JP7482502B2 - めっき鋼板の溶接装置及びめっき鋼板の溶接方法 - Google Patents

めっき鋼板の溶接装置及びめっき鋼板の溶接方法 Download PDF

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本発明は、めっき鋼板の溶接装置及びめっき鋼板の溶接方法に関し、特に、溶接箇所の気泡を少なくするめっき鋼板の溶接装置及びめっき鋼板の溶接方法に関する。
めっき鋼板は主に鋼板の表面に亜鉛のめっき層が形成されている。この場合、鋼板の鉄とめっき層の亜鉛との間では金属の融点が異なる。例えば、亜鉛めっき鋼板に対してレーザ等を用いて鋼板同士の溶接を行った場合、鋼板の溶融時にめっき層の亜鉛が先に気化する。気化した亜鉛蒸気が溶融池(溶融金属溜まり、溶融金属プール)の融液をスパッタとして吹き飛ばして凹凸の表面となることが多い。また、溶融部内に亜鉛蒸気が残ったままの状態で溶融部が凝固し、溶接部内に気泡(ブローホール)が形成される可能性がある。
この問題への対処として、例えば、次の手法が行われていた。(1)めっき鋼板同士の間に他の薄い板を挟み込み、所定の隙間が形成されて蒸発により発生した蒸気の逃げ道が作られる。(2)溶融部の周囲に対して出力を弱めたレーザ等の熱源を照射し鋼板自体は溶融させずにめっきの金属を予め蒸発させて除去し、めっき金属の除去後にレーザ溶接が行われる。(3)レーザ溶接後に再度同一箇所に対してレーザ溶接が行われる。
これらの方法であっても、次の問題点が解消できなかった。(1)溶接の対象物の形状は複雑であることが多く、容易に所定の間隔を形成することが困難である。(2)溶接対象のめっき鋼板の板厚、めっき層の厚さにばらつきがあり、加熱条件の正確な制御が困難である。(3)スパッタが生じること自体は変わらず、喪失した金属の体積分の溶接箇所が薄くなる。
このような経緯から、めっき鋼板の溶接に際して種々の改良方法が提案されてきた(特許文献1、2、3参照)。しかしながら、提案の溶接方法であっても、レーザ照射の出力、動きが複雑であったり、スパッタ量の抑制が困難であったりする。そのため、現状、めっき鋼板同士の溶接に際して満足のできる溶接方法は見いだされておらず、新たな溶接方法が模索されていた。
特開平10-71480号公報 特開2009-50894号公報 特開2012-115876号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、溶接対象のめっき鋼板に特段の前加工を必要とせず、加熱条件の操作が容易であり、気泡、スパッタの発生を抑制することができるめっき鋼板の溶接装置及びめっき鋼板の溶接方法を提供する。
すなわち、第1めっき鋼板と第2めっき鋼板を重ね合わせて生じる第1めっき鋼板と第2めっき鋼板との重ね合わせ部位において第1めっき鋼板と第2めっき鋼板とを溶接するめっき鋼板の溶接方法であって、重ね合わせ部位において第1めっき鋼板の外表面から第1めっき鋼板の厚さ方向に向けて第1めっき鋼板を加熱溶融して重ね合わせ部位に第1めっき鋼板の溶融金属プールを形成する第1加熱工程と、重ね合わせ部位に形成された溶融金属プールとともに第1めっき鋼板の外表面から第2めっき鋼板を加熱溶融して溶融した第2めっき鋼板と溶融金属プールと接続する第2加熱工程と、を備えることを特徴とする。
さらに、第1加熱工程における溶融金属プールの形成に際し、加熱溶融は第1めっき鋼板の厚さ方向に貫通しない出力で行われることを特徴とする。
さらに、第1加熱工程及び第2加熱工程における溶融加熱がレーザ光照射加熱であることを特徴とする。
さらに、第1加熱工程における溶融金属プールの形成に際し、重ね合わせ部位の直上の第1めっき鋼板の外表面において所定の軌跡を描画しながら第1めっき鋼板を加熱溶融することを特徴とする。
さらに、第2加熱工程における第2めっき鋼板に対する加熱溶融は、溶融金属プールよりも少ない面積の領域であることを特徴とする。
さらに、第2加熱工程の後、第1めっき鋼板の外表面から溶融金属プールとともに第2めっき鋼板を加熱し第2めっき鋼板の外表面を溶融加熱する第3加熱工程が備えられることを特徴とする。
さらに、第3加熱工程における溶融加熱がレーザ光照射加熱であることを特徴とする。
第1めっき鋼板と第2めっき鋼板を重ね合わせて生じる第1めっき鋼板と第2めっき鋼板との重ね合わせ部位において第1めっき鋼板と第2めっき鋼板とを溶接するめっき鋼板の溶接装置であって、重ね合わせ部位において第1めっき鋼板の外表面から第1めっき鋼板の厚さ方向に向けて第1めっき鋼板を加熱溶融して重ね合わせ部位に第1めっき鋼板の溶融金属プールを形成する第1加熱装置と、重ね合わせ部位に形成された溶融金属プールとともに第1めっき鋼板の外表面から第2めっき鋼板を加熱溶融して溶融した第2めっき鋼板と溶融金属プールと接続する第2加熱装置と、を備えることを特徴とする。
さらに、第1加熱装置及び第2加熱装置がレーザ光照射装置であることを特徴とする。
さらに、第1めっき鋼板の外表面から溶融金属プールとともに第2めっき鋼板を加熱し第2めっき鋼板の外表面を溶融加熱する第3加熱装置が備えられることを特徴とする。
さらに、第3加熱装置がレーザ光照射装置であることを特徴とする。
本発明のめっき鋼板の溶接方法は、第1めっき鋼板と第2めっき鋼板との重ね合わせ部位において第1めっき鋼板の外表面から第1めっき鋼板の厚さ方向に向けて第1めっき鋼板を加熱溶融して重ね合わせ部位に第1めっき鋼板の溶融金属プールを形成する第1加熱工程と、重ね合わせ部位に形成された溶融金属プールとともに第1めっき鋼板の外表面から第2めっき鋼板を加熱溶融して溶融した第2めっき鋼板と溶融金属プールと接続する第2加熱工程とを備えるため、溶接対象のめっき鋼板に特段の前加工を必要とせず、加熱条件の操作が容易であり、気泡、スパッタの発生を抑制することができる。また、めっき鋼板の溶接装置においても同様の効果を得ることができる。
めっき鋼板の溶接装置の主要部分を示す概略図である。 第1加熱工程を示す断面模式図であり、(a)第1加熱工程の開始時点、(b)溶融時点、(c)溶融金属プールの拡大時点、(d)溶融金属プール形成及びめっき層の溶融・蒸発時点である。 第1加熱工程を示す平面模式図であり、(a)らせん図形の軌跡、(b)ジグザグ図形の軌跡である。 第2加熱工程を示す断面模式図であり、(a)第2加熱工程の開始時点、(b)第2めっき鋼板の途中位置までの溶融時点、(c)溶接終了後である。 第2加熱工程及び第3加熱工程を示す断面模式図であり、(a)第2加熱工程の開始時点、(b)第2めっき鋼板の途中位置までの溶融時点、(c)第2めっき鋼板の貫通溶融時点、(d)溶接終了後である。 第2加熱工程を示す平面模式図であり、(a)らせん図形の場合の加熱、(b)ジグザグ図形の場合の加熱の状態である。 めっき鋼板の溶接方法を示す第1フローチャートである。 めっき鋼板の溶接方法を示す第2フローチャートである。 溶接試験Iのテストピースの溶接中の写真であり、(a)溶融金属プール形成時、(b)溶融時、(c)蒸気除去時の写真である。 溶接試験Iのテストピースのめっき鋼板の溶接後の写真であり、(a)第1めっき鋼板の外表面、(b)重ね合わせ部位、(c)第2めっき鋼板の重ね合わせ部位の写真である。 第3加熱工程を含めたテストピースの溶接中の写真であり、(a)溶融金属プール形成時、(b)溶融時、(c)蒸気除去時、(d)第2めっき鋼板の貫通溶融時の写真である。 溶接試験IIのテストピースの溶接中の写真であり、(a)溶融金属プール形成時、(b)溶融時の写真である。 溶接試験IIのテストピースのめっき鋼板の溶接後の写真であり、(a)第1めっき鋼板の外表面、(b)第1めっき鋼板の重ね合わせ部位、(c)第2めっき鋼板の重ね合わせ部位、(d)第2めっき鋼板の外表面の写真である。
実施形態のめっき鋼板の溶接装置1の構成は図1の模式図として表される。めっき鋼板の溶接装置1は、複数のめっき鋼板を溶接する装置である。めっき鋼板同士の区別のため、便宜上、2枚のめっき鋼板は第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20として示される。めっき鋼板の溶接装置1は、第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20を重ね合わせて生じる第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20との重ね合わせ部位8において、第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20を溶接する。
第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20は順に重ね合わせられ、載置台6の上の所定位置に載置される。実施形態の載置台6は台座7の上の移動可能とされる。第1めっき鋼板10の直上に加熱装置4(後述)が設置される。加熱装置4及び台座7は制御部5(コンピュータ)と接続され、制御部5により、加熱条件、加熱装置4及び載置台6の移動等が制御される。実施形態のめっき鋼板の溶接装置1では、加熱装置4は第1加熱装置、第2加熱装置、及び第3加熱装置を1台の装置により兼用する共通の構成であり、加熱装置4はレーザ光Lを照射するレーザ光照射装置である。なお、第1加熱装置については、レーザ光照射装置の他にTIGアーク等の装置が使用されても良い。
これより、めっき鋼板の溶接装置1を例にめっき鋼板の溶接方法について図2の断面模式図、図3の平面模式図を用い説明する。図2では第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20は拡大断面として示される。第1めっき鋼板10はめっき層11と鋼板層12から形成される。第2めっき鋼板20も同様にめっき層21と鋼板層22から形成される。そこで、第1めっき鋼板10のめっき層11と第2めっき鋼板20のめっき層21が対向する配置である。相互に重なり合った部分が重ね合わせ部位8である。第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20は互いに厚さ、組成において同質である。第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20は、主に亜鉛めっきの鋼板である。その他、アルミニウムめっきの鋼板、ガルバリウム鋼板等としても良い。図示は、片面のみのめっき層の表示である。むろん、両面にもめっき層は形成される。
第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20を重ね合わせて生じる第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20との重ね合わせ部位8において、第1めっき鋼板10の外表面19から第1めっき鋼板10の厚さ方向に向けて第1めっき鋼板10は加熱溶融される。第1めっき鋼板10の外表面に対する加熱は、鋼板の金属である鉄の融点が確保できる手段であれば、レーザ光照射による加熱方法に限定されない。例えば、アーク溶接の一種であるTIGアーク、高周波誘導加熱が挙げられる。実施形態はレーザ光照射加熱の装置を採用する。レーザ光照射の場合、照射位置の制御が容易であり、処理速度が速い。以降、第1めっき鋼板10の外表面に対する加熱はレーザ光照射加熱であるとして図示し説明をする。
図2(a)はレーザ光Lの照射の開始時点であり、第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20を重ね合わせて生じる第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20との所定の重ね合わせ部位8にレーザ光照射の照準が合わせられる。図2(b)はレーザ光Lの照射が始まり、第1めっき鋼板10の外表面側から徐々に鋼板層12が溶融し、溶融部30が生じる。
図2(c)では、レーザ光Lの照射位置が図2(a)、(b)と順に走査(移動)され、第1めっき鋼板10の外表面19側の溶融部30が広がっている。そして、図2(d)では、レーザ光Lの照射位置がさらに走査されて第1めっき鋼板10の外表面側の溶融部30が広がり、溶融金属が外表面19に生じた窪み部位に溜まり同窪み部位に溶融金属プール31が形成された状態である。図2(a)ないし(d)の第1めっき鋼板10の外表面に対する加熱を経て溶融金属プール31が形成される(「第1加熱工程」)。
第1加熱工程における溶融金属プール31の形成に際して、第1めっき鋼板10の外表面19側から供給される加熱は、第1めっき鋼板10の厚さ(肉厚)方向に貫通しない出力に制御される。第1加熱工程の加熱では、第2めっき鋼板20は溶融されず、第1めっき鋼板10内に溶融は留められる。レーザ光照射加熱では、加熱装置4(レーザ光照射装置)から照射されるレーザ光は制御部5により次述の第2加熱工程よりも抑制される。
第1加熱工程における溶融金属プール31の形成に際し、レーザ光は図3の平面模式図のように走査(移動)され、レーザ光は重ね合わせ部位8の(図2参照)の直上の第1めっき鋼板10の外表面19に所定の軌跡を描画する。この結果、レーザ光の熱量により第1めっき鋼板10の鋼板層12の金属は所定の面積にわたり溶融する。
図3は第1加熱工程におけるレーザ光照射装置から照射されるレーザ光の照射の軌跡(第1軌跡)の模式図である。図3(a)のレーザ光の照射の軌跡(第1軌跡)は、円をずらしながら一筆書きで進むらせん図形(第1軌跡41)である。当該軌跡の場合、第1めっき鋼板10の外表面19の加熱対象部分をまんべんなく加熱溶融可能となる。当該レーザ光Lの照射の軌跡により、溶融金属プール31が形成される。図3(b)のレーザ光の照射の軌跡(第1軌跡)は、短い直線が鋭角に折れ曲がりながら進むらジグザグ図形(第1軌跡42)である。当該軌跡の場合、直線上であるため、レーザ光の照射装置の設定は容易である。当該レーザ光Lの照射の軌跡により、溶融金属プール31が形成される。
むろん、図示のレーザ光の描画の軌跡は例示であり、図示以外の多様な図形の軌跡が描画される。めっき鋼板同士の溶接箇所は、抵抗溶接等のスポット(点)状ではなく線分状である。そこで、溶接箇所に対応させる大きさの溶融金属プールを得るため、レーザ光の描画の軌跡が規定される。なお、第1めっき鋼板10の厚さ(肉厚)方向に貫通させずに溶融金属プールを形成するためであれば、レーザ光照射加熱に代えて高周波誘導加熱の装置(図示せず)が用いられても良い。
第1加熱工程に続いて、重ね合わせ部位8の直上に形成された溶融金属プール31とともに、第1めっき鋼板10の外表面19側から第2めっき鋼板20は溶融加熱される。そして、溶融された第2めっき鋼板20と溶融金属プール31が接続される(「第2加熱工程」)。第2加熱工程の状況について図4の断面模式図を用いて説明する。
図4(a)では、加熱装置4が出力を上げてレーザ光Lが溶融金属プール31を貫通してその底面32の鋼板層12の金属の溶融が進む。この時点のレーザ光Lの照射による加熱部位は溶融金属プール31の底面32全体ではなく、溶接のため底面32の一部分である。図4(b)では、第1めっき鋼板10のめっき層11及び第2めっき鋼板20のめっき層21がともにレーザ光Lの照射を受けて、両めっき層11,21が溶解、蒸発している状態である。亜鉛等のめっき層の金属は鋼板層12,22よりも低融点であるため、鋼板層12,22の加熱条件では、めっき層の金属は溶融して蒸発する。このとき、めっき層の金属の蒸発により生じた蒸気(ガス)は溶融金属プール31を通過して同溶融金属プール31の表面から拡散する。従って、金属蒸気の溶接部位における残留は少なくなる。
図4(b)では、レーザ光Lの照射の深さは、第2めっき鋼板20の鋼板層22の厚さ方向の途中位置までである。図4(c)は溶接終了後の状態を示し(図4(b)の照射に基づく。)、第1めっき鋼板10の鋼板層12及び第2めっき鋼板20の鋼板層22の金属が冷却して、第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20が重ね合わせ部位8にて固着している。こうして、第2加熱工程は終了し、第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20の溶接は完了する。なお、溶融金属プール31等の溶融部位が冷却される際には、必要に応じて溶融金属プール31に振動、攪拌が加えられる。そこで、レーザ光の走査により生じた溝は閉じやすくなる。
実施形態の溶接方法にあっては、第2加熱工程の後、第1めっき鋼板10の外表面19から溶融金属プール31とともに第2めっき鋼板20を加熱し同第2めっき鋼板20の外表面にまで到達する溶融加熱が「第3加熱工程」として加えられてもよい。当該第3加熱工程は、第2加熱工程と同様にレーザ光の照射加熱である。第3加熱工程が含まれる溶接の状況について図5の断面模式図を用いて説明する。
図5(a)では、加熱装置4が出力を上げてレーザ光Lが溶融金属プール31を貫通してその底面32の鋼板層12の金属の溶融が進む。この時点のレーザ光Lの照射による加熱部位は溶融金属プール31の底面32全体ではなく、溶接のため底面32の一部分である。図5(b)では、第1めっき鋼板10のめっき層11及び第2めっき鋼板20のめっき層21がともにレーザ光Lの照射を受けて、両めっき層11,21が溶解、蒸発している状態である。亜鉛等のめっき層の金属は鋼板層12,22よりも低融点であるため、鋼板層12,22の加熱条件では、めっき層の金属は溶融して蒸発する。このとき、めっき層の金属の蒸発により生じた蒸気(ガス)は溶融金属プール31を通過して同溶融金属プール31の表面から拡散する。従って、金属蒸気の溶接部位における残留は少なくなる。
図5(c)では、レーザ光Lは第2めっき鋼板20の鋼板層22を全て貫通する照射であり、第2めっき鋼板20の外表面29まで突き抜けて鋼板層22の金属は溶融される。いずれにおいても、溶融した鋼板層12,22の金属同士は融合し合い、第2めっき鋼板20の溶融金属と溶融金属プール31は接続される。図5(d)は溶接終了後の状態を示し(図5(c)の照射に基づく。)、第1めっき鋼板10の鋼板層12及び第2めっき鋼板20の鋼板層22の金属が冷却して、第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20が重ね合わせ部位8にて固着している。こうして、第3加熱工程は終了し、第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20の溶接は完了する。なお、第3加熱工程が加えられる場合であっても、溶融金属プール31等の溶融部位が冷却される際には、必要に応じて溶融金属プール31に振動、攪拌が加えられる。そこで、レーザ光の走査により生じた溝は閉じやすくなる。
図4及び図5の図示及び説明から理解されるように、実施形態の方法においては溶融金属プール31が形成される。この溶融金属プール31の表面には溶融金属の表面張力が作用する。そのため、めっき層の金属の蒸発により生じた蒸気(ガス)が溶融金属プール31の表面に向けて上昇しても、溶融金属プール31の表面からの溶融金属の吹き飛び(スパッタ)は抑制される。結果として、良好な溶接箇所の形成が実現する。
図6は第2加熱工程におけるレーザ光照射装置から照射されるレーザ光の照射の軌跡(第2軌跡)の模式図である。図6(a)では、レーザ光は、第1加熱工程のらせん図形(第1軌跡41)のレーザ光照射により形成された溶融金属プール31の中央部分に向けて同溶融金属プール31を貫通して照射される。図示は連続した棒状軌跡(斜線部分の第2軌跡43)である。図6(b)では、レーザ光は、第1加熱工程のジグザグ図形(第1軌跡42)のレーザ光照射により形成された溶融金属プール31の中央部分に向けて同溶融金属プール31を貫通して照射される。図示も連続した棒状軌跡(斜線部分の第2軌跡44)である。従って、溝状に第2めっき鋼板20の鋼板層22は溶融され溶接される。レーザ光照射の第2軌跡は、3m/分ないし5m/分の速度により形成される。なお、連続した棒状軌跡の他に、断続的な線分状等の適宜である。
図4(b)及び図5(b)、(c)の図示のとおり、第2加熱工程の第2めっき鋼板20に対する加熱溶融は、溶融金属プール31よりも少ない面積の領域に対して行われる。第2加熱工程の加熱溶融は、溶接に必要な強度を得るための第2めっき鋼板20の溶融であり、しかも、レーザ光Lを深く照射する必要がある。従って、レーザ光照射装置の照射時の出力も考慮され、溶融金属プール31の面積よりも狭くなる。また、レーザ光Lの照射領域が広くなると、溶融金属プール31からの溶融金属の蒸発量も増してしまう。
第2加熱工程の第1めっき鋼板10と第2めっき鋼板20への加熱に際しては、深く狭く加熱して溶融金属プール31を貫通させる必要がある。そのため、当該加熱には収束性の点からレーザ光照射装置から照射されるレーザ光が用いられる。レーザの種類は、公知の溶接加工用のファイバレーザ、ディスクレーザ等であり、半導体レーザ、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ等であってもよい。加えて、めっき鋼板の加熱装置について、第1加熱工程及び第2加熱工程をともにレーザ光照射装置によるレーザ光照射加熱とすることにより、装置の兼用が可能となり装置の設置場所が少なくてすむ。第3加熱工程も、溶融金属プール及び第2めっき鋼板20を貫通する加熱であるため、第2加熱工程と同様にレーザ光による加熱が使用される。なお、溶接加工の連続性の観点を重視すると、第1加熱工程のみに高周波誘導加熱を用いてもよい。
また、レーザ光照射の制御に際しては、図1の加熱装置4(レーザ光照射装置)内に実装されるガルバノスキャナ(図示せず)が好例である。同ガルバノスキャナのミラーの位置または角度の制御により、第1加熱工程における第1軌跡の描画及び第2加熱工程における第2軌跡の描画、さらには第3加熱工程の軌跡の描画(図示せず)が簡便かつ容易となる。なお、加熱装置4(レーザ光照射装置)自体を適宜移動させたり、載置台6側を適宜移動させたりしてもよい。
これまでの図示及び説明のとおり、実施形態のめっき鋼板の溶接方法、溶接装置にあっては、溶接のための重ね合わせ部位に別途の部材を介在させること無く、直接めっき鋼板同士が重ね合わせられる。そのため、間隔形成の手間が不要となる。また、第1加熱工程及び第2加熱工程の加熱条件(レーザ光照射の条件)の調整と制御は簡便である。それゆえ、めっき鋼板同士の溶接時間の短縮も可能である。加えて、めっき層の金属の蒸発の回避は不可能としても、溶融金属プールの形成に伴う表面張力により、鋼板自体の溶融金属が吹き飛ぶ(飛散)ことは抑制される。従って、スパッタによる溶接箇所の体積減少に起因した溶接箇所が薄肉となる問題へ対処可能である。
図7の第1フローチャートは、めっき鋼板の溶接装置1における加熱装置4に対する制御部5の主要な制御の流れを示す。当該制御部5は、第1加熱工程(S110)、第2加熱工程(S120)の順に実行する。
第1加熱工程(S110)では、重ね合わせ部位8において第1めっき鋼板10の外表面19から第1めっき鋼板10の厚さ方向に向けて第1めっき鋼板は加熱溶融する。そして重ね合わせ部位8の直上の外表面19に第1めっき鋼板10の溶融金属プール31が形成される。第1加熱工程(S110)の加熱は、前出の図2、図3のとおり、第1めっき鋼板10の外表面19への描画を通じての鋼板層12の溶融に留めた出力として制御部5により照射の出力が制御される。また、制御部5は、図形描画のための、例えば、ガルバノスキャナのミラーの位置または角度を制御する。
第2加熱工程(S120)では、重ね合わせ部位8に形成された溶融金属プール31とともに第1めっき鋼板10の外表面19から第2めっき鋼板20が加熱溶融される。そして、溶融した第2めっき鋼板20の溶融金属と溶融金属プール31は接続する。第2加熱工程(S120)の加熱では、前出の図4、図5のとおり、制御部5は、レーザ光Lを、溶融金属プール31の中を貫通させて第2めっき鋼板20側まで到達させる出力、収束域として照射の出力を制御する。また、制御部5は、レーザ光Lの照射位置の走査(移動)を制御する。
図8の第2フローチャートも、めっき鋼板の溶接装置1における加熱装置4に対する制御部5の主要な制御の流れを示す。当該制御部5は、第1加熱工程(S110)、第2加熱工程(S120)、第3加熱工程(S130)の順に実行する。第1加熱工程(S110)及び第2加熱工程(S120)は図7の第1フローチャートの説明と同様である。第3加熱工程(S130)では、第2加熱工程の後、さらに、第1めっき鋼板10の外表面19から溶融金属プール31とともに第2めっき鋼板20を加熱して同第2めっき鋼板20を貫通してその外表面29に至るまで溶融加熱される。
[溶接試験I]
発明者は、実施形態のめっき鋼板の溶接方法の有効性を検証するべく、以下の装置、テストピースを用い、レーザ照射の条件によりめっき鋼板の「溶接試験I」を実施した。
<試験装置>
・レーザ発信器…TRUMPF社製,TruDisk6001
・加工ヘッド…TRUMPF社製,PFO3D
・ロボット…株式会社安川電機製,MOTOMAN-MC2000
・ハイスピードカメラ…株式会社ナックイメージテクノロジー製,
MEMRECAM Q1v
<テストピース>
・溶融亜鉛めっき鋼板…SCGA270-45/45(JIS規格:SGCC-F)
・板厚…0.7mm
・めっき目付量…表裏 45g/m
板組…2枚重ね
<レーザ光照射の加工条件>
・めっきの除去
レーザ出力…6000W
レーザ速度(図形を描画する際のレーザ光の移動速度)…1000mm/sec
移動速度(レーザ溶接部位を進行する速度)…50mm/sec
・溶接
レーザ出力…2000W
移動速度(レーザ溶接部位を進行する速度)…50mm/sec
2枚のめっき鋼板(第2めっき鋼板の上に第1めっき鋼板)を重ね、前出の装置、加工の条件に基づいてレーザ光を照射した。図7の写真はレーザ光の照射による加熱中を示す。図9(a)はレーザ光を照射して溶融金属プールを形成している状態を示す。レーザ光の照射は図3(a)のらせん図形として、照射照準を制御した(第1加熱工程に相当)。図9(b)はさらに2枚のめっき鋼板の鋼板層の溶融を進めた状態を示す。レーザ光を溶融金属プールの中央部分に向けて照射している。
図9(c)はめっき層の金属蒸気が溶融金属プールから外部に出ている状態である(第2加熱工程に相当)。なお、溶融金属プールの周囲への金属の飛散(スパッタ)はほとんど生じていないことがわかる。第2加熱工程におけるレーザ光の照射は、図9(b)、及び(c)から理解されるように、溶融金属プールの中央部分に絞られ、溶融金属プールよりも少ない面積となる。図9の溶接を終えた2枚のめっき鋼板について自然冷却した。
図10は冷却後の溶接部位の写真である。図10(a)は第1めっき鋼板(レーザ光を照射した側)の外表面である。表面の細かな鎖状の凹凸は溶融金属プールが冷却した痕である。図10(b)は溶接後の2枚のめっき鋼板を引き剥がし、溶融金属プールが形成された上側のめっき鋼板の重ね合わせ部位の写真であり、図10(c)は下側のめっき鋼板の重ね合わせ部位の写真である。双方の写真からわかるように、重ね合わせ部位において2枚のめっき鋼板は溶接により良好に接合している。
[溶接試験Iの結果]
溶接試験Iの図9及び図10の写真による検証から、めっき鋼板の溶接は良好に仕上がった。また、めっき層の金属(亜鉛)の蒸気の排気も良好でありスパッタも少ない。従って、溶接部位の強度確保に都合よい。しかも、実施例のようにレーザ光照射を用いるため、溶接部位の走査と金属溶融は迅速に進む。従って、生産効率面からも好例である。
溶接試験Iの結果を踏まえ、さらに、第3加熱工程によるレーザ光の照射を含めた溶接を実施した。第3加熱工程のレーザ光の照射条件は第2加熱工程に準じた条件とした。図11(a)はレーザ光を照射して溶融金属プールを形成している状態を示す。レーザ光の照射は図3(a)のらせん図形として、照射照準を制御した(第1加熱工程に相当)。図11(b)はさらに2枚のめっき鋼板の鋼板層の溶融を進めた状態を示す。レーザ光を溶融金属プールの中央部分に向けて照射している。
図11(c)はめっき層の金属蒸気が溶融金属プールから外部に出ている状態である(第2加熱工程に相当)。なお、溶融金属プールの周囲への金属の飛散(スパッタ)はほとんど生じていないことがわかる。続けて、第1めっき鋼板の外表面から溶融金属プールとともに第2めっき鋼板を加熱し同第2めっき鋼板を貫通してその外表面に至るまで溶融加熱している状態である(第3加熱工程に相当)。第2加熱工程、第3加熱工程におけるレーザ光の照射は、図11(b)、(c)、(d)から理解されるように、溶融金属プールの中央部分に絞られ、溶融金属プールよりも少ない面積となる。図11の溶接を終えた2枚のめっき鋼板について自然冷却した。
[溶接試験II]
溶接試験Iでは、第1、第2加熱工程をともにレーザ光照射による加熱とした。さらに、「溶接試験II」では第1加熱工程をTIG(TIG溶接)による加熱とし、第2加熱工程をレーザ光照射による加熱とした。発明者は、当該溶接方法の有効性を検証するべく、以下の装置、テストピースを用い、めっき鋼板の溶接試験を実施した。
<試験装置>
・レーザ発信器…TRUMPF社製,TruDisk6001
・加工ヘッド…TRUMPF社製,PFO3D
・ロボット…株式会社安川電機製,MOTOMAN-MC2000
・ハイスピードカメラ…株式会社ナックイメージテクノロジー製,
MEMRECAM Q1v
・TIG溶接機…愛知産業株式会社製,TransTig
<テストピース>
・溶融亜鉛めっき鋼板…SCGA270-45/45(JIS規格:SGCC-F)
・板厚…0.7mm
・めっき目付量…表裏 45g/m
板組…2枚重ね
<TIGの条件>
電圧…約10V
電流…約150A
<レーザ光照射の加工条件>
・溶接
レーザ出力…1100W
照射時間…10msec
OFF時間…20msec
2枚のめっき鋼板(第2めっき鋼板の上に第1めっき鋼板)を重ね、前出の装置、加工の条件に基づいてはじめにTIG溶接の装置を用いて第1めっき鋼板側を加熱した図9の写真はTIG溶接の装置を用いた加熱中を示す。図12(a)は加熱に伴い溶融金属プールを形成している状態を示す(第1加熱工程に相当)。
続いて、図12(b)はレーザ光を溶融金属プールの中央部分に向けて照射している状態を示す(第2加熱工程に相当)。同図より、めっき層の金属蒸気は溶融金属プールから外部に出ている状態である。なお、溶融金属プールの周囲への金属の飛散(スパッタ)はほとんど生じていないことがわかる。第2加熱工程におけるレーザ光の照射は、図9(b)、から理解されるように、溶融金属プールの中央部分に絞られ、溶融金属プールよりも少ない面積となる。図12の溶接を終えた2枚のめっき鋼板について自然冷却した。
図13は冷却後の溶接部位の写真である。図13(a)は第1めっき鋼板(TIG溶接の装置により加熱した側)の外表面である。表面の細かな鎖状の凹凸は溶融金属プールが冷却した痕である。図13(b)は溶接後の2枚のめっき鋼板を引き剥がし、溶融金属プールが形成された上側のめっき鋼板の重ね合わせ部位の写真であり、図13(c)は下側のめっき鋼板の重ね合わせ部位の写真である。双方の写真からわかるように、重ね合わせ部位において2枚のめっき鋼板は溶接により良好に接合している。図13(d)は第2めっき鋼板の外表面の写真である。外表面への影響もほとんど見られない。
[溶接試験IIの結果]
図12及び図13の写真による検証から、めっき鋼板の溶接は良好に仕上がった。また、めっき層の金属(亜鉛)の蒸気の排気も良好でありスパッタも少ない。従って、溶接部位の強度確保に都合よい。しかも、実施例のようにはじめにTIG溶接における加熱手法を用いた場合であっても溶融金属プールの形成、その後のレーザ光照射を用いた溶接部位の走査と金属溶融は迅速に進む。レーザ光照射以外の加熱によって溶融金属プールを形成し、その後の溶接も可能であることを確認した。
本発明のめっき鋼板の溶接装置、方法によると、めっき鋼板同士の溶接に際してめっき層の金属蒸気の排気が良好であり、スパッタも少ないことから溶融金属の損失は抑えられる。また、処理の速い溶接が可能である。よって、既存のめっき鋼板の溶接の代替として有望である。
1 めっき鋼板の溶接装置
4 加熱装置
5 制御部
6 載置台
7 台座
8 重ね合わせ部位
10 第1めっき鋼板
11 めっき層
12 鋼板層
19 外表面
20 第2めっき鋼板
21 めっき層
22 鋼板層
30 溶融部
31 溶融金属プール
32 底面
41,42 第1軌跡
43,44 第2軌跡
L レーザ光

Claims (8)

  1. 第1めっき鋼板と第2めっき鋼板を重ね合わせて生じる前記第1めっき鋼板と前記第2めっき鋼板との重ね合わせ部位において前記第1めっき鋼板と前記第2めっき鋼板とを溶接するめっき鋼板の溶接方法であって、
    前記重ね合わせ部位において前記第1めっき鋼板の外表面から前記第1めっき鋼板の厚さ方向に向けて前記第1めっき鋼板をレーザ光照射加熱により加熱溶融して前記重ね合わせ部位に前記第1めっき鋼板の溶融金属プールを形成する第1加熱工程と、
    前記重ね合わせ部位に形成された前記溶融金属プールとともに前記第1めっき鋼板の外表面から前記第2めっき鋼板をレーザ光照射加熱により加熱溶融して溶融した前記第2めっき鋼板と前記溶融金属プールと接続する第2加熱工程と、を備え
    前記第1加熱工程における前記溶融金属プールの形成に際し、加熱溶融は前記第1めっき鋼板の厚さ方向に貫通しない出力で行われ、
    前記第2加熱工程は、前記第1加熱工程により形成された前記溶融金属プールの金属が溶融している状態において行われ、
    前記第2加熱工程において、前記第1めっき鋼板及び前記第2めっき鋼板のめっき層の金属は溶融して蒸発し生じた蒸気は前記溶融金属プールを通過して前記溶融金属プールの表面から拡散する
    ことを特徴とするめっき鋼板の溶接方法。
  2. 前記第1加熱工程における前記溶融金属プールの形成に際し、前記重ね合わせ部位の直上の前記第1めっき鋼板の外表面において所定の軌跡を描画しながら前記第1めっき鋼板を加熱溶融する請求項に記載のめっき鋼板の溶接方法。
  3. 前記第2加熱工程における前記第2めっき鋼板に対する加熱溶融は、前記溶融金属プールよりも少ない面積の領域である請求項またはに記載のめっき鋼板の溶接方法。
  4. 前記第2加熱工程の後、前記第1めっき鋼板の外表面から前記溶融金属プールとともに前記第2めっき鋼板を加熱し前記第2めっき鋼板の外表面を溶融加熱する第3加熱工程が備えられる請求項1ないしのいずれか1項に記載のめっき鋼板の溶接方法。
  5. 前記第3加熱工程における溶融加熱がレーザ光照射加熱である請求項に記載のめっき鋼板の溶接方法。
  6. 第1めっき鋼板と第2めっき鋼板を重ね合わせて生じる前記第1めっき鋼板と前記第2めっき鋼板との重ね合わせ部位において前記第1めっき鋼板と前記第2めっき鋼板とを溶接するめっき鋼板の溶接装置であって、
    前記重ね合わせ部位において前記第1めっき鋼板の外表面から前記第1めっき鋼板の厚さ方向に向けて前記第1めっき鋼板を加熱溶融して前記重ね合わせ部位に前記第1めっき鋼板の溶融金属プールを形成するレーザ光照射装置である第1加熱装置と、
    前記重ね合わせ部位に形成された前記溶融金属プールとともに前記第1めっき鋼板の外表面から前記第2めっき鋼板を加熱溶融して溶融した前記第2めっき鋼板と前記溶融金属プールと接続するレーザ光照射装置である第2加熱装置と、を備え
    前記第1加熱装置の前記溶融金属プールの形成に際し、加熱溶融は前記第1めっき鋼板の厚さ方向に貫通しない出力であり、
    前記第2加熱装置の加熱溶融は、前記第1加熱装置により形成された前記溶融金属プールの金属が溶融している状態であり、
    前記第2加熱装置の加熱溶融により、前記第1めっき鋼板及び前記第2めっき鋼板のめっき層の金属は溶融して蒸発し生じた蒸気は前記溶融金属プールを通過して前記溶融金属プールの表面から拡散させる
    ことを特徴とするめっき鋼板の溶接装置。
  7. 前記第1めっき鋼板の外表面から前記溶融金属プールとともに前記第2めっき鋼板を加熱し前記第2めっき鋼板の外表面を溶融加熱する第3加熱装置が備えられる請求項に記載のめっき鋼板の溶接装置。
  8. 前記第3加熱装置がレーザ光照射装置である請求項に記載のめっき鋼板の溶接装置。
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