JP2015070125A - コンデンサ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】扁平率0.6以上とされるコンデンサ素子につき、内部の金属化フィルム巻回体でス(鬆)、しわ・歪の発生を防止し、扁平成形性阻害、耐圧特性低下、リプル電流時の作動音の問題を解消する。
【解決手段】金属化フィルム3を巻回して構成された金属化フィルム巻回体4の外周部にさらに外装フィルム5を巻回し熱溶着によって巻回固定して複合フィルム巻回体6が構成される。複合フィルム巻回体6をプレスして扁平柱状体9が構成され、その軸方向両端に金属電極10が形成される。体積効率アップの観点から扁平率0.6以上とされるコンデンサ素子において、外装フィルム5の巻回固定は自己重なり部分での熱溶着であって周方向で分散配置された複数箇所で行われ、かつ、複合フィルム巻回体6の外周全面積において熱溶着領域の合計面積が占める面積割合を30パーセント以下に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属化フィルムコンデンサを作製する上で素材となるコンデンサ素子であって、一定以上の体積効率を得るために扁平率を0.6以上とすべきコンデンサ素子にかかわり、扁平成形性、耐圧特性の向上を図るとともに交流印加時の作動音(鳴き)を抑制するための技術に関する。
産機用、車両用等の金属化フィルムコンデンサの素材であるコンデンサ素子は概略次のような工程を経て作製される。すなわち、誘電体フィルムと金属蒸着電極からなる金属化フィルムを巻回して円筒状の金属化フィルム巻回体を構成する。次に、この金属化フィルム巻回体に対してさらにその外周部に外装フィルムを巻回し、熱溶着(ヒートシール)によって巻回固定して複合フィルム巻回体を得る。次に、この複合フィルム巻回体を直径方向にプレスして小判形の扁平柱状体とする。次に、この扁平柱状体の軸方向両端に金属微粒子の溶射による金属電極を形成してコンデンサ素子を得る。ここで、金属化フィルム巻回体に対して外装フィルムを巻回するのは、コンデンサ素子の絶縁保護と水分浸入防止のためである。また、熱溶着によって外装フィルムを巻回固定するのは、巻き緩み防止のためである。
従来、外装フィルムの巻回固定については、外装フィルムの外周面全体にわたる熱溶着とするのが一般的であった。それは次の理由による。扁平柱状体の軸方向両端に金属微粒子を溶射して金属電極を形成するが、このとき溶射した金属微粒子が各フィルム層間(誘電体フィルム−外装フィルム間、外装フィルムの巻回フィルムどうし間)に侵入すると絶縁劣化、短絡不良などのトラブルの原因となる。このような不都合を回避するために、従来では各フィルム層間に隙間(エアギャップ)が生じないようにフィルムの重なり部分どうしを強力に密着させるべく、上記のように外装フィルムの巻回固定において外装フィルムの外周面全体にわたる熱溶着としていた。全外周にわたる熱溶着とすると、外装フィルムの熱収縮によりフィルムの重なり部分どうしが強力に密着され、各フィルム層間の隙間発生が防止され、各フィルム層間への金属微粒子の侵入が確実に防止され、もってコンデンサの絶縁劣化、短絡不良などのトラブルを回避することができる。
特開2007−81007号公報 特開平7−161573号公報 特開2003−59753号公報 特開2007−220720号公報
近時、省スペースの観点からコンデンサ素子の扁平率アップに対する強い要請がある。扁平率の高低は体積効率に影響する。デッドスペースをなるべく少なくして体積効率を上げることはコンデンサの大容量化と小型薄型化にとって重要である(例えば特許文献1(特開2007−81007号公報)参照)。
しかし、外装フィルムの熱溶着による巻回固定を外周面全体に対して行うと、金属化フィルム巻回体と外装フィルムからなる複合フィルム巻回体を扁平化成形する際に、フィルムの重なり部分どうしの相対的な滑りがスムーズに行われにくくなり、コンデンサ素子の扁平成形性に悪影響が出るようになった。扁平率が0.6未満のコンデンサ素子を作製するときは、比較的容易に良好な扁平成形性を確保できるのであるが、近時の強い要請のある扁平率0.6以上のコンデンサ素子の作製においては、良好な扁平成形性を確保するのが非常にむずかしいものとなっている。
すなわち、外装フィルムの熱溶着による巻回固定を外周面全体に対して行っていると、熱溶着による加温にてコンデンサ素子が熱収縮する際に、外装フィルムに過度な熱収縮を引き起こす。過度な熱収縮は誘電体フィルムの外装付近を拘束するため、コンデンサ素子の扁平成形性に劣化が生じやすくなる。そして劣化が生じると、コンデンサ素子の内部にス(鬆)、しわ・歪などの問題が発生するようになる。
この点を図9を用いて説明する。図9はコンデンサ素子における扁平柱状体9の正面図である。プレスによるコンデンサ素子の扁平化の際あるいは扁平化後に、外装フィルム5が過度な熱収縮を引き起こすと、外装フィルム5の内側にあってコンデンサ素子の大部分をなす中間部の金属化フィルム巻回体6の部分において、小さな空洞であるス(鬆)11が発生し、金属化フィルム巻回体6の巻回各層にしわ・歪12が生じたり、あるいは扁平化された先巻フィルムによる薄肉扁平巻芯部2aに屈折・屈曲13が発生し、扁平成形性が阻害される。そして、このように扁平成形性が阻害されると、コンデンサの耐圧特性が低下(電圧印加時に静電容量が変化)してしまう。また、交流電圧印加時(特に高周波時)にリプル電流(脈流)の発生によりコンデンサ自体に振動を生じ、“鳴き”と称する作動音(うなり)が増大するという問題がある。これらの問題は、体積効率向上のためにコンデンサ素子の扁平率が大きくなるにつれて次第に厳しいものとなる。扁平率が高くなるほどフィルム重なり部分の相対滑りに抵抗が増大し、扁平成形性に支障が出やすいからである。
特許文献2(特開平7−161573号公報)には、線膨張係数および熱収縮率が金属化フィルムよりも大きい外装フィルムを用いる金属化フィルムコンデンサについて記載されている。これによれば、熱エージング工程の昇温時には、外装フィルムの線膨張係数が金属化フィルムより大きいことから外装フィルムが金属化フィルムを締め付け、金属化フィルムの外周部の巻き緩みを抑える。温度を常温に戻す工程では、外装フィルムの熱収縮率が金属化フィルムより大きいために外周のエアーギャップを抑え込み、静電容量の減少を少なくする、としている(段落[0009]、[0010]参照)。
しかし、特許文献2においては線膨張係数と熱収縮率についての言及はあるものの、扁平率との相互関係および複合フィルム巻回体の外周全面積に対する外装フィルムの熱溶着領域面積割合については、何も言及していない。
特許文献3(特開2003−59753号公報)には、フィルム巻回体を加圧成形する際にその巻回終端部表面に凹凸のある巻止溶着部を形成した金属化フィルムコンデンサについて記載されている。これによれば、凹部でのフィルムどうしの密着力が強くなり、巻回終端部の熱接着力のばらつきを吸収できる、としている(段落[0006]、[0007]参照)。
しかし、前述した外装フィルムでの熱溶着領域面積割合と扁平率との相互関係については、何も言及していない。
特許文献1(特開2007−81007号公報)には、小判形コンデンサ素子の長径をa、短径をbとして、a/b=3以上(扁平率0.67以下)でa=60mm以上、かつ、巻芯として誘電体フィルム厚の3〜10倍厚のポリプロピレンフィルムを5〜10ターン巻回し、巻芯からコンデンサ素子の外周面までの寸法を14mm以下とした金属化フィルムコンデンサについて記載されている。副次的には、巻芯の終端の少なくとも一部をヒートシールにより溶着するとともに、ヒートシール部に複数の凹部を設けることが開示されている。これによれば、コンデンサ素子の扁平率を大きくしても、巻芯の強度を最適な値に設定するため、大容量で小型薄型化を図って体積効率を向上させ、信頼性に優れたものを実現できる、としている(段落[0013]、[0014]参照)。
しかし、上記はコンデンサ素子における外装フィルムについてではなく、中心部にある巻芯についての改善であって、前述した外装フィルムでの熱溶着領域面積割合と扁平率との相互関係については、何も言及していない。
特許文献4(特開2007−220720号公報(特許第4733533号公報))には、金属化フィルムを重ね巻回し、巻き止めとしてヒートシールを行い、コンデンサ素子をプレスして曲線部分と平坦部分に扁平化した金属化フィルムコンデンサにおいて、フィルムの巻き止め部の位置をプレス面を避けた曲線部分に設定した構成について記載されている。これによれば、ヒートシールヘッドによる凹凸の跡があるフィルムの巻き止め端部を曲線部分に位置決めするもので、フィルムの巻き止め端部をプレス面から外す状態で素子を扁平化できる。したがって、内部の積層体にヒートシールヘッドの凹凸部が波及せず、積層体に歪やしわが発生するのを防止でき、うなり音増加や耐圧特性低下を回避できる、としている(段落[0005]、[0006]参照)。
しかし、これは外装フィルムの肉厚内だけでの歪・しわ発生の抑制にかかわるものであるに過ぎず、コンデンサ素子の大部分をなす中間部の金属化フィルム巻回体での歪・しわ発生の抑制を課題とするものではない。
本発明はこのような事情に鑑みて創作したものであり、体積効率アップの観点から扁平率が0.6以上とされるコンデンサ素子を対象として、扁平成形性阻害、耐圧特性低下、リプル電流時の作動音の問題に対処すべく、外装フィルムに覆われてコンデンサ素子の内部に巻回状態で存在する金属化フィルム巻回体の部分において、ス(鬆)、しわ・歪が発生しないようにすることを目的としている。
本発明は、次の手段を講じることにより上記の課題を解決する。
本発明によるコンデンサ素子は、金属化フィルム巻回体の外周部にさらに外装フィルムを巻回し熱溶着によって巻回固定して複合フィルム巻回体が構成され、この複合フィルム巻回体に対する加圧成形によって扁平柱状体が構成され、この扁平柱状体の軸方向両端に金属電極が形成され、扁平率が0.6以上とされるコンデンサ素子において、さらに次のように構成したものである。すなわち、前記複合フィルム巻回体における外装フィルムの巻回固定は、自己の重なり部分どうしの熱溶着であって周方向で分散配置された複数箇所での熱溶着によって行われ、かつ、前記複合フィルム巻回体の外周全面積において前記複数箇所の熱溶着領域の合計面積が占める面積割合が30パーセント以下に設定されていることを特徴としている。
本発明のコンデンサ素子においては、複合フィルム巻回体における外装フィルムの巻回固定を自己の重なり部分どうしの熱溶着とするものであるが、大前提として扁平率が0.6以上であることが規定されている。その上で、外装フィルムの巻回固定は、周方向で分散配置された複数箇所での熱溶着とし、さらに、その複数箇所の熱溶着領域の合計面積が複合フィルム巻回体の外周全面積において占める面積割合を30パーセント以下に設定したものとなっている。
すなわち、外装フィルムの熱溶着箇所を複数に分け、かつ熱溶着領域合計面積を全体の30パーセント以下としたので、複合フィルム巻回体を扁平化成形する際のフィルムの重なり部分どうしの相対的な滑りが金属化フィルム巻回体の全領域においてスムーズなものとなる。
熱溶着箇所は外装フィルムが熱収縮するときの抵抗作用の起点となる。この熱収縮に対する抵抗作用起点が周方向でただ1箇所の熱溶着箇所のみであれば、対熱収縮抵抗作用がその1箇所の熱溶着箇所の近傍に集中してしまい、抵抗係数(単位周長当りの摩擦力)が過大かつ周方向で不均等なものとなってしまう。また、複数熱溶着領域の合計の面積割合が30パーセントを超えるときにも抵抗係数が過大となってしまう。その結果、複合フィルム巻回体を扁平化成形する際にフィルムの重なり部分どうし間のスムーズな相対滑りが妨げられることとなる。
これに対して、本発明のように熱溶着箇所を複数箇所に分散配置し、さらに複数熱溶着領域の合計の面積割合を30パーセント以下に設定した場合には、扁平率を0.6以上とすべきコンデンサ素子において、複合フィルム巻回体を扁平化成形する際のフィルムの重なり部分どうし間の相対滑りがスムーズなものとなり扁平成形性が良好なものとなる。結果、外装フィルムに覆われてコンデンサ素子の内部に巻回状態で存在する金属化フィルム巻回体の全領域において、ス(鬆)、しわ・歪の発生が抑制されることになる。
外装フィルムでの熱溶着領域合計面積の面積割合を30パーセント以下とするのは実験結果に基づくものであり、面積割合が30パーセントを超えた場合には、ス(鬆)、しわ・歪の発生、耐圧特性の劣化や静電容量の低下が認められたことを背景にしている。
なお、扁平率(flattening)については、扁平率をf、長径方向の寸法をa、短径方向の寸法をbとして、f=(a−b)/a=1−(b/a)で表される(a,bは図1参照)。
本発明によれば、体積効率アップの観点から扁平率を0.6以上とすべきコンデンサ素子について、熱溶着箇所を複数箇所に分散配置し、さらに複数熱溶着領域の合計の面積割合を30パーセント以下に設定したので、複合フィルム巻回体を扁平化成形する際のフィルムの重なり部分どうしの相対的な滑りが金属化フィルム巻回体の全領域においてスムーズなものとなる。その結果、コンデンサ素子の扁平成形性が改善され、コンデンサ素子内部の金属化フィルム巻回体の部分でス(鬆)、しわ・歪が発生することを確実に防止でき、併せて耐圧特性を向上させ、静電容量の低下を防止し、さらに、リプル電流時の作動音の発生を防止することができる。
本発明の実施例のコンデンサ素子における扁平柱状体の正面図(a)と薄肉扁平巻芯部の正面図(b) 本発明の実施例のコンデンサ素子の斜視図 本発明の実施例のコンデンサ素子の製造過程を示す正面図 本発明の実施例のコンデンサ素子の製造過程を示す正面図(図3の過程の続き) 本発明の実施例のコンデンサ素子について扁平成形性の良否判定の実験結果を表す図表 本発明の実施例のコンデンサ素子について耐圧特性の良否判定の実験結果を表す図表 本発明の実施例のコンデンサ素子について熱溶着箇所の個数と位置のバリエーションを示す概略正面図 特許文献3に図示されているコンデンサ素子を評価した結果を表す図表 従来技術において課題となっているス(鬆)、しわ・歪、薄肉扁平巻芯部の折れ曲りを指摘するためのコンデンサ素子における扁平柱状体の正面図
上記構成の本発明のコンデンサ素子には、次のようないくつかの好ましい態様がある。
前記の複数の熱溶着箇所については、前記扁平柱状体の周方向において等間隔を隔てて均等に配置されているものが好ましい。外装フィルムが熱収縮するときの抵抗作用の起点となる熱溶着箇所が周方向で均等配置されていれば、対熱収縮抵抗作用も各区画(起点と起点との間の領域)で均等化される。その結果、複合フィルム巻回体を扁平化成形する際のフィルムの重なり部分どうしの相対滑りが金属化フィルム巻回体の全領域においてスムーズなものとなる。したがって、金属化フィルム巻回体の全領域におけるス(鬆)、しわ・歪に対する抑制効果が充分なものとなる。
また前記の複数の熱溶着箇所については、前記扁平柱状体の中心軸に関して互いに軸対称の位置に配置されているものが好ましい。複数の熱溶着箇所を軸対称に配置することにより、非対称な配置の場合(1箇所のみの配置も含む)に比べて扁平成形性をより精度の高いものにすることが可能となる。扁平柱状体自体が軸対称な形状をしているので、複数の熱溶着箇所についても軸対称とするのが合理的である。
また前記の軸対称な複数の熱溶着箇所については、前記扁平柱状体の長径方向に沿った平坦面部において、その長径方向の中央位置の2箇所とするのは好ましい1つの態様である。
また前記の軸対称な複数の熱溶着箇所については、前記扁平柱状体の長径方向両端部の円弧状曲面部において、その円弧方向の中央位置の2箇所とするのは好ましい1つの態様である。
また前記の軸対称な複数の熱溶着箇所については、前記扁平柱状体の長径方向に沿った平坦面部において、その長径方向の中央位置の2箇所と、前記扁平柱状体の長径方向両端部の円弧状曲面部において、その円弧方向の中央位置の2箇所との合計4箇所とするのは好ましい1つの態様である。
また前記の扁平柱状体については、前記金属化フィルム巻回体の内部中央において、その中心軸を通って前記長径方向に延在する薄肉扁平巻芯部を有するものが好ましい。〔発明が解決しようとする課題〕の項で説明したように薄肉扁平巻芯部が屈折・屈曲を生じることも扁平成形性劣化の原因の一つである。そのような扁平成形される薄肉巻芯部を内在する複合フィルム巻回体に本発明を適用することは大いに意義のあることである。
以下、本発明にかかわるコンデンサ素子の実施例を図面を参照して説明する。図1(a)は扁平柱状体9の正面図、図1(b)は薄肉扁平巻芯部2aの正面図、図2はコンデンサ素子Aの斜視図、図3(a),(b),(c)および図4(a),(b),(c)はコンデンサ素子Aの製造過程を示す正面図である。これらの図において、1は先巻用フィルム、2は巻芯、2aは薄肉扁平巻芯部、3は金属化フィルム、4は金属化フィルム巻回体、5は外装フィルム、6は複合フィルム巻回体、7は熱溶着箇所、8はシールヒータ、9は扁平柱状体、9aは扁平柱状体9における長径方向に沿った平坦面部、9bは扁平柱状体9の幅方向両側の円弧状曲面部、10は金属電極、Aはコンデンサ素子である。
図1および図2に示す薄肉扁平巻芯部2aは元は図3(a)に示す円筒状の巻芯2であったものが図4(a),(b),(c)の過程で扁平化されたものであり、図1(b)に示すようにプラスチックフィルムの重ね巻きの薄肉な扁平体とされたものである。図3(b)に示す金属化フィルム3は誘電体フィルムの片面または両面に金属蒸着電極を形成したもので、これが巻芯2の外周部で多重に巻回されて金属化フィルム巻回体4が構成されている。図1、図2に示す金属化フィルム巻回体4は細長小判状の扁平体に成形されているが、元は図3(b),(c)に示すように、円筒状の巻芯2の外周部に金属化フィルム3を多重に巻回したもので、図4(a),(b),(c)の過程で扁平化されたものである。外装フィルム5は金属化フィルム巻回体4の外周部に多重に巻回されたもので、図1、図2の状態では細長小判状の扁平体をなしている。巻芯2(薄肉扁平巻芯部2a)とその外周の金属化フィルム巻回体4とさらにその外周の外装フィルム5とで複合フィルム巻回体6が構成されている。複合フィルム巻回体6においては、図3(c)の過程でシールヒータ8によって外装フィルム5の巻き終わりの複数箇所が熱溶着されている。この熱溶着は外装フィルム5をそれ自身の重なり部分どうしで巻回固定するものである。図1および図2ではその熱溶着箇所7は2つあり、細長小判状の複合フィルム巻回体6すなわち扁平柱状体9の周方向で分散配置されている。詳しくは、2つの熱溶着箇所7,7は扁平柱状体9の周方向において等間隔を隔てて均等に配置されている。あるいは、2つの熱溶着箇所7,7は扁平柱状体9の中心軸に関して互いに軸対称の位置に配置されている。細長小判状の扁平柱状体9は、上下方向で対向する長径方向に沿った平坦面部9a,9aと幅方向両側の2つの円弧状曲面部9b,9bからなるが、軸対称な2つの熱溶着箇所7,7は扁平柱状体9の上下方向で対向する長径方向に沿った平坦面部9a,9aにおいて、その長径方向の中央位置の2箇所となっている。つまり、本実施例では2つの熱溶着箇所7,7は、周方向で分散配置され、周方向において等間隔を隔てて均等に配置され、扁平柱状体9の中心軸に関して互いに軸対称の位置に配置され、扁平柱状体9の上下の平坦面部9a,9aの中央位置に配置されている。
細長小判状の扁平柱状体9は図4(a),(b),(c)の過程で複合フィルム巻回体6に対するプレスによって扁平加工されたものである。この扁平加工の際には、それに先立って図3(c)に示すように、シールヒータ8によって周方向の2箇所7,7で熱溶着があらかじめ施されている。この扁平柱状体9は、その扁平率が0.6以上となる条件下で扁平加工されるのであるが、その条件に適合するように、2つの熱溶着箇所7,7での熱溶着領域の合計面積が複合フィルム巻回体6の外周全面積において占める面積割合を30パーセント以下に設定している。それゆえに、図4(a),(b),(c)の過程を経て細長小判状に扁平加工された扁平柱状体9は、扁平化が進行するにつれて、金属化フィルム巻回体4の内部におけるフィルム重なり部分の相対滑りがスムーズなものとなり、その内部の金属化フィルム巻回体4の部分にス(鬆)、しわ・歪や薄肉扁平巻芯部2aの屈折・屈曲などの不具合が発生しないのである。
以上のようにして高度に良好な扁平成形性のもとに得られた細長小判状の扁平柱状体9は、図2に示すように、その軸方向両端に金属電極10が形成され、これをもって扁平成形性に優れ、高い耐電圧性能をもち、電圧印加時に静電容量の変化がなく、リプル電流時の作動音の発生も抑制されたコンデンサ素子Aが得られる。
次に、図3および図4を用いて製造の過程を説明する。図3(a)〜(c)と図4(a)〜(c)は製造過程の一連の流れを示す。
図3(a)に示すように、厚みが6〜25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムなどの先巻用フィルム1を多重に巻回することにより、薄肉円筒状の巻芯2を作製する。次に、図3(b)に示すように、巻芯2の外周に対して厚みが1〜10μmの金属化フィルム3を多重に巻回することにより、厚肉円筒状の金属化フィルム巻回体4を作製する。金属化フィルム3はポリプロピレンフィルムなどの誘電体フィルムの少なくとも片面に金属蒸着電極を形成したものである。金属化フィルム巻回体4はコンデンサ素子Aの主部を形成する。
次に、図3(c)に示すように、金属化フィルム巻回体4に対して厚みが10〜25μmの後巻用フィルムであるポリプロピレンフィルムなどの外装フィルム5を多重に巻回することにより、厚肉円筒状の複合フィルム巻回体6を作製する。外装フィルム5はコンデンサ素子Aの絶縁保護機能を有する。複合フィルム巻回体6は巻芯2と金属化フィルム巻回体4と外装フィルム5との複合体である。
複合フィルム巻回体6において、その外装フィルム5は巻き終わり近くでの巻き止めとして熱溶着(ヒートシール)を行う。その熱溶着は外装フィルム5の周方向において均等に分散配置された複数箇所で行われている。図示例の場合は周方向の2箇所すなわち直径方向で対向する2箇所に熱溶着箇所7,7が定められている(図4参照)。この熱溶着は図3(c)に示すように、高温化したシールヒータ8の先端部を回転巻回中の外装フィルム5に突き当てることにより行う。図示例の場合は、一度シールヒータ8を突き当てて1回目の熱溶着を行い、シールヒータ8を退避し、複合フィルム巻回体6が半周回転したタイミングで再びシールヒータ8を突き当てて2回目の熱溶着を行い、再度シールヒータ8を退避させる。この熱溶着については、外装フィルム5の巻回固定を外装フィルム5自身の重なり部分どうしの熱溶着とする。なお、熱溶着箇所7の数は任意に設定可能であり、その数に応じてシールヒータ8の作動タイミングや周期(回数)、突き当て時間を調整する。
この熱溶着において、複数箇所(図示例では2箇所)の熱溶着領域の合計面積Saが複合フィルム巻回体6の外周全面積Soにおいて占める面積割合αを30パーセント以下に設定している。すなわち、
α=(Sa/So)×100≦30[パーセント]
である。複数の熱溶着箇所7それぞれの熱溶着領域面積は互いに等しくするのが好ましい。
複合フィルム巻回体6において、その外装フィルム5の周方向複数箇所(図示例の場合は2箇所)で巻き止めが行われている。これを図4(a)に示す。それら2箇所の熱溶着箇所7,7は複合フィルム巻回体6の周方向において等間隔を隔てて均等配置となっている。換言すれば、厚肉円筒状の複合フィルム巻回体6の中心軸に関して互いに軸対称の位置に配置されている。
次に、図4(a),(b),(c)に示すように、プレス加工により複合フィルム巻回体6に対して直径方向両側から中心軸の方向に向かう押圧力F1,F2を加え、複合フィルム巻回体6を扁平成形する。このとき、2箇所の熱溶着箇所7,7が押圧力F1,F2の作用点となるようにプレス(加圧成形)することが望ましい。プレスにおいては、平行な平板状のプレス板(図示せず)を互いに接近させるようにして行う。図4(a)→図4(b)→図4(c)のようにプレスによる加圧成形が進むにつれて複合フィルム巻回体6の扁平率が次第に大きくなり、細長い小判状の扁平柱状体9が得られる(図4(c)参照)。この扁平柱状体9は加圧成形巻回体であるとも言える。
プレスによる加圧成形は、仕上げられた扁平柱状体9において、その扁平率が0.6以上となるように行われる。この扁平率0.6以上を見越した扁平柱状体9の作製において、扁平成形性の劣化が生じないようにするための対策として、あらかじめ、上記のように、外装フィルム5の巻回固定について、周方向で分散配置された複数箇所(2箇所)での熱溶着とし、さらに、その複数箇所の熱溶着領域の合計面積Saが複合フィルム巻回体6の外周全面積Soにおいて占める面積割合αを30パーセント以下に設定しているのである。この熱溶着領域の合計面積Saの面積割合αを30パーセント以下でなく、30パーセントを超えたものとすると、外装フィルム5に覆われてコンデンサ素子Aの内部に巻回状態で存在する金属化フィルム巻回体4の部分において、ス(鬆)、しわ・歪や薄肉扁平巻芯部2aの屈折・屈曲などが発生することが実験で確かめられたからである。
その実験につき、図5および図6を参照しながら次に説明する。コンデンサ素子Aの扁平率つまりは扁平柱状体9の扁平率について、4ポイントのサンプル値0.50と0.60と0.76と0.85を設定した。また、複合フィルム巻回体6の外周全面積Soに対する外装フィルム5での熱溶着領域合計面積Saの面積割合α(=(Sa/So)×100)について、5ポイントのサンプル値20と30と40と50と100(単位は[パーセント])を設定した。供試体(サンプル)の数は合計20である。実験結果を図5、図6に示す。面積割合α=30パーセントの欄は実質的には面積割合αの範囲〔20超〜30以下〕を表し、また面積割合α=40パーセントの欄は実質的には面積割合αの範囲〔30超〜40以下〕を表している。他のパーセンテージにおいても同様である。また、扁平率f=0.60の欄は実質的には扁平率fの範囲〔0.60以上〜0.76未満〕を表し、また扁平率f=0.50の欄は実質的には扁平率fの範囲〔0.00超〜0.60未満〕を表している。他の扁平率においても同様である。
図5は扁平成形性の良否判定についての実験結果を表し、図6は耐圧特性の良否判定についての実験結果を表している。これらの図において、扁平率0.50の欄では面積割合αの如何にかかわらず、すべて扁平成形性および耐圧特性が良好(○)である。これは、扁平率0.50では、より詳しくは扁平率0.60未満では、扁平柱状体9の金属化フィルム巻回体4の部分における前述のス(鬆)、しわ・歪や薄肉扁平巻芯部2aの屈折・屈曲などの問題はそもそも生じないもので、特別な工夫をしなくて従来の製造方法でも問題なく製造できるものであった。図5、図6で扁平率0.50の欄を設けているのは、このことを明示するためである。
問題となるのは、〔発明が解決しようとする課題〕の項で説明したように、コンデンサの大容量化・小型薄型化を目指して体積効率の向上を図るべく扁平率を0.6以上の高扁平率とする場合にス(鬆)、しわ・歪や薄肉扁平巻芯部2aの屈折・屈曲などの不具合が不可避的に生じている、ということであり、これを解消するにはどのように対策を講じればよいかを追究している訳である。問題とすべき領域は図5、図6において太枠で囲んだ範囲である。
さて、図5での扁平成形性の良否判定についての実験においては、その良否判定はコンデンサ素子Aの外観状態の目視確認によっている。扁平柱状体9における金属化フィルム巻回体4の部分にス(鬆)、しわ・歪や薄肉扁平巻芯部2aの屈折・屈曲などがないことが扁平成形性良好(○)の判定条件である。
扁平率fを0.60以上とする場合に面積割合αとの相関関係において扁平成形性が良好(○)となるのは、面積割合αが30パーセント以下のときである。扁平率fが0.60ちょうどの場合には面積割合αが40パーセントでも扁平成形性が良好(○)の結果が出てはいるが、面積割合αが40パーセントの場合に扁平率f=0.76、扁平率f=0.85では扁平成形性につき不適正(×)の結果があり、扁平率fを0.6以上とする高扁平領域で良好な扁平成形性を得るには面積割合αを30パーセント以下とするのが良いと結論できる。
次に、図6の耐圧特性試験は室温(RT)で1分間、電界強度400〔V/μm〕の電界を印加するもので、そのときのコンデンサの静電容量変化を見たものである。図6(b)は静電容量変化を定量的に数値(パーセント)で表し、図6(a)は図6(b)の数値に対して良否の判定を加えたものである。耐圧特性良好(○)の判定条件は静電容量が減少しないことである。
扁平率fを0.60以上とする場合に面積割合αとの相関関係において耐圧特性が良好(○)となるのは、面積割合αが30パーセント以下のときである。扁平率fが0.60ちょうどの場合には面積割合αが40パーセントでも静電容量変化がプラスの0.08パーセントの良好(○)の結果が出てはいるが、面積割合αが40パーセントの場合に扁平率f=0.76、扁平率f=0.85では耐圧特性につき不適正(×)の結果があり、扁平率fを0.6以上とする高扁平領域で良好な耐圧特性を得るには面積割合αを30パーセント以下とするのが良いと結論できる。
図5の扁平成形性の評価と図6の耐圧特性に評価とを総合すると、扁平率fが0.6以上のコンデンサ素子Aを作製する場合には、二重線の矩形枠で囲み点々の塗りつぶしを施した領域Qに入るように設定することが要件となる。すなわち、複数熱溶着領域の合計の面積割合αを30パーセント以下に設定することが要件となる。
ちなみに、図8は特許文献3(特開2003−59753号公報)において図示されているコンデンサ素子を評価した結果である。特許文献3に示されているコンデンサ素子にあっては、上下一対のプレス板の加圧面に横線状または格子状の凸部を形成して加圧面全体でフィルム巻回体を加圧成形していることから平坦面部全面が熱溶着領域であると認められる。その熱溶着領域の合計面積Saを計算してみると、以下のとおりとなる、例えば、同文献の図5に示されるコンデンサ素子の長径寸法aを16、短径寸法bを6とみなすと(長径aと短径bの比がa:b=16:6となり、扁平率fはf=0.625となる)、Sa=10×2=20となる(軸方向長さを1と仮定する)。扁平柱状体の外周全面積Soは、So=20+π・6≒38.84となり、面積割合αは、α=(20/38.84)×100≒51.2〔パーセント〕となる。この計算と同様にして、熱溶着領域が扁平柱状体の上下の平坦面部全面であることを条件に、扁平率fと面積割合αとのいくつかの組み合わせを求めた結果を示したのが図8(a),(b)である。ここで用いた計算式は、
α=2[(a−b)/{2(a−b)+πb}]×100
b=(1−f)a
の2式であり、これらから面積割合αと扁平率fの関係を求めると、
f=πα/{(π−2)α+200}
となる。これに基づいて図8のデータ値がプロットされている。
図8を参照すると、特許文献3のコンデンサ素子は、扁平率fと面積割合αとの相関関係について、扁平率fが0.6以上でかつ面積割合αが30パーセント以下の領域Qは対象外となっていることが分かる。すなわち、特許文献3には本発明の技術的思想は内在していない。
本発明の上記実施例の説明では熱溶着箇所7を2つとしたが、これ以外に熱溶着箇所7の数は3つ以上任意である。以下、いくつかの例を説明する。すなわち、図7(a)に示すように、扁平柱状体9の長径方向両端部の円弧状曲面部9b,9bにおいて、その円弧方向の中央位置の2箇所に2つの熱溶着箇所7,7を配置してもよい。
また図7(b)に示すように、扁平柱状体9の長径方向に沿った上下の平坦面部9a,9aにおいて、その長径方向の中央位置の2箇所に熱溶着箇所7,7を配置するとともに、扁平柱状体9の長径方向両端部の円弧状曲面部9b,9bにおいて、その円弧方向の中央位置の2箇所に2つの熱溶着箇所7,7を配置するのでもよい。これら4つの熱溶着箇所7…は周方向で均等配置となっている。
また図7(c)に示すように、扁平柱状体9の長径方向に沿った上下の平坦面部9a,9aのそれぞれにおいて、その長径方向の中央位置から等間隔隔てた2箇所の合計4箇所に熱溶着箇所7…を配置するとともに、扁平柱状体9の長径方向両端部の円弧状曲面部9b,9bにおいて、その円弧方向の中央位置の2箇所に2つの熱溶着箇所7,7を配置するのでもよい。これら6つの熱溶着箇所7…は周方向で均等配置となっている。
また図7(d)に示すように、扁平柱状体9の長径方向に沿った上下の平坦面部9a,9aのそれぞれにおいて、その長径方向の中央位置と中央位置から等間隔隔てた3箇所の合計6箇所に熱溶着箇所7…を配置するとともに、扁平柱状体9の長径方向両端部の円弧状曲面部9b,9bにおいて、その円弧方向の中央位置の2箇所に2つの熱溶着箇所7,7を配置するのでもよい。これら8つの熱溶着箇所7…は周方向で均等配置となっている。
また図7(e)に示すように、図7(c)の場合の長径方向両端部の円弧状曲面部9b,9bでの2つの熱溶着箇所7,7を省略し、上下の平坦面部9a,9aのそれぞれにおいて、その長径方向の中央位置から等間隔隔てた2箇所の合計4箇所に熱溶着箇所7…を配置するのでもよい。これら4つの熱溶着箇所7…は周方向で均等配置となっている。
また図7(f)に示すように、図7(d)の場合の長径方向両端部の円弧状曲面部9b,9bでの2つの熱溶着箇所7,7を省略し、上下の平坦面部9a,9aのそれぞれにおいて、その長径方向の中央位置と中央位置から等間隔隔てた3箇所の合計6箇所に熱溶着箇所7…を配置するのでもよい。これら6つの熱溶着箇所7…は周方向で均等配置となっている。
以上の図7(a)〜(f)のいずれにあっても、複数の熱溶着箇所7…は周方向において等間隔を隔てて均等に配置され、扁平柱状体9の中心軸に関して互いに軸対称の位置に配置されている。
また図7(g)に示すように、扁平柱状体9の長径方向に沿った上側の平坦面部9aにおいて、その長径方向の中央位置から等間隔隔てた2箇所に熱溶着箇所7,7を配置するとともに、下側の平坦面部9aにおいて、その長径方向の中央位置の1箇所に熱溶着箇所7を配置するのでもよい。
あるいは図7(h)に示すように、扁平柱状体9の長径方向に沿った上側の平坦面部9aにおいて、その長径方向の中央位置から等間隔隔てた2箇所に熱溶着箇所7,7を配置するとともに、下側の平坦面部9aにおいて、その長径方向の中央位置および該中央位置から等間隔隔てた2箇所を合わせた合計3箇所に熱溶着箇所7…を配置するのでもよい。
以上の図7(g),(h)のいずれにあっても、複数の熱溶着箇所7…は周方向において等間隔を隔てて均等に配置されている。
上記の実施例では複合フィルム巻回体6の中央部に薄肉扁平巻芯部2aを配置した構成としたが、この薄肉扁平巻芯部2aを省略したコンデンサ素子としてもよい。
本発明は、体積効率アップの観点から扁平率0.6以上とするコンデンサ素子について、扁平成形性を改善して素子内部にス(鬆)、しわ・歪が発生することを防止し、耐圧特性の低下防止、リプル電流時の作動音防止を図るための技術として有用である。
1 先巻用フィルム
2 巻芯
2a 薄肉扁平巻芯部
3 金属化フィルム
4 金属化フィルム巻回体
5 外装フィルム
6 複合フィルム巻回体
7 熱溶着箇所
8 シールヒータ
9 扁平柱状体
9a 平坦面部
9b 円弧状曲面部
10 金属電極
A コンデンサ素子
11 ス(鬆)
12 しわ・歪
13 薄肉扁平巻芯部の屈折・屈曲

Claims (7)

  1. 金属化フィルム巻回体の外周部にさらに外装フィルムを巻回し熱溶着によって巻回固定して複合フィルム巻回体が構成され、この複合フィルム巻回体に対する加圧成形によって扁平柱状体が構成され、この扁平柱状体の軸方向両端に金属電極が形成され、扁平率が0.6以上とされるコンデンサ素子において、
    前記複合フィルム巻回体における外装フィルムの巻回固定は、自己の重なり部分どうしの熱溶着であって周方向で分散配置された複数箇所での熱溶着によって行われ、かつ、前記複合フィルム巻回体の外周全面積において前記複数箇所の熱溶着領域の合計面積が占める面積割合が30パーセント以下に設定されていることを特徴とするコンデンサ素子。
  2. 前記複数の熱溶着箇所は、前記扁平柱状体の周方向において等間隔を隔てて均等に配置されている請求項1に記載のコンデンサ素子。
  3. 前記複数の熱溶着箇所は、前記扁平柱状体の中心軸に関して互いに軸対称の位置に配置されている請求項1または請求項2に記載のコンデンサ素子。
  4. 前記軸対称な複数の熱溶着箇所は、前記扁平柱状体の長径方向に沿った平坦面部において、その長径方向の中央位置の2箇所である請求項3に記載のコンデンサ素子。
  5. 前記軸対称な複数の熱溶着箇所は、前記扁平柱状体の長径方向両端部の円弧状曲面部において、その円弧方向の中央位置の2箇所である請求項3に記載のコンデンサ素子。
  6. 前記軸対称な複数の熱溶着箇所は、前記扁平柱状体の長径方向に沿った平坦面部において、その長径方向の中央位置の2箇所と、前記扁平柱状体の長径方向両端部の円弧状曲面部において、その円弧方向の中央位置の2箇所との合計4箇所である請求項3に記載のコンデンサ素子。
  7. 前記扁平柱状体は、前記金属化フィルム巻回体の内部中央において、その中心軸を通って前記長径方向に延在する薄肉扁平巻芯部を有している請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のコンデンサ素子
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