JP2015067755A - 複合波長変換粒子及び複合波長変換粒子含有樹脂組成物並びに発光装置 - Google Patents

複合波長変換粒子及び複合波長変換粒子含有樹脂組成物並びに発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光の利用効率及び蛍光体自体の利用効率が高く、高い発光輝度と高信頼性を両立させることができ、しかも、地球環境に優しい複合波長変換粒子及び複合波長変換粒子含有樹脂組成物並びに発光装置を提供する。【解決手段】本発明の複合波長変換粒子1は、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びフッ化ストロンチウムの群から選択される1種または2種以上を含有してなるフッ化物からなるマトリクス粒子2中に、イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体3を分散し、発光強度の最大値が510nm以上かつ550nm以下の波長領域にある。【選択図】図1

Description

本発明は、複合波長変換粒子及び複合波長変換粒子含有樹脂組成物並びに発光装置に関し、さらに詳しくは、300〜500nmの波長領域の長波長紫外線または可視光線により励起されて高効率で緑色に発光する複合波長変換粒子及び複合波長変換粒子含有樹脂組成物並びに発光装置に関するものである。
紫外線を可視光線に波長変換したり、可視光線を波長の異なる可視光線に波長変換する蛍光体は、各種表示装置、照明装置、太陽光発電装置、フォトニックデバイス、光アンプ等、様々な光学装置で用いられている。
また、青色光や紫外光を吸収し、赤色光や黄色光や緑色光等の長波長の可視光線に波長変換する蛍光体を用い、これら蛍光体を組み合わせることで白色光等の可視光線を得ることが知られている。
特に、短波長領域の可視光線または紫外線の光源としては、半導体発光素子、例えば、窒化ガリウム(GaN)等のIII−V族化合物半導体を発光層とする青色発光ダイオードや紫色発光ダイオード等が用いられている。これらの半導体発光素子は、波長変換材料である蛍光体と組み合わせることにより、白色光等の可視光線を発光する半導体発光装置を構成することができる。これらの半導体発光装置は、消費電力が小さく、寿命が長いという特徴があり、近年、画像表示装置や照明装置等の発光源として注目されている。
この半導体発光装置は、波長変換材料である蛍光体が、青色発光ダイオードまたは紫色発光ダイオードが発光する青色光または紫色光の可視光線、または近紫外線を吸収して黄色光を発光し、この蛍光体に吸収されなかった青色光または紫色光との混色によって白色に発光している(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この白色光は、青色光または紫色光とその補色である黄色光とで構成されているので、演色性に欠けるという問題点がある。
そこで、この青色光または紫色光と黄色光とで構成された白色光の演色性を改善したものとして、例えば、青色光または紫色光を発光する発光ダイオードと、緑色系発光蛍光体と、赤色系発光蛍光体とを組み合わせて白色光を発光する発光装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、これらの光の三原色の中で、緑色光は、人間の眼に対する視感度が最も高く、白色発光光源の全体の明るさに大きく寄与するので、他の青色光及び紫色光と比べてとりわけ重要である。
緑色系の蛍光を発する蛍光体としては、その蛍光の中心波長が通常、498nm以上かつ550nm以下の波長範囲にあるものが用いられている。
このような緑色系蛍光体としては、例えば、セリウム付活硫化カルシウム(CaS:Ce)等の岩塩型結晶構造を有するアルカリ土類金属硫化物蛍光体、(Sr,Ba)SiO:Eu)等のユーロピウム付活アルカリ土類金属オルトケイ酸塩蛍光体等が知られている。
他の緑色系蛍光体としては、黄色発光蛍光体として知られているセリウム付活イットリウムアルミニウムガーネット(YAG:Ce)蛍光体のうち、アルミニウムの一部をガリウム(Ga)で置換することにより発光色を短波長側にシフトさせて、緑色領域の光を発光させた、例えばY(Al,Ga)12:Ce等の緑色系蛍光体、あるいは、イットリウムの一部をルテチウム(Lu)で置換することにより発光色を短波長側にシフトさせて、緑色領域の光を発光させた、例えば(Y,Lu)Al12:Ce等の緑色系蛍光体がある。
比較的化学的安定性が高い緑色系蛍光体としては、例えば(Sr,Ba)Si:Eu等のユーロピウム付活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光体がある。
また、ガーネット構造の緑色系蛍光体としては、上記のYAG:Ce蛍光体以外に、例えばCaScSi12:C等のシリケート成分を含む緑色発光蛍光体が知られている(特許文献3)。この緑色発光蛍光体は、比較的化学的に安定で、発光輝度にも優れている。
特開平10−242513号公報 特許第4101468号公報 特許第4032682号公報
しかしながら、上述した硫化物蛍光体やオルトケイ酸塩蛍光体では、化学的な安定性及び発光輝度の等の点でまだまだ不十分であるという問題点があった。
また、ガーネット構造のYAG系の緑色発光蛍光体やユーロピウム付活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光体では、化学的な安定性は高いものの、発光輝度が不十分であるという問題点があり、さらなる高輝度の緑色系発光蛍光体が求められている。
また、CaScSi12:C等のシリケート成分を含む緑色発光蛍光体では、比較的化学的に安定であり、発光輝度にも優れているものの、希少金属のスカンジウム(Sc)を必須元素としているので、環境負荷が大きく、実用化にはほとんど至っていない。
さらに、従来の緑色発光蛍光体には、発光輝度、化学的安定性、耐環境性以外にも大きな問題点があった。
すなわち、従来の緑色発光蛍光体の屈折率は、例えば、ガーネット系蛍光体では1.8程度、窒化物系蛍光体では2.0程度、シリケート系蛍光体では1.65程度と大きく、また、粒子サイズは数μm〜数10μmサイズで用いられているので、このような屈折率が大きくかつ粒子サイズの大きい蛍光体と有機系樹脂等の結合材とを混合して用いると、半導体ダイオードから発せられた青色光または紫色光が蛍光体粒子による後方散乱により減衰し、さらには、青色光または紫色光により励起されて発光した緑色系の光をも後方散乱により減衰させてしまうという問題点があった。したがって、高効率の白色光を発光する発光装置を得ることが困難であった。
さらに加えて、従来の蛍光体では、粒子サイズが数μm〜数10μmと大きいので、半導体発光素子から発せられる青色光または紫色光の励起光は、そのほとんどが蛍光体粒子の表面にて吸収されることとなり、よって、蛍光体粒子の発光成分をその粒子の内部まで有効に活用できていないという問題点があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、光の利用効率及び蛍光体自体の利用効率が高く、高い発光輝度と高信頼性を両立させることができ、しかも、地球環境に優しい複合波長変換粒子及び複合波長変換粒子含有樹脂組成物並びに発光装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びフッ化ストロンチウムの群から選択される1種または2種以上を含有してなるフッ化物からなるマトリクス粒子中に、イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体を分散させ、しかも、光強度の最大値を510nm以上かつ550nm以下の波長領域にあることとすれば、光の利用効率及び蛍光体自体の利用効率が高く、高い発光輝度と高信頼性を両立させることができ、しかも、地球環境に優しいことを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の複合波長変換粒子は、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びフッ化ストロンチウムの群から選択される1種または2種以上を含有してなるフッ化物からなるマトリクス粒子中に、イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体を分散してなり、発光強度の最大値は510nm以上かつ550nm以下の波長領域にあることを特徴とする。
前記イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体は、
(Y3−x−zCe)(Al5−y―wSi)O12 ……(1)
(但し、MはSc、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Er、Yb、Lu、Mn、Ti、Zr、Sn、Ca、Znのうち少なくとも1種、RはIn、Gaのうち少なくとも1種であり、0.015≦x≦0.18、0<y≦1.5、0≦z≦0.2、2、0≦w≦1.0)
を主成分とすることが好ましい。
前記フッ化物に対する前記イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体の質量百分率は、20質量%以上かつ70質量%以下であることが好ましい。
本発明の複合波長変換粒子含有樹脂組成物は、本発明の複合波長変換粒子を樹脂中に分散してなることを特徴とする。
本発明の発光装置は、300nm以上かつ500nm以下の波長領域の光を発光する半導体発光素子と、この半導体発光素子から出射される光を受光することにより可視光線を発光する発光層と、を備え、
前記発光層は、本発明の複合波長変換粒子を含有してなることを特徴とする。
前記発光層は、青色蛍光体、黄色蛍光体、赤色蛍光体及び緑色蛍光体のうちいずれか1種または2種以上を含有してなることが好ましい。
本発明の複合波長変換粒子によれば、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びフッ化ストロンチウムの群から選択される1種または2種以上を含有してなるフッ化物からなるマトリクス粒子中に、イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体を分散し、さらに、発光強度の最大値を510nm以上かつ550nm以下の波長領域にあることとしたので、光の利用効率及び粒子自体の利用効率を高めることができ、発光輝度を向上させることができる。この発光輝度は長期間に亘って安定しているので、信頼性を高めることができる。したがって、高い発光輝度と高信頼性を両立させることができる。
本発明の複合波長変換粒子含有樹脂組成物によれば、本発明の複合波長変換粒子を樹脂中に分散したので、光の利用効率及び樹脂組成物自体の利用効率を高めることができ、発光輝度を向上させることができる。この発光輝度は長期間に亘って安定しているので、信頼性を高めることができる。したがって、高い発光輝度と高信頼性を両立させることができる。
本発明の発光装置によれば、300nm以上かつ500nm以下の波長領域の光を発光する半導体発光素子と、この半導体発光素子から出射される光を受光することにより可視光線を発光する発光層と、を備え、この発光層に本発明の複合波長変換粒子を含有したので、光の利用効率及び樹脂組成物自体の利用効率を高めることができる。したがって、演色性に優れ、発光輝度が高く、長期間に亘って信頼性が高い発光装置を提供することができる。
本発明の一実施形態の複合波長変換粒子を示す断面図である。 本発明の一実施形態の発光装置の一例である表面実装型発光装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態の発光装置の他の一例である表面実装型発光装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態の発光装置のさらに他の一例である表面実装型発光装置を示す断面図である。 本発明の実施例1の複合波長変換粒子を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像である。
本発明の複合波長変換粒子及び複合波長変換粒子含有樹脂組成物並びに発光装置を実施するための形態について説明する。
なお、以下の実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[複合波長変換粒子]
図1は、本発明の一実施形態の複合波長変換粒子を示す断面図であり、この複合波長変換粒子1は、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びフッ化ストロンチウムの群から選択される1種または2種以上を含有してなるフッ化物からなるマトリクス粒子2中に、イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体3を分散している。
そして、この複合波長変換粒子1の発光強度の最大値は510nm以上かつ550nm以下の波長領域にある。
次に、この複合波長変換粒子について詳細に説明する。
「マトリクス粒子」
マトリクス粒子は、この複合波長変換粒子の基材部分を構成する粒子状物質であり、フッ化物により構成されている。
このフッ化物としては、イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体より屈折率が低く、かつ、耐熱性及び耐化学性等の耐久性に優れているフッ化物、すなわちフッ化マグネシウム(屈折率:1.38)、フッ化カルシウム(屈折率:1.43)及びフッ化ストロンチウム(屈折率:1.44)の群から選択される1種または2種以上が好適に用いられる。
これらのフッ化物は、非晶質シリカ(屈折率:1.45)を併用して用いることができる。
このマトリクス粒子の平均粒子径は、1nm以上かつ500nm以下が好ましく、より好ましくは10nm以上かつ300nm以下、または励起波長の長さ以下である。
ここで、マトリクス粒子の平均粒子径が500nmを超えると、このマトリクス粒子を構成しているフッ化物と蛍光体粒子との屈折率差によりミー(Mei)散乱が生じ、励起光の利用効率が低下するので好ましくない。
一方、マトリクス粒子の平均粒子径が1nm未満であると、耐薬品性及び耐水性が低下するので好ましくない。
このマトリクス粒子は、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びフッ化ストロンチウムの群から選択される1種または2種以上を含有してなるフッ化物の結晶子が複数個、結合して1つの多結晶体となっている。
このマトリクス粒子中のフッ化物の結晶子径は、X線回折法を用いて測定することができる。
このフッ化物の平均結晶子径は、100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましい。
ここで、フッ化物の平均結晶子径が100nmを超えると、蛍光体粒子の分散状態が不均一になり、前方発光性が低下するので好ましくない。
このマトリクス粒子は、公知の方法を用いて作製することができる。例えば、フッ化物からなる微粒子を作製する場合、フッ化アンモニウム水溶液と、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びフッ化ストロンチウムの群から選択される1種または2種以上からなるフッ化物を含有したフッ化物水溶液とを、混合することにより、フッ化マグネシウム微粒子、フッ化カルシウム微粒子及びフッ化ストロンチウム微粒子の群から選択される1種または2種以上からなるフッ化物微粒子をコロイド状で生成させることができる。
したがって、フッ化マグネシウム微粒子、フッ化カルシウム微粒子及びフッ化ストロンチウム微粒子の群から選択される1種または2種以上からなるフッ化物微粒子を、簡単な装置を用いて簡単に作製することができる。
「イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体」
イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体(以下、YAG系蛍光体と略記する場合がある)は、
(Y3−x−zCe)(Al5−y―wSi)O12 ……(2)
(但し、MはSc、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Er、Yb、Lu、Mn、Ti、Zr、Sn、Ca、Znのうち少なくとも1種、RはIn、Gaのうち少なくとも1種であり、0.015≦x≦0.18、0<y≦1.5、0≦z≦0.2、2、0≦w≦1.0)
を主成分とする蛍光体であり、緑色系蛍光を発する蛍光体である。
ここで、YAG系蛍光体の結晶構造及び発光波長が長波長化する点について説明する。
YAG系蛍光体は、ガーネット構造(組成式:IIIIIIV12、但し、II、III、IVは、それぞれ2価、3価、4価の金属イオン)をとり、酸素6配位金属イオン(III)と酸素4配位金属イオン(IV)のネットワーク内の歪んだ空隙に酸素8配位金属イオン(II)が配置されている。
例えば、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)においては、イットリウムイオンが酸素8配位位置、アルミニウムイオンが酸素4配位位置および6配位位置に配置されている構造を有する。
一方、YAG系蛍光体では、歪んだ空隙に配置する酸素8配位位置のイットリウムイオンの一部をセリウム(III)イオンに置換することで、周囲の酸素イオンの影響を受けたセリウムイオンの5d軌道に結晶場分裂が生じ、セリウム(III)イオンの4f−5d遷移による可視光線領域の発光を利用することが知られている。
従来では、YAG系蛍光体の発光波長を制御する方法として、酸素8配位位置や酸素4配位位置にイットリウムイオン、アルミニウムイオン、セリウムイオンとイオン半径の異なるガドミウムイオンやガリウムイオン等のイオンを共ドープさせて8配位構造を歪ませることで、8配位位置にあるセリウムイオンの結晶場分裂の大きさを制御する方法が採られている。
本実施形態のYAG系蛍光体の発光波長を制御する方法は、上述したイオン半径の異なるイオン種を添加することによりガーネット構造を制御する方法とは全く異なる方法である。
すなわち、YAG系蛍光体よりも熱膨張率が大きく、かつ、低屈折率のマトリックス粒子により、YAG系蛍光体を固定化させることにより、このYAG系蛍光体の粒子内部に熱膨張力差による圧縮応力を生じさせ、よって、ガーネット構造を変形・歪ませ、その結果、YAG系蛍光体の発光波長の制御を可能とした方法である。
この場合、例えば、上記のフッ化物の熱膨張率が24ppm程度のとき、YAG系蛍光体の熱膨張率は8ppm程度である。
これにより、本実施形態のYAG系蛍光体では、セリウムイオンの結晶場分裂を大きくすることが可能となり、その結果、高い発光輝度を達成することができる。
以上により、YAG系蛍光体にセリウムイオンを添加することにより、発光ピークの長波長化及び高発光輝度化を両立させることができる。
上記の(2)式にて表されるYAG系蛍光体では、M(イオン)としては、イットリウム(Y)以外の金属元素で、Yの8配位におけるイオン半径(r=1.14)より小さい金属元素イオン(r<1.14)が好ましい。
このような金属元素イオンとしては、Sc(r=0.87)、Pr(r=1.13)、Nd(r=1.12)、Sm(r=1.08)、Eu(r=1.07)、Gd(r=1.05)、Tb(r=1.04)、Er(r=1.00)、Yb(r=0.99)、Lu(r=0.97)、Mn(r=0.96)、Ti(r=0.74)、Zr(r=0.84)、Sn(r=0.81)、Ca(r=1.12)、Zn(r=0.90)のうち少なくとも1種が好ましい。
上記の(2)式において、xの値の範囲を0.015≦x≦0.18とした理由は、x<0.015では、発光効率が著しく低下するので好ましくない。一方、x>0.18では、発光波長ピークが550nmより大きくなり、発光色が黄色に近くなるので好ましくない。
上記の(2)式において、yの値の範囲を0≦z≦1.5とした理由は、この範囲が、4配位位置にあるAlイオンの一部をSiイオンで置換ドープした場合に、発光波長ピークをより短波長化させることができる範囲だからである。なお、y>1.5では、発光効率が著しく悪化するので好ましくない。
上記の(2)式において、zの値の範囲を0≦z≦0.2とした理由は、z>0.2では、発光効率が著しく悪化するので好ましくないからである。
また、R(イオン)としては、4配位位置のアルミニウムイオン以外の金属元素であり、4配位位置のアルミニウムイオンのイオン半径(r=0.39)よりも大きいイオン半径(r>0.39)を有する3価の金属元素イオン、例えば、インジウム(In:r=0.62)、ガリウム(Ga:r=0.47)が挙げられる。
上記の(2)式において、wの値の範囲を0≦w≦1.0とした理由は、w>1.0では、発光効率が著しく悪化するので好ましくないからである。
このYAG系蛍光体の平均粒子径は、マトリクス粒子の平均粒子径と同様、1nm以上かつ500nm以下が好ましく、より好ましくは20nm以上かつ300nm以下である。
ここで、このYAG系蛍光体の平均粒子径を上記の範囲とした理由は、この範囲が、YAG系蛍光体の屈折率が1.6以上かつ2.0以下の範囲となる範囲だからである。
ここで、YAG系蛍光体の平均粒子径が500nmを超えると、このYAG系蛍光体とマトリクス粒子との屈折率差によりミー(Mei)散乱が生じ、その結果、YAG系蛍光体による励起光の後方散乱が大きくなり、このYAG系蛍光体を樹脂中に分散させて樹脂組成物とした場合の発光効率が低下するので好ましくない。一方、このYAG系蛍光体の平均粒子径が1nm未満では、YAG系蛍光体の光の吸収効率が低下するので好ましくない。
このYAG系蛍光体の結晶子径は、X線回折法を用いて測定することができる。
このYAG系蛍光体の平均結晶子径は、200nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましい。
ここで、YAG系蛍光体の平均結晶子径が200nmを超えると、マトリクス粒子中でのYAG系蛍光体の分散性が不均一になり、前方発光性が低下するので好ましくない。
このYAG系蛍光体は、通常の固相法、ゾルゲル法、共沈法、均一沈殿法、ソルボサーマル法、燃焼法、錯体重合法等により合成することができる。
「複合波長変換粒子」
本実施形態の複合波長変換粒子は、上記のYAG系蛍光体が、このYAG系蛍光体よりも低屈折率粒子で構成されるマトリクス粒子中に分散された状態で存在する。
すなわち、上記のYAG系蛍光体と、このYAG系蛍光体よりも屈折率の低い物質で構成されるマトリクス粒子との複合構造である。
この複合波長変換粒子では、上記のYAG系蛍光体は、マトリクス粒子を構成する緻密なフッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びフッ化ストロンチウムの群から選択される1種または2種以上を含有するフッ化物からなるマトリクス粒子間に保持された構造となるので、この複合波長変換粒子の表面に存在するYAG系蛍光体を除き、大半のYAG系蛍光体は外部の雰囲気(空気、水蒸気等)と接触しない状態とすることができる。
この複合波長変換粒子は、通常、樹脂と混合することにより樹脂複合物として用いられるので、その形状は球状であることが好ましい。
本実施形態の複合波長変換粒子では、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びフッ化ストロンチウムの群から選択される1種または2種以上を含有するフッ化物からなるマトリクス粒子中に、屈折率が約1.8のYAG系蛍光体を分散させることにより、複合波長変換粒子全体の屈折率を所望の屈折率、例えば、1.6以下に制御することができる。
また、この複合波長変換粒子の屈折率は、マトリクス粒子を構成するフッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びフッ化ストロンチウムの群から選択される1種または2種以上を含有するフッ化物の体積と、YAG系蛍光体の体積との比、すなわち、上記のフッ化物の体積(V)とYAG系蛍光体の体積(V)との比(V:V)を変えることにより、この体積分率により表される屈折率に制御することができる。
なお、YAG系蛍光体の屈折率や量によっても異なるが、例えば、複合波長変換粒子全体の屈折率を1.6以下とするためには、マトリクス粒子の屈折率を1.45以下とすることが、より多くのYAG系蛍光体を含有させることができるので好ましい。
この複合波長変換粒子におけるYAG系蛍光体の含有率は、この複合波長変換粒子の全質量に対して20質量%以上かつ70質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以上かつ60質量%以下である。
ここで、YAG系蛍光体の含有率が20質量%未満では、フッ化物で構成されるマトリクス粒子とYAG系蛍光体との熱膨張率差による圧縮応力がYAG系蛍光体に均等に作用することにより、YAG結晶構造を変形・歪ませることができなくなり、その結果、発光効率が向上しないので好ましくない。一方、含有率が70質量%を超えると、フッ化物で構成されるマトリクス粒子による圧縮応力が小さくなり、その結果、YAG系蛍光体が単独で存在するようになり、発光効率が低下し、同時に、複合波長変換粒子の表面に露出するYAG系蛍光体の数が多くなってしまい、この露出したYAG系蛍光体が外部の雰囲気の影響を受けて耐久性や特性が低下してしまうので好ましくない。
この複合波長変換粒子の平均粒子径は、特に制限するものではないが、各種樹脂と混合して樹脂複合体を作製する際に、各種樹脂との混合の容易さ、及び樹脂複合体の作製の容易さの点で、1μm以上かつ50μm以下の範囲が好ましい。
この複合波長変換粒子は、平均粒子径が500nm以下のフッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びフッ化ストロンチウムの群から選択される1種または2種以上を含有するフッ化物粒子と、上記のYAG系蛍光体の前駆体とを混合して、この前駆体をフッ化物粒子の間に均一に分散させ、得られた混合物をYAG系蛍光体が生成し結晶化する温度以上の温度範囲で熱処理を行い、フッ化物粒子の間にYAG系蛍光体を生成させ、次いで、フッ化物粒子の融点未満の温度にて熱処理または熱還元処理を行うことにより得ることができる。
なお、熱処理温度または熱還元処理温度がフッ化物粒子の融点以上では、YAG系蛍光体及びフッ化物粒子が共に粒成長して粗大化するので好ましくない。
本実施形態の複合波長変換粒子では、屈折率が約1.8であり平均粒子径が励起・放射波長程度以下のYAG系蛍光体を、緻密であり化学的・熱的安定性の高い低屈折率のフッ化物粒子を含有するマトリクス粒子中に分散させた複合粒子構造とすることで、有効媒質理論により、このような複合波長変換粒子の屈折率は、フッ化物粒子とYAG系蛍光体の体積分率により表現される屈折率となる。
そこで、この複合波長変換粒子を結合剤中に分散させると、この複合波長変換粒子と結合剤との屈折率差を小さくすることができ、よって、光の利用効率を高めることができる。すなわち、光源(半導体発光素子)から発せられる波長が300〜500nmの励起光により励起・発光した緑色光を、より前方方向(励起光の進行方向)に放射させることが可能になる。同時に、光源(半導体発光素子)から発せられる300〜500nmの紫外光や青色光も前方方向に照射することが可能となるので、発光効率に優れた発光装置を製造することが可能となる。
また、YAG系蛍光体の利用効率も最大となり、さらには、YAG系蛍光体は緻密なマトリクス粒子間に分散している状態で埋め込まれているので、高い信頼性を確保することができる。
[複合波長変換粒子含有樹脂組成物]
本実施形態の複合波長変換粒子含有樹脂組成物は、本実施形態の複合波長変換粒子を樹脂中に分散してなる樹脂組成物である。
この樹脂組成物では、上記の複合波長変換粒子と樹脂との屈折率差を小さくして後方散乱を抑制し、光の利用効率を向上させるために、上記の複合波長変換粒子の屈折率は1.6以下とすることが好ましい。
上記の樹脂としては、目的とする光の波長帯域に対して透明性を有する樹脂であればよく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、可視光線や紫外線や赤外線等により硬化する光(電磁波)硬化性樹脂、電子線照射により硬化する電子線硬化性樹脂等の硬化性樹脂が好適に用いられる。
このような樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。特に、シリコーン樹脂は、耐熱性及び耐光性に優れ、さらに上記の複合波長変換粒子との親和性も高いので好ましい。
このようなシリコーン樹脂としては、例えば、ジメチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、ジフェニルシリコーン樹脂、ビニル基含有シリコーン樹脂、アミノ基含有シリコーン樹脂、メタクリル基含有シリコーン樹脂、カルボキシ基含有シリコーン樹脂、エポキシ基含有シリコーン樹脂、カルビノール基含有シリコーン樹脂、フェニル基含有シリコーン樹脂、オルガノハイドロジェンシリコーン樹脂、脂環式エポキシ基変性シリコーン樹脂、多環式炭化水素含有シリコーン樹脂、芳香環炭化水素含有シリコーン樹脂等が挙げられる。
これらのシリコーン樹脂は、通常は単独で用いられるが、用途によっては2種類以上のシリコーン樹脂を組み合わせて用いることができる。
[発光装置]
図2は、本発明の一実施形態の発光装置の一例である表面実装型発光装置を示す断面図であり、この表面実装型発光装置11は、絶縁体からなるフレーム12の凹部13に、300nm以上かつ500nm以下の波長領域の光を発光する半導体発光素子14が設けられ、半導体発光素子14の出射光側には発光層15が設けられている。
また、凹部13には電極16、17が埋め込まれており、半導体発光素子14は電極16に電気的に接続され、さらに、ボンディングワイヤ18により電極17に電気的に接続されている。
この発光層15は、透明性を有する樹脂21中に、本実施形態の複合波長変換粒子22、黄色蛍光体23及び赤色蛍光体24が分散されている。
この表面実装型発光装置11においては、半導体発光素子14が300nm以上かつ500nm以下の波長領域の光を発光し、この光を複合波長変換粒子22が受光する。
この複合波長変換粒子22では、受光した光の波長(300nm以上かつ500nm以下)を長波長化し、発光ピークが510nm以上かつ550nm以下の範囲の波長領域の緑色光を発光する。
一方、黄色蛍光体23及び赤色蛍光体24では、半導体発光素子14が発光する光を受光し、黄色蛍光体23では固有の波長領域の黄色光を発光するとともに、赤色蛍光体24では固有の波長領域の赤色光を発光する。
よって、この表面実装型発光装置11から発光される光は、黄色光、緑色光及び赤色光が重畳されることにより、白色光として認識される。
図3は、本発明の一実施形態の発光装置の他の一例である表面実装型発光装置を示す断面図であり、この表面実装型発光装置31が、上記の表面実装型発光装置11と異なる点は、透明性を有する樹脂21中の半導体発光素子14に近い側に、本実施形態の複合波長変換粒子22が分散された複合波長変換粒子含有樹脂層32を形成し、この複合波長変換粒子含有樹脂層32の上に、黄色蛍光体23、赤色蛍光体24、青色蛍光体33が分散された蛍光体含有樹脂層34を形成し、これら複合波長変換粒子含有樹脂層32及び蛍光体含有樹脂層34により2層構造の発光層35を構成した点である。
この表面実装型発光装置31においては、半導体発光素子14が300nm以上かつ500nm以下の波長領域の光を発光し、この光を複合波長変換粒子含有樹脂層32中の複合波長変換粒子22が受光する。
この複合波長変換粒子22では、受光した光の波長(300nm以上かつ500nm以下)を長波長化し、発光ピークが510nm以上かつ550nm以下の範囲の波長領域の緑色光を発光する。
一方、蛍光体含有樹脂層34では、半導体発光素子14が発光する光を、黄色蛍光体23、赤色蛍光体24、青色蛍光体33が受光し、黄色蛍光体23では固有の波長領域の黄色光を発光し、赤色蛍光体24では固有の波長領域の赤色光を発光し、青色蛍光体33では固有の波長領域の青色光を発光する。
よって、この表面実装型発光装置31から発光される光は、緑色光、黄色光、赤色光及び青色光が重畳されることにより、白色光として認識される。
図4は、本発明の一実施形態の発光装置のさらに他の一例である表面実装型発光装置を示す断面図であり、この表面実装型発光装置41が、上記の表面実装型発光装置11、31と異なる点は、凹部13に充填された透明性を有する樹脂21上に、この樹脂21と組成が同一または異なる組成の樹脂42中に、本実施形態の複合波長変換粒子22、黄色蛍光体23、赤色蛍光体24及び青色蛍光体33が分散された発光層43を形成した点である。
この表面実装型発光装置41においては、半導体発光素子14が300nm以上かつ500nm以下の波長領域の光を発光し、この光を発光層43中の複合波長変換粒子22が受光する。
この複合波長変換粒子22では、受光した光の波長(300nm以上かつ500nm以下)を長波長化し、発光ピークが510nm以上かつ550nm以下の範囲の波長領域の緑色光を発光する。
一方、黄色蛍光体23、赤色蛍光体24及び青色蛍光体33では、半導体発光素子14が発光する光を受光し、黄色蛍光体23では固有の波長領域の黄色光を発光し、赤色蛍光体24では固有の波長領域の赤色光を発光し、青色蛍光体33では固有の波長領域の青色光を発光する。
よって、この表面実装型発光装置41から発光される光は、緑色光、黄色光、赤色光及び青色光が重畳されることにより、白色光として認識される。
次に、これらの表面実装型発光装置11、31、41の構成要素について詳細に説明する。
「半導体発光素子」
半導体発光素子14は、発光層15、35、43を励起する光を発光するもので、この発光波長は、発光層15、35、43の吸収波長と重複するものであればよく、特に制限されず、幅広い発光波長領域を使用することができる。通常は、紫外領域から青色領域までの発光波長、特に300nm〜500nmの近紫外領域から青色領域までの発光波長を使用することが好ましい。
この半導体発光素子14としては、GaN系化合物半導体を使用したGaN系LED(light-emitting diode)またはLD(laser diode)が好ましい。
その理由は、GaN系LEDやLDは、この領域の光を発するSiC系LEDと比べて、発光出力及び外部量子効率が格段に大きく、発光層15、35、43と組み合わせることにより、非常に低電力で非常に明るい発光が得られるからである。
GaN系LEDやLDは、例えば、20mAの電流負荷に対して、SiC系LEDと比べて100倍以上の発光強度を有する。
GaN系LEDやLDにおいては、AlGaN発光層(x+y=0.8〜1.2)、GaN発光層、InGaN発光層(x+y=0.8〜1.2)を有しているものが発光強度が強いので好ましい。これらの中でも、InGaN発光層(x+y=0.8〜1.2)を有するものは、発光強度が非常に強いので好ましい。
GaN系LEDは、AlGaN発光層(x+y=0.8〜1.2)、GaN発光層、InGaN発光層(x+y=0.8〜1.2)等の発光層と、p層と、n層と、電極と、基板とを基本構成要素としたものであり、上記の発光層をn型とp型のAlGaN層(x+y=0.8〜1.2)、GaN層(y=0.8〜1.2)、GaN層、またはInGaN層(x+y=0.8〜1.2)等によりサンドイッチにしたヘテロ構造を有しているものが、発光効率が高くて好ましく、特に、GaN系LEDにおいては、InGaN発光層とGaN層の多重量子井戸構造のものが、発光強度が非常に強いので特に好ましい。
なお、GaN系LEDにおいては、これらの発光層にZnやSiをドープしたものやド―パントなしのものが発光特性を調節する上で好ましいものである。
この半導体発光素子14は、1個のみを用いてもよく、2個以上を組み合わせて用いてもよい。
「発光層」
発光層15、35、43は、半導体発光素子から出射される光を受光することにより可視光線を発光するもので、本実施形態の複合波長変換粒子を含有するとともに、黄色蛍光体23及び赤色蛍光体24、さらには青色蛍光体33、必要に応じて緑色蛍光体(図示略)を含有している。
この発光層15、35、43は、半導体発光素子14から出射される光の光路上に設けられている。
特に、この発光層15に、黄色蛍光体層および赤色蛍光体層を重ね合わせる場合、半導体発光素子14から発せられる光が青色光である場合には、この発光層15を黄色蛍光体層および赤色蛍光体層よりも半導体発光素子14に近い側に設けた方が、発光効率が高くなるのでより好ましい。
ここで、本実施形態の複合波長変換粒子22では、半導体発光素子14から発せられる光を吸収するとともに、吸収されない光(青色光)は、複合波長変換粒子22により後方散乱吸収されることなく、半導体発光素子14から発せられる光の進行方向に進行して黄色蛍光体層および赤色蛍光体層をより多く励起させる。
このように、半導体発光素子14側から、発光層15、黄色蛍光体層、赤色蛍光体層の順序とすることで、極めて発光効率に優れた白色系発光装置を得ることが可能となる。
次に、この発光層に含有される蛍光体について説明する。
(黄色蛍光体)
この黄色蛍光体は、本発明の効果を著しく損なわないかぎり、任意のものを使用することができる。
この黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常550nm以上、好ましくは560nm以上、また、通常620nm以下、好ましくは600nm以下の波長範囲にあることが好適である。
このような黄色蛍光体としては、各種の酸化物系、窒化物系、酸窒化物系、硫化物系、酸硫化物系等の蛍光体が挙げられる。
特に、RE12:Ce(但し、REはY,Tb,Gd,LuおよびSmの群から選択される1種または2種以上、MはAl,GaおよびScの群から選択される1種または2種以上)、MaMbMc12:Ce(但し、Maは2価の金属元素、Mbは3価の金属元素、Mcは4価の金属元素)等で表されるガーネット構造を有するガーネット系蛍光体、
AEMdO:Eu(但し、AEはBa,Sr,Ca,MgおよびZnの群から選択される1種または2種以上、MdはSi,Ge,SiおよびGeのいずれか1種)等で表されるオルソシリケート系蛍光体、
これらの系の蛍光体の構成元素の酸素の一部を窒素で置換した酸窒化物系蛍光体、
AEAlSiN:Ce(但し、AEはBa,Sr,Ca,MgおよびZnの群から選択される1種または2種以上)等のCaAlSiN構造を有する窒化物蛍光体等のCeで賦活した蛍光体、
が挙げられる。
さらに、その他の黄色蛍光体としては、例えば、
CaGa:Eu、(Ca,Sr)Ga:Eu、(Ca,Sr)(Ga,Al):Eu等の硫化物蛍光体、
Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu等のSiAlON構造を有する酸窒化物系蛍光体等のEuで賦活した蛍光体、
を用いることも可能である。
また、黄色蛍光体としては、例えば、brilliant sulfoflavine(Colour Index Number 56205)、basic yellow HG(Colour Index Number 46040)、eosine(Colour Index Number 45380)、rhodamine 6G(Colour Index Number 45160)等の蛍光染料を用いることも可能である。
(赤色蛍光体)
この赤色蛍光体は、本発明の効果を著しく損なわないかぎり、任意のものを使用することができる。
この赤色蛍光体の発光ピーク波長は、通常580nm以上、好ましくは585nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下の波長範囲にあることが好適である。
このような赤色蛍光体としては、例えば、
(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:Euで表されるユーロピウム賦活アルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光体、
(Y,La,Gd,Lu)S:Euで表されるユーロピウム賦活希土類オキシカルコゲナイド系蛍光体等が挙げられる。
その他の赤色蛍光体としては、
(La,Y)S:Eu等のEu賦活硫化物蛍光体、
Y(V,P)O:Eu、Y:Eu等のEu賦活酸化物蛍光体、
(Ba,Mg)SiO:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu,Mn等のEu,Mn賦活珪酸塩蛍光体、
LiW:Eu、LiW:Eu,Sm、Eu,Eu:Nb、Eu:Sm等のEu賦活タングステン酸塩蛍光体、
(Ca,Sr)S:Eu等のEu賦活硫化物蛍光体等が挙げられる。
YAlO:Eu等のEu賦活アルミン酸塩蛍光体、
Ca(SiO:Eu、LiY(SiO:Eu、(Sr,Ba,Ca)SiO:Eu、SrBaSiO:Eu等のEu賦活珪酸塩蛍光体、
(Y,Gd)Al12:Ce、(Tb,Gd)Al12:Ce、(Y,Mn)(Al,Si)12:Ce等のCe賦活アルミン酸塩蛍光体、
(Mg,Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Eu等のEu賦活酸化物、窒化物、または酸窒化物蛍光体、
(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Ce等のCe賦活酸化物、窒化物または酸窒化物蛍光体等も挙げられる。
(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POl2:Eu,Mn等Eu,Mn賦活ハロリン酸塩蛍光体、BaMgSi:Eu,Mn,(Ba,Sr,Ca,Mg)(Zn,Mg)Si:Eu,Mn等のEu,Mn賦活珪酸塩蛍光体、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn等のMn賦活ゲルマン酸塩蛍光体、Eu賦活αサイアロン等のEu賦活酸窒化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La):Eu,Bi等のEu,Bi賦活酸化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)S:Eu,Bi等のEu,Bi賦活酸硫化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)VO:Eu,Bi等のEu,Bi賦活バナジン酸塩蛍光体等も挙げられる。
SrY:Eu,Ce等のEu,Ce賦活硫化物蛍光体、
CaLa:Ce等のCe賦活硫化物蛍光体、
(Ba,Sr,Ca)MgP:Eu,Mn、(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn):Eu,Mn等のEu,Mn賦活リン酸塩蛍光体、
(Y,Lu)WO:Eu,Mo等のEu,Mo賦活タングステン酸塩蛍光体、
(Ba,Sr,Ca)SiNz:Eu,Ce(ただし、x,y,zは、1以上の整数)等のEu,Ce賦活窒化物蛍光体、
(Ca,Sr,Ba,Mg)10(PO(F,Cl,Br,OH):Eu,Mn等のEu,Mn賦活ハロリン酸塩蛍光体、
((Y,Lu,Gd,Tb)1−x−yScCe(Ca,Mg)1−r(Mg,Zn)2+rSi2−qGe12+δ等のCe賦活珪酸塩蛍光体等も挙げられる。
さらに、その他の赤色蛍光体としては、例えば、β―ジケトネート、β―ジケトン、芳香族カルボン酸、または、ブレンステッド酸等のアニオンを配位子とする希土類元素イオン錯体からなる赤色有機蛍光体、ジベンゾ{[f,f’]−4,4’,7,7’−テトラフェニル}ジインデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン等のペニレン系顔料、アントラキノン系顔料、レーキ系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、フタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、インダンスロン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料を用いることも可能である。
これらの赤色蛍光体は、いずれか1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(青色蛍光体)
この青色蛍光体は、本発明の効果を著しく損なわないかぎり、任意のものを使用することができる。
この青色蛍光体の発光ピーク波長は、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、また、通常490nm以下、好ましくは470nm以下の波長範囲にあることが好適である。
このような青色蛍光体としては、例えば、
(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Euで表されるユーロピウム賦活バリウムマグネシウムアルミネート系蛍光体、
(Mg,Ca,Sr,Ba)(PO(Cl,F):Euで表されるユーロピウム賦活ハロリン酸カルシウム系蛍光体、
(Ca,Sr,Ba)Cl:Euで表されるユーロピウム賦活アルカリ土類クロロボレート系蛍光体、
(Sr,Ca,Ba)Al:Euまたは(Sr,Ca,Ba)Al1425:Euで表されるユーロピウム賦活アルカリ土類アルミネート蛍光体等が挙げられる。
その他の青色蛍光体としては、Sr:Sn等のSn賦活リン酸塩蛍光体、
SrGa:Ce、CaGa:Ce等のCe賦活チオガレート蛍光体、
(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn賦活アルミン酸塩蛍光体、
ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al等の硫化物蛍光体、
SiO:Ce等のCe賦活珪酸塩蛍光体、
CaWOタングステン酸塩蛍光体、
SrSiAl19ON31:Eu、EuSiAl19ON31等のEu賦活酸窒化物蛍光体等を用いることも可能である。
さらに、その他の青色蛍光体としては、例えば、ナフタル酸イミド系、ベンゾオキサゾール系、スチリル系、クマリン系、ピラリゾン系、トリアゾール系化合物の蛍光色素、ツリウム錯体等の有機蛍光体等を用いることも可能である。
これらの青色蛍光体は、いずれか1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(緑色蛍光体)
この緑色蛍光体は、本発明の効果を著しく損なわないかぎり、任意のものを、本実施形態の複合波長変換粒子22と併用して使用することができる。
この緑色蛍光体の発光ピーク波長は、通常510nm以上、好ましくは520nm以上、また、通常540nm以下、好ましくは530nm以下の波長範囲にあることが好適である。
このような緑色蛍光体としては、例えば、
(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:Euで表されるEu賦活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光体、
SrAl1425:Eu、(Ba,Sr,Ca)Al:Eu等のEu賦活アルミン酸塩蛍光体、
(Sr,Ba)AlSi:Eu、(Ba,Mg)SiO:Eu、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn)Si:Eu、(Ba,Sr,Ca,Mg)(Sc,Y,Lu,Gd)(Si,Ge)24:Eu等のユーロピウム賦活珪酸塩蛍光体等が挙げられる。
SiO:Ce,Tb等のCe,Tb賦活珪酸塩蛍光体、
Sr−Sr:Eu等のEu賦活硼酸リン酸塩蛍光体、
SrSi−2SrCl:Eu等のEu賦活ハロ珪酸塩蛍光体、
ZnSiO:Mn等のMn賦活珪酸塩蛍光体、
CeMgAl1119:Tb、YAl12:Tb等のTb賦活アルミン酸塩蛍光体、
Ca(SiO:Tb、LaGaSiO14:Tb等のTb賦活珪酸塩蛍光体、(Sr,Ba,Ca)Ga:Eu,Tb,Sm等のEu,Tb,Sm賦活チオガレート蛍光体、
(Al,Ga)12:Ce、(Y,Gd,Tb,La,Sm,Pr,Lu)(Al,Ga)12:Ce等のCe賦活アルミン酸塩蛍光体等も挙げられる。
CaScSi12:Ce、Ca(Sc,Mg,Na,Li)Si12:Ce等のCe賦活珪酸塩蛍光体、
CaSc:Ce等のCe賦活酸化物蛍光体、
Eu賦活βサイアロン等のEu賦活酸窒化物蛍光体、
BaMgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn賦活アルミン酸塩蛍光体、
SrAl:Eu等のEu賦活アルミン酸塩蛍光体、
(La,Gd,Y)S:Tb等のTb賦活酸硫化物蛍光体、
LaPO:Ce,Tb等のCe,Tb負荷知リン酸塩蛍光体等も挙げられる。
ZnS:Cu,Al,ZnS:Cu,Au,Al等の硫化物蛍光体、
(Y,Ga,Lu,Sc,La)BO:Ce,Tb、NaGd:Ce,Tb、(Ba,Sr)(Ca,Mg,Zn)B:K,Ce,Tb等のCe,Tb賦活硼酸塩蛍光体、
CaMg(SiOCl:Eu,Mn等のEu,Mn賦活ハロ珪酸塩蛍光体、
(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In):Eu等のEu賦活チオアルミネート蛍光体またはチオガレート蛍光体、
Si:Eu、MSi12:Eu(ただし、Mはアルカリ土類金属元素)等のEu賦活窒化物蛍光体等も挙げられる。
さらに、その他の緑色蛍光体としては、例えば、ピリジンーフタルイミド縮合誘導体、ベンゾオキサジノン系、キナゾリノン系、クマリン系、キノフタロン系、ナルタル酸イミド系等の蛍光色素、テルビウム錯体等の有機蛍光体を用いることも可能である。
これらの緑色蛍光体は、いずれか1種を併用してもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
(蛍光体の組み合わせ)
上記の黄色蛍光体、赤色蛍光体、青色蛍光体及び緑色蛍光体(本実施形態の複合波長変換粒子を除く)は、1種類の蛍光体を単独で使用してもよく、2種類以上の蛍光体を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
また、本実施形態の複合波長変換粒子と、上記の各種蛍光体との比率も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。したがって、上記の各種蛍光体の使用量、及び上記の各種蛍光体として用いる蛍光体の組み合わせおよびその比率は、発光装置の用途に応じて任意に設定すればよい。
本実施形態の発光装置においては、上記の黄色蛍光体、赤色蛍光体、青色蛍光体及び緑色蛍光体(本実施形態の複合波長変換粒子を除く)の仕様の有無およびその種類は、発光装置の用途に応じて適宜選択すればよい。例えば、本実施形態の発光装置を緑色を発光する発光装置として構成する場合には、本実施形態の複合波長変換粒子のみを使用すればよく、上記の各種蛍光体は通常は不要である。
一方、本実施形態の発光装置を白色を発光する発光装置として構成する場合には、所望の白色光が得られるように、半導体発光素子14と、本実施形態の複合波長変換粒子と、上記の各種蛍光体とを適切に組み合わせればよい。
具体的には、本実施形態の発光装置を白色を発光する発光装置として構成する場合における、本実施形態の複合波長変換粒子と、上記の各種蛍光体との好ましい組み合わせとしては、以下の(i)〜(ii)の組み合わせが挙げられる。
(i)半導体発光素子として青色発光素子(青色LED等)を使用し、緑色蛍光体として本実施形態の複合波長変換粒子を含む緑色蛍光体を使用し、その他の蛍光体として赤色蛍光体、黄色蛍光体のいずれか1種または2種を使用する。
この場合、赤色蛍光体としては、(Sr,Ca)AlSiN:Eu及び(Sr,Ba)SiO:Euから選択される少なくとも1種が好ましい。
(ii)半導体発光素子として近紫外発光素子(近紫外LED等)を使用し、緑色蛍光体として本実施形態の複合波長変換粒子を含む緑色蛍光体を使用し、その他の蛍光体として青色蛍光体及び赤色蛍光体を使用する。
この場合、青色蛍光体としては、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu及び(Mg,Ca,Sr,Ba)(PO(Cl,F):Euから選択される少なくとも1種が好ましい。
赤色蛍光体としては、(Sr,Ca)AlSiN:Eu及びLaS:Euから選択される少なくとも1種が好ましい。
(樹脂)
本実施形態の複合波長変換粒子及び上記の各種蛍光体を分散させる樹脂としては、上述した複合波長変換粒子含有樹脂組成物にて用いられる樹脂が好適に用いられる。
上記の発光装置においては、上記の各発光層の替わりに、本実施形態の複合波長変換粒子、上記の黄色蛍光体、赤色蛍光体、青色蛍光体、必要に応じて緑色蛍光体(本実施形態の複合波長変換粒子を除く)をプラスチックフィルム中に分散させた発光フィルム、あるいは、これら複合波長変換粒子及び上記の各種蛍光体をプラスチック表面にコーティングした波長変換シートまたはフィルムを、半導体発光素子の発光側に装着することとしてもよい。
上記の発光装置の用途は特に制限されず、通常の発光装置が用いられる各種の分野に使用することが可能であるが、発光効率が高く、かつ、演色性も高いことから、照明装置や画像表示装置の光源として好適である。
以上説明したように、本実施形態の複合波長変換粒子によれば、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びフッ化ストロンチウムの群から選択される1種または2種以上を含有してなるフッ化物からなるマトリクス粒子中にイットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体を分散し、さらに、発光強度の最大値を510nm以上かつ550nm以下の波長領域にあることとしたので、光の利用効率及び粒子自体の利用効率を高めることができ、発光輝度を向上させることができる。この発光輝度は長期間に亘って安定しているので、信頼性を高めることができる。したがって、高い発光輝度と高信頼性を両立させることができる。
本実施形態の複合波長変換粒子含有樹脂組成物によれば、本実施形態の複合波長変換粒子を樹脂中に分散したので、光の利用効率及び樹脂組成物自体の利用効率を高めることができ、発光輝度を向上させることができる。この発光輝度は長期間に亘って安定しているので、信頼性を高めることができる。したがって、高い発光輝度と高信頼性を両立させることができる。
本実施形態の発光装置によれば、300nm以上かつ500nm以下の波長領域の光を発光する半導体発光素子と、この半導体発光素子から出射される光を受光することにより可視光線を発光する発光層と、を備え、この発光層に本実施形態の複合波長変換粒子を含有させたので、光の利用効率及び樹脂組成物自体の利用効率を高めることができる。したがって、演色性に優れ、発光輝度が高く、長期間に亘って信頼性が高い発光装置を提供することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
『複合波長変換粒子』
「実施例1」
(フッ化マグネシウムコロイドの作製)
塩化マグネシウム6水和物(MgCl・6HO)406.6gを純水2000g(室温:25℃)に溶解し、塩化マグネシウム水溶液を作製した。次いで、この溶液に、フッ化アンモニウム(NHF)148.2gを純水2000g(室温:25℃)に溶解させたフッ化アンモニウム水溶液を撹拌しながら加え、フッ化マグネシウム粒子を生成させた。
次いで、このフッ化マグネシウム粒子を含む溶液に限外濾過洗浄を行って、この溶液中の不純物イオンを除去し、次いで濃縮し、フッ化マグネシウム(MgF)粒子を2質量%含むフッ化マグネシウムコロイドを作製した。
このフッ化マグネシウムコロイドの分散粒子径を、光透過式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、30nmであった。
このフッ化マグネシウムコロイドからフッ化マグネシウムを分離、乾燥し、得られたフッ化マグネシウム(MgF)粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、8nmであった。
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
蛍光体の前駆体として、希土類アルミネート系蛍光体前駆体溶液を作製した。
ここでは、ガーネット構造の蛍光体としてYAG:Ce蛍光体を選択し、このYAG:Ce蛍光体の前駆体としてAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液(グリオキシル酸錯体水溶液)を作製した。なお、このYAG:Ce蛍光体の前駆体では、発光イオンであるCeイオンの濃度は、上記の式(1)にてx=0.12、y=0、z=0、w=0とした。
また、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)380gを純水10000gに溶解して炭酸水素アンモニウム水溶液を作製した。
さらに、硝酸アルミニウム9水和物(Al(NO・9HO:分子量375.13)312.73g、硝酸イットリウム6水和物(Y(NO・6HO:分子量383.01)183.91g、及び硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO:分子量434.23)8.69gを純水5000g(室温:25℃)に溶解させ、硝酸塩水溶液を作製した。
次いで、上記の炭酸水素アンモニウム水溶液に上記の硝酸塩水溶液を加え、Al,Y,Ceのヒドロキシ炭酸塩の沈殿物を作製し、この沈殿物を限外濾過装置を用いて洗浄して不純物イオンを除去し、次いで、真空濾過装置にて固液分離し、得られたケーキを120℃にて24時間、乾燥処理を行い、Al,Y,Ceヒドロキシ炭酸塩の乾燥粒子を得た。次いで、この乾燥粒子33.9g(YAG:Ceに換算して20g)を、グリオキシル酸58.6gを含むグリオキシル酸水溶液466.1gに添加し、その後、室温(25℃)にて24時間撹拌し、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
上記のフッ化マグネシウムコロイド200gと、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液100gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、550℃にて2時間熱処理してYAG:Ce蛍光体の前駆体を熱分解させ、焼成粒子を得た。
次いで、この焼成粒子を、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1050℃にて5時間、熱処理を行い、実施例1の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。この複合波長変換粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)像を図5に示す。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、MgFの結晶子径は25nm、YAGの結晶子径は60nmであった。これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
上記の複合波長変換粒子(Mp)と、2液タイプのシリコーン樹脂 OE6630(屈折率:1.53、東レダウ(株)社製)(Ms)との質量比(Mp:Ms)が25:75となるように、上記の複合波長変換粒子及びシリコーン樹脂を秤量した後、メノウ乳鉢にて混練した。なお、上記のシリコーン樹脂は、主剤が42.8質量部、硬化剤が32.2質量部であった。
次いで、この混練物を透明ガラス基板上にバーコータにて塗布し、次いで、150℃にて60分加熱して硬化させ、この透明ガラス基板上に厚み30μmの発光強度測定用の実施例1の波長変換膜を形成した。
一方、比較用の発光特性測定用の波長変換膜として、市販のYAG:Ce蛍光体 P46−Y3(YAGの粒子径:6μm〜8μm、化成オプト(株)社製)を用いた他は、実施例1の波長変換膜と同様にして、透明ガラス基板上に厚み30μmの発光強度測定用の比較用の波長変換膜を形成した。
次いで、実施例1の波長変換膜及び比較用の波長変換膜それぞれの発光スペクトルの量子効率を、積分半球方式の量子効率測定システム QE2000(大塚電子(株)社製)を用いて、透過法により測定した。
ここでは、透過光の試料面積を5mm×6mmの矩形状とし、波長変換膜の後方(ガラス基板側)から励起光を入射して、波長変換膜の前方の発光スペクトルを積分半球により集光し、入射460nm励起光フォトン量に対する前方発光した560nm発光フォトン量(外部量子効率相当)を測定し、実施例1の波長変換膜については複合波長変換粒子1g当たりに、一方、比較用の波長変換膜についてはYAG1g当たりに、それぞれ換算して、実施例1の複合波長変換粒子と比較用の蛍光体の前方方向への発光特性を比較(前方発光特性比)した。
ここでは、実施例1及び比較用それぞれの波長変換膜について、前方発光560nmフォトン量と入射460nm励起光フォトン量とにより、発光体1g当たりの前方発光特性(前方発光560nmフォトン量/入射460nm励起光フォトン量)を算出し、次いで、実施例1の複合波長変換粒子1g当たりの前方発光特性と、比較用の蛍光体1g当たりの前方発光特性との比を算出し、前方発光特性比とした。
同時に、発光ピーク波長及び発光スペクトルの半値幅についても測定を行った。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
[実施例2]
(フッ化カルシウムコロイドの作製)
塩化カルシウム2水和物(CaCl・2HO)376.6gを純水9624g(室温:25℃)に溶解し、塩化カルシウム水溶液を作製した。次いで、この溶液に、フッ化アンモニウム(NHF)190gを純水9810g(室温:25℃)に溶解させたフッ化アンモニウム水溶液を撹拌しながら加え、フッ化カルシウム粒子を生成させた。
次いで、このフッ化カルシウム粒子を含む溶液に限外濾過洗浄を行って、この溶液中の不純物イオンを除去し、次いで濃縮し、フッ化カルシウム(CaF)粒子を2質量%含むフッ化カルシウムコロイドを作製した。
このフッ化カルシウムコロイドの分散粒子径は80nm、フッ化カルシウム(CaF)粒子の結晶子径は20nmであった。
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
実施例1に準じて、蛍光体の前駆体として、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
上記のフッ化カルシウムコロイド200gと、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液100gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、実施例2の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は60nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
実施例2の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、実施例2の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
[実施例3]
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
実施例1に準じて、蛍光体の前駆体として、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
実施例2に準じて作製したフッ化カルシウムコロイド200gと、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液42.9gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、実施例3の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は50nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
実施例3の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、実施例3の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
[実施例4]
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
実施例1に準じて、蛍光体の前駆体として、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
実施例2に準じて作製したフッ化カルシウムコロイド200gと、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液66.7gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、実施例4の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は60nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
実施例4の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、実施例4の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
[実施例5]
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
実施例1に準じて、蛍光体の前駆体として、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
実施例2に準じて作製したフッ化カルシウムコロイド200gと、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液150gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、実施例5の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は75nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
実施例5の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、実施例5の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
[実施例6]
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
実施例1に準じて、蛍光体の前駆体として、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
実施例2に準じて作製したフッ化カルシウムコロイド200gと、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液233gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、実施例6の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は80nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
実施例6の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、実施例6の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
[実施例7]
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
蛍光体の前駆体として、希土類アルミネート系蛍光体前駆体溶液を作製した。
ここでは、ガーネット構造の蛍光体としてYAG:Ce蛍光体を選択し、このYAG:Ce蛍光体の前駆体としてAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液(グリオキシル酸錯体水溶液)を作製した。なお、このYAG:Ce蛍光体の前駆体では、発光イオンであるCeイオンの濃度は、上記の式(1)にてx=0.06、y=0、z=0、w=0とした。
また、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)382gを純水10000gに溶解して炭酸水素アンモニウム水溶液を作製した。
さらに、硝酸アルミニウム9水和物(Al(NO・9HO:分子量375.13)314.34g、硝酸イットリウム6水和物(Y(NO・6HO:分子量383.01)188.71g、及び硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO:分子量434.23)4.37gを純水5000g(室温:25℃)に溶解させ、硝酸塩水溶液を作製した。
次いで、上記の炭酸水素アンモニウム水溶液に上記の硝酸塩水溶液を加え、Al,Y,Ceのヒドロキシ炭酸塩の沈殿物を作製し、この沈殿物を限外濾過装置を用いて洗浄して不純物イオンを除去し、次いで、真空濾過装置にて固液分離し、得られたケーキを120℃にて24時間、乾燥処理を行い、Al,Y,Ceヒドロキシ炭酸塩の乾燥粒子を得た。次いで、この乾燥粒子33.9g(YAG:Ceに換算して20g)を、グリオキシル酸58.6gを含むグリオキシル酸水溶液466.1gに添加し、その後、室温(25℃)にて24時間撹拌し、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
実施例2に準じて作製したフッ化カルシウムコロイド200gと、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液100gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、実施例7の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は110nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
実施例7の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、実施例7の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
[実施例8]
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
蛍光体の前駆体として、希土類アルミネート系蛍光体前駆体溶液を作製した。
ここでは、ガーネット構造の蛍光体としてYAG:Ce蛍光体を選択し、このYAG:Ce蛍光体の前駆体としてAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液(グリオキシル酸錯体水溶液)を作製した。なお、このYAG:Ce蛍光体の前駆体では、発光イオンであるCeイオンの濃度は、上記の式(1)にてx=0.09、y=0、z=0、w=0とした。
また、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)380gを純水10000gに溶解して炭酸水素アンモニウム水溶液を作製した。
さらに、硝酸アルミニウム9水和物(Al(NO・9HO:分子量375.13)313.53g、硝酸イットリウム6水和物(Y(NO・6HO:分子量383.01)186.31g、及び硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO:分子量434.23)6.53gを純水5000g(室温:25℃)に溶解させ、硝酸塩水溶液を作製した。
次いで、上記の炭酸水素アンモニウム水溶液に上記の硝酸塩水溶液を加え、Al,Y,Ceのヒドロキシ炭酸塩の沈殿物を作製し、この沈殿物を限外濾過装置を用いて洗浄して不純物イオンを除去し、次いで、真空濾過装置にて固液分離し、得られたケーキを120℃にて24時間、乾燥処理を行い、Al,Y,Ceヒドロキシ炭酸塩の乾燥粒子を得た。次いで、この乾燥粒子33.9g(YAG:Ceに換算して20g)を、グリオキシル酸58.6gを含むグリオキシル酸水溶液466.1gに添加し、その後、室温(25℃)にて24時間撹拌し、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
実施例2に準じて作製したフッ化カルシウムコロイド200gと、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液100gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、実施例8の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は95nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
実施例8の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、実施例8の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
[実施例9]
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
蛍光体の前駆体として、希土類アルミネート系蛍光体前駆体溶液を作製した。
ここでは、ガーネット構造の蛍光体としてYAG:Ce蛍光体を選択し、このYAG:Ce蛍光体の前駆体としてAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液(グリオキシル酸錯体水溶液)を作製した。なお、このYAG:Ce蛍光体の前駆体では、発光イオンであるCeイオンの濃度は、上記の式(1)にてx=0.15、y=0、z=0、w=0とした。
また、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)379gを純水10000gに溶解して炭酸水素アンモニウム水溶液を作製した。
さらに、硝酸アルミニウム9水和物(Al(NO・9HO:分子量375.13)311.93g、硝酸イットリウム6水和物(Y(NO・6HO:分子量383.01)181.53g、及び硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO:分子量434.23)10.83gを純水5000g(室温:25℃)に溶解させ、硝酸塩水溶液を作製した。
次いで、上記の炭酸水素アンモニウム水溶液に上記の硝酸塩水溶液を加え、Al,Y,Ceのヒドロキシ炭酸塩の沈殿物を作製し、この沈殿物を限外濾過装置を用いて洗浄して不純物イオンを除去し、次いで、真空濾過装置にて固液分離し、得られたケーキを120℃にて24時間、乾燥処理を行い、Al,Y,Ceヒドロキシ炭酸塩の乾燥粒子を得た。次いで、この乾燥粒子33.9g(YAG:Ceに換算して20g)を、グリオキシル酸58.6gを含むグリオキシル酸水溶液466.1gに添加し、その後、室温(25℃)にて24時間撹拌し、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
実施例2に準じて作製したフッ化カルシウムコロイド200gと、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液100gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、実施例9の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は60nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
実施例9の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、実施例9の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
[実施例10]
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
蛍光体の前駆体として、希土類アルミネート系蛍光体前駆体溶液を作製した。
ここでは、ガーネット構造の蛍光体としてYAG:Ce蛍光体を選択し、このYAG:Ce蛍光体の前駆体としてAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液(グリオキシル酸錯体水溶液)を作製した。なお、このYAG:Ce蛍光体の前駆体では、発光イオンであるCeイオンの濃度、及びAlイオンの濃度は、上記の式(1)にてx=0.18、y=0.3、w=0とした。
また、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)378gを純水10000gに溶解して炭酸水素アンモニウム水溶液を作製した。
さらに、硝酸アルミニウム9水和物(Al(NO・9HO:分子量375.13)292.30g、硝酸イットリウム6水和物(Y(NO・6HO:分子量383.01)179.07g、及び硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO:分子量434.23)12.96gを純水5000g(室温:25℃)に溶解させ、硝酸塩水溶液を作製した。
次いで、上記の炭酸水素アンモニウム水溶液に上記の硝酸塩水溶液を加え、Al,Y,Ceのヒドロキシ炭酸塩の沈殿物を作製し、この沈殿物を限外濾過装置を用いて洗浄して不純物イオンを除去し、次いで、真空濾過装置にて固液分離し、得られたケーキを120℃にて24時間、乾燥処理を行い、Al,Y,Ceヒドロキシ炭酸塩の乾燥粒子を得た。次いで、この乾燥粒子33.9g(YAG:Ceに換算して20g)を、グリオキシル酸58.6gを含むグリオキシル酸水溶液466.1gに添加し、その後、室温(25℃)にて24時間撹拌し、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(シリケート含有YAG前駆体溶液の作製)
テトラメトキシシラン15.68gを、メタノール62.04gと純水20.05gを混合したメタノール溶液と混合・撹拌した溶液中に、1NのHNO水溶液2.23gを滴下した。次いで、40℃にて3時間保持した後、室温(25℃)まで冷却し、シリケート溶液を作製した。
次いで、上記のAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液500gに、上記のシリケート溶液9.66gを加えて混合撹拌し、シリケート含有YAG前駆体溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
実施例2に準じて作製したフッ化カルシウムコロイド200gと、上記のシリケート含有YAG前駆体溶液100gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、実施例10の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は60nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
実施例10の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、実施例10の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
[実施例11]
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
蛍光体の前駆体として、希土類アルミネート系蛍光体前駆体溶液を作製した。
ここでは、ガーネット構造の蛍光体としてYAG:Ce蛍光体を選択し、このYAG:Ce蛍光体の前駆体としてAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液(グリオキシル酸錯体水溶液)を作製した。なお、このYAG:Ce蛍光体の前駆体では、発光イオンであるCeイオンの濃度、及びAlイオンの濃度は、上記の式(1)にてx=0.18、y=0.7、w=0とした。
また、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)377gを純水10000gに溶解して炭酸水素アンモニウム水溶液を作製した。
さらに、硝酸アルミニウム9水和物(Al(NO・9HO:分子量375.13)267.23g、硝酸イットリウム6水和物(Y(NO・6HO:分子量383.01)178.93g、及び硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO:分子量434.23)12.95gを純水5000g(室温:25℃)に溶解させ、硝酸塩水溶液を作製した。
次いで、上記の炭酸水素アンモニウム水溶液に上記の硝酸塩水溶液を加え、Al,Y,Ceのヒドロキシ炭酸塩の沈殿物を作製し、この沈殿物を限外濾過装置を用いて洗浄して不純物イオンを除去し、次いで、真空濾過装置にて固液分離し、得られたケーキを120℃にて24時間、乾燥処理を行い、Al,Y,Ceヒドロキシ炭酸塩の乾燥粒子を得た。次いで、この乾燥粒子33.9g(YAG:Ceに換算して20g)を、グリオキシル酸58.6gを含むグリオキシル酸水溶液466.1gに添加し、その後、室温(25℃)にて24時間撹拌し、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(シリケート含有YAG前駆体溶液の作製)
テトラメトキシシラン15.68gを、メタノール62.04gと純水20.05gを混合したメタノール溶液と混合・撹拌し、得られた溶液中に、1NのHNO水溶液2.23gを滴下した。次いで、40℃にて3時間保持した後、室温(25℃)まで冷却し、シリケート溶液を作製した。
次いで、上記のAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液500gに、上記のシリケート溶液22.52gを加えて混合撹拌し、シリケート含有YAG前駆体溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
実施例2に準じて作製したフッ化カルシウムコロイド200gと、上記のシリケート含有YAG前駆体溶液100gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、実施例11の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は50nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
実施例11の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、実施例11の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
[実施例12]
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
蛍光体の前駆体として、希土類アルミネート系蛍光体前駆体溶液を作製した。
ここでは、ガーネット構造の蛍光体としてYAG:Ce蛍光体を選択し、このYAG:Ce蛍光体の前駆体としてAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液(グリオキシル酸錯体水溶液)を作製した。なお、このYAG:Ce蛍光体の前駆体では、発光イオンであるCeイオンの濃度、及びAlイオンの濃度は、上記の式(1)にてx=0.18、y=1.3、z=0、w=0とした。
また、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)377gを純水10000gに溶解して炭酸水素アンモニウム水溶液を作製した。
さらに、硝酸アルミニウム9水和物(Al(NO・9HO:分子量375.13)229.69g、硝酸イットリウム6水和物(Y(NO・6HO:分子量383.01)178.74g、及び硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO:分子量434.23)12.93gを純水5000g(室温:25℃)に溶解させ、硝酸塩水溶液を作製した。
次いで、上記の炭酸水素アンモニウム水溶液に上記の硝酸塩水溶液を加え、Al,Y,Ceのヒドロキシ炭酸塩の沈殿物を作製し、この沈殿物を限外濾過装置を用いて洗浄して不純物イオンを除去し、次いで、真空濾過装置にて固液分離し、得られたケーキを120℃にて24時間、乾燥処理を行い、Al,Y,Ceヒドロキシ炭酸塩の乾燥粒子を得た。次いで、この乾燥粒子33.9g(YAG:Ceに換算して20g)を、グリオキシル酸58.6gを含むグリオキシル酸水溶液466.1gに添加し、その後、室温(25℃)にて24時間撹拌し、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(シリケート含有YAG前駆体溶液の作製)
テトラメトキシシラン15.68gを、メタノール62.04gと純水20.05gを混合したメタノール溶液と混合・撹拌し、得られた溶液中に、1NのHNO水溶液2.23gを滴下した。次いで、40℃にて3時間保持した後、室温(25℃)まで冷却し、シリケート溶液を作製した。
次いで、上記のAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液500gに、上記のシリケート溶液41.77gを加えて混合撹拌し、シリケート含有YAG前駆体溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
実施例2に準じて作製したフッ化カルシウムコロイド200gと、上記のシリケート含有YAG前駆体溶液100gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、実施例12の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は40nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
実施例12の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、実施例12の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
[実施例13]
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
蛍光体の前駆体として、希土類アルミネート系蛍光体前駆体溶液を作製した。
ここでは、ガーネット構造の蛍光体としてYAG:Ce蛍光体を選択し、このYAG:Ce蛍光体の前駆体としてAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液(グリオキシル酸錯体水溶液)を作製した。なお、このYAG:Ce蛍光体の前駆体では、発光イオンであるCeイオンの濃度、及びGaイオンの濃度は、上記の式(1)にてx=0.18、y=0、z=0、w=1.5とした。
また、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)405gを純水10000gに溶解して炭酸水素アンモニウム水溶液を作製した。
さらに、硝酸アルミニウム9水和物(Al(NO・9HO:分子量375.13)281.23g、硝酸イットリウム6水和物(Y(NO・6HO:分子量383.01)161.94g、硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO:分子量434.23)11.72g、及び10%塩化ガリウム水溶液396gを純水5000g(室温:25℃)に溶解させ、硝酸塩水溶液を作製した。
次いで、上記の炭酸水素アンモニウム水溶液に上記の硝酸塩水溶液を加え、Al,Y,Ce,Gaのヒドロキシ炭酸塩の沈殿物を作製し、この沈殿物を限外濾過装置を用いて洗浄して不純物イオンを除去し、次いで、真空濾過装置にて固液分離し、得られたケーキを120℃にて24時間、乾燥処理を行い、Al,Y,Ce,Gaヒドロキシ炭酸塩の乾燥粒子を得た。次いで、この乾燥粒子33.9g(YAG:Ceに換算して20g)を、グリオキシル酸58.6gを含むグリオキシル酸水溶液466.1gに添加し、その後、室温(25℃)にて24時間撹拌し、Al,Y,Ce,Gaのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
実施例2に準じて作製したフッ化カルシウムコロイド200gと、Al,Y,Ce,Gaのグリオキシル酸水溶液100gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、実施例13の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は70nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
実施例13の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、実施例13の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
[比較例1]
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
蛍光体の前駆体として、希土類アルミネート系蛍光体前駆体溶液を作製した。
ここでは、ガーネット構造の蛍光体としてYAG:Ce蛍光体を選択し、このYAG:Ce蛍光体の前駆体としてAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液(グリオキシル酸錯体水溶液)を作製した。なお、このYAG:Ce蛍光体の前駆体では、発光イオンであるCeイオンの濃度は、上記の式(1)にてx=0.12、y=0、w=0とした。
また、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)380gを純水10000gに溶解して炭酸水素アンモニウム水溶液を作製した。
さらに、硝酸アルミニウム9水和物(Al(NO・9HO:分子量375.13)312.73g、硝酸イットリウム6水和物(Y(NO・6HO:分子量383.01)183.91g、及び硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO:分子量434.23)8.69gを純水5000g(室温:25℃)に溶解させ、硝酸塩水溶液を作製した。
次いで、上記の炭酸水素アンモニウム水溶液に上記の硝酸塩水溶液を加え、Al,Y,Ceのヒドロキシ炭酸塩の沈殿物を作製し、この沈殿物を限外濾過装置を用いて洗浄して不純物イオンを除去し、次いで、真空濾過装置にて固液分離し、得られたケーキを120℃にて24時間、乾燥処理を行い、Al,Y,Ceヒドロキシ炭酸塩の乾燥粒子を得た。次いで、この乾燥粒子33.9g(YAG:Ceに換算して20g)を、グリオキシル酸58.6gを含むグリオキシル酸水溶液466.1gに添加し、その後、室温(25℃)にて24時間撹拌し、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
実施例2に準じて作製したフッ化カルシウムコロイド400gと、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液35.28gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、比較例1の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は50nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
比較例1の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、比較例1の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
[比較例2]
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
蛍光体の前駆体として、希土類アルミネート系蛍光体前駆体溶液を作製した。
ここでは、ガーネット構造の蛍光体としてYAG:Ce蛍光体を選択し、このYAG:Ce蛍光体の前駆体としてAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液(グリオキシル酸錯体水溶液)を作製した。なお、このYAG:Ce蛍光体の前駆体では、発光イオンであるCeイオンの濃度は、上記の式(1)にてx=0.12、y=0、w=0とした。
また、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)380gを純水10000gに溶解して炭酸水素アンモニウム水溶液を作製した。
さらに、硝酸アルミニウム9水和物(Al(NO・9HO:分子量375.13)312.73g、硝酸イットリウム6水和物(Y(NO・6HO:分子量383.01)183.91g、及び硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO:分子量434.23)8.69gを純水5000g(室温:25℃)に溶解させ、硝酸塩水溶液を作製した。
次いで、上記の炭酸水素アンモニウム水溶液に上記の硝酸塩水溶液を加え、Al,Y,Ceのヒドロキシ炭酸塩の沈殿物を作製し、この沈殿物を限外濾過装置を用いて洗浄して不純物イオンを除去し、次いで、真空濾過装置にて固液分離し、得られたケーキを120℃にて24時間、乾燥処理を行い、Al,Y,Ceヒドロキシ炭酸塩の乾燥粒子を得た。次いで、この乾燥粒子33.9g(YAG:Ceに換算して20g)を、グリオキシル酸58.6gを含むグリオキシル酸水溶液466.1gに添加し、その後、室温(25℃)にて24時間撹拌し、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
実施例2に準じて作製したフッ化カルシウムコロイド200gと、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液300gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、比較例2の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は120nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
比較例2の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、比較例2の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に若干の低下が認められた。
これらの結果を表2に示す。
[比較例3]
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
蛍光体の前駆体として、希土類アルミネート系蛍光体前駆体溶液を作製した。
ここでは、ガーネット構造の蛍光体としてYAG:Ce蛍光体を選択し、このYAG:Ce蛍光体の前駆体としてAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液(グリオキシル酸錯体水溶液)を作製した。なお、このYAG:Ce蛍光体の前駆体では、発光イオンであるCeイオンの濃度は、上記の式(1)にてx=0.24、y=0、w=0とした。
また、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)376gを純水10000gに溶解して炭酸水素アンモニウム水溶液を作製した。
さらに、硝酸アルミニウム9水和物(Al(NO・9HO:分子量375.13)309.56g、硝酸イットリウム6水和物(Y(NO・6HO:分子量383.01)174.46g、及び硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO:分子量434.23)17.20gを純水5000g(室温:25℃)に溶解させ、硝酸塩水溶液を作製した。
次いで、上記の炭酸水素アンモニウム水溶液に上記の硝酸塩水溶液を加え、Al,Y,Ceのヒドロキシ炭酸塩の沈殿物を作製し、この沈殿物を限外濾過装置を用いて洗浄して不純物イオンを除去し、次いで、真空濾過装置にて固液分離し、得られたケーキを120℃にて24時間、乾燥処理を行い、Al,Y,Ceヒドロキシ炭酸塩の乾燥粒子を得た。次いで、この乾燥粒子33.9g(YAG:Ceに換算して20g)を、グリオキシル酸58.6gを含むグリオキシル酸水溶液466.1gに添加し、その後、室温(25℃)にて24時間撹拌し、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
実施例2に準じて作製したフッ化カルシウムコロイド200gと、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液100gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、比較例3の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は60nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
比較例3の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、比較例3の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
[比較例4]
(ガーネット構造の蛍光体前駆体溶液の作製)
蛍光体の前駆体として、希土類アルミネート系蛍光体前駆体溶液を作製した。
ここでは、ガーネット構造の蛍光体としてYAG:Ce蛍光体を選択し、このYAG:Ce蛍光体の前駆体としてAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液(グリオキシル酸錯体水溶液)を作製した。なお、このYAG:Ce蛍光体の前駆体では、発光イオンであるCeイオンの濃度は、上記の式(1)にてx=0.18、y=1.7、z=0、w=0とした。
また、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)297gを純水10000gに溶解して炭酸水素アンモニウム水溶液を作製した。
さらに、硝酸アルミニウム9水和物(Al(NO・9HO:分子量375.13)204.71g、硝酸イットリウム6水和物(Y(NO・6HO:分子量383.01)178.61g、及び硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO:分子量434.23)12.92gを純水5000g(室温:25℃)に溶解させ、硝酸塩水溶液を作製した。
次いで、上記の炭酸水素アンモニウム水溶液に上記の硝酸塩水溶液を加え、Al,Y,Ceのヒドロキシ炭酸塩の沈殿物を作製し、この沈殿物を限外濾過装置を用いて洗浄して不純物イオンを除去し、次いで、真空濾過装置にて固液分離し、得られたケーキを120℃にて24時間、乾燥処理を行い、Al,Y,Ceヒドロキシ炭酸塩の乾燥粒子を得た。次いで、この乾燥粒子33.9g(YAG:Ceに換算して20g)を、グリオキシル酸58.6gを含むグリオキシル酸水溶液466.1gに添加し、その後、室温(25℃)にて24時間撹拌し、Al,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液を作製した。
(シリケート含有YAG前駆体溶液の作製)
テトラメトキシシラン15.68gを、メタノール62.04gと純水20.05gを混合したメタノール溶液と混合・撹拌し、得られた溶液中に、1NのHNO水溶液2.23gを滴下した。次いで、40℃にて3時間保持した後、室温(25℃)まで冷却し、シリケート溶液を作製した。
次いで、上記のAl,Y,Ceのグリオキシル酸水溶液500gに、上記のシリケート溶液54.59gを加えて混合撹拌し、シリケート含有YAG前駆体溶液を作製した。
(複合波長変換粒子の作製)
実施例2に準じて作製したフッ化カルシウムコロイド200gと、上記のシリケート含有YAG前駆体溶液100gとを、混合・撹拌して均一なコロイド溶液とした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーにて乾燥した。次いで、得られた乾燥物を大気雰囲気中、600℃にて2時間熱処理を行った。
さらに、3%水素−97%窒素の混合ガスを含む還元性雰囲気中、1150℃にて5時間熱処理を行い、比較例4の複合波長変換粒子を作製した。
この複合波長変換粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定したところ、1μm〜8μmの範囲に分布していた。
また、この複合波長変換粒子の結晶子径を、X線回折装置を用いた粉末法により測定したところ、CaFの結晶子径は40nm、YAGの結晶子径は40nmであった。
これらの結果を表1に示す。
(複合波長変換粒子含有樹脂組成物の作製及び評価)
比較例4の複合波長変換粒子を用いて、実施例1に準じて、比較例4の発光特性測定用の波長変換膜を作製した。
次いで、この波長変換膜の発光特性を、実施例1に準じて測定した。
次いで、上記の波長変換膜を、温度85℃及び湿度85%の高温高湿試験器に500時間保存し、保存後の波長変換膜について上記と同様の方法により前方発光特性比の評価を行ったところ、前方への発光特性に変化は認められなかった。
これらの結果を表2に示す。
『発光装置』
[実施例14]
実施例2の複合波長変換粒子を用いて、図2に示した表面実装型発光装置を作製し、発光特性を評価した。
発光装置は、以下の手順により作製した。
半導体発光素子14としては、波長450nm〜470nmで発光する青色発光ダイオード(青色LED)ES−CEBL912(EPISTAR社製)を用い、この青色LEDをフレーム12の凹部13の端子に銀ペーストを用いてダイボンデイングし、この銀ペーストを150℃にて2時間加熱し、銀ペーストを硬化させて電極16とした。次いで、ボンディングワイヤ18として直径25μmの金線を用い、この金線を用いて、青色LEDと電極17とをワイヤボンデイングした。
発光層15に含まれる発光物質としては、緑色蛍光体として実施例2の複合波長変換粒子を用い、赤色蛍光体24として波長520nm〜760nmの光を発光する赤色蛍光体であるSr0.8Ca0.192Eu0.008AlSiNを用いた。
ここでは、緑色蛍光体と赤色蛍光体の質量比は85:15とした。これら緑色蛍光体及び赤色蛍光体の全質量に対し、シリコーン樹脂 OE6630(東レダウ(株)社製)の主剤を8:107の質量比となるように加えて混合し、さらに、上記の各種蛍光体及びシリコーン樹脂を含む樹脂混合物の合計質量に対して100:70の割合で硬化剤を加えて混練機で混合して蛍光体スラリー(蛍光体含有樹脂組成物)を作製した。
次いで、この蛍光体スラリーをフレーム12の凹部13に注入し、150℃にて2時間加熱することにより硬化させ、発光層15とした。
以上により、実施例14の表面実装型発光装置を作製した。
次いで、この表面実装型発光装置を、青色LEDに20mAの電流を通電して駆動し、発光させ、分光器 USB2000(積分球仕様)及び色・照度測定ソフトウエア(オーシャン オプティクス社製)を用いて、この表面実装型発光装置の白色色度座標を測定した。
この白色色度座標の測定は、発光スペクトルの380nm〜780nmの波長領域のデータから、日本工業規格JIS Z 8701「色の表示方法」で規定されるXY表色系における色度座標として色度値(x,y)を算出することにより行った。
この表面実装型発光装置の白色色度座標は(x、y)=(0.31,0.33)でありほぼ無彩色の白色発光であった。
本発明の複合波長変換粒子は、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びフッ化ストロンチウムの群から選択される1種または2種以上を含有してなるフッ化物からなるマトリクス粒子中に、イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体を分散し、さらに、発光強度の最大値を510nm以上かつ550nm以下の波長領域としたことにより、光の利用効率及び粒子自体の利用効率を高めることができ、発光輝度を向上させることができ、しかも、この発光輝度は長期間に亘って安定しているので、信頼性を高めることができるものであるから、各種表示装置、照明装置、太陽光発電装置、フォトニックデバイス、光アンプ等、様々な光学装置の発光材料として有益であり、その工業的価値は大きい。
1 複合波長変換粒子
2 マトリクス粒子
3 イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体
11 表面実装型発光装置
14 半導体発光素子
15 発光層
21 透明性を有する樹脂
22 複合波長変換粒子
23 黄色蛍光体
24 赤色蛍光体
31 表面実装型発光装置
32 複合波長変換粒子含有樹脂層
33 青色蛍光体
34 蛍光体含有樹脂層
35 発光層
41 表面実装型発光装置
42 樹脂
43 発光層

Claims (6)

  1. フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びフッ化ストロンチウムの群から選択される1種または2種以上を含有してなるフッ化物からなるマトリクス粒子中に、イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体を分散してなり、
    発光強度の最大値は510nm以上かつ550nm以下の波長領域にあることを特徴とする複合波長変換粒子。
  2. 前記イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体は、
    (Y3−x−zCe)(Al5−y―wSi)O12 ……(1)
    (但し、MはSc、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Er、Yb、Lu、Mn、Ti、Zr、Sn、Ca、Znのうち少なくとも1種、RはIn、Gaのうち少なくとも1種であり、0.015≦x≦0.18、0<y≦1.5、0≦z≦0.2、0≦w≦1.0)
    を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の複合波長変換粒子。
  3. 前記フッ化物に対する前記イットリウムアルミニウムガーネット系蛍光体の質量百分率は、20質量%以上かつ70質量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の複合波長変換粒子。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の複合波長変換粒子を樹脂中に分散してなることを特徴とする複合波長変換粒子含有樹脂組成物。
  5. 300nm以上かつ500nm以下の波長領域の光を発光する半導体発光素子と、この半導体発光素子から出射される光を受光することにより可視光線を発光する発光層と、を備え、
    前記発光層は、請求項1ないし3のいずれか1項記載の複合波長変換粒子を含有してなることを特徴とする発光装置。
  6. 前記発光層は、青色蛍光体、黄色蛍光体、赤色蛍光体及び緑色蛍光体のうちいずれか1種または2種以上を含有してなることを特徴とする請求項5記載の発光装置。
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