JP2015072383A - 感光性樹脂印刷版用積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた接着強度を安定して発揮できる感光性樹脂印刷版用積層体を提供すること【解決手段】金属支持体と、前記金属支持体の表面上に積層された接着材層と、前記接着材層の表面上に積層された印刷レリーフ用感光性層と、を有する印刷版用積層体であって、前記接着材層が、熱硬化性樹脂とポリビニル系樹脂とを含む組成物からなる硬化物であり、前記印刷レリーフ用感光性層が、不飽和ポリウレタンプレポリマーと、エチレン性不飽和化合物と、光重合開始剤と、を含む感光性樹脂印刷版用積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂印刷版用積層体に関する。
感光性樹脂を材料とした印刷版は、支持体上に感光性樹脂硬化物からなる印刷レリーフを有する構成を有するものである。このような印刷版は、活性光線照射による露光工程と、薬液により未露光領域を洗い流す現像工程により、短時間で硬化レリーフを形成できることから広く普及している。
なかでも金属材料を支持体とする感光性樹脂凸版は、一般印刷版材、ドライオフセット用版材、金属箔印刷版材、母型取り用版材、エンボス加工用版材として利用されている。印刷シリンダーへの機械的取り付けにおいて支持体の伸びによる寸法安定性を損なうことがないといった利点や、磁石を用いた印刷機シリンダーへの装着が可能であるといった利点を有する。
感光性樹脂凸版では、印刷現場での使用時において、支持体に印刷レリーフ層が強固に保持されていることが求められている。そこで、支持体と感光性樹脂層の間の接着力を確保するために接着材層を設けることが一般的である。接着材層は、金属支持体との間の界面での接着と、感光性樹脂硬化物との間の界面での接着を双方満足する必要があり、また、製版工程で使用される薬剤、印刷インキ、及び印刷後に版表面のインキを洗い流す洗浄液等に対する耐久性も必要である。
上述の用途に適した感光材樹脂凸版の印刷レリーフは比較的高硬度のレリーフ硬さが所望されているところ、例えば、特許文献1〜3等には、現像液として水性溶液の使用を可能とする観点からケン化ポリ酢酸ビニル樹脂(特許文献1)や水可溶性アミド系樹脂(特許文献2)が開示されており、有機溶剤による現像処理を行う構成体として熱可塑性エラストマー(特許文献3)が開示されており、金属支持体への接着性を確保する技術が開示されている。
特許文献1は、ケン化度60〜90モル%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを主成分とする感光性樹脂組成物を金属支持体に接着するために、ケン化度40〜100モル%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを主成分とする感光性接着剤を金属支持体に塗布した後に120℃、2分間で溶剤を乾燥して、更に紫外線露光を行って接着材層を製造する方法に関するものである。
特許文献2は、アルコール可溶性又は水可溶性ポリアミド、ポリビニルアルコールSBRを主成分とする感光性樹脂組成物を金属支持体に接着するために、エポキシ系、イソシアネート系、ポリウレタン系などの接着剤を金属支持体に塗布した後に150℃、3分間で硬化して接着材層を製造する方法に関するものである。
特許文献3は、熱可塑性エラストマーの結合剤を主成分とする感光性樹脂組成物を金属支持体に接着するために、架橋ポリマーマトリックスを形成し得る材料とエラストマー系結合剤(SBSブロック共重合体、ポリビニルアルコール)の混合物を支持体に塗布した後に、170〜180℃、2〜2.5分間加熱して接着材層を製造する方法に関するものである。
一方で、近年、感光性樹脂印刷版の製版プロセスを簡略化する技術として、感光性樹脂硬化物にレーザー光を照射することにより樹脂を除去して印刷レリーフの形成方法(以下、レーザー彫刻という場合がある。)が普及している。例えば、特許文献4は、レーザー光照射により分解し易い感光性樹脂と発生した液状カスを吸収除去するための無機多孔質体を含む樹脂組成物が開示されている。
かかる技術に関して、出願人は既にいくつかの技術を提案している。例えば、特許文献4には、重合性不飽和基を含有する20℃でプラストマーである樹脂、重合性不飽和基を有する有機化合物、無機多孔質体を含むレーザー彫刻可能な印刷原版用感光性樹脂組成物が開示されている。
特許文献5には、レーザー彫刻性に優れる不飽和ウレタンプレポリマーを主体とする感光性樹脂組成物を金属支持体で利用する技術としては、湿気硬化型接着剤を利用した技術が開示されている。
特許文献6には、不飽和ポリエステルから成るウレタン系感光性樹脂を利用した技術が開示されている。特許文献6は、金属支持体上に、不飽和ポリエステル樹脂、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヒドロキシプロピルメタクリレートから成る不飽和ポリエステル系ウレタンプレポリマーを主成分とする感光性樹脂を塗布した後、メタルハライドランプの光を照射して樹脂硬化層を形成し、その上層部にレーザー彫刻性に優れる不飽和ウレタンプレポリマーを主体とする感光性樹脂組成物を塗布、光硬化して印刷版用積層体を得る技術に関するものである。
特許文献7には、不飽和ポリウレタンプレポリマーを主成分とする感光性樹脂組成物を支持体に接着させるための接着材として、三層構造の接着材を利用した技術が開示されている。特許文献7は、ポリエステル樹脂から成る第1層、アクリル樹脂又はセルロース樹脂から成る第2層及び塩化ビニル系共重合体と光重合開始剤とを成分として含む接着用組成物から成る第3層と、その順序で基板上に積層した接着材に関するものである。
また、出願人のものではないが、特許文献8には、塩化ビニル系樹脂とニトリルゴムの混合物を利用した技術が開示されている。特許文献8は、平均重合度250〜850で塩化ビニル含量が60〜91重量%である塩化ビニル系樹脂と、アクリロニトリル含有量が18〜53重量%であるニトリルゴムとを所定比で含む接着材に関するものである。
特開昭59−172644号公報 特開平09−138507号公報 特表2004−507778号公報 国際公開2003/022594号パンフレット 特開2007−62201号公報 特開2008−94030号公報 特開平05−313377号公報 特開平06−342213号公報
しかしながら、特許文献1〜3等をはじめとする従来技術では、感光性樹脂凸版等にした場合において、良好な接着強度を安定して発揮できるかといった点において未だ改善の余地がある。この点、出願人が先に提供した特許文献4〜7に関する技術等は、一定の改善が期待できるところであるが、出願人はさらなる鋭意研究を行っている。
例えば、特許文献4においては、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の重付加反応により得られるウレタン化合物の末端をメタクリル基で修飾した不飽和ポリウレタン系プレポリマー等が好適に用いられるが、その接着強度を一層改善できれば望ましい。この点について、例えば、特許文献1〜3等に関する接着材は、感光性樹脂組成物の一部、又は化学構造的にそれと類似する成分を、接着剤組成物に含有させたものであるが、不飽和ポリウレタンプレポリマーを主体とする感光性樹脂組成物を用いる場合には必ずしも有効ではないといった実情がある。
特許文献5においては、接着強度についてある程度の改善が期待できるところであるが、湿気硬化型樹脂の硬化条件(例えば、硬化温度、硬化湿度、硬化時間等)に制約を受ける場合がある。また、硬化した接着材に対して、レーザー彫刻性等に優れる不飽和ウレタンプレポリマーを主体とする感光性樹脂組成物の塗布乃至露光を短時間のうちに行わなければならない、といった制約を受ける場合がある。さらに、金属支持体の印刷版用感光性樹脂積層体をシート状にしたものを製造乃至使用する場合、カッター等を用いて所定の大きさに裁断する必要があるが、シート状の積層体の端面等の剥離を抑制するべく、一層強い接着強度を要求される場合がある。
特許文献6においては、不飽和ポリエステル等を含むウレタン系感光性樹脂の硬化物と、レーザー彫刻性層との接着強度について更なる向上が望まれる。
特許文献7は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、トリアセテート樹脂、ポリスチレン等のフィルムを支持体とした技術に関するものであり、金属支持体に対する接着材の接着強度について更なる向上が望まれる。特許文献8もまた、金属支持体に対する接着材の接着強度について更なる向上が望まれる。
このように、金属支持体上に、不飽和ポリウレタンプレポリマー等を主成分とする感光性樹脂組成物を用いて印刷レリーフを形成した感光性樹脂凸版に関して、優れた接着強度を安定して発揮できる感光性樹脂凸版、特にシート状感光性樹脂凸版については、更なる改良が望まれている。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、優れた接着強度を安定して発揮できる感光性樹脂印刷版用積層体を提供することを目的とする。
本発明者は、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、熱硬化性樹脂とポリビニル系樹脂とを含む接着剤組成物を使用することにより前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
金属支持体と、
前記金属支持体の表面上に積層された接着材層と、
前記接着材層の表面上に積層された印刷レリーフ用感光性層と、を有する印刷版用積層体であって、
前記接着材層が、熱硬化性樹脂とポリビニル系樹脂とを含む組成物からなる硬化物であり、
前記印刷レリーフ用感光性層が、不飽和ポリウレタンプレポリマーと、エチレン性不飽和化合物と、光重合開始剤と、を含む感光性樹脂印刷版用積層体。
〔2〕
前記接着材層の前記組成物が、前記熱硬化性樹脂を30〜95質量%と、前記ポリビニル系樹脂を5〜70質量%と、を含む、〔1〕に記載の感光性樹脂印刷版用積層体。
〔3〕
前記ポリビニル系樹脂の数平均分子量が、5000〜100000である、〔1〕又は〔2〕に記載の感光性樹脂印刷版用積層体。
〔4〕
前記ポリビニル系樹脂が、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、及びポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂からなる群より選ばれる少なくともいずれかである、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の感光性樹脂印刷版用積層体。
〔5〕
前記ポリビニル系樹脂が、分子中に構成成分としてビニルアルコール成分を5質量%未満の範囲で含有する、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の感光性樹脂印刷版用積層体。
〔6〕
前記熱硬化性樹脂が、エポキシ系樹脂、又はウレタン系樹脂である、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の感光性樹脂印刷版用積層体。
〔7〕
前記不飽和ポリウレタンプレポリマーが、ポリエステルポリオール及び/又はポリカーボネートポリオールを含み、かつ、数平均分子量が1000〜100000である、〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の感光性樹脂印刷版用積層体。
〔8〕
前記印刷レリーフ用感光性層が、光照射により硬化した層である、〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の感光性樹脂印刷版用積層体。
本発明によれば、優れた接着強度を安定して発揮できる感光性樹脂印刷版用積層体を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」と表記する。)について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、本明細書において、特に断りがない限り、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味し、同様に、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」及び/又は「メタクリロイル」を、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を意味する概念である。
本実施形態の感光性樹脂印刷版用積層体は、金属支持体と、金属支持体の表面上に積層された接着材層と、接着材層の表面上に、積層された印刷レリーフ用感光性層と、を有する印刷版用積層体であって、接着材層が、熱硬化性樹脂とポリビニル系樹脂とを含む組成物からなる硬化物であり、印刷レリーフ用感光性層が、不飽和ポリウレタンプレポリマーと、エチレン性不飽和化合物と、光重合開始剤と、を含む感光性樹脂印刷版用積層体である。
金属支持体の材料としては、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、ニッケル、クロム、銅、各種金属合金等が挙げられる。これらのなかでも、寸法安定性の観点から、剛性に優れる鉄が好ましい。鉄の表面を、錫、クロム等によって鍍金処理されたもの、鉄の表面をクロム水和酸化物等によって処理されたもの、あるいは強磁性材料(各種鉄粉等)等も好適に利用可能である。
本実施形態の感光性樹脂印刷版用積層体を円筒状の印刷版胴に巻き付けて使用することを可能とする観点から、金属支持体は0.05〜0.5mmの範囲の厚みであることが好ましい。
金属支持体はシート状の形態であってもよいし、予め円筒状に加工された形態であってもよい。
接着材層は、熱硬化性樹脂とポリビニル系樹脂とを含む組成物(以下、「接着材組成物」という場合がある。)からなる硬化物である。接着材組成物における熱硬化性樹脂の含有量は、金属支持体と後述する印刷レリーフ用感光性層との双方の接着強度を高いレベルで実現し、かつ、接着材層の凝集破壊の抑制や、耐薬品性を一層高いレベルで満足する観点から、30〜95質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましく、50〜80質量%であることが更に好ましい。
接着材組成物におけるポリビニル系樹脂の含有量は、5〜70質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、20〜50質量%であることが更に好ましい。ポリビニル系樹脂の含有量が上記範囲であると、後述する印刷レリーフ用感光性層の光硬化物が幅広い硬度であったとしても、高い接着強度を安定して維持できる傾向にある。
熱硬化性樹脂としては、例えば、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、比較的低温乃至短時間で硬化反応が起こり、金属支持体に積層した後等の熱硬化反応の制御が容易であるという観点や、接着材層の可とう性制御の観点から、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂が好ましい。さらに、接着材層のブロッキング性の低減や、経時保存における接着強度の低下の抑制といった観点から、エポキシ系樹脂がより好ましい。
エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂としては、公知の材料を利用することも可能であり、特に限定されるものではない。
エポキシ系樹脂は、一分子中に2個以上のオキシラン環を含むエポキシ樹脂である。この場合、組成物には、熱硬化性樹脂としてのエポキシ系樹脂とポリビニル系樹脂に加えて、エポキシ樹脂用硬化剤を含むことが好ましい。エポキシ系樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式型エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ系樹脂のエポキシ当量は、100〜20000g/eqであることが接着材層の凝集破壊の抑制や、金属支持体との接着強度の観点から好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。エポキシ当量は、JIS K7236に準じた方法によって測定される。
エポキシ系樹脂用硬化剤としては、尿素系化合物、フェノール系化合物、アミン系化合物、メルカプタン系化合物、酸無水物化合物、ジシアンジアミド、ルイス酸錯化合物、イミダゾール系化合物等を挙げることができる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ウレタン系樹脂としては、例えば、分子内に活性水素原子を2つ以上有するポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物との反応により得られるもの等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、縮合系ポリエステルポリオール(グリコール化合物とジカルボン酸化合物との重縮合反応により得られるポリエステルセグメントの繰り返しを有するジオール等)や、カプロラクトン開環重合したタイプのエステル等が挙げられる。グリコール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,3−ブタンジオール、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。ジカルボン酸化合物としては、例えば、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリ1,2−ブチレングリコール、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンランダム共重合体、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレン/ポリオキシテトラメチレンランダム共重合体、ポリオキシエチレン/ポリオキシテトラメチレンブロック共重合体等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリビニル系樹脂は、ビニル基を有する化合物の付加重合により得られる樹脂である。ビニル基を有する化合物としては、例えば、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ケイ皮酸ビニル、アルカン酸ビニル、ビニルシクロヘキサン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のエステル化合物等が挙げられる。さらには、これら化合物のホモポリマー、共重合ポリマー、これらの誘導体(例えば、アセタール化物やアルキルエーテル化物、アルキルエステル化物等)を、接着材組成物のポリビニル系樹脂として利用することができる。
ポリビニル系樹脂としては、熱硬化性樹脂の金属支持体への接着強度を損なうことなく、比較的低濃度の添加量であっても、印刷レリーフ用感光性層との接着強度を発現できるといった観点から、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等が好ましい。これらの中でも、さらに、塗工溶剤への溶解性に優れるという観点から、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂がより好ましく、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂が更に好ましい。
ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂には、塩化ビニル、酢酸ビニル以外のビニル化合物が共重合されていてもよい。塩化ビニルや酢酸ビニル以外のビニル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル化合物やヒドロキシアルキルエステル化合物、ビニルアルコール、ジカルボン酸等が挙げられる。
ポリビニル系樹脂は、分子中に構成成分としてビニルアルコール成分を5質量%未満の範囲で含有することが好ましく、実質的に含有しないことがより好ましい。ここでいうビニルアルコール成分とは、ヒドロキシル基を含むポリマーユニットの1種であり、ポリ酢酸ビニルの加水分解によって得られるもの等が挙げられる。ビニルアルコール成分の含有量が5質量%未満であることにより、接着強度を高いレベルで実現することができる。かかる観点から、ポリビニル系樹脂中における当該ビニルアルコール成分の含有量は、0質量%であることがより好ましい。ビニルアルコール成分の含有量は、JIS K0070に規定する化学品の水酸基価の試験方法に準じた方法により分析される水酸基価(mgKOH/g)を、サンプル中のビニルアルコール成分の含有量に換算して、ポリビニル系樹脂中のビニルアルコール含有量(質量%)として算出することができる。
ポリビニル系樹脂の分子量は、印刷版レリーフ用感光性層との接着強度、熱硬化性樹脂との相溶性の観点から、100000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましく、40000以下であることが更に好ましい。また、接着材層の接着強度維持や耐薬品性の観点から、5000以上であることが好ましく、10000以上であることがより好ましい。
特に、接着材層に用いる熱硬化性樹脂がエポキシ系樹脂であり、これら塩化ビニル、酢酸ビニル以外のビニル化合物が、水酸基、カルボン酸等を有する場合、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を構成する単量体の総量に対するこれら塩化ビニル、酢酸ビニル以外のビニル化合物の含有量は15質量%以下であることが好ましい。当該含有量の上限値をかかる範囲とすることは、接着材層と金属支持体の界面剥離を抑制する観点から好ましく、当該含有量は5質量%未満であることがより好ましい。
本実施形態に用いる接着材組成物には、必要に応じて、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料、滑剤、無機充填剤、有機充填剤、可塑剤等をさらに配合することができる。
熱重合禁止剤としては、例えば、有機スズ系安定剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。染料としては、例えば、アゾ染料、アントラキノン染料、ナフトール染料、トリフェニルメンタン染料、ポリメチン染料、硫化染料、また、クロム、銅、ニッケル、コバルト等の重金属イオンのジヒドロキシアゾベンゼン構造による錯塩染料等が挙げられる。顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化コバルト、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。滑剤としては、例えば、脂肪族炭化水素系滑剤、高級脂肪酸系アルコール系滑剤、高級脂肪酸系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪酸アマイド系滑剤等が挙げられる。無機充填剤及び有機充填剤としては、例えば、鉄、銅、ニッケル等の金属粉、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維等の炭素化合物、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸カルシウム等の硫酸塩、タルク、クレー、マイカ等のケイ酸塩、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリアミド(ナイロン(商標)等)等の各種合成樹脂による微粒子等が挙げられる。可塑剤としては、例えば、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、リン酸、アセチルクエン酸、トリメリット酸等のエステル化合物、ポリエステル系可塑剤、パラフィン、ロジン等が挙げられる。
本実施形態の感光性樹脂印刷版用積層体の製造方法の一例について説明する。まず、金属支持体の表面に接着材層を形成させる積層方法は、特に限定されるものではない。例えば、接着材層の材料である熱硬化性樹脂とポリビニル系樹脂を含む接着材組成物を、溶剤に混合した溶液を、金属支持体の表面上に略一定厚みとなるように塗布する。そして、溶剤を乾燥させた後に、焼付加工を行うことで、金属支持体の表面上に接着材層を形成させる方法が好ましい。使用する溶剤としては、接着材組成物を溶解させることができるものであればよく、例えば、メタノール、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、シクロヘキサノン等が挙げられる。焼付加工の温度は、特に限定されないが、100〜220℃であることが好ましい。焼付加工の時間は、特に限定されないが、5分〜2時間程度であることが好ましい。焼付加工の温度及び時間をこの範囲とすることは、金属支持体との接着強度を確保する観点から好ましい。
接着材層は、金属支持体と印刷レリーフ用感光性層を強固に接着し、かつ、接着材層の凝集破壊を抑制するといった観点から、金属支持体の表面1m上における接着材層の形成量は、0.5〜10g/mであることが好ましく、1〜5g/mであることがより好ましい。また、同様の観点から、接着材層の厚みは、0.5〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。
なお、接着材層は、1層であってもよいし、2層以上の複数層であってもよい。例えば、2層とする場合、上述した方法等によって、まず第1の接着材層を金属支持体の表面上に形成させた後、第2の接着材層を第1の接着材層の表面上に更に形成させる方法等を採用することができる。この場合、第1の接着材層と第2の接着材層は、同一の成分組成であってもよいし、異なる成分組成であってもよい。
そして、金属支持体の表面1m上における第1の接着材層の形成量は、当該層の凝集破壊を効果的に抑制できるという観点から、0.5〜10g/mであることが好ましく、1〜5g/mであることがより好ましい。また、同様の観点から、第1の接着材層の厚みは、0.5〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。さらに、第1の接着材層の表面1m上における第2の接着材層の形成量は、同様の観点から、0.5〜10g/mであることが好ましく、1〜5g/mであることがより好ましい。同様の観点から、第2の接着材層の厚みは、0.5〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。ここでは、一例として、2層の複数層である場合を一例として説明したが、3層以上の複数層とする場合についても、同様にして作製することができる。
接着材層が3層以上の複数層から構成される場合、接着材層を構成するために用いられる組成物(各層を構成するために用いられる組成物の合計)の成分組成に関して、組成物の総量における熱硬化性樹脂の総含有量は、30〜95質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましく、50〜80質量%であることが更に好ましい。接着材層を構成するための組成物における熱硬化性樹脂の総含有量が上記範囲にあると、金属支持体と印刷レリーフ用感光性層との双方の接着強度を高いレベルで実現し、かつ、接着材層の凝集破壊の抑制や、耐薬品性を一層高いレベルで満足させることができる。
また、接着材層を構成するために用いられる組成物(各層を構成するために用いられる組成物の合計)の成分組成に関して、組成物の総量におけるポリビニル系樹脂の総含有量は、5〜70質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、20〜50質量%であることが更に好ましい。接着材層を構成するための組成物におけるポリビニル系樹脂の総含有量が上記範囲にあると、印刷レリーフ用感光性層の光硬化物が幅広い硬度であったとしても、高い接着強度を安定して維持できる傾向にある。
印刷レリーフ用感光性層は、不飽和ウレタンプレポリマーと、エチレン性不飽和化合物と、光重合開始剤と、を含むものである。後述するが、本実施形態の感光性樹脂印刷版用積層体は、印刷レリーフ用感光性層は硬化前のもの、硬化後のものの両方を包含する。
不飽和ウレタンプレポリマーは、その分子中にウレタン結合を複数有するとともに、エチレン性不飽和基を有し、重合反応によって他の化合物と結合可能な化合物である。不飽和ウレタンプレポリマーの製造方法としては、例えば、下記(i)及び(ii)の方法等が挙げられる。
(i)ポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させて、末端にイソシアネート基を有するポリウレタンが所定の分子量になるように形成させ、次いで、当該ポリウレタンと、分子内に活性水素とエチレン性不飽和基とを有する化合物とを反応させる方法。
(ii)ポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させて、末端に水酸基を有するポリウレタンが所定の分子量になるように形成させ、次いで、当該ポリウレタンと、分子内にイソシアネート基とエチレン性不飽和基とを有する化合物とを反応させる方法。
上記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステル共重合ポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリ1,2−ブチレングリコール、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンランダム共重合体、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレン/ポリオキシテトラメチレンランダム共重合体、ポリオキシエチレン/ポリオキシテトラメチレンブロック共重合体等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、縮合系ポリエステルポリオール、すなわちグリコール化合物とジカルボン酸化合物との重縮合反応により得られるポリエステルセグメントの繰り返しを有するジオール等が挙げられる。このようなジオールとしては、例えば、アジピン酸エステル系ジオールが挙げられる。アジピン酸エステル系ジオールであるポリ(エチレングリコールアジペート)ジオール、ポリ(ジエチレングリコールアジペート)ジオール、ポリ(プロピレングリコールアジペート)ジオール、ポリ(1,4−ブタングリコールアジペート)ジオール、ポリ(1,6−へキサングリコールアジペート)ジオール、ポリ(2−メチルプロパングリコールアジペート)ジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンタングリコールアジペート)ジオール、ポリ(ネオペンチルグリコールアジペート)ジオール、ポリ(1,9−ノナングリコールアジペート)ジオール、ポリ(2−メチルオクタングリコールアジペート)ジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリ(β−メチル−δ−バレロラクトン)ジオールが挙げられる。
ポリエステルセグメントを構成するジカルボン酸化合物としては、アジピン酸の他、例えば、コハク酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
なお、上記例示のとおり、ポリエステルセグメントは、それぞれ単一種のジオール化合物とジカルボン酸化合物とによる重縮合反応により構成されることが一般的である。ただし、いずれか一方又は両方の化合物を複数種用い、任意の割合で重縮合させることによりポリエステルセグメントを構成することも可能である。
ポリエステルポリオールとしては、上記縮合系ポリエステルポリオールの他にも、例えば、ラクトン系ポリエステルポリオールやポリカーボネートジオール等も使用可能である。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエーテルポリエステル共重合ポリオールとしては、上述のポリエーテルポリオールの分子鎖を形成する繰り返しユニットと、上述のポリエステルポリオールの分子鎖を形成する繰り返しユニットとが、ブロック又はランダムに結合した構造を有する共重合体等が挙げられる。ポリエーテルポリエステル共重合ポリオールは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ポリカーボネートポリオールとしては、下記式(1)で表される化合物、下記式(2)で表される化合物等が好ましい。
Figure 2015072383
(式中、Rは、各々独立して、炭素数2〜20の直鎖又は分岐した炭化水素基を表し、複数のRは、炭素数が同じであってもよいし、異なっていてもよい。aは、1以上の整数を表す。)
Figure 2015072383
(式中、Rは、各々独立して、炭素数2〜20の直鎖又は分岐した炭化水素基を表し、複数のRは、炭素数が同じであってもよいし、異なっていてもよい。nは、各々独立して、2〜20の整数を表し、bは、1以上の整数を表す。)
また、ポリカーボネートポリオールの好適な具体例としては、例えば、4,6−ポリアルキレンカーボネートジオール、8,9−ポリアルキレンカーボネートジオール、5,6−ポリアルキレンカーボネートジオール等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ポリブタジエンポリオールとしては、ポリ(1、4−ブタンジエン)グリコール及びその水添化物の混合物、ポリ(1、2−ブタジエン)グリコール及びその水添化物の混合物、ポリ(1,2−/1,4−ブタジエン)グリコール及びその水添加物の混合物等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ポリオールの数平均分子量は、印刷レリーフ用感光性層に優れた柔軟性と弾性特性を付与する観点から、当該値が500〜15000の範囲であることが好ましく、より好ましくは500〜10000、更に好ましくは500〜5000の範囲である。
上記ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記分子内に活性水素とエチレン性不飽和基とを有する化合物としては、例えば、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記分子内にイソシアネート基とエチレン性不飽和基とを有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等が挙げられる。
なお、ポリウレタンの分子末端に反応して(メタ)アクリル基を付加することを可能とする化合物を、「(メタ)アクリル化剤」と記載することがある。
上記不飽和ポリウレタンプレポリマーの数平均分子量は、好ましくは5000〜100000であり、より好ましくは5000〜50000である。数平均分子量を上記下限値以上とすることで、得られる重合硬化物に良好な機械的強度を付与できるため、印刷版の繰り返し使用や粗雑な取り扱いに対しても高い耐久性を発揮することができる。数平均分子量を上記上限値以下とすることで、接着材層が積層された金属支持体の表面に上記印刷レリーフ用感光性層を形成させるのに必要な流動性を確保できる。本明細書において特に断りがない限り、数平均分子量とは、後述する実施例に記載のGPC測定に準拠して得られる、ポリスチレン換算値として算出される値である。
印刷レリーフ用感光性層のレリーフ画像に相当する領域を活性光線により硬化させた後、レリーフ画像以外の領域を水系洗浄液によって現像する方法で製版する場合等を想定すると、上記不飽和ポリウレタンプレポリマーは、ポリオキシエチレンセグメントを好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%の割合で有することが好ましい。ポリオキシエチレンセグメントの含有量を上記下限値以上とすることは、水系洗浄液に対する組成物の分散性を確保することに寄与し、ポリオキシエチレンセグメントの含有量を上記上限値以下とすることは、印刷インクに対するレリーフ用感光性層の硬化物の膨潤性を一定値以下に抑制し、印刷時にレリーフが膨れて印刷品質が低下するのを抑制することに寄与し得る。
以上説明した不飽和ウレタンプレポリマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記エチレン性不飽和化合物は、その分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物であり、例えば、不飽和カルボン酸;不飽和カルボン酸のエステル化合物;(メタ)アクリルアミド及びその誘導体;アリル化合物;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸及びそのエステル;その他のエチレン性不飽和基を有する化合物等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボン酸ビニル、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸等が挙げられる。これらの中でも、前記不飽和ウレタンプレポリマーの分子主鎖末端に修飾された不飽和二重結合である(メタ)アクリル基との重付加反応性の観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
上記不飽和カルボン酸のエステル化合物としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、ハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート;アルキレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;グリセリンモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリルアミドの誘導体としては、例えば、アルキル基又はヒドロキシアルキル基でN−置換又はN,N’−置換した(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−アルキレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記アリル化合物としては、例えば、アリルアルコール、アリルイソシアナート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられる。
上記マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸のエステルとしては、例えば、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシアルキルのモノ又はジマレエート及びフマレート等が挙げられる。
上記その他のエチレン性不飽和基を有する化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和化合物としては、印刷版に求められる柔軟性及び弾性特性、耐久性に必要な機械的強度、並びに、インクに対する膨潤性等を制御する観点から、プロピレングリコールモノメタクリレート、ポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテルモノ(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びポリオキシプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
印刷レリーフ用感光性層を構成する組成物における上記エチレン性不飽和化合物の配合量は、不飽和ウレタンプレポリマー成分100質量部に対して、10〜150質量部であることが好ましく、10〜100質量部であることがより好ましい。上記エチレン性不飽和化合物の配合量を当該範囲にすることは、接着材層が積層された金属支持体の表面に上記印刷レリーフ用感光性樹脂を積層するのに必要な流動性を実現する観点から好ましい。
上記光重合開始剤としては、例えば、水素引き抜き型開始剤、開裂型開始剤等が挙げられる。水素引き抜き型開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ジアセチル、9,10−アントラキノン等が挙げられる。開裂型開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、ジフェニルスルフィド、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、上記光重合開始剤は、その反応性を高める観点から、増感剤と組み合わせて使用することが好ましい。このような増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ミヒラーズケトン、4,4’−ジエチルアミノフェノン、4−ジエチルアミノ安息香酸エチルエステル等のアミン類;エオシン、チオシン等の染料等が挙げられる。特に、上記光重合開始剤成分としてベンゾフェノン等の水素引き抜き型開始剤を使用する場合には、このような増感剤を使用することが好ましい。
印刷レリーフ用感光性層を構成する組成物における上記光重合開始剤の配合量は、上記不飽和ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。上記光重合開始剤の配合量を当該範囲とすることは、印刷レリーフ用感光性層の材料である組成物の貯蔵安定性、光硬化速度、及び印刷レリーフ用感光性層の物性を高いレベルでバランス良く両立させることができるので好適である。
印刷レリーフ用感光性層には、必要に応じて、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料、滑剤、無機充填剤、有機充填剤、可塑剤等のその他添加剤を更に配合することができる。
熱重合禁止剤としては、例えば、有機スズ系安定剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。染料としては、例えば、アゾ染料、アントラキノン染料、ナフトール染料、トリフェニルメンタン染料、ポリメチン染料、硫化染料、また、クロム、銅、ニッケル、コバルト等の重金属イオンのジヒドロキシアゾベンゼン構造による錯塩染料等が挙げられる。顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化コバルト、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。滑剤としては、例えば、脂肪族炭化水素系滑剤、高級脂肪酸系アルコール系滑剤、高級脂肪酸系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪酸アマイド系滑剤等が挙げられる。無機充填剤及び有機充填剤としては、例えば、鉄、銅、ニッケル等の金属粉、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維等の炭素化合物、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸カルシウム等の硫酸塩、タルク、クレー、マイカ等のケイ酸塩、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリアミド(ナイロン(商標)等)等の各種合成樹脂による微粒子等が挙げられる。可塑剤としては、例えば、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、リン酸、アセチルクエン酸、トリメリット酸等のエステル化合物、ポリエステル系可塑剤、パラフィン、ロジン等が挙げられる。
特に、上記印刷レリーフ用感光性樹脂に活性光線を照射して硬化させた後に、レリーフ画像以外の領域をレーザー光線によって焼き飛ばすレーザー彫刻技術により製版する場合、無機充填剤や有機充填剤は、多孔質体であることが好ましい。多孔質体としては、例えば、多孔質シリカ、メソポーラスシリカ、シリカ−ジルコニア多孔質ゲル、メソポーラスモレキュラーシーブ、ポーラスアルミナ、多孔質ガラス等が挙げられる。
上記無機多孔質体の平均細孔径は、1nm〜1000nmであることが好ましい。上記無機多孔質体の細孔容積は、0.1mL/g〜10mL/gであることが好ましい。上記無機多孔質体の数平均粒子径は、10μm以下であることが好ましい。そして、上記無機多孔質体の平均細孔径、細孔容積、及び数平均粒子径が、それぞれ上記範囲であるものがより好ましい。これらの条件を満たすことで、彫刻時に発生する液状成分を効果的に捕捉して、粉状カスに変質させやすくなるので好ましい。なお、平均細孔径、細孔容積は、窒素吸着法によって測定することができる。数平均粒子径は、レーザー散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定することができる。
本実施形態において、金属支持体の表面上に積層された接着材層の上に印刷レリーフ用感光性層を積層させる方法は、特に限定されず、例えば、流動性を発現する程度の粘度を有する感光性樹脂組成物を接着材層上にTダイを用いて押し出し成型する、任意の量で塗布した樹脂をドクターで引き延ばす等の方法を挙げることができる。印刷レリーフ用感光性層の厚みは、各種印刷用途に供するために0.1mm〜10mmの範囲で調製されることが好ましい。
印刷レリーフ用感光性層は、1層であってもよいし、2層以上の複数層であってもよい。2層とする場合、例えば、上述した方法等によって、まず第1の印刷レリーフ用感光性層を接着材層の表面上に形成させた後、第2の印刷レリーフ用感光性層を第1の印刷レリーフ用感光性層の表面上に更に形成させる方法を採用することができる。この場合、第1の印刷レリーフ用感光性層と第2の印刷レリーフ用感光性層は、同一の成分組成であってもよいし、異なる成分組成であってもよい。
印刷レリーフ用感光性層を一定の厚みに整えるためには、感光性樹脂組成物の表面に、活性光線に透過性を有するフィルムをカバーフィルムとしてラミネートした後に、ゴムあるいは金属の表面を成すロール、金属板、ガラス板等用いて圧縮することが好ましい。
本実施形態の感光性樹脂印刷版用積層体は、印刷レリーフ用感光性層へ光照射を行うことにより、印刷レリーフ用感光性層が光硬化し、それによって接着材層に対する優れた接着強度を発現させることができる。しかし、本実施形態の感光性樹脂印刷版用積層体は、必ずしも印刷レリーフ用感光性層が光照射されたものである必要はなく、例えば、使用前の段階では光照射せず、使用時に光照射させるものであってもよい。もちろん、使用前に予め光照射しておき、それを使用してもよい。よって、優れた接着強度が発現されているという観点からは、本実施形態の感光性樹脂印刷版用積層体は、印刷レリーフ用感光性層が、光照射によって硬化した層であることが好ましい。なお、特に断りがない限り、本明細書でいう「硬化」及び「硬化物」とは、完全硬化に限らず、部分硬化や半硬化といった状態も包含する。そして、印刷レリーフ用感光性層の表面の全部が硬化した状態だけでなく、表面の少なくとも一部が硬化された状態であることも包含する。
光照射に用いられる光源としては、例えば、活性光線源が挙げられる。活性光線源の好適な具体例としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽等が好ましい。活性光線の照射は、印刷版の製造方法に応じて、例えば、(a)印刷レリーフ用感光性層のレリーフ画像領域を光硬化させるためのネガフィルムを用いて露光する方法;(b)印刷レリーフ用感光性層の全面に活性光線を照射する方法等を使い分けてもよい。例えば、前者のネガフィルムを用いた手法では、その後に印刷レリーフ用感光性層未露光領域の成分を洗い流す現像工程が必要であり、後者の印刷レリーフ用感光性層全体を光硬化させる手法では、その後に彫刻技術により印刷用レリーフ形状を作製する必要がある。彫刻技術としては、例えば、刃物による切削や、レーザー光による焼き飛ばし等が挙げられる。
上述(b)の印刷レリーフ用感光性層の全面に活性光線を照射する方法を採用する場合、本実施形態の感光性樹脂印刷版用積層体の厚みを整えるために、活性光線の照射により光硬化した印刷レリーフ用感光性層の研削、研磨等の機械的処理を採用し得る。
印刷レリーフ用感光性層は、その硬化物の硬度が印刷方式、被印刷体の材質、要求される印刷品質に応じて適切な範囲となることを考慮した上で設計されることが好ましい。本実施形態における硬化物の硬度の評価に際して、例えば、ショアA硬度やショアD硬度等を指標として用いることができる。ショアA硬度は、より柔軟な領域において高い精度で評価できる傾向にあり、ショアD硬度は、より硬質な領域において高い精度で評価できる傾向にある。なお、ショアA硬度、ショアD硬度は、後述する実施例に記載の方法に準拠して測定される。
印刷レリーフ用感光性層の硬度が高い場合(例えば、ショアD硬度を指標とする硬さの場合等)、通常、印刷レリーフ用感光性層内部の凝集力が高いため、接着材層との接着強度を高く設定することが難しい傾向にある。しかしながら、本実施形態によれば、印刷レリーフ用感光性層の硬度が高い場合(例えば、ショアD硬度が10〜80度の範囲の印刷レリーフ用感光性層である場合等)であっても、接着材組成物を上述した好適な範囲で設計すること等によって、印刷レリーフ用感光性層と接着材層との間において高いレベルの接着強度を実現することが可能である。
本実施形態の感光性樹脂印刷版用積層体は、金属支持体、接着材層、及び印刷レリーフ用感光性層が互いに強固に接着している。その接着強度は、接着材層上に積層された印刷レリーフ用感光性層を引き剥がした際の強度を測定することで評価される。本実施形態の感光性樹脂印刷版用積層体から得られた印刷版のレリーフ深度(除去すべき未硬化成分の深さ)が印刷レリーフ用感光性層の厚みより浅い場合(感光性樹脂印刷版用積層体に印刷レリーフが加工された状態において、印刷の非画像部に相当する領域に印刷レリーフ用感光性層が残存する場合等)、実際の印刷作業において感光性樹脂印刷版用積層体から印刷レリーフ用感光性層が剥離しないための接着強度としては、2.9N/cm以上であることが好ましい。なお、接着強度は、後述する実施例に記載の方法に準拠して測定される。
本実施形態の感光性樹脂印刷版用積層体から得られた印刷版のレリーフ深度が印刷レリーフ用感光性層の厚みと同じ場合(感光性樹脂印刷版用積層体に印刷レリーフが加工された状態において、印刷の非画像部に相当する領域に印刷レリーフ用感光性層が残存しない場合等)、印刷レリーフ用感光性層と接着材層との接着面積が少ない傾向にあるため、感光性樹脂印刷版用積層体から印刷レリーフ用感光性層が剥離しないための接着強度としては、6N/cm以上であることがより好ましい。
さらに、印刷レリーフ用感光性層を光硬化させた後に、感光性樹脂印刷版用積層体をシェアカッター等で断裁加工する場合等を想定し、断裁端面の剥離を軽減する観点から、接着強度は15N/cm以上であることが更に好ましく、剥離不可能(すなわち、後述する剥離試験の方法において、印刷レリーフ用感光性層の硬化物がちぎれてしまい、剥離することができない状態)であることがより更に好ましい。
本実施形態の感光性樹脂印刷版用積層体から印刷レリーフ用感光性層が剥離しないための接着強度が上記数値範囲であれば好適であるが、その際の剥離形態としては、金属支持体と接着材層の間で起こる界面破壊、接着材層と印刷レリーフ用感光性層の間で起こる界面破壊、接着材層の内部で起こる凝集破壊、印刷レリーフ用感光性層の内部で起こる凝集破壊等であってもよいが、剥離形態としては、印刷レリーフ用感光性層の内部で起こる凝集破壊が好ましい。それは、他の箇所の接着強度がそこよりも強いことに起因するものであるからである。接着強度測定において、印刷レリーフ用感光性層が凝集破壊することは、印刷目的によって設計された印刷レリーフ用感光性樹脂の強度を超えて前記各々の界面が接着していることを示すことから、好ましい。
実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例になんら限定されるものではない。
〔製造例1〕感光材樹脂組成物Aの製造
1200gのポリ(3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジペート)ジオール(水酸基価:37KOHmg/g、平均分子量:3000、商品名「クラポールP3010」、クラレ社製)と、800gのポリオキシエチレン(EO)−オキシプロピレン(PO)ブロック共重合ジオール(水酸基価:44KOHmg/g、平均分子量:2550、EO含量30質量%、商品名「サンニックスPL2100」、三洋化成工業社製)との混合物に対して、0.09gのジブチル錫ジラウレート(以下「BTL」と略記する。)を加え、40℃で均一になるまで攪拌し、混合物を得た。
得られた混合物に、136.9gのトリレンジイソシアネート(商品名「コロネートT80」、日本ポリウレタン社製、以下「TDI」と略記する。)を加えてさらに攪拌した。
均一となったところでその混合物を80℃まで昇温した後、約4〜5時間反応させて両末端にイソシアネート基を有するプレポリマー前駆体を調製した。
そのプレポリマー前駆体に、387.2gのポリ(オキシプロピレン)グリコールモノメタアクリレート(平均分子量380、商品名「ブレンマーPP」、日油社製、以下「PPM」と略記する。)を加えて約2時間反応させて、不飽和ポリウレタンプレポリマー組成物Aを得た。なお、PPMは前記プレポリマー前駆体分子末端を(メタ)アクリル化するための(メタ)アクリル化剤であり、その量は反応を速やかに安定的に行うために理論量より過剰に投入した。
したがって、不飽和ポリウレタンプレポリマー組成物Aは、不飽和ポリウレタンプレポリマーAと過剰に加えたPPMの混合物であった。
不飽和ポリウレタンプレポリマーAの数平均分子量等については、以下の方法でGPC測定を行うことにより求めた。
<GPC測定方法>
以下の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算による数平均分子量を求めた。また、GPC測定により得られるピーク面積比(%)により、製造時に過剰に加えたPPMの未反応成分を除外した不飽和ポリウレタンプレポリマー成分に由来する高分子量体の含有量を求めた。その結果、不飽和ポリウレタンプレポリマーA成分に由来する高分子量体の数平均分子量は22500であり、プレポリマー組成物中の高分子量体の含有量は約87質量%であった。残りの約13質量%の低分子量成分はプレポリマー前駆体分子末端を(メタ)アクリル化するために過剰に投入したPPMの反応残渣であった。
機器 :東ソー社製「HLC−8220GPC」
カラム :東ソー社製「TSLgelGMHXL」
溶媒 :テトラヒドロフラン
流速 :1ミリリットル/分
注入量 :100マイクロリットル
検出器 :RI検出器
検量線標品:ポリスチレン(分子量500〜1260000)
試料 :0.3質量%テトラヒドロフラン溶液
得られた不飽和ポリウレタンプレポリマー組成物A:114.9質量部(GPC測定結果から、不飽和ポリウレタンプレポリマーA:100質量部、反応残渣PPM:14.9質量部)に対して、メタクリル酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチルエステル(共栄社化学社製、商品名「ライトエステルAK−8」):18.6質量部、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテルアクリレート(東亞合成社製、商品名「アロニックスM−120」):18.6質量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(サートマー社製、商品名「SR350J」):1.7質量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名「IRGACURE651」):0.93質量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(ジャパンケムテック社製、商品名「IONOL」):1.6質量部を加え、60℃で約1時間混合して感光性樹脂組成物Aを得た。
なお、感光材樹脂組成物Aを以下の方法で硬化させて硬化物をとし、そのショアA硬度を測定した。
1mm厚みのゴムをスペーサーとして用いて、2枚の5mm厚みのガラス板の間に、ポリエチレンテレフタレートフィルムを介して感光材樹脂組成物Aを挟み、厚みを整えた後に表裏両面から各々紫外線蛍光灯の光を1200mJの露光量で照射して、光硬化させた。
得られた感光性樹脂組成物Aの光硬化物を温度20℃、相対湿度70%の恒温恒湿室内に一日放置し、ショアA硬度を測定した。
測定は、同室内に設置されたJIS定圧荷重器GS−710(テクロック社製 ASTM D2240A、JIS K6253A、ISO 7619Aに準拠)を1kg荷重で用いて、測定開始後15秒後の値を読み取った。
その結果、感光性樹脂組成物Aの光硬化物のショアA硬度は40度であった。
〔製造例2〕感光材樹脂組成物Bの製造
2000gのポリカーボネートジオール(水酸基価55.4KOHmg/g、数平均分子量2025、旭化成ケミカルズ社製、商品名「デュラノールT4672」)に対して0.04gのBTLを加え、40℃で均一になるまで攪拌した後、119.3gのTDIを加えてさらに撹拌した。
均一となったところでその混合物を80℃まで昇温した後、約3〜4時間反応させて、IR分光測定を使ってイソシアネート基消失を確認し、両末端に水酸基を有するプレポリマー前駆体を調製した。
そのプレポリマー前駆体に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート95.8g(昭和電工社製、商品名「カレンズMOI」)を添加し、さらに約3時間反応させて、不飽和ポリウレタンプレポリマー組成物Bを得た。
不飽和ポリウレタンプレポリマー組成物Bについて、製造例1と同様の手法によりGPC測定を行った結果、プレポリマー成分に由来する高分子量体の数平均分子量は7700であり、プレポリマー組成物中の高分子量体の含有量は約100質量%であった。
得られた不飽和ポリウレタンプレポリマー組成物B:100質量部(GPC測定結果から、不飽和ポリウレタンプレポリマーB:100質量部に相当)に対して、フェノキシエチルメタクリレート(共栄社化学社製、商品名「ライトエステルPO」):46.3質量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(サートマー社製、商品名「SR350J」):19.7質量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名「IRGACURE651」):3.0質量部、ベンゾフェノン(旭化成ファインケム社製):0.8質量部、「2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(ジャパンケムテック社製、商品名「IONOL」):1.0質量部、無機多孔質体として商品名「サイロスフェアC−1504」(富士シリシア化学社製、多孔質性微粉末シリカ、数平均粒子径:4.5μm、比表面積:520m/g、平均細孔径:12nm、細孔容積:1.5ml/g、吸油量:290ml/100g):8.0質量部を加え、60℃で約1時間混合して感光性樹脂組成物Bを得た。
なお、感光材樹脂組成物Bについて、以下の方法で硬化物を作製してショアD硬度を測定した。
1mm厚みのゴムをスペーサーとして用いて、2枚の5mm厚みのガラス板の間に、ポリエチレンテレフタレートフィルムを介して感光材樹脂組成物Bを挟み、厚みを整えた後に表裏両面から各々紫外線蛍光灯の光を1200mJの露光量で照射して、光硬化させて、光硬化物とした。
得られた感光性樹脂組成物Bの光硬化物を、温度20℃、相対湿度70%の恒温恒湿室内に一日放置し、ショアD硬度を測定した。測定は、同室内に設置されたJIS定圧荷重器GS−710(テクロック社製 ASTM D2240D、JIS K7215D、ISO R868Dに準拠)を5kg荷重で用いて、測定開始後15秒後の値を読み取った。
その結果、感光性樹脂組成物Bの光硬化物のショアD硬度は55度であった。
〔実施例1〕
まず、エポキシ系熱硬化性樹脂である「jER(登録商標)樹脂828」(三菱化学社製、分子量:約370、エポキシ当量:184〜194g/eq、以下「エポキシ樹脂828」と略記する。):33質量部、「jERキュア(登録商標)DICY7」(三菱化学社製、ジシアンジアミド微粉砕品):5質量部、「jERキュア(登録商標)EMI24」(三菱化学社製、イミダゾール系硬化剤):1質量部、ポリビニル系樹脂として「SOLBIN(登録商標)CNLグレード」(日信化学工業社製、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル90質量%/酢酸ビニル10質量%、GPC測定による数平均分子量13000、以下「ポリビニル系樹脂CNL」と略記する。):67質量部、メチルエチルケトン:100質量部、シクロヘキサノン:100質量部を混合し、接着材組成物を準備した。
次に、金属支持体として、0.2mmティンフリースチール(JFEスチール社製、地鉄表面に金属クロム、クロム水和酸化物、油膜の順で処理された金属板、以下「TFS」と略記する。)を準備し、接着材組成物をドクターブレードにより0.15mmの厚みとなるよう塗布した後、95℃の乾燥条件で2分間乾燥して溶剤成分を蒸発させ、更に160℃、1時間の条件で焼付処理を行って、厚みが3〜4μmである接着材層が形成された加工金属支持体を得た。
得られた加工金属支持体の接着材層の表面の一部にセロハンテープを貼って保護した後、1mm厚みのゴムをスペーサーとして用いて、感光性樹脂組成物A(未硬化処理)を適量塗布し、その上から「APR(登録商標)用ベースフィルムタイプBF−444」(ウレタン系液状感光性硬化物用接着材が処理されたポリエチレンフィルム)をラミネートして、感光性樹脂積層体を作製した。ここで接着材層の表面の一部にセロハンテープを貼って保護することは、後述する接着強度測定において、接着材層に接しない感光材樹脂組成物の硬化物層を作製するために行ったものである。
感光性樹脂積層体を2枚の5mm厚みのガラス板で圧縮して厚みを整えた後、感光性樹脂組成物Aが積層された表面に対して紫外線蛍光灯の光を1800mJ/cmの露光量で照射して、感光性樹脂組成物Aを光硬化させ、感光性樹脂積層体の光硬化物を得た。
得られた感光性樹脂積層体の光硬化物を1cmの幅に切り出し、接着材層の表面がセロハンテープで覆われた光硬化物(感光性樹脂硬化物と接着材が接していないもの)を180度折り返した。折り返しの金属支持体部分と樹脂硬化物部分を引張試験機である「島津オートグラフAGS−X」(島津製作所社製)の上下其々のチャックに取り付けて、チャック間を50mm/minの速度で引き離して剥離テストを実施した。このとき、感光性樹脂積層体に剥離が生じた後、更に30mmの長さでチャック間を引き離した時、引張試験機が計測する強度測定値は24.5N/cmで安定した。剥離したサンプルの剥離状態を目視により観察した結果、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
上述の評価を感光性樹脂組成物Bについても同様に実施した結果、接着強度は34.3N/cmであり、剥離面は接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物の界面であった。
〔実施例2〕
実施例1の接着材組成物について、ポリビニル系樹脂CNLに替えて「SOLBIN(登録商標)CLグレード」(日信化学工業社製、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル86質量%/酢酸ビニル14質量%、GPC測定による数平均分子量19000、以下「ポリビニル系樹脂CL」と略記する。)を使用した以外、実施例1と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は23.5N/cmであり、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合の剥離テストでは、測定開始後剥離が生じず、感光性樹脂組成物Bの硬化物層が前記180度折り返し部分でちぎれてしまい、接着強度の計測が不可能であった。このことから、金属支持体と接着材層、接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との接着強度は非常に強固であると判断できた。以下、同様の結果であった場合は、単に「剥離不可能」と記載した。
〔実施例3〕
実施例1の接着材組成物について、ポリビニル系樹脂CNLに替えて「SOLBIN(登録商標)M5グレード」(日信化学工業社製、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル85質量%/酢酸ビニル14質量%/ジカルボン酸1質量%、GPC測定数平均分子量32000、以下「ポリビニル系樹脂M5」と略記する。)を使用した以外、実施例1と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は23.5N/cm、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合の剥離テストの結果は「剥離不可能」であり、金属支持体と接着材層、接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との接着強度は非常に強固であると判断できた。
〔実施例4〕
実施例1の接着材組成物について、ポリビニル系樹脂CNLに替えて「SOLBIN(登録商標)C5Rグレード」(日信化学工業社製、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル79質量%/酢酸ビニル21質量%、GPC測定数平均分子量20000、以下「ポリビニル系樹脂C5R」と略記する。)を使用した以外、実施例1と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は23.5N/cm、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合の剥離テストの結果は、「剥離不可能」であり、金属支持体と接着材層、接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との接着強度は非常に強固であると判断できた。
〔実施例5〕
実施例4の金属支持体について、TFSに替えて市販の1mm厚みのアルミニウム板を使用した以外、実施例4と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は23.5N/cm、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合の剥離テストでは、「剥離不可能」であり、金属支持体と接着材層、接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との接着強度は非常に強固であると判断できた。
〔実施例6〕
実施例1の接着材組成物について、ポリビニル系樹脂CNLに替えてSOLBIN(登録商標)CNグレード(日信化学工業社製、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル89質量%/酢酸ビニル11質量%、GPC測定による数平均分子量46000、以下「ポリビニル系樹脂CN」と略記する。)を使用した以外、実施例1と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は21.6N/cm、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合の接着強度は3.9N/cm、剥離面は接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との界面破壊であった。
〔実施例7〕
実施例1の接着材組成物について、ポリビニル系樹脂CNLに替えて「SOLBIN(登録商標)CHグレード」(日信化学工業社製、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル86質量%/酢酸ビニル14質量%、GPC測定数平均分子量42000、以下「ポリビニル系樹脂CH」と略記する。)を使用した以外、実施例1と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は25.5N/cm、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合の接着強度は3.9N/cm、剥離面は接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との界面破壊であった。
〔実施例8〕
実施例1の接着材組成物について、ポリビニル系樹脂CNLに替えて「SOLBIN(登録商標)Aグレード」(日信化学工業社製、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル92質量%/酢酸ビニル3質量%/ビニルアルコール5質量%、GPC測定数平均分子量30000、以下「ポリビニル系樹脂A」と略記する。)を使用した以外、実施例1と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は22.6N/cm、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合の接着強度は1.0N/cm、剥離面は金属支持体と接着材層との界面破壊であった。
〔実施例9〕
実施例1の接着材組成物について、ポリビニル系樹脂CNLに替えて「カネビニール(登録商標)S−400グレード」(カネカ社製、塩化ビニル樹脂、GPC測定による数平均分子量22000、以下「ポリビニル系樹脂S−400」と略記する。)を使用した以外、実施例1と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は27.5N/cm、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合の接着強度は7.8N/cm、剥離面は接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との界面破壊であった。
〔実施例10〕
実施例1の接着材組成物について、ポリビニル系樹脂CNL:67質量部に替えて「ゴーセニール(登録商標)M50−Z4グレード」(日本合成化学工業社製、酢酸ビニル樹脂、50%メタノール溶液、GPC測定数平均分子量13000、以下「ポリビニル系樹脂M50−Z4」と略記する。):134質量部とし、希釈溶剤をメチルエチルケトン:67質量部、シクロヘキサノン:67質量部とした以外、実施例1と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は23.0N/cm、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合の接着強度は13.7N/cm、剥離面は接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との界面破壊であった。
〔実施例11〕
実施例10の接着材組成物について、ポリビニル系樹脂M50−Z4に替えて「ゴーセニール(登録商標)M50−Y5グレード」(日本合成化学工業社製、酢酸ビニル樹脂、50%メタノール溶液、GPC測定数平均分子量29000、以下「ポリビニル系樹脂M50−Y5」と略記する。)とした以外、実施例10と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は23.0N/cm、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合の接着強度は45.1N/cm、剥離面は接着材層の凝集破壊であった。
〔実施例12〕
実施例4の接着材組成物について、ポリビニル系樹脂C5Rを67質量部に替えて45質量部とし、エポキシ系熱硬化性樹脂である「jER(登録商標)樹脂1001」(三菱化学社製、分子量:約900、エポキシ当量:450〜500g/eq、以下「エポキシ樹脂1001」と略記する。):22質量部を更に加えた以外、実施例4と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は26.5N/cm、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合の接着強度は23.5N/cm、剥離面は接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との界面破壊であった。
〔実施例13〕
実施例12の接着材組成物について、ポリビニル系樹脂C5Rグレードを45質量部に替えて12質量部とし、エポキシ樹脂1001を22質量部に替えて55質量部とした以外、実施例12と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は24.5N/cm、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合の接着強度は7.8N/cm、剥離面は接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との界面破壊であった。
〔実施例14〕
実施例1の接着材組成物について、ポリビニル系樹脂C5Rを45質量部に替えて5質量部とし、エポキシ樹脂1001を22質量部に替えて62質量部とした以外、実施例12と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は29.4N/cm、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合の接着強度は2.0N/cm、剥離面は接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との界面破壊であった。
〔実施例15〕
実施例1の接着材組成物に替えて、ウレタン系熱硬化性樹脂である「TOMOFLEX(トレードマーク)AD−502グレード」(ポリエステル系樹脂、酢酸エチル50質量%溶液、以下「AD−502」と略記する。):100質量部、「TOMOFLEX(商標)CAT−10Lグレード」(芳香族ポリイソシアネート、酢酸エチル50質量%溶液、以下「CAT−10L」と略記する。):10質量部、ポリビニル系樹脂CL:50質量部、メチルエチルケトン:80質量部、シクロヘキサノン:80質量部とした以外、実施例1と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は26.5N/cm、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合の剥離テストの結果は、「剥離不可能」であり、金属支持体と接着材層との接着強度、及び接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との接着強度は非常に強固であると判断できた。
〔実施例16〕
実施例15の接着材組成物について、ポリビニル系樹脂CLに替えてポリビニル系樹脂M5とした以外、実施例15と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は26.5N/cm、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合の剥離テストの結果は、「剥離不可能」であり、金属支持体と接着材層との接着強度、及び接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との接着強度は非常に強固であると判断できた。
〔実施例17〕
実施例15の接着材組成物について、ポリビニル系樹脂CLに替えてポリビニル系樹脂S−400とした以外、実施例15と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。感光性樹脂組成物Aを用いた場合の接着強度は26.5N/cm、剥離面は感光性樹脂組成物Aの硬化物層の凝集破壊であった。
感光性樹脂組成物Bの硬化物層に対する剥離テストの結果は、「剥離不可能」であり、金属支持体と接着材層との接着強度、及び接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との接着強度は非常に強固であると判断できた。
〔比較例1〕
実施例1の接着材組成物について、エポキシ樹脂828を33質量部に替えて100質量部とし、ポリビニル系樹脂を加えなかった以外、実施例1と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合、すぐ剥離してしまい、接着強度の計測ができなかった。剥離面を観察したところ、接着材層と感光性樹脂組成物Aの硬化物層との界面破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合、すぐ剥離してしまい、接着強度の計測ができなかった。剥離面を観察したところ、接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との界面破壊であった。
〔比較例2〕
比較例1の接着材組成物について、エポキシ樹脂828をエポキシ樹脂1001に替えた以外、比較例1と同様の方法で感光材樹脂積層体を作製し、接着強度を測定した。
感光性樹脂組成物Aを用いた場合、すぐ剥離してしまい、接着強度の計測ができなかった。剥離面を観察したところ、接着材層と感光性樹脂組成物Aの硬化物層との界面破壊であった。
感光性樹脂組成物Bを用いた場合、すぐ剥離してしまい、接着強度の計測ができなかった。剥離面を観察したところ、接着材層と感光性樹脂組成物Bの硬化物層との界面破壊であった。
各実施例及び各比較例の条件及び結果を、表1及び表2に示す。
Figure 2015072383
Figure 2015072383
表1及び表2に示すように、比較例1及び2のいずれにおいても「直ぐ剥離」という結果であったのに比して、いずれの実施例も接着強度に優れていることが少なくとも確認された。さらに、いずれの実施例も優れた接着強度を安定して発揮できていたことが確認された。
本発明の感光性樹脂印刷版用積層体は、一般印刷版材、ドライオフセット用版材、金属箔印刷版材、母型取り用版材、エンボス加工用版材をはじめとする種々の分野で好適に利用できる。

Claims (8)

  1. 金属支持体と、
    前記金属支持体の表面上に積層された接着材層と、
    前記接着材層の表面上に積層された印刷レリーフ用感光性層と、を有する印刷版用積層体であって、
    前記接着材層が、熱硬化性樹脂とポリビニル系樹脂とを含む組成物からなる硬化物であり、
    前記印刷レリーフ用感光性層が、不飽和ポリウレタンプレポリマーと、エチレン性不飽和化合物と、光重合開始剤と、を含む感光性樹脂印刷版用積層体。
  2. 前記接着材層の前記組成物が、前記熱硬化性樹脂を30〜95質量%と、前記ポリビニル系樹脂を5〜70質量%と、を含む、請求項1に記載の感光性樹脂印刷版用積層体。
  3. 前記ポリビニル系樹脂の数平均分子量が、5000〜100000である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂印刷版用積層体。
  4. 前記ポリビニル系樹脂が、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、及びポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂からなる群より選ばれる少なくともいずれかである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂印刷版用積層体。
  5. 前記ポリビニル系樹脂が、分子中に構成成分としてビニルアルコール成分を5質量%未満の範囲で含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂印刷版用積層体。
  6. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ系樹脂、又はウレタン系樹脂である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂印刷版用積層体。
  7. 前記不飽和ポリウレタンプレポリマーが、ポリエステルポリオール及び/又はポリカーボネートポリオールを含み、かつ、数平均分子量が1000〜100000である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂印刷版用積層体。
  8. 前記印刷レリーフ用感光性層が、光照射により硬化した層である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂印刷版用積層体。
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