JP2014118757A - 閉扉システム - Google Patents
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Abstract
【課題】扉の半ドア状態を正確に検出すると共に、半ドア状態の扉を簡易な構成で自動的に開扉する。
【解決手段】閉扉システム1は、扉枠3に対する開扉又は閉扉を検知する扉開閉検知部5と、扉2が半ドアか否かを検知する半ドア検知部6と、扉2の戸先側端面に埋設された閉扉用電磁石7と、閉扉状態のときに閉扉用電磁石7に対向するように扉枠3に設けられた閉扉用磁性部材11と、扉開閉検知部5が開扉を検知し、半ドア検知部6が半ドアを検知したときに閉扉用電磁石7を励磁するように制御する制御部23と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】閉扉システム1は、扉枠3に対する開扉又は閉扉を検知する扉開閉検知部5と、扉2が半ドアか否かを検知する半ドア検知部6と、扉2の戸先側端面に埋設された閉扉用電磁石7と、閉扉状態のときに閉扉用電磁石7に対向するように扉枠3に設けられた閉扉用磁性部材11と、扉開閉検知部5が開扉を検知し、半ドア検知部6が半ドアを検知したときに閉扉用電磁石7を励磁するように制御する制御部23と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、扉の半ドア状態を検知すると共に、半ドア状態の扉を閉扉する閉扉システムに関する。
従来から、ホテルやオフィスビル等の商業施設又は公共施設の出入口や、集合住宅又は一般住宅のエントランスや玄関等に設けられる扉は、その開扉状態を放置することがセキュリティ上の問題とされている。これに対して、例えば、扉の施解錠のために電気錠を設けた電気錠システムでは、利用者の保持するリモコンやICカードを利用し、又は利用者が遠隔スイッチを操作し、或いは自動施錠モードの設定により自動制御されることで、電気錠を駆動して施錠を行っている。
電気錠システムは、扉が閉扉状態である場合だけ施錠動作、即ちデッドボルトの進出を駆動するように構成される。例えば、電気錠を設ける扉に扉開閉検知器を備え、閉扉を検知した場合に電気錠を施錠可能と判断することによって、閉扉状態の扉のみに施錠動作を行う。また、このような電気錠システムでは、所定時間を超えて継続した開扉状態を、異常発生として検出する。
例えば、特許文献1に開示される建物用ドア錠制御装置では、ドアに電気錠を備えると共に、ドアに設けた検出スイッチとドア枠に設けたマグネットとを有するドア開閉センサーを備えている。そして、施解錠制御マイコンがドア開閉センサーでの検出結果に基づいてドアが閉じていないことを検出した場合に、電気錠に発生した不具合を報知制御マイコンに出力し、警報サイレンは、報知制御マイコンからの駆動信号に応じて警報を鳴らすこととしている。
また、特許文献2に開示されるセキュリティシステムの電気錠制御装置では、玄関扉に設けた電気錠と、玄関扉の開閉を検知する開閉検知部と、全体の制御を行う制御部とを備えている。そして、制御部は、開閉検知部の検知結果に基づいて玄関扉の開閉を判断し、例えば、電気錠を解錠してから所定時間が経過しても開閉検知部により玄関扉の閉状態を検知できなかった場合に、玄関扉が開状態のままになっていると判断して、警報音発生部から警報音を出力させたり、表示部に異常発生を表示させたりしている。
しかしながら、使用環境により温度や湿度の影響を受けて扉に反りが生じたり、扉と扉枠との間に塵等の小さな障害物が挟まったり、ラッチボルトに不具合が生じたりすることで、使用者の閉扉行為に反して扉が完全に閉まっていない状態(半ドア状態)となり、また使用者が扉の半ドア状態に気づかないことがある。
電気錠を利用した従来のシステムでは、このような扉の半ドア状態を正確に検出できない場合がある。例えば、特許文献1の建物用ドア錠制御装置におけるドア開閉センサーのように、ドアの開閉方向において戸先の中央付近に一つの検出スイッチを配置し、この検出スイッチに対向してドア枠にマグネットを配置した構成では、このドア枠に対してドアが完全に閉まっていない場合でも、検出スイッチがマグネットを検出して開扉状態と判断してしまうおそれがある。
また、電気錠を利用した従来のシステムでは、扉の半ドア状態を検出できた場合でも、扉が閉扉状態でないこと(開扉状態であること)を使用者に知らせるのみであるため、使用者は扉まで移動して完全な閉扉をする必要がある。例えば、特許文献1の建物用ドア錠制御装置では、警報サイレンで警報を鳴らし、特許文献2のセキュリティシステムでは、警報音発生部で警報音を出力し、又は表示部で異常発生を表示しているが、何れも使用者に扉の開扉状態を知らせるだけである。
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、扉の半ドア状態を正確に検出すると共に、半ドア状態の扉を簡易な構成で自動的に開扉することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の第1の閉扉システムは、扉枠に対する開扉又は閉扉を検知する扉開閉検知部と、扉が半ドアか否かを検知する半ドア検知部と、前記扉の戸先側端面に埋設された閉扉用電磁石と、閉扉状態のときに前記閉扉用電磁石に対向するように前記扉枠に設けられた閉扉用磁性部材と、前記扉開閉検知部が開扉を検知し、前記半ドア検知部が半ドアを検知したときに前記閉扉用電磁石を励磁するように制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
上述した本発明の第1の閉扉システムによれば、扉の開閉検知だけでなく半ドア検知を行うことにより、半ドア状態を正確に判定すると共に、半ドア状態と判定された扉について、扉に設けた電磁石の電磁力で扉枠に設けた磁性部材を引き付けることにより、扉を閉方向に引き寄せて完全に閉扉することができる。これにより、半ドア状態が放置されないため、セキュリティを向上することができ、また、半ドア状態であることを警報等で知らせる構成が不要となるため、設備費用を削減することができる。更に、扉が半ドア状態であるとき、使用者や管理者が扉まで移動して完全に閉扉する等の行為が不要となるため、使用者や管理者の労力を減少すると共に煩わしさが解消される。また、本発明の構成は、簡易な構造で半ドア検知や自動閉扉を実現可能としているため、既存のシステムに適用することが容易となる。
また、本発明の第2の閉扉システムは、上述した本発明の第1の閉扉システムにおいて、前記扉開閉検知部及び前記半ドア検知部は、前記扉の開閉方向に並列して前記扉の戸先側端面に埋設され、前記扉開閉検知部は、前記半ドア検知部よりも前記扉の開方向側に配置されることを特徴とする。
上述した本発明の第2の閉扉システムによれば、既存の扉であっても、扉開閉センサーの置換等の最小限だけの改良によって、半ドア検知を実現することができる。
本発明の第3の閉扉システムは、上述した本発明の第1の閉扉システムにおいて、前記半ドア検知部は、前記扉の開方向側表面の上部に取り付けられることを特徴とする。
上述した本発明の第3の閉扉システムによれば、扉の内部構造を変更することなく外付けによる簡易な構造で、扉に半ドア検知部を取り付けることができ、また、半ドア検知部の取り付け位置により、半ドア検知するときの扉の開扉具合を変更することができる。
本発明の第4の閉扉システムは、上述した本発明の第1ないし3の何れかの閉扉システムにおいて、前記扉枠は、半ドア状態のときに前記半ドア検知部に対向するように設けられた半ドア検知用磁石を備え、前記半ドア検知部は、前記半ドア検知用磁石の磁力に応じてオン又はオフの切り換わるリードスイッチであり、前記扉が半ドアであるときにオンになり、半ドアでないときにオフになることを特徴とする。
また、本発明の第5の閉扉システムは、上述した本発明の第1ないし3の何れかの閉扉システムにおいて、前記半ドア検知部は、赤外線センサーであることを特徴とする。
更に、本発明の第6の閉扉システムは、上述した本発明の第1ないし3の何れかの閉扉システムにおいて、前記半ドア検知部は、メカニカルセンサーであることを特徴とする。
上述した本発明の第4ないし第6の何れかの閉扉システムによれば、簡易な構造で半ドア検知を実現可能としているため、既存のシステムに適用することが容易となる。
また、本発明の第7の閉扉システムは、上述した本発明の第1ないし6の何れかの閉扉システムにおいて、前記扉は、電動で施解錠する電気錠を備え、前記制御部は、前記扉開閉検知部が閉扉を検知したときに前記電気錠を施錠するように制御することを特徴とする。
上述した本発明の第7の閉扉システムによれば、1つの制御部が、半ドア検知や自動閉扉を制御する機能と、電気錠を制御する機能とを有するため、複数の制御部を備える必要がなく、設備費用を抑えることができ、また、1つの制御部のみによって、扉の半ドア検知から施錠までの動作を円滑に制御することができる。
本発明によれば、扉の半ドア状態を正確に検出すると共に、半ドア状態の扉を簡易な構成で自動的に開扉することができる。
本発明の一実施形態に係る閉扉システムについて、添付の図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る閉扉システムの概略を示す模式図、図2は本発明の一実施形態に係る閉扉システムの概略を示すブロック図、図3は本発明の一実施形態に係る閉扉システムによる半ドア検知及び自動閉扉の動作を示すフローチャート、図4は本発明の一実施形態に係る閉扉システムにおいて半ドア状態の扉の一部を戸先側から示す正面図である。
図1に示されるように、閉扉システム1は、2つ以上の領域の間の入退場を制限するために2つの領域を区分する扉2及び該扉2の開閉に係る扉枠3に適用されるものである。閉扉システム1は、扉2を電動で施解錠するための電気錠装置4と、扉2の閉扉(以下、単に「閉扉」と称し、扉2の開扉を単に「開扉」と称する)を検知するための扉開閉検知部5と、扉2の半ドア(閉扉行為に反して扉2が完全に閉まっていない状態)を検知するための半ドア検知部6と、半ドアの扉2を自動的に閉扉するための閉扉用電磁石7とを扉2に備える。また、閉扉システム1は、閉扉状態のときに電気錠装置4のデッドボルト8に対向する第1ストライク孔9と、扉開閉検知部5及び半ドア検知部6に対向する閉扉検知用磁石10と、閉扉用電磁石7に対向する閉扉用磁性部材11とを扉枠3に備える。なお、閉扉システム1は、電気錠4を施解錠するための鍵としてのICカード等の情報記録媒体(図示せず)から情報を読み取るための情報読取装置12(例えばカードリーダー)を扉2に備えてもよく、制御ユニット5を遠隔操作するための操作装置13(図2参照)を備えてもよい。
扉2は、例えば、ハンドル14の操作に連動してラッチボルト15を進退させ、このラッチボルト15を扉枠3の第2ストライク孔16内に係合させることで扉2の閉扉状態を保持する。
図2に示されるように、電気錠装置4は、扉2を施解錠するための機構である電気錠17と、該電気錠17を制御するための制御ユニット18と、各部に電力を供給するための電源部19と、この電源部19から閉扉用電磁石7への電力供給を切り換えるための切り換え部20とを備える。図2では複雑化を避けるため、電源部19からの電力供給を示す接続線について一部のみを図示する。
電気錠17は、デッドボルト8と、該デッドボルト8を駆動するための施解錠駆動機構21と、デッドボルト8の施解錠を検知するための施解錠検知部22とを備え、扉2に内蔵される。
デッドボルト8は、扉2の戸先側において錠箱内に取り付けられ、扉2から戸先方向A(図1参照)に進出して扉枠3の第1ストライク孔9内に固定されることにより扉2を施錠して開扉不能にし、また、その逆方向に後退して第1ストライク孔9から抜脱すると共に扉2内に引き込まれることにより扉2を解錠して開扉可能にする。
施解錠駆動機構21は、デッドボルト8を戸先側端面から戸先方向Aに進出させ又はその逆方向に後退させるように駆動する電動アクチュエーター(図示せず)等を備える。また、施解錠駆動機構21は、制御ユニット18における制御インターフェース(I/F)部27に接続され、この制御I/F部27からの制御信号に応じて電動アクチュエーターを作動させるように構成される。
施解錠検知部22は、例えば、施錠位置まで進出したデッドボルト8を検知するリードスイッチと磁石との組み合わせで構成されるものでよく、デッドボルト8の施錠又は解錠を検知してその結果の検知信号を制御ユニット18の施解錠判定部25へと出力する。
制御ユニット18は、閉扉システム1の全体の動作を統括制御するCPU(Central Processing Unit)等の制御部23と、この制御部23による制御に必要な情報を記憶するメモリ等の記憶部24とを備える。また、制御ユニット18は、電気錠17の施錠状態又は解錠状態を判定するための施解錠判定部25と、扉2の開扉状態若しくは閉扉状態又は半ドア状態を判定するための扉状態判定部26と、電気錠17の施解錠や閉扉用電磁石への電力供給を制御するための制御I/F部27と、情報読取装置12や操作装置13等の外部機器と通信をするための通信インターフェース(I/F)部28とを備える。
制御部23は、記憶部24、施解錠判定部25、扉状態判定部26、制御I/F部27及び通信I/F部28に接続されて各部を制御する。例えば、制御部23は、記憶部24に記憶する情報の読み出し及び書き込みを行い、また、記憶部24に記憶するプログラムを実行する。また、制御部23は、扉状態判定部26で扉2を半ドア状態と判定した場合(扉開閉検知部5が開扉を検知した場合で、且つ半ドア検知部6が扉の半ドアを検知した場合)に、制御I/F部27により切り換え部20をオンにして電源部19から閉扉用電磁石7への電力供給を行うように制御する。
施解錠判定部25は、電気錠装置4の施解錠検知部22に接続されて、この施解錠検知部22から入力される検知信号に基づいてデッドボルト8の施錠状態又は解錠状態を判定し、その結果として施錠状態又は解錠状態を示す施解錠情報を記憶部24に記憶させる。
扉状態判定部26は、扉開閉検知部5及び半ドア検知部6に接続されて、扉開閉検知部5及び半ドア検知部6からそれぞれ入力される検知信号に基づいて扉2の開扉状態若しくは閉扉状態又は半ドア状態を判定し、その結果として開扉状態若しくは閉扉状態又は半ドア状態を示す扉開閉情報を記憶部24に記憶させる。
制御I/F部27は、電気錠17の施解錠駆動機構21や切り換え部20等の、閉扉システム1において制御ユニット18による制御を要する各部に接続されて、これらの各部に制御信号を供給する。制御I/F部27は、施解錠駆動機構21によるデッドボルト8の駆動を制御するために、例えばデッドボルト8の進出(施錠)又は後退(解錠)を指示する制御信号を施解錠駆動機構21に供給する。また、制御I/F部27は、閉扉用電磁石7の電磁力を制御するために、例えば切り換え部20をオンにする制御信号を切り換え部20へと供給し、電源部19から閉扉用電磁石7への電力供給を行うように制御することで閉扉用電磁石7に電磁力を発生させて扉2を自動的に閉扉させる。或いは、制御I/F部27は、切り換え部20をオフにする制御信号を切り換え部20へと供給し、電源部19から閉扉用電磁石7への電力供給を遮断するように制御することで閉扉用電磁石7の電磁力を消失させる。
通信I/F部28は、情報読取装置12や操作装置13等の外部機器と接続してこれらの外部機器と通信信号を送受信する。通信I/F部28は、例えば情報読取装置12で情報記憶媒体から読み取られた情報に係る通信信号を情報読取装置12から受信し、また、使用者による操作装置13の操作に係る通信信号を操作装置13から受信して、これらの受信信号を制御部23へと出力する。
扉開閉検知部5及び半ドア検知部6は、デッドボルト8及びラッチボルト15の上方で扉2の開方向B及び閉方向Cに並列して扉2の戸先側端面に埋設される。扉開閉検知部5は開方向B側に、半ドア検知部6は閉方向C側にそれぞれ取り付けられる。扉開閉検知部5及び半ドア検知部6は、例えばそれぞれリードスイッチを備え、リードスイッチは閉扉検知用磁石10に接近するとオンに切り換わり、閉扉検知用磁石10から離間するとオフに切り換わる。
即ち、扉開閉検知部5は、その検知面5aと閉扉検知用磁石10とが重なる場合(扉2が完全に閉扉した場合)にオン(閉扉)を示し、検知面5aと閉扉検知用磁石10とが重ならない場合(扉2が半ドア又は開扉した場合)にオフ(開扉)を示す検知信号を扉状態判定部26へと出力する。
また、半ドア検知部6は、その検知面6aと閉扉検知用磁石10とが重なる場合(扉2が半ドア又は完全に閉扉した場合)にオン(半ドア)を示し、検知面6aと閉扉検知用磁石10とが重ならない場合(扉2が開扉した場合)にオフ(開扉)を示す検知信号を扉状態判定部26へと出力する。即ち、閉扉検知用磁石10は、半ドア検知用磁石としての機能を有する。
閉扉用電磁石7は、扉開閉検知部5及び半ドア検知部6の上方で扉2の戸先側端面に埋設される。閉扉用電磁石7は、切り換え部20を介して電源部19に接続され、制御I/F部27の制御により電源部19から受ける電力供給に応じて励磁し、発生した電磁力で閉扉用磁性部材11を引き付けることで扉2を引き寄せる。即ち、閉扉用電磁石7は、半ドア状態の扉2を閉扉可能な程度の電磁力を有するように構成されるとよい。
扉枠3において、閉扉検知用磁石10は、例えば板状に形成されたもので、閉扉状態の扉2における扉開閉検知部5及び半ドア検知部6と対向した位置に埋設される。また、閉扉用磁性部材11は、例えば磁石や金属等の磁性体から板状に形成されたもので、閉扉状態の扉2における閉扉用電磁石7と対向した位置に埋設される。
次に、このような構成を備えた閉扉システム1の半ドア検知及び自動閉扉の動作について図3のフローチャートを参照しながら説明する。
閉扉システム1において、初期状態の切り換え部20は、電源部19から閉扉用電磁石7への電力供給はオフになっている。また、通常、扉2は閉扉されると共に電気錠17によって施錠されている。
使用者は、情報記録媒体に記憶した情報を情報読取部13に読み取らせ、又は操作装置14を操作することで、電気錠17の解錠に必要な識別情報を電気錠装置4の通信I/F部28を介して制御ユニット18に入力する。制御ユニット18では、制御部23がこの識別情報と記憶部24に予め記憶した情報とを照合し、その結果、解錠可能と判断した場合に扉2の解錠を指示する制御信号を制御I/F部27を介して電気錠17の施解錠駆動機構21へと出力する。施解錠駆動機構21は、この解錠を指示する制御信号に応じてデッドボルト8を後退するように駆動し、デッドボルト8が錠箱内に引き込まれて扉2が解錠する。
このとき、電気錠装置4の施解錠検知部22が、デッドボルト8の解錠を検知してその結果の検知信号を施解錠判定部25へと出力する。施解錠判定部25は、施解錠検知部22からの検知信号に基づいてデッドボルト8を解錠状態と判定し、解錠状態を示す施解錠情報を記憶部24に記憶させる。そして、使用者が解錠した扉2を開扉すると、扉開閉検知部5が閉扉検知用磁石10から離間することで開扉を検知してその結果の検知信号を扉状態判定部26へと出力する。また、半ドア検知部6が閉扉検知用磁石10から離間することで扉2が半ドアでないことを検知してその結果の検知信号を扉状態判定部26へと出力する。扉状態判定部26は、扉開閉検知部5からの開扉を示す検知信号と、半ドア検知部6からの半ドアでないことを示す検知信号とに基づいて扉2を開扉状態と判定し、開扉状態を示す扉開閉情報を記憶部24に記憶させる(ステップS1)。
次に、閉扉システム1では、扉開閉検知部5及び半ドア検知部6、並びに扉状態判定部26によって扉2の状態(開扉状態若しくは閉扉状態又は半ドア状態)を監視する状態となる(ステップS2、S4)。
例えば、扉2が使用者の閉扉行為やドアクローザー等によって閉扉動作し、完全に閉扉した場合には、扉開閉検知部5の検知面5aが閉扉検知用磁石10と重なることとなる。このとき、扉開閉検知部5は閉扉検知用磁石10に接近することで閉扉を検知してその結果の検知信号を扉状態判定部26へと出力する(ステップS2:YES)。扉状態判定部26では、扉開閉検知部5からの閉扉を示す検知信号に基づいて、半ドア検知部6の検知信号に拘らず扉2を閉扉状態と判定し、閉扉状態を示す扉開閉情報を記憶部24に記憶させる。
そして、制御ユニット18の制御部23は、上記のように扉2が閉扉状態と判定されてから所定時間経過後、自動的に扉2の施錠を指示する制御信号を制御I/F部27を介して電気錠17の施解錠駆動機構21へと出力する。施解錠駆動機構21は、この施錠を指示する制御信号に応じてデッドボルト8を進出するように駆動し、デッドボルト8が第1ストライク孔9内に係合して扉2が施錠する(ステップS3)。
閉扉システム1では、このように扉2が閉扉及び施錠されると、扉開閉検知部5及び半ドア検知部6並びに扉状態判定部26による扉2の状態の監視(ステップS2〜S5)を終了し、その後ステップ1に戻って、扉2の解錠及び開扉の待機状態となる。
一方、扉2が閉扉動作されない場合や閉扉動作によっても完全に閉扉しなかった場合には、扉開閉検知部5の検知面5aが閉扉検知用磁石10と重ならないこととなる。このとき、扉開閉検知部5は閉扉検知用磁石10から離間しているため開扉を検知してその結果の検知信号を扉状態判定部26へと出力する(ステップS2:NO)。
また、扉2が閉扉動作によっても完全に閉扉しなかった場合には、例えば図4に示されるように、扉開閉検知部5の検知面5aが閉扉検知用磁石10と重ならない一方、半ドア検知部6の検知面6aが閉扉検知用磁石10と重なることとなる。このとき、半ドア検知部6は閉扉検知用磁石10に接近することで扉2が半ドアであることを検知してその結果の検知信号を扉状態判定部26へと出力する(ステップS4:YES)。扉状態判定部26では、扉開閉検知部5からの開扉を示す検知信号と、半ドア検知部6からの半ドアであることを示す検知信号とに基づいて扉2を半ドア状態と判定し、半ドア状態を示す扉開閉情報を記憶部24に記憶させる。
そして、制御ユニット18の制御部23は、扉2が半ドア状態と判定されると、扉2の自動閉扉を指示する制御信号、即ち、電源部19から閉扉用電磁石7への電力供給を行うために切り換え部20をオンにする制御信号を制御I/F部27を介して切り換え部20へと出力する。切り換え部20は、この制御信号に応じて電源部19から閉扉用電磁石7への電力供給を行い、閉扉用電磁石7が励磁して電磁力が発生する。この電磁力によって閉扉用磁石11が閉扉用電磁石7へと引き付けられると、これに伴って扉2が閉方向Cへと引き寄せられることにより、完全に閉扉することとなる(ステップS5)。
この閉扉用電磁石7による自動閉扉の後、扉開閉検知部5及び扉状態判定部26によって扉2が閉扉状態であるか否かが判定され(ステップS2)、完全に閉扉している閉扉状態の場合には(ステップS2:YES)、電気錠17による扉2の施錠が実行される(ステップS3)。
また、制御ユニット18の制御部23では、扉2がステップ1で開扉されてからの経過時間を計測していて、扉開閉検知部5で開扉が検知され(ステップS2:NO)、且つ半ドア検知部6で半ドアでないことが検知された場合には(ステップS3:NO)、扉2が開扉されてから所定時間が経過したか否かが判定される(ステップS6)。ここで、所定時間が経過していない場合には(ステップS6:NO)、ステップ2に戻って扉開閉検知部5及び半ドア検知部6並びに扉状態判定部26による扉2の状態の監視が繰り返される。一方、所定時間が経過した場合には(ステップS6:YES)、図示しない警報器や表示器又は通信I/F部28を介した通信により、異常発生を使用者や管理者に通知する(ステップS7)。
本実施形態では上述のように、半ドア検知部6を、扉2の開方向B及び閉方向Cにおいて扉開閉検知部5に並列して配置しているため、完全に閉扉していない扉2の半ドア状態を確実に判定可能な閉扉システム1を提供することができる。また、このように扉2が半ドア状態である場合には、閉扉用電磁石7の電磁力を発生させて扉2を引き寄せることで、扉2を完全に閉扉することができる。従って、半ドア状態が放置されないため、セキュリティを向上することができ、また、半ドア状態であることを警報等で知らせる構成が不要となるため、設備費用を削減することができる。更に、扉2が半ドア状態であるとき、使用者や管理者が扉まで移動して完全に閉扉する等の行為が不要となるため、使用者や管理者の労力を減少すると共に煩わしさを解消することが可能な閉扉システム1を提供することができる。また、本発明の構成は、簡易な構造で半ドア検知や自動閉扉を実現可能としているため、既存のシステムでも容易に適用することができる。
なお、扉開閉検知部5及び半ドア検知部6は、それぞれ別々の機器として構成してもよいが、1つのユニットとして構成することによって、既存のシステムに設けられる扉開閉センサーに置き換えて取り付けることができる。これにより、半ドア検知部6を設置するために扉2を追加加工する必要がなく、容易に取り付け可能となる。
本実施形態では、扉2がハンドル14及びラッチボルト15を備えると共に、扉枠3がラッチボルト15に対向する第2ストライク孔16を備える構成を説明したが、電気錠装置4のデッドボルト8についてラッチボルト15の機能を兼ねるものを適用して、ラッチボルト15及び第2ストライク孔16を不要とした構成や、更にハンドル14も不要とした構成としてもよい。
また、本実施形態では、施解錠判定部25及び扉状態判定部26を、制御部23及び記憶部24とは別個に図示して説明したが、施解錠判定部25及び扉状態判定部26の機能をそれぞれ実現するプログラムを記憶部24に記憶し、制御部23がこれらのプログラムを実行するように構成されてもよい。
更に、本実施形態では、扉開閉検知部5及び半ドア検知部6が扉2の戸先側端面においてデッドボルト8及びラッチボルト15の上方に設けられる構成を説明したが、この構成に限定されない。例えば、扉開閉検知部5及び半ドア検知部6は扉2の戸先側端面におけるデッドボルト8及びラッチボルト15の下方その他の位置に設けられてもよい。この場合でも、閉扉検知用磁石10は、閉扉状態のときに扉開閉検知部5及び半ドア検知部6に対向する位置で扉枠3に設けられる。
また、本実施形態では、扉開閉検知部5及び半ドア検知部6を閉扉検知用磁石10の磁力に応じてオン又はオフの切り換わるリードスイッチとして説明したが、この構成に限定されない。例えば、扉開閉検知部5及び半ドア検知部6は、赤外線センサーやメカニカルセンサー等の様々なセンサーに置き換えて構成することができ、この場合、扉枠3は、閉扉検知用磁石10の代わりに、赤外線センサーやメカニカルセンサーが検知可能な検知対象物を備える。
更に、本実施形態では、閉扉用電磁石7が扉2の戸先側端面において扉開閉検知部5及び半ドア検知部6の上方に設けられる構成を説明したが、この構成に限定されない。例えば、閉扉用電磁石7は、扉2の戸先側端面における扉開閉検知部5及び半ドア検知部6の下方その他の位置に設けられてもよい。この場合でも、閉扉用磁性部材11は、閉扉状態のときに閉扉用電磁石7に対向する位置で扉枠3に設けられる。なお、閉扉用電磁石7及び閉扉用磁性部材11は、一組だけ設けられてもよいが、扉2の重量が重いほど多くの組を設けてもよい。例えば、閉扉用電磁石7及び閉扉用磁性部材11の組を、扉2及び扉枠3の上部と下部とにそれぞれ設けることで、より重い扉2を容易に閉扉することが可能となる。
また更に、本実施形態では、半ドア検知部6は、扉開閉検知部5に並列して扉2の戸先側端面に埋設され、閉扉検知用磁石10の接近又は離間に応じてオンまたはオフが切り換わることを説明したが、他の異なる実施形態では、図5及び図6に示されるように半ドア検知部30が扉2の開方向側表面の上部に取り付けられ、この半ドア検知部30に対向する半ドア検知用磁石31が扉枠3の上部に取り付けられるように構成してもよい。図5は、本発明の他の実施形態に係る閉扉システムの概略を示す正面図、図6は、本発明の他の実施形態に係る閉扉システムにおいて半ドア状態の扉の一部を示す上面図である。
半ドア検知部30は、その検知面30aを上方に向けると共に、検知面30aが扉2の上端面に沿うように扉2に取り付けられる。半ドア検知部30及び半ドア検知用磁石31は、扉2の上部において戸先側の一端からその逆側の他端までの位置に応じて、半ドア検知の頻度が調整され、戸先側に近づくに連れて頻度が少なくなり、逆側に近づくに連れて頻度が多くなる。
このように、半ドア検知部30を扉2の上部に取り付けると共に、半ドア検知部30に対向する半ドア検知用磁石31を扉枠3の上部に取り付ける構成によれば、半ドアを検知する際の扉2と扉枠3との位置関係に合わせて、半ドア検知部30及び半ドア検知用磁石31の位置を微調整することが容易となる。即ち、半ドア検知部30及び半ドア検知用磁石31の取り付け位置により、半ドア検知するときの扉2の開扉具合を変更することができる。更に、この構成では、半ドア検知構造が簡易であるため、既存のシステムに容易に適用することが可能であり、また、半ドア検知構造は扉2の内部構成を改造することなく設置できるため、リードスイッチ以外の他の検出機器に容易に変更することができる。
本発明の閉扉システムは、ホテルやオフィスビル等の商業施設又は公共施設の出入口や、集合住宅又は一般住宅のエントランスや玄関等だけでなく、病院、リクリエーション施設、店舗、ショッピングセンター、学校等の開き扉を備えた様々な建物に適用することが可能である。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う閉扉システムもまた本発明の技術思想に含まれる。
1 閉扉システム
2 扉
3 扉枠
5 扉開閉検知部
6 半ドア検知部
7 閉扉用電磁石
11 閉扉用磁性部材
23 制御部
2 扉
3 扉枠
5 扉開閉検知部
6 半ドア検知部
7 閉扉用電磁石
11 閉扉用磁性部材
23 制御部
Claims (7)
- 扉枠に対する開扉又は閉扉を検知する扉開閉検知部と、
扉が半ドアか否かを検知する半ドア検知部と、
前記扉の戸先側端面に埋設された閉扉用電磁石と、
閉扉状態のときに前記閉扉用電磁石に対向するように前記扉枠に設けられた閉扉用磁性部材と、
前記扉開閉検知部が開扉を検知し、前記半ドア検知部が半ドアを検知したときに前記閉扉用電磁石を励磁するように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする閉扉システム。 - 前記扉開閉検知部及び前記半ドア検知部は、前記扉の開閉方向に並列して前記扉の戸先側端面に埋設され、前記扉開閉検知部は、前記半ドア検知部よりも前記扉の開方向側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の閉扉システム。
- 前記半ドア検知部は、前記扉の開方向側表面の上部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の閉扉システム。
- 前記扉枠は、半ドア状態のときに前記半ドア検知部に対向するように設けられた半ドア検知用磁石を備え、
前記半ドア検知部は、前記半ドア検知用磁石の磁力に応じてオン又はオフの切り換わるリードスイッチであり、前記扉が半ドアであるときにオンになり、半ドアでないときにオフになることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の閉扉システム。 - 前記半ドア検知部は、赤外線センサーであることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の閉扉システム。
- 前記半ドア検知部は、メカニカルセンサーであることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の閉扉システム。
- 前記扉は、電動で施解錠する電気錠を備え、
前記制御部は、前記扉開閉検知部が閉扉を検知したときに前記電気錠を施錠するように制御することを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の閉扉システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012275248A JP2014118757A (ja) | 2012-12-18 | 2012-12-18 | 閉扉システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012275248A JP2014118757A (ja) | 2012-12-18 | 2012-12-18 | 閉扉システム |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012275248A Pending JP2014118757A (ja) | 2012-12-18 | 2012-12-18 | 閉扉システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2012
- 2012-12-18 JP JP2012275248A patent/JP2014118757A/ja active Pending
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