JP2015071467A - 移動棚装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業用通路内での人の有無を検知する人体感知センサとして赤外線焦電センサを用い、安全性を高めながらコストを低減した移動棚装置を得る。
【解決手段】移動可能な複数の各棚に設けられていて、それぞれの棚を移動不能にロックしかつロックを解除することができるロック装置と、形成可能な各作業用通路に対応して配置されていて、各作業用通路内での人の有無を検知する人体感知センサ41,42と、を有し、人体感知センサ41,42は、検知対象を検知しなくなったとき再検知に必要な作動を行うことができる再検知器を有する焦電センサからなり、人体感知センサ41,42は、対応する作業用通路内に人がいることを検知すると、人がいる作業用通路を形成する棚のロック装置を作動させ、人がいる作業用通路を形成する棚を移動不能にロックし、作業用通路内に人がいなくなったときロックを解除する。
【選択図】図1

Description

本発明は、形成されている作業用通路内の人の安全性を高めながらコストを低減することができる移動棚装置に関するものである。
移動棚装置は、走行車輪などを備えることにより、レールなどのガイドに沿って移動可能な移動棚を複数配置したものである。移動棚装置によれば、必要な棚間にのみ物品出し入れ用の作業用通路を形成し、他の移動棚は互いに近接した状態に置くことができるため、限られたスペースを効率よく利用することができる。
移動棚装置を構成する個々の移動棚自体かなりの重量があり、これに物品が収納されると相当の重量になるから、作業用通路にいる人が移動棚と移動棚との間に挟まれると、人は大きな力で圧迫される。そこで、移動棚間に人が挟まれないようにするために各種の安全装置が装備されている。作業用通路に人が入っている場合に、作業用通路に面する移動棚を移動不能にする機械的なロック機構、あるいは電気的なインターロック回路などは安全装置の例である。
上記移動棚装置における安全装置の動作は、作業員の判断による操作で行わせるものであってもよい。しかし、人の判断による操作には、操作忘れや誤操作の可能性があることを想定すると、移動棚装置が自動的に判断して、必要な場合に安全装置を動作させる構成になっていることが望ましい。その場合に、いわゆるエリアセンサが用いられる。エリアセンサは、所定のエリアに人などが進入してきたときこれを検知するセンサである。棚間に形成されている作業用通路に作業員などが進入するとこれをエリアセンサが検知し、この検知信号によって上記ロック機構、あるいはインターロック回路などを作動させる。
従来の移動棚設備に用いられているエリアセンサの例として、対をなす投受光素子を複数対、水平方向に一定間隔で移動棚の間口面すなわち物品の出し入れ面に配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。一方の移動棚の投光素子から対向する移動棚の受光素子に向けて水平方向に投光し、作業員などによって遮光されると、受光素子の出力変化で、作業用通路内に作業員などが進入したことを検知する。作業用通路内への作業員などの進入を確実に検知するには、多くの投受光素子対をなるべく狭い間隔で配置する必要がある。また、検知の信頼性を高めるために、複数の高さ位置に投受光素子対を一定間隔で配置する必要があり、構成が複雑化するとともにコスト高になる。
そこで、移動棚装置におけるエリアセンサとして焦電センサ、例えば焦電型赤外線センサからなる人体感知センサを用い、所定の広がりのある範囲で対象物を検知することが考えられる。焦電型赤外線センサは、三次元的に広がりのある所定の範囲で対象物を検知することができるため、前記投受光素子のように多数の素子を対向させて配置する必要はない。また、前記投受光素子によるエリアセンサは、水平方向の一平面のみが検知可能な範囲になるため、人がしゃがみ込み、あるいは棚板の上に乗ると、検知可能な平面から外れて検知できなくなる。その点、焦電型赤外線センサからなる人体感知センサを用いると、上記のような問題点を解消することができる。
焦電型赤外線センサは、強誘電体の焦電効果を利用している。強誘電体の焦電効果とは、赤外線を受けるとその熱エネルギーを吸収して自発分極(外部から電界の作用を受けることなく起こす誘電分極)に変化を起こし、その変化量に比例して表面に電荷が励起されるという現象である。
全ての温度を持った物質からは、人の目で見ることができない赤外線が放出されている。36℃近辺の体温を持つ人体からは9〜10μmの波長をピークに持つ赤外線が放射されている。焦電型赤外線センサが受ける上記のような赤外線に変化があると、上記センサの表面に熱が生じ、熱によって電流が流れ、この電流によって人その他の熱を持った物体を検知することができる。つまり、焦電型赤外線センサは、受ける赤外線の変化を電流の変化に変換して出力する。
焦電型赤外線センサは、検知対象に動きがないと温度が安定し、センサを構成する強誘電体の正電荷と負電荷が整列して自発分極に変化が生じていないため、検知対象を検知することができない。すなわち、検知対象が存在するにもかかわらず検知対象を検知することができなくなる。これを焦電型赤外線センサにおける「ロスト」という場合がある。この点が焦電型赤外線センサの特徴であり、焦電型赤外線センサを使用するにあたっては、「ロスト」の発生に留意して対策を講じる必要がある。
上記の特徴を有する焦電型赤外線センサを実用に供するために、検知対象が動かなくても検知を可能にした焦電型赤外線センサが各種提案されている。例えば、焦電型赤外線センサ自体を周期的に動かすことにより、センサ表面の赤外線を疑似的に変化させ、静止した人や動物などを検知することを可能にした発明がある(特許文献2参照)。
焦電型赤外線センサの視野にシャッタを配置し、このシャッタを周期的に作動させることにより、センサ表面の赤外線を疑似的に変化させ、静止した人や動物などを検知することを可能にした発明も知られている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
センサ表面の赤外線を疑似的に変化させるにあたり、焦電素子の受光位置による感度のばらつきを補正することにより、安定して静止発熱体を検知できるようにしたものも知られている(特許文献5参照)。具体的には、焦電素子に焦点を合わせるレンズを回転体で保持し、回転体が1回転するごとにレンズを通して焦電素子に検知対象からの赤外線を導く構成になっている。そして、レンズの回転位置を検知しながら、レンズの回転位置に応じ絞り機構を調整して焦電素子に至る赤外線量を調整し、焦電素子の受光位置による感度のばらつきを補償する構成になっている。
焦電型赤外線センサを移動棚装置における人体感知センサとして使用するには、上記各特許文献2〜5に記載されているような、センサ表面の赤外線を疑似的に変化させる工夫が必要である。しかし、かかる工夫だけでは足りない。所定の検知範囲においては確実に人を検知することができ、所定の検知範囲外の人は検知しない、というように、検知すべき範囲とそれ以外の境界が厳格に規定される焦電型赤外線センサであることが望まれる。
焦電型赤外線センサに関する上記先行技術文献記載の発明は、何れも焦電型赤外線センサの特徴に着目して、センサ表面の赤外線を疑似的に変化させるというものであって、それ以上のものではない。したがって、人がいることを検知すべき範囲が厳密に定められている移動棚装置のエリアセンサのような用途に、従来の焦電型赤外線センサを用いることはできない。
特許第4275367号公報 特開2004−125547号公報 特開2004−93238号公報 特開2004−45134号公報 特開2011−209279号公報
本発明は、作業用通路内での人の有無を検知する人体感知センサとして赤外線焦電センサを用いることを可能にして、安全性を高めながらコストを低減することができる移動棚装置を提供することを目的とする。
本発明に係る移動棚装置は、
走行車輪によって移動可能な複数の棚が集散可能に配置されている移動棚装置であって、
上記各棚に設けられていて、それぞれの棚を移動不能にロックしかつロックを解除することができるロック装置と、
形成可能な上記各作業用通路に対応して配置されていて、それぞれの上記作業用通路内での人の有無を検知する人体感知センサと、を有し、
上記人体感知センサは、検知対象を検知しなくなったとき再検知するために必要な作動を行うことができる再検知器を有する焦電センサからなり、
上記人体感知センサは、その人体感知センサが対応する上記作業用通路内に人がいることを検知すると、上記人がいる作業用通路を形成する棚の上記ロック装置を作動させ、上記人がいる作業用通路を形成する棚を移動不能にロックし、作業用通路内に人がいなくなったときロックを解除するように構成されていることを最も主要な特徴とする。
人が焦電センサからなる人体感知センサの検知範囲内にありながら動かなくなったときは、再検知器が作動し、人体感知センサから人の有無に関する検知信号を出力させることができる。焦電センサは三次元的に広がりのある検知範囲を持っているため、必要な広がりのある検知範囲を少数の焦電センサで検知することができ、移動棚装置のコストの低減化を図ることができる。焦電センサは三次元的に広がりのある検知範囲を持っているため、人がしゃがんだり、棚板の上に乗ったりしても人を検知することができ、移動棚装置の安全性を高めることもできる。
本発明に係る移動棚装置の実施例である電動式移動棚装置の例を示す正面図である。 上記電動式移動棚装置の例の平面図である。 本発明に係る移動棚装置の実施例である電動式移動棚装置の別の例を示す正面図である。 本発明に係る移動棚装置に適用される焦電型赤外線センサの例を示す断面図である。 上記焦電型赤外線センサの要部を示す断面図である。 本発明に係る移動棚装置に適用される焦電型赤外線センサの別の例の要部を示す断面図である。 本発明に係る移動棚装置の基本動作を示すフローチャートである。 上記基本動作に続く基本動作を示すフローチャートである。 上記基本動作におけるロック装置の各種動作パターンを示すタイミングチャートである。 前記電動式移動棚装置の例における電源オン時の動作を示すフローチャートである。 上記電動式移動棚装置の動作例を示すフローチャートである。 上記電動式移動棚装置におけるロック装置の各種動作パターンを示すタイミングチャートである。 本発明に係る移動棚装置の実施例である手動式移動棚装置の例を示す正面図である。 上記手動式移動棚装置の例の平面図である。 本発明に係る移動棚装置の実施例である手動式移動棚装置の別の例を示す正面図である。 本発明に係る移動棚装置の実施例である手動式移動棚装置の例を示す側面図である。 図16におけるA−A線に沿うロック装置部分の平面断面図である。 図17におけるB−B線に沿うロック装置部分の側面断面図である。 上記ロック装置部分の正面断面図である。 上記手動式移動棚装置の動作例を示すフローチャートである。 上記手動式移動棚装置におけるロック装置の各種動作パターンを示すタイミングチャートである。 電動式移動棚に適用可能な制御系統の例を示すブロック図である。 手動式移動棚に適用可能な制御系統の例を示すブロック図である。 手動式移動棚に適用可能な制御系統の別の例を示すブロック図である。
以下、本発明に係る移動棚装置の実施例について図面を参照しながら説明する。
[電動式移動棚装置]
まず、電動式移動棚装置の例について説明する。図1、図2において、走行車輪(図示されず)によって移動可能な複数の電動式移動棚11が集散可能に、したがって、任意の電動式移動棚11間に作業用通路を形成可能に配置されて電動式移動棚装置10が構成されている。電動式移動棚11は、周知のとおり、駆動源として電動モータを有し、電動モータの回転力が適宜の動力伝達機構を介して走行車輪に伝達されるように構成されている。各電動式移動棚11の走行車輪はレールに載せられ、各電動式移動棚11はレールに沿って間口面すなわち物品出し入れ面に直交する方向に走行する。
各電動式移動棚11の間口面を正面とすると、図1、図2に示す例では、各電動式移動棚11の一側面が建物などの壁面の直近において上記壁面と平行に移動するように配置されている。したがって、電動式移動棚11間に形成される作業用通路には、上記一側面とは反対側の側面のみから出入り可能になっている。また、図2に示すように建物の壁面は直角に曲がっていて、直角に曲がった壁の角隅部に電動式移動棚装置10が配置されている。したがって、電動式移動棚装置10を構成する複数の電動式移動棚11の配列方向一端側の電動式移動棚11は、その間口面が図2に示すように壁面に近接することができるように配置されている。
図2に示す例では、電動式移動棚11が3台しか描かれていないが、より多くの電動式移動棚11を配置してもよい。図2に示す例では、左から2番目と3番目の電動式移動棚11間に作業用通路が形成されている。
各電動式移動棚11の上端、例えば天板上には、作業用通路内での人の有無を検知する人体感知センサが取り付けられている。電動式移動棚装置の場合、図2に示すように、互いに隣り合う電動式移動棚11間に形成される作業用通路に面する2台の電動式移動棚11のうち片方の電動式移動棚11に人体感知センサが取り付けられていればよい。電動式移動棚11相互間で情報信号の授受が行われるからである。図1、図2に示す例では、人体感知センサは、作業用通路の入口付近に配置された端部人体感知センサ41と、作業用通路の内方に配置された内方人体感知センサ42からなる。
[人体感知センサ(赤外線焦電センサ)の具体例]
本発明のように、移動棚装置におけるいわゆるエリアセンサとして焦電センサからなる人体感知センサを用いる場合、汎用の焦電センサは、前述の「ロスト」の問題がある。また、検知範囲があいまいで、検知範囲を厳格に規定することができない。よって、汎用の焦電センサは、そのままでは本発明の目的を達成するためには使用できない。本発明では、「ロスト」の問題に対処するための工夫を施した赤外線焦電センサを人体感知センサとして用いている。また、焦電素子への赤外線の入射範囲を規制する工夫をしている。以下、独特の工夫を施した赤外線焦電センサの例について説明する。
本発明に用いる赤外線焦電センサは、焦電素子と、焦電素子の前方に配置され焦電素子への赤外線の入射範囲を規制する監視枠と、焦電素子が検知対象を検知しなくなったとき再検知するために必要な作動を行う再検知器と、を有する。図4、図5は赤外線焦電センサの一例を示すもので、図4、図5において、符号1は焦電素子を示している。焦電素子1は、既に説明したように、強誘電体からなり、焦電効果を利用して赤外線を検知する素子である。焦電素子1は、赤外線の入射表面の前方が半球形のレンズで覆われている。上記レンズは、例えばフネレルレンズなどからなる。図示の実施例では、焦電素子1が上記入射表面を下向きにしてハウジング2内に取り付けられている。
ハウジング2の底板には窓孔が形成されている。この窓孔は、図5に示すように焦電素子1への赤外線の入射範囲を規制する。よって、上記窓孔を有するハウジング2の底板のことを、以下、監視枠20という。監視枠20は焦電素子1の前方(図4、図5において焦電素子1の下方)に配置されている。ハウジング2の素材は、赤外線を100%または限りなくそれに近い割合で遮断することができる素材である。監視枠20に形成されている窓孔には何も嵌められていないが、赤外線を透過する部材が嵌められていてもよい。
監視枠20に重ねてスリット板3が配置されている。この実施例では、スリット板3が、監視枠20の下方、したがって焦電素子1から見て監視枠20よりもさらに前方に、監視枠20との間に適宜の間隔をおいて配置されている。スリット板3は監視枠20の面と平行に配置されるとともに、監視枠20の面と平行な面内で直線的に往復移動可能に取り付けられている。スリット板3は、監視枠20による赤外線の入射規制範囲内において赤外線を通す複数のスリット31と複数の赤外線遮断部32とを有している。上記スリット板3のスリット31と赤外線遮断部32は、スリット板3の移動方向に交互に配列されている。
スリット板3の移動方向一端側(図4において右端側)はアクチュエータ4に連結されている。スリット板3の移動方向他端側には付勢部材としての引っ張りばね5が連結され、スリット板3は引っ張りばね5の付勢力で図4において左方すなわちアクチュエータ4から遠ざかる方向に移動するように付勢されている。アクチュエータ4の動作を制御する図示されない制御部を有している。上記制御部の制御によってアクチュエータ4が駆動されると、スリット板3は引っ張りばね5の付勢力に抗してアクチュエータ4の方に向かって引っ張られ、スリット板3は直線移動する。このとき引っ張りばね5はさらに引っ張り力が蓄勢される。アクチュエータ4の駆動が停止すると、スリット板3は引っ張りばね5の付勢力によって、原位置に戻る。
図5に示すように、スリット板3が有する一つのスリット31の移動方向における寸法をa、一つの赤外線遮断部32の移動方向における寸法をbとする。アクチュエータ4によるスリット板3の移動距離は、一つのスリット31の寸法aと一つの赤外線遮断部32の寸法bの合計よりも長くなるように設定されている。スリット板3の素材として、赤外線透過率が0〜50%の範囲に含まれる素材を選択して用いる。したがって、赤外線遮断部32の赤外線透過率は0〜50%の範囲に設定されている。スリット31の赤外線透過率は100%またはこれに近い透過率になっている。
既に説明したように、焦電素子1は、受ける赤外線に変化があれば、赤外線を放出している検知対象を検知することができる。しかし、検知対象の動きが止まり、焦電素子1の受ける赤外線に変化がなければ、「ロスト」状態になり、焦電素子1は検知信号を出力することができない。そこで、焦電素子1が検知対象を検知しなくなったとき、アクチュエータ4がスリット板3を移動させるように、前記制御部がアクチュエータ4を駆動する。アクチュエータ4の駆動によりスリット板3が引っ張りばね5による付勢力に抗して移動させられ、アクチュエータ4の駆動が停止するとスリット板3が引っ張りばね5による付勢力で原位置に引き戻される。こうしてスリット板3が移動することにより、焦電素子への赤外線の入射経路が開閉または変更され、焦電素子1の赤外線受光面における赤外線受光位置が変化し、焦電素子1の表面温度分布が変化して電流が流れ、焦電素子1から検知信号が出力される。
スリット板3、アクチュエータ4、引っ張りばね5および上記制御部は、焦電素子1が検知対象を検知しなくなったとき再検知するために必要な作動を行う再検知器を構成している。焦電素子1が検出対象を検出しなくなったときアクチュエータ4を作動させ、上記再検出器による再検出動作を行うように上記制御部のプログラムが構成されている。焦電素子1が検出対象を検出しなくなったときから0.2秒〜0.6秒経過することによってアクチュエータ4を作動させるようにプログラムを構成してもよい。
図4、図5に示す赤外線焦電センサの例の、より具体的な構成を記しておく。監視枠20の窓孔は長方形で、焦電素子1の検知角度が102°×92°になるように監視枠20の設置位置および上記窓孔の縦と横の寸法を設定した。焦電素子1の先端から12mm離れた位置にスリット板3を設置した。スリット板3のスリット31の寸法aを8mm、赤外線遮断部32の寸法bを2〜2.5mmとすることによって、静止した人体であっても、スリット板3を移動させることにより安定して検知することができた。
上記赤外線焦電センサの例では、スリット板3の移動距離は、一つのスリット31の寸法aと一つの赤外線遮断部32の寸法bの合計よりも長くなるように設定されていると説明した。しかし、上記具体的な構成例において、静止した人体を検知するのに必要な最低限のスリット板3の移動距離は4〜5mmでよいことがわかった。また、アクチュエータ4の駆動による引っ張りばね5の付勢力に抗しての移動でも、引っ張りばね5の付勢力による移動でも、静止した人体を正常に検知作動することができる。
スリット板3と監視枠20の位置関係は互いに入れ替わっていても差し支えない。すなわち、焦電素子1、スリット板3、そして監視枠20の順に配置されていてもよい。焦電素子1、スリット板3、監視枠20それぞれの構成およびアクチュエータ4、引っ張りばね5の構成は、図4、図5に示す例におけるそれぞれの構成と同じでよいから、詳細な説明は省略する。
[人体感知センサ(赤外線焦電センサ)の別の例]
赤外線焦電センサに付加する再検知器は、上記例のようなスライド移動するスリットに代えて、図6に示す赤外線焦電センサの例のような遮断板すなわちシャッタを用いてもよい。図6において、ハウジング22の底面には窓枠状の監視枠201が設けられていて、ハウジング22内には、焦電素子21が下向きに、したがって監視枠201に向かって取り付けられている。ハウジング22の底面近傍の一側方にはアクチュエータ24と、このアクチュエータ24で回転駆動される遮断板23が取り付けられている。遮断板23は赤外線を遮断することができる素材からなる。
遮断板23の図6において上縁部に水平方向の回転軸があり、この回転軸がアクチュエータ24で回転駆動され、遮断板23が垂直面内において約90度の範囲で回転するように構成されている。遮断板23は、その回転範囲の一端側では監視枠201の前方を遮蔽し、回転範囲の他端側では監視枠201の前方を開放する。図6では、遮断板23による監視枠201の解放態様から遮蔽態様に至る途中の動作を鎖線で示している。
平常時は遮断板23が監視枠201の前方を開放し、焦電素子21が検知対象を検知しなくなったとき、遮断板23が監視枠201の前方を遮蔽し、続いて監視枠201の前方を開放するようにアクチュエータ24の動作が制御される。遮断板23で監視枠201の前方を遮蔽した後、アクチュエータ24を作動させて遮断板23を原位置まで復帰させ、監視枠201の前方を開放すると、既に述べた通り、静止している検知対象を正常に検知作動することが可能になる。監視枠201が設けられていることにより、有効検知範囲を設定することができ、検知対象の検知範囲を限定することができる。アクチュエータ24と遮断板23で再検知器を構成している。
焦電素子21が検知対象を検知しなくなったとき、再検知可能な状態に復帰させるには、焦電素子21の赤外線受光面における赤外線受光位置が変化した状態を、少なくとも0.2秒程度維持する必要があることがわかった。そこで、上記再検知器を作動させ、遮断板23で監視枠201の前方を遮蔽した状態を0.2〜0.6秒程度維持させ、次に遮断板23を原位置に復帰させて監視枠201の前方を開放する。このような再検知作動に要する上記再検知器の作動時間は0.5〜10秒程度である。
[人体感知センサ(赤外線焦電センサ)のさらに別の例]
本発明に使用する人体感知センサは赤外線焦電センサからなり、この赤外線焦電センサは再検知器を備えていることを特徴としている。上記再検知器は、以下に説明するような構成のものであってもよい。
焦電素子を動かすことによって再検知を可能にしてもよい。焦電素子は、ハウジング内に取り付けられた可動板に取り付けられ、ハウジングの底面には窓孔状の監視枠が形成され、焦電素子は監視枠に向けて取り付けられている。可動板の一端縁部にアクチュエータが固着されている。アクチュエータは可動板に振動を与えるもので、例えば振動モータなどで構成することができる。
上記可動板とアクチュエータは再検知器を構成している。焦電素子が検知対象を検知しなくなったときアクチュエータを駆動すると、可動板とともに焦電素子が振動し、焦電素子の表面の熱エネルギー分布が変動し、焦電素子は再検知可能になる。アクチュエータの作動を停止させて焦電素子による検知作動を再開させる。
再検知器は、上記各例のように焦電素子を移動させるものであってもよいし、焦電型赤外線センサ本体を動かすように構成したものであってもよい。焦電素子または焦電型赤外線センサ本体の移動方向は任意であり、移動態様も、直線移動であってもよいし、曲線を描きながら移動するものであってもよい。いずれにせよ、焦電素子が検知対象を検知しなくなったときアクチュエータを駆動すると、焦電素子が移動し、焦電素子は再検知可能になる。焦電素子を原位置に復帰させると、焦電素子は再度検知可能になる。
これまで説明した再検知器は機械的な構成になっていたが、電気的な構成にすることもできる。例えば、焦電素子の周辺に、監視枠による監視範囲を阻害しないように再検知器としてのフィルム状ヒーターを配置する。焦電素子が検知対象を検知しなくなったとき、フィルム状ヒーターに通電して発熱させ、赤外線を放射させる。この赤外線が焦電素子の検知面に到達することにより焦電素子は再検知可能になる。そのあとフィルム状ヒーターへの通電を停止させて現状に復帰させ、再度検知作動させる。
再検知器を電気的に構成した別の例として、ペルチェ効果素子を使用することもできる。焦電素子は、一般的に、検知対象の温度と背景の環境温度との差が一定以上、例えば4℃以上なければ検知対象を検知することができない。そこで、焦電素子の近傍に再検知器としてペルチェ効果素子を配置する。上記温度差が小さくて検知することができないとき、ペルチェ効果素子を駆動して環境温度を変化させ、上記温度差を大きくして再検知可能にする。ペルチェ効果素子は冷却装置として使用してもよく、発熱装置すなわち赤外線発生器として使用してもよい。
上の例は、ヒーターから放射される赤外線や、冷却装置の作動による温度変化で、焦電素子を検知状態にリセットするものである。焦電素子を検知状態にリセットしているとき、焦電素子から検知信号が出力されるが、この検知信号は検知対象の存在、不存在を正しく反映するものではないから無視する。
[人体感知センサ(赤外線焦電センサ)の移動棚への適用]
以上説明した赤外線焦電センサを、移動棚装置にエリアセンサとして適用する場合について説明する。エリアセンサは、移動棚間に形成されている作業用通路に作業者その他の人が進入しているか否かを検知する。作業用通路に人が進入している場合は、みだりに移動棚が駆動されないように、移動棚をロックする。上記作業用通路は平面形状が四角形であるから、エリアセンサとしての前記赤外線焦電センサからなる人体感知センサの検知範囲を平面形状四角形の作業用通路に合わせる必要がある。
図4、図5に示す例における監視枠20、図6に示す例における監視枠201が、人体感知センサの検知範囲を決定する。上記監視枠の窓孔は、四角形の上記作業用通路に適合するように形成される。人体感知センサは、人が僅かでも作業用通路に進入するとこれを検知し、作業用通路に人が近づいても作業用通路に進入していなければ検知信号を出力しないように、監視枠の位置およびその窓孔の形状は厳しい精度で設定される。
図1、図2に示す電動式移動棚装置においては、作業用通路に面する一方の電動式移動棚11に、赤外線焦電センサからなる3個の人体感知センサが棚の間口方向に所定の間隔で配置されている。移動棚の間口方向一端側が作業用通路への出入り口であり、間口方向他端側は壁で閉鎖されている。3個の人体感知センサのうち作業用通路への出入り口側の人体感知センサは端部人体感知センサ41であり、他の2個の人体感知センサは、作業用通路の内方に配置された内方人体感知センサ42である。
図1に示すように、端部人体感知センサ41は作業用通路への出入り口端に設置され、その赤外線検知範囲は、上記監視枠により、作業用通路への出入り口端から作業用通路の内方に至る角度D1の範囲に設定されている。内方人体感知センサ42の赤外線検知範囲は、移動棚の間口面方向から見て二等辺三角形状に広がっていて、その広がり角度はD2に設定されている。角度D2は角度D1の約2倍である。互いに隣り合う端部人体感知センサ41と内方人体感知センサ42の赤外線検知範囲は互いに一部が重なり合っている。壁に最も近い内方人体感知センサ42の赤外線検知範囲は上記壁の一部にまで及んでいる。このようにして、作業用通路内の全範囲において人を検知できるようになっている。
図2に示すように、作業用通路に面する二つの電動式移動棚11のうち、人体感知センサ41,42が設置されている電動式移動棚11には、作業用通路の出入り口端の適宜の高さ位置に通路進入センサ44が取り付けられている。通路進入センサ44は、作業用通路を挟んで隣り合う移動棚との間に形成される作業用通路への人の進入または退出を検知する。通路進入センサ44は、例えば光学的な投受光部を有し、対向する移動棚に向かって光束を照射し、反射されて戻ってくる光の変化で、通路進入センサ44の前方を人が横切ったことを検知するものである。
図2において、左端の電動式移動棚11の片方の間口面は壁に対向していて、この壁との間に作業用通路を形成可能でありかつ上記壁に近接することもできる。そこで、上記左端の電動式移動棚11の上記壁との対向面にも、端部人体感知センサ41、内方人体感知センサ42、通路進入センサ44が取り付けられている。
次に、図3に示す電動式移動棚装置の変形例について説明する。この変形例は、隣り合う電動式移動棚11間に形成される作業用通路が、電動式移動棚11の間口面の左右両側において開放し、間口面の左右両側から作業用通路に出入りすることができるようになっている。したがって、出入りすることができる作業用通路の両側に端部人体感知センサ41と通路進入センサ44が取り付けられている。両側の端部人体感知センサ41の間に、赤外線検知範囲の広がり角度D2の2個の内方人体感知センサ42が取り付けられている。端部人体感知センサ41と通路進入センサ44の構成は、図1、図2に示す端部人体感知センサ41および通路進入センサ44の構成と同じである。作業用通路の両側の端部人体感知センサ41の赤外線検知範囲は、前記監視枠により、作業用通路への出入り口端から作業用通路の内方に至る角度D1の範囲に設定されている。
[電動式移動棚の制御系統]
電動式移動棚装置は、所望の位置に作業用通路を形成するための指令信号が入力されると、各電動式移動棚の移動を制御する制御装置を備えている。図22において、電動式移動棚制御基板85は各電動式移動棚において各電動式移動棚の移動を制御する制御装置を示している。図22において制御部80は本発明において特徴的なロック装置の動作を制御する部分である。制御部80は、電動式移動棚本来の制御を行う電動式移動棚制御基板85と情報を共有する必要があるため、制御基板情報共有部86を介して電動式移動棚制御基板85の情報が制御部80に入力される。電動式移動棚制御基板85は、上記指令信号によって所望されている作業用通路位置と現状の各電動式移動棚の位置関係から、移動すべき電動式移動棚とその移動方向を判別し、この判別にしたがって各電動式移動棚の移動を制御する。
ロック装置の動作を制御する制御部80と、電動式移動棚制御基板85との間では、互いに相手の動作を勘案しながらそれぞれの制御動作を行う必要がある。そこで、制御部80と、電動式移動棚制御基板85との間に制御基板情報発信部87が介在している。
電動式移動棚制御基板85は、指令信号によって所望の位置に作業用通路が形成されると、少なくとも作業用通路に面する電動式移動棚を回路的に移動不能に拘束するロック装置としてのインターロック回路を備えている。ロック装置としてのインターロック回路は、電気的な制動力の付与装置である。上記所望の位置に作業用通路が形成されている状態から、別の位置に作業用通路を形成するには、インターロックを解除した後、新たな所望の位置に作業用通路を形成するための指令信号を入力する。上記指令信号は、一般的には個々の電動式移動棚が備えている操作ボタンを操作することによって出力されるようになっている。
端部人体感知センサ41および内方人体感知センサ42の出力信号は、人体検知センサ信号入力部83を経て制御部80に入力される。通路進入センサ44の出力信号は、通路進入センサ信号入力部84を経て制御部80に入力される。制御部80、人体検知センサ信号入力部83、通路進入センサ信号入力部84、制御基板情報共有部86、制御基板情報発信部87を含む構成部分は本発明において特徴的なロック装置の制御部分である。これらの制御部分は電動式移動棚制御基板85とは別の回路基板81に実装されている。
[手動式移動棚装置]
次に、実施例2として手動式移動棚装置の実施例について説明する。図13、図14において、走行車輪(図示されず)によって移動可能な複数の手動式移動棚12が、集散可能にしたがって任意の手動式移動棚12間に作業用通路を形成可能に配置されて手動式移動棚装置100が構成されている。手動式移動棚12は、周知のとおり、側面に設けられている回転操作ハンドル50の手動による回転力を、減速機構を介して走行車輪に伝達されるように構成されている。各手動式移動棚12の走行車輪はレールに載せられ、各手動式移動棚12はレールに沿って走行する。
図13、図14に示す例では、各手動式移動棚12の一側面が建物などの壁面の直近において上記壁面と平行に移動するように配置されている。したがって、手動式移動棚12間に形成される作業用通路には、上記一側面とは反対側の側面から出入りするようになっている。また、図14に示すように建物の壁面は直角に曲がっていて、直角に曲がった壁の角隅部に手動式移動棚装置100が配置されている。したがって、手動式移動棚装置100を構成する複数の手動式移動棚12の配列方向一端側の手動式移動棚12は、その間口面が図14に示すように壁面に近接することができるように配置されている。
図14に示す例では、手動式移動棚12が3台しか描かれていないが、より多くの手動式移動棚12を配置してもよい。図14に示す例では、左から2番目と3番目の手動式移動棚12間に作業用通路が形成されている。
各手動式移動棚12の上端、例えば天板上には、作業用通路内での人の有無を検知する人体感知センサが取り付けられている。手動式移動棚装置の場合、図14に示すように、互いに隣り合う手動式移動棚12間に形成される作業用通路に面する手動式移動棚12にそれぞれ人体感知センサが取り付けられている。図13、図14に示す例では、人体感知センサは、作業用通路の入口付近に配置された端部人体感知センサ41と、作業用通路の内方に配置された内方人体感知センサ42からなる。
端部人体感知センサ41と内方人体感知センサ42の基本的な構成は同じである。また、上記人体感知センサ41、42の具体的な構成は、図4〜図6に示す赤外線焦電センサや、既に説明したその他の方式の赤外線焦電センサの構成と同じでよい。本実施例に用いられる赤外線焦電センサは、焦電素子と、焦電素子の前方に配置され焦電素子への赤外線の入射範囲を規制する監視枠と、焦電素子が検知対象を検知しなくなったとき再検知するために必要な作動を行う再検知器と、を有している。再検知器は、焦電素子への通電を維持しながら再検知するために必要な作動を行うものである。
[端部人体感知センサの検知範囲]
手動式移動棚は、電動式移動棚と異なり、基本的には電源を備えていない。本発明は、人体感知センサを備え、人体感知センサの検知信号によってロック装置を作動させるものであるから、電源を備える必要がある。しかし、電動式移動棚に用いるような大容量の電源は不要であり、例えば、移動棚に搭載可能なバッテリーで賄うことができる程度の消費電力であることが望ましい。そこで、手動式移動棚装置からなる実施例2では、通路進入センサが省略され、端部人体感知センサが通路進入センサとして機能するように、端部人体感知センサの検知範囲が設定されている。
図13、図14において、作業用通路に面する双方の手動式移動棚12に、赤外線焦電センサからなる3個の人体感知センサが棚の間口方向に所定の間隔で配置されている。移動棚の間口方向一端側が作業用通路への出入り口であり、間口方向他端側は壁で閉鎖されている。3個の人体感知センサのうち作業用通路への出入り口側の人体感知センサは端部人体感知センサ41であり、他の2個の人体感知センサは、作業用通路の内方に配置された内方人体感知センサ42である。
図13に示すように、端部人体感知センサ41は作業用通路への出入り口端に設置され、その赤外線検知範囲は、前記監視枠により、作業用通路への出入り口端から作業用通路の内方に至るごく狭い角度D3の範囲に設定されている。内方人体感知センサ42の赤外線検知範囲は、移動棚の間口面方向から見て二等辺三角形状に広がっていて、その広がり角度はD2に設定されている。互いに隣り合う端部人体感知センサ41と内方人体感知センサ42の赤外線検知範囲は互いに一部が重なり合っている。壁に最も近い内方人体感知センサ42の赤外線検知範囲は上記壁の一部にまで及んでいる。このようにして、作業用通路内の全範囲において人を検知できるようになっている。
端部人体感知センサ41の赤外線検知範囲が上記のようにごく狭い角度D3に制限されている理由は、端部人体感知センサ41を通路進入センサとして機能させるためである。
[手動式移動棚のロック装置]
各手動式移動棚12は、端部人体感知センサ41または内方人体感知センサ42が作業用通路内に人がいることを検知したとき、手動式移動棚12を移動不能に拘束するロック装置を備えている。手動式移動棚12のロック装置は、一般的には機械的なロック装置すなわちロック機構である。以下、ロック機構の具体例について、手動式移動棚の駆動機構の例とともに説明する。
図16において、複数台の手動式移動棚12は底部に走行車輪52を有し、各手動式移動棚12の走行車輪52がガイドレール53に載せられている。各手動式移動棚12はガイドレール53に沿って移動することができる。図16において左端の手動式移動棚12の左側に隣接して固定棚15が配置されている。固定棚15は、図14について説明した壁と実質同一のものとして扱ってよい。各手動式移動棚12の一側面には回転操作ハンドル50が取り付けられ、回転操作ハンドル50の回転力が、チェーン51を介して走行車輪52に伝達され、走行車輪52の回転により各手動式移動棚12が移動可能になっている。
図17乃至図19に示すように、手動式移動棚12の側板の内面側には、適宜の高さ位置に補強部材を兼ねた支持枠57が固定され、側板を貫いた軸54が、軸受によって回転可能に支持されている。側板から外側に突出した軸54の端部に回転操作ハンドル50のハブが結合されている。軸54には、上記支持枠57内において、スプロケット55およびこれと一体化された回転阻止部材56が固着されている。スプロケット55にはチェーン51が掛けられ、チェーン51はまた、走行車輪52の軸に固着されたスプロケットに掛けられている。回転操作ハンドル50の回転力を走行車輪52に伝達する動力伝達機構は、減速機構を構成している。
回転阻止部材56は外周縁部に一定間隔で切り欠きが形成されたスプロケット状の部材である。回転阻止部材56の切り欠きの近傍に、ロック部材60のロック棒62が位置している。ロック部材60は、ロック棒62と、手動式移動棚12の側板および支持枠57を水平方向に貫いた操作棒61と、ロック棒62と操作棒61を連結する連結棒からなる。手動式移動棚12の側板から突出した操作棒61の一端には操作つまみが取り付けられている。この操作つまみを引っ張るとロック部材60が手前側に平行移動し、ロック棒62が回転阻止部材56の切り欠きの一つに突入するように構成されている。上記操作つまみを押し込むと、ロック部材60が奥側に平行移動し、ロック棒62が回転阻止部材56の切り欠きから抜け出る。
ロック部材60のロック棒62が回転阻止部材56の切り欠きの一つに突入している状態では、回転操作ハンドル50から走行車輪52に至る動力伝達機構が回転不能にロックされ、手動式移動棚12が移動不能に拘束される。したがって、互いに隣接する手動式移動棚12間に作業用通路を形成し、この通路に入って作業を行うときは、作業用通路に面する二つの手動式移動棚12をロック機構によってロックする。こうしておけば、手動式移動棚12の妄動を防止し、安全に作業を行うことができる。
以上説明したようなロック機構の例は、実公昭53‐155561号公報などに記載されている。このほか、手動式移動棚に適用可能なロック機構は各種提案されている。例えば、回転操作ハンドルの回転中心軸を管状の軸とし、この管状の軸内にロック部材の操作棒をスライド可能に挿入し、操作棒のスライドによってロックおよびロック解除を可能にしたものもある。このようなロック機構はセンターロック方式といわれ、ロック機構の操作性が高まる。
上記手動式移動棚は、手動により回転駆動されるハンドルと、上記ハンドルの回転駆動力を走行車輪に伝達する減速機構を有するハンドル式移動棚である。しかし、本発明は、ハンドルも減速機構も備えておらず、直接人力で押し引きして移動させる手動式移動棚にも適用可能である。
上記ロック装置は、上記ハンドルから上記減速機構を経て走行車輪に至る機械的な作動部分を作動不能にロックする機械式ロック装置であれば、どのような形式であっても差し支えない。また、上記直接人力で押し引きして移動させる手動式移動棚に本発明を適用するには、走行車輪または走行車輪の回転によって回転する回転体を、ロック機構で回転不能にロックする構成にするとよい。
[ロック機構と人体感知センサとの連携]
本発明は、人体感知センサが作業用通路内に人がいることを検知すると、ロック装置を作動させて移動棚を移動不能に拘束するものである。手動式移動棚装置においては、手動式移動棚装置が備えている上記のような機械的なロック装置であるロック機構を、人体感知センサの検知信号で作動させる。換言すれば、ロック機構を電気信号で作動させ、機械的に移動棚を移動不能にロックする機械式ロック装置を付加する。図17乃至図19に示す例では、ロック部材60の操作棒61をスライド移動させる駆動源65が付加されている。駆動源65として例えばソレノイドを使用することができる。支持枠57の外側面に駆動源65としてのソレノイドを固着し、ソレノイドへの給電によって操作棒61を吸引しまた反発することにより、ロック機構による移動棚のロック、ロック解除を行うことができる。
手動式移動棚装置は、もともと手動式移動棚相互間で作業用通路位置情報ないしは個々の移動棚の移行余裕情報などの連係情報を共有する必要がなく、操作する者の判断で個々の移動棚の移動方向が決められる。したがって、図14に示すように、手動式移動棚装置100を構成する個々の手動式移動棚12には、移動方向の両面に端部人体感知センサ41と内方人体感知センサ42が配置されている。
図15は、手動式移動棚装置の変形実施例を示す。この実施例が図13に示す実施例と異なる点は、手動式移動棚12間に形成される作業用通路に、手動式移動棚12の間口方向両側から出入りできるようになっていることである。作業用通路は手動式移動棚12の間口面の左右方向両側において開放し、間口面両側から作業用通路に出入りすることができるようになっている。手動式移動棚12には、作業用通路の両側に対応する位置に端部人体感知センサ41が取り付けられている。両側の端部人体感知センサ41の間に、赤外線検知範囲の広がり角度D2の2個の内方人体感知センサ42が取り付けられている。作業用通路の両側の端部人体感知センサ41の赤外線検知範囲は、前記監視枠により、図13に示す端部人体感知センサ41と同じく、作業用通路への出入り口端から作業用通路の内方に至るきわめて狭い角度D3の範囲に設定されている。
[手動式移動棚の制御系統]
図23は、手動式移動棚において本発明を実施するための制御系統の例を示す。手動式移動棚は移動棚の移動を電気的に制御する必要がないから、図22の例における電動式移動棚制御基板85、制御基板情報共有部86、制御基板情報発信部87は備えていない。また、実施例1で説明した手動式移動棚の例では、端部人体感知センサ41を通路進入センサとして機能させているため、通路進入センサ44、通路進入センサ信号入力部84は備えていない。ロック装置88は、図17乃至図19で説明したロック機構を指す。ロック装置88は、制御部80からの制御信号によって棚を移動不能にロック動作しかつロックを解除動作する。また、ロック状態にあるロック装置88を手動操作によってロック解除することができるようにロック解除スイッチ89が設けられている。
[手動式移動棚の制御系統の別の例]
図23で説明した手動式移動棚の例では通路進入センサを備えていなかったが、手動式移動棚にも前記電動式移動棚の例で説明したような通路進入センサ44を備えているものであってもよい。図24はその例を示しており、通路進入センサ44とこの通路進入センサ44の検知信号を制御部80に入力する通路進入センサ信号入力部84を備えている。したがって、図24に示す例における端部人体検知センサ41は、図1、図3に示す例のように作業用通路内での人の有無を検知する人体感知センサとして機能させることができる。しかし、図24に示す例における端部人体検知センサ41を、図13、図15に示す例のように通路進入センサとして機能させてもよい。
[基本動作の説明]
次に、本発明に係る移動棚装置の基本動作を、図7から図9を参照しながら説明する。図7から図9に示す基本動作は、電動式移動棚装置にも手動式移動棚装置にも共通する。動作ステップをS1,S2,・・・のように表す。以下に説明する動作は、図22、図23に示す制御部80による制御動作のもとに実行される。
図7は、移動棚装置の電源がオンされ、人体感知センサとしての赤外線焦電センサが安定するまでの動作を示す。電願がオンになると(S1)、通路進入センサすなわち前記実施例1では通路進入センサ44、実施例2では端部人体感知センサ41が検知したか否かを判断する(S2)。通路進入センサの前方を人が横切れば通路進入センサがこれを検知して検知信号を出力し、横切らなければ検知信号は出力されない。通路進入センサが検知信号を出力すると、ロック装置(前記実施例1ではインターロック回路)を作動させてロック状態すなわち移動棚を移動不能に拘束する状態とする(S3)。
ロック状態で、電源オンから10秒間経過するのを待ち(S4)、10秒間経過すると前記再検知器によって再検知作動を行わせる(S5)。続いて赤外線焦電センサからなる前記端部人体感知センサ41または内方人体感知センサ42が検知したかどうか、すなわち作業通路内の人体感知センサ41または42による検知範囲内に人がいるかどうかを判断する(S6)。人がいることを人体感知センサ41または42が検知するとロック状態を維持し(S7)、図8に示すステップS14に移行する。
通路進入センサが検知したか否かの判断ステップ(S2)において通路進入センサが検知しない場合は、電源オンから10秒間の時間経過を待つ(S8)。通路進入センサが検知することなく電源オンから10秒間経過すると、図8に示す動作フローのスタートに移行する。人体感知センサとしての赤外線焦電センサは、電源投入後10秒程度経過するまで動作が安定しない。そこで、ステップS8をおき、通路進入センサが検知するのを待って、図8に示す移動棚装置の動作フローに移行するようにしている。
電源を入れた時点から人体感知センサが正常に動作するのに必要な初期安定時間である10秒が経過するまでの間に通路進入センサ44が作動する(S2)と、ロック装置がロック作動し、ロック状態になる(S3)。
次に、赤外線焦電センサの動作安定化後の移動棚装置の基本動作を、図8を参照しながら説明する。まず、通路進入センサが検知動作するのを待つ(S11)とともに、赤外線焦電センサからなる内方人体感知センサ42が検知動作するのを待つ(S19)。ステップS11で通路進入センサが検知動作すると、次に赤外線焦電センサからなる端部人体感知センサ41または内方人体感知センサ42が検知動作するか否かの判断ステップ(S12)に進む。上記ステップS19において内方人体感知センサ42が検知動作すると、ロック装置を作動させてロック状態とする(S13)。
ステップS12において端部人体感知センサ41または内方人体感知センサ42が検知動作し、またはステップS19において内方人体感知センサ42が検知動作すると、ロック装置を作動させてロック状態とする(S13)。図9(a)は、通路進入センサが検知動作し、端部人体感知センサ41または内方人体感知センサ42が検知動作することによってロック状態となる場合を示している。図9(b)は、通路進入センサが検知動作しなくても、内方人体感知センサ42が検知動作することによってロック状態となる場合を示している。
ロック状態(S13)において、通路進入センサが検知動作するのを待ち(S14)、これと並行して、操作スイッチが操作されることによりロックが解除されるのを待つ(S20)。上記操作スイッチとは、手動式移動棚の場合はロック装置を作動させて移動棚を移動不能にロックし、また、ロックを解除するための専用のスイッチである。電動式移動棚の場合、上記操作スイッチとは、所望の位置に作業用通路を形成するための指令スイッチなどと兼用させることができる。後者の場合、例えば、操作スイッチを押すと、作業用通路形成指令信号が出力されて指令信号に対応した位置に作業用通路が形成されるとともにロック装置が作動してロック状態が維持されるように構成する。再度上記操作スイッチを押すと、上記指令が解除されかつロック解除信号が出力されるように構成する。
ステップS14で通路進入センサ44が検知動作し、またはステップS20でロックが解除されると、ステップS15に進む。ステップS14に進む時点ではロックが維持されている状態であるから、ステップS14で通路進入センサ44が検知動作するということは、作業用通路から人が退出したことになる。ステップS15では、端部人体感知センサ41または内方人体感知センサ42が検知しているか否かを判断し、検知していればステップS13に戻ってロック状態を維持する。
ステップS15で上記センサ41,42のいずれも検知していなければ再検知作動ステップ(S16)に進む。再検知作動とは、前記各人体感知センサが備えている再検知器が作動することである。赤外線焦電センサからなる人体感知センサは、検知範囲内に検知対象である人がいても、一定時間不動の状態であれば、いわゆる「ロスト」状態となり、検知信号を出力することができなくなる。そこで、前記制御部80による再検知作動ステップ(S16)を置いている。
再検知作動(S16)後、赤外線焦電センサからなる端部人体感知センサ41または内方人体感知センサ42のいずれかが人を検知したかどうかを判断する(S17)。人体感知センサ41または42のいずれかが人を検知するとロック状態を維持し(S13)、人体感知センサ41または42のいずれも人を検知しない場合はロックを解除して(S18)一連の動作が終了する。
上記ロック解除動作を図9(c)に示す。作業用通路から人が出ていく場合を想定するとわかるように、端部人体感知センサ41が人を検知しているとき、通路進入センサ44の前方を人が横切り通路進入センサ44も人を検知し、やがて通路進入センサ44の検知信号が途絶える。その後、端部人体感知センサ41の検知信号も途絶える。図9(c)に示す動作例では、通路進入センサ44の検知信号が途絶えた時点から一定時間、例えば0.5〜5秒経過し端部および内方人体感知センサ41、42のいずれの検知信号も途絶えている場合にロックを解除するようになっている。
図8に示す動作は作業用通路への人の出入りに応じて繰り返し行われる。したがって、ロックを解除(S18)しているとき、通路進入センサ44、人体感知センサ41,42のいずれかが人を検知するとロック装置がロック作動し、ロックを解除する条件が満たされるまでロック状態を維持する。
図9(d)は、ステップS15からS17を経て、ステップS13でロックを維持する動作を示している。ステップS15において人体感知センサ41または42のいずれも検知しない場合は、再検知作動ステップS16を経て、ステップS17に進む。ステップS17で人体感知センサ41または42のいずれかが人を検知したと判断すると、ステップS13でロック状態が維持される。
[電動式移動棚の場合の動作]
図7ないし図9に示す動作は、電動式移動棚の場合にも手動式移動棚の場合にも共通する。電動式移動棚の場合、ロック装置は、手動式移動棚に用いられるロック機構を用いてもよいが、一般的には回路的に移動不能に拘束するインターロック回路が用いられる。図10乃至図12は、ロック装置としてインターロック回路を備えた電動式移動棚の動作例を示す。
図10は電源オン時の動作を示している。図10にステップS21からS28で示す動作は、図7に示す基本動作における電源オン時の動作ステップS1からS8までとほぼ同じである。図10に示す動作が図7に示す動作と異なっているのは、ステップS23で「インターロック状態」となっていること、ステップS27で「インターロック維持」となっていることである。また、ステップS22の「通路進入センサ」は、図1乃至図3に示す通路進入センサ44を指している。ただし、電動式移動棚においても、手動式移動棚の実施例における端部人体感知センサ41のように、実質的に通路進入センサとして機能させることもでき、その場合は端部人体感知センサ41が通路進入センサとなる。
図11は、電動式移動棚におけるインターロック維持およびインターロック解除の動作例を示す。図11にステップS31からS40で示す動作は、図8に示す基本動作におけるロック維持、ロック解除の動作ステップS11からS20までとほぼ同じである。図11に示す動作が図8に示す動作と異なっているのは、図8で「ロック」とあるのが、図11では「インターロック」となっていることである。そのほかは図8に示す動作と同じであるから、図11に関する詳細な説明は省略する。
図12は、電動式移動棚の動作におけるインターロック回路の各種動作パターンを示す。この動作パターンも、図9に示す基本動作におけるロック装置の各種動作パターンとほぼ同じである。
[手動式移動棚の場合の動作]
図20は、手動式移動棚におけるロック状態の維持およびロック解除の動作例を示す。図20において、まず、端部人体感知センサ41が検知したか否かの判断(S41)と内方人体感知センサ42が検知したか否かの判断(S42)が行われる。図13、図15に示す手動式移動棚の例における端部人体感知センサ41は、前述の通り、通路進入センサとして機能する。端部人体感知センサ41または内方人体感知センサ42が人を検知するとロック装置が作動し、移動棚をロック状態すなわち移動不能に拘束する(S43)。
次に、端部人体感知センサ41が検知したか否かの判断(S44)とロック装置によるロックが解除されたか否かの判断を並行して行う(S45)。手動式移動棚の場合、ロック装置によるロックを解除するには、ロック解除スイッチの操作、所定のエリアに手を触れる、手を近づけるなど、所定の操作を行う。ステップS44は、ロック状態において通路進入センサとしての端部人体感知センサ41が検知作動するか否かの判断である。したがって、ステップS44で端部人体感知センサ41が検知作動したとすると、作業用通路から人が退出したものと判断することができる。
ステップS44で端部人体感知センサ41が検知作動し、またはステップS45でロックが解除されたと判断した場合は、人体感知センサ41,42が前記「ロスト」状態にならないように、再検知作動させる(S46)。再検知作動後、人体感知センサ41、42のいずれかが検知したか否かを監視する(S47)。人体感知センサ41、42のいずれかが検知するとステップS43に戻ってロック状態を維持し、人体感知センサ41、42のいずれも検知しなければロック装置によるロックを解除する(S48)。
図24に示す手動式移動棚の例のように、通路進入センサ44を備えている場合は、図20に示す動作において「端部焦電センサ」とあるのを「通路進入センサ」と置き換えればよい。あるいは、図7、図8に示す動作フローと同様に動作させてもよい。
図21は、手動式移動棚の動作におけるロック装置の各種動作パターンを示す。この動作パターンは、端部焦電センサ41が通路進入センサとして機能し、あるいは、通路進入センサも兼ねているものと考えることもできるため、図9、図12に示す例と異なって通路進入センサに関する記載がない。この点を除けば、図9に示す基本動作におけるロック装置の各種動作パターンとほぼ同じである。
[実施例の効果]
従来の人感センサを利用した移動棚装置は、通路内の人の有無を確実に検知することができなかったが、以上説明した本発明の実施例によれば、通路内の人を確実に検知でき、安全性を高めることができる。
また、上記実施例によれば、作業用通路内に人がいる場合に、これを検知する人体感知センサを三次元的な範囲で検知できる赤外線焦電センサとした。そのため、少数の赤外線焦電センサで広い範囲を検知範囲とすることができ、従来のように、多数の組の投受光素子を水平方向に配置する必要がなく、移動棚装置の安全性を高めながら低コスト化を図ることができる。赤外線焦電センサは三次元的な範囲で検知できるため、従来のエリアセンサのように移動棚装置の高さ方向に配置しなくても検知ミスを防ぐことができ、この点からも移動棚装置の安全性を高めながら低コスト化を図ることができる。
人体感知センサを赤外線焦電センサで構成すると、検出対象である人が赤外線焦電センサの検出範囲内にいても、人が一定時間動かないと検出できなくなる、いわゆる「ロスト」が生じる。そこで、上記実施例では、赤外線焦電センサに再検知器を設け、赤外線焦電センサの焦電素子が検知対象である人を検知しなくなったとき、再検知するために必要な作動を行うようにした。こうすることによって、電動式移動棚装置に、人体感知センサとして赤外線焦電センサを用いることを可能にした。
[再検知作動に要する時間]
赤外線焦電センサが、図4、図5に示す実施例のように、スリット板を備えた再検知器を有しているものにおいては、再検知作動に要する上記再検知器の作動時間は1.0秒程度である。これに対して図6に示す例のように遮断板によって監視枠の前方を開閉する形式のものにおいては、遮断板が閉動作を開始し開動作を完了するまで、上記スリット方式より時間を要する。ただし、再検知作動に要する時間すなわち、上記遮断板方式においては遮断板が閉動作を開始し開動作を完了するまでに要する時間は短い方が望ましく、せいぜい10秒以内が望ましい。よって、本発明の各実施例を想定した再検知作動所要時間は1.0秒〜10秒程度とする。
[アクチュエータについて]
上記再検知器を駆動するアクチュエータは、モータ、ソレノイドなど、スリット板あるいは遮断板を駆動できるものであればよい。図4、図5に示す例のように直線移動する部材を駆動するには、人工筋肉を用いてもよい。人工筋肉の例として、導電性高分子アクチュエータがある。これは、導電性高分子に電圧を印加すると、印加する電圧の極性によって伸縮するという原理に基づくものである。
[制御部について]
本発明に用いる人体感知センサとしての焦電型赤外線センサは、再検知器を備えるとともに、再検知器の動作を制御する制御部を備えている。上記制御部は、他からの再検知作動命令を受けると焦電素子を再検知させるための最適な動作を再検知器にさせると共に、焦電素子の検知信号の有無を外部に出力する。
1 焦電素子
2 ハウジング
3 スリット板
4 アクチュエータ
5 引っ張りばね(付勢部材)
10 移動棚装置
11 電動式移動棚
12 手動式移動棚
20 監視枠
41 端部人体感知センサ
42 内方人体感知センサ
44 通路進入センサ

Claims (5)

  1. 走行車輪によって移動可能な複数の棚が集散可能に配置されている移動棚装置であって、
    上記各棚に設けられていて、それぞれの棚を移動不能にロックしかつロックを解除することができるロック装置と、
    形成可能な上記各作業用通路に対応して配置されていて、それぞれの上記作業用通路内での人の有無を検知する人体感知センサと、を有し、
    上記人体感知センサは、検知対象を検知しなくなったとき再検知するために必要な作動を行うことができる再検知器を有する焦電センサからなり、
    上記人体感知センサは、その人体感知センサが対応する上記作業用通路内に人がいることを検知すると、上記人がいる作業用通路を形成する棚の上記ロック装置を作動させ、上記人がいる作業用通路を形成する棚を移動不能にロックし、作業用通路内に人がいなくなったときロックを解除するように構成されている移動棚装置。
  2. 上記ロック装置がロックを解除したときに上記再検知器の作動命令を行う制御部を有する請求項1記載の移動棚装置。
  3. 上記ロック装置がロックを解除しているときに上記人体感知センサが人を検知すると上記ロック装置がロック作動しロック状態を維持する請求項1または2記載の移動棚装置。
  4. 作業用通路への人の進退を検知する通路進入センサを有し、電源を入れた時点から上記人体感知センサが正常に動作するのに必要な初期安定時間が経過するまでの間に上記通路進入センサが作動することにより、ロック装置がロック作動する請求項1,2または3記載の移動棚装置。
  5. 再検知器は、上記初期安定時間経過後に再検知作動して作業用通路内の人の有無を確認する請求項4記載の移動棚装置。
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