JP2015074012A - 鋼板のレーザー溶接方法およびレーザー溶接装置 - Google Patents

鋼板のレーザー溶接方法およびレーザー溶接装置 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な生産性および溶接品質を有する鋼板のレーザー溶接方法およびレーザー溶接装置を提供する。
【解決手段】亜鉛メッキが少なくとも一方の面に施され、亜鉛メッキが施された一方の面同士が対向するように重ね合わされた少なくとも2枚の鋼板W,Wを2パスのレーザーの照射によって溶接する鋼板のレーザー溶接方法である。当該レーザー溶接方法において、1パス目のレーザー92は、ファイバーレーザーであり、ファイバーレーザーの照射によって、1パス目に鋼板板W,Wの板間に面する亜鉛メッキ75を除去する。
【選択図】図3

Description

本発明は、鋼板のレーザー溶接方法およびレーザー溶接装置に関する。
例えば、自動車のボデーは、防錆性能確保のため、亜鉛メッキ鋼板が使用されている。しかし、亜鉛メッキ鋼板に対してレーザー溶接を実施した場合、亜鉛メッキが気化して生成される亜鉛ガスにより溶接時の溶融金属が吹き飛ばされ、ブローホールやポロシティといった溶接欠陥が発生し、溶接強度の低下をまねく。
そのため、レーザーを照射して亜鉛メッキを除去した後、レーザーを再度照射して本溶接するレーザーの2度照射が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−162389号公報
しかし、亜鉛メッキを除去するための1パス目のレーザー照射によって、ブローホールやポロシティといった溶接欠陥が過剰に発生し、かつ溶融金属が過度に吹き飛ばされた場合、2パス目のレーザー照射によって、完全には溶接欠陥が消失せず、また、穴空きが戻らない虞がある。従って、2パス目のレーザー照射の際、焦点をずらしてレーザー照射スポットを拡大し、かつ溶接速度を低下させ、広範囲を溶融させて、金属量の減少分を補って溶接欠陥を消失させ、また、穴空きを戻す必要があり、その場合、溶接速度(生産性)が低下する懸念が存在する。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、良好な生産性および溶接品質を有する鋼板のレーザー溶接方法およびレーザー溶接装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一様相は、亜鉛メッキが少なくとも一方の面に施され、前記亜鉛メッキが施された一方の面同士が対向するように重ね合わされた少なくとも2枚の鋼板を2パスのレーザーの照射によって溶接する鋼板のレーザー溶接方法である。当該レーザー溶接方法は、1パス目のレーザーの照射によって、前記鋼板の板間に面する亜鉛メッキを除去しており、前記1パス目のレーザーは、ファイバーレーザーである。
上記目的を達成するための本発明の別の様相は、亜鉛メッキが少なくとも一方の面に施され、前記亜鉛メッキが施された前記一方の面同士が対向するように重ね合わされた少なくとも2枚の鋼板を2パスのレーザーの照射によって溶接する溶接手段を有する鋼板のレーザー溶接装置である。当該レーザー溶接装置の前記溶接手段は、1パス目のレーザーの照射によって、前記鋼板の板間に面する亜鉛メッキを除去しており、前記1パス目のレーザーは、ファイバーレーザーである。
である。
本発明によれば、ファイバーレーザーは、集光性が良好であるため、レーザー照射スポットを小さく絞り、パワー密度を高めることで、溶融幅が狭く、深い溶け込みを達成することが可能であり、亜鉛メッキを除去する際に生じる亜鉛ガスにより吹き飛ばされる溶融金属量が、劇的に抑制される。したがって、強度を得るための本溶接である2パス目のレーザーの照射の際、焦点位置をずらすことでレーザー照射スポットを拡大し、かつ溶接速度を低下せて広範囲を溶融させることが不要であり、溶接品質を維持しながら、溶接速度(生産性)の低下を抑制することができる。つまり、良好な生産性および溶接品質を有する鋼板のレーザー溶接方法およびレーザー溶接装置を提供することが可能である。
実施の形態1に係るレーザー溶接装置を説明するための概略図である。 実施の形態1に係るレーザー溶接方法を説明するためのフローチャートである。 図2に示される第1照射工程を説明するための断面図である。 第1照射工程におけるレーザー照射スポットの軌跡を説明するための平面図である。 図2に示される第2照射工程を説明するための断面図である。 第2照射工程におけるレーザー照射スポットの軌跡を説明するための平面図である。 比較例を説明するための断面図である。 実施の形態2を説明するための平面図である。 実施の形態3を説明するための平面図である。 実施の形態4を説明するための概略図である。 実施の形態4を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、実施の形態1に係るレーザー溶接装置を説明するための概略図である。
実施の形態1に係るレーザー溶接装置10は、2パスのレーザーの照射によって亜鉛メッキ鋼板W,Wを溶接するために使用され、ワーク保持部20、第1レーザー溶接部30、第2レーザー溶接部40および制御部50を有する。亜鉛メッキ鋼板W,Wは、例えば、自動車のボデーの重ね継手部を構成する。
ワーク保持部20は、クランプ機構22および駆動機構26を有する。クランプ機構22は、受け台23および押圧部24を有する。受け台23は、亜鉛メッキ鋼板W,Wを載置するために使用される。押圧部24は、受け台23に載置される亜鉛メッキ鋼板W,Wを押圧して固定する(クランプする)ために使用され、亜鉛メッキ鋼板W,Wと当接する一端25Aと、駆動機構26に連結される他端25Cと、一端25Aと他端25Cとの間に位置する軸支部25Bと、を有する。したがって、他端25Cが上下方向に移動(昇降)する場合、軸支部25Bを中心として押圧部24が回動し、一端25Aは、受け台23に向かって近接あるいは受け台23から離間することになる。なお、符号28は、ストッパーを示している。
駆動機構26は、押圧部24の他端25Cを上下方向に移動させて押圧部24を回動させるために使用され、押圧部24の他端25Cが連結されている連結部27を上下方向に移動させる昇降手段を有する。昇降手段は、例えば、連結部27が取り付けられたリニアステージと、連結部27の駆動源であるサーボモータと、を有する。
第1レーザー溶接部30は、1パス目のレーザーを照射するために使用され、第1照射部32、第1ロボットアーム34、光ファイバー36および本体部38を有する。1パス目のレーザーは、シングルモードファイバーレーザーである。
第1照射部32は、レーザーを照射するスキャナーヘッド33を有する。スキャナーヘッド33は、コリメータレンズ、ミラー、集光レンズ等が配置されている光学系を有しており、レーザーを走査可能に構成されている。
第1ロボットアーム34は、多軸式であり、その先端に第1照射部32が取り付けられており、例えば、教示作業によって与えられた動作経路のデータに従って、第1照射部32を所定位置(溶接位置)に位置決めし、溶接箇所に沿って移動させるために使用される。第1照射部32を移動させる手段は、第1ロボットアーム34を利用する形態に限定されない。
光ファイバー36は、レーザーの伝送路であり、本体部38から第1照射部32に向かって延長している。本体部38は、シングルモードファイバーレーザーを生成し、光ファイバー36を介して、第1照射部32に伝送するために使用され、ファイバーレーザー発振器を有する。
第2レーザー溶接部40は、2パス目のレーザーを照射するために使用され、第2照射部42、第2ロボットアーム44、光ファイバー46および本体部48を有する。2パス目のレーザーは、YAGレーザー(イットリウム・アルミニウム・ガーネットを用いた固体レーザー)である。第2レーザー溶接部40は、本体部48においてYAGレーザー発振器を有する点を除けば、第1レーザー溶接部30と略一致する構成を有するため、重複を避けるため、各部42,44,46,48の説明を省略する。
制御部50は、例えば、マイクロプロセッサ等から構成される制御回路を有し、ワーク保持部20、第1レーザー溶接部30および第2レーザー溶接部40と電気的に接続されており、ワーク保持部20、第1レーザー溶接部30および第2レーザー溶接部40を制御するために使用される。
レーザー溶接装置10においては、2パス目のレーザーは1パス目のレーザーと異なるため、2パス目のレーザーを照射するレーザー溶接部を適宜選択することが可能であり、選択の自由度に優れている。
第1レーザー溶接部30は、必要に応じて、マルチモードファイバーレーザーを適用することも可能である。第2レーザー溶接部40は、YAGレーザーを利用する形態に限定されず、例えば、ファイバーレーザーを適用することも可能である。
次に、実施の形態1に係るレーザー溶接方法を説明する。
図2は、実施の形態1に係るレーザー溶接方法を説明するためのフローチャートである。
実施の形態1に係るレーザー溶接方法は、図2に示されるように、クランプ工程、第1位置決め工程、第1照射工程、第2位置決め工程、第2照射工程およびクランプ解除工程を有する。
クランプ工程においては、亜鉛メッキ鋼板W,Wが、ワーク保持部20の受け台23に配置され、駆動機構26によって押圧部24が回動させられることによって、押圧部24の一端25Aが、受け台23に向かって近接し、亜鉛メッキ鋼板W,Wを押圧して固定する(クランプする)。亜鉛メッキ鋼板W,Wは、例えば、板厚が0.8mmであり、密着して重ねられる。
第1位置決め工程においては、第1ロボットアーム34が駆動され、その先端に取り付けられている第1照射部32が、所定位置(溶接位置)に位置決めされる。
第1照射工程においては、亜鉛メッキ鋼板W,Wに対して、1パス目のレーザー照射が実行され、亜鉛メッキ鋼板Wの表面に位置する亜鉛メッキおよび亜鉛メッキ鋼板W,Wの板間に面する亜鉛メッキが除去される。
1パス目のレーザーは、ファイバーレーザーであり、例えば、レーザー照射スポット径がφ10μm〜50μmである。ファイバーレーザーは、集光性が良好であるため、レーザー照射スポットを小さく絞り、パワー密度を高めることで、溶融幅が狭く、深い溶け込みを達成することが可能であり、亜鉛メッキを除去する際に生じる亜鉛ガスにより吹き飛ばされる溶融金属量が、劇的に抑制される。
なお、ファイバーレーザーは、シングルモードである。この場合、レーザーの断面強度分布がガウス分布であり、高密度に集光できるため、レーザー照射スポットを小さく絞り、パワー密度を高めることが容易である。
第2位置決め工程においては、第1ロボットアーム34が、第2ロボットアーム44の動作と干渉しない退避位置に移動すると、第2ロボットアーム44が駆動され、その先端に取り付けられている第2照射部42が、所定位置(溶接位置)に位置決めされる。
第2照射工程においては、2パス目のレーザー照射が実行され、強度を得るための本溶接が行われる。2パス目のレーザーは、YAGレーザーである。
第2照射工程に先行する第1照射工程において、上記のように、亜鉛メッキを除去する際に生じる亜鉛ガスにより吹き飛ばされる溶融金属量が、劇的に抑制されるため、強度を得るための本溶接である2パス目のレーザーの照射の際、焦点位置をずらすことでレーザー照射スポットを拡大しかつ溶接速度を低下せて広範囲を溶融させることが不要であり、溶接品質を維持しながら、溶接速度(生産性)の低下を抑制することができる。
クランプ解除工程においては、駆動機構26によって押圧部24が回動させられることによって、押圧部24の一端25Aが、受け台23から離間し、亜鉛メッキ鋼板W,Wの押圧(クランプ)が解除される。そして、溶接された亜鉛メッキ鋼板W,Wが取り出される。
次に、第1照射工程および第2照射工程を詳述する。
図3は、図2に示される第1照射工程を説明するための断面図、図4は第1照射工程におけるレーザー照射スポットの軌跡を説明するための平面図、図5は、図2に示される第2照射工程を説明するための断面図、図6は、第2照射工程におけるレーザー照射スポットの軌跡を説明するための平面図である。
第1照射工程においては、図3および図4に示されるように、亜鉛メッキ鋼板W,Wに対して、第1照射部32から1パス目のシングルモードファイバーレーザー92が照射される。
照射条件は、貫通溶接となるように設定されており、レーザー出力が500W、レーザー照射スポット径がφ30μm、溶接速度(第1照射部32の移動速度)が4m/minである。
レーザー照射スポットは鉄の融点以上に加熱されているため、レーザー照射スポットおよびその周辺の温度が上昇し、高温領域90(図4参照)が形成される。そして、亜鉛メッキ鋼板Wの鋼材70表面に位置する亜鉛メッキ75および亜鉛メッキ鋼板W,Wの板間に面する(鋼材70間に位置する)亜鉛メッキ75が気化して除去される。亜鉛メッキ75が気化してなる亜鉛ガスは、溶融金属を吹き飛ばし、例えば、ポロシティ85を発生させる。しかし、レーザーは、シングルモードファイバーレーザーであり、レーザー照射スポットが狭く、溶融金属量が劇的に少ないため、レーザー照射スポットの軌跡92に沿って形成される溶接ビード80の幅は0.3mm程度となり、溶接金属の飛散は少ない。
また、亜鉛メッキの除去領域を拡大し、2パス目の本溶接の品質を安定化させるため、レーザー照射スポットの軌跡92は、複数本の離間した直線(図4参照)を描くように制御される。実施の形態1においては、スキャナーヘッド33のレーザー走査角度を変化させながら、第1照射部32を溶接方向に移動させることを、3回繰り返すことによって、実施されているが、繰り返し回数は、3回に限定されない。また、亜鉛メッキ鋼板W,Wの板厚が厚くなると、溶接速度を落として入熱量を増やす必要があり、その場合、1パス目で除去しておく必要がある亜鉛メッキの領域が大きくなるが、そういう場合にも対応可能となる。
第2照射工程においては、図5に示されるように、亜鉛メッキ75が除去された亜鉛メッキ鋼板W,Wに対して、第2照射部42から2パス目のYAGレーザー94が照射される。レーザー照射スポットの軌跡94は、図6に示されるように、シングルモードファイバーレーザー92のレーザー照射スポットの3本の軌跡92における中央に位置するものと、重なるように制御される。照射条件は、貫通溶接となるように設定されており、例えば、レーザー出力が4000W、レーザー照射スポット径がφ600μm、溶接速度(第2照射部42の移動速度)が4m/minである。
この際、第1照射工程における溶融金属の減少が少ないので、第1照射工程において減少した金属を埋めるための対策が不要となる。したがって、レーザー照射スポットを拡大するために溶接速度を落とす等の対策を実施しなくとも、良好な溶接部が得ること可能である。
一方、図7に示される比較例においては、第1照射工程において、亜鉛メッキ鋼板W,Wに対して、シングルモードファイバーレーザーの代わりにYAGレーザーを照射した。照射条件は、貫通溶接となるように設定されており、レーザー出力が4000W、レーザー照射スポット径がφ600μm、溶接速度が4m/minである。この場合、実施の形態1(図3)と比べ、照射幅(レーザー照射スポット)が広く、溶融金属量が多いため、溶接金属の飛散は多く、材料が大幅に減少する結果となった。
第2照射工程において、第1照射工程において減少した金属を埋めて良好な溶接部を得るため、レーザー照射スポットを拡大し、速度を落とす等の対策が必要となる。そのため、照射条件として、レーザー出力を2000W、レーザー照射スポット径を1000μm、溶接速度を2m/minを適用した。その結果、部分的にポロシティ85が発生したが、比較的良好な溶接部が得られた。
つまり、比較例に係る第2照射工程の溶接速度は、2m/minであり、実施の形態1に係る第2照射工程の溶接速度は、4m/minであり、実施の形態1は、比較例に比べ、2倍の溶接速度(生産性)を達成することが可能であった。
以上のように、実施の形態1においては、1パス目のレーザーとして適用されるファイバーレーザーは、集光性が良好であるため、レーザー照射スポットを小さく絞り、パワー密度を高めることで、溶融幅が狭く、深い溶け込みを達成することが可能であり、亜鉛メッキを除去する際に生じる亜鉛ガスにより吹き飛ばされる溶融金属量が、劇的に抑制される。したがって、強度を得るための本溶接である2パス目のレーザーの照射の際、焦点位置をずらすことでレーザー照射スポットを拡大しかつ溶接速度を低下せて広範囲を溶融させることが不要であり、溶接品質を維持しながら、溶接速度(生産性)の低下を抑制することができる。つまり、良好な生産性および溶接品質を有する鋼板のレーザー溶接方法およびレーザー溶接装置を提供することが可能である。
ファイバーレーザーが、シングルモードである場合、レーザーの断面強度分布がガウス分布であり、高密度に集光できるため、1パス目のレーザー照射スポットを小さく絞り、パワー密度を高めることが容易である。
1パス目のレーザーを、レーザー照射スポットの軌跡が複数本の離間した直線を描くように照射する場合、亜鉛メッキが除去される領域を拡大することが可能である。
2パス目のレーザーは、1パス目のレーザーと異なるため、2パス目のレーザーを照射するレーザー溶接部を適宜選択することが可能であり、選択の自由度に優れている。
次に、実施の形態2および実施の形態3を説明する。
図8および図9は、実施の形態2および実施の形態3を説明するための平面図である。
第1照射工程における亜鉛メッキの除去領域の拡大は、レーザー照射スポットの軌跡を複数本の離間した直線を描くよう制御することで実施する形態に限定されない。
例えば、第1照射部32を溶接方向に移動させながら、スキャナーヘッド33からのレーザーが円を描くように走査することで、図8に示されるように、レーザー照射スポットの軌跡92が螺旋を描くように制御して、亜鉛メッキの除去領域を拡大することが可能である。また、第1照射部32を溶接方向に移動させながら、スキャナーヘッド33からのレーザーが溶接方向に直交する方向に往復運動するように走査することで、図9に示されるように、レーザー照射スポットの軌跡92がジグザクを描くように制御して、亜鉛メッキの除去領域を拡大することも可能である。
以上のように、実施の形態2および実施の形態3においては、1パス目のレーザー照射スポットの軌跡を、ジグザクあるいは螺旋を描くように制御することによって、亜鉛メッキが除去される領域が拡大される。
次に、実施の形態4を説明する。
図10および図11は、実施の形態4を説明するための概略図および断面図である。
第1レーザー溶接部30は、第1照射工程にのみ適用する形態に限定されず、第2照射工程にも適用し、2パス目のレーザー溶接部として使用することによって、図10に示されるように、第2レーザー溶接部40を省略することが可能である。この場合、第1レーザー溶接部30は、2パス目のレーザーを照射する際、焦点位置をずらすことによってレーザー照射スポットを増大させ得るように構成される。
例えば、第1照射工程において、1パス目のシングルモードファイバーレーザー92のレーザー照射スポット径をφ10μm〜50μmに設定し、第2照射工程において、2パス目のシングルモードファイバーレーザー94のレーザー照射スポット径がφ600μm程度になるように、レーザーの焦点位置を意図的にはずすことで、本溶接を実施することが可能である。
以上のように、実施の形態4においては、焦点位置をずらすことによってレーザー照射スポットを増大させ得るように第1レーザー溶接部が構成されており、1パス目と2パス目のレーザー溶接部が同一であるため、設備コストを削減することが可能である。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することができる。例えば、溶接される鋼板は、両面に亜鉛メッキが施された亜鉛メッキ鋼板に限定されず、一方の面のみに亜鉛メッキが施された鋼板も可能である。また、2枚に限定せず、3枚以上重ね合わせることも可能である。また、亜鉛メッキ鋼板は、密着して重ね合わせる形態に限定されず、例えば、必要に応じて、部品形状の工夫やエンボスを設定すること等により、亜鉛メッキ鋼板の板間に、亜鉛ガスを逃がすための隙間を空けることも可能である。
10 レーザー溶接装置、
20 ワーク保持部、
22 クランプ機構、
23 受け台、
24 押圧部、
25A 一端、
25B 軸支部、
25C 他端、
26 駆動機構、
27 連結部、
28 ストッパー、
30 第1レーザー溶接部、
32 第1照射部、
33 スキャナーヘッド、
34 第1ロボットアーム、
36 光ファイバー、
38 本体部、
40 第2レーザー溶接部、
42 第2照射部、
44 第2ロボットアーム、
46 光ファイバー、
48 本体部、
50 制御部、
70 鋼材、
75 亜鉛メッキ、
80 溶接ビード、
85 ポロシティ、
90 高温領域、
92 1パス目のレーザー、
92 軌跡、
94 2パス目のレーザー、
94 軌跡、
,W 亜鉛メッキ鋼板。

Claims (12)

  1. 亜鉛メッキが少なくとも一方の面に施され、前記亜鉛メッキが施された前記一方の面同士が対向するように重ね合わされた少なくとも2枚の鋼板を2パスのレーザーの照射によって溶接する鋼板のレーザー溶接方法であって、
    前記1パス目のレーザーは、ファイバーレーザーであり、前記ファイバーレーザーの照射によって、前記1パス目に前記鋼板の板間に面する亜鉛メッキを除去することを特徴とする鋼板のレーザー溶接方法。
  2. 前記ファイバーレーザーは、シングルモードであることを特徴とする請求項1に記載の鋼板のレーザー溶接方法。
  3. 前記1パス目のレーザーは、レーザー照射スポットの軌跡が複数本の離間した直線を描くように、照射されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鋼板のレーザー溶接方法。
  4. 前記1パス目のレーザーは、レーザー照射スポットの軌跡がジグザクあるいは螺旋を描くように、照射されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鋼板のレーザー溶接方法。
  5. 前記鋼板は、亜鉛メッキが両方の面に施された亜鉛メッキ鋼板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼板のレーザー溶接方法。
  6. 亜鉛メッキが少なくとも一方の面に施され、前記亜鉛メッキが施された前記一方の面同士が対向するように重ね合わされた少なくとも2枚の鋼板を2パスのレーザーの照射によって溶接する溶接手段を有し、
    前記溶接手段は、1パス目のレーザーの照射によって、前記鋼板の板間に面する亜鉛メッキを除去しており、
    前記1パス目のレーザーは、ファイバーレーザーであることを特徴とする鋼板のレーザー溶接装置。
  7. 前記ファイバーレーザーは、シングルモードであることを特徴とする請求項6に記載の鋼板のレーザー溶接装置。
  8. 前記溶接手段は、
    前記1パス目のレーザーを照射する第1レーザー照射手段と、
    前記第1レーザー照射手段と異なる、2パス目のレーザーを照射する第2レーザー照射手段と、を有することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の鋼板のレーザー溶接装置。
  9. 前記第1レーザー照射手段は、前記1パス目のレーザーを走査するスキャナーヘッドを有し、かつ、溶接方向に移動自在であり、
    前記スキャナーヘッドは、レーザー走査角度を変化可能であることを特徴とする請求項8に記載の鋼板のレーザー溶接装置。
  10. 前記第1レーザー照射手段は、前記1パス目のレーザーを走査するスキャナーヘッドを有し、かつ、溶接方向に移動自在であり、
    前記スキャナーヘッドは、円を描くように走査可能であることを特徴とする請求項8に記載の鋼板のレーザー溶接装置。
  11. 前記第1レーザー照射手段は、前記1パス目のレーザーを走査するスキャナーヘッドを有し、かつ、溶接方向に移動自在であり、
    前記スキャナーヘッドは、溶接方向に直交する方向に往復運動するように走査可能であることを特徴とする請求項8に記載の鋼板のレーザー溶接装置。
  12. 前記鋼板は、亜鉛メッキが両方の面に施された亜鉛メッキ鋼板であることを特徴とする請求項6〜11のいずれか1項に記載の鋼板のレーザー溶接装置。
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