JP2015074308A - 電動車両の発電制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温下のダイレクト配電中の発電時に、バッテリ入出力を0にしたまま、加速時および外乱入力時の固有振動の抑制をする。【解決手段】必要電力を最良燃費で発電するエンジントルクおよび発電機回転速度のうち、前者はエンジン制御に用い、後者は発電トルクTg*の決定に資する。ブロック54で発電機回転速度計測値ωgの目標値に対する偏差を無くするための第1発電トルク指令値Tg1*をモータ駆動トルクTm_estに変換し、これを制振FFフィルタに通して得られた制振FFフィルタ処理後モータ駆動トルク推定値Tm_est_FF*と、ブロック56,57で求めたモータ回転速度外乱偏差Δωmを制振FBフィルタ58に通して得られる制振FBフィルタ処理後モータ駆動トルク推定値Tm_est_FB*との和値Tm_est*を、除算器60において発電駆動変換係数νで除算することにより、最終的な発電トルク指令値Tg*を算出する、【選択図】図7

Description

本発明は、エンジンなどの機関により駆動される発電機からの電力をエネルギー源とするモータの駆動により走行可能な電動車両の発電制御装置に関するものである。
機関駆動される発電機からの電力を受けて駆動されるモータを動力源とするシリーズハイブリッド車両などの電動車両にあっては、発電電力の余剰分を一時的に充電しておくために搭載されているバッテリが低温時に充放電を行われると、その劣化や故障を生ずることから、当該バッテリが低温時に充放電されることのないようにする低温時保護対策が必要である。
従って、かようにバッテリ入出力電力が制限されている低温環境下で電動車両を走行させる場合、発電機で発電した電力を余すことなく駆動側のモータで使い切るダイレクト配電制御を行うことが求められる。
一方で電動車両を含む車両は、車輪のトルク伝達系(車輪駆動系)がドライブシャフトの捻り振動(ガクガク振動)などによる固有振動成分を有し、かかる車輪駆動系の固有振動成分を車輪駆動による走行中に除去または低減する処理を施さないと、車両の滑らかな走行が妨げられる。
車輪駆動系の固有振動成分を低減する技術としては従来、例えば特許文献1に記載のようなものや、特許文献2に記載のようなものが提案されている。
特許文献1に記載の提案技術は、車輪駆動系の固有振動成分を除去または低減するフィルタ(以後、制振フィルタと称する)を用い、駆動側モータの駆動制御に資するモータトルク指令値を当該制振フィルタに通してフィルタ処理した後、モータの駆動制御に供するというものである。
また特許文献2に記載の提案技術は、発電機の発電制御に資する発電トルク(発電負荷)の指令値または発電機駆動用エンジンの制御に資するエンジントルク指令値を制振フィルタによりフィルタ処理した後、発電機またはエンジンの制御に供するというものである。
特開2001−045613号公報 特開2011−010535号公報
しかし特許文献1の提案技術にあっては、低温環境下でのバッテリ保護を目的として発電機の発電電力を駆動側のモータで使い切るダイレクト配電制御を行っている間、以下のような問題を生ずる。
つまり特許文献1の提案技術では当該ダイレクト配電制御中も、発電電力を消費し切るよう決定された駆動トルク指令値を制振フィルタによるフィルタ処理後にモータの駆動制御に供することとなる。
このため、制振フィルタにより除去された周波数成分の電力は駆動側モータで消費することができず、かようにモータで消費され得なかった電力分がバッテリに対し制限を超えて入出力されてしまう。
ところでダイレクト配電制御は、低温環境下でのバッテリ保護を目的に発電機の発電電力を駆動側のモータで使い切って、バッテリへの電力の入出力を制限することを旨とするものであり、それにもかかわらず当該ダイレクト配電制御中に上記のごとく電力がバッテリへ制限を超えて入出力されるのでは、バッテリの劣化や故障につながる可能性がある。
また特許文献2の提案技術では、発電トルク(発電負荷)の指令値または発電機駆動用エンジントルクの指令値を制振フィルタによりフィルタ処理して発電機またはエンジンの制御に供することから、発電電力が、車輪駆動系の固有振動成分を除去または低減されたものとなり、この発電電力をダイレクト配電制御により駆動側のモータで消費し切れば、バッテリの入出力電力を低温時の要求通りに制限しつつ、車輪駆動系の固有振動成分を除去または低減し得て、滑らかな車両走行を実現可能であるものの、以下のような問題を生ずる。
つまり特許文献2の提案技術のように、ダイレクト配電制御中、発電トルク指令値や発電機駆動用エンジントルク指令値を制振フィルタによりフィルタ処理しただけでは、車輪駆動系の固有振動成分を完全に除去することができず、振動が残ってしまうという問題がある。
その理由は、本来、車輪駆動系の固有振動成分がモータによる駆動トルクからモータ回転数に至る系に存在するものであり、この振動成分が、車両の駆動トルク指令値に制振フィルタを施すことによってはじめて除去され得るためである。
これに対し特許文献2の提案技術のごとく、発電トルク指令値や発電機駆動用エンジントルク指令値(Tg)を制振フィルタによりフィルタ処理した後の発電トルク(Tg_f)を発電制御に用いた場合、発生する発電電力(Pg)は、フィルタ処理後発電トルク(Tg_f)に発電機回転数(ωg)を掛け合わせた値(Pg =Tg_f×ωg)である。
そして、この発電電力(Pg)を駆動側モータで完全に消費し切った場合の駆動トルク(Tm)は、発電電力(Pg)をモータ回転数(ωm)で割った値(Tm=Pg÷ωm)となり、この式におけるPgに上記の(Pg =Tg_f×ωg)を代入して駆動トルク(Tm)は、Tm=(Tg_f×ωg)/ ωmで表される。
つまり駆動トルク(Tm)は、フィルタ処理後発電トルク(Tg_f)に発電機回転数(ωg)を掛けて得られる乗算値をモータ回転数(ωm)で割った値となる。
このため制振フィルタは、本来欲しい(発電トルクTg×発電機回転数ωg÷モータ回転数ωm)の値に施される訳ではなく、(発電トルクTg)に対してのみ施されることになり、所望の値に対して、(発電機回転数ωg÷モータ回転数ωm)のズレが生じてしまうこととなる。
結果として、車輪駆動系の固有振動成分の制振効果を確実に発揮することができず、振動が残ってしまう、という問題があった。
特許文献2の従来技術では更に、路面勾配変化や凹凸路面に起因して外乱トルクが車輪駆動軸へステップ的に入力された場合の当該ステップ状トルク外乱に対しても、上記と同じ理由から制振フィルタ処理が施されないため、このトルク外乱に起因した固有振動成分も除去し得ない。
本発明は、車両の要求駆動力が実現されるよう機関を運転させた場合のモータ駆動トルクを前記の制振フィルタによりフィルタ処理すれば、このモータ駆動トルクが上記の(発電トルクTg×発電機回転数ωg÷モータ回転数ωm)に対応することから、制振フィルタのフィルタ処理が、本来欲しい(発電トルクTg×発電機回転数ωg÷モータ回転数ωm)の値に対して施されることとなって、上記のずれを生ずることがないとの観点から、この着想を具体化して、上記のずれに起因した振動の残存に係わる問題を解消し得るようにするのに加え、更に外乱入力に対する制振フィルタ処理を付加して外乱入力に起因した振動の発生に係わる問題をも解消し得るようにした電動車両の発電制御装置を提供することを目的とする。
この目的のため、本発明による電動車両の発電制御装置は、これを以下のごとくに構成する。
先ず、前提となる電動車両の発電制御装置を説明するに、これは、
機関により駆動される発電機からの電力をエネルギー源とするモータの駆動により走行可能な電動車両に用いる発電制御装置である。
本発明の発電制御装置は、前記機関および発電機から成る発電装置の制御に際し、該機関が所定の運転効率で車両の要求駆動力を発生するよう運転された場合におけるトルク値に基づき制御するよう構成する。
そして前記トルク値を前記発電装置の制御に用いるに際し、車両の固有振動成分を低減する制振FFフィルタにより該モータ駆動トルクをフィルタ処理して制振FFフィルタ処理後トルクを求めると共に、前記トルク値に基づいて求めた前記モータの回転数推定値および実回転速度間におけるモータ回転速度偏差に、車両の固有振動成分を低減する制振FBフィルタによるフィルタ処理を施して制振FBフィルタ処理後トルクを求め、該制振FBフィルタ処理後トルクおよび前記制振FFフィルタ処理後トルクの和値を前記発電装置の制御に資するよう構成したことを特徴とするものである。
上記した本発明による電動車両の発電制御装置にあっては、上記制振FFフィルタ処理後トルクに基づき発電装置の制御(発電制御)を行うため、以下の効果が奏し得られる。
上記制振FFフィルタ処理後トルクを特許文献1のごとくモータの制御(駆動制御)に用いた場合、低温時のバッテリ保護用にダイレクト配電制御が行われている場合において、制振フィルタにより除去された周波数成分の電力がモータで消費し切れず、余った電力分がバッテリに入出力されてしまい、バッテリの劣化や故障を生ずるという問題がある。
また特許文献2のごとく、発電装置への発電トルクを制振フィルタで処理し、このフィルタ処理後発電トルクに基づき発電装置の制御(発電制御)を行った場合、
制振フィルタが発電トルクに対して施されるのみとなり、本来望ましい車両駆動トルク(発電トルク×発電機回転数÷モータ回転数)に施されないことから、所望の値に対して(発電機回転数÷モータ回転数)のズレが生じて十分な制振効果を期待できないという問題がある。
これらに対し本発明の発電装置にあっては、発電装置の制御(発電制御)に際し、機関が所定の運転効率で車両の要求駆動力を発生するよう運転された場合におけるトルク値を用いるも、このトルク値を制振FFフィルタによりフィルタ処理して得られる制振FFフィルタ処理後トルクを発電装置の制御(発電制御)に用いるため、
低温時のバッテリ保護用にダイレクト配電制御が行われている場合において、制振FFフィルタにより除去された周波数成分の電力がバッテリに入出力されることがなく、バッテリの劣化や故障に関する上記の問題を回避可能である。
また本発明の発電装置にあっては、発電装置への発電トルクを制振FFフィルタで処理して発電装置の制御(発電制御)に用いるのでなく、上記のトルク値を制振FFフィルタによりフィルタ処理した後に発電装置の制御(発電制御)に供するため、
制振FFフィルタが、本来望ましい車両駆動トルク(発電トルク×発電機回転数÷モータ回転数)に施されることとなって、車輪駆動系の固有振動成分に対する十分な制振効果を達成することができる。
つまり本発明の発電装置によれば、ダイレクト配電制御中におけるバッテリへの入出力制限を保証しつつ、車輪駆動系の固有振動成分を確実に除去して十分な制振効果を発揮することができる。
また本発明では、上記のトルク値に基づいて求めたモータ回転数推定値および実回転速度間におけるモータ回転速度偏差に、車両の固有振動成分を低減する制振FBフィルタによるフィルタ処理を施して制振FBフィルタ処理後トルクを求め、これを上記の制振FFフィルタ処理後モータ駆動トルクに足し込んで発電装置の制御(発電制御)に供するため、
路面勾配変化や凹凸路面に起因した外乱トルクが車輪駆動軸へステップ的に入力された場合のトルク外乱に対しては制振FBフィルタによるフィルタ処理が施されることとなり、このトルク外乱に起因した固有振動成分をも除去することができる。
本発明の第1実施例になる発電制御装置を具えた電動車両の駆動系およびその制御システムを示す概略系統図である。 図1におけるシステムコントローラおよび/またはその他のコントローラが実行する発電制御プログラムを示すフローチャートである。 図2における目標発電電力演算ステップの演算処理を示す機能別ブロック線図である。 図2におけるエンジン運転点演算ステップでモータ要求駆動トルクを求める際に用いるモータ要求駆動トルクマップに関したマップ図である。 図2におけるエンジン運転点演算ステップで最良燃費運転点を求める際に用いるエンジン運転特性マップに関したマップ図である。 図2における発電機制御ステップで実行する発電機制御要領の機能別ブロック線図である。 図6における制振フィルタ処理部が実行するフィルタ処理の要領を示す機能別ブロック線図である。 図1における車両のトルク伝達系をモデル化した模式図である。 図2におけるモータ駆動制御ステップで実行するモータ駆動制御要領の機能別ブロック線図である。 従来の発電制御装置による動作タイムチャートである。 本発明の参考例による発電制御の動作タイムチャートである。 本発明の実施例による発電制御の動作タイムチャートである。 本発明の第2実施例になる発電制御装置を示す、図6に対応する発電機制御要領の機能別ブロック線図である。 本発明の第3実施例になる発電制御装置を示す、図6に対応する発電機制御要領の機能別ブロック線図である。 本発明の第4実施例になる発電制御装置を示す、図6に対応する発電機制御要領の機能別ブロック線図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<第1実施例の構成>
図1は、本発明の第1実施例になる発電制御装置を具えた電動車両の駆動系およびその制御システムを示す概略系統図である。
本実施例における電動車両は、図1に示すような所謂シリーズハイブリッド車両とし、エンジン(機関)1と、これに直結されてエンジン駆動される発電機2とから成る発電装置3を搭載して具えるほか、発電機2の発電電力をエネルギー源として駆動されるモータ4(本明細書では単にモータとも呼称する)を搭載して具える。
この車両は、モータ4の駆動力を終減速機(ディファレンシャルギヤ装置を含む)5により左右駆動輪6L,6Rへ伝達し、これら左右駆動輪6L,6Rのモータ駆動により走行可能なものとする。
上記シリーズハイブリッド車両の制御システムを、図1に基づき以下に概略説明する。
エンジン1と共に発電装置3を構成する発電機2は、本来のエンジン駆動発電機として用いるだけでなく、バッテリ7の電力を発電側インバータ8により直流→交流変換して制御下に受電することでモータとしても作用させ、エンジン1を始動に際してクランキングさせたり、エンジン1をモータ駆動力によりトルクアシストする用にも供するものとする。
そのため発電側インバータ8は、発電機2とバッテリ7との間に介在させ、以下のように機能するものとする。
つまり発電側インバータ8は、発電機2の発電電力を交流→直流変換してモータ4の駆動に供すると共に、モータ4で消費し切れなかった余剰電力をバッテリ7へ充電可能となす。
また発電側インバータ8は、上記のエンジン1のクランキングやトルクアシストに際し、バッテリ7の電力を直流→交流変換して制御下に発電機2へ供給し、この発電機2をモータとして作用させる。
モータ4とバッテリ7との間には駆動側インバータ9を介在させ、この駆動側インバータ9は、以下のように機能するものとする。
つまり駆動側インバータ9は、発電側インバータ8により直流変換された電力を直流→交流変換して制御下にモータ4へ供給し、当該モータ4の駆動制御を司るほか、モータ4が車輪6L,6Rの回生制動時に発生した電力を交流→直流変換してバッテリ7へ充電可能となす。
エンジンコントローラ11は、システムコントローラ10から指令されるエンジントルク指令値を実現するために、エンジン1の回転数や温度などの信号に応じて、エンジン1のスロットル開度、点火時期、および燃料噴射量を調整する。
発電機コントローラ12は、システムコントローラ10から指令される発電トルク(発電負荷)指令値を実現するために、発電機2の回転数や電圧などの状態に応じて、発電側インバータ8をスイッチング制御する。
バッテリコントローラ13は、バッテリ7へ充放電される電流や電圧を基にバッテリ充電状態SOC(State Of Charge)を計測し、結果をシステムコントローラ10へ出力する。
バッテリコントローラ13は更に、バッテリ7の温度や内部抵抗、SOCに応じて、バッテリ7の入力可能電力および出力可能電力を演算し、これらをシステムコントローラ10へ出力する。
モータコントローラ14は、システムコントローラ10から指令される駆動トルクを実現するために、モータ4の回転数や電圧などの状態に応じて、駆動側インバータ9をスイッチング制御する。
システムコントローラ10には、エンジン1のエンジントルク指令や、発電機2の発電電力指令や、モータ4の駆動トルク指令や、バッテリ7の充放電量指令を演算するために、車速VSPを検出する車速センサ15からの信号と、運転者によるアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ16からの信号と、路面勾配θを検出する勾配センサ17からの信号を入力するほか、バッテリコントローラ13からの前記したSOC、入力可能電力、出力可能電力、発電機8の発電電力などを入力する。
<発電制御>
次に、システムコントローラ10および/またはその他のコントローラ11〜14による発電制御を、バッテリ温度が低下して、バッテリ7への充放電がバッテリ保護の目的で制限されている場合につき、つまり発電機2の発電電力を余すことなくモータ4の駆動に消費し切って、バッテリ7への充放電が制限または0にされるようなダイレクト配電制御が行われる場合につき、図2の制御プログラムを参照しながら説明する。
ステップS21においては、運転者がアクセル操作によって要求する車両の要求駆動トルクを現在の車速VSPのもとで実現するのに必要な目標発電電力Pg*を以下のようにして演算する。
この演算に際しては、図3のブロック線図により示すように、先ずモータ要求駆動トルク演算部31で、図4に例示したモータ4の要求駆動トルクマップを基にモータ要求駆動トルクTm*を検索する。
図4のモータトルクマップは、アクセル開度APOおよびモータ回転速度ωm(車速VSP)の組み合わせごとに運転者が要求する車両駆動トルクに対応したモータ4の要求駆動トルクTm*を示すもので、予め実験などにより求めておく。
図3のモータ要求駆動トルク演算部31でモータ要求駆動トルクTm*を求めるに際しては、図4のモータ要求駆動トルクマップを基にアクセル開度APOおよびモータ回転速度ωmから、運転者がアクセル操作によって要求する車両の要求駆動トルクに対応したモータ4の要求駆動トルクTm*を検索する。
図3におけるモータ要求出力演算部32では、演算部31で求めたモータ要求駆動トルクTm*と、モータ回転速度ωmとの乗算により、運転者が要求している車両要求出力(パワー)に対応したモータ4の要求出力Pm*を求める。
モータ駆動損失演算部33では、モータ4の駆動損失マップを基に、モータ要求駆動トルクTm*、モータ回転速度ωmおよび駆動側インバータ9への入力電圧(またはバッテリ電圧)から、モータ4のモータ駆動損失を求める。
加算器34では、このモータ駆動損失を前記のモータ要求出力Pm*に足し込むことにより、モータ駆動損失によっても車両要求出力(パワー)を実現可能な目標発電電力Pg*を求める。
この目標発電電力Pg*は、モータ駆動損失によっても、運転者が要求する車両の要求駆動トルク(モータ要求駆動トルクTm*)を現在の車速VSP(モータ回転速度ωm)のもとで発生させるのに必要な発電電力である。
図2のステップS22においては、エンジン1の燃費効率や応答性を考慮しつつ、上記の目標発電電力Pg*に対応したエンジン出力が得られるようなエンジン1の運転点(エンジン回転速度およびエンジントルクの組み合わせ)を求める。
具体的には、図5に例示するエンジン1の運転特性マップ、つまりエンジン回転数(発電機回転速度目標値ωg*)、およびエンジントルク(エンジントルク目標値TE0*)の二次元座標上に予め求めておいたエンジン1の等出力線(該当出力を発生する回転速度およびトルクの組み合わせ)および最良燃費線(各出力を最良燃費で発生する回転速度およびトルクの組み合わせ)を基にエンジン出力(目標発電電力Pg*)から、エンジン1が最良燃費で目標発電電力Pg*を実現可能な態様で運転されるのに必要なエンジン回転数(発電機回転速度目標値ωg*)、およびエンジントルク(エンジントルク目標値TE0*)の組み合わせを求める。
図2のステップS23においては、図6のブロック線図で示す処理により発電機2(エンジン1を含む発電装置3)を制御する。
図6のブロック41では、図2のステップS21およびステップS22による前記の演算により目標発電電力Pg*を求めると共に、この目標発電電s力Pg*を最良燃費で実現可能な発電機回転速度目標値ωg*およびエンジントルク目標値TE0*の組み合わせを求める。
ブロック41で求めた発電機回転速度目標値ωg*およびエンジントルク目標値TE0*のうち、エンジントルク目標値TE0*はそのままエンジントルク指令値TE*としてエンジンコントローラ11へ供給し、エンジン1の制御に資する。
しかし発電機回転速度目標値ωg*は、そのまま発電機2の回転速度制御に用いず、かかる発電機回転速度目標値ωg*の達成時に得られるモータトルク値の推定に用い、車両(車輪駆動系)の固有振動成分を低減する制振フィルタにより当該推定トルク値をフィルタ処理した後、このトルク値を発電トルク指令値Tg*に変換し、この発電トルク指令値Tg*を発電機2の制御に用いて、制振フィルタ処理を組み込んだ発電トルク制御により発電機回転速度目標値ωg*を実現する。
以下に詳述するに、減算器42では、発電機回転速度目標値ωg*と発電機回転速度計測値ωgとの差分を取り、発電機回転速度の目標値に対する計測値(現在値)の発電機回転速度偏差Δωgを算出する。
第1発電トルク指令値演算部43では、上記の発電機回転速度偏差Δωgに比例制御ゲインPを施し、この偏差Δωgを無くして発電機回転速度計測値ωgを目標値ωg*に一致させる第1の発電トルク指令値Tg1*を演算する。
減算器44においては、上記の第1発電トルク指令値Tg1*から、ブロック45〜47で後述のようにして推定した発電機外乱トルク推定値ΔTg_estを減算して、両者の差分である第2の発電トルク指令値Tg2*を求める。
この減算処理は、発電機4にエンジントルクなどの外乱が印加された場合の外乱分を除去するためである。
ブロック45〜47で行う発電機外乱トルク推定値ΔTg_estの推定要領を以下に説明する。
ブロック45は、発電機4のトルク入力に対する回転速度の伝達特性Gg(s)をモデル化した伝達関数Gg'(s)を具え、制振フィルタ処理部48で後述のごとくに求めた最終的な発電トルク指令値Tg*をこの伝達関数Gg'(s)に通して発電機回転速度理想値ωg_refを算出する。
なお伝達関数Gg'(s)は、発電機4のトータル慣性モーメントをJgとすると、次式に近似する。
Gg'(s) = 1 / (Jg・s) ・・・(1)
ブロック46では、発電機回転速度計測値ωgから上記の発電機回転速度理想値ωg_refを差し引き、発電機回転速度外乱偏差Δωgdを算出する。
ブロック47は、上記伝達関数Gg'(s)と等しい次数(一次)のローパスフィルタH(s)を用いたH(s)/Gg'(s)の式で表される伝達関数を具え、上記の発電機トルク外乱推定値ΔTg_estをこの伝達関数H(s)/Gg'(s)に通して発電機外乱トルク推定値ΔTg_estを求める。
なお上記ローパスフィルタの時定数は、対外乱応答性や安定性を考慮して、計算または実験により任意に設定することができる。
ブロック47で求めた発電機外乱トルク推定値ΔTg_estは減算器44に入力して、前記した通り第2発電トルク指令値Tg2*の算出に資する。
制振フィルタ処理部48は、車両(車輪駆動系)の固有振動成分を低減するためのフィルタで、上記の第2発電トルク指令値Tg2*を当該フィルタに通して、車両(車輪駆動系)の固有振動成分が除去されたフィルタ処理後の最終的な発電トルク指令値Tg*を求める。
以下、上記制振フィルタ処理部48が実行する第2発電トルク指令値Tg2*のフィルタ処理を図7により説明する。
なお、当該フィルタ処理は第2発電トルク指令値Tg2*に限られず、発電機外乱トルク推定値ΔTg_estを考慮する必要がなければ第1発電トルク指令値Tg1*に対しフィルタ処理を施してもよいため、図7ではフィルタ処理の対象を、フィルタ処理前発電トルク指令値Tg0*(Tg2*またはTg1*)と記述した。
図7の除算器51では、発電機回転速度計測値ωgをモータ回転速度ωmにより除算して、発電機2およびモータ4の合計速度比である発電駆動速度比γを算出する。
この際、モータ回転速度ωmが所定の微小回転速度より小さい場合は、その微小回転速度に制限することで、ゼロ割を防止する。
なお所定の微小回転速度は、計算または実験値により設定する。
乗算器52では、発電機効率ηgおよびモータ効率ηmを掛け合わせて、発電機2およびモータ4の合計効率である発電駆動効率ηを算出する。
なお発電機効率ηgは、発電トルク指令値Tg*、発電機回転速度計測値ωg、発電側インバータ入力電圧(またはバッテリ電圧)を基に、予め実験や計算等により用意した発電機効率テーブルを用いて算出する。
またモータ効率ηmは、モータトルク指令値Tm*(または要求駆動トルク)、モータ回転数ωm、駆動側インバータ入力電圧(またはバッテリ電圧)を基に、予め実験や計算等により用意した駆動機効率テーブルを用いて算出する。
乗算器53においては、除算器51で求めた発電駆動速度比γと、乗算器52で求めた発電駆動効率ηとを掛け合わせることにより、発電機2およびモータ4間における発電駆動変換係数νを求める。
乗算器54では、フィルタ処理前発電トルク指令値Tg0*に発電駆動変換係数νを掛け合わせることにより、発電トルク指令値Tg0*に対応するモータ駆動トルク推定値Tm_estを求める。
制振フィルタ55では、モータ駆動トルク推定値Tm_estに対し制振FFフィルタ特性GFF(s)を施して、車両(車輪駆動系)の固有振動成分が除去された制振FFフィルタ処理後モータ駆動トルク推定値Tm_est_FF*を算出する。
制振FFフィルタ特性GFF(s)は、以下のようにして設定する。
図8は、車両のトルク伝達系をモデル化した図であり、その運動方程式は以下の(2)式〜(6)式で表すことができる。
Figure 2015074308
(2)式〜(6)式のラプラス変換形は、以下の(7)式〜(11)式で表される。
Figure 2015074308
これら(7)式〜(11)式より、モータトルクTmからモータ回転速度ωmまでの伝達特性は次式によって表される。
Figure 2015074308
また、(14)式を整理すると、次式が得られる。
Figure 2015074308
この式において、ζP、ωPは車両のトルク伝達系の減衰係数、固有振動周波数である。
一般の電動車両やハイブリッド車両では、トルク伝達系の減衰係数ζPの値は1未満の値となっている。このため、Gp(s)は振動系となっている。
ここで、モータトルクからモータ回転速度までの理想特性を、式(15)のζPを1とおき、下式とする。ζPを1とすることで、Gm(s)は非振動系となる。
Figure 2015074308
制振FFフィルタGFF(s)は、理想特性Gm(s)とトルク伝達系の伝達関数Gp(s)の逆系により構成し、式(15),(16)を用いて以下のように表すことができる。
Figure 2015074308
以上により、制振FFフィルタGFF(s)を施したトルク指令値を用いて車両を駆動した場合、振動特性Gp(s)を非振動特性Gm(s)に変換することができる。
ブロック56は、式(15)により表される伝達関数Gp(s) を具え、加算器59で後述のごとくに求めた制振フィルタ処理後モータ駆動トルク推定値Tm_est*の前回値を当該伝達関数Gp(s)に通してモータ回転数推定値ωm_estを算出する。
減算器57では、このモータ回転数推定値ωm_estからモータ回転速度実測値ωmを差し引く次式の演算により、モータ回転速度外乱偏差Δωmを算出する。
Figure 2015074308
ブロック58は、下記の式(19)
Figure 2015074308
で表されるバンドパスフィルタ特性Hp(s)と、前記の式(15)で表される伝達関数Gp(s)の逆系とからなるHp(s)/Gp(s)の伝達関数を持った制振FBフィルタで、上記のモータ回転速度外乱偏差Δωmをこの伝達関数Hp(s)/Gp(s)に通すフィルタ処理により、制振FBフィルタ処理後モータ駆動トルク推定値Tm_est_FB*を算出する。
なお、式(19)におけるτH,τLはそれぞれ、車両の固有振動周波数をfとすると、fL<f<fHの関係にあるfL、fHを用いて、τH=1/(2πfH)、τL=1/(2πfL)とする。
加算器59では、ブロック55からの制振FFフィルタ処理後モータ駆動トルク推定値Tm_est_FF*と、ブロック58からの制振FBフィルタ処理後モータ駆動トルク推定値Tm_est_FB*とを合算して、次式で表される制振フィルタ処理後モータ駆動トルク推定値Tm_est*を求める。
Tm_est* = Tm_est_FF* + Tm_est_FB* (20)
図7の除算器60においては、加算器59からの制振フィルタ処理後モータ駆動トルク推定値Tm_est*を、ブロック53からの発電駆動変換係数νで除算することにより、最終的な発電トルク指令値Tg*を算出する。
なお、発電駆動変換係数νが微小な所定値よりも小さい場合は、この微小所定値に制限することで、割り算のゼロ割を防止する。
そして微小所定値は、計算または実験等により任意に設定することができる。
次いで図2のステップS24において、図9のブロック線図で示す処理により、エンジン1および発電機2から成る発電装置3で発電した発電電力をモータ4で過不足なく使い切るためのモータトルク指令値Tm*を算出し、これに基づきモータ4を駆動制御する。
図9のモータ駆動損失演算部61では、発電電力(モータ駆動電力)、モータ回転速度ωm、および駆動側インバータ9の入力電圧に応じたモータ4の駆動損失マップを基に、発電電力、モータ回転速度ωm、および駆動側インバータ入力電圧から、モータ4のモータ駆動損失を求める。
ここで発電電力は、発電機2の直流電流と発電側インバータ8の入力電圧との積より算出するが、発電トルク指令値Tg*と発電機回転速度ωgとの積値に発電機損失を加え合わせた値を発電電力としてもよい。
減算器62では、上記の発電電力からモータ駆動損失を差し引いて、モータ駆動電力指令値Pm*を求める。
除算器63では、モータ駆動電力指令値Pm*をモータ回転速度ωmで除算することにより、最終的なモータ駆動トルク指令値Tm*を求め、これをモータ4の駆動制御に資する。
この際、モータ回転速度ωmが微小な設定値よりも低い場合、モータ回転速度ωmをこの微小な設定値に制限することで、割り算のゼロ割を回避する。
また、最終的なモータ駆動トルク指令値Tm*は所定の上下限値を超えて大きくなったり、小さくなることのないよう制限し、モータ4の保護を図る。
以上の構成になる本実施例の発電制御装置によれば、ダイレクト配電制御において、発電機2で発電した電力を余すことなくモータ2の駆動に消費することができ、バッテリ7への電力の入出力を制限してその保護を図りつつ、車両(車輪駆動系)の固有振動を確実に除去することができる。
<第1実施例の効果>
上記した第1実施例の発電制御装置による効果を、図10に示した従来装置(特許文献2の装置)による動作タイムチャート、および図11に示した参考例による動作タイムチャートと比較しながら、図12の本実施例による動作タイムチャートに基づき、以下に説明する。
図10,11,12はそれぞれ、低温時のバッテリ保護用にバッテリ入出力電力を微小な所定値以下に制限するダイレクト配電制御中であって、瞬時t1に車速一定速走行状態から、アクセルペダルの踏み込みにより加速走行へ移行し、加速後の瞬時t3に路面勾配が変化する(アクセル操作を行うほどでもない路面勾配変化)などの外乱が発生した場合における動作を、モータ回転速度ωm、駆動軸トルクTmおよび電力(モータ駆動電力およびバッテリ入出力電力)の時系列変化として示す動作タイムチャートである。
まず、図10に基づき従来装置(特許文献2の装置)による発電制御を説明するに、従来は目標発電電力を達成するよう設定された発電トルクに対し制振フィルタ処理を施すため、発電電力を余すことなくモータ4の駆動で使い切ることとなり、バッテリ入出力電力を破線で示すごとく0kWに保って、低温時バッテリ保護機能は所望通りに果たし得るものの、駆動側のモータ制御系に係わるトルクに制振フィルタ処理を施していないため、以下の問題を生ずる。
前記した通り本来制振のためにフィルタ処理すべきは(発電トルクTg×発電機回転数ωg÷モータ回転速度ωm)の値であるのに、従来のごとく発電トルクに制振フィルタ処理を施すのでは、(発電機回転数ωg÷モータ回転速度ωm)に対して制振フィルタ処理が施されないことになり、当該(発電機回転数ωg÷モータ回転速度ωm)のズレ分だけ車輪駆動系の固有振動成分を除去し得ない。
このため、制振効果を確実に発揮することができず、図10の瞬時t1〜t2において駆動軸トルクTmおよびモータ回転速度ωmに図示のごとき振動が残ってしまうという問題があった。
また外乱入力瞬時t3に、ステップ的に車輪駆動軸へ入力されたトルク外乱に対しても、上記と同じ理由から制振フィルタ処理が施されないため、このトルク外乱に起因した固有振動成分も除去し得ない。
このため、バッテリ入出力電力を瞬時t3以降も破線で示すごとく0kWに保って、低温時バッテリ保護機能は所望通りに果たし得るものの、制振効果を確実に発揮することができず、瞬時t3〜t4において駆動軸トルクTmおよびモータ回転速度ωmに図示のごとき振動が残ってしまうという問題があった。
図11に示した参考例による発電制御は、従来(特許文献2)のように発電トルクに対して制振フィルタを直接施すのではなく、図7につき前述したごとく発電トルク(推定値)Tg0*を一旦駆動トルク(推定値)Tm_estに換算し、この駆動トルク(推定値)Tm_estに対し制振フィルタ処理を施してフィルタ処理後駆動トルク(推定値)Tm_est*を求めるも、当該制振フィルタに図7のブロック56〜58から成るフィードバック系が含まれないようにした場合の発電制御である。
この場合も図7につき前述したと同様に、上記のフィルタ処理後駆動トルク(推定値)Tm_est*を発電駆動変換係数νで除算して最終的な発電トルク指令値Tg*を求め、これを発電機4の制御(発電制御)に資することとする。
このため図11の参考例による発電制御では、本来制振のためにフィルタ処理すべき(発電トルクTg×発電機回転数ωg÷モータ回転速度ωm)に対し制振フィルタが施されることとなり、従来(特許文献2)のごとく(発電機回転数ωg÷モータ回転速度ωm)に対して制振フィルタ処理が施されないということがない。
よって図11の瞬時t1〜t2における駆動軸トルクTmおよびモータ回転速度ωmの経時変化から明らかなごとく、車輪駆動系の固有振動を全く誘起することなく、スムーズな加速が可能となる。
なお、ダイレクト配電制御に際して要求される、発電電力を余すことなくモータ4の駆動で使い切るという機能は本参考例でも、図10の従来(特許文献2)と同様に得られ、バッテリ入出力電力を破線で示すごとく0kWに保って、低温時バッテリ保護機能は所望通りに得ることができる。
ところで外乱入力瞬時t3に、ステップ的に車輪駆動軸へ入力されたトルク外乱に対しては、制振フィルタが図7のブロック56〜58から成るフィードバック系を含まれないことによって、制振フィルタ処理が図10の従来(特許文献2)と同様に施されないこととなり、このトルク外乱に起因した固有振動成分を除去し得ない。
このため、バッテリ入出力電力を瞬時t3以降も破線で示すごとく0kWに保って、低温時バッテリ保護機能は所望通りに果たし得るものの、外乱入力時の制振効果を確実に発揮することができず、瞬時t3〜t4において駆動軸トルクTmおよびモータ回転速度ωmに図示のごとき振動が残ってしまうという問題があった。
これらに対し第1実施例の発電制御装置にあっては、図7につき前述したごとく発電トルク(推定値)Tg0*を一旦駆動トルク(推定値)Tm_estに換算し、この駆動トルク(推定値)Tm_estを制振FFフィルタ55により処理して制振FFフィルタ処理後モータ駆動トルク(推定値)Tm_est_FF*を求めると共に、ブロック56〜58により制振FBフィルタ処理後モータ駆動トルク(推定値)Tm_est_FB*を求め、これらを合算して得られた制振フィルタ処理後モータ駆動トルク(推定値)Tm_est*を発電駆動変換係数νで除算して最終的な発電トルク指令値Tg*を求め、このTg*を発電機4の制御(発電制御)に資するため、
制振FFフィルタ55が駆動トルク(推定値)Tm_estに施されて発電制御に供されるのに加えて、図7のブロック56〜58から成るフィードバック系(制振FBフィルタ)で求めた制振FBフィルタ処理後モータ駆動トルク(推定値)Tm_est_FB*も発電制御に供されることとなる。
このため第1実施例の発電制御によれば図12に示すごとく、本来制振のためにフィルタ処理すべき(発電トルクTg×発電機回転数ωg÷モータ回転速度ωm)に対し制振FFフィルタが施されることとなり、従来(特許文献2)のように(発電機回転数ωg÷モータ回転速度ωm)に対して制振フィルタ処理が施されないということがない。
よって図12の瞬時t1〜t2における駆動軸トルクTmおよびモータ回転速度ωmの経時変化から明らかなごとく、車輪駆動系の固有振動を全く誘起することなく、スムーズな加速が可能となる。
また、ダイレクト配電制御に際して要求される、発電電力を余すことなくモータ4の駆動で使い切るという機能は第1実施例でも、図10の従来(特許文献2)および図11の参考例と同様に得られ、バッテリ入出力電力を破線で示すごとく0kWに保って、低温時バッテリ保護機能は所望通りに得ることができる。
更に第1実施例では、外乱入力瞬時t3に、ステップ的に車輪駆動軸へ入力されたトルク外乱に対し、図7のブロック56〜58から成る制振FBフィルタ処理が施されることとなり、これにより得られた制振FBフィルタ処理後モータ駆動トルク(推定値)Tm_est_FB*をも発電制御に資することによって、トルク外乱に起因した固有振動成分を除去することができる。
このため、バッテリ入出力電力を瞬時t3以降も破線で示すごとく0kWに保って、低温時バッテリ保護機能はこれを所望通りに果たしつつ、外乱入力時の制振効果もこれを確実に発揮することができ、瞬時t3〜t4において駆動軸トルクTmおよびモータ回転速度ωmを図示のごとく振動成分が存在しないものとなし得る。
なお第1実施例においては図7につき前述した通り、フィルタ処理前発電トルク指令値Tg0*に発電駆動変換係数νを掛け合わせることにより、発電トルク指令値Tg0*に対応するモータ駆動トルク推定値Tm_estを求め、また、制振フィルタ処理後モータ駆動トルク(推定値)Tm_est*を発電駆動変換係数νで除算して最終的な発電トルク指令値Tg*を求めるため、発電駆動速度比γだけでなく発電駆動効率ηをも考慮した制御となって、以下の効果を得ることができる。
ダイレクト配電制御中に発電機2およびモータ4のトータル効率である発電駆動効率ηを考慮すると、駆動トルク指令値Tm*は以下のように考えることができる。
まず、発電トルクTgと発電機回転速度ωgより発電機機械出力Tg×ωgが得られ、インバータ等により電力に変換される際に発電機効率ηgが掛かるため、発電電力Pgは、Pg=Tg×ωg×ηgとなる。
次に、この発電電力Pgを余すことなくモータ4で消費することになるので、モータ電力PmはPm=Pgとなる。
モータ電力Pmからモータ効率ηmが掛かってモータ機械出力Pm'となり、モータ機械出力Pm'に対してモータ回転速度ωmで割ることで駆動トルク指令値Tm*が求まることになる。
すなわち、Tm*=Pg×ηm/ωm=Tg×ωg×ηg×ηm/ωm=Tg×(ωg/ωm)×(ηg×ηm)となる。
ここで、η=ηg×ηmとすれば、Tm*=Tg×γ×ηと表すことができる。
このため、発電駆動速度比γ(ωg/ωm)に加えて、発電機2およびモータ4のトータル効率η(ηg×ηm)を用いることで、より精度よくモータ駆動トルク推定値Tm_estを推定することができ、車輪駆動系の固有振動を確実に除去可能な発電トルク指令値Tg*を算出することができる。
ただし本実施例では、図7に示すように、フィルタ処理前発電トルク指令値Tg0*から、発電トルク指令値Tg0*に対応するモータ駆動トルク推定値Tm_estを求めるに際し、また制振フィルタ処理後モータ駆動トルク(推定値)Tm_est*から最終的な発電トルク指令値Tg*を求めるに際しそれぞれ、発電駆動変換係数νを用いているが、この発電駆動変換係数νに代えて発電駆動速度比γを用いてももい。
この場合、発電駆動効率ηが制御に反映されないこととなって、その分だけ制御精度の低下は否めないものの、発電駆動変換係数νを用いた場合と略同様な効果を以下のように得ることができる。
ダイレクト配電制御中は、発電電力を余すことなくモータ4で消費することを行うため、駆動トルク指令値Tm*は、発電電力Pgおよびモータ回転速度ωmからTm*=Pg/ωmとして算出される。
ここで、発電電力Pgは発電トルクTgと発電機回転速度ωgより、Pg=Tg×ωgと表すことができるため、最終的に駆動トルク指令値Tm*は、Tm*=Tg×ωg/ωmと表すことができる。
このため、発電駆動速度比γ(ωg/ωm)を用いることで、発電トルク指令値から精度よく駆動トルク推定値を推定することができ、この駆動トルク推定値に制振フィルタを施した上で発電トルク指令値に再度換算することにより、車輪駆動系の固有振動を確実に除去可能な発電トルク指令値を算出することができる。
<第2実施例の発電制御>
図13は、本発明の第2実施例になる発電制御装置を示す、図6と同様な機能別ブロック線図である。
本実施例においても、基本的な構成は図1〜9につき前述したと同様なものとし、図2のステップS23で行う発電機制御を、図6に代えて図13のブロック線図に示すごとくに行う点が異なるのみである。
従って、図13において、図6と同様に機能するブロックには同一符号を付して示した。
本実施例においては、図6における減算器42および制振フィルタ処理部48間におけるブロック43〜47を第1発電トルク指令値演算ブロック70に置換する。
ブロック70では、減算器42において求めた、発電機回転速度目標値ωg*と発電機回転速度計測値ωgとの間における発電機回転速度偏差Δωgに基づき、これに比例制御ゲインKpを乗じてΔωg=0にするための比例制御量(トルク値)を算出すると共に、発電機回転速度偏差偏差Δωgの積分値(Δωg/s)に積分制御ゲインKiを乗じてΔωg=0にするための積分制御量(トルク値)を算出し、これら比例制御量(トルク値)および積分制御量(トルク値)を合算して第1発電トルク指令値Tg1*を求める。
制振フィルタ処理部48は、車両(車輪駆動系)の固有振動成分を低減するための制振フィルタで、上記の第1発電トルク指令値Tg1*を当該制振フィルタに通して、車両(車輪駆動系)の固有振動成分が除去されたフィルタ処理後の最終的な発電トルク指令値Tg*を求める。
制振フィルタ処理部48は図7のブロック線図につき前述したと同様な構成になるものであるが、本実施例では図7に明記したとおり、フィルタ処理前発電トルク指令値Tg0*として第1発電トルク指令値Tg1*を乗算器54に入力し、ここで、フィルタ処理前発電トルク指令値Tg0*(Tg1*)と発電駆動変換係数ν(発電駆動速度比γ×発電駆動効率η)との乗算により、発電トルク指令値Tg0*(Tg1*)に対応するモータ駆動トルク推定値Tm_estを求める。
次に、このモータ駆動トルク推定値Tm_estに図7の制振FFフィルタ55を施して、車両(車輪駆動系)の固有振動成分が除去された制振FFフィルタ処理後モータ駆動トルク推定値Tm_est_FF*を算出し、これと、ブロック56〜58から成る制振FBフィルタで求めた制振FBフィルタ処理後モータ駆動トルク推定値Tm_est_FB*との和値である制振フィルタ処理後モータ駆動トルク推定値Tm_est*を、除算器53において発電駆動変換係数νで除算することにより、最終的な発電トルク指令値Tg*を算出して発電機2の制御に資する。
<第2実施例の効果>
上記した第2実施例の発電制御装置にあっても、発電トルクに対し制振フィルタを直接施すのではなく、発電トルク(推定値)Tg0*を一旦駆動トルク(推定値)Tm_estに換算し、この駆動トルク(推定値)Tm_estを制振FFフィルタ55により処理して制振FFフィルタ処理後モータ駆動トルク(推定値)Tm_est_FF*を求めると共に、ブロック56〜58により制振FBフィルタ処理後モータ駆動トルク(推定値)Tm_est_FB*を求め、これらを合算して得られた制振フィルタ処理後モータ駆動トルク(推定値)Tm_est*を発電駆動変換係数νで除算して最終的な発電トルク指令値Tg*を求め、このTg*を発電機4の制御(発電制御)に資するため、
制振FFフィルタ55が駆動トルク(推定値)Tm_estに施されて発電制御に供されるのに加えて、図7のブロック56〜58から成るフィードバック系(制振FBフィルタ)で求めた制振FBフィルタ処理後モータ駆動トルク(推定値)Tm_est_FB*も発電制御に供されることとなり、図12につき前述した第1実施例の発電制御と同様、同図の加速直後t1〜t2における駆動軸トルクTmおよびモータ回転速度ωmの経時変化から明らかなごとく、車輪駆動系の固有振動を全く誘起することなく、スムーズな加速が可能になると共に、同図の外乱入力直後t3〜t4における駆動軸トルクTmおよびモータ回転速度ωmの経時変化から明らかなごとく振動成分の発生を防止することができる。
<第3実施例の発電制御>
図14は、本発明の第3実施例になる発電制御装置を示す、図6と同様な機能別ブロック線図である。
本実施例においても、基本的な構成は図1〜9につき前述したと同様なものとし、図2のステップS23で行う発電機制御を、図6に代えて図14のブロック線図に示すごとくに行う点が異なるのみである。
従って、図14において、図6と同様に機能するブロックには同一符号を付して示した。
前記した第1,2実施例(図6,13)では、制振フィルタ処理部48による処理を、発電機回転速度偏差Δωgから求めた発電トルク指令値Tg0*(Tg1*またはTg2*)に対応する駆動トルク(推定値)Tm_estに対して施したが、本実施例は、制振フィルタ処理部48による処理をエンジントルク目標値TE0*に対して施すよう構成したものである。
このフィルタ処理は、図7における発電トルク指令値Tg0*(Tg1*またはTg2*)をエンジントルク目標値TE0*と読み替えて、第1,2実施例と同様に行うことができ、エンジントルク目標値TE0*を制振フィルタ処理部48によりフィルタ処理してエンジントルク指令値TE*となし、エンジンコントローラ11によるエンジン制御に資する。
そして、制振フィルタ処理部48による処理を必要としなくなった発電機回転速度目標値ωg*は、発電機回転速度制御部80に入力する。
この発電機回転速度制御部80は、図6のブロック42〜47によると同様な要領で第2発電トルク指令値Tg2*を求め、これをそのまま最終的な発電トルク指令値Tg*として発電機2の制御に資するか、
若しくは、図13のブロック42および70によると同様な要領で第1発電トルク指令値Tg1*を求め、これをそのまま最終的な発電トルク指令値Tg*として発電機2の制御に資するものとする。
<第3実施例の効果>
上記した第3実施例の発電制御装置にあっても、発電トルクに対し制振フィルタを直接施すのではなく、発電機2を駆動するエンジン1のトルク目標値TE0*に対して制振フィルタ処理部48による処理を施してエンジントルク指令値TE*となし、エンジン1の運転制御、つまり発電機4の制御(発電制御)に資するため、
図12につき前述した第1発明と同様な効果、つまり同図の加速直後t1〜t2における駆動軸トルクTmおよびモータ回転速度ωmの経時変化によって示すとおり、これら駆動軸トルクTmおよびモータ回転速度ωmから車輪駆動系の固有振動を除去することができ、スムーズな加速が可能であると共に、同図の外乱入力直後t3〜t4における駆動軸トルクTmおよびモータ回転速度ωmの経時変化から明らかなごとく振動成分の発生を防止することができる。
<第4実施例の発電制御>
図15は、本発明の第4実施例になる発電制御装置を示す、図6と同様な機能別ブロック線図である。
本実施例においても、基本的な構成は図1〜9につき前述したと同様なものとし、図2のステップS23で行う発電機制御を、図6に代えて図15のブロック線図に示すごとくに行う点が異なるのみである。
従って、図15において、図6と同様に機能するブロックには同一符号を付して示した。
本実施例においては、図6における減算器42の下流側を発電機回転速度制御部90と、第1制振フィルタ91と、第2制振フィルタ92と、加算器93とで置換する。
発電機回転速度制御部90では、減算器42からの発電機回転速度偏差Δωg(=発電機回転速度目標値ωg*−発電機回転速度計測値ωg)に基づき制御係数K'(s)を用いて第1発電トルク指令値Tg1*を求める。
なお発電機回転速度制御部90{制御係数K'(s)}としては、図6におけるブロック43〜47の制御系や、図13におけるブロック70の制御系と同様な制御系を用いる。
第1制振フィルタ91では、第1発電トルク指令値Tg1*に対し第1の制振フィルタ処理GV1(s)を施して、第2発電トルク指定値Tg2*を算出する。
なお第1の制振フィルタ処理GV1(s)は、式(17)により示した制振FFフィルタGFF(s)や、図7におけるブロック51〜55での処理と同様なものとする。
ここで、発電機回転速度制御部90の制御係数K'(s)と第1の制振フィルタGV1(s)を合わせたフィルタを、次式で表されるようにK(s)とする。
K(s)=GV1(s)・K'(s)
第2制振フィルタ92では、モータ回転速度ωmに対して第2の制振フィルタ処理GV2(s)を施して、第3発電トルク指定値Tg3*を算出する。
なお第2の制振フィルタGV2(s)、以下のように設定する。
発電機2で発生した電力を全てモータ4で消費するダイレクト配電が行われている場合、発電機回転速度ωgからモータトルクTmまでの特性は以下のように表せる。
Figure 2015074308
これらの式をまとめて、モータ回転速度ωmについ解くと、以下のような式で表すことができる。
Figure 2015074308
ここで、ωG:発電機回転速度、ωm:モータ回転速度、TG:発電機トルク、TE:エンジントルク、Tm:モータトルク、d:駆動トルク外乱である。
また、R(s)、T(s)、S(s)は、以下に示す伝達関数である。
Figure 2015074308
ここで、式(27)のωg*、TE、dに掛かる伝達関数が非振動系であれば、モータ回転速度ωmは非振動系となる。
非振動特性を示す伝達関数をGs(s)と置き、式(27)の外乱dに掛かる伝達関数がGs(s)になるように、GV2(s)を選ぶと、以下のようになる。
Figure 2015074308
式(27)・(31)を変形すると、以下となる。
Figure 2015074308
ここで、R(s)、T(s)は発電機2の回転速度制御応答特性を表すため回転速度制御係数K'(s)に依存する。
このため、R(s)、T(s)はK'(s)の特性により、非振動特性またはドライバが感知できない程の振動特性に収めることができ、式(32)は非振動系とすることができる。
加算器93では、第2発電トルク指定値Tg2*と第3発電トルク指定値Tg3*とを合算して、最終的に発電機2へ指令値する最終的な発電トルク指定値Tg*を算出する。
<第4実施例の効果>
上記した第4実施例の発電制御装置にあっても、発電トルクに対し制振フィルタを直接施すのではなく、発電機回転速度偏差Δωgをなくすための第1発電トルク指令値Tg1*に対し第1制振フィルタ処理GV1(s)を施して得られた第2発電トルク指令値Tg2 *と、モータ回転速度ωmに対し第2の制振フィルタ処理GV2(s)を施して得られた第3発電トルク指定値Tg3*との合算により最終的な発電トルク指令値Tg*を求め、このTg*を発電機4の制御(発電制御)に資するため、
図12につき前述した第1実施例の発電制御と同様、同図の加速直後t1〜t2における駆動軸トルクTmおよびモータ回転速度ωmの経時変化から明らかなごとく、車輪駆動系の固有振動を全く誘起することなく、スムーズな加速が可能になると共に、同図の外乱入力直後t3〜t4における駆動軸トルクTmおよびモータ回転速度ωmの経時変化から明らかなごとく振動成分の発生を防止することができる。
1 エンジン(機関)
2 発電機
3 発電装置
4 モータ(モータ)
5 終減速機
6L,6R 左右駆動輪
7 バッテリ
8 発電側インバータ
9 駆動側インバータ
10 システムコントローラ
11 エンジンコントローラ
12 発電機コントローラ
13 バッテリコントローラ
14 モータコントローラ
15 車速センサ
16 アクセル開度センサ
17 勾配センサ
31 モータ要求駆動トルク演算部
32 モータ要求出力演算部
33 モータ駆動損失演算部
34 加算器
41 エンジン運転点演算ブロック
42 減算器
43 第1発電トルク指令値演算部
44 減算器
45〜47 演算ブロック
48 制振フィルタ処理部
51,60 除算器
52〜54 乗算器
55 制振FFフィルタ
56〜58 制振FBフィルタ
59 加算器
61 モータ駆動損失演算部
62 減算器
63 除算器
70 第1発電トルク指令値演算ブロック
80 発電機回転速度制御部
90 発電機回転速度制御部
91 第1制振フィルタ
92 第2制振フィルタ
93 加算器

Claims (10)

  1. 機関により駆動される発電機からの電力をエネルギー源とするモータの駆動により走行可能な電動車両の発電制御装置において、
    前記機関および発電機から成る発電装置は、該機関が所定の運転効率で車両の要求駆動力を発生するよう運転された場合におけるトルク値に基づき制御するよう構成し、
    該トルク値を前記発電装置の制御に用いるに際し、車両の固有振動成分を低減する制振FFフィルタにより該トルク値をフィルタ処理して制振FFフィルタ処理後トルクを求めると共に、前記トルク値に基づいて求めた前記モータの回転速度推定値および実回転速度間におけるモータ回転速度偏差に、車両の固有振動成分を低減する制振FBフィルタによるフィルタ処理を施して制振FBフィルタ処理後トルクを求め、該制振FBフィルタ処理後トルクおよび前記制振FFフィルタ処理後トルクの和値を前記発電装置の制御に資するよう構成したことを特徴とする電動車両の発電制御装置。
  2. 請求項1に記載された、電動車両の発電制御装置において、
    前記機関が前記所定の運転効率で車両の要求駆動力を発生するよう運転された場合における前記発電装置のトルクおよび回転速度のうち、該発電装置の回転速度によって得られる車両の駆動トルクを推定し、この推定した車両駆動トルクを前記トルク値として用い、該推定した車両駆動トルクを前記制振FFフィルタ処理後に前記発電装置の制御に資するよう構成したことを特徴とする電動車両の発電制御装置。
  3. 請求項2に記載された、電動車両の発電制御装置において、
    前記車両駆動トルクの推定に際しては、前記発電機の回転速度ωgと前記モータの回転速度ωmとの速度比である発電駆動速度比γ、および、前記機関が前記所定の運転効率で車両の要求駆動力を発生するのに必要な機関回転速度に対応した前記発電装置の回転速度目標値を実現するための発電装置駆動トルク目標値Tg1*から、これら発電駆動速度比γおよび発電装置駆動トルク目標値Tg1*の乗算により車両駆動トルクの推定値を求めて前記モータ駆動トルクTm_estとし、
    該モータ駆動トルクTm_estを前記制振FFフィルタ処理して得られる制振FFフィルタ処理後モータ駆動トルクTm_est_FF*と前記制振FBフィルタ処理後モータ駆動トルクTm_est_FB*との和値Tm_est*を前記発電駆動速度比γにより除算した値で前記発電装置をトルク制御するよう構成したことを特徴とする電動車両の発電制御装置。
  4. 請求項3に記載された、電動車両の発電制御装置において、
    前記発電駆動速度比γに代え、該発電駆動速度比γに、前記発電機およびモータの効率ηg,ηmを乗算して得られる発電駆動変換係数νを用いるよう構成したことを特徴とする電動車両の発電制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載された、電動車両の発電制御装置において、
    前記モータ回転数推定値ωm_estは、前記モータ駆動トルクTm_estの前回値に車両モデルGp(s)を施して求めることを特徴とする電動車両の発電制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載された、電動車両の発電制御装置において、
    前記制振FBフィルタは、車両モデルGp(s)の逆系1/Gp(s)およびバンドパスフィルタ特性Hp(s)から成るHp(s)/ Gp(s)の伝達特性に前記モータの回転数推定値ωm_estおよび実回転速度ωm間におけるモータ回転速度偏差δωmを通すフィルタ処理により制振FBフィルタ処理後モータ駆動トルクTm_est_FB*を求めるものであり、
    前記バンドパスフィルタ特性Hp(s)の分母次数と分子次数との差分が、前記車両モデルGp(s)の分母次数と分子次数との差以上であることを特徴とする電動車両の発電制御装置。
  7. 請求項6に記載された、電動車両の発電制御装置において、
    前記バンドパスフィルタHp(s)は、車両の固有振動周波数を中心周波数とするバンドパスフィルタであることを特徴とする電動車両の発電制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載された、電動車両の発電制御装置において、
    前記モータ駆動トルクへの外乱から前記モータ回転回転速度への理想応答特性Gs(s)と、前記モータ駆動トルクの指令から前記モータ回転回転速度への応答特性Gp(s)と、発電機回転速度制御系へのトルク外乱から発電トルク指令までの閉ループ応答特性S(s)とを用いて、モータ回転速度から求めた発電トルク補正量だけ前記発電機への発電負荷を補正するよう構成したことを特徴とする電動車両の発電制御装置。
  9. 請求項8に記載された、電動車両の発電制御装置において、
    前記理想応答特性Gs(s) の逆系と、車両モデルGp(s) の逆系との差、および前記発電機回転速度制御系の閉ループ応答特性S(s) の逆系から成るフィルタ処理を前記モータ回転速度に施して前記発電トルク補正量を算出するよう構成したことを特徴とする電動車両の発電制御装置。
  10. 請求項1に記載された、電動車両の発電制御装置において、
    前記機関が前記所定の運転効率で車両の要求駆動力を発生するよう運転された場合における前記発電装置のトルクおよび回転速度のうち、該発電装置のトルクを前記トルク値として用い、該発電装置のトルクを前記制振FFフィルタ処理後に前記発電装置の制御に資するよう構成したことを特徴とする電動車両の発電制御装置。
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