JP2015067715A - ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物およびそれを用いた絶縁電線 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリフェニレンサルファイドを主体とした樹脂組成物において、ポリフェニレンサルファイドの優れた特性を損なうことなく、十分に結晶化されたポリフェニレンサルファイド樹脂組成物およびそれを用いて成形された絶縁被覆を有する絶縁電線を提供する。【解決手段】ポリフェニレンサルファイドを主成分とする樹脂に対して、250℃におけるメルトフローレートが0.1以下のポリマーが15質量%以下の割合で含まれており、結晶化温度が220℃以上であるポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物およびそれを用いた絶縁電線であっ
て、特にモータのコイルを成形するのに用いられる絶縁電線に関する。
て、特にモータのコイルを成形するのに用いられる絶縁電線に関する。
自動車部品は軽量化のために金属部品をエンジニアリングプラスチックで成形する動きが進んでいる。一般的な自動車部品に対しては、耐熱性や耐油性という特性が要求される。これらの要求を満たす材料としてポリフェニレンサルファイド(PPS)の適用が拡大している。PPSは結晶性のポリマーであるが、条件によっては成形時において十分に結晶化が進まないことがある。
一方、ハイブリッド自動車(HEV)用のモータは、小型化・軽量化・高出力化のために高電圧で駆動する傾向にある。そのため、モータ内に部分放電が発生することを防止する必要がある。
部分放電の発生を防止する手法としては、モータ内のコイルを構成する絶縁電線の絶縁被覆の厚さを厚くする方法がある。しかし、この方法では、従来のエナメル塗装による絶縁被覆の成形の場合、コストが高くなってしまう。一方、PPSを導体の外周に押出して絶縁被覆を成形する方法もある。PPSで成形された絶縁被覆は、耐薬品性、剛性、電気絶縁性などの性質を有し、他のエンジニアリングプラスチックと比較してコストも安い。
例えば、特許文献1では、導体の外周に、少なくとも1層のエナメル焼付け層と、PPSからなる押出し樹脂層と、を有する絶縁ワイヤが提案されている。また、特許文献2では、ポリエーテルスルホン(A)と、PPSまたはポリエーテルエーテルケトンから選ばれる少なくとも1種の結晶性樹脂(B)とを、重量比で「(A):(B)=50:50〜90:10」の範囲で配合したポリマーアロイを導体に被覆した絶縁電線が提案されている。また、特許文献3では、導体及びその外周を被覆する絶縁層を有する絶縁電線であり、前記絶縁層が、シリコーン変性エンジニアリングプラスチックを主体として形成され、前記導体を直接または他の樹脂層を介して被覆する下層と、前記下層上に前記下層に接して形成される上層を含み、前記上層は、PPS及びポリエーテルエーテルケトンから選ばれる少なくとも1種の結晶性樹脂を主体として形成される絶縁電線が提案されている。
しかしながら、特許文献1〜3では、PPSの結晶性を制御することについて記載されていない。結晶化が不十分なPPSは、ガラス転移温度(Tg)である80℃以上の条件で熱老化されるとシュリンクする問題やクラックが発生する問題がある。また、結晶化していないPPSは、耐油性等の特性が低下するとの問題もある。一方、PPSからなる絶縁被覆は、そのTg以上の温度で使用することが想定されるものも多い。そのため、PPSを被覆した時点で十分に結晶化されていることが望ましい。
そこで、本発明は、ポリフェニレンサルファイドを主体とした樹脂組成物において、ポリフェニレンサルファイドの優れた特性を損なうことなく、十分に結晶化されたポリフェニレンサルファイド樹脂組成物およびそれを用いて成形された絶縁被覆を有する絶縁電線を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下のポリレニレンサルファイド樹脂組成物及びそれを用いた絶縁電線が提供される。
[1]ポリフェニレンサルファイドを主成分とする樹脂に対して、250℃におけるメルトフローレートが0.1以下のポリマーが15質量%以下の割合で含まれており、結晶化温度が220℃以上であることを特徴とするポリレニレンサルファイド樹脂組成物。
[2]前記ポリマーは、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、及びポリアミドイミドのうちの少なくとも1種からなる前記[1]に記載のポリレニレンサルファイド樹脂組成物。
[3]ポリフェニレンサルファイドを主成分とする樹脂は、結晶化温度が150℃以上220℃以上である前記[1]又は前記[2]に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
[4]更にエポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、から選ばれる少なくとも一種の官能基を含む相溶化剤が10質量%以下の割合で含まれる前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
[5]前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を用いて形成された絶縁層が導体の外周に設けられていることを特徴とする絶縁電線。
[2]前記ポリマーは、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、及びポリアミドイミドのうちの少なくとも1種からなる前記[1]に記載のポリレニレンサルファイド樹脂組成物。
[3]ポリフェニレンサルファイドを主成分とする樹脂は、結晶化温度が150℃以上220℃以上である前記[1]又は前記[2]に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
[4]更にエポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、から選ばれる少なくとも一種の官能基を含む相溶化剤が10質量%以下の割合で含まれる前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
[5]前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を用いて形成された絶縁層が導体の外周に設けられていることを特徴とする絶縁電線。
本発明によれば、ポリフェニレンサルファイドを主体とした樹脂組成物において、ポリフェニレンサルファイドの優れた特性を損なうことなく、十分に結晶化されたポリフェニレンサルファイド樹脂組成物およびそれを用いて成形された絶縁被覆を有する絶縁電線が得られる。
[1.ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物]
本発明の一実施形態に係るポリフェニレンサルファイド樹脂組成物は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を主成分とする樹脂に対して、250℃におけるメルトフローレートが0.1以下のポリマーが15質量%以下の割合で含まれており、結晶化温度が220℃以上であることを特徴とする。ここで、PPSは、下記式(1)で示される繰り返し単位を有する樹脂であり、耐熱性や機械的特性の観点から化学式(1)の繰り返し単位が80%以上、好ましくは90%以上含まれていることが好ましい。
本発明の一実施形態に係るポリフェニレンサルファイド樹脂組成物は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を主成分とする樹脂に対して、250℃におけるメルトフローレートが0.1以下のポリマーが15質量%以下の割合で含まれており、結晶化温度が220℃以上であることを特徴とする。ここで、PPSは、下記式(1)で示される繰り返し単位を有する樹脂であり、耐熱性や機械的特性の観点から化学式(1)の繰り返し単位が80%以上、好ましくは90%以上含まれていることが好ましい。
250℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.1以下のポリマーとしては、PPSとの相溶性が良好なエンジニアリングプラスチックで、かつPPSよりも運動性が低いエンジニアリングプラスチックであることが好ましく、PPSと相互作用し、その結果、PPSの運動性を下げることにより結晶化を促進するものが好ましい。
250℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.1以下のポリマーとしては、例えば、脂肪族ポリアミドであるナイロン46、芳香族ポリアミドであるナイロン6T(ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸との共縮重合体)やナイロン6I(ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸との共縮重合体)、ナイロン9T(ノナンジアミンとテレフタル酸との共縮重合体)、ナイロンM−5T(メチルペンタジアミンとテレフタル酸との共縮重合体)、ナイロン6T/66(ナイロン6Tとナイロン66との共重合体)、ナイロン6T/6I(ナイロン6Tとナイロン6Iとの共重合体)、ナイロン6T/6I/66(ナイロン6Tとナイロン6Iとナイロン66との共重合体)、ナイロン6T/M−5T(ナイロン6TとナイロンM−5Tとの共重合体)、ナイロン6T/6(ナイロン6Tとナイロン6との共重合体)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)などが挙げられる。特に、PPSとの相溶性が良好で結晶化温度を効果的に低下させることが可能なPEEK、ポリアミド、PEI、およびPAIが好ましい。
ここで、PPSの結晶化温度とは、PPSが完全に溶融した状態から10℃/mmで冷却していく際にDSC(示差走査熱量測定)で観察される結晶化発熱ピークのピーク温度である。この結晶化温度が高いほど結晶化しやすい樹脂であることを示す。
本実施の形態で用いられるポリエーテルイミド(PEI)は、溶融成形性を有するエーテル基と環状イミド基を持った樹脂であり、例えばSABICイノベーティブプラスチックスジャパン社製のウルテムレジン1010、ウルテムレジン1000などがある。
PPS本来の成形性や材料特性を損なわない範囲の混合比率で、かつ結晶化促進効果がある添加物の添加量が規定される。結晶化温度が220℃以上になると、特に押出し成形装置で連続的にPPSを成形して冷却する工程において結晶化の進行を十分に進めることが可能となる。
一方、酸で洗浄せずに端末にNaやCaが残っているPPSは結晶化温度が低下して結晶化しにくい。特に、このようなPPSを用いる場合は、結晶化を促進させる手段が必要となる。
本実施の形態に係るポリフェニレンサルファイド樹脂組成物は、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を100質量%として、そのうち(A)ポリフェニレンサルファイド(PPS)が85質量%以上99.9質量%以下、(B)250℃におけるMFRが0.1以下のポリマーが0.1質量%以上15質量%以下の割合で含む。(A)PPSが85質量%未満では、PPSのもつ良好な成形性が損なわれる可能性がある。
本実施の形態に係るポリフェニレンサルファイド樹脂組成物は、さらに(C)エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基から選ばれる少なくとも一種の官能基を含む相溶化剤を0質量%以上10質量%以下の割合で含んでいてもよい。相溶化剤をこの割合で含ませることにより、PPSやポリアミドイミド樹脂に存在する反応性官能基との反応が可能であり、相溶性を向上させることができるため、機械的特性を向上させることができる。相溶化剤が10質量%を超える場合では、PPSが減少することで弾性率が低下して機械的特性が低下するおそれや、耐熱性を低下させるおそれがある。また、押出成形中に反応が起こるため、絶縁被覆を押出成形する際の流動性が低下するおそれがある。
(C)エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基から選ばれる少なくとも一種の官能基を含む相溶化剤として、エポキシ基を含む相溶化剤としては、エポキシ基を含むオレフィン系共重合体が好ましい。オレフィン系共重合体の二重結合部分をエポキシ化した共重合体や、エポキシ基と二重結合をもつ単量体を、他のエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、メチルブテン、メチルペンテン、スチレン、α−メチルスチレンなどのオレフィン系化合物とともに共重合させたものも挙げられる。
また、(C)エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基から選ばれる少なくとも一種の官能基を含む相溶化剤として、カルボキシル基、酸無水物基を含む相溶化剤としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、メチルブテン、メチルペンテン、スチレン、α−メチルスチレンなどのオレフィン系化合物と、α,β−不飽和カルボン酸単量体を直接重合させた共重合体や、オレフィン系共重合体へグラフト共重合する方法によって得られる共重合体が挙げられる。ここで用いる単量体としては、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などを好ましく用いることができる。
[2.ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の製造方法]
次に、上述のPPS樹脂組成物の製造方法について説明をする。
次に、上述のPPS樹脂組成物の製造方法について説明をする。
まず、必須成分である(A)PPS樹脂および(B)250℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.1以下のポリマーを混合し、混合物を形成する。このとき、(A)PPS樹脂および(B)250℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.1以下のポリマーの合計100質量%に対して、(A)PPS樹脂を85質量%以上99.9質量%以下、(B)PEI樹脂を0.1質量%以上15質量%以下となるように混合する。さらに(C)相溶化剤、またはその両方をさらに混合する場合、(A)PPS樹脂、(B)250℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.1以下のポリマーおよび(C)相溶化剤の合計が100質量%となるように(C)相溶化剤を0質量%超10質量%以下の割合で混合してもよい。
続いて、得られた混合物を加熱しながら所定のせん断速度で混練し、本実施形態のPPS樹脂組成物を得る。その溶融粘度は、特に限定されないが、加熱温度310℃、せん断速度1000/sの条件で測定される溶融粘度が、80Pa・sよりも大きいことが好ましく、150Pa・s以上であることがより好ましい。また、溶融粘度の上限は特に限定されないが、PPS樹脂組成物を溶融押出する際の成形性を向上できることから、600Pa・s以下であることが好ましい。
なお、混練工程において、混合物を加熱する温度は、混合物を溶融できる温度であれば、特に限定されない。
また、混練工程において用いる混練装置としては、ニーダー、バンバリーミキサー、ロ
ール、二軸押出機などの汎用のものが使用できるが、二軸押出機が好ましい。
ール、二軸押出機などの汎用のものが使用できるが、二軸押出機が好ましい。
[3.絶縁電線]
次に、上述のPPS樹脂組成物からなる絶縁層を備える絶縁電線について図1を参照しながら説明をする。図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁電線の断面図である。
次に、上述のPPS樹脂組成物からなる絶縁層を備える絶縁電線について図1を参照しながら説明をする。図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁電線の断面図である。
本実施形態の絶縁電線1は、図1に示すように、導体10と、導体10の外周を被覆するように形成される絶縁層11と、を備えており、絶縁層11がPPS樹脂組成物からなっている。
導体10としては、低酸素銅や無酸素銅等からなる銅線、銅合金線の他、銀等の他の金属線等を用いることができる。図1において、導体10は矩形状の断面を有する場合を示すが、本発明はこれに限定されず、例えば丸形状とすることもできる。また、導体10としては、複数の導線を撚り合わせた撚り線を用いることもできる。また、導体10の導体径は特に限定されず、用途に応じて最適な数値が適宜選択される。
絶縁層11は、PPS樹脂組成物からなっている。絶縁層11は、導体10の外周上に所定の厚さとなるようにPPS樹脂組成物を溶融押出して形成される。絶縁層11の厚さは特に限定されず、用途に応じて最適な数値が適宜選択される。本実施形態においては、比誘電率の低いPPS樹脂組成物を用いており、絶縁層11が薄い場合であっても、所定の絶縁特性を得ることができる。絶縁層11の厚さとしては、例えば70μm以上200μm以下とすることができる。
なお、絶縁電線1においては、導体10と絶縁層11との間に密着層(図示略)を介在させて設けてもよい。密着層に用いる樹脂としては、導体10と絶縁層11との密着性をさらに向上できるものであれば、特に限定されず、例えば、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、不飽和カルボン酸エステル樹脂、マレイミド含有オレフィン樹脂などを用いることができる。
また、絶縁電線1は、絶縁層11とは異なる他の絶縁層(図示略)を設け、複数層の絶縁層としてもよい。他の絶縁層としては、例えば高温(例えば300℃以上)における貯蔵弾性率が高い(例えば10MPa以上)絶縁層がある。高温での蔵弾性率が高い絶縁層によれば、高温での軟化を抑制し耐熱性の高い絶縁電線を得ることができる。このような絶縁層を構成する樹脂としては、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの耐熱性に優れる樹脂が挙げられる。
次に、本発明の実施例を説明する。本実施例では、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を調製し、それを用いて絶縁電線を製造した。そして、得られた樹脂組成物および絶縁電線について評価を行った。これらの実施例は、本発明に係るポリフェニレンサルファイド樹脂組成物および絶縁電線の一例であって、本発明はこれらの実施例により限定されない。
(1)原料
以下の実施例および比較例において用いた原料は次の通りである。
以下の実施例および比較例において用いた原料は次の通りである。
(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂として、次のものを用いた。
(A1)PPS樹脂:東レ社製「トレリナT1881」(融点273℃、結晶化温度206℃)
(A2)PPS樹脂:東レ社製「トレリナA900」(融点273℃、結晶化温度240℃)
(A1)PPS樹脂:東レ社製「トレリナT1881」(融点273℃、結晶化温度206℃)
(A2)PPS樹脂:東レ社製「トレリナA900」(融点273℃、結晶化温度240℃)
(B)250℃におけるメルトフローレートが0.1以下のポリマーとして、次のものを用いた。
(B1)PEI樹脂:SABIC社製「ウルテムレジン1000」
(B2)ポリアミド:クラレ社製「ジェネスタPA9T」
(B3)PEEK:ソルベイスペシャルティポリマーズジャパン社製「キータスパイア(登録商標)KT820」
(B1)PEI樹脂:SABIC社製「ウルテムレジン1000」
(B2)ポリアミド:クラレ社製「ジェネスタPA9T」
(B3)PEEK:ソルベイスペシャルティポリマーズジャパン社製「キータスパイア(登録商標)KT820」
(C)相溶化剤として、次のものを用いた。
(C1)EGMA:住友化学社製「ボンドファーストE」
(C2)無水マレイン酸変性ポリエチレン:三井化学社製「タフマー(登録商標)MH7020」
(C1)EGMA:住友化学社製「ボンドファーストE」
(C2)無水マレイン酸変性ポリエチレン:三井化学社製「タフマー(登録商標)MH7020」
(2)ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の調製
上記原料を用いてPPS樹脂組成物を調製した。実施例1〜9の調製条件を以下の表1、比較例1〜7の調製条件を以下の表2に示す。なお、表1、2では、それぞれの成分の含有量を質量%で示す。
上記原料を用いてPPS樹脂組成物を調製した。実施例1〜9の調製条件を以下の表1、比較例1〜7の調製条件を以下の表2に示す。なお、表1、2では、それぞれの成分の含有量を質量%で示す。
実施例1〜9では、表1に示すように、(A)成分〜(C)成分を適宜変更して組み合わせ、PPS樹脂組成物を調製した。
具体的には、二軸押出機(スクリュー:28mmφ、L/D=30)に(A)PPS樹脂および(B)250℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.1以下のポリマーを含む原料を投入し、二軸押出機のスクリュー回転数をコントロールしながら混練することにより、PPS樹脂組成物を調製した。混練の際には、投入する原料の分解温度を考慮し、PPS樹脂組成物が劣化しないような温度で加熱した。混練後、PPS樹脂組成物を冷却し、ペレット状に形成した。
具体的には、二軸押出機(スクリュー:28mmφ、L/D=30)に(A)PPS樹脂および(B)250℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.1以下のポリマーを含む原料を投入し、二軸押出機のスクリュー回転数をコントロールしながら混練することにより、PPS樹脂組成物を調製した。混練の際には、投入する原料の分解温度を考慮し、PPS樹脂組成物が劣化しないような温度で加熱した。混練後、PPS樹脂組成物を冷却し、ペレット状に形成した。
得られたペレットから10mg切り取ってDSC測定を行った。10℃/minで350℃まで昇温した後、常温(25℃)まで10℃/minで冷却して、冷却工程での吸熱ピークのピーク温度を結晶化温度として求めた。
また、比誘電率については、得られたペレットから1mmの厚さのシートを作製して常温(25℃)で測定した。
さらに、押出外観は、押出機を用いて得られたペレットを、導体の外周に押出成形して絶縁層を設けた絶縁電線を作製した後、絶縁層の表面を観察を行い評価した。このとき、絶縁層の表面にざらつきが発生していないものを「○」(合格)、ざらつきが発生しているものを「×」(不合格)とした。
1 絶縁電線
10 導体
11 絶縁層
10 導体
11 絶縁層
Claims (5)
- ポリフェニレンサルファイドを主成分とする樹脂に対して、250℃におけるメルトフローレートが0.1以下のポリマーが15質量%以下の割合で含まれており、結晶化温度が220℃以上であることを特徴とするポリレニレンサルファイド樹脂組成物。
- 前記ポリマーは、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、及びポリアミドイミドのうちの少なくとも1種からなる請求項1に記載のポリレニレンサルファイド樹脂組成物。
- ポリフェニレンサルファイドを主成分とする樹脂は、結晶化温度が150℃以上220℃以上である請求項1又は2に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
- 更にエポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、から選ばれる少なくとも一種の官能基を含む相溶化剤が10質量%以下の割合で含まれる請求項1〜3のいずれか1つに記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を用いて形成された絶縁層が導体の外周に設けられていることを特徴とする絶縁電線。
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JP2013202884A JP2015067715A (ja) | 2013-09-30 | 2013-09-30 | ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物およびそれを用いた絶縁電線 |
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JP2020128460A (ja) * | 2019-02-07 | 2020-08-27 | 出光ライオンコンポジット株式会社 | 樹脂組成物及び成形体 |
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