JP2015072424A - 広角撮像レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】広角でありながら、諸収差を良好に補正しつつ、十分な明るさに対応し、5枚構成でありながら、小型、低背の撮像レンズを低コストで提供する。【解決手段】固体撮像素子上に被写体の像を結像する撮像レンズであって、物体側から像面側に向かって順に、開口絞りSTと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズL1と、像面側に凹面を向けた負の屈折力を有する第2レンズL2と、両面に非球面が形成された正または負の屈折力を有する第3レンズL3と、像面側に凸面を向けた正の屈折力を有する第4レンズL4と、光軸近傍で像面側に凹面を向けた負の屈折力を有する両面が非球面の第5レンズL5とから成り、全てのレンズはプラスチック材料で構成されることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、小型の撮像装置に使用されるCCDセンサやC-MOSセンサの固体撮像素子上に被写体の像を結像させる撮像レンズに関し、特に、小型化、低背化が進むスマートフォンや携帯電話機およびPDA(Personal Digital Assistant)やゲーム機、PCなどの情報端末機器、更にはカメラ機能が付加された家電製品等に搭載される撮像装置に内蔵する撮像レンズに関するものである。
近年、多くの情報端末機器にカメラ機能が搭載されることは一般的になった。また、カメラ付きの家電製品も登場するようになり、例えばスマートフォンと家電製品とを通信させることで、外出先からでも機器に搭載したカメラを通して自宅の様子をタイムリーに見ることが可能になった。このように、情報端末機器や家電製品にカメラ機能を融合させ、消費者の利便性を高める商品開発は今後も益々進んでいくものと考えられる。このような機器に搭載されるカメラの性能は、高画素化に対応した高い解像力を備えることはもちろんのこと、小型で、低背であり、明るいレンズ系であることに加えて、広い画角に対応することが求められている。
しかしながら、低背、広画角、さらに明るい撮像レンズを得るには、画面周辺部における収差補正が困難であり、画面全体にわたって良好な光学性能を確保することは難しい。レンズ材料にガラス材料を採用することで、これらの課題をある程度解決することは可能でも、ガラス材料は大量生産に向かないため、低コストで大量に提供するには課題がある。
従来、広い画角への対応や高性能化を目指した撮像レンズとして、例えば、以下の特許文献1、2のような撮像レンズが知られている。
特許文献1には、物体側から像面側に向かって順に配置された、正の屈折力を有する両凸レンズからなる第1レンズと、負の屈折力を有し、像面側のレンズ面が凹面である第2レンズと、正の屈折力を有し、像面側のレンズ面が凸面であるメニスカスレンズからなる第3レンズと、負の屈折力を有し、両方のレンズ面が非球面形状で、像面側のレンズ面が光軸近傍で凹面である第4レンズとを備える撮像レンズが開示されている。
また、特許文献2には、物体側より順に、正の第1レンズと、正の第2レンズと、負の第3レンズ、正の第4レンズ、負の第5レンズからなる、小型化および諸収差の良好な補正を目指した撮像レンズが開示されている。
特開2010−271541号公報 特開2010−026434号公報
上記特許文献1に記載の撮像レンズは、光学全長は5.4mm程度であり、比較的低背化が実現できている。しかし、4枚構成のため収差補正が十分ではない。また、最大画角が70°から75°程度で、比較的広角化が図られているが、近年の更なる広角化の要求に対応することは困難である。さらに、F値は2.8程度で、近年要求される明るいレンズ系に対応することは困難である。
上記特許文献2に記載の撮像レンズは、光学全長は7.8mm程度であり、撮像素子の有効撮像面の対角線の長さよりも長く、低背化に不利な構成である。5枚構成として諸収差を良好に補正しつつ、F値は2.0から2.5程度の明るいレンズ系を実現しているが、最大画角は62°程度であり、これ以上の広角化に対応するには課題がある。
このように、従来の技術においては、高解像度、小型化、低背化に対応し、かつ広角化の要求を満足することは困難であった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、広角でありながら、諸収差を良好に補正しつつ、十分な明るさに対応し、5枚構成でありながら、小型、低背の撮像レンズを低コストで提供することにある。
なお、ここでいう低背とは光学全長が撮像素子の有効撮像面の対角線の長さよりも短いレベルを指しており、広角とは全画角で70°以上のレベルを指している。
本発明の撮像レンズは、固体撮像素子上に被写体の像を結像する撮像レンズであって、物体側から像面側に向かって順に、開口絞りと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズと、像面側に凹面を向けた負の屈折力を有する第2レンズと、両面が非球面の正または負の屈折力を有する第3レンズと、像面側に凸面を向けた正の屈折力を有する第4レンズと、光軸近傍で像面側に凹面を向けた負の屈折力を有する両面が非球面の第5レンズとから成り、全てのレンズはプラスチック材料で構成され、以下の条件式(1)から(4)を満足するよう構成した。
(1) 2.0<r7/r8<5.0
(2) −1.35<f4/f5<−0.8
(3) TLA/2ih<0.80
(4) 1.50<Nd<1.65
ただし、
r7:第4レンズの物体側の面の曲率半径
r8:第4レンズの像面側の面の曲率半径
f4:第4レンズの焦点距離
f5:第5レンズの焦点距離
TLA:フィルタ類を取り外した際の最も物体側に位置する光学素子の物体側の面から像面までの光軸上の距離(光学全長)
ih:最大像高
Nd:第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、及び第5レンズのd線における屈折率
上記構成の撮像レンズは、パワー配列がテレフォトタイプに近い構成となっているため、光学全長の短縮が図られる。正の屈折力の第1レンズで発生する球面収差及び色収差の補正を第2レンズが良好に補正する。また、両面が非球面の弱い正または負の屈折力の第3レンズが、軸上色収差及び高次の球面収差やコマ収差を小さく抑える。強い正の屈折力の第4レンズで低背化を維持しながら、非点収差及び像面湾曲の補正を行う。さらに、負の屈折力の第5レンズが第4レンズで発生した球面収差を補正するとともに、像面湾曲を良好に補正する。
条件式(1)は第4レンズの近軸における形状を適切な範囲に規定するものである。条件式(1)の上限を上回る場合は第4レンズの正の屈折力が強くなり過ぎるため、球面収差の補正が困難になる。一方、条件式(1)の下限値を下回る場合は第4レンズの屈折力が弱くなり過ぎるため、非点収差および像面湾曲の補正が困難になる。
条件式(1)については、以下の条件式(1a)がより好ましい範囲である。
(1a) 2.5<r7/r8<4.5
条件式(2)は第4レンズと第5レンズの屈折力の関係を適切な範囲に規定するものである。条件式(2)の範囲内に規定することで、色収差および像面湾曲の良好な補正が可能になる。
条件式(2)については、以下の条件式(2a)がより好ましい範囲である。
(2a) −1.25<f4/f5<−0.9
条件式(3)は光学全長と最大像高との関係を規定し、低背化を図るための条件である。条件式(3)の上限値を上回る場合は、光学全長が増大し、低背化が困難になる。
条件式(3)については、以下の条件式(3a)がより好ましい範囲である。
(3a) TLA/2ih<0.78
条件式(4)は撮像レンズを構成するそれぞれのレンズの屈折率を規定している。条件式(4)の範囲に規定することで、低コストでありながら性能の良い撮像レンズを提供することが可能になる。
また、本発明の第5レンズは、光軸近傍で両凹形状、または光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状であることが望ましい。光軸近傍で両凹形状を採る場合は、第4レンズで発生する収差を第5レンズで補正しやすくなる分、正の屈折力を強く設定することが可能になるため、より低背化に有利な構成となる。また、光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状にすれば、より像面湾曲を好適に補正することができる。
また、本発明の撮像レンズは、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5) 0.7<ih/f<1.0
ただし、
ih:最大像高
f:撮像レンズ全系の焦点距離
条件式(5)は最大像高と撮像レンズ全系の焦点距離との関係を適切な範囲に規定するものである。条件式(5)の上限値を上回る場合、低背化には有利になるが、画角が広くなり過ぎるため、特に画面周辺部における諸収差の補正が困難になる。一方、条件式(5)の下限値を下回る場合、焦点距離が長くなり過ぎるため、低背化が困難になる。
また、本発明の撮像レンズは、以下の条件式(6)、(7)を満足することが望ましい。
(6) 0.9<TLA/f<1.45
(7) 0.24<bf/f<0.41
ただし、
TLA:フィルタ類を取り外した際の最も物体側に位置する光学素子の物体側の面から像面までの光軸上の距離(光学全長)。
bf:フィルタ類を取り外した際の第5レンズの像面側の面から像面までの光軸上の距離(バックフォーカス)。
f:撮像レンズ全系の焦点距離
条件式(6)は光学全長と撮像レンズ全系の焦点距離との関係を適切な範囲に規定するものである。条件式(6)の上限値を上回ると光学全長が長くなり過ぎるため低背化が困難になる。一方、条件式(6)の下限値を下回ると、光学全長が短くなり過ぎて低背化には有利になるが、諸収差の補正が困難になるとともに、製造時の誤差感度が上昇するため好ましくない。
なお、条件式(6)については、以下の条件式(6a)がより好ましい範囲である。
(6a) 1.0<TLA/f<1.30
条件式(7)はバックフォーカスと撮像レンズ全系の焦点距離との関係を適切な範囲に規定するものである。条件式(7)の範囲に設定することで、IRカットフィルタ等のフィルタを配置するスペースが確保できる。
なお、条件式(7)については、以下の条件式(7a)がより好ましい範囲である。
(7a) 0.27<bf/f<0.38
また、本発明の撮像レンズは、以下の条件式(8)を満足することが望ましい。
(8) f4<f1
ただし、
f1:第1レンズの焦点距離
f4:第4レンズの焦点距離
条件式(8)は第1レンズと第4レンズとの屈折力の大きさの関係を規定するものである。
本発明の撮像レンズでは、正の屈折力を有する第1レンズと第4レンズによって低背化が図られるが、条件式(8)に示すように、第4レンズの屈折力を第1レンズの屈折力よりも大きく設定することでより低背化が可能になる。
また、本発明の撮像レンズは、以下の条件式(9)を満足することが望ましい。
(9) 0.50<r4/f<1.0
ただし、
r4:第2レンズの像面側の面の曲率半径
f:撮像レンズ全系の焦点距離
条件式(9)は第2レンズの像面側の面の曲率半径と撮像レンズ全系の焦点距離との関係を適切な範囲に規定するものである。条件式(9)の上限値を超える場合、第2レンズの像面側の面における負の屈折力が弱くなり過ぎるため、色収差の補正が不十分になり易い。一方、条件式(9)の下限値を下回る場合、第2レンズの像面側の面の負の屈折力が強くなり過ぎ、当該レンズ面の誤差感度が上昇するため、安定した性能を維持しながらの大量生産が困難になる。
なお、条件式(9)については、以下の条件式(9a)がより好ましい範囲である。
(9a) 0.55<r4/f<0.90
本発明により、広角でありながら、諸収差を良好に補正しつつ、十分な明るさに対応し、5枚構成でありながら、小型、低背の撮像レンズを低コストで得ることが出来る。
実施例1の撮像レンズの概略構成を示す図である。 実施例1の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 実施例2の撮像レンズの概略構成を示す図である。 実施例2の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 実施例3の撮像レンズの概略構成を示す図である。 実施例3の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 実施例4の撮像レンズの概略構成を示す図である。 実施例4の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 実施例5の撮像レンズの概略構成を示す図である。 実施例5の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 実施例6の撮像レンズの概略構成を示す図である。 実施例6の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 実施例7の撮像レンズの概略構成を示す図である。 実施例7の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 実施例8の撮像レンズの概略構成を示す図である。 実施例8の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 実施例9の撮像レンズの概略構成を示す図である。 実施例9の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1、図3、図5、図7、図9、図11、図13、図15、及び図17はそれぞれ、本実施形態の実施例1から9に係る撮像レンズの概略構成図を示している。いずれも基本的なレンズ構成は同様であるため、ここでは主に実施例1の概略構成図を参照しながら、本実施形態の撮像レンズ構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態の撮像レンズは、物体側から像面側に向かって順に、開口絞りSTと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズL1と、像面側に凹面を向けた負の屈折力を有する第2レンズL2と、両面が非球面の正または負の屈折力を有する第3レンズL3と、像面側に凸面を向けた正の屈折力を有する第4レンズL4と、光軸近傍で像面側に凹面を向けた負の屈折力を有する両面が非球面の第5レンズL5とから構成されている。また、全てのレンズはプラスチック材料で構成されている。なお、開口絞りSTの位置は第1レンズL1の物体側の面頂点よりも像面IM側に配置されている。
また、第5レンズL5と像面IMとの間には、平行平面板のフィルタIRが配置されている。なお、このフィルタIRは省略することが可能である。フィルタIRの厚みによって光学系の結像位置は変化するため、本発明における光学全長TLA、及びバックフォーカスbfは、フィルタIRを除去したときの第1レンズL1の物体側の面から像面IMまでの光軸上の距離として定義する。
上記5枚構成の撮像レンズにおいて、第1レンズL1は物体側の面および像面側の面が共に凸面で形成されたレンズであり、第2レンズL2は像面側の面および物体側の面が共に凹面で形成されたレンズであり、第3レンズL3は光軸Xの近傍で物体側の面が凸面を向けたメニスカス形状の両面が非球面のレンズであり、第4レンズL4は像面側に凸面を向けたメニスカス形状のレンズであり、第5レンズL5は光軸Xの近傍で像面側の面および物体側の面が共に凹面で形成された両面が非球面のレンズである。
上記構成の撮像レンズは、パワー配列がテレフォトタイプに近い構成となっているため、光学全長の短縮が図られている。
第1レンズL1は、物体側の面の曲率半径を像面側の面の曲率半径よりも小さな値にすることで、球面収差の発生を抑えている。なお、第1レンズL1の形状は両凸形状に限定するものではなく、例えば実施例2、6、7、及び8のように、像面側を凹面としたメニスカス形状でも良い。
第2レンズL2は、正の屈折力の第1レンズL1で発生する球面収差及び色収差を良好に補正する。なお、第2レンズL2の形状は両凹形状に限定するものではなく、例えば実施例2や実施例4から9のように、メニスカス形状であっても良い。
第3レンズL3は、撮像レンズの中で最も弱い正または負の屈折力を有する両面が非球面のレンズであり、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状に形成されている。また、両面に形成した非球面の効果によって軸上色収差及び高次の球面収差やコマ収差を抑制している。なお、第3レンズL3の屈折力および非球面形状は、第3レンズL3よりも物体側に配置されるレンズ群の屈折力や形状に応じて変化する。すなわち、例えば実施例1から6、及び実施例9では、第1レンズL1と第2レンズL2との正の合成屈折力が全系の焦点距離に対して1.0から1.5程度の比較的強く設定した例だが、その場合、第3レンズL3は弱い正または負の屈折力として、両面ともに周辺部で物体側に変化する非球面形状になっている。一方、実施例7や8では、第1レンズL1と第2レンズL2との正の合成屈折力が全系の焦点距離に対して2.0倍以上の比較的弱く設定した例だが、その場合、第3レンズL3は正の屈折力として、両面ともに周辺部で像面側に変化する非球面形状になっている。なお、第3レンズL3の光軸Xの近傍における形状については、メニスカス形状に限定されず、例えば実施例9のように両凸形状でも良い。
第4レンズL4は、第1レンズL1よりも強い正の屈折力を有するレンズであり、低背化を図りながら、非点収差及び像面湾曲の補正を行っている。また、両面に適切な非球面が形成されており、特に周辺部における収差補正に寄与している。
第5レンズL5は、光軸Xの近傍で両凹形状の両面が非球面形状のレンズであり、第4レンズL4で発生した球面収差を補正するとともに、像面湾曲を良好に補正する。また、像面側の面を凹面とすることで、バックフォーカスの確保を容易にするとともに、像面側の面に光軸X上以外の位置に変極点を持たせる非球面形状にすることによって、像面IMに入射する周辺部の光線の角度を適切に制御している。なお、第5レンズL5は、例えば実施例9に示すように、光軸Xの近傍で物体側の面を凸面としたメニスカス形状であっても良く、その場合は特に周辺部における像面湾曲を良好に補正する。
本発明の撮像レンズは、以下の条件式を満足する。
(1) 2.0<r7/r8<5.0
(2) −1.35<f4/f5<−0.8
(3) TLA/2ih<0.80
(4) 1.50<Nd<1.65
(5) 0.7<ih/f<1.0
(6) 0.9<TLA/f<1.45
(7) 0.24<bf/f<0.41
(8) f4<f1
(9) 0.50<r4/f<1.0
ただし、
r7:第4レンズL4の物体側の曲率半径
r8:第4レンズL4の像面側の曲率半径
f4:第4レンズL4の焦点距離
f5:第5レンズL5の焦点距離
Nd:第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、及び第5レンズL5のd線における屈折率
ih:最大像高
f:撮像レンズ全系の焦点距離
TLA:フィルタIRを取り外した際の最も物体側に位置する光学素子の物体側の面から像面IMまでの光軸上の距離(光学全長)
bf:フィルタIRを取り外した際の第5レンズL5の像面側の面から像面IMまでの光軸上の距離(バックフォーカス)
f1:第1レンズL1の焦点距離
f4:第4レンズL4の焦点距離
r4:第2レンズL2の像面側の面の曲率半径
本実施形態では、すべてのレンズ面を非球面で形成している。これらのレンズ面に採用する非球面形状は光軸方向の軸をZ、光軸に直交する方向の高さをH、円錐係数をk、非球面係数をA4、A6、A8、A10、A12、A14、A16としたとき数式1により表わされる。
Figure 2015072424
次に本実施形態に係る撮像レンズの実施例を示す。各実施例において、fは撮像レンズ全系の焦点距離を、FnoはFナンバーを、ωは半画角を、ihは最大像高を、TLAはフィルタIRを除去した際の光学全長をそれぞれ示す。また、iは物体側から数えた面番号、rは曲率半径、dは光軸上のレンズ面間の距離(面間隔)、Ndはd線(基準波長)の屈折率、νdはd線に対するアッベ数をそれぞれ示す。なお、非球面に関しては、面番号iの後に*(アスタリスク)の符号を付加して示す。
基本的なレンズデータを以下の表1に示す。
Figure 2015072424
Figure 2015072424
実施例1の撮像レンズは、表10に示すように条件式(1)から(9)の全てを満たしている。
図2は実施例1の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。球面収差図は、F線(486nm)、d線(588nm)、C線(656nm)の各波長に対する収差量を示している。また、非点収差図にはサジタル像面S、タンジェンシャル像面Tにおけるd線の収差量をそれぞれ示している(図4、図6、図8、図10、図12、図14、図16、図18においても同じ)。図2に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
また、光学全長TLAは4.38mmであり、5枚構成でありながら低背化が図られている。さらに、約75°の広い画角とF2.25の明るさを達成している。
基本的なレンズデータを以下の表2に示す。
Figure 2015072424
Figure 2015072424
実施例2の撮像レンズは、表10に示すように条件式(1)から(9)の全てを満たしている。
図4は実施例2の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図4に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
また、光学全長TLAは4.38mmであり、5枚構成でありながら低背化が図られている。さらに、約74°の広い画角とF2.29の明るさを達成している。
基本的なレンズデータを以下の表3に示す。
Figure 2015072424
Figure 2015072424
実施例3の撮像レンズは、表10に示すように条件式(1)から(9)の全てを満たしている。
図6は実施例3の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図6に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
また、光学全長TLAは4.38mmであり、5枚構成でありながら低背化が図られている。さらに、約75°の広い画角とF2.25の明るさを達成している。
基本的なレンズデータを以下の表4に示す。
Figure 2015072424
Figure 2015072424
実施例4の撮像レンズは、表10に示すように条件式(1)から(9)の全てを満たしている。
図8は実施例4の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図8に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
また、光学全長TLAは4.38mmであり、5枚構成でありながら低背化が図られている。さらに、約75°の広い画角とF2.25の明るさを達成している。
基本的なレンズデータを以下の表5に示す。
Figure 2015072424
Figure 2015072424
実施例5の撮像レンズは、表10に示すように条件式(1)から(9)の全てを満たしている。
図10は実施例5の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図10に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
また、光学全長TLAは4.38mmであり、5枚構成でありながら低背化が図られている。さらに、約75°の広い画角とF2.25の明るさを達成している。
基本的なレンズデータを以下の表6に示す。
Figure 2015072424
Figure 2015072424
実施例6の撮像レンズは、表10に示すように条件式(1)から(9)の全てを満たしている。
図12は実施例6の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図12に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
また、光学全長TLAは4.11mmであり、5枚構成でありながら低背化が図られている。さらに、約75°の広い画角とF2.25の明るさを達成している。
基本的なレンズデータを以下の表7に示す。
Figure 2015072424
Figure 2015072424
実施例7の撮像レンズは、表10に示すように条件式(1)から(9)の全てを満たしている。
図14は実施例7の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図14に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
また、光学全長TLAは4.12mmであり、5枚構成でありながら低背化が図られている。さらに、約80°の広い画角とF2.23の明るさを達成している。
基本的なレンズデータを以下の表8に示す。
Figure 2015072424
Figure 2015072424
実施例8の撮像レンズは、表10に示すように条件式(1)から(9)の全てを満たしている。
図16は実施例8の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図16に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
また、光学全長TLAは4.11mmであり、5枚構成でありながら低背化が図られている。さらに、約80°の広い画角とF2.24の明るさを達成している。
基本的なレンズデータを以下の表9に示す。
Figure 2015072424
Figure 2015072424
実施例9の撮像レンズは、表10に示すように条件式(1)から(9)の全てを満たしている。
図18は実施例9の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図18に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
また、光学全長TLAは4.11mmであり、5枚構成でありながら低背化が図られている。さらに、約80°の広い画角とF2.24の明るさを達成している。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る撮像レンズは、光学全長TLAが4.4mm以下、光学全長TLAと最大像高ihとの比(TTL/2ih)が0.75以下の低背化を達成し、約74°以上の広い画角、F2.3以下の明るさに対応しながら、諸収差が良好に補正された光学系の実現を可能にする。
表10に実施例1から9に係る条件式(1)から(9)の値を示す。
Figure 2015072424
Figure 2015072424
本発明の各実施の形態に係る5枚構成の撮像レンズは、小型化、低背化が進むスマートフォンや携帯電話機およびPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末機器等、ゲーム機やPCなどの情報端末機器等、更にはカメラ機能が付加された家電製品等に搭載される撮像装置に内蔵する光学系に適用した場合、当該カメラの高性能化を図ることができる。
ST 開口絞り
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
IR フィルタ
IM 像面
ih 最大像高

Claims (7)

  1. 固体撮像素子上に被写体の像を結像する撮像レンズであって、物体側から像面側に向かって順に、開口絞りと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズと、像面側に凹面を向けた負の屈折力を有する第2レンズと、両面に非球面が形成された正または負の屈折力を有する第3レンズと、像面側に凸面を向けた正の屈折力を有する第4レンズと、光軸近傍で像面側に凹面を向けた負の屈折力を有する両面が非球面の第5レンズとから成り、全てのレンズはプラスチック材料で構成され、以下の条件式(1)から(4)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    (1) 2.0<r7/r8<5.0
    (2) −1.35<f4/f5<−0.8
    (3) TLA/2ih<0.80
    (4) 1.50<Nd<1.65
    ただし、
    r7:第4レンズの物体側の面の曲率半径
    r8:第4レンズの像面側の面の曲率半径
    f4:第4レンズの焦点距離
    f5:第5レンズの焦点距離
    Nd:第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、及び第5レンズのd線における屈折率
  2. 前記第5レンズは光軸近傍で両凹形状であることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
  3. 前記第5レンズは光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状であることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
  4. 以下の条件式(5)を満足することを特徴とする、請求項1に記載の撮像レンズ。
    (5) 0.7<ih/f<1.0
    ただし、
    ih:最大像高
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
  5. 以下の条件式(6)、(7)を満足することを特徴とする、請求項1に記載の撮像レンズ。
    (6) 0.9<TLA/f<1.45
    (7) 0.24<bf/f<0.41
    ただし、
    TLA:フィルタ類を取り外した際の最も物体側に位置する光学素子の物体側の面から像面までの光軸上の距離(光学全長)。
    bf:フィルタ類を取り外した際の第5レンズの像面側の面から像面までの光軸上の距離(バックフォーカス)。
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
  6. 以下の条件式(8)を満足することを特徴とする、請求項1に記載の撮像レンズ。
    (8) f4<f1
    ただし、
    f1:第1レンズの焦点距離
    f4:第4レンズの焦点距離
  7. 以下の条件式(9)を満足することを特徴とする、請求項1に記載の撮像レンズ。
    (9) 0.50<r4/f<1.0
    ただし、
    r4:第2レンズの像面側の面の曲率半径
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
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