圧力センサが接続用チューブを介して検出用チューブ部材に接続されているので、検出用チューブ部材による圧力検出範囲を確保しながら、圧力センサを適切な位置に配設することができる。例えば、圧力センサをバンパレインフォースメントの前面よりも車両後方側に配設した場合、バンパの左右端部付近に物体が衝突しても、バンパレインフォースメントによって衝撃が低減され、圧力センサにバンパカバーからの衝撃が直接伝わらない。これにより、圧力センサが外力により損傷してしまうことを防ぐことができる。なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1の実施形態の車両用衝突検知装置の全体構成を示す図である。 図1のバンパ部の拡大図である。 図1のバンパ部の横断面図である。 図1の圧力センサの配置構造を示す図である。 検出用チューブ部材の断面図である。 接続用チューブの断面図である。 圧力センサの内部構造を示す断面図である。 第2の実施形態における圧力センサの配置構造を示す図である。 接続用チューブの変形例を示す図である。 接続用チューブの他の変形例を示す図である。 検出用チューブ部材の配置構造の変形例を示す断面図である。 検出用チューブ部材の配置構造の他の変形例を示す断面図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態の車両用衝突検知装置について、図1〜図7を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態の車両用衝突検知装置1は、中空の検出用チューブ部材2、圧力センサ3、接続用チューブ4、衝突検知ECU5などを備えて構成されている。この車両用衝突検知装置1は、車両前方に設けられたバンパ6への物体(歩行者など)の衝突を検知するものである。このバンパ6は、図3にも示すように、バンパカバー7、バンパアブソーバ8、バンパレインフォースメント9を主体として構成される。
検出用チューブ部材2は、車両のバンパ6内におけるバンパレインフォースメント9の車両前方側(前面9a)の上部、この場合、バンパアブソーバ8の車両後方側上部に配設されている(図3参照)。この検出用チューブ部材2は、図5に示すように、略四角形の断面形状を有し、内部に中空部が形成され、車幅方向(車両左右方向)に延びている部材である。検出用チューブ部材2の車幅方向両端部は、後述する接続用チューブ4の一端に接続されている。検出用チューブ部材2は、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)からなり、縦横の長さ(円管の場合の外径に相当)が例えば30mm程度である。なお、本実施形態では、検出用チューブ部材2の断面形状を略四角形にすることにより、温度変化に伴う衝突検知精度の低下を抑制している。
圧力センサ3は、バンパレインフォースメント9の前面9aよりも車両後方側に配置される。具体的には、圧力センサ3は、バンパレインフォースメント9の左右両端部側の後面9bに2つ設置され、ボルト(図示しない)を締結することにより固定されて取り付けられる。本実施形態では、このように圧力センサ3を2つ設置することにより、冗長性及び検出精度を確保している。
この圧力センサ3は、図4及び図7にも示すように、接続用チューブ4の他端に接続されて、検出用チューブ部材2内の圧力を検出するように構成されている。具体的には、圧力センサ3は、気体の圧力変化を検出するセンサ装置であり、検出用チューブ部材2内の空気の圧力変化を検出する。圧力センサ3は、図1に示すように、伝送線を介して衝突検知ECU(Electronic Control Unit)5に電気的に接続され、圧力に比例した信号を衝突検知ECU5へ出力する。衝突検知ECU5は、圧力センサ3による圧力検出結果に基づいて、バンパ6への物体の衝突を検知する。また、衝突検知ECU5は、歩行者保護装置10に電気的に接続されている。
圧力センサ3は、図7に示すように、本体部30と、センサ部31と、圧力導入管32と、コネクタ部33とを備えて構成される。本体部30は、センサ部31を収容するための箱状のケースである。センサ部31は、圧力検出用のセンサ素子等が設けられた基板などからなる。圧力導入管32は、接続用チューブ4の圧力をセンサ部31に導入する略円筒状の管であり、本体部30から接続用チューブ4内に差し込まれている。センサ部31は、圧力導入管32を介して接続用チューブ4の圧力変化を検出することにより、接続用チューブ4と内部が連通した検出用チューブ部材2内の圧力変化を検出する。このセンサ部31は、コネクタ部33に設けられたコネクタ34に電気的に接続されており、圧力に比例した電圧信号をコネクタ34及び信号線を介して衝突検知ECU6へ送信する(図1参照)。
接続用チューブ4は、図6に示すように、円管状の断面形状を有し、中空のチューブ状を呈する部材である。この接続用チューブ4は、図1及び図2に示すように、検出用チューブ部材2の車幅方向の左右両端部に2つ設けられ、それぞれ検出用チューブ部材2の車幅方向端部に接続されている。この接続用チューブ4は、一端が検出用チューブ部材2に対して中空部が互いに連通するように接続され、他端に圧力センサ3が接続される。接続用チューブ4は、検出用チューブ部材2と圧力センサ3との間における、バンパレインフォースメント9の車幅方向左右の外側にて、略コ字状に湾曲して配設される。なお、接続用チューブ4は、断面形状が円管状であるので、湾曲させ易くなっている。
また、接続用チューブ4は、検出用チューブ部材2とは別体で形成され、中空状のジョイント部材11を介して検出用チューブ部材2に結合されている。検出用チューブ部材2及び接続用チューブ4は、例えばクランプなどにより締め付けられることで、ジョイント部材11に固定されている。なお、ジョイント部材11を用いる代わりに、例えば、接続用チューブ4に検出用チューブ部材2を圧入することにより、検出用チューブ部材2と接続用チューブ4とを接続してもよい。また、検出用チューブ部材2と接続用チューブ4とを金属部材などでかしめ固定することにより接続してもよい。
この接続用チューブ4は、例えばエチレンプロピレンゴムからなる。この接続用チューブ4は、検出用チューブ部材2よりも小さい外径を有している。この場合、上記の通り検出用チューブ部材2の外径は30mm程度であるのに対して、接続用チューブ4の外径は10mm以下である。
また、接続用チューブ4は、検出用チューブ部材2よりも高い剛性を有している。本実施形態では、検出用チューブ部材2の硬度がデュロメータA型40〜60程度であるのに対して、接続用チューブ4の硬度は、デュロメータA型60〜80程度を有するものとなっている。ここで、デュロメータA型とは、ゴムの硬度を表す規格であり、数字が大きいほど硬いことを示している。
衝突検知ECU5は、CPUを主体として構成され、車両用衝突検知装置1の動作全般を制御するものであり、圧力センサ3、歩行者保護装置10のそれぞれに電気的に接続されている(図1参照)。衝突検知ECU5には、圧力センサ3からの圧力信号(圧力データ)などが入力される。衝突検知ECU5は、入力信号に基づいて、所定の衝突判定処理を実行し、歩行者保護装置10を作動させる。
バンパ6は、車両の衝突時における衝撃を和らげるためのものであり、バンパカバー7、バンパアブソーバ8、バンパレインフォースメント9などから構成される。バンパカバー7は、バンパ6の構成部品を覆うように設けられ、ポリプロピレン等の樹脂製の部材である。このバンパカバー7は、バンパ6の外観を構成すると同時に、車両全体の外観の一部を構成するものとなっている。
バンパアブソーバ8は、図3に示すように、バンパレインフォースメント9の前面9aに設けられ、検出用チューブ部材2の囲むように配設される。このバンパアブソーバ8は、バンパ6において衝撃吸収の作用を受け持つ部材であり、例えば発泡ポリプロピレンなどからなる。
バンパレインフォースメント9は、バンパカバー7内に配設されて車幅方向に延びるアルミニウムなどの金属製の構造部材であって、図3に示すように、内部中央に梁が設けられた日の字状断面を有する中空部材である。また、バンパレインフォースメント9は、車両前方側の面(前面9a)と、車両後方側の面(後面9b)とを有している。このバンパレインフォースメント9は、車両前後方向に延びる一対の金属製部材であるサイドメンバ12の前端に取り付けられる。
通常、車両の衝突事故においては、車両の進行方向(車両前方)に存在する歩行者や車両と衝突する場合が多い。このため、本実施形態では、圧力センサ3をバンパレインフォースメント9の後面9bに配設して、車両前方の歩行者や車両との衝突に伴う衝撃(外力)が、車両前方に設けられたバンパカバー7などから圧力センサ3に直接伝わることをバンパレインフォースメント9の存在によって保護している。
歩行者保護装置10としては、例えばポップアップフードを用いる。このポップアップフードは、車両の衝突検知後瞬時に、エンジンフードの後端を上昇させ、歩行者とエンジンなどの硬い部品との間隔(クリアランス)を増加させ、そのスペースを用いて歩行者の頭部への衝突エネルギーを吸収し、歩行者の頭部への衝撃を低減させるものである。なお、ポップアップフードの代わりに、車体外部のエンジンフード上からフロントウインド下部にかけてエアバッグを展開させて歩行者への衝撃を低減させるカウルエアバッグなどを用いてもよい。
ジョイント部材11は、例えばポリプロピレンなどの樹脂からなり、一端の外径が他端の外径よりも大きく形成された中空状の管継手である。具体的には、一端部側(図4では右側)の外径が他端部側(図4では左側)の外径よりも小さくなっている。すなわち、接続用チューブ4に接続される側の管径が、検出用チューブ部材2に接続される側の管径よりも小さい構成となっている。なお、ジョイント部材11の材質としては、他にもステンレスなどの金属を用いてもよく、ジョイント部材11の材質や形状は、検出用チューブ部材2及び接続用チューブ4の形状などに合わせて適宜変更可能であるとする。
次に、本実施形態における車両用衝突検知装置1の衝突時の動作について説明する。車両前方に歩行者などの物体が衝突した際には、バンパ6のバンパカバー7が歩行者との衝突による衝撃により変形する。続いて、バンパアブソーバ8が衝撃を吸収しながら変形すると同時に、検出用チューブ部材2も変形する。このとき、検出用チューブ部材2内の圧力が急上昇し、接続用チューブ4を介して圧力センサ3に圧力変化が伝達する。
車両用衝突検知装置1の衝突検知ECU5は、圧力センサ3の検知結果に基づいて、所定の衝突判定処理を実行する。この衝突判定処理では、例えば圧力センサ3から出力される圧力の値が所定のしきい値以上の場合、歩行者との衝突が発生したものと判定する。なお、圧力センサ3により検出された圧力の値の区間積分値が予め設定されたしきい値以上の場合に、歩行者との衝突が発生したものと判定するようにしてもよい。衝突検知ECU5は、歩行者との衝突が発生したと判定した場合、歩行者保護装置10を作動させる制御信号を出力し、歩行者保護装置10を作動させて、上記したように歩行者への衝撃を低減させる。
以上説明したように、第1の実施形態の車両用衝突検知装置1は、車両のバンパ6内におけるバンパレインフォースメント9の車両前方側に配設された中空の検出用チューブ部材2と、検出用チューブ部材2内の圧力を検出する圧力センサ3とを有し、圧力センサ3による圧力検出結果に基づいてバンパ6への物体の衝突を検知する。そして、中空のチューブ状を呈する部材であって、一端が前記検出用チューブ部材2に対して中空部が互いに連通するように接続される接続用チューブ4を備えている。圧力センサ3は、バンパレインフォースメント9の前面9a(車両前方側)よりも車両後方側、具体的には、バンパレインフォースメント9の後面9bに配置されると共に、接続用チューブ4の他端に接続されて検出用チューブ部材2内の圧力を検出するように構成されることを特徴とする。
この構成によれば、圧力センサ3が接続用チューブ4を介して検出用チューブ部材2に接続されているので、検出用チューブ部材2による圧力検出範囲を確保しながら、圧力センサ3を適切な位置に配設することができる。本実施形態では、圧力センサ3をバンパレインフォースメント9の後面9b(車両後方側)に配置しているので、バンパ6の左右端部付近に歩行者など(物体)が衝突しても、バンパレインフォースメント9によって衝撃が低減され、圧力センサ3にバンパカバー7からの衝撃が直接伝わらない。このため、バンパカバー7の変形により圧力センサ3に外力が加わり、圧力センサ3が外力により損傷してしまうことを防止できる。これにより、車両用衝突検知装置1の耐性を改善できるとともに、車両用衝突検知装置1による衝突検知の信頼性を向上させることができる。
また、接続用チューブ4は、検出用チューブ部材2と圧力センサ3との間で湾曲して配設される。具体的には、接続用チューブ4は、一端が検出用チューブ部材2の車幅方向端部に接続されると共に、バンパレインフォースメント9の車幅方向外側にて湾曲して配設され、他端に圧力センサ3が接続されることを特徴とする。
この構成によれば、バンパレインフォースメント9の車幅方向外側に設けられた接続用チューブ4を介して、検出用チューブ部材2と圧力センサ3とが接続される構成となっているので、圧力センサ3をバンパレインフォースメント9の前面9aよりも車両後方側に配置するために、検出用チューブ部材2の車幅方向の長さを短くする必要がない。これにより、検出用チューブ部材2による検出範囲を確保しながら、圧力センサ3をバンパレインフォースメント9の車両後方側に配置することができる。
すなわち、本実施形態の車両用衝突検知装置1では、湾曲可能な接続用チューブ4を用いて検出用チューブ部材2と圧力センサ3とを接続できるので、バンパレインフォースメント9の大きさなどの構造の違いにも対応でき、多様な意匠デザインの車両に対応可能である。これにより、汎用性が高く多くの車種に適用可能であり、搭載性及び耐性の優れた車両用衝突検知装置1を提供することができる。
また、接続用チューブ4は、検出用チューブ部材2よりも高い剛性を有していることを特徴とする。この構成によれば、接続用チューブ4を検出用チューブ部材2よりも高い剛性とすることで、接続用チューブ4の強度を確保することができる。これにより、車両と歩行者などとの衝突時において、バンパカバー7の変形に伴って接続用チューブ4に外力が加わって、接続用チューブ4がつぶれたり切断されたりしてしまうなどの損傷を起こすことを防止できる。また、接続用チューブ4を検出用チューブ部材2の端部側からバンパレインフォースメント9の後面9b側に湾曲させても、接続用チューブ4の湾曲部分が座屈などを起こして、衝突検知に悪影響を及ぼすことを防止できる。このようにして、車両用衝突検知装置1の耐性をより改善させ、衝突検知の信頼性をより向上させることができる。
また、接続用チューブ4は、検出用チューブ部材2よりも小さい外径を有していることを特徴とする。この構成によれば、接続用チューブ4の外径を検出用チューブ部材2の外径よりも小さくすることで、接続用チューブ4の搭載スペースを小さくすることができ、車両用衝突検知装置1の省スペース化を図ることができる。更に、検出用チューブ部材2に比べ、接続用チューブ4を小径且つ高剛性とすることで、衝突時においてバンパカバー7などが変形することによって接続用チューブ4へ伝わる外力の影響を小さくでき、接続用チューブ4の耐性をより向上させることができる。また、接続用チューブ4を検出用チューブ部材2の端部側からバンパレインフォースメント9の後面9b側に回り込ませ易くすることができる。
また、圧力センサ3は、バンパレインフォースメント9にボルトの締結により固定されることを特徴とする。この構成によれば、圧力センサ3を確実にバンパレインフォースメント9に固定することができ、衝突時に圧力センサ3が外力により外れたり損傷したりすることを防止できる。
また、接続用チューブ4は、検出用チューブ部材2とは別体で形成され、中空状のジョイント部材11を介して検出用チューブ部材2に結合されることを特徴とする。この構成によれば、検出用チューブ部材2と接続用チューブ4とをジョイント部材11により確実に接続できるとともに、検出用チューブ部材2と接続用チューブ4を材質(剛性)及び外径の異なる別部材により容易に構成させることが可能である。
また、本実施形態では、圧力センサ3をバンパレインフォースメント9の後面9bの左右両端部側に2つ配設することにより、検出用チューブ部材2における圧力変化を高い精度で検知できるとともに、冗長性を確保できる。すなわち、一方の圧力センサ3が故障しても、もう一方の圧力センサ3により、衝突検知を行うことが可能である。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図8を参照して説明する。なお、図8には上記第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてだけ説明する。
第2の実施形態においては、図8に示すように、接続用チューブ4は、検出用チューブ部材2と一体成形されたものとなっており、ジョイント部材11がない構成となっていることが第1の実施形態と異なる。なお、接続用チューブ4及び検出用チューブ部材2を一体成形する方法としては、例えば押出し成形を用いて行うことができる。
この構成によれば、上記第1の実施形態のように、検出用チューブ部材2と接続用チューブ4とを接続させるためにジョイント部材11を設ける必要がないので、検出用チューブ部材2と接続用チューブ4との接続部分の構成を簡易なものとすることができる。これにより、車両用衝突検知装置1の部品数を減らしてコストを抑えることができるとともに、車両用衝突検知装置1の製造工程を簡略化することができる。この第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[その他の実施形態]
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形または拡張を施すことができる。例えば、上記実施形態では、接続用チューブ4の硬度を検出用チューブ部材2の硬度よりも大きくすることで、接続用チューブ4の剛性を検出用チューブ部材2の剛性よりも高くなるようにしたが、接続用チューブ4に補強部材を増設することにより、接続用チューブ4の剛性を向上させてもよい。
例えば、図9に示すように、接続用チューブ41を二層構造のものとしてもよい。この場合、内側の接続用チューブ41aの外周を剛性の高い補強部材41bで覆うことにより、接続用チューブ41の剛性が高くなるようにしている。補強部材41bとしては、例えばアルミニウムなどの金属や、炭素繊維などを用いる。
また、図10に示すように、接続用チューブ42aの内部に、複数の補強部材42bが混在するように構成してもよい。図10に示す例では、接続用チューブ42aの内部に、接続用チューブ42aよりも剛性の高い、複数本(この場合12本)の棒状の補強部材42bを一体成形させることにより、接続用チューブ42を形成している。この場合も、剛性の高い補強部材42bが内部に存在することによって、接続用チューブ42の剛性を向上させている。
更に、検出用チューブ部材2の配設位置を変更させてもよい。例えば、図11に示すように、検出用チューブ部材2を、バンパレインフォースメント9の車両前方側におけるバンパアブソーバ8の中央上部に配置してもよい。また、図12に示すように、検出用チューブ部材2を、バンパレインフォースメント9の車両前方側におけるバンパアブソーバ8の前方上部に配置してもよい。
また、本実施形態では、圧力センサ3をバンパレインフォースメント9の後面9bにおける左右両端部側に2つ配設したが、これに限られず、圧力センサ3を任意の位置に配置可能である。例えば、圧力センサ3をバンパレインフォースメント9の後面9bにおける中央部に配置してもよい。この場合、検出用チューブ部材2の車幅方向中央部において、検出用チューブ部材2と接続用チューブ4を連通させて接続すればよい。更に、車両用衝突検知装置1の検知精度及び冗長性を向上させるために、圧力センサ3を3つ設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、検出用チューブ部材2の断面形状を略四角形にしたが、これに限られず、断面形状が円形や多角形のものを用いてもよい。
1 車両用衝突検知装置
2 検出用チューブ部材
3 圧力センサ
4,41,42 接続用チューブ
5 衝突検知ECU
6 バンパ
7 バンパカバー
8 バンパアブソーバ
9 バンパレインフォースメント
9a 前面
9b 後面
10 歩行者保護装置
11 ジョイント部材
41a,41b 二層構造
42b 補強部材

Claims (12)

  1. 車両のバンパ(6)内におけるバンパレインフォースメント(9)の車両前方側に配設された中空の検出用チューブ部材(2)と、前記検出用チューブ部材内の圧力を検出する圧力センサ(3)とを有し、前記圧力センサによる圧力検出結果に基づいて前記バンパへの物体の衝突を検知する車両用衝突検知装置(1)において、
    中空のチューブ状を呈する部材であって、一端が前記検出用チューブ部材に対して中空部が互いに連通するように接続される接続用チューブ(4)を備え、
    前記圧力センサは、前記接続用チューブの他端に接続されて前記検出用チューブ部材内の圧力を検出するように構成されることを特徴とする車両用衝突検知装置。
  2. 前記圧力センサは、前記バンパレインフォースメントの前面(9a)よりも車両後方側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用衝突検知装置。
  3. 前記圧力センサは、前記バンパレインフォースメントの後面(9b)に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の車両用衝突検知装置。
  4. 前記接続用チューブは、前記検出用チューブ部材と前記圧力センサとの間で湾曲して配設されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用衝突検知装置。
  5. 前記接続用チューブは、一端が前記検出用チューブ部材の車幅方向端部に接続されると共に前記バンパレインフォースメントの車幅方向外側にて湾曲して配設され、他端に前記圧力センサが接続されることを特徴とする請求項4に記載の車両用衝突検知装置。
  6. 前記接続用チューブは、前記検出用チューブ部材よりも高い剛性を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用衝突検知装置。
  7. 前記接続用チューブは、前記検出用チューブ部材よりも小さい外径を有していることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の車両用衝突検知装置。
  8. 前記接続用チューブ(41)は、二層構造(41a,41b)となっていることを特徴とする請求項6または7に記載の車両用衝突検知装置。
  9. 前記接続用チューブ(42)は、内部に補強部材(42b)を有していることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
  10. 前記圧力センサは、前記バンパレインフォースメントにボルトの締結により固定されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の車両用衝突検知装置。
  11. 前記接続用チューブは、前記検出用チューブ部材とは別体で形成され、中空状のジョイント部材(11)を介して前記検出用チューブ部材に結合されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
  12. 前記接続用チューブは、前記検出用チューブ部材と一体成形されたものであることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の車両用衝突検知装置。
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