JP2013125161A - 撮像光学系および該製造方法ならびに撮像装置およびデジタル機器 - Google Patents

撮像光学系および該製造方法ならびに撮像装置およびデジタル機器 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、偏芯調整をより余裕を持って行い得る4枚以上の構成の撮像光学系、撮像装置およびデジタル機器を提供する。
【解決手段】本発明の撮像光学系OSAは、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ1Aと、負の屈折力を有する第2レンズ1Bと、正または負の屈折力を有する第3および第4レンズ3A、4Aとを含み、さらに第5レンズ5Aを備える4枚以上のレンズを備える撮像光学系OSAであって、前記4枚以上のレンズのうちの最も像側に配置された第5レンズ5Aは、光軸方向に沿って光軸を含むレンズ断面の輪郭線において前記光軸の交点から有効領域端に向かった場合に垂接点を有する非球面形状の面を像側面に有し、第1レンズ1Aと第2レンズ2Aとは、一体で移動するように係合し、第1レンズ1Aおよび第2レンズ2Aを保持する鏡胴部材11Aをさらに備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、撮像光学系に関し、特に、CCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサ等の固体撮像素子に好適に適用される撮像光学系および撮像光学系の製造方法に関する。そして、本発明は、この撮影光学系を備える撮像装置およびこの撮像装置を搭載したデジタル機器に関する。
近年、CCD(Charged Coupled Device)型イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の固体撮像素子を用いた撮像素子の高性能化や小型化が伸展し、これに伴って、このような撮像素子を用いた撮像装置を備えた携帯電話や携帯情報端末等のデジタル機器が普及しつつある。また、これらの撮像装置に搭載される、前記固体撮像素子の受光面上に物体の光学像を形成(結像)するための撮像光学系(撮像レンズ)には、さらなる小型化や高性能化への要求が高まっている。このような用途の撮像光学系において、3枚構成あるいは4枚構成の光学系に加えて、より高性能化が可能であることから、5枚構成の光学系も提案されている。そして、複数のレンズ間における各光軸を互いに一致させて合わせる偏芯調整は、レンズ枚数の増加に伴って難易度が上がり、より重要な工程となるが、特に4枚以上のレンズを備えた撮像光学系において、所期の光学性能を実現するためには、偏芯調整をより適確に実施する必要がある。このような偏芯調整の技術は、例えば、特許文献1ないし特許文献4に提案されている。
特許文献1に開示の撮像装置の組立方法は、複数のレンズより構成される撮像レンズと、固体撮像素子とを有する撮像装置の組立方法であって、前記撮像レンズは、最も像側に位置する最像側レンズの有効径が他のレンズの有効径よりも大きく、少なくとも最も被写体側に位置する第1レンズを含むフォーカシングレンズを、前記撮像レンズにおける固定されたレンズに対して光軸方向に移動させることにより、フォーカシングを行うように構成されており、前記フォーカシングレンズと前記固定されたレンズのうち一方を、他方に対して調芯した後に固定する方法である。
特許文献2に開示の撮像レンズは、固体撮像素子の光電変換部に被写体像を結像させる小型撮像装置用の撮像レンズであって、物体側より順に、少なくとも正の第1レンズと、開口絞りと、後群で構成されるとともに、前記正の第1レンズが光軸と直交する方向に調整可能となっている。
特許文献3に開示のレンズユニットの製造方法は、複数のレンズ及び複数の前記レンズを保持する保持体を有するレンズユニットの製造方法であって、圧力をかけて前記保持体の第1受け部内に前記レンズを嵌め込み、前記保持体の第2受け部内に前記光軸に交差する方向に移動可能な状態で前記レンズを載置し、前記第2受け部内の前記レンズを前記光軸に交差する方向に移動させ、前記第2受け部内の前記レンズを前記保持体に対して位置決めし、前記第2受け部内の前記レンズを前記保持体に対して固着させる方法である。
特許文献4に開示のレンズユニットの製造方法は、レンズ群に含まれる個々のレンズを保持体の保持空間に順に押し込むことで、個々の前記レンズを前記保持体に押圧保持させ、前記保持体により押圧保持された前記レンズ群上にて第1レンズを調芯し、前記レンズ群上で前記第1レンズを接着固定する方法である。
特開2007−104288号公報 特開2010−079296号公報 特開2009−251401号公報 特開2010−281992号公報
ところで、これら先行技術文献に開示の各技術は、1枚のレンズのみで、特に誤差感度が他のレンズに較べて相対的に高い第1レンズのみで、偏芯の調整を行うものである。このため、これら先行技術文献に開示の各技術は、固定すべき位置精度が厳しくなり(位置精度の許容範囲が狭く)、結果的に、偏芯調整の効果を充分に発揮することができていない。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、偏芯調整をより余裕を持って行うことができる4枚以上の構成の撮像光学系および撮像光学系の製造方法を提供することである。そして、本発明の他の目的は、この撮影光学系を備える撮像装置およびこの撮像装置を搭載したデジタル機器を提供することである。
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下のような構成を有する撮像光学系、撮像光学系の製造方法、撮像装置およびデジタル機器を提供するものである。なお、以下の説明において使用されている用語は、本明細書においては、次の通り定義されているものとする。
(a)屈折率は、d線の波長(587.56nm)に対する屈折率である。
(b)アッベ数は、d線、F線(波長486.13nm)、C線(波長656.28nm)に対する屈折率を各々nd、nF、nCとし、アッベ数をνdとした場合に、
νd=(nd−1)/(nF−nC)
の定義式で求められるアッベ数νdをいうものとする。
(c)レンズについて、「凹」、「凸」または「メニスカス」という表記を用いた場合、これらは光軸近傍(レンズの中心付近)でのレンズ形状を表しているものとする。
(d)接合レンズを構成している各単レンズにおける屈折力(光学的パワー、焦点距離の逆数)の表記は、単レンズのレンズ面の両側が空気である場合におけるパワーである。
(e)複合型非球面レンズに用いる樹脂材料は、基板ガラス材料の付加的機能しかないため、単独の光学部材として扱わず、基板ガラス材料が非球面を有する場合と同等の扱いとし、レンズ枚数も1枚として取り扱うものとする。そして、レンズ屈折率も基板となっているガラス材料の屈折率とする。複合型非球面レンズは、基板となるガラス材料の上に薄い樹脂材料を塗布して非球面形状としたレンズである。
本発明の一態様にかかる撮像光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正または負の屈折力を有する第3および第4レンズとを含む4枚以上のレンズを備える撮像光学系であって、前記4枚以上のレンズのうちの最も像側に配置されたレンズは、光軸方向に沿って光軸を含むレンズ断面の輪郭線において前記光軸の交点から有効領域端に向かった場合に垂接点を有する非球面形状の面を少なくとも1面有し、前記第1レンズと前記第2レンズとは、一体で移動するように係合し、前記第1レンズおよび前記第2レンズを保持する鏡胴部材をさらに備えることを特徴とする。
このような構成の撮像光学系は、最も像側に位置するレンズが、前記レンズ断面の輪郭線において光軸との交点を除く位置に垂接点を有する非球面形状の面を有するような撮像光学系であるため、第1レンズと第2レンズが全てのレンズの中で最も製造誤差感度が高くなる。しかしながら、上記構成の撮像光学系は、その第1レンズと第2レンズとが一体で偏芯調整されるので、製造誤差感度が相殺されるから、偏芯調整をより余裕を持って行うことができ、調芯精度を高めることができる。この結果、このような構成の撮像光学系は、高い調芯精度によって、各レンズが協働してレンズ単品以上の性能を実現することが可能となり、偏芯調整の効果を充分に発揮することができる。
ここで、「垂接点」とは、レンズの有効半径内であって、光軸に沿ったレンズ断面(光軸方向に沿って該光軸を含むレンズ断面)の輪郭線の曲線上における個々の点において、レンズ面の接平面を設定した場合に、前記接平面がレンズの光軸に対し垂直な平面となる点をいい、数学的には前記輪郭線に極値を与える点をいう。「有効領域」とは、設計上、光学的にレンズとして使用される領域として設定された領域をいう。
また、他の一態様では、上述の撮像光学系において、前記第1レンズと前記第2レンズとは、その一方がその他方を保持することによって、一体で移動するように係合し、前記鏡胴部材は、前記一方を保持することによって、前記第1レンズおよび前記第2レンズを保持することを特徴とする。
このような構成の撮像光学系は、第1および第2レンズのうちの一方が他方を保持することにより、第1レンズと第2レンズとの間における偏芯で発生する軸上コマ収差や画角内で非対称な像ボケを最小限に抑えることができる。
また、他の一態様では、上述の撮像光学系において、前記第1レンズと前記第2レンズとは、前記第1レンズおよび前記第2レンズにおける各有効領域外の各周縁領域において互いに嵌合する嵌合構造によって、その一方がその他方を保持することを特徴とする。
このような構成の撮像光学系は、嵌合構造が用いられているので、第1レンズの光軸と第2レンズの光軸とを高精度に一致させ合わせることができる。
また、他の一態様では、これら上述の撮像光学系において、前記第1レンズは、有効領域外に第1平面部を有し、前記第2レンズは、有効領域外の両面に第2および第3平面部を有し、前記鏡胴部材は、第4平面部を有し、前記第1レンズと前記第2レンズとは、互いに前記第1および第2平面部同士で接着剤によって接着固定されるとともに、前記第1レンズの側面も接着剤によって接着され、前記第2レンズと前記鏡胴部材とは、少なくとも互いに前記第3および第4平面部同士で接着剤によって接着固定されることを特徴とする。
このような構成の撮像光学系は、第1および第2レンズでは平面部および側面が接着剤によって接着され、第2レンズおよび鏡胴部材では少なくとも平面部が接着剤によって接着されているので、例えば落下衝撃等の信頼性への耐性を高めることができる。
また、他の一態様では、これら上述の撮像光学系において、前記接着剤は、紫外線硬化型であることを特徴とする。
このような構成の撮像光学系は、紫外線照射量に応じて、例えば紫外線照射時間に応じて接着強度を制御可能な紫外線硬化型の接着剤が用いられるので、偏芯調整に伴う組み立て工程中では仮留め(仮硬化)を行って後に本留め(本硬化)を行うことができる。このため、このような構成の撮像光学系は、接着が完了するまで組み立て作業を中断する必要がなく、組み立て作業の効率化を図ることができ、組み立て作業時間の増大を最小限に抑えることができる。
また、他の一態様では、これら上述の撮像光学系において、前記鏡胴部材と一体に成形され、前記4枚以上のレンズのうち前記第1および第2レンズを除く残余の各レンズを保持する第2鏡胴部材を備えることを特徴とする。あるいは、これら上述の撮像光学系において、前記鏡胴部材は、前記第1および第2レンズに加えて、前記4枚以上のレンズのうち前記第1および第2レンズを除く残余の各レンズもさらに保持することを特徴とする。
このような構成の撮像光学系は、前記各鏡胴部材が一体に成形されるので、あるいは、前記鏡胴部材が、前記第1および第2レンズに加えて、前記4枚以上のレンズのうち前記第1および第2レンズを除く残余の各レンズもさらに保持するので、第1および第2レンズの光軸と、当該鏡胴部材に保持されるレンズの光軸との位置精度を高めることができるため、偏芯調整量を低減することができ、光学性能の向上と撮像光学系の外形寸法の小型化とを両立することが可能となる。
また、他の一態様では、これら上述の撮像光学系において、前記4枚以上のレンズのうち前記第1および第2レンズを除く残余の各レンズを保持する1または複数の第3鏡胴部材をさらに備えることを特徴とする。
このような構成の撮像光学系は、前記4枚以上の各レンズが複数の鏡胴部材によって保持されるので、例えばインナーフォーカスや変倍や手ぶれ補正等の移動を伴うレンズを前記4枚以上の各レンズ中に含むことができる。このため、このような構成によれば、このような機能を持った撮像光学系を提供することが可能となる。
また、他の一態様では、これら上述の撮像光学系において、前記4枚以上のレンズは、前記第1ないし第4レンズと、前記第4レンズの像側に配置される第5レンズとから成り、前記第1レンズは、物体側に凸形状を持つ正レンズであり、前記第2レンズは、像側に凹形状を持つ負レンズであり、前記第4レンズは、像側に凸形状を持つ正レンズであり、前記第5レンズは、像側に凹形状を持つ負レンズであることを特徴とする。
このような構成の撮像光学系は、上記各特性を持つ第1、第2、第4および第5レンズを物体側より像側へ順に配置することで、球面収差や色収差を補正することができ、また、テレセントリック性を確保することもできる。特に、第5レンズが像側凹形状であるので、このような構成の撮像光学系は、主点位置を物体側に持っていくことができるため、所謂テレフォトタイプとなり、光学全長の短縮化を図ることができる。
また、他の一態様では、これら上述の撮像光学系において、下記(1)の条件式を満たすことを特徴とする。
1<TL/Ymax<2 ・・・(1)
ただし、TLは、物体距離無限時の撮像光学系の光学全長であり、Ymaxは、最大像高である。
このような構成の撮像光学系は、上記条件式(1)を満たすことで、より小型化されており、そのため、偏芯調整の効果を最大限に発揮することが可能となる。
また、本発明の他の一態様にかかる撮像装置は、これら上述のいずれかの撮像光学系と、光学像を電気的な信号に変換する撮像素子とを備え、前記撮像光学系が前記撮像素子の受光面上に物体の光学像を形成可能とされていることを特徴とする。
この構成によれば、所期の性能を発揮するように偏芯調整された4枚以上のレンズ構成の撮像光学系を用いた撮像装置を提供することができる。したがって、このような撮像装置は、偏芯調整の効果を充分に享受することができ、高性能化を図ることができる。
また、本発明の他の一態様では、上述の撮像装置において、下記(2)の条件式を満たすことを特徴とする。
0.8<PD/(PX×Fn)<5 ・・・(2)
ただし、PDは、前記撮像素子の対角長(mm)であり、PXは、前記撮像素子の画素サイズ(mm)であり、そして、Fnは、無限光に対するF値(Fナンバー)である。
このような構成の撮像装置では、上記条件式(2)の値がその上限値を上回ると、所期の精度を高精度に発揮させて固定することが困難となる。一方、上記条件式(2)の値がその下限値を下回ると、偏芯調整自体が不要となる。
また、本発明の他の一態様にかかるデジタル機器は、上述の撮像装置と、前記撮像装置に被写体の静止画撮影および動画撮影の少なくとも一方の撮影を行わせる制御部とを備え、前記撮像装置の撮像光学系が、前記撮像素子の撮像面上に前記被写体の光学像を形成可能に組み付けられていることを特徴とする。そして、好ましくは、デジタル機器は、携帯端末から成る。
この構成によれば、所期の性能を発揮するように偏芯調整された4枚以上のレンズ構成の撮像光学系を用いたデジタル機器や携帯端末を提供することができる。したがって、このようなデジタル機器や携帯端末は、偏芯調整の効果を充分に享受することができ、高性能化を図ることができる。
そして、本発明の他の一態様にかかる撮像光学系の製造方法は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正または負の屈折力を有する第3および第4レンズとを含む4枚以上のレンズを備える撮像光学系の製造方法であって、前記4枚以上のレンズのうちの最も像側に配置されたレンズは、光軸方向に沿って光軸を含むレンズ断面の輪郭線において前記光軸の交点から有効領域端に向かった場合に垂接点を有する非球面形状の面を少なくとも1面を有し、光軸と垂直な垂直面内で前記第1レンズおよび前記第2レンズを一体で移動することによって偏芯調整する工程と、前記第1レンズおよび前記第2レンズを鏡胴部材で保持する工程とを備えることを特徴とする。
このような構成の撮像光学系の製造方法は、最も像側に位置するレンズが、光軸方向に沿って光軸を含むレンズ断面の輪郭線において光軸との交点を除く位置に垂接点を有する非球面形状の面を有するような撮像光学系であるため、第1レンズと第2レンズが全てのレンズの中で最も製造誤差感度が高くなる。しかしながら、このような構成の撮像光学系の製造方法は、その第1レンズと第2レンズとが一体で偏芯調整されるので、製造誤差感度が相殺されるから、偏芯調整をより余裕を持って行うことができ、調芯精度を高めることができる。この結果、このような構成の撮像光学系は、高い調芯精度によって、各レンズが協働してレンズ単品以上の性能を実現することが可能となり、偏芯調整の効果を充分に発揮することができる。
本発明にかかる撮像光学系およびその製造方法は、4枚以上のレンズ構成であって、偏芯調整をより余裕を持って行うことができる。そして、本発明によれば、このような撮像光学系を用いた撮像装置およびデジタル機器の提供が可能となる。したがって、このような撮像装置やデジタル機器や携帯端末は、高性能化を図ることができる。
第1実施形態における撮像光学系の説明のための、その構成を模式的に示したレンズ断面図である。 主光線の像面入射角の定義を示す模式図である。 第1実施形態における撮像光学系の構造を示す断面図である。 第1実施形態の撮像光学系における第1レンズを示す図である。 第1実施形態の撮像光学系における第2レンズを示す図である。 第1実施形態の撮像光学系における鏡胴部材を示す図である。 第1実施形態における撮像光学系の分解斜視図である。 実施例1における撮像光学系の縦収差図である。 第2実施形態における撮像光学系の説明のための、その構成を模式的に示したレンズ断面図である。 第2実施形態における撮像光学系の構造を示す断面図である。 実施例2における撮像光学系の縦収差図である。 実施形態におけるデジタル機器の構成を示すブロック図である。 デジタル機器の一実施形態を示すカメラ付携帯電話機の外観構成図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、接合レンズにおけるレンズ枚数は、接合レンズ全体で1枚ではなく、接合レンズを構成する単レンズの枚数で表すこととする。
<第1実施形態の撮像光学系の説明>
図1は、第1実施形態における撮像光学系の説明のための、その構成を模式的に示したレンズ断面図である。なお、図1において、各レンズ面に付されている番号ri(i=1,2,3,・・・)は、物体側から数えた場合のi番目のレンズ面(ただし、レンズの接合面は1つの面として数えるものとする。)であり、riに「*」印が付されている面は、非球面であることを示す。図9も同様である。図2は、主光線の像面入射角の定義を示す模式図である。なお、以下において、主光線の像面入射角は、図2に示すように、撮像面への入射光線のうち最大画角の主光線の、像面に立てた垂線に対する角度(deg、度)αであり、像面入射角αは、射出瞳位置が像面より物体側にある場合の主光線角度を正方向とする。
図1において、この第1実施形態における撮像光学系OSAは、光学像を電気的な信号に変換する撮像素子8Aの受光面上に、物体(被写体)の光学像を形成するものであって、物体側より像側へ順に、第1ないし第4レンズ1A〜4Aの4枚のレンズと、さらに像側に配置される第5レンズ5Aとから構成されて成る光学系である。撮像素子8Aは、その受光面が撮像光学系OSAの像面と略一致するように配置される(像面=撮像面)。
そして、この撮像光学系OSAでは、第1ないし第5レンズ1A〜5Aが全玉繰り出しで光軸方向に移動することによってフォーカシングが行われる。
さらに、第1レンズ1Aは、正の屈折力を有し、第2レンズ2Aは、負の屈折力を有し、第3レンズ3Aは、正または負の屈折力を有し、第4レンズ4Aは、正または負の屈折力を有している。この図1に示す例では、第3および第4レンズ3A、4Aは、それぞれ、正の屈折力を有している。そして、第5レンズ5Aは、負の屈折力を有している。一例では、より具体的に、第1レンズ1Aは、正の屈折力を有し物体側に凸形状を持つ両凸の正レンズであり、第2レンズ2Aは、負の屈折力を有し像側に凹形状を持つ負メニスカスレンズであり、第3レンズ3Aは、正の屈折力を有し物体側に凸形状を持つ正メニスカスレンズであり、第4レンズ4Aは、正の屈折力を有し像側に凸形状を持つ正メニスカスレンズであり、そして、第5レンズ5Aは、負の屈折力を有し像側に凹形状を持つ負メニスカスレンズである。
これら第1ないし第5レンズ1A〜5Aは、両面が非球面である。そして、これら5枚の第1ないし第5レンズ1A〜5Aのうちの最も像側に配置された第5レンズ5Aは、光軸方向に沿って光軸AXを含むレンズ断面の輪郭線において光軸AXの交点から有効領域端に向かった場合に垂接点PA、PAを有する非球面形状の面を、像側に有している。このような垂接点PA、PAを設けることで、撮像素子8Aの撮像面に入射される光線は、なるべくその法線方向から入射されるように調整される。
これら第1ないし第5レンズ1A〜5Aは、例えばガラスモールドレンズであってもよく、また例えば、プラスチック等の樹脂材料製レンズであってもよい。特に、携帯端末に搭載する場合には軽量化や低コスト化の観点から、また加工性の観点から、樹脂材料製レンズが好ましい。図1に示す例では、これら第1ないし第5レンズ1A〜5Aは、樹脂材料製レンズである。
そして、この撮像光学系OSAには、例えば開口絞り等の光学絞り6Aが第1レンズ1Aの物体側に配置されている。
さらに、この撮像光学系OSAの像側、すなわち、第5レンズ5Aにおける像側には、フィルタ7Aや撮像素子8Aが配置される。フィルタ7Aは、平行平板状の光学素子であり、各種光学フィルタや、撮像素子8Aのカバーガラス(シールガラス)等を模式的に表したものである。使用用途、撮像素子、カメラの構成等に応じて、光学的ローパスフィルタ、赤外線カットフィルタ等の光学フィルタを適宜に配置することが可能である。撮像素子8Aは、この撮像光学系OSAによって結像された被写体の光学像における光量に応じてR(赤)、G(緑)、B(青)の各成分の画像信号に光電変換して所定の画像処理回路(不図示)へ出力する素子である。これらによって物体側の被写体の光学像が、撮像光学系OSAによりその光軸AXに沿って所定の倍率で撮像素子8Aの受光面まで導かれ、撮像素子8Aによって前記被写体の光学像が撮像される。
そして、第1および第2レンズ1A、2Aは、互いに相対位置関係を維持して一体で移動するように固定的に互いに係合しており、後述の鏡胴部材11Aによって保持されている。本実施形態の撮像光学系OSAは、第1ないし第5レンズ1A〜5Aのうちの第1および第2レンズ1A、2Aを除く残余の各レンズ、すなわち、この例では、第3ないし第5レンズ3A〜5Aもさらに前記鏡胴部材11Aによって保持されている。言い換えれば、第1ないし第5レンズ1A〜5Aのうちの第1および第2レンズ1A、2Aを除く残余の各レンズ(この例では第3ないし第5レンズ3A〜5A)を保持する他の鏡胴部材は、この鏡胴部材11Aと一体に成形されている。より具体的には、第1実施形態における撮像光学系OSAは、次のような構造を有している。
図3は、第1実施形態における撮像光学系の構造を示す断面図である。図4は、第1実施形態の撮像光学系における第1レンズを示す図である。図4は、図7(A)に示す矢符Cから見た像側の正面図である。図5は、第1実施形態の撮像光学系における第2レンズを示す図である。図5(A)は、図7(A)に示す矢符Dから見た物体側の正面図であり、図5(B)は、図7(A)に示す矢符Eから見た像側の正面図である。図6は、第1実施形態の撮像光学系における鏡胴部材を示す図である。図6(A)は、図7(A)に示す矢符Aから見た物体側の正面図であり、図6(B)は、図7(A)に示す矢符Bから見た像側の正面図である。図7は、第1実施形態における撮像光学系の分解斜視図である。図7(A)は、物体側から見た斜視図であり、図7(B)は、像側から見た斜視図である。
図3ないし図7において、撮像光学系OSAは、上述した第1ないし第5レンズ1A〜5Aと、第1レンズ1Aの物体側に配置される開口絞り6Aと、第1ないし第5レンズ1A〜5Aにおける各間に配置される第1ないし第4遮光板9A(9A−1〜9A−4)と、開口絞り6A、第1ないし第5レンズ1A〜5Aおよび第1ないし第4遮光板9A−1〜9A−4を保持する鏡胴部材11Aと、鏡胴部材11Aと係合し、鏡胴部材11Aを光軸に沿って移動させることによって第1ないし第5レンズ1A〜5Aの全玉繰り出しで合焦を行うための図略のアクチュエータと、これら開口絞り6A、第1ないし第5レンズ1A〜5A、第1ないし第4遮光板9A−1〜9A−4、鏡胴部材11Aおよび前記アクチュエータを収納する筐体12Aと、筐体12Aを保護する前カバー13Aとを備える。そして、第5レンズ5Aの像側には、光軸に沿って物体側から像側へ順に、フィルタ7Aおよび撮像素子8Aが配置されている。
開口絞り6Aは、第1ないし第5レンズ1A〜5Aを備えて成る撮像光学系OSAを透過する光を制限して撮像素子8Aに到達する光量を調整する部材である。開口絞り6Aは、遮光性を有する材料によって、図7に示すように、円板状に形成されている。開口絞り6Aの略中心には、同心で、被写体からの光を撮像光学系OSAへ導光するための円形の開口が形成されており、裏面(像側)には、同心で、第1レンズ1Aと当接するための上面が平面(平坦面)であって幅のある環状の凸部601Aが形成されている。
第1ないし第4遮光板9A−1〜9A−4は、それぞれ、迷光等の、撮像光学系OSAにとって不要な不要光を遮断するための部材である。第1ないし第4遮光板9A−1〜9A−4は、遮光性を有する材料によって、図7に示すように、それぞれの配置位置に応じた大きさで環板状にそれぞれ形成されている。
第1ないし第5レンズ1A〜5Aは、それぞれ、円形の有効領域と、他の部材(主に鏡胴部材11A)に取り付けるための、有効領域の外周に延設されるフランジ部とを備える。そして、第1レンズ1Aと第2レンズ2Aとは、それぞれに形成された各係合部でその一方がその他方を保持することによって、一体で移動するように係合している。より具体的には、各レンズ1A〜5Aは、次のように構成されている。
第1レンズ1Aの物体側には、そのフランジ部に周方向に所定の間隔を空けて複数(図7に示す例では6個)の円弧状の凸部101Aが形成されており、各凸部101Aの上面は、開口絞り6Aに当接するための平面(平坦面)となっている。第1レンズ1Aの像側には、そのフランジ部に前記係合部が形成されている。より具体的には、第1レンズ1Aの像側には、図4に示すように、そのフランジ部に、有効領域の外周に光軸方向に立設する、前記有効領域における第1レンズ1Aの光軸と同心で環状の突条部(係合部の一例)102Aが形成されている。突条部102Aの頂部は、第2遮光板9A−2に当接するための平面になっており、その内周側(内側面)は、テーパ状になっており、そして、その外周側(外側面)は、光軸AXに略平行な平面になっている。前記フランジ部における突条部102Aの外周側は、第2レンズ2Aに当接するための平面になっており、そして、この平面における突条部102Aの外側近傍には、余分な接着剤を逃がすための環状の溝103Aが形成されている。
第2レンズ2Aの物体側には、図5(A)に示すように、そのフランジ部に周方向に所定の間隔を空けて複数(図5(A)に示す例では3個)の円弧状の凸部(係合部の一例)201Aが形成されている。これら凸部201Aは、有効領域における第2レンズ2Aの光軸と同心であり、第1レンズ1Aの突条部102Aの径よりも僅かに大きな径で形成されており、これら凸部の内側に第1レンズ1Aの突条部102Aが嵌り込むことができるように形成されている。これら凸部201Aの上面は、第1レンズ1Aに当接するための平面となっており、これら凸部201Aの内周面は、第1レンズ1Aの突条部102Aの外周面と当接するための光軸AXに略平行な平面となっている。
第1レンズ1Aの突条部102Aおよび第2レンズ2Aの各凸部201Aは、突条部102Aが各凸部201Aの内側に嵌り込むことによって、第1レンズ1Aおよび第2レンズ2Aにおける各有効領域外の各周縁領域において、互いに相対位置関係を維持して固定的に互いに嵌合する嵌合構造となっている。
そして、第2レンズ2Aの像側には、そのフランジ部に周方向に所定の間隔を空けて複数(図5(B)に示す例では6個)の円弧状の凸部202Aが形成されており、各凸部202Aの上面は、鏡胴部材11Aにおける後述の中間支持部111Aの物体側面に当接するための平面となっている。そして、これら各凸部202Aには、余分な接着剤を逃がすための円弧状の溝203Aが形成されている。
第3レンズ3Aの物体側には、そのフランジ部に周方向に所定の間隔を空けて複数(図7に示す例では6個)の円弧状の凸部301Aが形成されており、各凸部301Aの上面は、鏡胴部材11Aにおける中間支持部111Aの像側面に当接するための平面となっている。第3レンズ3Aの像側では、そのフランジ部は、光軸方向において、有効領域の周縁部分よりも像側に張り出すように形成されており、その頂部の面は、第3遮光板9A−3に当接するための平面となっている。また同様に、第4レンズ4Aの物体側には、そのフランジ部に周方向に所定の間隔を空けて複数(図7に示す例では6個)の円弧状の凸部401Aが形成されており、各凸部401Aの上面は、第3遮光板9A−3に当接するための平面となっている。第4レンズ4Aの像側では、そのフランジ部は、光軸方向において、有効領域の周縁部分よりも像側に張り出すように形成されており、その頂部402Aの面は、第4遮光板9A−4に当接するための平面となっている。そして、第5レンズ5Aでは、その物体側のフランジ部は、光軸方向において、有効領域の周縁部分よりも張り出すように形成されており、その頂部501Aの面は、第4遮光板9A−4に当接するための平面となっている。
これら第1ないし第5レンズ1A〜5Aの外周面(各フランジ部の外周面)は、鏡胴部材11Aの内周面と当接するための光軸AXに略平行な平面となっている。
そして、第2レンズ2Aは、第1レンズ1Aの径よりも大きな径で形成されている(第1レンズの径<第2レンズの径)。第3ないし第5レンズ3A〜5Aは、それらの径が第3レンズ3A、第4レンズ4Aおよび第5レンズ5Aの順でより大きな径で形成されている(第3レンズの径<第4レンズの径<第5レンズの径)。
このような形状の開口絞り6A、第1ないし第5レンズ1A〜5Aおよび第1ないし第4遮光板9A−1〜9A−4を保持する鏡胴部材11Aは、遮光性を有する材料によって、図6に示すように、大略、円筒形状に形成されており、第1および第2レンズ1A、2Aを収納する前空間と第3ないし第5レンズ3A〜5Aを収納する後空間とを分け、一体に移動可能に係合された第1および第2レンズ1A、2Aを第2レンズ2Aで支持するための中間支持部111Aが環板状で径方向に光軸AXに向けて内周面に凸設されている。
前記前空間は、一体に移動可能に係合された第1および第2レンズ1A、2Aが、調芯の際に、光軸AXに対し直交する面(光軸AXを法線とする面)内で移動することができるように、第2レンズ2Aの外径よりも大きな内径で形成されている(第2レンズ2Aの外径<前記前空間の内径)。この前記前空間の内径と第2レンズ2Aの外径との差分が調芯の際の調整しろとなる。また、前記後空間は、第3ないし第5レンズ3A〜5Aのそれぞれが嵌り込むように、第3ないし第5レンズ3A〜5Aの各外径に対応した内径で、段差を設けて順次に径が物体側から像側へ向けて大きくなるように形成されている。すなわち、第3レンズ3Aが嵌り込む位置における前記後空間の内径は、第3レンズ3Aの外径と略同径で形成され、第4レンズ4Aが嵌り込む位置における前記後空間の内径は、第4レンズ4Aの外径と略同径で形成され、そして、第5レンズ5Aが嵌り込む位置における前記後空間の内径は、第5レンズ5Aの外径と略同径で形成されている。
図略の前記アクチュエータは、例えば、SIDM(Smooth Impact Drive Mechanism、「SIDM」は登録商標)と称される、公知の超音波リニアアクチュエータである。このSIDMは、軸方向に伸縮する圧電素子と、前記圧電素子の一方端面に接続されたロッドとを備え、前記圧電素子を非対称な伸縮運動で運動させることによって、前記ロッドに所定の摩擦力で係合する部材をロッドの軸方向に沿って駆動するものである。本実施形態では、前記ロッドに、鏡胴部材11Aが所定の摩擦力で係合される。前記圧電素子の前記非対称な伸縮運動は、進行方向に前記ロッドを相対的にゆっくりとした速度で伸張し、その後逆方向に前記ロッドを相対的に速い速度で縮小するように動作させる運動である。これによって前記ロッドに摩擦係合する前記部材は、前記進行方向に移動する。
筐体12Aは、遮光性を有する部材によって形成された箱体であり、前部筐体12A−1と、後部筐体12A−2とに光軸方向で二分割されており、これらが組み合わされて前記箱体を形成する。前部筐体12A−1は、例えば、略矩形の前面板121A−1と、前面板121A−1の四周から立設される側壁板と、前記側壁板に形成された後部筐体12A−2と係合するための係止爪とを備えている。前面板121A−1には、その略中央に、被写体からの光線を導入するための開口が形成されており、前面板121A−1には、略中央に被写体からの光線を導入するための開口が形成された前カバー13Aがその開口と前面板121A−1の前記開口に合うように取り付けられている。後部筐体12A−2は、ベース板121A−2と、前記ベース板121A−2に設けられた、例えば前記アクチュエータ等の各部材を位置決めするための複数の位置決め用の凸部や凹部と、前部筐体12A−1の前記係止爪が嵌り込む係止凹部とを備えている。ベース板121A−2は、その略中央に、筐体12A内に収納された撮像光学系OSAによって撮像された被写体の光学像を導出するための開口が形成されており、ベース板121A−2には、その開口を閉塞するようにフィルタ7Aが取り付けられている。そして、このような形状の前部筐体12A−1と後部筐体12A−2とは、前記係止爪を前記係止凹部に嵌め込むことで組み合わされ、前記箱体を形成する。そして、筐体12Aは、撮像素子8Aを搭載した図略の基板に、フィルタ7Aを介して射出された被写体の光学像が撮像素子8Aに結像するように、取り付けられている。
このような形状の各部材を備える撮像光学系OSAおよび撮像装置21Aは、例えば、次のように組み立てられる。
まず、第3レンズ3Aの外周面に、または、鏡胴部材11Aの第3レンズ3Aが取り付けられる内周面に、接着剤が塗布され、第2遮光板9A−2を介して第3レンズ3Aが鏡胴部材11Aの後空間に嵌め込まれる。次に、同様に、第4レンズ4Aの外周面に、または、鏡胴部材11Aの第4レンズ4Aが取り付けられる内周面に、接着剤が塗布され、第3遮光板9A−3を介して第4レンズ4Bが鏡胴部材11Aの後空間に嵌め込まれ、そして、第5レンズ5Aの外周面に、または、鏡胴部材11Aの第5レンズ5Aが取り付けられる内周面に、接着剤が塗布され、第4遮光板9A−4を介して第5レンズ5Aが鏡胴部材11Aの後空間に嵌め込まれる(第3ないし第5レンズ取付工程)。
このように第3ないし第5レンズ3A〜5Aは、鏡胴部材11Aにおける、光軸AXに一致した同軸の後空間に嵌め込まれ、1個の鏡胴部材11Aによって一体で保持されるので、上記構成の鏡胴部材11Aでは、第3ないし第5レンズ3A〜5Aの各光軸を高精度に互いに一致させ光軸AXに合わせることが可能となる。
次に、第1レンズ1Aが、その像側の突条部102Aを第1遮光板9A−1を介して第2レンズ2Aの物体側における各凸部201Aの内側に嵌め込まれることによって、第1レンズ1Aが第2レンズ2Aに係合されて保持される(一体化工程)。この嵌め込む際に第1レンズ1Aのフランジ部の平面または第2レンズ2Aのフランジ部における円弧状の凸部の平面には、紫外線硬化型の接着剤が塗布される。
本実施形態の撮像光学系OSAおよび撮像装置21Aでは、このように第1レンズ1Aが第2レンズ2Aで保持されるので、第1レンズ1Aと第2レンズ2Aとの間における偏芯で発生する軸上コマ収差や画角内で非対称な像ボケを最小限に抑えることができる。さらに、本実施形態の撮像光学系OSAおよび撮像装置21Aでは、第1レンズ1Aの突条部102Aは、第1レンズ1Aの光軸と同心で形成されるとともに、第2レンズ2Aの各凸部201Aは、第2レンズ2Aの光軸と同心で形成されるので、このような嵌合構造を用いることで、第1レンズの光軸と第2レンズの光軸とを高精度に一致させ互いに合わせることが可能となる。
次に、第2レンズ2Aのフランジ部における凸部202Aの溝203A内側の平面に、または、鏡胴部材11Aの中間支持部111Aの物体側面に、紫外線硬化型の接着剤が塗布され、一体化された第1および第2レンズ1A、2Aが、鏡胴部材11Aの前空間に収容され、光軸AXと垂直な垂直面内で第1および第2レンズ1A、2Aを一体で移動することによって光軸AXと一致するように偏芯が調整される(調芯工程)。
この偏芯調整(調芯)は、例えば、検査光を入射させ、いわゆるMTF特性が最大となる第1および第2レンズ1A、2Aの垂直面内での位置を探索することによって実施される。
次に、第1レンズ1Aの外周面(外側面)と鏡胴部材11Aにおける前空間の内周面(内側面)との間の空間に紫外線硬化型の接着剤が充填され、第1および第2レンズ1A、2Aが仮留めされる(仮留め工程)。なお、この充填された接着剤が第2レンズ2Aと鏡胴部材11Aとの間に入り込んでもよい。
紫外線硬化型の接着剤は、所定量の紫外線を照射することで硬化し、接着する接着剤であり、その紫外線照射量に応じて、例えば紫外線照射時間に応じて接着強度を制御することができる。このため、前記仮留めは、紫外線硬化型の接着剤が完全に硬化(本硬化)する前の所定の紫外線照射量(例えば紫外線照射時間)とされ、この仮留めでは、紫外線硬化型の接着剤は、撮像装置21の組み立て工程を実施する上で第1および第2レンズ1A、2Aがその位置精度を確保することができる程度に硬化(仮硬化)される。
このように偏芯調整に伴う組み立て工程中では仮留め(仮硬化)を行って後に本留め(本硬化)を行うことができるので、接着が完了するまで組み立て作業を中断する必要がなく、組み立て作業の効率化を図ることができ、組み立て作業時間の増大を最小限に抑えることができる。
次に、このように第1ないし第5レンズ1A〜5Aおよび第1ないし第4遮光板9A−1〜9A−4を取り付けた鏡胴部材11Aが、図略の前記アクチュエータに係合され、これらを収納して前部筐体12A−1および後部筐体12A−2が組み合わされ、これによって、これらが筐体12A内に配置される。
次に、所定量の紫外線を照射することで、紫外線硬化型の接着剤を完全に硬化させ、本硬化(本留め)が行われる(本留め工程)。これによって第1および第2レンズ1A、2Aが鏡胴部材11Aに固定的に保持される。なお、この本硬化の際には、上述のように各光学素子を取り付けた鏡胴部材11Aを収納した筐体12Aが複数集められ、複数個が同時に本硬化されてもよい。これによって複数の製品を生産する場合に、複数の製品を個別に製造する場合に要する全生産時間に較べて、前記複数の製品の全生産時間が短縮化され、前記複数の製品の生産のスループットを上げることができる。
次に、開口絞り6Aに、または、鏡胴部材11Aの開口絞り6Aが取り付けられる内周面に、接着剤が塗布され、第1レンズ1Aの物体側に開口絞り6Aが取り付けられる。
そして、前部筐体12A−1の前面板121A−1に前カバー13Aが取り付けられ、後部筐体12A−2のベース板121A−2にフィルタ7Aが取り付けられ、このように組み上げられた筐体12Aが、図略の基板上に配設された撮像素子8A上に所定の間隔を空けて前記基板に取り付けられる。
なお、前記本留め工程の前に、筐体12Aにフィルタ7Aが取り付けられ、これを前記基板に取り付けた後に、上述の、本留め工程、開口絞り6Aの取り付け工程および前カバー13Aの取り付け工程が行われてもよい。
このような各工程を経ることによって撮像光学系OSAおよび撮像装置21Aが組み立てられる。
なお、上述の実施形態では、第1レンズ1Aが第2レンズ2Aに入り込む嵌合構造が採用されているが、第2レンズ2Aが第1レンズ1Aに入り込む嵌合構造であってもよく、第1レンズ1Aが第2レンズ2Aを保持してもよい。なお、後述の第2実施形態も同様である。
このような4枚以上のレンズ構成の撮像光学系OSAは、最も像側に位置する第5レンズ5Aが、前記垂接点PA、PAを有する非球面形状の面を有する撮像光学系であるため、第1レンズ1Aと第2レンズ2Aが全てのレンズ1A〜5Aの中で最も製造誤差感度が高くなる。しかしながら、このような構成の撮像光学系OSAは、その第1レンズ1Aと第2レンズ2Aとが互いに係合しており一体で偏芯調整されるので、製造誤差感度が相殺されるから、偏芯調整をより余裕を持って行うことができ、調芯精度を高めることができる。この結果、このような構成の撮像光学系OSAは、高い調芯精度によって、各レンズ1A〜5Aが協働してレンズ単品以上の性能を実現することが可能となり、偏芯調整の効果を充分に発揮することができる。
また、本実施形態の撮像光学系OSAでは、第1レンズ1Aと第2レンズ2Aとは、それらの平面部同士でおよび第1レンズ1Aの側面と第2レンズ2Aの物体側周縁部とで接着剤によって接着されている。そして、第2レンズ2Aと鏡胴部材11Aとは、それらの平面部同士で接着剤によって接着されている。このため、本実施形態の撮像光学系OSAは、例えば落下衝撃等の信頼性への耐性を高めることができる。
また、本実施形態の撮像光学系OSAでは、鏡胴部材11Aは、4枚以上のレンズ1A〜5Aのうち第1および第2レンズ1A、2Aを除く残余の各レンズ3A〜5Aを保持する第2鏡胴部材と一体に成形されている。言い換えれば、鏡胴部材11Aは、第1および第2レンズ1A、2Aに加えて、4枚以上のレンズ1A〜5Aのうち第1および第2レンズ1A、2Aを除く残余の各レンズ3A〜5Aもさらに保持している。このため、本実施形態の撮像光学系OSAは、第1および第2レンズ1A、2Aの光軸と、当該鏡胴部材に保持されるレンズ3A〜5Aの光軸との位置精度を高めることができるから、偏芯調整量を低減することができ、光学性能の向上と撮像光学系OSAの外形寸法の小型化とを両立することが可能となる。
そして、上述の例では、撮像光学系OSAにおいて、第1レンズ1Aは、物体側に凸形状を持つ正レンズであり、第2レンズ2Aは、像側に凹形状を持つ負レンズであり、第4レンズ4Aは、像側に凸形状を持つ正レンズであり、第5レンズ5Aは、像側に凹形状を持つ負レンズである。このため、このような構成の撮像光学系OSAは、上記各特性を持つ第1、第2、第4および第5レンズ1A、2A、4A、5Aを物体側より像側へ順に配置することで、球面収差や色収差を補正することができ、また、テレセントリック性を確保することもできる。特に、第5レンズ5Aが像側凹形状であるので、このような構成の撮像光学系OSAは、主点位置を物体側に持っていくことができるため、所謂テレフォトタイプとなり、光学全長TLの短縮化を図ることができる。
また、本実施形態の撮像光学系OSAでは、上述したように、第1ないし第5レンズ1A〜5Aの全ては、樹脂材料で形成された樹脂材料製レンズである。近年では、固体撮像装置は、その全体がさらなる小型化が要請されており、同じ画素数の固体撮像素子であってもその画素ピッチが小さく、その結果、撮像面サイズが小さくなってきている。このような撮像面サイズの小さい固体撮像素子向けの撮像光学系は、その全系の焦点距離を比較的短くする必要があるため、各レンズの曲率半径や外径がかなり小さくなってしまう。したがって、このような構成の撮像光学系OSAは、射出成形により製造される樹脂材料製レンズで全てのレンズを構成することによって、手間のかかる研磨加工によって製造されるガラスレンズと比較すれば、曲率半径や外径の小さなレンズであっても安価に大量に生産することが可能となる。また、樹脂材料製レンズは、プレス温度を低くすることができることから、成形金型の損耗を抑えることができ、その結果、成形金型の交換回数やメンテナンス回数が減少し、コスト低減を図ることができる。
<撮像光学系OSAのより具体的な構成である実施例1の説明>
以下、図1に示したような撮像光学系1の具体的な構成について以下に説明する。
実施例1の撮像光学系における、各レンズのコンストラクションデータを以下に示す。
数値実施例1
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1(絞り) ∞ 0.050
2 ∞ -0.176
3* 1.873 0.649 1.53048 55.72
4* -7.367 0.101
5* 5.579 0.286 1.63469 23.87
6* 1.666 0.463
7* 8.120 0.353 1.63469 23.87
8* 20.276 0.530
9* -4.263 0.759 1.53048 55.72
10* -1.307 0.415
11* -575.500 0.500 1.53048 55.72
12* 1.474 0.600
13 ∞ 0.110 1.51633 64.14
14 ∞ 0.504
像面 ∞
非球面データ
第3面
K=-9.7814e-002,A4=-4.4537e-003,A6=4.0811e-003,A8=-1.2681e-002,A10=2.7090e-003,A12=1.4864e-003,A14=-2.3480e-003
第4面
K=-2.7378e+001,A4=5.3562e-002,A6=-5.5383e-002,A8=3.1793e-002,A10=-6.3321e-003,A12=-2.3837e-002,A14=1.4038e-002
第5面
K=2.0578e+000,A4=-3.4094e-002,A6=6.9658e-002,A8=-4.9188e-002,A10=-6.0924e-003,A12=1.9598e-002,A14=-5.7701e-003
第6面
K=-6.7804e+000,A4=5.2046e-002,A6=3.4713e-002,A8=-2.3444e-002,A10=1.0555e-002,A12=6.5898e-003,A14=-6.8271e-003
第7面
K=-5.2759e+000,A4=-7.6616e-002,A6=-1.0909e-002,A8=1.8883e-002,A10=9.4622e-003,A12=9.2041e-003,A14=-6.7510e-003
第8面
K=-3.0000e+001,A4=-4.6862e-002,A6=-1.2856e-002,A8=2.2566e-003,A10=9.9326e-003,A12=2.9745e-003,A14=-1.3960e-003
第9面
K=-4.6613e+000,A4=4.0628e-002,A6=-1.1156e-002,A8=2.8450e-005,A10=-3.3843e-004,A12=5.4608e-004,A14=-1.0066e-004
第10面
K=-4.3138e+000,A4=-2.3486e-002,A6=3.0633e-002,A8=-6.3291e-003,A10=9.5583e-005,A12=5.1967e-005,A14=-6.0133e-006
第11面
K=3.0000e+001,A4=-5.3484e-002,A6=9.1069e-003,A8=5.0598e-004,A10=-1.5913e-004,A12=4.9775e-006,A14=-2.0204e-007
第12面
K=-7.6074e+000,A4=-4.6512e-002,A6=1.0324e-002,A8=-1.9864e-003,A10=1.9188e-004,A12=-5.1141e-006,A14=-1.4215e-007
各種データ
焦点距離(f) 4.489(mm)
Fナンバ(Fno) 2.403
撮像面対角線長(w) 33.938(mm)
最大像高(Ymax) 3.071(mm)
レンズ全長(TL) 5.110(mm)
バックフォーカス(Bf) 1.180(mm)
各レンズの焦点距離(mm)
第1レンズ1A 2.886
第2レンズ2A -3.853
第3レンズ3A 21.104
第4レンズ4A 3.2623
第5レンズ5A -2.771
ここで、上記各種データのレンズ全長(TL)は、物体距離無限時でのレンズ全長(第1レンズ物体側面から撮像面までの距離)である。
上記の面データにおいて、面番号は、図1に示した各レンズ面に付した符号ri(i=1,2,3,…)の番号iが対応する。番号iに*が付された面は、非球面(非球面形状の屈折光学面または非球面と等価な屈折作用を有する面)であることを示す。
なお、光学絞り6Aの両面、平行平板7Aの両面および撮像素子8Aの受光面も1つの面として扱っている。このような取り扱いおよび符号の意義は、実施例2についても同様である。ただし、全く同一のものであるという意味ではなく、例えば、各実施例の各図を通じて、最も物体側に配置されるレンズ面には、同じ符号(r1)が付されているが、後述のコンストラクションデータに示すように、これらの曲率等が各実施例1、2を通じて同一であるという意味ではない。
また、上記の面データにおいて、“r”は、各面の曲率半径(単位はmm)、“d”は、無限遠合焦状態(無限距離での合焦状態)での光軸上の各レンズ面の間隔(軸上面間隔)、“nd”は、各レンズのd線(波長587.56nm)に対する屈折率、“νd”は、アッベ数をそれぞれ示している。なお、光学絞り6Aの両面、平行平板7Aの両面、撮像素子8Aの受光面の各面は、平面であるために、それらの曲率半径は、∞(無限大)である。
上記の非球面データは、非球面とされている面(面データにおいて番号iに*が付された面)の2次曲面パラメータ(円錐係数K)と非球面係数Ai(i=4,6,8,10,12,14)の値とを示すものである。
各実施例において、非球面の形状は、面頂点を原点とし、光軸方向にX軸をとり、光軸と垂直方向の高さをhとする場合に、次式により定義している。
X=(h/R)/[1+(1−(1+K)h/R1/2]+ΣA・h
ただし、Aiは、i次の非球面係数であり、Rは、基準曲率半径であり、そして、Kは、円錐定数である。
なお、請求項、実施形態および各実施例に記載の近軸曲率半径(r)について、実際のレンズ測定の場面において、レンズ中央近傍(より具体的には、レンズ外径に対して10%以内の中央領域)での形状測定値を最小自乗法でフィッティングした際の近似曲率半径を近軸曲率半径であるとみなすことができる。また、例えば2次の非球面係数を使用した場合には、非球面定義式の基準曲率半径に2次の非球面係数も勘案した曲率半径を近軸曲率半径とみなすことができる(例えば参考文献として、松居吉哉著「レンズ設計法」(共立出版株式会社)のP41〜P42を参照)。
そして、上記非球面データにおいて、「En」は、「10のn乗」を意味する。例えば、「E+001」は、「10の+1乗」を意味し、「E-003」は、「10の−3乗」を意味する。
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例1の撮像光学系における各収差を図8に示す。
図8には、距離無限遠での収差図が示されており、各図の(A)、(B)および(C)は、それぞれ、この順に、球面収差(正弦条件)(LONGITUDINAL SPHERICAL ABERRATION)、非点収差(ASTIGMATISM FIELD CURVER)および歪曲収差(DISTORTION)を示す。球面収差の横軸は、焦点位置のずれをmm単位で表しており、その縦軸は、最大入射高で規格化した値で表している。非点収差の横軸は、焦点位置のずれをmm単位で表しており、その縦軸は、像高をmm単位で表している。歪曲収差の横軸は、実際の像高を理想像高に対する割合(%)で表しており、縦軸は、その像高をmm単位で表している。また、球面収差の図中、実線は、d線(波長587.56nm)、破線は、g線(波長435.84nm)、一点差線は、c線(656.28nm)における結果をそれぞれ表している。そして、非点収差の図中、破線は、タンジェンシャル(メリディオナル)面(M)、実線は、サジタル(ラディアル)面(S)における結果をそれぞれ表している。非点収差および歪曲収差の図は、上記d線(波長587.56nm)を用いた場合の結果である。なお、後述の図11も図8と同様である。
<第2実施形態の撮像光学系の説明>
第1実施形態における撮像光学系OSAは、全玉繰り出しによる合焦機構であったが、第2実施形態における撮像光学系OSBは、インナーフォーカスによる合焦機構である。このため、第2実施形態における撮像光学系OSBは、複数の鏡胴部材11Bを備えている。
図9は、第2実施形態における撮像光学系の説明のための、その構成を模式的に示したレンズ断面図である。図9において、この第2実施形態における撮像光学系OSBは、撮像素子8Bの受光面上に、物体(被写体)の光学像を形成するものであって、物体側より像側へ順に、第1ないし第4レンズ1B〜4Bの4枚のレンズと、さらに像側に配置される第5レンズ5Bとから構成されて成る光学系である。そして、この撮像光学系OSBには、光学絞り6Bが第1レンズ1Bの物体側に配置され、さらに、この撮像光学系OSBの像側、すなわち、第5レンズ5Bにおける像側には、フィルタ7Bや前記撮像素子8Bが配置される。これら光学絞り6B、フィルタ7Bおよび撮像素子8Bは、第1実施形態の撮像光学系OSAにおける光学絞り6A、フィルタ7Aおよび撮像素子8Aとそれぞれ同様であるので、その説明を省略する。
そして、この撮像光学系OSBでは、第3および第4レンズ3B、4Bが光軸方向に移動することによってフォーカシングが行われ、物体側の被写体の光学像が、撮像光学系OSBによりその光軸AXに沿って所定の倍率で撮像素子8Bの受光面まで導かれ、撮像素子8Bによって前記被写体の光学像が撮像される。
この撮像光学系OSBの第1ないし第5レンズ1B〜5Bは、次のように構成されている。すなわち、第1レンズ1Bは、正の屈折力を有し、第2レンズ2Bは、負の屈折力を有し、第3レンズ3Bは、正または負の屈折力を有し、第4レンズ4Bは、正または負の屈折力を有している。この図9に示す例では、第3レンズ3Bは、負の屈折力を有し、第4レンズ4Bは、正の屈折力を有している。そして、第5レンズ5Bは、負の屈折力を有している。一例では、より具体的に、第1レンズ1Bは、正の屈折力を有する物体側に凸の正メニスカスレンズであり、第2レンズ2Bは、像側に凹面を向けた負の屈折力を有する負メニスカスレンズであり、第3レンズ3Bは、像側に凹面を向けた負の屈折力を有する負メニスカスレンズであり、第4レンズ4Bは、像側に凸面を向けた正の屈折力を有する両凸の正レンズであり、そして、第5レンズ5Bは、像側に凹面を向けた負の屈折力を有する負メニスカスレンズである。
これら第1ないし第5レンズ1B〜5Bは、両面が非球面である。そして、これら5枚の第1ないし第5レンズ1B〜5Bのうちの最も像側に配置された第5レンズ5Bは、光軸方向に沿って光軸AXを含むレンズ断面の輪郭線において光軸AXの交点から有効領域端に向かった場合に垂接点PB、PBを有する非球面形状の面を、像側に有している。
これら第1ないし第5レンズ1B〜5Bは、例えばガラスモールドレンズ等であってもよいが、本実施形態では、プラスチック等の樹脂材料製レンズである。
そして、第1および第2レンズ1B、2Bは、互いに相対位置関係を維持して一体で移動するように固定的に互いに係合しており、後述の1群鏡胴部材11B−1によって保持されている。本実施形態の撮像光学系OSAは、第1ないし第5レンズ1B〜5Bのうちの第1および第2レンズ1B、2Bを除く残余の各レンズ、すなわち、この例では、第3ないし第5レンズ3B〜5Bも複数、この例では2個の2群および3群鏡胴部材11B−2、11B−3によって保持されている。より具体的には、第2実施形態における撮像光学系OSBは、次のような構造を有している。
図10は、第2実施形態における撮像光学系の構造を示す断面図である。図10において、撮像光学系OSBは、上述した第1ないし第5レンズ1B〜5Bと、第1レンズ1Bの物体側に配置される開口絞り6Bと、第1および第2レンズ1B、2B間、第3および第4レンズ3B、4B間および第4および第5レンズ4B、5B間のそれぞれに配置される第1ないし第3遮光板9B(9B−1〜9B−3)と、開口絞り6A、第1および第2レンズ1B、2Bならびに第1遮光板9B−1を保持する1群鏡胴部材11B−1と、第3および第4レンズ3B、4Bならびに第2遮光板9B−2を保持する2群鏡胴部材11B−2と、第3遮光板9B−3および第5レンズ5Bを保持する3群鏡胴部材11B−3と、2群鏡胴部材11B−2と係合し、2群鏡胴部材11B−2を光軸に沿って移動させることによって第3および第4レンズ3B、4Bで合焦を行うためのアクチュエータ14と、これら開口絞り6B、第1ないし第5レンズ1B〜5B、第1ないし第3遮光板9B−1〜9B−3、1群ないし3群鏡胴部材11B−1〜11B−3およびアクチュエータ14を収納する筐体12Bと、筐体12Bを保護する前カバー13Bとを備える。そして、第5レンズ5Bの像側には、光軸に沿って物体側から像側へ順に、フィルタ7Bおよび撮像素子8Bが配置されている。
これら第1ないし第5レンズ1B〜5Bおよび第1ないし第3遮光板9B−1〜9B−3は、それぞれ、第1実施形態の撮像光学系OSAにおける第1ないし第5レンズ1A〜5A、第1遮光板9A−1、第3遮光板9A−3および第4遮光板9A−4と略同様に構成されているので、その説明を省略する。
開口絞り6B、第1および第2レンズ1B、2Bならびに第1遮光板9B−1を保持する1群鏡胴部材11B−1は、遮光性を有する材料によって、図10に示すように、第1および第2レンズ1B、2Bを収納する空間を作る、大略、円筒形状に形成されている。1群鏡胴部材11B−1の像側端には、一体に移動可能に係合された第1および第2レンズ1B、2Bにおける第2レンズ2Aのフランジ部が当接するフランジ部111B−1が環板状で径方向に光軸AXに向けて凸設されている。また、1群鏡胴部材11B−1の物体側端には、前部筐体12B−1における後述のフランジ部121B−1と係合する係合爪が環状で径方向外側に向けて設けられている。そして、第2レンズ2Bが嵌り込む位置における1群鏡胴部材11B−1の内径は、一体に移動可能に係合された第1および第2レンズ1B、2Bにおける第2レンズ2Bが嵌り込むように、第2レンズ2Bの外径に対応した径で、すなわち、第2レンズ2Bの外径と略同径で形成されている。そして、1群鏡胴部材11B−1の内径は、この第2レンズ2Bが嵌り込む位置から物体側に向けて徐々に大きくなっている。
第3および第4レンズ3B、4Bならびに第2遮光板9B−2を保持する2群鏡胴部材11B−2は、遮光性を有する材料によって、図10に示すように、第3および第4レンズ3B、4Bを収納する空間を作る、大略、円筒形状に形成されている。2群鏡胴部材11B−2の物体側端には、第3レンズ3Bのフランジ部が当接するフランジ部111B−2が環板状で径方向に光軸AXに向けて凸設されている。そして、2群鏡胴部材11B−2は、第3および第4レンズ3B、4Bのそれぞれが嵌り込むように、第3および第4レンズ3B、4Bの各外径(第3レンズ3Bの外径<第4レンズ4Bの外径)に対応した内径で、段差を設けて順次に径が物体側から像側へ向けて大きくなるように形成されている。すなわち、第3レンズ3Bが嵌り込む位置における2群鏡胴部材11B−2の内径は、第3レンズ3Bの外径と略同径で形成され、そして、第4レンズ4Bが嵌り込む位置における2群鏡胴部材11B−2の内径は、第4レンズ4Bの外径と略同径で形成されている。
第3遮光板9B−3および第5レンズ5Bを保持する3群鏡胴部材11B−3は、遮光性を有する材料によって、図10に示すように、第5レンズ5Bを収納する空間を作る、大略、円筒形状に形成されている。3群鏡胴部材11B−3の像側端には、第5レンズ5Bのフランジ部が当接するフランジ部111B−3が環板状で径方向に光軸AXに向けて凸設されている。そして、3群鏡胴部材11B−3は、第5レンズ5Bが嵌り込む位置では、第5レンズ5Bが嵌り込むように、第5レンズ5Bの外径に対応した内径で形成されている。
アクチュエータ14は、例えば、上述したSIDM(「SIDM」は登録商標)と称される、公知の超音波リニアアクチュエータである。このSIDMは、軸方向に伸縮する圧電素子14−2と、圧電素子14−2の一方端面に接続されたロッド14−1と、圧電素子14−2の他方端に接続された支持体14−3とを備え、上述のように駆動するものである。ロッド14−1には、2群鏡胴部材11B−2が所定の摩擦力で係合される。
筐体12Bは、遮光性を有する部材によって形成され、前部筐体12B−1と、後部筐体12B−2とに光軸方向で二分割されている。前部筐体12B−1は、例えば、断面略矩形の筒体であり、その物体側端には、フランジ部121B−1が環板状で径方向に光軸AXに向けて凸設されている。すなわち、フランジ部121B−1によって、その略中央に開口が形成されており、1群鏡胴部材11B−1の前記係合爪がフランジ部121B−1の周縁部(開口の周縁部)に掛けられて、この開口に1群鏡胴部材11B−1が入れ込まれる。そして、その像側端には、後部筐体12A−2と係合するための係止爪が形成されている。前部筐体12B−1には、被写体からの光線を導入するための開口が略中央に形成された前カバー13Bが取り付けられている。被写体からの光線は、前カバー13Bを介して前部筐体12B−1におけるフランジ部121B−1の前記開口に取り付けられた1群鏡胴部材11B−1の第1レンズ1Bに入射される。後部筐体12B−2は、略矩形のベース板と、前記ベース板に設けられた、例えば前記アクチュエータ等の各部材を位置決めするための複数の位置決め用の凸部や凹部と、前部筐体12B−1の前記係止爪が嵌り込む係止凹部とを備えている。そして、このような形状の前部筐体12B−1と後部筐体12B−2とは、前記係止爪を前記係止凹部に嵌め込むことで組み合わされる。そして、前記ベース板には、その略中央に開口が形成されており、この開口の物体側にはフィルタ7Bが取り付けられ、この開口の像側には、撮像素子8Bが、フィルタ7Bを介して射出された被写体の光学像が撮像素子8Bの撮像面で結像するように、取り付けられている。
このような形状の各部材を備える撮像光学系OSBおよび撮像装置21Bは、例えば、次のように組み立てられる。
まず、第5レンズ5Bの外周面に、または、3群鏡胴部材11B−3の第5レンズ5Bが取り付けられる内周面に、接着剤が塗布され、第5レンズ5Bが3群鏡胴部材11B−3に嵌め込まれ、第3遮光板9B−3が取り付けられる(第5レンズ取付工程)。
また、第3レンズ3Bの外周面に、または、2群鏡胴部材11B−2の第3レンズ3Bが取り付けられる内周面に、接着剤が塗布され、第3レンズ3Bが2群鏡胴部材11B−2に嵌め込まれる。次に、同様に、第4レンズ4Bの外周面に、または、2群鏡胴部材11B−2の第4レンズ4Bが取り付けられる内周面に、接着剤が塗布され、第2遮光板9B−2を介して第4レンズ4Bが2群鏡胴部材11B−2に嵌め込まれる(第3および第4レンズ取付工程)。なお、第5レンズ取付工程と第3および第4レンズ取付工程とは、逆順であってもよく、また並行に実施されてもよい。
次に、第1レンズ1Bが、その像側の突条部102Bを第1遮光板9B−1を介して第2レンズ2Bの物体側における各凸部201Bの内側に嵌め込まれることによって、第1レンズ1Bが第2レンズ2Bに係合されて保持される(一体化工程)。この嵌め込む際に第1レンズ1Bのフランジ部の平面または第2レンズ2Bのフランジ部における円弧状の凸部の平面には、接着剤が塗布される。
次に、第2レンズ2Bのフランジ部における凸部202Bの平面に、または、1群鏡胴部材11B−1の第2レンズ2Bが取り付けられる内周面に、接着剤が塗布され、一体化された第1および第2レンズ1B、2Bが、1群鏡胴部材11B−1に嵌め込まれる(第1および第2レンズ取付工程)。
次に、開口絞り6Bに、または、第1レンズ1Bにおける各凸部101Bの平面に、接着剤が塗布され、第1レンズ1Bの物体側に開口絞り6Bが取り付けられる(絞り取り付け工程)。
次に、後部筐体12B−1の前記ベース板における前記開口の物体側には、フィルタ7Bが取り付けられ、この開口の像側には、撮像素子8Bが取り付けられる。
次に、上述のように各部材を取り付けた2群および3群鏡胴部材11B−2、11B−3を収納して、前部筐体12A−1および後部筐体12A−2が組み合わされ、これによって、これらが筐体12B内に配置される。この際に、2群鏡胴部材11B−2は、アクチュエータ14のロッド14−1に摩擦係合される。
次に、上述のように各部材を取り付けた1群鏡胴部材11B−1が前部筐体12B−1のフランジ部121B−1によって形成された前記開口に入れ込まれ、光軸AXと垂直な垂直面内で1群鏡胴部材11B−1を移動することによって光軸AXと一致するように偏芯が調整される。すなわち、第1および第2レンズ1B、2Bを一体で移動することによって調芯される(調芯工程)。
このため、前部筐体12B−1のフランジ部121B−1によって形成された前記開口は、一体に移動可能に係合された第1および第2レンズ1B、2Bが、調芯の際に、光軸AXに対し直交する面(光軸AXを法線とする面)内で移動することができるように、1群鏡胴部材11B−1の外径よりも大きな内径で形成されている(1群鏡胴部材11B−1の外径<フランジ部121B−1によって形成された前記開口の内径)。このフランジ部121B−1によって形成された前記開口の内径と1群鏡胴部材11B−1の外径との差分が調芯の際の調整しろとなる。
次に、1群鏡胴部材11B−1における前記係合爪の外周面(外側面)と前部筐体12B−1のフランジ部121B−1の物体側面との間に接着剤が充填され、1群鏡胴部材11B−1が接着固定される。すなわち、第1および第2レンズ1A、2Aが固定される。
そして、前部筐体12B−1に前カバー13Bが取り付けられる。
このような各工程を経ることによって撮像光学系OSBおよび撮像装置21Bが組み立てられる。
このような構成の第2実施形態の撮像光学系OSBは、このような構成によっても、第1実施形態の撮像光学系OSAと同様な構成について第1実施形態の撮像光学系OSAと同様な作用効果を奏する。
そして、第2実施形態の撮像光学系OSBは、第1および第2レンズ1B、2Bを保持する1群鏡胴部材11B−1の他に、前記4枚以上のレンズ1B〜5Bのうち第1および第2レンズ1B、2Bを除く残余の各レンズ3B〜5Bを保持する1または複数の第3鏡胴部材11B、上述では、2個の2群および3群鏡胴部材11B−2、11B−3をさらに備えている。このため、このような構成の撮像光学系OSBは、第3および第4レンズ3B、4Bを光軸方向に沿って移動させることでフォーカシングするインナーフォーカス構造とすることができる。
なお、上述では、インナーフォーカス構造の撮像光学系OSBとしたが、これに限定されるものではなく、例えば変倍や手ぶれ補正等の移動を伴うレンズを前記4枚以上の各レンズ1B〜5B中に含むこともできる。このため、このような構成によれば、このような機能を持った撮像光学系OSBを提供することが可能となる。
また、上述では、第1レンズ1Bと係合した第2レンズ2Bを固定的に取り付けた1群鏡胴部材11B−1を移動させることによって調芯したが、1群鏡胴部材11B−1を前部筐体12B−1の前記開口に固定的に取り付けた後に、第1実施形態と同様に、第1レンズ1Bと係合した第2レンズ2Bを1群鏡胴部材11B−1内で移動させることによって調芯してもよい。この場合には、1群鏡胴部材11B−1の内径は、第2レンズ2Bの外径よりも大きくされ、これらの差分が調整しろとなる。
<撮像光学系OSBのより具体的な構成である実施例2の説明>
以下、図9に示したような撮像光学系OSBの具体的な構成について以下に説明する。
実施例2の撮像光学系における、各レンズのコンストラクションデータを以下に示す。
数値実施例2
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1(絞り) ∞ 0.050
2 ∞ -0.200
3* 1.849 0.517 1.54470 56.15
4* 37.494 0.100
5* 3.817 0.280 1.63415 23.96
6* 1.792 0.836
7* 2.571 0.302 1.63415 23.96
8* 2.136 0.231
9* 16.991 1.032 1.54470 56.15
10* -2.088 0.457
11* 2.346 0.450 1.53048 55.72
12* 1.131 0.495
13 ∞ 0.300 1.51633 64.14
14 ∞ 0.400
像面 ∞
非球面データ
第3面
K=1.1804e-001,A4=2.1661e-003,A6=7.1920e-003,A8=2.5470e-003,A10=-2.2471e-003
第4面
K=5.0000e+001,A4=-2.4045e-002,A6=1.1027e-001,A8=-1.3231e-001,A10=5.2205e-002
第5面
K=-1.8990e+001,A4=-6.5274e-002,A6=1.6540e-001,A8=-2.1466e-001,A10=1.0236e-001,A12=-1.0309e-002
第6面
K=-7.3556e+000,A4=6.1585e-002,A6=3.3595e-002,A8=-7.1688e-002,A10=4.6371e-002,A12=-3.3463e-003
第7面
K=-2.9555e+000,A4=-6.8609e-002,A6=1.7830e-002,A8=-9.3953e-003,A10=3.1380e-003,A12=-1.0875e-003
第8面
K=-1.4415e+001,A4=2.1840e-002,A6=-4.3814e-002,A8=2.1128e-002,A10=-6.3652e-003,A12=6.7383e-004
第9面
K=-5.0000e+001,A4=-4.7325e-002,A6=2.9745e-002,A8=-1.1143e-002,A10=3.2233e-003,A12=-3.9934e-004
第10面
K=-3.1751e+000,A4=-5.0780e-002,A6=2.3768e-002,A8=-1.6701e-002,A10=1.0080e-002,A12=-2.4365e-003,A14=2.3194e-004,A16=-7.5885e-006
第11面
K=-3.4279e+000,A4=-2.0933e-001,A6=6.6353e-002,A8=-8.4988e-003,A10=1.3804e-004,A12=5.3162e-005,A14=-2.8033e-006
第12面
K=-3.0626e+000,A4=-1.1588e-001,A6=4.4098e-002,A8=-1.1302e-002,A10=1.7744e-003,A12=-1.5139e-004,A14=5.2648e-006
各種データ
焦点距離(f) 4.269(mm)
Fナンバ(Fno) 2.405
撮像面対角線長(w) 35.164(mm)
最大像高(Ymax) 3.006(mm)
レンズ全長(TL) 5.188(mm)
バックフォーカス(Bf) 1.133(mm)
各レンズの焦点距離(mm)
第1レンズ1B 3.551
第2レンズ2B -5.626
第3レンズ3B -27.272
第4レンズ4B 3.4805
第5レンズ5B -4.7227
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例2の撮像レンズにおける球面収差(正弦条件)、非点収差および歪曲収差を図11に示す。
なお、これら上述の第1および第2実施形態の撮像光学系OSA、OSB(実施例1、2の各撮像光学系を含む、以下同じ)において、物体距離無限時の撮像光学系OS(OSA、OSB)の光学全長をTLとし、最大像高をYmaxとした場合に、下記(1)の条件式を満たすことが好ましい。
1<TL/Ymax<2 ・・・(1)
このような構成の撮像光学系OSは、撮像光学系OSの大きさの指標となるTL/Ymaxが上記条件式(1)を満たすことで、偏芯調整の効果を最大限に発揮することが可能となる。
そして、この観点から、下記(1’)の条件式を満たすことがより好ましい。
1.1<TL/Ymax<1.8 ・・・(1’)
また、これら上述の撮像光学系OSでは、SIDMの圧電アクチュエータが用いられてたが、これに限定されるものではなく、例えば、可動するレンズ等の駆動には、カムやステッピングモータ等が用いられてもよい。なお、圧電アクチュエータを用いる場合では、駆動装置の体積および消費電力の増加を抑制しつつ、各群を独立に駆動させることも可能で、撮像装置21の更なるコンパクト化を図ることができる。
また、上述では、樹脂材料製レンズであったが、これら上述の撮像光学系OSにおいて、非球面を有するガラスレンズが用いられてもよい。この場合に、この非球面ガラスレンズは、ガラスモールド非球面レンズや、研削非球面ガラスレンズや、複合型非球面レンズ(球面ガラスレンズ上に非球面形状の樹脂を形成したもの)であってもよい。ガラスモールド非球面レンズは、大量生産に向き、好ましく、複合型非球面レンズは、基板となり得るガラス材料の種類が多いため、設計の自由度が高くなる。特に、高屈折率材料を用いた非球面レンズでは、モールド形成が容易ではないため、複合型非球面レンズが好ましい。また、片面非球面の場合には、複合型非球面レンズの利点を最大限に活用することが可能となる。
また、これら上述の撮像光学系OSにおいて、樹脂材料製レンズを用いる場合では、プラスチック(樹脂材料)中に最大長が30ナノメートル以下の粒子を分散させた素材を用いて成形したレンズであることが好ましい。
一般に透明な樹脂材料に微粒子を混合させると、光が散乱し透過率が低下するので、光学材料として使用することが困難であったが、微粒子の大きさを透過光束の波長よりも小さくすることによって、光は、実質的に散乱しない。そして、樹脂材料は、温度上昇に伴って屈折率が低下してしまうが、無機粒子は、逆に、温度上昇に伴って屈折率が上昇する。このため、このような温度依存性を利用して互いに打ち消し合うように作用させることで、温度変化に対して屈折率変化がほとんど生じないようにすることができる。より具体的には、母材となる樹脂材料に最大長で30ナノメートル以下の無機微粒子を分散させることによって、屈折率の温度依存性を低減した樹脂材料となる。例えば、アクリルに酸化ニオブ(Nb)の微粒子を分散させる。これら上述の撮像光学系1において、比較的屈折力の大きなレンズ、またはすべてのレンズに、このような無機粒子を分散させた樹脂材料を用いることにより、撮像光学系1全系の温度変化時の像点位置変動を小さく抑えることが可能となる。
このような無機微粒子を分散させた樹脂材料製レンズは、以下のように成形されることが好ましい。
屈折率の温度変化について説明すると、屈折率の温度変化n(T)は、ローレンツ・ローレンツの式に基づいて、屈折率nを温度Tで微分することによって式Faで表される。
n(T)=((n+2)×(n−1))/6n×(−3α+(1/[R])×(∂[R]/∂T)) ・・・(Fa)
ただし、αは、線膨張係数であり、[R]は、分子屈折である。
樹脂材料の場合では、一般に、屈折率の温度依存性に対する寄与は、式Fa中の第1項に較べて第2項が小さく、ほぼ無視することができる。例えば、PMMA樹脂の場合では、線膨張係数αは、7×10−5であって、式Faに代入すると、n(T)=−12×10−5(/℃)となり、実測値と略一致する。
具体的には、従来は、−12×10−5[/℃]程度であった屈折率の温度変化n(T)を、絶対値で8×10−5[/℃]未満に抑えることが好ましい。さらに好ましくは、絶対値で6×10−5[/℃]未満にすることである。
よって、このような樹脂材料としては、ポリオレフィン系の樹脂材料やポリカーボネイト系の樹脂材料やポリエステル系の樹脂材料が好ましい。ポリオレフィン系の樹脂材料では、屈折率の温度変化n(T)は、約−11×10−5(/℃)となり、ポリカーボネイト系の樹脂材料では、屈折率の温度変化n(T)は、約−14×10−5(/℃)となり、そして、ポリエステル系の樹脂材料では、屈折率の温度変化n(T)は、約−13×10−5(/℃)となる。
また、これら上述の撮像光学系OSにおいて、レンズ1A、1B〜5A、5Bが樹脂材料性レンズである場合に、前記樹脂材料として、エネルギー硬化性樹脂が用いられてもよい。
近年、撮像装置を低コストにかつ大量に実装する方法として、予め半田がポッティングされた基板に対し、ICチップその他の電子部品と光学素子とを載置したままリフロー処理(加熱処理)し、半田を溶融させることにより電子部品と光学素子とを基板に同時実装する技術が提案されている。
このようなリフロー処理を用いて実装を行うために、電子部品と共に光学素子を約200〜260度に加熱する必要がある。このような高温下では熱可塑性樹脂を用いたレンズは、熱変形、あるいは変色してしまい、その光学性能が低下してしまう。
そこで、レンズの材料として、エネルギー硬化性樹脂を使用することが好ましい。これは、ポリカーボネイト系やポリオレフィン系のような熱可塑性樹脂を用いたレンズに比べ、エネルギー硬化性樹脂が高温に曝された場合の光学性能の低下が小さく、したがって、エネルギー硬化性樹脂がリフロー処理に有効であるからである。さらに、エネルギー硬化性樹脂のレンズは、ガラスモールドレンズよりも製造しやすく安価となり、撮像光学系1を組み込んだ撮像装置における低コスト化と量産性とを両立することもできる。ここで、エネルギー硬化性樹脂には、熱硬化性樹脂および紫外線硬化性樹脂のいずれも含まれる。
このようなエネルギー硬化性樹脂は、一例を挙げると、新中村化学製、NKエステルDCP(トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート)に重合開始剤として日本油脂製、パーブチルOを1wt%添加し、150℃、10minで硬化させたもの等が挙げられる。
<撮像光学系を組み込んだデジタル機器の説明>
次に、上述の撮像光学系OSが組み込まれたデジタル機器について説明する。
図10は、実施形態におけるデジタル機器の構成を示すブロック図である。デジタル機器Dは、撮像機能のために、撮像部30、画像生成部31、画像データバッファ32、画像処理部33、駆動部34、制御部35、記憶部36およびI/F部37を備えて構成される。デジタル機器Dとしては、例えば、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ(モニタカメラ)、携帯電話機や携帯情報端末(PDA)等の携帯端末、パーソナルコンピュータおよびモバイルコンピュータを挙げることができ、これらの周辺機器(例えば、マウス、スキャナおよびプリンタなど)を含んでよい。特に、本実施形態の撮像光学系1は、携帯電話機や携帯情報端末(PDA)等の携帯端末に搭載する上で充分にコンパクト化されており、この携帯端末に好適に搭載される。
撮像部30は、撮像装置21(21A、21B)と、光軸方向にフォーカスのためのレンズを駆動してフォーカシングを行うための図略のレンズ駆動装置等とを備えて構成される。撮像装置21は、撮像レンズとして機能する上述したような撮像光学系OSと、撮像素子8(8A、8B)とを備えて構成される。被写体からの光線は、撮像光学系OSによって撮像素子8の受光面上に結像され、被写体の光学像となる。
撮像素子8(8A、8B)は、上述したように、撮像光学系OSにより結像された被写体の光学像をR,G,Bの色成分の電気信号(画像信号)に変換し、R,G,B各色の画像信号として画像生成部31に出力する。撮像素子8は、制御部35によって静止画あるいは動画のいずれか一方の撮像、または、撮像素子8における各画素の出力信号の読出し(水平同期、垂直同期、転送)等の撮像動作が制御される。
画像生成部31は、撮像素子8からのアナログ出力信号に対し、増幅処理、デジタル変換処理等を行うと共に、画像全体に対して適正な黒レベルの決定、γ補正、ホワイトバランス調整(WB調整)、輪郭補正および色ムラ補正等の周知の画像処理を行って、画像信号から画像データを生成する。画像生成部31で生成された画像データは、画像データバッファ32に出力される。
画像データバッファ32は、画像データを一時的に記憶するとともに、この画像データに対し画像処理部33によって後述の処理を行うための作業領域として用いられるメモリであり、例えば、揮発性の記憶素子であるRAM(Random Access Memory)などで構成される。
画像処理部33は、画像データバッファ32の画像データに対し、解像度変換等の所定の画像処理を行う回路である。
また、必要に応じて画像処理部33は、撮像素子8の受光面上に形成される被写体の光学像における歪みを補正する公知の歪み補正処理等の、撮像光学系OSでは補正しきれなかった収差を補正するように構成されてもよい。歪み補正は、収差によって歪んだ画像を肉眼で見える光景と同様な相似形の略歪みのない自然な画像に補正するものである。このように構成することによって、撮像光学系OSによって撮像素子8へ導かれた被写体の光学像に歪みが生じていたとしても、略歪みのない自然な画像を生成することが可能となる。また、このような歪みを情報処理による画像処理で補正する構成では、特に、歪曲収差を除く他の諸収差だけを考慮すればよいので、撮像光学系OSの設計の自由度が増し、設計がより容易となる。また、このような歪みを情報処理による画像処理で補正する構成では、特に、像面に近いレンズによる収差負担が軽減されるため、射出瞳位置の制御が容易となり、レンズ形状を加工性の良い形状にすることができる。
また、必要に応じて画像処理部33は、撮像素子8の受光面上に形成される被写体の光学像における周辺照度落ちを補正する公知の周辺照度落ち補正処理を含んでもよい。周辺照度落ち補正(シェーディング補正)は、周辺照度落ち補正を行うための補正データを予め記憶しておき、撮影後の画像(画素)に対して補正データを乗算することによって実行される。周辺照度落ちが主に撮像素子8における感度の入射角依存性、レンズの口径食およびコサイン4乗則等によって生じるため、前記補正データは、これら要因によって生じる照度落ちを補正するような所定値に設定される。このように構成することによって、撮像光学系1によって撮像素子8へ導かれた被写体の光学像に周辺照度落ちが生じていたとしても、周辺まで充分な照度を持った画像を生成することが可能となる。
なお、本実施形態では、撮像素子8の撮像面における画素ピッチに対し、色フィルタやオンチップマイクロレンズアレイの配置のピッチを、シェーディングを軽減するように僅かに小さく設定することによって、シェーディング補正が行われてもよい。このような構成では、前記ピッチを僅かに小さく設定することによって、撮像素子8における撮像面の周辺部に行くほど各画素に対し色フィルタやオンチップマイクロレンズアレイが撮像光学系1の光軸側へシフトするため、斜入射の光束を効率的に各画素の受光部に導くことができる。これにより撮像素子8で発生するシェーディングが小さく抑えられる。さらに、近年では、従来と異なる製法で固体撮像素子を作製する技術、いわゆる裏面照射型と呼ばれる技術が研究、開発されてきている。この技術では、受光部が配線層よりも撮像レンズ側に配置されるため、受光部に到達する実質的な光量が増加し、低輝度感度の向上や斜入射による周辺光量落ちの抑制を効果的に達成している。実施形態における撮像光学系OSは、これら周辺技術を考慮することによって、より小型化を図ってもよい。
駆動部34は、制御部35から出力される制御信号に基づいて図略の前記レンズ駆動装置を動作させることによって、所望のフォーカシングを行わせるように撮像光学系OSにおけるフォーカスのためのレンズを駆動する。
制御部35は、例えばマイクロプロセッサおよびその周辺回路などを備えて構成され、撮像部30、画像生成部31、画像データバッファ32、画像処理部33、駆動部34、記憶部36およびI/F部37の各部の動作をその機能に従って制御する。すなわち、この制御部35によって、撮像装置21は、被写体の静止画撮影および動画撮影の少なくとも一方の撮影を実行するよう制御される。
記憶部36は、被写体の静止画撮影または動画撮影によって生成された画像データを記憶する記憶回路であり、例えば、不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や、書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)や、RAMなどを備えて構成される。つまり、記憶部36は、静止画用および動画用のメモリとしての機能を有する。
I/F部37は、外部機器と画像データを送受信するインタフェースであり、例えば、USBやIEEE1394などの規格に準拠したインタフェースである。
このような構成のデジタル機器Dの撮像動作に次について説明する。
静止画を撮影する場合は、制御部35は、撮像装置21に静止画の撮影を行わせるように制御すると共に、駆動部34を介して撮像装置21の図略の前記レンズ駆動装置を動作させ、合焦用のレンズを移動させることによってフォーカシングを行う。これにより、ピントの合った光学像が撮像素子8の受光面に周期的に繰り返し結像され、R、G、Bの色成分の画像信号に変換された後、画像生成部31に出力される。その画像信号は、画像データバッファ32に一時的に記憶され、画像処理部33により画像処理が行われた後、その画像信号に基づく画像がディスプレイ(不図示)に表示される。そして、撮影者は、前記ディスプレイを参照することで、主被写体をその画面中の所望の位置に収まるように調整することが可能となる。この状態でいわゆるシャッターボタン(不図示)が押されることによって、静止画用のメモリとしての記憶部36に画像データが格納され、静止画像が得られる。
また、動画撮影を行う場合は、制御部35は、撮像装置21に動画の撮影を行わせるように制御する。後は、静止画撮影の場合と同様にして、撮影者は、前記ディスプレイ(不図示)を参照することで、撮像装置21を通して得た被写体の像が、その画面中の所望の位置に収まるように調整することができる。前記シャッターボタン(不図示)が押されることによって、動画撮影が開始される。そして、動画撮影時、制御部35は、撮像装置21に動画の撮影を行わせるように制御すると共に、駆動部34を介して撮像装置21の図略の前記レンズ駆動装置を動作させ、フォーカシングを行う。これによって、ピントの合った光学像が撮像素子8の受光面に周期的に繰り返し結像され、R、G、Bの色成分の画像信号に変換された後、画像生成部31に出力される。その画像信号は、画像データバッファ32に一時的に記憶され、画像処理部33により画像処理が行われた後、その画像信号に基づく画像がディスプレイ(不図示)に表示される。そして、もう一度前記シャッターボタン(不図示)を押すことで、動画撮影が終了する。撮影された動画像は、動画用のメモリとしての記憶部36に導かれて格納される。
このような構成では、所期の性能を発揮するように偏芯調整された4枚以上のレンズ構成の撮像光学系OSを用いたデジタル機器Dが提供される。したがって、このようなデジタル機器や携帯端末は、高性能化を図ることができる。また、撮像光学系1は、超小型化および高性能化が図られているので、小型化(コンパクト化)を図りつつ高画素な撮像素子8を採用することができる。特に、撮像光学系1が超小型で高画素撮像素子に適用可能であるので、高画素化や高機能化が進む携帯端末に好適である。その一例として、携帯電話機に撮像装置21を搭載した場合について、以下に説明する。
図11は、デジタル機器の一実施形態を示すカメラ付携帯電話機の外観構成図である。図11(A)は、携帯電話機の操作面を示し、図11(B)は、操作面の裏面、つまり背面を示す。
図11において、携帯電話機CPには、上部にアンテナ51が備えられ、その操作面には、図11(A)に示すように、長方形のディスプレイ52、画像撮影モードの起動および静止画撮影と動画撮影との切り替えを行う画像撮影ボタン53、シャッタボタン55およびダイヤルボタン56が備えられている。
そして、この携帯電話機CPには、携帯電話網を用いた電話機能を実現する回路が内蔵されると共に、上述した撮像部30、画像生成部31、画像データバッファ32、画像処理部33、駆動部34、制御部35および記憶部36が内蔵されており、撮像部30の撮像装置21が背面に臨んでいる。
画像撮影ボタン53が操作されると、その操作内容を表す制御信号が制御部35へ出力され、制御部35は、静止画撮影モードの起動、実行や動画撮影モードの起動、実行等の、その操作内容に応じた動作を実行する。そして、シャッタボタン55が操作されると、その操作内容を表す制御信号が制御部35へ出力され、制御部35は、静止画撮影や動画撮影等の、その操作内容に応じた動作を実行する。
なお、上述の撮像装置21において、撮像素子8の対角長(mm)をPDとし、撮像素子8の画素サイズ(mm)をPXとし、無限光に対するF値(Fナンバー)をFnとする場合に、下記(2)の条件式を満たすことが好ましい。
0.8<PD/(PX×Fn)<5 ・・・(2)
このような構成の撮像装置21では、上記条件式(2)の値がその上限値を上回ると、高精度に偏芯を調整して固定することが困難となって好ましくない。一方、上記条件式(2)の値がその下限値を下回ると、偏芯調整自体が不要となる。
そして、この観点から、下記(2’)の条件式を満たすことがより好ましい。
0.9<PD/(PX×Fn)<3 ・・・(2’)
上記実施例1の撮像光学系に、上述した条件式(1)、(2)を当てはめた場合の数値を、それぞれ、次に示す。
条件式(1);TL/Ymax=1.66
条件式(2);PD/(PX×Fn)=2.28
また、上記実施例2の撮像光学系に、上述した条件式(1)、(2)を当てはめた場合の数値を、それぞれ、次に示す。
条件式(1);TL/Ymax=1.73
条件式(2);PD/(PX×Fn)=1.79
上述の各コンストラクションデータを持つ上記実施例1、2の各撮像光学系は、5枚のレンズ構成であって、上述の各条件を満足している結果、従来の光学系より、偏芯調整をより余裕を持って行うことができ、また、より小型化を図りつつ、諸収差をより良好に補正することができる。そして、上記実施例1、2の各撮像光学系は、撮像装置21およびデジタル機器Dに搭載する上で、特に携帯端末に搭載する上で小型化が充分に達成され、また、高画素な撮像素子8を採用することができる。
例えば、8Mピクセルや10Mピクセルや16Mピクセル等の約8M〜16Mピクセルのクラス(グレード)の高画素な撮像素子8は、撮像素子8のサイズが一定の場合には画素ピッチが短くなるため(画素面積が狭くなるため)、撮像光学系OSは、この画素ピッチに応じた解像度が必要となり、その所要の解像度で例えばMTFで撮像光学系OSを評価した場合に例えば仕様等によって規定された所定の範囲内に諸収差を抑える必要があるが、上記実施例1、2の各撮像光学系は、各収差図に示す通り、所定の範囲内で諸収差が抑えられている。したがって、上記実施例1、2の各撮像光学系は、良好に諸収差を補正しているので、例えば8M〜16Mピクセルのクラスの撮像素子8に好適に用いられる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
AX 光軸
CP 携帯電話機
D デジタル機器
OSA、OSB 撮像光学系
1A、1B 第1レンズ
2A、2B 第2レンズ
3A、3B 第3レンズ
4A、4B 第4レンズ
5A、5B 第5レンズ
8A、8B 撮像素子
21 撮像装置

Claims (14)

  1. 物体側から像側へ順に、
    正の屈折力を有する第1レンズと、
    負の屈折力を有する第2レンズと、
    正または負の屈折力を有する第3および第4レンズとを含む4枚以上のレンズを備える撮像光学系であって、
    前記4枚以上のレンズのうちの最も像側に配置されたレンズは、光軸方向に沿って光軸を含むレンズ断面の輪郭線において前記光軸の交点から有効領域端に向かった場合に垂接点を有する非球面形状の面を少なくとも1面有し、
    前記第1レンズと前記第2レンズとは、一体で移動するように係合し、
    前記第1レンズおよび前記第2レンズを保持する鏡胴部材をさらに備えること
    を特徴とする撮像光学系。
  2. 前記第1レンズと前記第2レンズとは、その一方がその他方を保持することによって、一体で移動するように係合し、
    前記鏡胴部材は、前記一方を保持することによって、前記第1レンズおよび前記第2レンズを保持すること
    を特徴とする請求項1に記載の撮像光学系。
  3. 前記第1レンズと前記第2レンズとは、前記第1レンズおよび前記第2レンズにおける各有効領域外の各周縁領域において互いに嵌合する嵌合構造によって、その一方がその他方を保持すること
    を特徴とする請求項2に記載の撮像光学系。
  4. 前記第1レンズは、有効領域外に第1平面部を有し、
    前記第2レンズは、有効領域外の両面に第2および第3平面部を有し、
    前記鏡胴部材は、第4平面部を有し、
    前記第1レンズと前記第2レンズとは、互いに前記第1および第2平面部同士で接着剤によって接着固定されるとともに、前記第1レンズの側面も接着剤によって接着され、
    前記第2レンズと前記鏡胴部材とは、少なくとも互いに前記第3および第4平面部同士で接着剤によって接着固定されること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  5. 前記接着剤は、紫外線硬化型であること
    を特徴とする請求項4に記載の撮像光学系。
  6. 前記鏡胴部材と一体に成形され、前記4枚以上のレンズのうち前記第1および第2レンズを除く残余の各レンズを保持する第2鏡胴部材を備えること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  7. 前記4枚以上のレンズのうち前記第1および第2レンズを除く残余の各レンズを保持する1または複数の第3鏡胴部材をさらに備えること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  8. 前記4枚以上のレンズは、前記第1ないし第4レンズと、前記第4レンズの像側に配置される第5レンズとから成り、
    前記第1レンズは、物体側に凸形状を持つ正レンズであり、
    前記第2レンズは、像側に凹形状を持つ負レンズであり、
    前記第4レンズは、像側に凸形状を持つ正レンズであり、
    前記第5レンズは、像側に凹形状を持つ負レンズであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  9. 下記(1)の条件式を満たすこと
    を特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の撮像光学系。
    1<TL/Ymax<2 ・・・(1)
    ただし、
    TL:物体距離無限時の撮像光学系の光学全長
    Ymax:最大像高
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の撮像光学系と、
    光学像を電気的な信号に変換する撮像素子とを備え、
    前記撮像光学系が前記撮像素子の受光面上に物体の光学像を形成可能とされていること
    を特徴とする撮像装置。
  11. 下記(2)の条件式を満たすこと
    を特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
    0.8<PD/(PX×Fn)<5 ・・・(2)
    ただし、
    PD:撮像素子の対角長(mm)
    PX:撮像素子の画素サイズ(mm)
    Fn:無限光に対するF値
  12. 請求項10または請求項11に記載の撮像装置と、
    前記撮像装置に被写体の静止画撮影および動画撮影の少なくとも一方の撮影を行わせる制御部とを備え、
    前記撮像装置の撮像光学系が、前記撮像素子の撮像面上に前記被写体の光学像を形成可能に組み付けられていること
    を特徴とするデジタル機器。
  13. 携帯端末から成ることを特徴とする請求項12に記載のデジタル機器。
  14. 物体側から像側へ順に、
    正の屈折力を有する第1レンズと、
    負の屈折力を有する第2レンズと、
    正または負の屈折力を有する第3および第4レンズとを含む4枚以上のレンズを備える撮像光学系の製造方法であって、
    前記4枚以上のレンズのうちの最も像側に配置されたレンズは、光軸方向に沿って光軸を含むレンズ断面の輪郭線において前記光軸の交点から有効領域端に向かった場合に垂接点を有する非球面形状の面を少なくとも1面を有し、
    光軸と垂直な垂直面内で前記第1レンズおよび前記第2レンズを一体で移動することによって偏芯調整する工程と、
    前記第1レンズおよび前記第2レンズを鏡胴部材で保持する工程とを備えること
    を特徴とする撮像光学系の製造方法。
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