JP2015067485A - 磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融ガラスの塊をプレスして、ガラスブランクを多数作製するとき、ガラスブランクの板厚を揃える。
【解決手段】ガラスブランクを多数作製するとき、成形されたガラスブランクの厚さに応じて、プレス処理における型のプレス圧力の圧力値を調整する。例えば、型の使用履歴に応じて変化するガラスブランクの厚さの変化に応じて、厚さが一定になるように前記プレス圧力を調整する。あるいは、複数の対の型を用いてガラスブランクを成形するとき、複数の対の型によって成形されるガラスブランクの厚さが揃うように、複数の対の型で成形されるガラスブランクの厚さの差異に応じて、各対の型におけるプレス圧力の圧力値を調整する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
近年の磁気記録媒体の記録密度の向上に伴い、磁気記録媒体の作製に用いる磁気ディスク用ガラス基板や磁気ディスク用ガラスブランクには、板厚偏差および平面度をより一層改善することが求められている。
機械加工をすることにより磁気ディスク用ガラス基板となる磁気ディスク用ガラスブランクを作製する方式としては、代表的には、
(1)溶融ガラスの塊を一対のプレス成形型によりプレス成形するプレス成形工程を経て磁気ディスク用ガラスブランクを作製するプレス方式、及び
(2)フロート法、ダウンドロー法などによって形成されたシート状ガラスを円盤状に切断加工する工程を経て磁気ディスク用ガラスブランクを作製するシートガラス切断方式、
が知られている。
プレス方式の一例として、落下中の溶融ガラス塊を、当該溶融ガラス塊の落下方向に対して交差する方向に対向配置された第一のプレス成形型および第二のプレス成形型によりプレスする方法が知られている(特許文献1)。
具体的には、ガラス材料流出口から吐出される溶融したガラス材料を切断することによって、溶融したガラス材料からガラス材料の塊を切り出す。この塊が下方に落下するとき、互いに対向する面が凹凸の無い平面であるプレス面となっている一対の型を有するプレスユニットによって落下中の塊がプレス面のみに接触するように該プレス面間で挟み込んでプレスする。これにより、表面の平面度が高く、板厚が均一で、且つ表面粗さが良好なガラスブランクを得ることができる。
特開2011−207738号公報
しかし、複数の対の型を用意して、上述した特許文献1に記載の方法を用いて多数のガラス板を作製したとき、同じプレス圧力の圧力値を用いても、同じガラスブランクの板厚を確保できないといった問題が生じた。すなわち、作製されるガラスブランクの板厚が型によって異なる。また、型を長期間連続使用したとき、同じプレス圧力の圧力値を用いても、使用履歴によってガラスブランクの板厚が変化するという問題が生じた。すなわち、型の使用に伴う型の経時変化によりガラスブランクの板厚が変化する。このように、ガラスブランクの板厚が異なった場合、あるいはガラスブランクの板厚が変化した場合、ガラスブランクからつくられる研削、研磨後のガラス基板の品質もばらつき易い。具体的には、ガラスブランクから得られるガラス基板を研削あるいは研磨して、ガラス基板の主表面にある傷等の欠陥を取り除く処理を行う。このとき、研削あるいは研磨の対象であるガラス基板の板厚がばらついていると、一つの研削装置あるいは研磨装置を用いて一度に多数のガラス基板の研削あるいは研磨を行うので、研削あるいは研磨の取代量も板厚に応じてばらつく。このため、取代量の少ないガラス基板では、そのガラス主表面に傷等の欠陥を残すおそれが高く、ガラス基板の品質に悪影響を与える。しかし、この問題について、従来技術では解決策は提案されていない。
そこで、本発明は、溶融ガラスの塊をプレスして、ガラスブランクを多数作製するとき、ガラスブランクの板厚を揃えることができる磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、本願の発明者は、多数のガラスブランクをプレス成形してガラスブランクの板厚を調べた。
上述したように、ガラスブランクの板厚がプレス成形に用いる型毎に異なること、及びガラスブランクの板厚が金型の使用履歴に応じて変化するが、これらの問題点は、金型のプレス面の間隔を規定するスペーサである板厚決定部材のプレス面からの突出高さを調節することにより解消されること見出した。しかし、板厚決定部材の突出高さを調整しようとすると、板厚決定部材は極めて精度の高い加工を行う必要があり、その結果、加工コストが上昇する。このため、板厚決定部材の突出高さを加工により調整することは生産コストの点で現実的ではない。
一方、一対の型のそれぞれの板厚決定部材の突出部分は、溶融ガラスの塊をプレスするとき、互いに対向する板厚決定部材の突出部分とプレス圧力で当接するので、このプレス圧力により突出部分は弾性的に圧縮変形する。この事実を本願発明者は注目した。発明者は、この事実から、板厚決定部材の突出部が弾性的に変形する範囲内で板厚決定部材の突出部分を微妙に変形(圧縮変形)させて、プレス時の板厚決定部材の突出部分の突出高さを調整することができることを知見した。すなわち、板厚決定部材の突出部分が弾性的に変形する範囲内で圧縮するようなプレス圧力の範囲内でプレス圧力の圧力値を調整することにより、ガラスブランクの板厚を調整することが可能であることを知見した。これにより、以下に記載の態様の発明を想到するに至った。
本発明の一態様は、磁気ディスク用ガラス基板に加工される磁気ディスク用ガラスブランクを、互いに対向する一対の型を用いて製造するガラスブランクの製造方法である。
前記一対の型のそれぞれは、溶融ガラスの塊をプレスするプレス面を有し、前記一対の型の少なくとも一方は、前記プレス面から前記一対の型の対向方向に突出する部分を持ち、前記突出する部分の突出高さに基づいてガラスブランクの厚さを定めるための板厚決定部材を更に有する。
前記製造方法は、
前記一対の型が閉じた際に、前記板厚決定部材が他方の型に当接し、前記溶融ガラスの塊を前記一対の型のプレス面に挟み込むことにより溶融ガラスをプレスして、ガラスブランクを成形するプレス処理と、
成形された前記ガラスブランクの厚さに応じて、前記プレス処理における前記一対の型を閉じる際のプレス圧力の圧力値を調整する調整処理と、を含む。
このとき、溶融ガラス供給部から供給される溶融ガラス流を切断して溶融ガラスの塊を落下させる処理をさらに含み、前記プレス処理は、前記塊の落下方向に対する直交方向の両側から一対の型のプレス面で前記塊を挟み込む処理である、ことが好ましい。
また、前記プレス圧力の圧力値と前記ガラスブランクの厚さとの対応関係を予め取得しておき、前記調整処理では、前記プレス処理により成形された前記ガラスブランクの厚さに基づいて、前記圧力値の調整を行うことが好ましい。
前記プレス処理では、前記一対の型の他に、さらに別の一対の型を用いてガラスブランクを成形する場合、前記調整処理では、前記一対の型と前記別の一対の型によって成形されるガラスブランクの厚さが揃うように、前記一対の型と前記別の一対の型で成形されるガラスブランクの厚さの差異に応じて、前記一対の型及び前記別の一対の型の少なくとも一方の型におけるプレス圧力の圧力値を調整することが好ましい。
また、前記プレス処理は、前記板厚決定部材を前記他方の型に当接させて前記板厚決定部材の突出する部分を弾性的に圧縮変形させることにより、第1の圧力値を前記プレス圧力値として溶融ガラスの塊をプレスする1次プレスと、1次プレス後に、前記突出する部分の圧縮変形を小さくし、かつ前記一対の型の前記プレス面の間の距離を一定に維持した状態で、第1の圧力値に比べて小さい第2の圧力値で前記プレス面がガラスブランクをプレスする2次プレスと、を含む、ことが好ましい。
本発明の別の一態様は、前記磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法にて成形されたガラスブランクに対して研削及び研磨の少なくとも一方を行い、磁気ディスク用ガラス基板とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
上述の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によれば、溶融ガラスの塊をプレスして、ガラスブランクを多数作製するとき、ガラスブランクの板厚を揃えることができる。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法のフローの一例を示す図である。 (a),(b)は、本実施形態で用いる型の一例を説明する図である。 (a),(b)は、本実施形態で用いる型の他の一例を説明する図である。 本実施形態のプレス装置の一例を説明する図である。 本実施形態の型を用いたときの板厚決定部材にかかるプレス荷重に対するガラスブランクの板厚の変化の一例を示す図である。 本実施形態の変形例で用いるプレス圧力の変化の一例を示す模式図である。 本実施形態の変形例で用いる型を説明する図である。
以下、本発明の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明する。
[磁気ディスク用ガラス基板]
以下、本実施形態で作製される磁気ディスク用ガラス基板について説明する。
本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板は、円環状の薄板のガラス基板である。磁気ディスク用ガラス基板のサイズは問わないが、磁気ディスク用ガラス基板は、例えば、公称直径2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板として好適である。公称直径2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板の場合、例えば、外径が65mm、中心穴の径が20mm、板厚が0.6〜1.0mmである。
本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板の材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平面度及び基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の組成を限定するものではないが、本実施形態のガラス基板は好ましくは、酸化物基準に換算し、モル%表示で、SiOを50〜75%、Alを1〜15%、LiO、NaO及びKOから選択される少なくとも1種の成分を合計で5〜35%、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOから選択される少なくとも1種の成分を合計で0〜20%、ならびにZrO、TiO、La、Y、Ta、Nb及びHfOから選択される少なくとも1種の成分を合計で0〜10%、有する組成からなるアルミノシリケートガラスである。
[磁気ディスク用ガラス基板の製造方法]
次に、図1を参照して、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法のフローを説明する。図1は、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法のフローの一例を示す図である。図1に示すように、先ず、一対の主表面を有する板状の磁気ディスク用ガラス基板の素材となるガラスブランクの成形処理が行われる(ステップS10)。次に、成形されたガラスブランクをスクライブして、円環状のガラス基板を作製する(ステップS20)。次に、スクライブされたガラス基板に対して形状加工(チャンファリング加工)を行う(ステップS30)。次に、ガラス基板の端面研磨を行う(ステップS40)。次に、ガラス基板の主表面に精研削を施した(ステップS50)後、第1研磨を施す(ステップS60)。次に、第1研磨後のガラス基板に対して化学強化を施す(ステップS70)。次に、化学強化されたガラス基板に対して第2研磨を施す(ステップS80)。以上の処理を経て、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。なお、本実施形態では、ステップS20〜70の処理は必ずしもこの順番に行われる必要はなく、また、これらの処理のいずれかは場合によっては行われなくてもよい。例えば、精研削(ステップS50)は必要に応じて行わなくてもよい。
以下、各工程について、詳細に説明する。
(a)プレス成形(ステップS10)
プレス成形(ステップS10)では、プレス成形により、円形状のガラスブランクを得る。プレス成形の方法は、水平ダイレクトプレス方式あるいは垂直ダイレクトプレス方式を含む。図2(a),(b)は、水平ダイレクトプレス方式の型の一例を説明する図であり、図3(a),(b)は垂直ダイレクトプレス方式の型の一例を説明する図である。
水平ダイレクトプレス方式は、図2(a),(b)に示すように、溶融ガラス供給部から供給される溶融ガラス流を切断して溶融ガラスの塊を落下させ、溶融ガラス塊Gの落下方向に対する直交方向の両側から一対の型121,122のプレス面で溶融ガラス塊Gを挟み込むことにより溶融ガラス塊Gをプレスしてガラスブランクを成形する方式である。溶融ガラス塊Gからガラスブランク(以降では、ガラスブランクも符号Gを用いる)を成形するとき、プレス面121a,122aから対向する型の方向(対向方向)に突出した板厚決定部材121b,122b同士が接触する。これにより、プレス面121aとプレス面122aとの間に一定の隙間が形成され、この隙間がガラスブランクGの板厚を定める。このとき、溶融ガラス塊Gを一対の型121,122のプレス面121a,122aに挟み込むことによりプレス面121a,122aに沿って拡がる溶融ガラス塊Gの先端がプレス面121a,122aの端に到達しないように溶融ガラス塊Gはプレスされる。
垂直ダイレクトプレス方式は、図3(a),(b)に示すように、図示されない溶融ガラス供給部から供給される溶融ガラス流を切断して溶融ガラス塊Gを落下させ、この溶融ガラス塊Gをプレス用の下型221で受けた後、上方から下りて来る上型222と下型221とで溶融ガラス塊Gを上下方向から挟み込むことにより、溶融ガラス塊GをプレスしてガラスブランクGを成形する方式である。溶融ガラス塊GからガラスブランクGを成形するとき、プレス面221a,222aから対向する型の方向(対向方向)に突出した板厚決定部221b,222b同士が当接する。これにより、プレス面221aとプレス面222aとの間に一定の隙間が形成され、この隙間がガラスブランクGの板厚を定める。このとき、溶融ガラス塊Gを一対の型221,222のプレス面221a,222aに挟み込むことによりプレス面221a,222aに沿って拡がる溶融ガラス塊Gの先端がプレス面221a,222aの端に到達しないように溶融ガラス塊Gはプレスされる。
以降では、図2(a)に示す水平ダイレクトプレス方式を用いてプレスを説明する。
このようなプレスは、例えば、図4に示すようなプレス装置によって行われる。図4は、本実施形態のプレス装置の一例を説明する図である。図4に示されるように、プレス装置101は、溶融ガラス流出口111を中心として、4組のプレスユニット120,130,140及び150が90度おきに設けられている。
プレスユニット120,130,140及び150の各々は、図示しない移動機構によって駆動されて、溶融ガラス流出口111に対して進退可能となっている。すなわち、溶融ガラス流出口111の真下に位置するキャッチ位置(図4においてプレスユニット140が実線で描画されている位置)と、溶融ガラス流出口111から離れた退避位置(図4において、プレスユニット120,130及び150が実線で描画されている位置、及びプレスユニット140が破線で描画されている位置)との間で移動可能となっている。
切断ユニット160は、プレスユニットによる溶融ガラス塊Gの捕獲位置(キャッチ位置)と溶融ガラス流出口111との間の溶融ガラスの経路上に設けられ、溶融ガラス流出口111から流出される溶融ガラスを適量に切り出して溶融ガラス塊Gを形成する。切断ユニット160は、一対の切断刃161,162を有する。各切断刃161,162は、一定のタイミングで溶融ガラスの経路上で交差するよう駆動され、各切断刃161,162が交差したとき、溶融ガラスが切り出されて溶融ガラス塊Gが得られる。得られた溶融ガラス塊Gは、キャッチ位置に向かって落下する。
プレスユニット120は、図2(a)に示すような型121、型122を有している。型121及び型122は、互いに対向するように配置されている。さらに、プレスユニット120は、第1駆動部225及び第2駆動部226を有している。プレスユニット130,140,150もプレスユニット120と同様の構成を有するので、その説明は省略する。
型121,122は、プレス面121a,122aを含む柱状のプレス部と、板厚決定部材121b,122bを有する。プレス面121a,122aは、溶融ガラス塊Gをプレス成形するための面(プレス成形面)である。板厚決定部材121b,122bは、このプレス部の側面全面を覆うように形成され、プレス成形面121a,122aの外周から対向する型122,121の側に向けて突出するように、プレス成形面121a,122aを囲むように設けられる。板厚決定部材121b,122bは、突出部分の突出高さに基づいて、ガラスブランクの板厚を定めるようになっている。型121,122は、プレス成形時にかかる荷重に耐えうるという観点から、例えば、超硬合金や、ダクタイル鋳鉄(FCD:Ferrum Casting Ductile)、SKD(Steel Kogu Dice)等から構成されていることが好ましい。さらに、軟鋼(SS41等)に対して、めっき等の金属コーティングを施したものから構成してもよい。特に、板厚決定部材121b,122bは、後述するように、プレス成形時に互いに当接する部分であるため、板厚決定部材121b,122bは、プレスに耐えうる硬度が必要である。これより、板厚決定部材121b,122bは、例えば、超硬合金や、FCD、SKD等のように、ビッカース硬さが1000HV以上の材料で形成されている、ことが好ましい。
プレスユニット120,130,140、150の各型で成形されたガラスブランクGは、型とともにガラスブランク搬送装置171,172,173,174の上方の退避位置に移動した後、型が開いてガラスブランクGが取り出される。ガラスブランクGは、ガラスブランク搬送装置171,172,173,174上に載置されて後処理に向かって流れる。
このようなプレス装置を用いるガラスブランクの型を用いた成形については後述する。
(b)スクライブ(ステップS20)
次に、スクライブ処理について説明する。プレス成形の後、スクライブ処理では、成形されたガラスブランクGに対してスクライブが行われる。
ここでスクライブとは、成形されたガラスブランクGを所定のサイズのリング形状とするために、ガラスブランクGの表面に超鋼合金製あるいはダイヤモンド粒子からなるスクライバにより2つの同心円(内側同心円および外側同心円)状の切断線(線状のキズ)を設けることをいう。2つの同心円の形状にスクライブされたガラスブランクGは、部分的に加熱され、ガラスブランクGの熱膨張の差異により、外側同心円の外側部分および内側同心円の内側部分が除去される。これにより、円環状のガラス基板が得られる。
なお、ガラスブランクに対してコアドリル等を用いて円孔を形成することにより円環状のガラス基板を得ることもできる。
(c)形状加工(ステップS30)
次に、形状加工について説明する。形状加工では、スクライブ後のガラス基板の端部に対するチャンファリング加工(外周端部および内周端部の面取り加工)を含む。チャンファリング加工は、スクライブ後のガラス基板の外周端部および内周端部において、主表面と、主表面と垂直な側壁部との間で、ダイヤモンド砥石により面取りを施す形状加工である。面取り角度は、主表面に対して例えば40〜50度である。
(d)端面研磨(ステップS40)
次に、形状加工後のガラス基板の端面研磨が行われる。
端面研磨では、ガラス基板の内周端面及び外周端面をブラシ研磨により鏡面仕上げを行う。このとき、酸化セリウム等の微粒子を遊離砥粒として含むスラリーが用いられる。端面研磨を行うことにより、ガラス基板の端面での塵等が付着した汚染、ダメージあるいはキズ等の損傷の除去を行うことにより、サーマルアスペリティの発生の防止や、ナトリウムやカリウム等のコロージョンの原因となるイオン析出の発生を防止することができる。
(e)精研削(ステップS50)
精研削では、例えば固定砥粒による研削が行われる。この場合、遊星歯車機構を備えた両面研削装置を用いて、ガラス基板の主表面に対して研削加工を行う。具体的には、ガラスブランクGから生成されたガラス基板の外周側端面を、両面研削装置の保持部材に設けられた保持孔内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研削を行う。精研削は、研削による取り代が、例えば数μm〜100μm程度の加工処理である。両面研削装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤及び下定盤の間にガラス基板が狭持される。上定盤及び下定盤のガラス基板に対向する面には、固定砥粒が設けられている。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させることで、ガラス基板と各定盤とを相対的に移動させることにより、このガラス基板の両主表面を研削することができる。
(f)第1研磨(ステップS60)
次に、研削のガラス基板の主表面に第1研磨が施される。具体的には、ガラス基板の外周側端面を、両面研磨装置の保持部材に設けられた保持孔内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研磨が行われる。第1研磨は、例えば固定砥粒による研削を行った場合に主表面に残留したキズや歪みの除去、あるいは微小な表面凹凸(マイクロウェービネス、粗さ)の調整を目的とする加工処理である。
(g)化学強化工程(ステップS70)
次に、ガラス基板は化学強化される。化学強化液として、例えば硝酸カリウムと硫酸ナトリウムの混合液等を用いることができる。化学強化工程では、ガラス基板を化学強化液中に浸漬する。
ガラス基板を化学強化液に浸漬することによって、ガラス基板の表層にあるガラス組成中のリチウムイオン及びナトリウムイオンが、化学強化液中のイオン半径が相対的に大きいナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換されることで表層部分に圧縮応力層が形成され、ガラス基板が強化される。
(h)第2研磨(最終研磨)(ステップS80)
次に、化学強化後のガラス基板に第2研磨が施される。第2研磨は、主表面の鏡面研磨を目的とする。研磨されたガラス基板を中性洗剤、純水、IPA等を用いて洗浄することで、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。
第2研磨を実施することは必ずしも必須ではないが、ガラス基板の主表面の表面凹凸のレベルをさらに良好なものとすることができる点で実施することが好ましい。
[プレス成形の詳細説明]
次に、ステップS10のプレス成形について詳細に説明する。プレス成形では、図2(a),(b)に示すように、溶融ガラス塊Gを一対の型121,122のプレス面121a,122aに挟み込む。このときプレス面121a,122aに沿って拡がる溶融ガラス塊Gの先端がプレス面121a,122aの端に到達しないように溶融ガラス塊Gをプレスする。これにより、ガラスブランクGが成形される。このようなプレス成形は、水平ダイレクトプレス方式及び垂直ダイレクトプレス方式に適用される。
このとき、ガラスブランクGの厚さに応じて、プレスにおける型121,122のプレス圧力の圧力値を調整する。プレス圧力の圧力値の調整は、図示されない制御装置からの指示により型121,122を押す第1駆動部225及び第2駆動部226の駆動動作が制御されることにより行われる。
上述したように、本実施形態のプレス成形では、プレス面121a,122aを取り巻くように、プレス面121a,122aから対向する型の側に突出した板厚決定部材121b,122b同士が当接してプレス面121a,122aの離間距離が定まり、ガラスブランクGの板厚が定まる。ここで、プレス成形時、溶融ガラス塊Gをプレスする型121,122には、数トンの荷重を負荷し、板厚決定部材121b,122bは互いに当接するので、板厚決定部材121b,122bは弾性的に圧縮変形する。この圧縮変形は、プレス圧力の圧力値によって変化する。このため、プレス圧力の圧力値に応じて、ガラスブランクGの板厚は変化する。したがって、板厚決定部材121b,122bが弾性的に変形する範囲内の圧力値をプレス圧力として与える限りにおいて、プレス圧力の圧力値を調整することにより、成形されるガラスブランクGの板厚を一定に揃えることができる。
なお、型121,122は、プレス成形に用いる使用回数に応じて、すなわち使用履歴に応じて、板厚決定部材121b,122bのプレス面121a,122aの突出高さは板厚決定部材121b,122bの磨耗等により変化する。したがって、プレス成形により得られるガラスブランクGの板厚は、型121,122の使用履歴に応じて変化する(薄くなる)。このため、型121,122の使用履歴に応じて変化するガラスブランクの板厚の変化に応じて、ガラスブランクGの板厚が一定になるようにプレス圧力を調整することが好ましい。なお、ガラスブランクGの板厚は、例えば、ガラスブランクGの周上の異なる4箇所においてマイクロメータ等を用いて計測した平均値が用いられる。
また、ガラスブランクGの板厚は、ガラスブランクGの成形に用いた型によって異なる場合もある。型は、互いに同じ仕様の構造、材料を用いた場合であっても、加工の微小なばらつきや材料の微小な特性のばらつきによって、成形されるガラスブランクGの板厚が異なる場合がある。したがって、この場合、一対の型、例えば図4に示すプレスユニット120の型121,122と別の一対の型、例えば図3に示すプレスユニット130の型によって成形されるガラスブランクGの厚さが揃うように、一対の型と別の一対の型で成形されるガラスブランクの板厚の差異に応じて、一対の型及び別の一対の型の少なくとも一方の型におけるプレス圧力を調整することが好ましい。なお、ガラスブランクGの板厚は、例えば、ガラスブランクGの周上の異なる4箇所においてマイクロメータ等を用いて計測した平均値が用いられる。
図5は、図2(a),(b)に示す型121,122を用いたときの板厚決定部材121b,122bにかかるプレス荷重に対するガラスブランクGの板厚の変化の一例を示す図である。プレス圧力の圧力値は、上記プレス荷重を板厚決定部材121b,122bの互いに当接する接触面の面積で割り算した値に相当する。ここで、接触面の面積を100cm2とした場合には、図5の横軸をプレス圧力の圧力値で表すと、1目盛あたり0.02トン/cm2となる。接触面の面積は一定であるので、プレス荷重はプレス圧力の圧力値に比例する。図5からわかるように、プレス圧力の圧力値を高くするほど(プレス荷重を高くするほど)、ガラスブランクGの板厚は薄くなることがわかる。したがって、ガラスブランクGの板厚を厚くする場合、プレス圧力(プレス荷重)を低くする。図5に示す例では、ガラスブランクGの板厚を1μm厚くするには、プレス荷重を100kg低下させればよいことがわかる。すなわち、プレス圧力の圧力値とガラスブランクGの厚さとの対応関係を予め取得しておき、プレスするとき、プレスにより成形されたガラスブランクGの厚さに基づいて、プレス圧力の圧力値(プレス荷重)の調整を行うとよい。
図5に示すようなプレス荷重とガラスブランクGの板厚の対応関係は、同じ仕様、材料の型に対して1つ予め用意しておけばよい。同じ仕様、材料で構成された型では、上記対応関係の個体間差は小さい。したがって、同じ仕様、材料で構成された型を複数用いる場合、少なくとも1つの型についての上記対応関係を予め調べておき、この対応関係を他の型についても用いて、プレス圧力の調整を行うことができる。しかし、より正確な圧力の調整を行うには、型毎にプレス荷重とガラスブランクGの板厚の対応関係を調べてその対応関係を予め用意しておき、この対応関係を型毎に用いて型毎のプレス圧力の調整を行ってもよい。
[プレス成形の変形例]
図2(a),(b)に示す実施形態のプレス成形では、プレス成形中の型121,122にかかるプレス圧力は一定であるが、本変形例のプレス成形では、プレス圧力を時間とともに変化させる例である。この場合においてもプレス圧力の圧力値を調整することにより、成形されるガラスブランクGの板厚を一定に揃えることができる。以下、本変形例について説明する。
本変形例は、図2(a),(b)に示す実施形態と比較して、プレス成形が異なる。本変形例において、上述した実施形態と同一の内容については重複説明を省略する。
本実施形態のプレス成形は、1次プレスと2次プレスからなる。図6は、プレス圧力の変化を示す模式図である。
図5に示すような圧力値でプレス成形を始める直前、一対の型のプレス面の温度は、溶融ガラス塊Gを構成するガラス材料のガラス転移点以上、屈服点未満の温度で加熱され平衡状態にされている。ガラス転移点は、ガラス材料によって異なり、例えば500℃である。一方、屈服点は、ガラス材料によって異なり、例えば560℃である。プレス面の温度を、上述した範囲内とすることにより、溶融ガラス塊Gにおいて温度分布があったとしても、2次プレスにおいて、ガラス転移点以上の温度で、ガラスブランクの温度分布を略均一にすることができる。これにより、温度分布が略均一になったガラスブランクGを一対の型から取り出して、大気中で放冷することにより、残留応力の少ないガラスブランクGを作製することができる。一対の型のプレス面の温度を屈服点未満とするのは、ガラスブランクGを型から離型した後に平面度が大きく悪化してしまうことを防ぐことができるためである。
1次プレスでは、プレス面を囲むように設けられた板厚決定部材のプレス面から突出した突出部分が当接するので、プレス面間の距離がガラスブランクGの板厚となる。この板厚決定部材の突出部分の高さは、板厚決定部材の弾性的な変形により縮むので、1次プレスのプレス圧力によってガラスブランクGの板厚は調整される。1次プレスは、ガラスブランクGが破損しない程度の時間行われる。
一方、2次プレスは、1次プレスを行った後、1次プレス後に1次プレスに用いるプレス圧力よりも低いプレス圧力でガラスブランクを一対の型で保持する処理である。1次プレスにおける、プレス圧力の圧力値は、例えば0.04〜0.40トン/cm2であり、2次プレスにおけるプレス圧力の圧力値は、例えば1×10−5〜4×10−3トン/cm2である。
このように、1次プレスと2次プレスでプレス圧力の圧力値を変化させるのは、1次プレスの機能と、2次プレスの機能とを異なるものとするためである。
1次プレスにおいて高いプレス圧力を用いてプレスをすることにより、ガラスブランクを所定の厚さ(薄さ)にすることができる。2次プレスにおいて低いプレス圧力を用いてプレスすることにより、ガラスブランクの温度分布を均一に近づけることができ、ガラスブランクの平面度を向上することができる。
具体的に説明すると、1次プレスでは、高いプレス圧力により、溶融ガラス塊Gの不均一な温度分布に起因して成形直後のガラスブランクGの温度分布は不均一である。この不均一な温度分布のガラスブランクGから熱が一対の型それぞれに移動して、一対の型に不均一の温度分布を生じさせる。2次プレスにおいて低いプレス圧力を用いることにより、2次プレスでは、ガラスブランクGとプレス面との間の実質的な接触面積が低下する。その結果、ガラスブランクGから一対の型への熱移動が低下する。その間、一対の型の不均一な温度分布は、熱伝導による拡散により均一に近づき、温度分布が均一に近づいた一対の型が、ガラスブランクGと接触することにより、ガラスブランクGの温度分布は均一に近づく。この結果ガラスブランクGの両側のガラス主表面間の温度差は小さくなるので、ガラスブランクGの平面度は向上する。
図7は、1次プレス及び2次プレスを行う型121,122を説明する図である。型121,122は、プレス面121a,122aを含む柱状のプレス部121d,122dと、板厚決定部材121b,122bと、押出部材121c,122cと、を有する。プレス面121a,122a及び板厚決定部材121b,122bは、図2(a)に示すプレス部及び板厚決定部材121b,122bと同様であるので、その構成の説明は省略する。
押出部材121c,122cは、プレス面121a,122aを構成するプレス部121d,122dの、プレス面121a,122aと反対側の端に接続され、プレス面121a,122aがガラスブランクGに与える1次プレス時の荷重を抜くことができるように構成されている。したがって、1次プレス及び2次プレスは、以下のように行われる。
一対の型121,122の板厚決定部材121b,122b同士を当接させて板厚決定部材121b,122bのプレス面121a,122aから突出する部分を弾性的に圧縮変形させることにより、第1の圧力値をプレス圧力値として溶融ガラスの塊をプレスする(1次プレス)。この後に、第1の圧力値を低下させるために、型121,122に負荷する荷重を低くして、板厚決定部材121b,122bの突出する部分の圧縮変形を小さくし、かつ一対の型121,122のプレス面121a,122aの間の距離を一定に維持した状態にする。プレス面121a,122aの間の距離を一定に維持するとき、押出部材121c,122cがガラスブランクGに加える荷重を調整する。こうして、第1の圧力値に比べて小さい第2の圧力値で型121,122がガラスブランクGをプレスする(2次プレス)。第1の圧力値及び第2の圧力値は、型121,122に負荷した荷重を、プレス面121a,122aの面積と板厚決定部材121b,122b同士が当接する部分の面積の合計面積で割った値である。
このように1次プレスおよび2次プレスを用いることにより、ガラスブランクGの板厚のばらつきを低下し、かつガラスブランクGの平面度を向上させることができる。しかし、上述したように、型の使用履歴によって板厚は変化し、あるいは、複数の型の個体間差により、成形されるガラスブランクGの板厚は異なる。このため、本変形例では、上述の1次プレスにおけるプレス圧力の圧力値を調整することにより、使用履歴による板厚の変化を抑制し、また、型の個体間差に起因するガラスブランクGの板厚を一定に揃えることができる。
なお、本変形例のプレス成形は、1次プレス及び2次プレスの2つのプレスを含むが、プレス成形は、2次プレスのプレス圧力が複数設定され、複数の圧力でプレスを行ってもよい。この場合、1次プレス及び2次プレスを含むプレス成形では、プレス圧力の最高圧力値を、ガラスブランクGの板厚を調整するための圧力値として用いて調整することが、ガラスブランクGの板厚を一定に揃える点で好ましい。
なお、上述の実施形態及び変形例ではいずれも、一対の型121,122のそれぞれは板厚決定部材121b,122bを有するが、一対の型121,122のいずれか一方のみに板厚決定部材を有してもよい。この場合の板厚決定部材も、プレス処理における一対の型121,122を閉じる際のプレス圧力の圧力値を調整することにより、複数のガラスブランクの板厚を揃えることができる。すなわち、本実施形態及び変形例のプレス処理に用いる一対の型の少なくとも一方が、プレス面から一対の型の対向方向に突出する板厚決定部材を有していればよい。
本実施形態では、成形されたガラスブランクの板厚に応じて、プレス処理における型のプレス圧力の圧力値を調整するので、ガラスブランクの板厚を揃えることができる。
また、プレス成形に用いる型の使用履歴に応じて変化するガラスブランクの厚さの変化に応じて、ガラスブランクの板厚が一定になるようにプレス圧力を調整するので、長期間用いられる型で成形されるガラスブランクの板厚を一定に維持することができる。
また、複数の対の型を用いてガラスブランクを成形するとき、複数の対の型によって成形されるガラスブランクの板厚が揃うように、複数の対の型で成形されるガラスブランクの厚さの差異に応じて、各対の型におけるプレス圧力の圧力値を調整するので、プレス成形に用いる型の個体間差によらない一定の板厚のガラスブランクを作製することができる。
磁気ディスク用ガラス基板を作製するとき、本実施形態で作製されたガラスブランクを用いることにより、ガラス基板の板厚が一定の範囲内で揃うので、研削あるいは研磨による取代量を揃えることができる。したがって、ガラス主表面の傷等の欠陥を残すおそれが小さくなり、ガラス基板の品質のばらつきを抑制することができる。
[実験例]
図2(a),(b)に示すような型を10対作製し、この型によってプレス成形で得られるガラスブランクGの板厚を調べた。10対の型は互いに同じ構造を有し、同じ材料で構成した。プレス成形のプレス圧力は、プレス成形中、一定の圧力値となるようにした。このときのプレス荷重を6000kgfとし、目標の板厚を0.745mmとした。プレス圧力の圧力値は、プレス荷重は板厚決定部材同士の接触面の面積で割った値である。成形されたガラスブランクGの板厚については、ガラスブランクGの周上の異なる4点において、マイクロメータを用いて調べ、板厚の測定値の平均値を板厚として用いた。10対の型から作製される合計1000枚のガラスブランクGの板厚の全平均値は0.745mmであったが、各型で成形されたガラスブランクGの板厚(型毎の板厚の平均値)の最大値は0.751mmであり、最小値は0.738mmであり、最大値と最小値の間で0.013mmの差があった。すなわち、10対の型において成形されるガラスブランクの板厚に関して0.013mmの型の個体間差があった。
このような10対の型に適用するプレス荷重を、図5に示す対応関係を用いて調整した。この対応関係は、10対の型のうちの1つの型におけるプレス荷重と板厚との間の対応関係である。具体的には、図5に示す対応関係では、ガラスブランクの板厚を1μm変えるためにプレス荷重を100kgf変化させればよいことがわかる。したがって、この対応関係を用いて、プレス荷重を6000kgfから変更した。例えば、板厚が0.738mmであるガラスブランクを成形した型では、プレス荷重を5300kgfに変更し、板厚が0.751mmであるガラスブランクを成形した型では、プレス荷重を6600kgfに変更した。これにより、10対の型から成形されたガラスブランクGの板厚は型によらず全て0.745mmとなった。さらに、プレス成形されたガラスブランクGの平面度の全平均値は1.5μm以下となった。
これより、型のプレス圧力の圧力値を調整することによりガラスブランクGの板厚を調整することができることがわかる。
以上、本発明の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
101 成形装置
111 溶融ガラス流出口
120,130,140,150 プレスユニット
121,122,221,222 型
121a,122a,221a,222a プレス面
121b,122b,221b,222b 板厚決定部材
121c,122c 押出部材
121d,122d プレス部
160 切断ユニット
161,162 切断刃
171,172,173,174 ガラスブランク搬送装置

Claims (6)

  1. 磁気ディスク用ガラス基板に加工される磁気ディスク用ガラスブランクを、互いに対向する一対の型を用いて製造するガラスブランクの製造方法であって、
    前記一対の型のそれぞれは、溶融ガラスの塊をプレスするプレス面を有し、
    前記一対の型の少なくとも一方は、前記プレス面から前記一対の型の対向方向に突出する部分を持ち、前記突出する部分の突出高さに基づいてガラスブランクの厚さを定めるための板厚決定部材を更に有し、
    前記一対の型が閉じた際に、前記板厚決定部材が他方の型に当接し、前記溶融ガラスの塊を前記一対の型のプレス面に挟み込むことにより溶融ガラスをプレスして、ガラスブランクを成形するプレス処理と、
    成形された前記ガラスブランクの厚さに応じて、前記プレス処理における前記一対の型を閉じる際のプレス圧力の圧力値を調整する調整処理と、を含む、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  2. 溶融ガラス供給部から供給される溶融ガラス流を切断して溶融ガラスの塊を落下させる処理をさらに含み、
    前記プレス処理は、前記塊の落下方向に対する直交方向の両側から一対の型のプレス面で前記塊を挟み込む処理である、請求項1に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  3. 前記プレス圧力の圧力値と前記ガラスブランクの厚さとの対応関係を予め取得しておき、
    前記調整処理では、前記プレス処理により成形された前記ガラスブランクの厚さに基づいて、前記圧力値の調整を行う、請求項1または2に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  4. 前記プレス処理では、前記一対の型の他に、さらに別の一対の型を用いてガラスブランクを成形し、
    前記調整処理では、前記一対の型と前記別の一対の型によって成形されるガラスブランクの厚さが揃うように、前記一対の型と前記別の一対の型で成形されるガラスブランクの厚さの差異に応じて、前記一対の型及び前記別の一対の型の少なくとも一方の型におけるプレス圧力の圧力値を調整する、請求項1または2に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  5. 前記プレス処理は、前記板厚決定部材を前記他方の型に当接させて前記板厚決定部材の突出する部分を弾性的に圧縮変形させることにより、第1の圧力値を前記プレス圧力値として溶融ガラスの塊をプレスする1次プレスと、1次プレス後に、前記突出する部分の圧縮変形を小さくし、かつ前記一対の型の前記プレス面の間の距離を一定に維持した状態で、第1の圧力値に比べて小さい第2の圧力値で前記プレス面がガラスブランクをプレスする2次プレスと、を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法にて成形されたガラスブランクに対して研削及び研磨の少なくとも一方を行い、磁気ディスク用ガラス基板とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。



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