JP2015071315A - 船舶推進機用の電動ステアリング装置および船舶推進機 - Google Patents

船舶推進機用の電動ステアリング装置および船舶推進機 Download PDF

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Abstract

【課題】船外機の手動操舵を簡単にし、手動操舵後の調整作業を軽減すること。
【解決手段】船舶推進機用の電動ステアリング装置は、ステアリングモータと、ロッククラッチ28と、回り止め機構54とを含む。ステアリングモータは、船外機に連結されるステアリングシャフトを回動させる動力を発生する。ロッククラッチ28は、ステアリングモータ側から動力が伝達される正入力のときに入力軸から出力軸に動力を伝達し、ステアリングシャフト側から動力が伝達される逆入力のときに出力軸からケーシング36に動力を伝達して出力軸から入力軸への動力の伝達を遮断する。回り止め機構54は、ケーシング36の回転を規制するロック状態と、ケーシング36の回転規制を解除する解除状態とに切り替え可能である。
【選択図】図5

Description

本発明は、船舶推進機用の電動ステアリング装置、および前記電動ステアリング装置を備えた船舶推進機に関する。
特許文献1には、船舶推進機用の複数の電動ステアリング装置が開示されている。各電動ステアリング装置は、船外機を左右方向に回動させる動力を発生するモータと、上流側から伝達された動力だけを下流側に伝達するロック部とを備えている。
特許文献1の図5に記載の電動ステアリング装置(以下では、「第1電動ステアリング装置」という。)は、ロック部を無効化するために、ロック部よりも下流で動力の伝達経路を切断するロック解除機構を備えている。ユーザーが船外機を手動で操舵するときには、動力の伝達経路が切断された状態で、船外機がユーザーによって直接押される。
特許文献1の図24に記載の電動ステアリング装置(以下では、「第2電動ステアリング装置」という。)は、ロック部よりも上流に配置されており、モータの回転軸と一体回転する回転部材を備えている。ユーザーが船外機を手動で操舵するときには、動力の伝達経路が切断されていない状態で、回転部材がユーザーによって手動で回される。これにより、モータが回転し、回転部材に加えられたユーザーの力が伝達経路を介して船外機に伝達される。
米国特許出願公開第2012/8246400号明細書
第1電動ステアリング装置では、動力の伝達経路が切断された状態で、船外機がユーザーによって手動で操舵される。そのため、船外機が手動で操舵されるときには、切断位置よりも下流に配置された部材だけが、船外機と共に移動する。したがって、切断位置の上流と切断位置の下流の位置関係が変化してしまう。例えば、モータの回転角と船外機の転舵角との関係が変化してしまう。したがって、位置関係の変化を元に戻す作業がその後に必要となる。
第2電動ステアリング装置では、回転部材と同じ回転角でモータの回転軸が回転する。モータの回転が減速されるので、ユーザーが船外機を手動で操舵するときには、回転部材を何度も回転させる必要がある。そのため、操舵作業が煩雑であると共に、船外機を意図する転舵角まで移動させるのに時間がかかる。
そこで、本発明の目的の一つは、船外機の手動操舵を簡単にでき、手動操舵後の調整作業を軽減できる船舶推進機用の電動ステアリング装置、および前記電動ステアリング装置を備えた船舶推進機を提供することである。
本発明の一実施形態は、ステアリングモータと、ロッククラッチと、回り止め機構とを含む、船舶推進機用の電動ステアリング装置を提供する。前記ステアリングモータは、船外機に連結されるステアリングシャフトを回動させる動力を発生する。前記ロッククラッチは、前記ステアリングモータからの回転が伝達される入力軸と、前記入力軸に伝達された回転を前記ステアリングシャフト側に伝達する出力軸と、前記入力軸および出力軸を回転可能に保持するケーシングとを含む。前記ロッククラッチは、前記ステアリングモータ側から動力が伝達される正入力のときに前記入力軸から前記出力軸に動力を伝達し、前記ステアリングシャフト側から動力が伝達される逆入力のときに前記出力軸から前記ケーシングに動力を伝達して前記出力軸から前記入力軸への動力の伝達を遮断する。前記回り止め機構は、前記ケーシングの回転を規制するロック状態と、前記ケーシングの回転規制を解除する解除状態とに切り替え可能である。
この構成によれば、逆入力を遮断するロッククラッチが、ステアリングモータからステアリングシャフトに延びる伝達経路に配置されている。ステアリングモータ側からロッククラッチに動力が伝達される正入力のとき、ロッククラッチは、入力軸から出力軸に動力を伝達する。その一方で、ステアリングシャフト側からロッククラッチに動力が伝達される逆入力のとき、ロッククラッチは、出力軸からケーシングに動力を伝達して出力軸から入力軸への動力の伝達を遮断する。
回り止め機構がロック状態のとき、ケーシングの回転は、回り止め機構によって規制される。逆入力のときには、ロッククラッチの出力軸に加えられた力が、ケーシングに伝達される。ロック状態ではケーシングの回転が規制されるので、ロック状態で逆入力が発生したとしても、出力軸およびケーシングの回転が規制される。そのため、ユーザーが船外機を左右方向に押したり、航走に伴う水の抵抗が船外機に加わったりしたとしても、船外機の転舵角が変化しない。したがって、ステアリングモータが駆動されなくても、船外機の転舵角が一定に維持される。
これに対して、回り止め機構が解除状態のときには、回り止め機構によるケーシングの回転規制が解除される。この状態でユーザーが船外機を左右方向に押すと、船外機に加えられた力が、ステアリングシャフトを介して出力軸に伝達される。つまり、逆入力が発生する。出力軸に加えられた力は、ケーシングに伝達される。解除状態ではケーシングの回転規制が解除されているので、ケーシングは出力軸と共に回転する。言い換えると、解除状態ではロッククラッチが無効化されているので、ユーザーが船外機を押すと、船外機はそれに応じて左右方向に回動する。
このように、回り止め機構は、ケーシングの回転を規制することによりロッククラッチを有効化でき、その一方で、ケーシングの回転規制を解除することによりロッククラッチを無効化できる。したがって、ユーザーは、動力の伝達経路を切断せずに(ステアリングモータからステアリングシャフトまでの物理的な接続を切断せずに)、船外機を手動で操舵することができる。そのため、手動操舵後の調整作業を軽減できる。さらに、ユーザーは、船外機を直接押すことにより船外機を左右方向に回動させることができるので、船外機を容易にかつ短時間で目的の転舵角まで移動させることができる。しかも、回り止め機構は、ロッククラッチ自体を回転可能にできればよいので、シンプルな構造を回り止め機構に適用できる。これにより、回り止め機構の複雑化を低減できる。
本発明の一実施形態において、前記電動ステアリング装置は、前記ケーシングを回転可能に支持する軸受をさらに含んでいてもよい。前記軸受は、転がり軸受であってもよいし、滑り軸受であってもよい。
この構成によれば、ケーシングが軸受によって回転可能に支持されている。そのため、回り止め機構が解除状態のときに回転力がケーシングに加わると、ケーシングは滑らかに回転する。ケーシングが滑らかに回転しないと、船外機を手動で操舵するときに、船外機に加わる抵抗が増加すると共に、船外機が左右方向に円滑に移動しない場合がある。そのため、ケーシングを軸受によって回転可能に支持することにより、船外機をより小さな力で滑らかに手動で操舵することができる。
本発明の一実施形態において、前記電動ステアリング装置は、前記ステアリングモータおよびロッククラッチを収容しており、前記電動ステアリング装置の外から前記ロッククラッチに向かって延びる回り止め調整穴が設けられたステアリングハウジングをさらに含んでいてもよい。この場合、前記電動ステアリング装置は、前記回り止め調整穴を塞ぐ閉位置と、前記回り止め調整穴を開く開位置との間で移動可能なプラグをさらに含んでいてもよい。
この構成によれば、ステアリングモータおよびロッククラッチがステアリングハウジングによって水(海水および淡水を含む)から保護される。さらに、ステアリングハウジングの外からロッククラッチに向かって延びる回り止め調整穴がステアリングハウジングに設けられているので、ユーザーは、回り止め調整穴を通じてステアリングハウジングの外から回り止め機構を操作できる。つまり、ユーザーは、ステアリングハウジングの中に手を入れずに回り止め機構を操作できる。しかも、回り止め調整穴を開閉可能なプラグが設けられているので、回り止め機構の操作が不要な際にステアリングハウジングの密閉性を高めることができる。これにより、ステアリングハウジング内に配置された部品(ステアリングモータ等)がより確実に水から保護される。
本発明の一実施形態において、前記電動ステアリング装置は、前記ステアリングモータおよびロッククラッチを収容しており、前記電動ステアリング装置の外から前記ロッククラッチに向かって延びる回り止め調整穴が設けられたステアリングハウジングをさらに含んでいてもよい。この場合、前記回り止め機構は、前記回り止め調整穴を塞ぐと共に、前記回り止め機構をロック状態と解除状態との間で切り替えるときに操作される操作部材を含んでいてもよい。
この構成によれば、操作部材がユーザーに操作されることにより、回り止め機構がロック状態と解除状態との間で切り替わる。操作部材の一部は、ステアリングハウジングの外面で開口する回り止め調整穴内に配置されている。したがって、ユーザーは、回り止め調整穴から操作部材を取り外さずに、操作部材を操作できる。さらに、ユーザーは、工具の一部を回り止め調整穴を通じてステアリングハウジングの中に差し込まなくてもよいので、回り止め機構をより簡単に操作できる。
本発明の一実施形態において、前記回り止め調整穴は、船上から視認可能な位置に配置されていてもよい。この場合、前記回り止め調整穴は、例えば前記ステアリングハウジングの前壁に設けられていてもよい。
この構成によれば、ステアリングハウジングに設けられた回り止め調整穴が、船上から視認可能な位置に配置されている。したがって、ユーザーは、船上で回り止め機構を操作できる。
本発明の一実施形態において、前記回り止め調整穴は、前記回り止め調整穴と前記ケーシングとが前記ケーシングの径方向に対向する位置に配置されていてもよい。
この構成によれば、ステアリングハウジングに設けられた回り止め調整穴が、ケーシングに対してケーシングの径方向に対向している。言い換えると、回り止め調整穴の少なくとも一部は、ケーシングの軸方向に関してケーシングと同じ位置に配置されている。したがって、回り止め調整穴およびケーシングが軸方向にずれている場合よりも、回り止め調整穴とケーシングとの間の距離が減少する。回り止め調整穴とケーシングとの間の距離が長いと、他の部材が回り止め調整穴とケーシングとの間に介在し、回り止め調整穴から回り止め機構までの経路が複雑化する場合がある。したがって、回り止め調整穴とケーシングとの間の距離を減少させることにより、回り止め調整穴から回り止め機構までの経路の複雑化を抑制できる。
本発明の一実施形態において、前記回り止め機構は、前記ケーシングに押し付けられる押付面と前記ケーシングとの間に働く摩擦力によって、前記ケーシングの回転を規制するロック状態と、前記ケーシングに対する前記押付面の押付力を前記ロック状態のときよりも弱めることにより、前記ケーシングの回転規制を解除する解除状態とに切り替え可能な摩擦機構を含んでいてもよい。
この構成によれば、回り止め機構(摩擦機構)に設けられた押付面が、ケーシングの外周面に押し付けられる。ロック状態では、押付面とケーシングとの間に働く摩擦力によって、ケーシングの回転が規制される。解除状態では、ケーシングに対する押付面の押付力がロック状態のときよりも弱められ、これによって、押付面とケーシングとの間に働く摩擦力がロック状態のときよりも弱められる。これにより、ケーシングの回転規制が解除される。
このように、回り止め機構の状態は、ケーシングに対する押付面の押付力が変更されることにより切り替えられる。したがって、回り止め機構は、動力の伝達経路を切断せずに、ロッククラッチを有効化および無効化できる。さらに、ケーシングの回転が規制される位置であれば、押付面が押し付けられる位置はケーシングの任意の位置でよいので、船外機を手動で操舵した後にロッククラッチを再度有効化する際に、ケーシングを元の位置(船外機を手動で操舵する前の位置)に戻さなくてもよい。したがって、ロッククラッチを再度有効化する際の調整作業を軽減できる。
本発明の一実施形態において、前記摩擦機構は、前記ケーシングを取り囲む環状の前記押付面が内面に設けられた締め付けバンドと、前記締め付けバンドの内径を変更することにより、前記ケーシングに対する前記押付面の押付力を調整する押付機構とを含んでいてもよい。
この構成によれば、ケーシングの外周面に押し付けられる押付面が、回り止め機構(摩擦機構)の締め付けバンドの内面に設けられている。締め付けバンドの内径は、押付機構によって変更される。これにより、ケーシングに対する押付面の押付力が増減され、回り止め機構の状態が切り替えられる。押付面は、ケーシングを取り囲む環状である。したがって、押付面とケーシングとの接触面積が広がる。そのため、ケーシングが締め付けバンドによって確実に保持される。これにより、回り止め機構は、ロック状態においてケーシングの回転をより確実に規制できる。
本発明の一実施形態において、前記締め付けバンドは、少なくともロック状態において前記ケーシングの全周を取り囲んでいてもよい。
この構成によれば、締め付けバンドがケーシングの全周を取り囲んでいるので、押付面とケーシングとの接触面積をさらに増加させることができる。これにより、回り止め機構は、ロック状態においてケーシングの回転をより確実に規制できる。
本発明の一実施形態において、前記摩擦機構は、前記押付面が設けられた接触部材と、前記接触部材を前記ケーシングに向けて押す力を変更することにより、前記ケーシングに対する前記押付面の押付力を調整する押付機構とを含んでいてもよい。
この構成によれば、ケーシングの外周面に押し付けられる押付面が、回り止め機構(摩擦機構)の接触部材に設けられている。接触部材をケーシングに向けて押す力は、押付機構によって変更される。これにより、ケーシングに対する押付面の押付力が増減され、回り止め機構の状態が切り替えられる。したがって、回り止め機構は、動力の伝達経路を切断せずに、ロッククラッチを有効化および無効化できる。
本発明の一実施形態において、前記回り止め機構は、前記ケーシングとストッパー部材との接触によって、前記ケーシングの回転を規制するロック状態と、前記ケーシングと前記ストッパー部材との接触を解除することにより、前記ケーシングの回転規制を解除する解除状態とに切り替え可能なストッパー機構を含んでいてもよい。
この構成によれば、ケーシングに接触するストッパー部材が、回り止め機構(ストッパー機構)に設けられている。ロック状態では、ストッパー部材が、ロック位置(ストッパー部材がケーシングに接触する位置または接触可能な位置)に配置される。したがって、ロック状態のときに回転力がケーシングに加わったとしても、ケーシングの回転は、ケーシングとストッパー部材との接触により規制される。また、解除状態では、ストッパー部材が、解除位置(ストッパー部材がケーシングに接触できない位置)に配置される。これにより、ケーシングの回転規制が解除される。このように、回り止め機構の状態は、ストッパー部材の位置が変更されることにより切り替えられる。したがって、回り止め機構は、動力の伝達経路を切断せずに、ロッククラッチを有効化および無効化できる。
本発明の一実施形態において、前記ストッパー機構は、前記ケーシングに設けられており前記ケーシングの周方向に配列された複数の回り止め部と、前記複数の回り止め部のいずれかに対向するロック位置と前記複数の回り止め部との対向が解除される解除位置との間で移動可能なストッパー部材とを含んでいてもよい。この場合、前記ストッパー機構は、前記複数の回り止め部のいずれかと前記ストッパー部材との接触により、前記ケーシングの回転を規制する。
この構成によれば、ストッパー部材と共にケーシングの回転を規制する複数の回り止め部が、ケーシングに設けられている。ストッパー部材がロック位置に配置されると、複数の回り止め部のいずれかが、ストッパー部材に対向する。すなわち、ストッパー部材は、複数の回り止め部のいずれかに接触するまたは接触可能な位置に配置される。したがって、ケーシングの回転は、互いに対向する回り止め部およびストッパー部材の接触により規制される。また、ストッパー部材が解除位置に配置されると、ストッパー部材と複数の回り止め部との対向が解除される。これにより、ケーシングの回転規制が解除される。
複数の回り止め部は、ケーシングの周方向に配列されている。ストッパー部材は、対向する回り止め部が複数の回り止め部のいずれであっても、ケーシングの回転を規制できる。したがって、船外機を手動で操舵した後にロッククラッチを再度有効化する際に、ケーシングを元の位置に戻さなくてもよい。したがって、ロッククラッチを再度有効化する際の調整作業を軽減できる。
本発明の他の実施形態は、前記電動ステアリング装置と、前記電動ステアリング装置によって中心線まわりに回動されるステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトと共に前記ステアリングシャフトの中心線まわりに回動する船外機とを含む、船舶推進機を提供する。この構成によれば、前述の効果と同様の効果を奏することができる。
本発明の第1実施形態に係る船舶推進機を示す模式的な側面図である。 スイベルブラケットがクランプブラケットに取り付けられる前の電動ステアリング装置を示す模式的な側面図である。 アッパーカバーが取り外された状態の電動ステアリング装置を示す模式的な平面図である。 本発明の第1実施形態に係る回り止め機構を示す模式的な平面図である。 回り止め機構のロック状態を示す模式的な断面図である。 回り止め機構の解除状態を示す模式的な断面図である。 本発明の第2実施形態に係る回り止め機構を示す模式的な平面図である。 本発明の第2実施形態に係る回り止め機構のロック状態を示す模式的な断面図である。 本発明の第3実施形態に係る回り止め機構を示す模式的な平面図である。 本発明の第3実施形態に係る回り止め機構のロック状態を示す模式的な断面図である。 本発明の第4実施形態に係る回り止め機構を示す模式的な平面図である。 本発明の第4実施形態に係る回り止め機構のロック状態を示す模式的な断面図である。 本発明の第4実施形態に係る回り止め部を示す模式図である。 本発明の第5実施形態に係る回り止め機構のロック状態を示す模式的な断面図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
以下の説明では、基準姿勢の船舶推進機1について説明する。基準姿勢は、クランク軸線Acが鉛直方向に延び、クランク軸線Acに直交するプロペラ軸線Apが前後方向に延びる姿勢である。
第1実施形態
図1に示すように、船舶推進機1は、船体H1の後部(船尾)に取付可能な懸架装置2と、懸架装置2に連結された船外機3と、船外機3を左右方向に操舵する電動ステアリング装置4とを含む。
図1に示すように、懸架装置2は、船体H1に取り付けられる左右一対のクランプブラケット5と、左右方向に延びる姿勢で一対のクランプブラケット5に支持されたチルティングシャフト6とを含む。懸架装置2は、さらに、チルティングシャフト6に取り付けられたスイベルブラケット7と、上下方向に延びる姿勢でスイベルブラケット7に支持されたステアリングシャフト8とを含む。
図1に示すように、船外機3は、マウントブラケット9およびアッパーマウントMUを介してステアリングシャフト8の上端部に連結されている。さらに、船外機3は、ロアマウントMLを介してステアリングシャフト8の下端部に連結されている。ステアリングシャフト8は、上下方向に延びるステアリング軸線As(ステアリングシャフト8の中心線)回りに回転可能にスイベルブラケット7に支持されている。スイベルブラケット7は、チルティングシャフト6を介してクランプブラケット5に支持されている。スイベルブラケット7は、左右方向に延びるチルト軸線At(チルティングシャフト6の中心線)回りにクランプブラケット5に対して回動可能である。図2に示すように、スイベルブラケット7は、チルティングシャフト6を保持するチルティングシャフト保持部7aと、ステアリング軸線As回りに回転可能にステアリングシャフト8を保持するステアリングシャフト保持部7bとを含む。
図1に示すように、船外機3は、プロペラ14を回転させる動力を発生するエンジン10と、エンジン10の動力をプロペラ14に伝達する動力伝達装置とを含む。動力伝達装置は、エンジン10に連結されたドライブシャフト11と、ドライブシャフト11に連結された前後進切替機構12と、前後進切替機構12に連結されたプロペラシャフト13とを含む。船外機3は、さらに、エンジン10を収容するエンジンカバー15と、動力伝達装置を収容するケース16とを含む。
図1に示すように、エンジン10は、ドライブシャフト11の上方に配置されている。ドライブシャフト11は、ケース16内で上下方向に延びている。ドライブシャフト11の中心線は、エンジン10の回転軸線(クランク軸線Ac)上に配置されていてもよいし、エンジン10の回転軸線に対してずれていてもよい。ドライブシャフト11の上端部は、エンジン10に連結されており、ドライブシャフト11の下端部は、前後進切替機構12を介してプロペラシャフト13に連結されている。プロペラシャフト13は、ケース16内で前後方向に延びている。プロペラシャフト13の後端部は、ケース16から後方に突出している。プロペラ14は、プロペラシャフト13の後端部に取り外し可能に取り付けられている。プロペラ14は、プロペラシャフト13と共にプロペラ軸線Ap(プロペラシャフト13の中心線)回りに回転可能である。
エンジン10は、例えば内燃機関である。エンジン10は、一定の回転方向に回転する。エンジン10の回転は、動力伝達装置によって、プロペラ14に伝達される。これにより、プロペラ14がプロペラシャフト13と共に回転し、船舶を前進または後進させる推力が発生する。また、ドライブシャフト11からプロペラシャフト13に伝達される回転の方向は、前後進切替機構12によって切り替えられる。したがって、プロペラ14およびプロペラシャフト13の回転方向は、正転方向(プロペラ14を後方から見て右回りの方向)および逆転方向(正転方向と反対回りの方向)の間で切り替えられる。これにより、推力の方向が切り替えられる。
図3に示すように、電動ステアリング装置4は、ステアリングシャフト8を回動させる動力を発生するステアリングモータ17と、ステアリングモータ17からステアリングシャフト8に至る動力(操舵力)の伝達経路上で動力を伝達する操舵力伝達装置28〜31と、ステアリングモータ17および操舵力伝達装置を収容するステアリングハウジング19とを含む。
ステアリングモータ17は、電気により駆動される電動モータである。図3に示すように、ステアリングモータ17は、ステアリングモータ17の回転軸線Amが左右方向に延びる姿勢でステアリングハウジング19内に配置されている。ステアリングモータ17の回転軸線Amは、チルト軸線Atよりも後方に配置されている。ステアリングモータ17は、図示しないローターおよびステータを収容する筒状のモータハウジング25と、モータハウジング25の軸方向端部に取り付けられた取付フランジ26と、取付フランジ26から軸方向に突出する回転軸27とを含む。モータハウジング25および取付フランジ26は、ステアリングハウジング19に固定されている。回転軸27は、ステアリングハウジング19に対して回転可能である。
図3に示すように、ステアリングハウジング19は、ステアリングモータ17および操舵力伝達装置を収容するハウジング本体20と、ハウジング本体20の右側方および左側方にそれぞれ配置された2つのサイドカバー21とを含む。図2に示すように、ステアリングハウジング19は、さらに、ハウジング本体20の上方に配置されたアッパーカバー22を含む。サイドカバー21およびアッパーカバー22は、取り外し可能にハウジング本体20に取り付けられている。ハウジング本体20の上端部に設けられた開口は、アッパーカバー22によって塞がれており、ハウジング本体20の右側部および左側部に設けられた開口は、2つのサイドカバー21によって塞がれている。
図3に示すように、ハウジング本体20は、後向きに開いた平面視U字状の周壁と、周壁の下端部に設けられた底壁とを含む。ハウジング本体20の周壁は、左右方向に延びる前壁23と、前壁23の右端部および左端部からそれぞれ後方に延びる2つの側壁24とを含む。図2に示すように、スイベルブラケット7のチルティングシャフト保持部7aは、ハウジング本体20の側壁24に設けられている。スイベルブラケット7のステアリングシャフト保持部7bは、ハウジング本体20から下方に延びている。ハウジング本体20は、チルティングシャフト保持部7aおよびステアリングシャフト保持部7bと一体である。したがって、ハウジング本体20は、スイベルブラケット7と一体である。ハウジング本体20は、スイベルブラケット7と別体であってもよい。
図3に示すように、操舵力伝達装置は、ステアリングモータ17の回転をステアリングシャフト8側に伝達するロッククラッチ28と、ロッククラッチ28から伝達された回転を減速する歯車機構29とを含む。操舵力伝達装置は、さらに、歯車機構29によって減速された回転を直線運動に変換するボールネジ機構30と、ボールネジ機構30によって変換された直線運動をステアリングシャフト8の回動に変換する運動変換機構31とを含む。電動ステアリング装置4は、ロッククラッチ28を回転可能に支持する1つ以上(図3の例では2つ)の軸受32と、軸受32およびロッククラッチ28を収容するクラッチハウジング33とを含む。
図3に示すように、ロッククラッチ28は、ステアリングモータ17からの回転が入力される入力軸34と、入力軸34に入力された回転をステアリングシャフト8側に出力する出力軸35と、入力軸34および出力軸35を回転可能に保持するケーシング36とを含む。入力軸34は、ステアリングモータ17の回転軸27に連結されており、出力軸35は、入力軸34を介してステアリングモータ17の回転軸27に連結されている。入力軸34とステアリングモータ17の回転軸27とは、ステアリングモータ17の回転軸線Am回りに一体回転可能である。出力軸35と歯車機構29の上流ギヤ37とは、ステアリングモータ17の回転軸線Am回りに一体回転可能である。
ロッククラッチ28は、正転方向および逆転方向のトルクをステアリングモータ17側からステアリングシャフト8側に伝達し、ステアリングシャフト8側からステアリングモータ17側へのトルクの伝達を遮断する逆入力遮断クラッチ(例えば、NTN株式会社製の「トルクダイオード(登録商標)」)である。ロッククラッチ28は、ステアリングモータ17側からロッククラッチ28にトルクが伝達される正入力のときに入力軸34から出力軸35にトルクを伝達する。ロッククラッチ28は、さらに、ステアリングシャフト8側からロッククラッチ28にトルクが伝達される逆入力のときに出力軸35からケーシング36にトルクを伝達して出力軸35から入力軸34へのトルクの伝達を遮断する。
図3に示すように、ロッククラッチ28のケーシング36は、クラッチハウジング33内に配置されている。軸受32は、クラッチハウジング33内でケーシング36の周方向Dc(図5参照)にケーシング36を取り囲んでいる。2つの軸受32は、ケーシング36の軸方向Daに間隔を空けて配置されている。軸受32は、クラッチハウジング33に支持されており、ケーシング36は、軸受32を介してクラッチハウジング33に支持されている。ケーシング36は、軸受32によって回転可能に支持されており、ステアリングハウジング19に対して回転可能である。その一方で、ケーシング36は、その軸方向に固定されており、ステアリングハウジング19に対して軸方向に移動不能である。後述するように、ケーシング36は、回り止め機構54によってケーシング36の周方向Dcに固定されている。
図3に示すように、クラッチハウジング33は、ステアリングハウジング19内に配置されている。クラッチハウジング33は、船外機3の幅方向中央CW(基準姿勢の船外機3を左右方向に二等分する鉛直面)の側方に配置されている。クラッチハウジング33は、ボールネジ40よりも前方に配置されている。クラッチハウジング33およびステアリングモータ17は、ステアリングモータ17の軸方向に並んでいる。ステアリングモータ17の回転軸27は、クラッチハウジング33内に配置されている。クラッチハウジング33は、ボルトによってステアリングモータ17の取付フランジ26に固定されている。クラッチハウジング33は、ステアリングモータ17を介してステアリングハウジング19に固定されており、ステアリングハウジング19に対して移動不能である。
図2および図3に示すように、歯車機構29は、ロッククラッチ28からボールネジ機構30に回転を伝達する複数の減速ギヤを含む。複数の減速ギヤは、ステアリングモータ17の回転軸線Am上に配置された上流ギヤ37と、後述するボールネジ40の回転軸線上に配置された下流ギヤ39と、上流ギヤ37と下流ギヤ39との間に配置された1つ以上の中間ギヤ38とを含む。上流ギヤ37は、ステアリングモータ17の回転軸27と一体回転し、下流ギヤ39は、ボールネジ40と一体回転する。上流ギヤ37は、中間ギヤ38を介して下流ギヤ39に伝達される。これにより、ステアリングモータ17の回転が、ボールネジ機構30に伝達される。
図3に示すように、ボールネジ機構30は、ステアリングモータ17によって回転駆動されるボールネジ40と、複数のボールを介してボールネジ40を取り囲む筒状のボールナット41とを含む。ボールネジ40およびボールナット41は、ステアリングハウジング19内でステアリングモータ17よりも後方に配置されている。ボールネジ40は、ステアリングモータ17の後方で左右方向に延びている。ボールネジ40の両端部は、ステアリングハウジング19に支持されている。ボールネジ40は、ボールネジ40の中心線回りにステアリングハウジング19に対して回転可能である。ボールネジ40の回転軸線と、ステアリングモータ17の回転軸線Amとは、互いに平行である。ボールネジ40がボールネジ40の中心線回りに回転すると、ボールナット41がボールネジ40に沿ってボールネジ40の軸方向に移動する。これにより、ボールネジ40の回転が、ボールナット41の直線運動に変換される。
図3に示すように、運動変換機構31は、ボールナット41と共にボールネジ40の軸方向に移動するステアリングピン42と、ステアリングシャフト8と共にステアリング軸線As回りに回動するステアリングアーム43とを含む。ステアリングピン42は、ボールナット41から下方に延びている。ステアリングアーム43は、ステアリングシャフト8からステアリングピン42に延びている。ステアリングアーム43の根元部は、ステアリングシャフト8に連結されており、ステアリングアーム43の先端部は、ボールナット41の下方に配置されている。ステアリングアーム43は、ステアリングアーム43の先端部に設けられたフォーク部44を含む。ステアリングピン42は、フォーク部44内に配置されている。ボールナット41と共にステアリングピン42がボールネジ40の軸方向に移動すると、フォーク部44の内面がステアリングピン42に押されて、ステアリングアーム43が回動する。これにより、船外機3およびステアリングシャフト8がステアリング軸線As回りに回動する。
図3に示すように、電動ステアリング装置4は、船外機3の転舵角(ステアリングシャフト8の回転角)を検出する転舵角検出装置45を含む。転舵角検出装置45は、ステアリングアーム43の移動量に基づいて船外機3の転舵角を検出するように構成されている。転舵角検出装置45は、ステアリングアーム43に限らず、ステアリングモータ17によって駆動される可動部(例えばボールネジ40やボールナット41)の移動量に基づいて船外機3の転舵角を検出してもよい。図3の例では、転舵角検出装置45は、可動部としてのステアリングアーム43の移動量を検出する転舵角センサー46と、ステアリングアーム43の動きを転舵角センサー46に伝達する運動伝達装置としてのリンク機構47とを含む。
図4に示すように、電動ステアリング装置4は、ステアリングハウジング19の外壁を貫通する回り止め調整穴48を塞ぐプラグ49と、プラグ49の外周面と回り止め調整穴48の内周面との間を密封するOリング53と、ケーシング36の回転を規制する回り止め機構54とを含む。
図4に示すように、回り止め調整穴48は、ステアリングハウジング19の外壁をその厚み方向に貫通している。すなわち、回り止め調整穴48は、ハウジング本体20、サイドカバー21、およびアッパーカバー22のいずれかを貫通している。図4は、回り止め調整穴48がステアリングハウジング19の前壁23に設けられている例を示している。回り止め調整穴48は、ステアリングハウジング19の外面からロッククラッチ28に向かって延びている。回り止め調整穴48は、船上から視認可能な位置に配置される。回り止め調整穴48は、ロッククラッチ28のケーシング36よりも前方に配置されている。回り止め調整穴48は、回り止め調整穴48とケーシング36とが平面視において前後方向に並ぶ位置に配置されている。回り止め調整穴48とケーシング36とは、ケーシング36の径方向Drに対向している。回り止め調整穴48をその前方から見ると、回り止め調整穴48の少なくとも一部は、ケーシング36に重なっている。
図4に示すように、回り止め調整穴48は、ステアリングハウジング19の外面からステアリングハウジング19の内面まで延びている。図4は、回り止め調整穴48が階段状の内周面によって形成されている例を示している。回り止め調整穴48の内周面は、ステアリングハウジング19の外面からステアリングハウジング19の内部に向かって延びる円筒状の大径部48aと、大径部48aからその内方に延びる円環状の環状部48bと、環状部48bからステアリングハウジング19の内面に延びる円筒状の小径部48cとを含む。大径部48aの直径は、小径部48cの直径よりも大きい。プラグ49の雄ネジ部55がネジ留めされる雌ネジ部56は、大径部48aに設けられている。
図4に示すように、プラグ49は、雄ネジ部55が外周に設けられた円板状のプラグ部51と、Oリング53を保持する円柱状のシール保持部52と、プラグ49の取付および取り外しを行う際にユーザーに操作される操作部50とを含む。プラグ部51の外径は、シール保持部52の外径よりも大きい。シール保持部52は、Oリング53内に挿入されている。Oリング53は、プラグ部51の軸方向端面とシール保持部52の外周面とによって形成されたコーナー部に配置されている。シール保持部52および操作部50は、プラグ部51から互いに反対側に延びている。
図5および図6に示すように、プラグ49は、回り止め調整穴48を塞ぐ閉位置(図5に示す位置)と、回り止め調整穴48を開く開位置(図6に示す位置)との間で移動可能である。プラグ49は、雄ネジ部55および雌ネジ部56によって閉位置に保持される。プラグ49が閉位置にあるとき、プラグ部51は、回り止め調整穴48の大径部48a内に挿入されており、シール保持部52は、回り止め調整穴48の小径部48c内に挿入されている。このとき、Oリング53は、プラグ部51の軸方向端面と回り止め調整穴48の環状部48bとによって軸方向に挟まれている。これにより、プラグ49と回り止め調整穴48との間が密封されている。操作部50は、プラグ49が閉位置にあるとき、ステアリングハウジング19の外に配置されている。ユーザーが操作部50を摘まんでプラグ49を回転させると、プラグ49は、開位置に向かって徐々に移動し、ステアリングハウジング19から外れる。これにより、回り止め調整穴48が開かれる。
図5および図6に示すように、回り止め機構54は、ケーシング36に押し付けられる押付面57とケーシング36との間に働く摩擦力によって、ケーシング36の回転を規制する摩擦機構である。回り止め機構54は、ケーシング36の回転を規制するロック状態と、ケーシング36に対する押付面57の押付力をロック状態のときよりも弱めることにより、ケーシング36の回転規制を解除する解除状態とに切り替え可能である。回り止め機構54は、ケーシング36を取り囲む環状の押付面57が内面に設けられた締め付けバンド59と、締め付けバンド59の内径を変更することにより、ケーシング36に対する押付面57の押付力を調整する押付機構58とを含む。
締め付けバンド59は、樹脂やゴムなどの弾性材料によって形成されている。図5および図6に示すように、締め付けバンド59は、ケーシング36の周囲を取り囲むC字状のバンド部60と、周方向におけるバンド部60の両端からそれぞれ径方向外方に延びる一対のボルト挿入部61とを含む。バンド部60は、クラッチハウジング33内に配置されている。バンド部60は、ケーシング36の外周面に沿って配置されている。一対のボルト挿入部61は、バンド部60からクラッチハウジング33の内周面に向かって径方向外方に延びている。一対のボルト挿入部61は、クラッチハウジング33を貫通する貫通穴63から外方に突出している。一対のボルト挿入部61は、互いに向かい合う一対のボルト挿入穴62を含む。ボルト挿入穴62は、クラッチハウジング33の外に配置されている。図4に示すように、一対のボルト挿入部61は、ケーシング36の軸方向Daにおける2つの軸受32の間に配置されている。
図5に示すように、押付機構58は、ステアリングハウジング19内でロッククラッチ28の周囲に配置されている。押付機構58は、一対のボルト挿入部61に挿入された締め付けボルト64と、締め付けボルト64の頭部65と間に一対のボルト挿入部61が位置するように締め付けボルト64の軸部66を支持するボルト支持部67とを含む。押付機構58は、さらに、締め付けボルト64の頭部65と一対のボルト挿入部61との間に介在するリング状のワッシャー68と、締め付けボルト64の軸部66から径方向外方に延びるC字状の止め輪69とを含む。
図5に示すように、締め付けボルト64の軸部66は、各ボルト挿入部61のボルト挿入穴62に挿入されている。さらに、締め付けボルト64の軸部66は、締め付けボルト64の軸方向にボルト支持部67を貫通する取付穴70に挿入されている。ボルト挿入穴および取付穴70は、締め付けボルト64の軸方向に並んでいる。止め輪69の外径は、取付穴70の内径よりも大きい。締め付けボルト64の軸部66は、締め付けボルト64の軸方向にボルト支持部67を貫通している。止め輪69は、ボルト支持部67に対して締め付けボルト64の頭部65とは反対側に配置されている。締め付けボルト64は、締め付けボルト64の軸部66の外周に設けられた雄ネジ部71と、取付穴70の内周面に設けられた雌ネジ部とによって、ボルト支持部67にネジ留めされている。締め付けボルト64の頭部65とボルト支持部67の端面との間の距離X1は、雄ネジ部71および雌ネジ部の相対的な回転により調整される。
図5に示すように、締め付けバンド59の一対のボルト挿入部61は、締め付けボルト64の軸方向に対向している。一対のボルト挿入部61は、締め付けボルト64の頭部65とボルト支持部67の端面との間に配置されている。一対のボルト挿入部61は、ワッシャー68を介して、締め付けボルト64の頭部65とボルト支持部67の端面とに挟まれている。これにより、押付面57に相当するバンド部60の内周面がケーシング36の外周面に押し付けられている。そのため、ケーシング36をその周方向に回転させる力がケーシング36に加わったとしても、ケーシング36の回転を妨げる摩擦力が締め付けバンド59とケーシング36との間に発生し、ケーシング36の回転が規制される。
図5に示すように、締め付けバンド59の一対のボルト挿入部61は、締め付けボルト64の頭部65とボルト支持部67の端面とによって挟まれることにより、クラッチハウジング33に固定されている。これにより、クラッチハウジング33に対する締め付けバンド59の回転が規制されている。したがって、図5に示す状態(ロック状態)では、締め付けバンド59に対するケーシング36の回転が規制されると共に、クラッチハウジング33に対する締め付けバンド59の回転が規制される。クラッチハウジング33は、ステアリングモータ17を介してステアリングハウジング19に固定されている。したがって、この状態では、ステアリングハウジング19に対するケーシング36の回転が規制される。
ユーザーが船外機3を左右方向に押したり、航走に伴う水の抵抗が船外機3に加わったりすると、船外機3に加えられた力が、ステアリングシャフト8を介して、ロッククラッチ28の出力軸35に伝達される。つまり、逆入力が発生する。出力軸35に加えられた回転力はケーシング36に伝達され、出力軸35から入力軸34への回転力の伝達が遮断される。前述のように、図5に示す状態では、ステアリングハウジング19に対するケーシング36の回転が規制される。そのため、この状態で逆入力が発生したとしても、船外機3の転舵角が変化しない。したがって、この状態では、ステアリングモータ17が駆動されなくても、船外機3の転舵角が一定に維持される。
図6に示すように、締め付けボルト64は、締め付けボルト64の頭部65に設けられた工具取付部73を含む。工具取付部73は、ドライバーや六角レンチなどの工具74の先端部が差し込まれる凹部であってもよいし、ソケットレンチがその周囲に取り付けられる断面多角形の外周部であってもよい。図6は、工具74の先端部が差し込まれる凹部が頭部65の端面に設けられている例を示している。締め付けボルト64の頭部65とボルト支持部67の端面との間の距離X1は、ユーザーが工具74を用いて締め付けボルト64をその中心線回りに回転させることにより調整される。回り止め調整穴48は、締め付けボルト64の中心線上に配置されている。回り止め調整穴48は、工具取付部73の前方に配置されている。回り止め調整穴48は、工具取付部73に対向している。
図6に示すように、回り止め機構54によるケーシング36の回転規制を解除するときには、ユーザーによってプラグ49が回り止め調整穴48から取り外される。この状態で、工具74がユーザーによって回り止め調整穴48に差し込まれ、工具74の先端部が、ステアリングハウジング19内で工具取付部73に取り付けられる。その後、締め付けボルト64がその中心線回りに回転される。これにより、締め付けボルト64の頭部65とボルト支持部67の端面との間隔が徐々に広がり、バンド部60の内径が徐々に増加する。したがって、ケーシング36の外周面に対するバンド部60の押付力が減少する。そのため、締め付けバンド59によるケーシング36の拘束力が弱まり、ケーシング36が締め付けバンド59に対して回転可能な状態(解除状態)となる。これにより、ロッククラッチ28が無効化される。
図6に示すように、解除状態では、締め付けバンド59の一対のボルト挿入部61が締め付けボルト64の軸方向に離れている。解除状態におけるバンド部60の内径は、ケーシング36がバンド部60に対して回転し得る大きさに設定されている。さらに、解除状態では、締め付けボルト64に取り付けられた止め輪69がボルト支持部67に接触している。言い換えると、止め輪69の位置は、解除状態でボルト支持部67に接するように設定されている。止め輪69がボルト支持部67に接すると、軸方向への締め付けボルト64の移動が規制されるので、締め付けボルト64を介して工具74に加わる周方向の抵抗が増加する。したがって、ユーザーは、工具74を介して伝わる抵抗の変化に基づいて、締め付けボルト64が解除位置(図6に示す位置)に達したことを確認できる。
回り止め機構54によるケーシング36の回転規制を復帰させるときには、回り止めを解除するときと同様に、締め付けボルト64がユーザーによってその中心線回りに回転される。これにより、締め付けボルト64の頭部65とボルト支持部67の端面との間隔が徐々に狭まり、一対のボルト挿入部61が徐々に近づく。したがって、締め付けバンド59のバンド部60の内径が徐々に減少し、ケーシング36の外周面に対するバンド部60の押付力が増加する。そのため、締め付けバンド59によるケーシング36の拘束力が強まり、ステアリングハウジング19に対するケーシング36の回転が規制される。その後、ユーザーによってプラグ49が回り止め調整穴48に取り付けられる。
以上のように第1実施形態では、回り止め機構54がロック状態のとき、ケーシング36の回転は、回り止め機構54によって規制される。逆入力のときには、ロッククラッチ28の出力軸35に加えられた力が、ケーシング36に伝達される。ロック状態ではケーシング36の回転が規制されるので、ロック状態で逆入力が発生したとしても、出力軸35およびケーシング36の回転が規制される。そのため、ユーザーが船外機3を左右方向に押したり、航走に伴う水の抵抗が船外機3に加わったりしたとしても、船外機3の転舵角が変化しない。したがって、ステアリングモータ17が駆動されなくても、船外機3の転舵角が一定に維持される。
これに対して、回り止め機構54が解除状態のときには、回り止め機構54によるケーシング36の回転規制が解除される。この状態でユーザーが船外機3を左右方向に押すと、船外機3に加えられた力が、ステアリングシャフト8を介して出力軸35に伝達される。つまり、逆入力が発生する。出力軸35に加えられた力は、ケーシング36に伝達される。解除状態ではケーシング36の回転規制が解除されているので、ケーシング36は出力軸35と共に回転する。言い換えると、解除状態ではロッククラッチ28が無効化されているので、ユーザーが船外機3を押すと、船外機3はそれに応じて左右方向に回動する。
このように、回り止め機構54は、ケーシング36の回転を規制することによりロッククラッチ28を有効化でき、その一方で、ケーシング36の回転規制を解除することによりロッククラッチ28を無効化できる。したがって、ユーザーは、動力の伝達経路を切断せずに(ステアリングモータ17からステアリングシャフト8までの物理的な接続を切断せずに)、船外機3を手動で操舵することができる。そのため、手動操舵後の調整作業を軽減できる。さらに、ユーザーは、船外機3を直接押すことにより船外機3を左右方向に回動させることができるので、船外機3を容易にかつ短時間で目的の転舵角まで移動させることができる。しかも、回り止め機構54は、ロッククラッチ28自体を回転可能にできればよいので、シンプルな構造を回り止め機構54に適用できる。これにより、回り止め機構54の複雑化を低減できる。
また第1実施形態では、ケーシング36が軸受32によって回転可能に支持されている。そのため、回り止め機構54が解除状態のときに回転力がケーシング36に加わると、ケーシング36は滑らかに回転する。ケーシング36が滑らかに回転しないと、船外機3を手動で操舵するときに、船外機3に加わる抵抗が増加すると共に、船外機3が左右方向に円滑に移動しない場合がある。そのため、ケーシング36を軸受32によって回転可能に支持することにより、船外機3をより小さな力で滑らかに手動で操舵することができる。
また第1実施形態では、ステアリングモータ17およびロッククラッチ28がステアリングハウジング19によって水(海水および淡水を含む)から保護される。さらに、ステアリングハウジング19の外からロッククラッチ28に向かって延びる回り止め調整穴48がステアリングハウジング19に設けられているので、ユーザーは、回り止め調整穴48を通じてステアリングハウジング19の外から回り止め機構54を操作できる。つまり、ユーザーは、ステアリングハウジング19の中に手を入れずに回り止め機構54を操作できる。しかも、回り止め調整穴48を開閉可能なプラグ49が設けられているので、回り止め機構54の操作が不要な際にステアリングハウジング19の密閉性を高めることができる。これにより、ステアリングハウジング19内に配置された部品(ステアリングモータ17等)がより確実に水から保護される。
また第1実施形態では、ステアリングハウジング19に設けられた回り止め調整穴48が、船上から視認可能な位置に配置されている。したがって、ユーザーは、船上で回り止め機構54を操作できる。
また第1実施形態では、ステアリングハウジング19に設けられた回り止め調整穴48が、ケーシング36に対してケーシング36の径方向Drに対向している。言い換えると、回り止め調整穴48の少なくとも一部は、ケーシング36の軸方向Daに関してケーシング36と同じ位置に配置されている。したがって、回り止め調整穴48およびケーシング36が軸方向にずれている場合よりも、回り止め調整穴48とケーシング36との間の距離が減少する。回り止め調整穴48とケーシング36との間の距離が長いと、他の部材が回り止め調整穴48とケーシング36との間に介在し、回り止め調整穴48から回り止め機構54までの経路が複雑化する場合がある。したがって、回り止め調整穴48とケーシング36との間の距離を減少させることにより、回り止め調整穴48から回り止め機構54までの経路の複雑化を抑制できる。
また第1実施形態では、回り止め機構54(摩擦機構)に設けられた押付面57が、ケーシング36の外周面に押し付けられる。ロック状態では、押付面57とケーシング36との間に働く摩擦力によって、ケーシング36の回転が規制される。解除状態では、ケーシング36に対する押付面57の押付力がロック状態のときよりも弱められ、これによって、押付面57とケーシング36との間に働く摩擦力がロック状態のときよりも弱められる。これにより、ケーシング36の回転規制が解除される。
このように、回り止め機構54の状態は、ケーシング36に対する押付面57の押付力が変更されることにより切り替えられる。したがって、回り止め機構54は、動力の伝達経路を切断せずに、ロッククラッチ28を有効化および無効化できる。さらに、ケーシング36の回転が規制される位置であれば、押付面57が押し付けられる位置はケーシング36の任意の位置でよいので、船外機3を手動で操舵した後にロッククラッチ28を再度有効化する際に、ケーシング36を元の位置(船外機3を手動で操舵する前の位置)に戻さなくてもよい。したがって、ロッククラッチ28を再度有効化する際の調整作業を軽減できる。
また第1実施形態では、ケーシング36の外周面に押し付けられる押付面57が、回り止め機構54(摩擦機構)の締め付けバンド59の内面に設けられている。締め付けバンド59の内径は、押付機構58によって変更される。これにより、ケーシング36に対する押付面57の押付力が増減され、回り止め機構54の状態が切り替えられる。押付面57は、ケーシング36を取り囲む環状である。したがって、押付面57とケーシング36との接触面積が広がる。しかも、締め付けバンド59がロック状態でケーシング36の全周を取り囲んでいるので、押付面57とケーシング36との接触面積がさらに増加する。そのため、ケーシング36が締め付けバンド59によって確実に保持される。これにより、回り止め機構54は、ロック状態においてケーシング36の回転をより確実に規制できる。
第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の図7〜図8において、前述の図1〜図6に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図8に示すように、第2実施形態に係る電動ステアリング装置4は、第1実施形態に係る回り止め機構54に代えて、押付面257が設けられた接触部材259をケーシング36の径方向Drにケーシング36に押す回り止め機構254を含む。回り止め機構254は、押付面257が設けられた接触部材259と、接触部材259をケーシング36に向けて押す力を変更する押付機構258とを含む、摩擦機構である。
図7に示すように、接触部材259は、ケーシング36の軸方向Daにおける2つの軸受32の間に配置されている。接触部材259は、クラッチハウジング33内に配置されている。図8に示すように、接触部材259は、平板状である。接触部材259は、ケーシング36の外周面に沿って配置されている。接触部材259は、クラッチハウジング33に設けられた収容凹部275に収容されている。収容凹部275は、クラッチハウジング33の内周面から径方向外方に延びている。接触部材259は、収容凹部275に対してケーシング36の径方向Drに移動可能である。ケーシング36の周方向Dcへの接触部材259の移動は、接触部材259と収容凹部275の内面との接触によって規制される。
図8に示すように、接触部材259の端面は、ケーシング36の外周面に対向している。押付面257は、接触部材259の端面に設けられている。押付面257は、一定の間隔でケーシング36の外周面に対向している。図8に示す例では、ケーシング36の外周面が円筒状であるので、押付面257は、ケーシング36の外周面に沿う断面円弧状に形成されている。一定の間隔でケーシング36の外周面に対向する形状であれば、押付面257の断面は円弧状でなくてもよい。例えばケーシング36の外周面が多角形(例えば八角形)である場合には、押付面257の断面は、直線状であってもよい。
図8に示すように、押付機構258は、ステアリングハウジング19内でロッククラッチ28の周囲に配置されている。押付機構258は、回り止め調整穴48と接触部材259との間に配置されている。押付機構258は、押付面257がケーシング36に押し付けられるロック位置(図7および図8に示す位置)とケーシング36に対する押付面257の押付力がロック位置のときよりも弱まる解除位置との間で移動可能な締め付けボルト64と、締め付けボルト64と接触部材259との間に介在するバネ276とを含む。バネ276は、コイルバネであってもよいし、板ばねであってもよい。
図8に示すように、締め付けボルト64は、クラッチハウジング33をその厚み方向に貫通する雌ネジ穴277に差し込まれている。締め付けボルト64は、ケーシング36の中心線CLに直交する姿勢でクラッチハウジング33に保持されている。締め付けボルト64の頭部65は、クラッチハウジング33の外に配置されており、締め付けボルト64の軸部66は、締め付けボルト64の頭部65と接触部材259との間に配置されている。バネ276は、締め付けボルト64の軸部66と接触部材259とによって挟まれている。回り止め調整穴48は、締め付けボルト64の中心線上に配置されている。締め付けボルト64の頭部65は、回り止め調整穴48の後方に配置されている。締め付けボルト64の頭部65は、回り止め調整穴48に対向している。
図8は、締め付けボルト64がロック位置に位置している状態を示している。この状態では、接触部材259がケーシング36の径方向Drにケーシング36に押し付けられている。そのため、ケーシング36をその周方向に回転させる力がケーシング36に加わったとしても、ケーシング36の回転を妨げる摩擦力が接触部材259とケーシング36との間に発生し、ケーシング36の回転が規制される。さらに、接触部材259は、収容凹部275の内面によってケーシング36の周方向Dcへの移動が規制される。そのため、この状態で逆入力が発生したとしても、船外機3の転舵角が変化しない。
回り止め機構254によるケーシング36の回転規制を解除するときには、ユーザーによってプラグ49が回り止め調整穴48から取り外される。この状態で、工具がユーザーによって回り止め調整穴48に差し込まれ、工具の先端部が、ステアリングハウジング19内で工具取付部73に取り付けられる。その後、締め付けボルト64がその中心線回りに回転される。これにより、締め付けボルト64が径方向外方に徐々に移動し、締め付けボルト64とケーシング36との間の径方向の距離が広がる。したがって、バネ276が接触部材259を径方向内方に押す力が弱まる。そのため、接触部材259によるケーシング36の拘束力が弱まり、ケーシング36が接触部材259に対して回転可能な状態(解除状態)となる。これにより、ロッククラッチ28が無効化される。
回り止め機構254によるケーシング36の回転規制を復帰させるときには、回り止めを解除するときと同様に、締め付けボルト64がユーザーによってその中心線回りに回転される。これにより、締め付けボルト64が徐々にケーシング36に近づき、締め付けボルト64とケーシング36との間の径方向の距離が狭まる。したがって、バネ276が接触部材259を径方向内方に押す力が強まる。そのため、接触部材259によるケーシング36の拘束力が強まり、ステアリングハウジング19に対するケーシング36の回転が規制される。その後、ユーザーによってプラグ49が回り止め調整穴48に取り付けられる。
以上のように第2実施形態では、ケーシング36の外周面に押し付けられる押付面257が、回り止め機構254(摩擦機構)の接触部材259に設けられている。接触部材259をケーシング36に向けて押す力は、押付機構258によって変更される。これにより、ケーシング36に対する押付面257の押付力が増減され、回り止め機構254の状態が切り替えられる。したがって、回り止め機構254は、動力の伝達経路を切断せずに、ロッククラッチ28を有効化および無効化できる。
第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の図9〜図10において、前述の図1〜図8に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図10に示すように、第3実施形態に係る電動ステアリング装置4は、第1実施形態に係る回り止め機構54に代えて、ケーシング36の中心線CLに直交し且つ中心線CLを通る直線に沿って延びるストッパーボルト364によってケーシング36の回転を規制する回り止め機構354を含む。回り止め機構354は、ケーシング36の外周部で径方向内方に凹む複数の回り止め部378と、複数の回り止め部378のいずれかに対向するロック位置(図10に示す位置)と複数の回り止め部378との対向が解除される解除位置(図9に示す位置)との間で移動可能なストッパーボルト364とを含む、ストッパー機構である。
図9に示すように、複数の回り止め部378は、ケーシング36の軸方向Daにおける2つの軸受32の間に配置されている。図10に示すように、複数の回り止め部378は、ケーシング36の外周部に設けられている。複数の回り止め部378は、間隔を空けてケーシング36の周方向Dcに配列されている。各回り止め部378は、ケーシング36の外周面から径方向内方に凹んでいる。各回り止め部378は、ケーシング36の外周面で開口している。各回り止め部378は、ケーシング36の周方向Dcに対向する一対の対向部379を含む。一対の対向部379は、間隔を空けてケーシング36の周方向Dcに対向している。
図10に示すように、ストッパーボルト364は、クラッチハウジング33の雌ネジ穴277に差し込まれている。ストッパーボルト364は、ケーシング36の中心線CLに直交する姿勢でクラッチハウジング33に保持されている。ストッパーボルト364の頭部65は、クラッチハウジング33の外に配置されており、ストッパーボルト364の軸部66は、ストッパーボルト364の頭部65とケーシング36との間に配置されている。回り止め調整穴48は、ストッパーボルト364の中心線上に配置されている。ストッパーボルト364の頭部65は、回り止め調整穴48の後方に配置されている。ストッパーボルト364の頭部65は、回り止め調整穴48に対向している。工具取付部73は、ストッパーボルト364の頭部65に設けられている。
ストッパーボルト364は、ケーシング36およびクラッチハウジング33に対して、ロック位置(図10に示す位置)と解除位置(図9に示す位置)との間で移動可能である。ロック位置は、ストッパーボルト364の一部が複数の回り止め部378のいずれかに収容される位置である。解除位置は、ストッパーボルト364全体が複数の回り止め部378よりも径方向外方に配置される位置である。図10に示す状態では、ストッパーボルト364の軸部66が、一つの回り止め部378に収容されている。そのため、ストッパーボルト364の軸部66は、一対の対向部379の間に配置されており、両方の対向部379にケーシング36の周方向Dcに対向している。ケーシング36の軸方向Daに見ると、一対の対向部379は、ストッパーボルト364に対して互いに反対側に配置されている。
ユーザーが船外機3を左右方向に押したり、航走に伴う水の抵抗が船外機3に加わったりすると、逆入力が発生し、その結果、ケーシング36を右回りまたは左回りに回転させる力がケーシング36に加わる。図10に示す状態(ロック状態)では、ストッパーボルト364の軸部66が周方向における一対の対向部379の間に配置されている。したがって、この状態で右回りの回転力がケーシング36に加わると、一対の対向部379の一方とストッパーボルト364との接触により右回りのケーシング36の回転が規制される。同様に、この状態で左回りの回転力がケーシング36に加わると、一対の対向部379の他方とストッパーボルト364との接触により左回りのケーシング36の回転が規制される。そのため、この状態で逆入力が発生したとしても、船外機3の転舵角が変化しない。
回り止め機構354によるケーシング36の回転規制を解除するときには、ユーザーによってプラグ49が回り止め調整穴48から取り外される。この状態で、工具がユーザーによって回り止め調整穴48に差し込まれ、工具の先端部が、ステアリングハウジング19内で工具取付部73に取り付けられる。その後、ストッパーボルト364がその中心線回りに回転される。これにより、ストッパーボルト364が径方向外方に徐々に移動し、ストッパーボルト364とケーシング36との間の径方向の距離が広がる。したがって、ストッパーボルト364が回り止め部378から外れ、ストッパーボルト364と回り止め部378との対向が解除される。そのため、ケーシング36がステアリングハウジング19に対して回転可能な状態(解除状態)となる。これにより、ロッククラッチ28が無効化される。
回り止め機構354によるケーシング36の回転規制を復帰させるとき、ケーシング36は、複数の回り止め部378のいずれかがケーシング36の径方向Drにストッパーボルト364に対向する位置に配置される。例えばユーザーが船外機3を左右方向に回動させることにより、周方向へのケーシング36の位置が調整される。その後、回り止めを解除するときと同様に、ストッパーボルト364がユーザーによってその中心線回りに回転される。これにより、ストッパーボルト364が徐々にケーシング36に近づき、ストッパーボルト364の軸部66が回り止め部378に差し込まれる。これにより、ステアリングハウジング19に対するケーシング36の回転が規制される。その後、ユーザーによってプラグ49が回り止め調整穴48に取り付けられる。
以上のように第3実施形態では、ロック状態では、ストッパーボルト364が、ロック位置(ストッパーボルト364がケーシング36に接触する位置または接触可能な位置)に配置される。ロック状態のときに回転力がケーシング36に加わったとしても、ケーシング36の回転は、ケーシング36とストッパーボルト364との接触により規制される。また、解除状態では、ストッパーボルト364が、解除位置(ストッパーボルト364がケーシング36に接触できない位置)に配置される。これにより、ケーシング36の回転規制が解除される。このように、回り止め機構354の状態は、ストッパーボルト364の位置が変更されることにより切り替えられる。したがって、回り止め機構354は、動力の伝達経路を切断せずに、ロッククラッチ28を有効化および無効化できる。
さらに、回り止め機構354は、ケーシング36の周方向Dcに配列された複数の回り止め部378を備えている。ストッパーボルト364は、対向する回り止め部378が複数の回り止め部378のいずれであっても、ケーシング36の回転を規制できる。したがって、船外機3を手動で操舵した後にロッククラッチ28を再度有効化する際に、ケーシング36を元の位置(船外機3を手動で操舵する前の位置)に戻さなくてもよい。したがって、ロッククラッチ28を再度有効化する際の調整作業を軽減できる。
第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態について説明する。以下の図11〜図13において、前述の図1〜図10に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図12に示すように、第4実施形態に係る電動ステアリング装置4は、第1実施形態に係る回り止め機構54に代えて、ケーシング36の中心線CLに直交し且つ中心線CLに交わらない直線に沿って延びるストッパーボルト364によってケーシング36の回転を規制する回り止め機構454を含む。回り止め機構454は、ケーシング36の外周部で径方向内方に凹む複数の回り止め部478と、複数の回り止め部478のいずれかに対向するロック位置(図12に示す位置)と複数の回り止め部478との対向が解除される解除位置(図11に示す位置)との間で移動可能なストッパーボルト364とを含む、ストッパー機構である。
図11に示すように、複数の回り止め部478は、ケーシング36の軸方向Daにおける2つの軸受32の間に配置されている。図12および図13に示すように、複数の回り止め部478は、ケーシング36の外周部に設けられている。複数の回り止め部478は、ケーシング36の周方向Dcに配列されている。ケーシング36の中心線CLに直交する複数の回り止め部478の断面は、多角形である。各回り止め部478は、ケーシング36の外周面から径方向内方に凹む溝を形成している。各回り止め部478は、ケーシング36の外周面で開口している。各回り止め部478は、ケーシング36の中心線CLに直交し且つ中心線CLに交わらない直線に沿って延びている。各回り止め部478は、ケーシング36の中心線CLに直交する方向に並んだ一対の対向部479を含む。ケーシング36の回転は、一対の対向部479とストッパーボルト364との接触により規制される。
図12に示すように、ストッパーボルト364は、クラッチハウジング33の雌ネジ穴277に差し込まれている。ストッパーボルト364は、ケーシング36の中心線CLに直交する姿勢でクラッチハウジング33に保持されている。ストッパーボルト364の頭部65は、クラッチハウジング33の外に配置されており、ストッパーボルト364の軸部66は、ケーシング36の上方に配置されている。回り止め調整穴48は、ストッパーボルト364の中心線上に配置されている。ストッパーボルト364の頭部65は、回り止め調整穴48の後方に配置されている。ストッパーボルト364の頭部65は、回り止め調整穴48に対向している。
図12に示すように、ストッパーボルト364は、ケーシング36およびクラッチハウジング33に対して、ロック位置(図12および図13に示す位置)と解除位置(図11に示す位置)との間で移動可能である。ロック位置は、ストッパーボルト364の一部が複数の回り止め部478のいずれかに収容される位置である。解除位置は、ストッパーボルト364全体が複数の回り止め部478よりも径方向外方に配置される位置である。図12に示す状態では、ストッパーボルト364の軸部66が、一つの回り止め部478に収容されている。そのため、ストッパーボルト364の軸部66は、共通の回り止め部478に設けられた両方の対向部479に対向している。ケーシング36の軸方向Daに見ると、一対の対向部479は、ストッパーボルト364に対して互いに同じ側に配置されている。
船外機3を左右方向に回動させる力がステアリングシャフト8を経ずに船外機3に加わると、逆入力が発生し、その結果、ケーシング36を右回りまたは左回りに回転させる力がケーシング36に加わる。図12に示す状態(ロック状態)では、ストッパーボルト364の軸部66が一対の対向部479に上下方向に対向している。したがって、この状態で右回りの回転力がケーシング36に加わると、一対の対向部479の一方とストッパーボルト364との接触により右回りのケーシング36の回転が規制される。同様に、この状態で左回りの回転力がケーシング36に加わると、一対の対向部479の他方とストッパーボルト364との接触により左回りのケーシング36の回転が規制される。そのため、この状態で逆入力が発生したとしても、船外機3の転舵角が変化しない。
回り止め機構454によるケーシング36の回転規制を解除するときには、ユーザーによってプラグ49が回り止め調整穴48から取り外される。この状態で、工具がユーザーによって回り止め調整穴48に差し込まれ、工具の先端部が、ステアリングハウジング19内で工具取付部73に取り付けられる。その後、ストッパーボルト364がその中心線回りに回転される。これにより、ストッパーボルト364が径方向外方に徐々に移動する。したがって、ストッパーボルト364が回り止め部478から外れ、ストッパーボルト364と回り止め部478との対向が解除される。そのため、ケーシング36がステアリングハウジング19に対して回転可能な状態(解除状態)となる。これにより、ロッククラッチ28が無効化される。
回り止め機構454によるケーシング36の回転規制を復帰させるとき、ケーシング36は、複数の回り止め部478のいずれかが、ストッパーボルト364および雌ネジ穴277の中心線に沿って延びる位置に配置される。例えばユーザーが船外機3を左右方向に回動させることにより、周方向へのケーシング36の位置が調整される。その後、回り止めを解除するときと同様に、ストッパーボルト364がユーザーによってその中心線回りに回転される。これにより、ストッパーボルト364が徐々にケーシング36に近づき、ストッパーボルト364の軸部66が回り止め部478に差し込まれる。これにより、ステアリングハウジング19に対するケーシング36の回転が規制される。その後、ユーザーによってプラグ49が回り止め調整穴48に取り付けられる。
以上のように第4実施形態では、ストッパー部材としてのストッパーボルト364が、回り止め機構454(ストッパー機構)に設けられている。ロック状態では、ストッパーボルト364が、ロック位置(ストッパーボルト364がケーシング36に接触する位置または接触可能な位置)に配置される。したがって、ロック状態のときに回転力がケーシング36に加わったとしても、ケーシング36の回転は、ケーシング36とストッパーボルト364との接触により規制される。また、解除状態では、ストッパーボルト364が、解除位置(ストッパーボルト364がケーシング36に接触できない位置)に配置される。これにより、ケーシング36の回転規制が解除される。このように、回り止め機構454の状態は、ストッパーボルト364の位置が変更されることにより切り替えられる。さらに、複数の回り止め部478がケーシング36の周方向Dcに配列されているので、ロッククラッチ28を再度有効化する際の調整作業を軽減できる。
他の実施形態
本発明の第1〜第4実施形態の説明は以上であるが、本発明は、第1〜第4実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、前述の第1〜第4実施形態では、プラグ49が、締め付けボルト64およびストッパーボルト364とは独立して移動可能である場合について説明した。しかし、プラグ49および締め付けボルト64が一体的に回転するように構成されていてもよい。すなわち、図14に示すように、プラグ49および締め付けボルト64を兼ねる操作部材564が、電動ステアリング装置4に設けられていてもよい。同様に、プラグ49およびストッパーボルト364を兼ねる操作部材が、電動ステアリング装置4に設けられていてもよい。操作部材564は、図14に示す一体の部材であってもよいし、互いに連結された複数の部材であってもよい。
操作部材564が設けられている場合、操作部材564がユーザーに操作されることにより、回り止め機構54がロック状態と解除状態との間で切り替わる。図14に示すように、操作部材564の一部は、ステアリングハウジング19の外面で開口する回り止め調整穴48内に配置されている。したがって、ユーザーは、回り止め調整穴48から操作部材564を取り外さずに、操作部材564を操作できる。さらに、ユーザーは、工具の一部を回り止め調整穴48を通じてステアリングハウジング19の中に差し込まなくてもよいので、回り止め機構54をより簡単に操作できる。
また、前述の第1〜第4実施形態では、ケーシング36が軸受32を介してクラッチハウジング33に支持されている場合について説明した。しかし、ケーシング36は、クラッチハウジング33に直接支持されていてもよい。つまり、軸受32が省略されてもよい。
また、前述の第1〜第4実施形態では、プラグ49によって塞がれた回り止め調整穴48が、ステアリングハウジング19の前壁23に設けられており、船上から視認可能な位置に配置されている場合について説明した。しかし、回り止め調整穴48は、前壁23以外のステアリングハウジング19の一部に設けられていてもよいし、船上から視認可能でなくてもよい。また、回り止め調整穴48およびプラグ49が省略されてもよい。この場合、回り止め機構54の操作は、サイドカバー21およびアッパーカバー22の少なくとも一方が取り外された状態で行われてもよい。
また、前述の第1〜第4実施形態では、回り止め調整穴48とケーシング36とが、ケーシング36の径方向Drに対向している場合について説明した。しかし、回り止め調整穴48とケーシング36とは、径方向に対向していなくてもよい。例えば、回り止め調整穴48の全体が、ケーシング36の軸方向Daに関してケーシング36とは異なる位置に配置されていてもよい。
また、前述の第1〜第4実施形態では、Oリング53が、プラグ49のシール保持部52に保持されている場合について説明した。しかし、Oリング53を収容する環状の溝が、プラグ部51の外周部に設けられていてもよい。この場合、シール保持部52は省略されてもよい。また、Oリング53は、プラグ49に限らず、回り止め調整穴48内でステアリングハウジング19に保持されていてもよい。
また、前述の第1〜第4実施形態では、締め付けボルト64およびストッパーボルト364がユーザーによって直接操作される場合について説明した。しかし、締め付けボルト64を回転させる電動アクチュエータが設けられてもよい。同様に、ストッパーボルト364を回転させる電動アクチュエータが設けられてもよい。つまり、締め付けボルト64およびストッパーボルト364は、ユーザーの指示に従って自動で操作されてもよい。
また、前述の第1実施形態では、締め付けバンド59が樹脂やゴムなどの弾性材料によって形成されている場合について説明した。しかし、締め付けバンド59は、樹脂およびゴム以外の材料で形成されてもよい。
また、前述の第1実施形態では、ワッシャー68および止め輪69が締め付けボルト64に取り付けられている場合について説明した。しかし、ワッシャー68および止め輪69の一方または両方が省略されてもよい。
また、前述の第2実施形態では、接触部材259が、バネ276を介して締め付けボルト64に押される場合について説明した。しかし、締め付けボルト64の軸部66が接触部材259に接触し、接触部材259が締め付けボルト64によって直接押されてもよい。つまり、締め付けボルト64と接触部材259との間に介在するバネ276が省略されてもよい。
また、前述の第3〜第4実施形態では、複数の回り止め部378が、ケーシング36に設けられている場合について説明した。しかし、ケーシング36に設けられる回り止め部378の数は、1つであってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
3 :船外機
4 :電動ステアリング装置
7 :スイベルブラケット
8 :ステアリングシャフト
17 :ステアリングモータ
19 :ステアリングハウジング
23 :前壁
24 :側壁
28 :ロッククラッチ
32 :軸受
33 :クラッチハウジング
34 :入力軸
35 :出力軸
36 :ケーシング
48 :回り止め調整穴
49 :プラグ
54 :回り止め機構
57 :押付面
58 :押付機構
59 :締め付けバンド
64 :締め付けボルト
254 :回り止め機構
257 :押付面
258 :押付機構
259 :接触部材
276 :バネ
354 :回り止め機構
364 :ストッパーボルト
378 :回り止め部
379 :対向部
454 :回り止め機構
478 :回り止め部
479 :対向部
564 :操作部材

Claims (13)

  1. 船外機に連結されるステアリングシャフトを回動させる動力を発生するステアリングモータと、
    前記ステアリングモータからの回転が伝達される入力軸と、前記入力軸に伝達された回転を前記ステアリングシャフト側に伝達する出力軸と、前記入力軸および出力軸を回転可能に保持するケーシングとを含み、前記ステアリングモータ側から動力が伝達される正入力のときに前記入力軸から前記出力軸に動力を伝達し、前記ステアリングシャフト側から動力が伝達される逆入力のときに前記出力軸から前記ケーシングに動力を伝達して前記出力軸から前記入力軸への動力の伝達を遮断するロッククラッチと、
    前記ケーシングの回転を規制するロック状態と、前記ケーシングの回転規制を解除する解除状態とに切り替え可能な回り止め機構とを含む、船舶推進機用の電動ステアリング装置。
  2. 前記ケーシングを回転可能に支持する軸受をさらに含む、請求項1に記載の船舶推進機用の電動ステアリング装置。
  3. 前記ステアリングモータおよびロッククラッチを収容しており、前記電動ステアリング装置の外から前記ロッククラッチに向かって延びる回り止め調整穴が設けられたステアリングハウジングと、
    前記回り止め調整穴を塞ぐ閉位置と、前記回り止め調整穴を開く開位置との間で移動可能なプラグとをさらに含む、請求項1または2に記載の船舶推進機用の電動ステアリング装置。
  4. 前記電動ステアリング装置は、前記ステアリングモータおよびロッククラッチを収容しており、前記電動ステアリング装置の外から前記ロッククラッチに向かって延びる回り止め調整穴が設けられたステアリングハウジングをさらに含み、
    前記回り止め機構は、前記回り止め調整穴を塞ぐと共に、前記回り止め機構をロック状態と解除状態との間で切り替えるときに操作される操作部材を含む、請求項1または2に記載の船舶推進機用の電動ステアリング装置。
  5. 前記回り止め調整穴は、前記ステアリングハウジングの前壁に設けられており、船上から視認可能な位置に配置される、請求項3または4に記載の船舶推進機用の電動ステアリング装置。
  6. 前記回り止め調整穴は、前記回り止め調整穴と前記ケーシングとが前記ケーシングの径方向に対向する位置に配置されている、請求項3〜5のいずれか一項に記載の船舶推進機用の電動ステアリング装置。
  7. 前記回り止め機構は、前記ケーシングに押し付けられる押付面と前記ケーシングとの間に働く摩擦力によって、前記ケーシングの回転を規制するロック状態と、前記ケーシングに対する前記押付面の押付力を前記ロック状態のときよりも弱めることにより、前記ケーシングの回転規制を解除する解除状態とに切り替え可能な摩擦機構を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の船舶推進機用の電動ステアリング装置。
  8. 前記摩擦機構は、前記ケーシングを取り囲む環状の前記押付面が内面に設けられた締め付けバンドと、前記締め付けバンドの内径を変更することにより、前記ケーシングに対する前記押付面の押付力を調整する押付機構とを含む、請求項7に記載の船舶推進機用の電動ステアリング装置。
  9. 前記締め付けバンドは、前記ケーシングの全周を取り囲んでいる、請求項8に記載の船舶推進機用の電動ステアリング装置。
  10. 前記摩擦機構は、前記押付面が設けられた接触部材と、前記接触部材を前記ケーシングに向けて押す力を変更することにより、前記ケーシングに対する前記押付面の押付力を調整する押付機構とを含む、請求項7に記載の船舶推進機用の電動ステアリング装置。
  11. 前記回り止め機構は、前記ケーシングとストッパー部材との接触によって、前記ケーシングの回転を規制するロック状態と、前記ケーシングと前記ストッパー部材との接触を解除することにより、前記ケーシングの回転規制を解除する解除状態とに切り替え可能なストッパー機構を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の船舶推進機用の電動ステアリング装置。
  12. 前記ストッパー機構は、前記ケーシングに設けられており前記ケーシングの周方向に配列された複数の回り止め部と、前記複数の回り止め部のいずれかに対向するロック位置と前記複数の回り止め部との対向が解除される解除位置との間で移動可能なストッパー部材とを含み、前記複数の回り止め部のいずれかと前記ストッパー部材との接触により、前記ケーシングの回転を規制する、請求項11に記載の船舶推進機用の電動ステアリング装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の電動ステアリング装置と、
    前記電動ステアリング装置によって中心線まわりに回動されるステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトと共に前記ステアリングシャフトの中心線まわりに回動する船外機とを含む、船舶推進機。
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