JP2015068580A - 飛灰堆積防止設備及び飛灰堆積防止方法 - Google Patents

飛灰堆積防止設備及び飛灰堆積防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃焼処理によって発生する排ガスを案内する煙道内に飛灰が付着堆積することを防止することによりクリンカの発生を抑制して適正な操業を維持することが可能な飛灰堆積防止設備及び飛灰堆積防止方法を提供する。
【解決手段】2次燃焼炉21bに排ガス冷却用のエアを吹き込む冷却用エア供給手段27,27と、2次燃焼炉21bの排ガス出口の近傍に配置された炉内温度を測定する温度測定手段28と、温度測定手段28によって測定された炉内温度に基づいて冷却用エア供給手段27、27から炉内へ吹き込む冷却用エアの供給を制御する冷却用エア制御手段とを備えており、また、2次燃焼炉21bで発生した排ガスを次工程である冷却塔40へ案内する煙道35を、2次燃焼炉21bの排ガス出口を頂部として傾斜させたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、飛灰堆積防止設備及び飛灰堆積防止方法に関し、さらに詳しくは、燃焼炉における燃焼処理によって発生する排ガスを案内する煙道内に飛灰が付着堆積することを防止するための飛灰堆積防止設備及び飛灰堆積防止方法に関する。
従来、ロータリーキルンとストーカ炉を組み合わせた燃焼処理炉が知られている。そのような構造を備えた焼却処理炉として、例えば、特許文献1に示す焼却処理装置がある。特許文献1に開示された焼却処理装置は、被処理物を加熱することにより熱分解させてガス化する第一の燃焼炉であるロータリーキルンと、ロータリーキルンの下流側に連設された第二の燃焼炉であるストーカ炉と、ストーカ炉で発生した燃焼排ガスを完全燃焼させる2次燃焼炉と、2次燃焼炉で発生した排ガスを急冷する急冷塔を備えて構成されており、2次燃焼炉で発生した排ガスは2次燃焼炉の頂部に設けられた煙道を介して冷却塔へ導入されて冷却されるようになっている。
被処理物や熱分解ガスを燃焼させた燃焼ガスを燃焼処理した場合に発生する排ガス中には飛灰が含まれており、この飛灰が煙道内壁に付着堆積し、さらに高熱に晒されることによりクリンカとなる。上述したロータリーキルンとストーカ炉を組み合わせた燃焼処理炉において、例えば、銅、金、白金などの有価金属を含む電子基板等の被処理物を処理するような場合、飛灰は主として鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)等を主な成分とする。この場合、融点は950〜1,100℃であるため、2次燃焼炉の出口温度を900℃以上で操業を行うと煙道に堆積している飛灰が溶融してクリンカとなる。クリンカが成長すると煙道が次第に塞がれて正常な操業を妨げるだけでなく、2次燃焼炉や冷却塔内へクリンカ塊が落下して操業トラブルを生じさせるおそれがあることから付着したクリンカは取り除く必要がある。しかしながら、クリンカを除去するためには定期的に操業を停止しなければならない。
煙道内でのクリンカの発生を防止する方法としては、例えば、飛灰溶融を防止する目的で2次燃焼炉の出口に散水スプレーを挿入して水冷を行うことや、煙道内にエア噴霧設備を設けて煙道内に堆積している飛灰を吹き飛ばし、煙道内の飛灰の堆積を抑制する方法がある。また、特許文献2には、クリンカ抑制剤を移送媒体によって噴霧口から噴霧してクリンカの付着又は堆積を防止する方法が開示されている。
特開2009−222288号公報 特開2008−241078号公報
しかし、2次燃焼炉の出口に散水スプレーを挿入して水冷を行う方法では、一般的に2次燃焼炉や冷却塔に比べて煙道内径が小さいため煙道を形成する耐火物に蒸発しきれなかった水が接触する可能性が高く、定期的に耐火物を点検・補修しなければならないという問題がある。補修を怠ると、耐火物の脱落や鉄皮に穴が開いて大規模な修理が必要となる。また、煙道内にエア噴霧設備を設けて煙道内に堆積している飛灰を吹き飛す方法では、エアを噴霧するコンプレッサやこれに接続される配管等を新たに設置しなければならないという問題がある。さらに、特許文献2の場合は、クリンカ抑制剤を使用しなければならないことの他、クリンカ抑制剤の移送媒体や噴霧するためのコンプレッサ等を新たに設置しなければならないという問題がある。
そこで、本発明は、既存の設備に大幅な変更を加えることなく、燃焼処理によって発生する排ガスを案内する煙道内に飛灰が付着堆積することを防止することによりクリンカの発生を抑制して適正な操業を維持することが可能な飛灰堆積防止設備及び飛灰堆積防止方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、燃焼炉で発生した排ガスを案内する煙道内で飛灰の堆積によるクリンカが発生することを防止するための飛灰堆積防止設備において、燃焼炉に排ガス冷却用のエアを吹き込む冷却用エア供給手段と、燃焼炉の排ガス出口の近傍に配置された炉内温度を測定する温度測定手段と、温度測定手段によって測定された炉内温度に基づいて冷却用エア供給手段から炉内へ吹き込む冷却用エアの供給を制御する冷却用エア制御手段とを備えていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の飛灰堆積防止設備において、燃焼炉で発生した排ガスを次工程へ案内する煙道を、燃焼炉の排ガス出口を頂部として傾斜させたことを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、燃焼炉で発生した排ガスを案内する煙道内で飛灰の堆積によるクリンカが発生することを防止するための飛灰堆積防止方法において、燃焼炉の排ガス出口の近傍に配置された温度測定手段によって測定された炉内温度に基づいて燃焼炉に排ガス冷却用のエアを吹き込む冷却用エア供給手段から炉内へ吹き込む冷却用エアの供給を制御することを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の飛灰堆積防止方法。において、燃焼炉で発生した排ガスを次工程へ案内する煙道を、燃焼炉の排ガス出口を頂部として傾斜させたことを特徴とする。
本発明に係る飛灰堆積防止設備及び飛灰堆積防止方法によれば、燃焼炉の排ガス出口の近傍に配置された温度測定手段によって測定された炉内温度に基づいて燃焼炉に排ガス冷却用のエアを吹き込む冷却用エア供給手段の動作を制御することとしたので大幅な改造を必要とすることなくクリンカの発生を抑制することができるという効果がある。特に、冷却用エア供給手段を燃焼炉が通常備えている燃焼用エア供給手段を利用して形成すれば少ない改造で実現することができる。
また、本発明に係る飛灰堆積防止設備及び飛灰堆積防止方法によれば、煙道を傾斜させることによって、煙道に飛灰が堆積しても自重で滑り落ちるため煙道にクリンカが発生することが防止されるという効果がある。
燃焼処理装置の一実施形態の全体構成を示す構成図である。 2次燃焼炉の主要部を示す断面図である。 制御装置の動作を示すブロック図である。 2次燃焼炉と煙道を示す側面図である。 冷却用エア供給ノズルの配置を示す断面図である。 冷却用エア供給ノズルからの冷却用エアの供給を示す説明図である。 本発明に係る飛灰堆積防止方法の一実施形態のフローチャートである。
以下、本発明に係る飛灰堆積防止設備及び飛灰堆積防止方法について図面を参照しつつ詳細に説明する。はじめに燃焼処理装置の全体構成を説明し、この燃焼処理装置に備えられた飛灰堆積防止設備について説明する。図1は燃焼処理装置の一実施形態の全体構成を示す構成図である。図示された燃焼処理装置1(以下「処理装置1」という。)は、概略として、第一の処理炉であるロータリーキルン10と、第二の処理炉であるストーカ炉21aと、第三の処理炉である2次燃焼炉21bを備えて構成されている。
ロータリーキルン10は、円筒状の横置き回転炉11を備え、一方側の端面に被処理物2a(図2参照)を投入するための投入口12が設けられると共に、それとは反対側の端面には排出口13が設けられている。回転炉11は排出口13側に向かって僅かに傾斜するようにして配置されており、図示しないモータによって回転可能とされている。投入口12の近傍にはキルンバーナ14が配置されており、重油などの燃料を燃焼させることによって炉内に向かって火炎を吹き出し、それによって炉内を加熱することができるようになっている。尚、被処理物2aは燃焼又は熱分解は連続して進行するのでキルンバーナ14を常に用いる必要はないが炉内温度が低下した場合にはキルンバーナ14を焚いて炉内を高温に保持する。投入口12の近傍には炉内へ冷却水を散布するための冷却水散布ノズル15が配置され、回転炉11の炉壁前には炉内温度を測定するためのキルン入口炉内温度計15aが取り付けられている。そして、冷却水散布ノズル15、キルン入口炉内温度計15a、さらにキルンバーナ14は、後述する制御装置20によりその動作が制御されるようになっている。被処理物2aが一般の産業廃棄物等の場合には通常炉内温度は800℃以上の高温で保持し、被処理物2aが廃プリント基板のように金や銅などの有価金属を含む場合には燃焼ではなく、炉内へのフリーエアの侵入を阻止しつつ炉内の温度を550〜650℃で保持することによって熱分解し、ガス化させる。そして、投入口12から炉内に投入された被処理物2aは、高温の雰囲気の中で撹拌されながら排出口13方向へ徐々に移動し加熱処理物2bとなる。
ここで、ロータリーキルン10に投入する被処理物2aは図示しない粉砕機によって所定のサイズに粉砕されて貯留されており、粉砕された被処理物2aはトラックでホッパ3内に投入され、パンコンベヤ4により定量切出されており、バケットコンベヤ5及び投入シュート7を介して回転炉11内に投入されるようになっている。また、回転炉11への投入方式は、クレーンバケット等を用いた定量切出しでもよい。
回転炉11の排出口13側の端面はストーカ炉21aと連結されており、排出口13から排出される加熱処理物2bはストーカ炉21aの火格子(ストーカ:以下「火格子」という。)22,22上に落下すると共に、熱分解ガスは第三の処理炉である2次燃焼炉21b内に導入されるようになっている。本発明におけるロータリーキルン10の回転炉11は一般的なものに比べてその長さが短く、具体的には、回転炉11の長さはその内径との比較で表すと内径の1.5〜2.5倍のショートタイプの回転炉11となっている。また、回転炉11の回転速度は図示しない減速機によって少なくとも0.1〜0.5rpmの範囲で回転させることが可能に構成されており、そのような回転数で処理することよって被処理物2aのショートパスを防止し、回転炉11内に約40分間程度保持して加熱分解することが可能とされている。
また、回転炉11とストーカ炉21aとの連結部分はフリーエアが侵入しないようにしっかりとシール部材16が嵌挿されている。シール部材16は、リング状のパッキン部材であり、これを図示しないシールリングで押圧することでシール部材16を付勢し、回転炉11の回転によってシール部材16が摩耗した場合でもその隙間を逐次埋めることにより常にシールが完全に行われるようになっている。
ストーカ炉21aは、火格子22,22上に供給された加熱処理物2bを火格子22,22の下部側から空気を吹き込みながら燃焼処理する燃焼炉であり、炉壁や火炎からの輻射熱や燃焼ガスによる接触伝熱によって加熱処理物2bの焼却処理を行う。火格子22,22の一部は油圧シリンダ25によって可動し、加熱処理物2bは火格子22,22によって順次下流側に移送されつつ燃焼が行われるようになっている。尚、本実施形態では火格子22,22は水平に配置されているが傾斜していてもよい。これにより、回転炉11から排出された加熱処理物2bは、ストーカ炉21aの火格子22,22上に落下し、順次下流側へ移動しながら燃焼される。その間、火格子22,22の下側から空気を送り込んで加熱処理物2bの完全燃焼を促す。燃焼後の焼却灰2cは下部側に配置された水封コンベア30によって冷却しながら回収される。また、火格子22,22の下部側には火格子22,22からこぼれ落ちた加熱処理物2bも水封式コンベア30によって回収されるようになっている。
水封式コンベア30は、燃焼処理された焼却灰2c及び火格子22,22からこぼれ落ちた加熱処理物2bを冷却して搬送排出するコンベアであり、ハウジング31内の両端に配置されたスプロケット33a,33bに架け渡されたチェーン34と、チェーン34に取り付けられた複数のスクレーパ32,32を備えて構成されている。ハウジング31内には冷却水が貯えられた水密の水封部31aが設けられており、燃焼処理された焼却灰2c及び火格子22,22からこぼれ落ちた加熱処理物2bを確実に冷却する。水封部31aの上方側には吸水ノズル38が配置され、ハウジング31の下方側には排水ノズル37が配置されており、冷却水の循環が効果的に行われるようになっている。また、ハウジング31は排出側が冷却水の水面よりも高く位置するように傾斜が設けられており、水封式コンベア30によって冷却された焼却灰2c等はさらに移送コンベア39によって所定の場所まで搬送されるようになっている。焼却灰2c等の冷却は搬送速度等を適宜調整する等によって少なくとも焼却灰2c等の温度が約100℃以下となるようにして行われる。これにより、焼却灰2cは連続的に回収されると共に再度燃え出すことが防止される。
一方、被処理物2aを燃焼又は熱分解することによって発生した排ガス又は可燃性の熱分解ガスは、ストーカ炉21aの上部に位置する2次燃焼炉21b内に導入され、2次燃焼炉21bに備えられた2次燃焼炉バーナ24によって完全燃焼処理される。2次燃焼炉には、燃焼用のエアを共供給するための燃焼用エア供給ノズル26,26が等間隔で4か所に設けられている。尚、燃焼用のエアは図示しないコンプレッサ等によって供給されるようになっている。また、ストーカ炉21aで加熱処理物2bを焼却処理した際に発生する燃焼排ガスも2次燃焼炉21bに送られて熱分解ガスと共に完全燃焼される。
回転炉11の出口付近のストーカ炉21a内にはキルン出口炉内温度計17が配置されていると共に、回転炉11の排出口13方向に向けて冷却水を散水する散水装置18が設けられている。そして、上述した冷却水散布ノズル15及びキルン入口炉内温度計15aと同様に、キルン出口炉内温度計17及び散水装置18は、図3に示すように、制御装置20によりその動作が制御されるようになっている。例えば、ストーカ炉21a内に設置しているキルン出口炉内温度計17の温度が所定の温度、例えば、980℃を超えたことを検出すると制御装置20は散水装置18を動作させて回転炉11の排出口方向に向かって冷却水を散布し、ストーカ炉21a内の温度が少なくとも所定の温度、例えば、1000℃を超えないように制御する。これにより、回転炉11内や後述するストーカ炉21aの火格子22,22にクリンカが固着することを防止することができる。尚、制御装置20は記憶媒体に記憶保存したプログラムを中央処理装置によって処理する公知のコンピュータによって構成することができる。そして、2次燃焼炉21bでの排ガスは、煙道35によって2次燃焼炉21bと連通された冷却塔40に送られるようになっている。
冷却塔40には冷却水を散布するためのノズル41が複数設けられており、ノズル41から冷却水を噴出して煙道35を通って運ばれてきた排ガスに向かって散布することで排ガスの温度が80℃以下になるように一気に冷却する。ダイオキシンの発生要因の一つであるデノボ合成は300℃付近で最も発生しやすいといわれており、その温度帯に長く留まらせることなく一気に通過させることでダイオキシン類の発生を抑制することができる。80℃以下に冷却された排ガスは洗浄塔45においてアルカリ洗浄液で洗浄され、さらにダクト46を通ってミストコットレル50に運ばれるようになっている。そして、排ガスは、ミストコットレル50によって煤塵やミストが除去された後、排気ダクト47を通って完全に無害化された状態で排気される。尚、好ましい実施形態としてロータリーキルンとストーカ炉を組み合わせた処理装置1について説明したがこれに限定されるものではなく、例えば、第一の処理炉を上記のキルン式ガス化溶融炉とする他、流動床式ガス化溶融炉やシャフト炉ガス化溶融炉などとすることも可能であり、2次燃焼炉を上記のストーカ炉とする他、流動床炉などとすることも可能である。
次に本発明に係る飛灰堆積防止設備の好ましい一実施形態について説明する。図5に最もよく示されているように、2次燃焼炉21bの燃焼用エア供給ノズル26,26の上方には、炉内に冷却用のエアを吹き込んで炉内を冷却するための冷却用エア供給ノズル27,27が2次燃焼炉21bの周囲の同じ高さ位置に一定間隔で4か所に配置されている。燃焼用エア供給ノズル26と冷却用エア供給ノズル27が近くにある理由は、燃焼用エアのみの場合には炉内の排ガス燃焼部分の炉体が高温となり耐火物の損傷が発生するためである。燃焼用エア供給ノズル27の近傍に冷却用エア供給ノズル27を設けることで、炉内の燃焼部分の異常過熱を防止することができる。また、2次燃焼炉21bの排ガス出口の近傍には炉内温度を測定する2次燃焼炉出口炉内温度計28が配置されている。そして、2次燃焼炉出口炉内温度計28によって測定された炉内温度に基づいて冷却用エア供給ノズル27,27の動作を制御する冷却用エア制御手段が図3に示す制御装置20により形成されている。これにより、2次燃焼炉21b内の温度が所定の温度、例えば、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)等を主な成分とする飛灰の場合には、900℃になるように冷却用エア供給ノズル27,27を動作させて冷却用エアを炉内に吹き込み炉内温度を調整する。2次燃焼炉出口炉内温度計28を900℃に保持する理由は、DXN分解には一般的に800℃以上、2秒間の排ガス滞留時間が必要であるためである。
すなわち、図6に示すように、冷却用エア供給ノズル27,27はエア配管27bを介してエア供給源27aから冷却用エアが送られるようになっており、エア配管27bには調整弁29が取り付けられている。そして、調整弁29と2次燃焼炉出口炉内温度計28は制御装置20と接続されており、制御装置20は2次燃焼炉出口炉内温度計28によって測定された排ガス出口付近の炉内温度が、例えば900℃を保持するように調整弁29を開閉させることにより冷却用エア供給ノズル27,27から冷却用エアを適量炉内に吹き込み、煙道内が飛灰の溶融温度を超えることのないよう制御する。尚、エア供給源27aとしては、予め2次燃焼炉21bに備えられている図示しない燃焼用エアの供給源を用いることができる。また、エア配管27bも燃焼用エアを供給するための図示しないエア配管を一部共用とすることにより改造の負担を軽減することができる。
一方、2次燃焼炉21bで発生した排ガスを冷却塔40へ案内する煙道35は、冷却塔40側へ向かって傾斜するようにして配置されている。これにより、煙道35に飛灰が堆積したとしても自重で滑り落ちるため煙道31にクリンカが発生することが防止される。煙道35の傾斜角度は、30〜60°であり、好ましくは40°である。
次に、本発明に係る飛灰堆積防止方法について上述した飛灰堆積防止設備の動作と共に説明する。図7は本発明に係る飛灰堆積防止方法の一実施形態のフローチャートである。
まず、被処理物2aをロータリーキルン10の回転炉11内に投入し、高温の雰囲気の中で保持することで加熱処理を行い、加熱処理された被処理物2a、すなわち、加熱処理物2bは、回転炉11の回転及びその僅かの傾斜により排出口13方向へ徐々に移動してストーカ炉21aに送られ、火格子22,22上でさらに燃焼されながら下流側へ移動する。
そして、ロータリーキルン10及びストーカ炉21a内で発生した排ガスは2次燃焼炉21bの2次燃焼炉バーナ24によって燃焼処理が行われる(ステップS1)。しかし、ロータリーキルン10で発生した熱分解ガスの燃焼により2次燃焼炉出口温度が800℃以上を保持できる場合は、2次燃焼炉バーナ24は点火しない。2次燃焼炉21bの燃焼処理中は排ガス出口付近に配置した2次燃焼炉出口温度計28によって炉内温度の測定が常に行われる(ステップS2)。そして、その温度データは制御装置20に送られる(ステップS3)。そして、2次燃焼炉出口温度計28によって測定された炉内温度が900℃を超過している場合は、制御装置20は調整弁29を開き、冷却用エア供給ノズル27,27から炉内へ吹き込む冷却用エアの供給量を増やす(ステップS4)。これにより炉内温度が900℃で一定に保持することができ、煙道35中の飛灰の溶融を防止してクリンカの発生が防止される。
一方、2次燃焼炉出口温度計28によって測定された炉内温度が900℃未満の場合は、900℃になるように、制御装置20は調整弁29を閉じ、冷却用エアの炉内への吹き込み量を絞る(ステップS5)。以下、2次燃焼炉出口炉内温度計28によって測定された炉内温度に基づいて上述の動作が適宜繰り返され、炉内温度を900℃に保持する。
また、煙道35は、冷却塔40側へ向かって傾斜しているので、煙道31に堆積した飛灰は自重で滑り落ち、煙道31にクリンカが発生することが防止される。
このようにして、冷却塔40に送られた排ガスには複数のノズル41から冷却水が散布されてその温度が80℃以下になるように一気に冷却される。これにより、ダイオキシンの発生要因の一つであるデノボ合成が最も発生しやすいといわれている300℃付近の温度帯を一気に通過させることでダイオキシン類の発生の抑制を図っている。
そして、80℃以下に冷却された排ガスは、洗浄塔45によってアルカリ洗浄されてミストコットレル50に運ばれ、煤塵やミストが除去された後、完全に無害化された状態で排気される。
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は詳述した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。
1 燃焼処理装置
2a 被処理物
2b 加熱処理物
2c 焼却灰
3 ホッパ
4 コンベヤ
5 バケットコンベヤ
7 投入シュート
10 ロータリーキルン
11 回転炉
12 投入口
13 排出口
14 キルンバーナ
15 冷却水散布ノズル
15a キルン入口炉内温度計
16 シール部材
17 キルン出口炉内温度計
18 散水装置
20 制御装置
21a ストーカ炉
21b 2次燃焼炉
22 火格子
24 2次燃焼炉バーナ
25 油圧シリンダ
26 燃焼用エア供給ノズル
27 冷却用エア供給ノズル
27a エア供給源
27b エア配管
28 2次燃焼炉出口炉内温度計
29 調整弁
30 水封コンベヤ
31 ハウジング
31a 水封部
32 スクレーパ
33a スプロケット
33b スプロケット
34 チェーン
35 煙道
37 排水ノズル
38 給水ノズル
30 水封式コンベア
39 移送コンベヤ
40 冷却塔
41 ノズル
45 洗浄塔
46 ダクト
47 ダクト
50 ミストコットレル

Claims (4)

  1. 燃焼炉で発生した排ガスを案内する煙道内で飛灰の堆積によるクリンカが発生することを防止するための飛灰堆積防止設備において、
    前記燃焼炉に排ガス冷却用のエアを吹き込む冷却用エア供給手段と、
    前記燃焼炉の排ガス出口の近傍に配置された炉内温度を測定する温度測定手段と、
    前記温度測定手段によって測定された炉内温度に基づいて前記冷却用エア供給手段から炉内へ吹き込む冷却用エアの供給を制御する冷却用エア制御手段と、
    を備えていることを特徴とする飛灰堆積防止設備。
  2. 請求項1に記載の飛灰堆積防止設備において、
    前記燃焼炉で発生した排ガスを次工程へ案内する煙道を、前記燃焼炉の排ガス出口を頂部として傾斜させたことを特徴とする飛灰堆積防止設備。
  3. 燃焼炉で発生した排ガスを案内する煙道内で飛灰の堆積によるクリンカが発生することを防止するための飛灰堆積防止方法において、
    前記燃焼炉の排ガス出口の近傍に配置された温度測定手段によって測定された炉内温度に基づいて前記燃焼炉に排ガス冷却用のエアを吹き込む冷却用エア供給手段から炉内へ吹き込む冷却用エアの供給を制御することを特徴とする飛灰堆積防止方法。
  4. 請求項3に記載の飛灰堆積防止方法において、
    前記燃焼炉で発生した排ガスを次工程へ案内する煙道を、前記燃焼炉の排ガス出口を頂部として傾斜させたことを特徴とする飛灰堆積防止方法。
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