JP2015066872A - 立体造形装置 - Google Patents

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淳 杉本
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Abstract

【課題】立体造形物の造形をより高速に行うことができる立体造形装置を提供する。【解決手段】粉体供給部14の供給機構20はステージ9の左右方向の長さと同じ長さの均しローラ18と第一供給ローラ16を備える。造形時、粉体供給部14は前向きに移動し、第一ニップ部28から粉体を供給する。均しローラ18は供給された粉体を直ちに平坦化して粉体層を形成する。第一ヘッド21はライン型のヘッドであり、粉体供給部14に追従して移動し、形成された粉体層に直ちに造形液を吐出して造形層を形成する。【選択図】図4

Description

本発明は、立体造形粉体に造形液を吐出して固化することで立体造形物を造形する立体造形装置に関する。
従来、立体造形粉体(以下、単に「粉体」ともいう。)と造形液を混合して固化することで、立体造形物を造形する立体造形装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の立体造形装置は、ホッパーに収容した粉体を、ホッパー底部のスロットを通してワーク面上に供給する。ガントリーは、ビルドプラットフォームを横切って移動することで粉体を押し広げ、ビルドテーブル上に供給する。ガントリーが有するバインダージェットは、粉体に造形液を吐出する。粉体と造形液は混合すると固化し、立体造形物の層(以下、「造形層」という。)を形成する。立体造形装置は、粉体の供給と造形液の吐出を繰り返して造形層を重ね、立体造形物を造形する。
特表2009−538226号公報
しかしながら、特許文献1の立体造形装置は、ホッパーがワーク面上に供給した粉体をガントリーが押し広げ、ビルドテーブル上に供給してから、バインダージェットが造形液を吐出して造形を行う。故に特許文献1は、ホッパーが粉体を供給してから造形液を吐出するまでの工程に時間がかかるという問題点があった。さらには、粉体の供給と造形液の吐出を繰り返して行う立体造形物の造形に時間がかかるという問題点があった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、立体造形物の造形をより高速に行うことができる立体造形装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施態様によれば、造形液と混合すると固化する粉体を内部に収容し、前記粉体を外部に供給する供給手段を備える粉体供給部と、前記供給手段が供給する前記粉体を配置する面であるステージ面を備え、前記ステージ面に前記粉体の層である粉体層を形成するステージと、前記供給手段を駆動して前記粉体を供給させる第一駆動部と、前記ステージ面と平行な第一方向に沿って、前記ステージ面を横切って前記粉体供給部を移動させる第二駆動部と、前記粉体供給部よりも前記第一方向の一方側で、前記粉体供給部と前記第一方向に並んで配置され、前記ステージに形成した前記粉体層に対して前記造形液を吐出し、前記粉体層を固化した造形層を造形する第一吐出部と、前記第一吐出部を駆動して前記造形液を吐出させる第三駆動部と、前記第一方向に沿って、前記ステージ面を横切って前記第一吐出部を移動させる第四駆動部と、前記第一駆動部、前記第二駆動部、前記第三駆動部および前記第四駆動部の駆動を制御する制御部と、を備え、前記供給手段は、前記ステージ面と平行且つ前記第一方向と直交する第二方向に沿って、前記第二方向における前記ステージ面の長さと同じ、もしくは前記第二方向における前記ステージ面の長さよりも長く延び、前記制御部は、前記造形層の1つの層を形成する場合に、前記第二駆動部を制御して前記粉体供給部を前記第一方向の前記一方から他方へ向かう第一向きに移動させ、且つ、前記第四駆動部を制御して前記第一吐出部を前記粉体供給部に追従させて前記第一向きに移動させ、さらに、前記第一駆動部の制御による前記供給手段からの前記粉体の供給中に、前記第三駆動部を制御して前記第一吐出部から前記造形液を吐出させることを特徴とする立体造形装置が提供される。
立体造形装置は、制御部が、第二駆動部を制御して粉体供給部を第一向きに移動させながら、第一駆動部を制御して供給手段を駆動させることができる。故に立体造形装置は、ステージ面上に粉体を供給しながら粉体を広げることができる。さらに立体造形装置は、制御部が、第四駆動部を制御して第一吐出部を粉体供給部に追従させて第一向きに移動させながら、第三駆動部を制御して第一吐出部から造形液を吐出させることができる。故に立体造形装置は、ステージ面上に粉体を供給し、広げながら、粉体に造形液を吐出し、造形層を形成することができる。したがって立体造形装置は、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
本実施態様において、前記第一吐出部は、前記造形液を吐出するノズルを前記第二方向に沿って複数並べたノズル列を一列以上有してもよい。前記ノズル列の前記第二方向の長さは、前記ステージ面の前記第二方向の長さと同じ、もしくは前記ステージ面の前記第二方向の長さよりも長くてもよい。前記制御部は、前記第四駆動部を制御して前記第一吐出部を前記第一向きに移動させながら、前記第三駆動部を制御して前記第一吐出部から前記造形液を吐出させてもよい。第一吐出部は、第二方向にステージ面の長さ以上に延びるノズル列を有するので、造形液の一回の吐出で、ステージ面に形成した粉体層に対し、第二方向へのノズル列の列数分の吐出を一度に完了することができる。すなわち第一吐出部は、造形液の1回の吐出と第一向きへのノズル列の幅分の移動を繰り返すだけで、ステージ面に形成した粉体層に対する造形液の吐出を行うことができる。故に立体造形装置は、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
本実施態様は、前記第二方向に沿って前記第一吐出部を移動させる第五駆動部をさらに備えてもよい。前記第一吐出部は、前記造形液を吐出するノズルを前記第二方向に沿って複数並べたノズル列を一列以上有してもよい。前記ノズル列の前記第二方向の長さは、前記ステージ面の前記第二方向の長さよりも短くてもよい。前記制御部は、前記第四駆動部の制御による前記第一向きへの前記第一吐出部の移動と、前記第五駆動部の制御による前記第二方向に沿う前記第一吐出部の移動を交互に行わせ、且つ、前記第二方向に沿う前記第一吐出部の移動の際に、前記第三駆動部を制御して前記第一吐出部から前記造形液を吐出させてもよい。第一吐出部は、第二方向にステージ面の長さより短いノズル列を有する。故に第一吐出部は、ステージ面に形成した粉体層に対し、第二方向に沿って造形液を吐出する動作をステージ面の第二方向の長さに達するまで行ってから、第一向きへノズル列の幅分の移動を行う。これを繰り返すことで、第一吐出部は、ステージ面に形成した粉体層に対する造形液の吐出を行うことができる。第一吐出部は、ノズル列の長さが第二方向にステージ面の長さより短い分、ノズルの数を減らすことができ、コストダウンを図ることができる。第一吐出部が粉体供給部の移動に追従して移動し、上記動作で造形層を形成するので、立体造形装置は、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
本実施態様は、前記粉体供給部よりも前記第一方向の前記他方側で、前記粉体供給部と前記第一方向に並んで配置され、前記ステージに形成した前記粉体層に対して前記造形液を吐出して前記造形層を造形する第二吐出部をさらに備えてもよい。前記第三駆動部は、前記第一吐出部および前記第二吐出部を駆動して前記造形液を吐出させてもよい。前記第四駆動部は、前記第一方向に沿って、前記ステージ面を横切って前記第一吐出部および前記第二吐出部を移動させてもよい。前記制御部は、前記造形層を形成する場合に、前記第二駆動部を制御して前記粉体供給部を前記第一向きに移動させ、且つ、前記第四駆動部を制御して、前記第一吐出部は前記粉体供給部に追従させ、前記第二吐出部は前記粉体供給部よりも先行させて、前記第一吐出部と前記第二吐出部とを前記第一向きに移動させ、さらに、前記第一駆動部の制御による前記供給手段からの前記粉体の供給中に、前記第三駆動部を制御して前記第一吐出部から前記造形液を吐出させる、第一モードにおける制御と、前記第二駆動部を制御して前記粉体供給部を前記第一向きとは反対側の第二向きに移動させ、且つ、前記第四駆動部を制御して、前記第一吐出部は前記粉体供給部よりも先行させ、前記第二吐出部は前記粉体供給部に追従させて、前記第一吐出部と前記第二吐出部とを前記第二向きに移動させ、さらに、前記第一駆動部の制御による前記供給手段からの前記粉体の供給中に、前記第三駆動部を制御して前記第二吐出部から前記造形液を吐出させる、第二モードにおける制御と、を交互に行ってもよい。立体造形装置は、第一吐出部と第二吐出部を第一向きに移動する場合だけでなく、第二向きに移動する場合にも、造形層を形成することができる。故に、立体造形装置は、造形層を重ねた立体造形物の造形をさらに高速に行うことができる。
本実施態様において、前記供給手段は、前記第二方向に延びる複数のローラを含んでもよい。前記制御部は、前記第一駆動部を駆動して、前記複数のローラのうち、少なくとも2つのローラを互いに異なる方向に回転し、前記2つのローラ間のニップ部から前記粉体を外部に供給してもよい。立体造形装置は、2つのローラ間のニップ部から粉体を供給することで、ステージ面に対し、第二方向において偏りなく均一な量の粉体を供給することができる。また、立体造形装置は、ニップ部の大きさの調整、ローラの回転速度の調整、粉体供給部の第一方向への移動速度の調整等を行えば、粉体層の厚みを容易に調整することができる。故に立体造形装置は、狙いの厚みの粉体層を速やかに形成できるので、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。なお、ニップ部とは、軸方向が平行な2つのローラの外周面が互いに接触または最も近接する部位である。
本実施態様において、前記供給手段は、前記2つのローラのうちの一つであり、前記ニップ部を構成する第一ローラを有してもよい。前記第一ローラは、前記ステージ面と直交する第三方向において、外周面が、他のローラよりも前記ステージ面に近い位置に設けられてもよい。第一ローラは、ニップ部から供給する粉体をステージ上で均すことができる。故に立体造形装置は、粉体層の形成を速やかに行うことができ、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
本実施態様において、前記供給手段は、前記第一ローラを含む3つのローラを有してもよい。前記制御部は、前記第二駆動部を制御して前記粉体供給部を移動させる向きに応じて前記第一駆動部を制御し、前記第一ローラと、前記3つのローラのうちの他のローラとを互いに異なる方向に回転させ、前記第一ローラと前記他のローラ間のそれぞれの前記ニップ部のうち、前記粉体供給部を移動する向きに応じた前記ニップ部から前記粉体を外部に供給させてもよい。第一ローラは、粉体供給部の移動向きに応じて、対応するニップ部から粉体を供給し、ステージ上で均すことができる。故に立体造形装置は、粉体層の形成を速やかに行うことができ、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
本実施態様において、前記供給手段は、前記他のローラのうちの一つであり、前記第一ローラよりも前記第一方向の前記一方側で、前記第一ローラと前記第一方向に並んで配置され、前記第一ローラと前記ニップ部を構成する第二ローラと、前記他のローラのうちの一つであり、前記第一ローラよりも前記第一方向の前記他方側で、前記第一ローラと前記第一方向に並んで配置され、前記第一ローラと前記ニップ部を構成する第三ローラと、を有してもよい。前記制御部は、前記第二駆動部を制御して前記粉体供給部を前記第一向きに移動させる場合、前記第一駆動部を制御して、前記第一ローラは前記ステージ面を前記第一向きに転がる向きに回転させ、且つ前記第二ローラと前記第三ローラは前記ステージ面を前記第二向きに転がる向きに回転させてもよい。また、前記制御部は、前記第二駆動部を制御して前記粉体供給部を前記第二向きに移動させる場合、前記第一駆動部を制御して、前記第一ローラは前記ステージ面を前記第二向きに転がる向きに回転させ、且つ前記第二ローラと前記第三ローラは前記ステージ面を前記第一向きに転がる向きに回転させてもよい。
粉体供給部が第一向きに移動する場合、第一ローラと、移動方向において第一ローラの上流側(第一方向の一方側)に位置する第二ローラとのニップ部では、第一ローラと第二ローラが粉体を粉体供給部内に押し込む方向に回転する。故に第一ローラと第二ローラの間のニップ部からは粉体が供給されない。一方、第一ローラと、移動方向において第一ローラの下流側(第一方向の他方側)に位置する第三ローラとのニップ部では、第一ローラと第三ローラが粉体を粉体供給部外に押し出す方向に回転する。故に第一ローラと第三ローラの間のニップ部から粉体を供給することができる。また、粉体供給部が第二向きに移動する場合も同様であり、第一ローラと、移動方向において第一ローラの上流側(第一方向の他方側)に位置する第三ローラとのニップ部では、第一ローラと第三ローラが粉体を粉体供給部内に押し込む方向に回転するため、粉体が供給されない。一方、第一ローラと、移動方向において第一ローラの下流側(第一方向の一方側)に位置する第二ローラとのニップ部では、第一ローラと第二ローラが粉体を粉体供給部外に押し出す方向に回転するため、粉体を供給することができる。したがって、粉体供給部が第一向きに移動する場合も、第二向きに移動する場合も、第一ローラは、移動方向の下流側のニップ部から供給する粉体をステージ上で均すことができるので、粉体層の形成を速やかに行うことができ、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
なお、本実施形態において、「第一ローラがステージ面を第一向きに転がる向き」とは、例えば、平らな水平面上に配置したローラ状の棒材を水平面上で転がした場合に、棒材が転がる向きをいう。ゆえに、軸方向を第二方向に沿わせた第一ローラがステージ面上を第一向きに転がる向きとは、第一向きを右手側にして第二方向に沿ってステージ上の第一ローラを見た場合に、第一ローラが時計回りに回転する向きをいう。
本実施態様は、前記ステージに形成する前記粉体層の厚みを指定する厚み情報を記憶する記憶部を備えてもよい。前記制御部は、前記記憶部が記憶する前記厚み情報に基づき、前記第一駆動部の制御による前記複数のローラの回転速度の変更と、前記第二駆動部の制御による前記粉体供給部の移動速度の変更と、のうちの少なくとも一方を行って、前記厚み情報によって指定される厚みを有する前記粉体層を前記ステージに形成させてもよい。制御部は、ローラの回転速度を早めさせれば、粉体供給部の移動速度が一定であっても、より多くの粉体をステージに供給させることができる。また、制御部は、粉体供給部の移動速度を遅くさせれば、ローラの回転速度が一定であっても、より多くの粉体をステージに供給させることができる。制御部は、ローラの回転速度を早めさせ、粉体供給部の移動速度を遅くさせれば、さらに多くの粉体をステージに供給させることができる。このため、立体造形装置は、粉体供給部を第一方向に一回移動するだけで、ステージに所望の厚みを有する粉体層を形成することができる。故に立体造形装置は、粉体層の形成を速やかに行うことができ、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
本実施態様において、前記厚み情報は、前記ステージに形成する複数の前記粉体層のうち、最下層に形成する前記粉体層の厚みを、他の層に形成する前記粉体層の厚みよりも厚く形成する情報を含んでもよい。前記制御部は、前記厚み情報に基づいて前記最下層に前記粉体層を形成する場合、前記第一駆動部を制御して前記複数のローラの回転速度を前記他の層に前記粉体層を形成する場合よりも早めさせ、且つ、前記第二駆動部を制御して前記粉体供給部の移動速度を前記他の層に前記粉体層を形成する場合よりも遅くさせてもよい。立体造形装置は、最下層に、他の層よりも厚い粉体層を効率よく形成することができる。故に立体造形装置は、粉体層の形成を速やかに行うことができ、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
本実施態様において、前記粉体供給部は、着脱可能であってもよい。粉体供給部内の粉体がなくなった場合、作業者は、粉体供給部に粉体を充填する作業を行わずとも、予め粉体が収容された新たな粉体供給部に交換すればよい。したがって、粉体供給部に速やかに粉体を充填することができるので、立体造形装置による立体造形物の造形が途中停止する時間を短くすることができる。故に立体造形装置は、粉体層の形成を速やかに行うことができ、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。また、粉体の充填作業において作業者は手を汚さずに済む。
第一実施形態の立体造形装置1の外観を示す斜視図である。 第一実施形態の造形台6、粉体供給部14、第一ヘッド21の斜視図である。 第一実施形態の造形台6、粉体供給部14、第一ヘッド21の平面図である。 第一実施形態の造形台6、粉体供給部14、第一ヘッド21を左方から見た断面図である。 第一実施形態の立体造形装置101の電気的構成を示すブロック図である。 第一実施形態における立体造形処理のフローチャートである。 第一実施形態において立体造形物を造形する工程について説明するための図である。 第二実施形態における造形台6、粉体供給部114、第一ヘッド21、第二ヘッド122の斜視図である。 第二実施形態の造形台6、粉体供給部114、第一ヘッド21、第二ヘッド122を左方から見た断面図である。 第二実施形態の立体造形装置101の電気的構成を示すブロック図である。 第二実施形態における立体造形処理のフローチャートである。 第二実施形態において立体造形物を造形する工程について説明するための図である。 第三実施形態における造形台6、粉体供給部14、第三ヘッド223の斜視図である。 第三実施形態における造形台6、粉体供給部14、第三ヘッド223の平面図である。 第三実施形態の立体造形装置1の電気的構成を示すブロック図である。 第三実施形態における立体造形処理のフローチャートである。 第三実施形態の造形台6、粉体供給部14、第三ヘッド223を左方から見た断面図である。 変形例における造形台6、粉体供給部14、第三ヘッド223、第四ヘッド323の斜視図である。
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載する装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
なお、以下の説明では、図1に示す、造形台6に設けたステージ9のステージ面9Aに平行な方向であり、粉体供給部14および第一ヘッド21がガイドレール3に沿って移動する方向を、立体造形装置1の前後方向とする。粉体供給部14と第一ヘッド21は前後方向に並べて配置するが、粉体供給部14側を前側、第一ヘッド21側を後側とする。また、ステージ面9Aに平行であり、且つ前後方向に直交する方向を立体造形装置1の左右方向とし、ステージ面9Aに対し、ガイドレール3が設けられた側を右側とする。そして、土台2に対し、ステージ9が昇降する方向を上下方向とし、ステージ9に対し粉体供給部14が配置された側を上側とする。
図1〜図4を参照し、立体造形装置1の構成について説明する。立体造形装置1は、造形データに従って、無色の造形液(無色造形液)および着色した造形液(カラー造形液)を吐出する第一ヘッド21等を駆動し、立体造形物を造形する。立体造形装置1は、有線または無線によるローカル接続あるいはネットワーク等を介し、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と略す。)100から造形データを受信することができる。PC100は、物体の三次元形状および色を示す立体データに基づいて造形データを作成し、立体造形装置1に送信する。なお立体造形装置1は、造形データを他のデバイスから取得してもよい。また立体造形装置1は、物体の三次元形状および色を示す立体データをPC100から取得し、取得した立体データに基づいて造形データを作成してもよい。
図1に示すように、立体造形装置1は、土台2、造形台6、粉体供給部14、第一ヘッド21、粉体回収部13、タンク31を主に備える。土台2は、前後方向を長手方向とする矩形板状であり、立体造形装置1の全体を支持する。土台2は、前後方向の両端に、それぞれ上方へ向けて立設する2つの胴部39,40を備える。前側の胴部40は、内部に、立体造形装置1を電気的に制御する回路部(図示略)を備える。胴部40は、左側面に、作業者からの操作入力を受け付ける入力部および作業者への指示等を表示する表示部を有する操作パネル53を備える。
図1〜図3に示すように、造形台6は、土台2上で、胴部39と胴部40の間に配置される。造形台6は、造形台6を支持する基部7と、基部7の上部に支持される板状のテーブル12を備える。基部7の形状は略立方体である。テーブル12の上面は基部7の外形よりも大きく、中央部に開口を有する。基部7は上部が開放する平面視略矩形状の凹部32を備える。凹部32はテーブル12上面の開口を介して外部に露出する。凹部32の形状は、左右方向よりも前後方向が長い。基部7は、凹部32内に、ステージ9と昇降機構と(図示略)を備える。ステージ9は立体造形装置1が立体造形物を造形する台である。ステージ9の形状は平面視略矩形状であり、左右方向よりも前後方向に長く延びる。ステージ9の大きさは、凹部32の開口と略同じである。昇降機構はステージ昇降モータ42(図5参照)を備え、ステージ昇降モータ42の動力によって凹部32内でステージ9を上下に昇降する。ステージ9の上面であるステージ面9Aは水平に保たれる。
ステージ9は、上部ステージと下部ステージ(図示略)を備える。上部ステージと下部ステージは略同一形状の板状部材であり、それぞれ水平に配置される。上部ステージと下部ステージは、それぞれ、厚み方向に貫通する複数の孔を備える。上部ステージと下部ステージは、上部ステージの孔の位置と下部ステージの孔の位置を、平面視において重複しない位置にずらして配置する。ゆえに、立体造形粉体(以下、「粉体」という。)はステージ9が静止している状態では、ステージ9上に堆積する。立体造形装置1は、昇降範囲の上部からステージ9を徐々に下降させながら立体造形物を造形する。
粉体回収部13は、後側の胴部39内下部に設けられる。粉体回収部13は、基部7の凹部32内と筒状の回収路10で接続する。粉体は、造形液と混合すると固化する。固化せずに立体造形物の周辺に残存する余分な立体造形粉体(以下、「未硬化粉体」という。)は、上部ステージおよび下部ステージの孔を通ってステージ9から落下する。凹部32内には、でステージ9の下方に、未硬化粉体が堆積する。粉体回収部13は、回収路10を介して凹部32内から未硬化粉体を吸引して回収する。
粉体供給部14は、内部に粉体を収容するケースである。粉体供給部14の形状は、上下方向および左右方向に長く延び、前後方向に短い立方体形状である。粉体供給部14の左右方向の長さは、ステージ9の左右方向の長さよりも若干大きい。なお、粉体供給部14の左右方向の長さは、ステージ9の左右方向の長さと同じであってもよい。粉体供給部14が収容する粉体は、例えば周知の石膏粉体である。石膏は焼石膏とすることが好ましい。また、粉体の粒子径は10μm〜500μmとすることが好ましい。
図4に示すように、粉体供給部14は、下部に、ステージ9のステージ面9A上に粉体を供給する供給機構20を備える。供給機構20は、左右方向に長く延びる回転軸を有する2つのローラを含む(図2参照)。図2、図3に示すように、2つのローラのうちの一つである均しローラ18は、粉体供給部14の下部で、前後方向の中央部に設けられる。2つのローラのうちのもう一つである第一供給ローラ16は、粉体供給部14の下部で、均しローラ18よりも前側の位置に設けられる。均しローラ18と第一供給ローラ16の左右方向の長さW2(図3参照)は、それぞれ、ステージ9の左右方向の長さW1(図3参照)と略同じである。なお、均しローラ18と第一供給ローラ16の左右方向の長さW2は、それぞれ、ステージ9の左右方向の長さW1よりも長くてもよい。
図4に示すように、均しローラ18と第一供給ローラ16は、互いの外周面同士が近接もしくは密着した状態で配置される。均しローラ18と第一供給ローラ16はギア(図示略)で連結し、互いに相反する向きに回転する。供給機構20は、均しローラ18と第一供給ローラ16の外周面同士が向き合って形成する第一ニップ部28から、粉体供給部14の内部に収容する粉体をステージ9上に供給する。粉体供給時、均しローラ18と第一供給ローラ16は、第一ニップ部28において、互いの外周面が粉体供給部14の内部から外部へ移動する向きに回転する。言い換えると、供給機構20の左右方向と直交する断面を左方から見た場合、均しローラ18が時計回りに回転し、第一供給ローラ16が反時計回りに回転するとき、供給機構20は第一ニップ部28から粉体を粉体供給部14の外部に供給する。均しローラ18と第一供給ローラ16の外周面が第一ニップ部28において粉体供給部14の外部から内部へ移動する向きに均しローラ18と第一供給ローラ16が回転する場合、供給機構20は粉体供給部14の外部に粉体を供給しない。また、供給機構20は、均しローラ18と第一供給ローラ16の回転が停止するときも、粉体供給部14の外部に粉体を供給しない。粉体供給時、供給機構20は、間隙が一定の第一ニップ部28を粉体に通過させることによって、粉体の時間あたりの供給量を制限できる。さらに、供給機構20は、均しローラ18と第一供給ローラ16の回転によって粉体を第一ニップ部28に挟んで粉体供給部14の外部に押し出すので、均しローラ18と第一供給ローラ16の回転速度に応じて粉体の時間あたりの供給量を調整できる。
均しローラ18の外径は第一供給ローラ16の外径よりも大きい。上下方向において、均しローラ18の外周面が、第一供給ローラ16の外周面よりもステージ面9Aに近い。言い換えると、均しローラ18は、外周面の最下端の位置Pが、第一供給ローラ16の外周面の最下端の位置Qよりも下方に位置する。粉体供給時、均しローラ18の最下端の位置Pは、造形台6のテーブル12の上面の位置と、上下方向において同じ高さに位置し、第一供給ローラ16の最下端の位置Qは、造形台6のテーブル12の上面の位置よりも上方に位置する。造形時、粉体供給部14は前方へ向けて移動するように制御され、供給機構20が第一ニップ部28からステージ面9A上に供給する粉体を直ちに均しローラ18で平坦化し、粉体の層(以下、「粉体層」という。)を形成する。
図1、図2に示すように、立体造形装置1は、造形台6の右側上方で前後方向に延び、両端が胴部39,40にそれぞれ支持されるガイドレール3を備える。ガイドレール3は、ガイドレール3を摺動可能に保持する腕部15を備える。腕部15は内部にローラ回転モータ43(図5参照)を備え、粉体供給部14を着脱可能な構成を有する。ローラ回転モータ43の回転軸はギア(図示略)を有する。腕部15に粉体供給部14を装着した場合、ローラ回転モータ43の回転軸のギアは均しローラ18のギア(図示略)に噛合する。均しローラ18はローラ回転モータ43の動力で回転し、第一供給ローラ16は均しローラ18に従動して回転する。腕部15は、粉体供給部14を装着した場合に、均しローラ18の外周面で最下端の位置P(図4参照)とステージ9との間の距離を一定に保つ。ガイドレール3は腕部15の前後方向への移動を案内する。立体造形装置1は、ガイドレール3の右側に、ガイドレール3と平行に前後方向に延びる第一無端ベルト4を備える。腕部15は第一無端ベルト4に接続する。第一無端ベルト4は胴部40内に設けられる前後動モータ41(図5参照)の駆動によって回動し、腕部15に装着した粉体供給部14をガイドレール3に沿って前後方向へ移動する。
第一ヘッド21は、ステージ9上に形成された粉体層に造形液(無色造形液およびカラー造形液)を吐出する。図2、図3に示すように、第一ヘッド21の形状は、左右方向に長く延び、前後方向に短い立方体形状である。第一ヘッド21の左右方向の長さは、ステージ9の左右方向の長さより若干大きい。なお、第一ヘッド21の左右方向の長さは、ステージ9の左右方向の長さと同じであってもよい。第一ヘッド21は例えばピエゾ方式で造形液を下方に吐出可能なインクジェットヘッドである。粉体層は、第一ヘッド21が吐出する造形液と混合することによって固化する。以下、粉体層に造形液を吐出して固化した層を、「造形層」という。無色造形液は、無色の造形液である。カラー造形液は、無色造形液をあらかじめインクで着色した造形液であり、粉体層を固化し、且つ着色できる。第一ヘッド21は、下面に、造形液を吐出するノズルを左右方向に沿って複数並べたノズル列21A(図3参照)を、少なくとも5列以上有する。ノズル列21Aの左右方向の長さW3(図3参照)は、ステージ9の左右方向の長さW1(図3参照)と略同じである。すなわち、第一ヘッド21は、ライン型のインクジェットヘッド(いわゆるラインヘッド)である。ラインヘッドは、ノズル列21Aからの一度の造形液の吐出でステージ9の左右方向の全体に造形液を着滴させることができるので、前後方向への移動をリニアに行うことができ、ステージ9全体への造形液の吐出を高速に行うことができる。複数のノズル列21Aは、それぞれ、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)に着色したカラー造形液と、無色造形液を吐出する。なお、第一ヘッド21は、単色の造形液を吐出するノズル列21Aを1列以上有する構成であってもよい。
図1〜図3に示すように、立体造形装置1は、後側の胴部39内上部に、造形液を貯蔵するタンク31を備える。タンク31は、複数のチューブ(C,M,Y,K各色のカラー造形液と無色造形液を輸送する5本のチューブ)からなる接続管30で第一ヘッド21に接続し、接続管30を通じて第一ヘッド21に造形液を供給する。第一ヘッド21はガイドレール3を摺動可能に保持する。ガイドレール3は第一ヘッド21の前後方向への移動を案内する。第一ヘッド21は、粉体供給部14を装着する腕部15よりも前後方向の後側において、腕部15と同様に第一無端ベルト4に接続する。第一ヘッド21と粉体供給部14は、第一無端ベルト4の回動によって、互いの前後方向の距離を保った状態で、ガイドレール3に沿って前後方向へ移動する。第一ヘッド21は、前側へ向けて移動する場合に造形液を吐出する。ゆえに、第一ヘッド21は、第一ヘッド21よりも前側に位置する粉体供給部14が粉体を供給し、均しローラ18で平坦化した粉体層の上面に造形液を吐出するので、粉体が第一ヘッド21に付着しにくい。
図5を参照し、立体造形装置1の電気的構成について説明する。立体造形装置1は、立体造形装置1の制御を司るCPU50を備える。CPU50は、バス59を介し、RAM51、ROM52、操作パネル53、外部通信インターフェイス(以下、「I/F」と略す。)54、モータ駆動部61,62,63およびヘッド駆動部55と電気的に接続する。RAM51は、PC100から受信した造形データ等の各種データを一時的に記憶する。ROM52は、立体造形装置1の動作を制御するための制御プログラムおよび初期値等を記憶する。また、ROM52は、後述するフィルベッド35(図4参照)の厚みを示す厚み情報に、粉体供給部14の移動速度の設定情報、および均しローラ18と第一供給ローラ16の回転速度の設定情報をそれぞれ対応付けたテーブル情報と、厚み情報のデフォルト値を記憶する。
操作パネル53は、作業者からの操作入力を入力部が受け付け、作業者への指示等を表示部が表示する。なお、作業者は、予め、操作パネル53で、後述する立体造形処理において立体造形装置1が形成するフィルベッド35(図4参照)の厚みを指定する入力を行うことができる。フィルベッド35は1層目に形成される粉体層であり、立体造形装置1は、2層目以降に形成する粉体層よりもフィルベッド35の厚みを厚く形成する。ところで、ステージ面9A上に直接厚みの薄い粉体層を形成する場合、粉体を均しローラ18で広げても、粉体がステージ面9A上で滑り、斑状に広がったり、均一な厚みを得られなかったりする場合がある。そこで本実施形態の立体造形装置1は、フィルベッド35として2層目以降よりも厚みの厚い粉体層を1層目に形成し、均一且つ平坦に広がった粉体層を確保する。さらに立体造形装置1は、2層目以降の粉体層を、ステージ面9A上に直接形成せず、1層目のフィルベッド35上に形成できるので、均一な厚みで滑らかに広がった粉体層を得ることができる。また、フィルベッド35を形成することによって、立体造形装置1は、1層目の造形層を形成する際に粉体層に吐出した造形液が、ステージ面9Aに付着することを防ぐことができる。なお、作業者が指定したフィルベッド35の厚みを示す厚み情報は、RAM51に記憶される。作業者がフィルベッド35の厚みを指定しなかった場合、CPU50は立体造形処理においてROM52に予め記憶する厚み情報(デフォルト値)を読み込んで、フィルベッド35を作成する。
外部通信I/F54は、立体造形装置1をPC100等の外部機器に電気的に接続する。なお、立体造形装置1は、USBインターフェイス、インターネット等を介し、他のデバイス(例えば、USBメモリ、サーバ等)から各種データを取得することも可能である。モータ駆動部61,62,63は、CPU50の制御に従い、前後動モータ41、ステージ昇降モータ42、ローラ回転モータ43のそれぞれの動作を制御する。ヘッド駆動部55は第一ヘッド21に電気的に接続し、各吐出チャンネルに設けられた圧電素子を駆動して、各ノズルから造形液を吐出する。
このような構成を有する第一実施形態の立体造形装置1は、概略、以下のように立体造形物を造形する。立体造形装置1のCPU50は、粉体供給部14の駆動を制御して、供給機構20からステージ9上に粉体を供給しながら粉体供給部14を前後方向の前向きに移動する。粉体供給部14は供給した粉体を直ちに均しローラ18で平滑化し、粉体層を形成する。CPU50は、第一ヘッド21の駆動を制御し、粉体供給部14に追従して前後方向の前向きに移動させる。CPU50は第一ヘッド21から、均しローラ18が形成したばかりの粉体層に造形液を吐出させる。粉体層で造形液が着滴した部分は固化して造形層を形成し、着滴しなかった部分は固化せずに未硬化粉体として残る。CPU50は粉体供給部14と第一ヘッド21をステージ9の後側に戻し、ステージ9を造形層1層の厚み分下降する。CPU50は、上記同様、粉体層の次の層の形成と造形液の吐出を、粉体供給部14と、粉体供給部14に追従する第一ヘッド21の一度の移動で行う。CPU50は、立体造形処理を実行し、以上の動作を繰り返すことによって造形層を下層から上層へ向けて1層ずつ形成し、造形層を積層した立体造形物を造形する。
図6を参照し、立体造形装置1のCPU50が実行する立体造形処理について、図4、図7を参照しながら説明する。立体造形処理は、操作パネル53の入力部を介して立体造形物の造形を開始する指示が入力された場合に、ROM52に記憶されたプログラムをCPU50が読み出して実行することによって、開始される。
図6に示すように、CPU50は、はじめに初期化処理を実行する(S1)。CPU50は、前後動モータ41を駆動して、第一無端ベルト4に接続する粉体供給部14と第一ヘッド21を、待機位置から原点位置に移動する。待機位置は、粉体供給部14の供給機構20と第一ヘッド21のノズル列21Aを保護する位置である。原点位置は、ステージ9の後端側でステージ9上に造形層の造形を開始する位置である。第一ヘッド21は、初期化処理において、造形液を吐出できる状態となる。
CPU50は、作業者の操作に基づきPC100から受信する造形データをRAM51に記憶する(S2)。CPU50はRAM51から、造形データが含む複数層分の粉体層に対する造形液の吐出位置情報から、1層目の粉体層に対する吐出位置情報を読み出す(S3)。
CPU50は、粉体層の形成モードをフィルベッド作成モードに設定する。フィルベッド作成モードは、1層目に形成する粉体層の厚みD1(図4参照)を、2層目以降に形成する粉体層の各層の厚みD2(図7参照)よりも厚く形成して、フィルベッド35(図4参照)を作成するモードである。CPU50は、粉体供給部14の移動速度と、均しローラ18と第一供給ローラ16の回転速度を、ROM52に記憶するテーブル情報に基づき、RAM51に記憶し、作業者が予め設定したフィルベッド35の厚みD1を示す厚み情報に応じてそれぞれ設定する。具体的に、CPU50は、フィルベッド作成モードにおいて、粉体供給部14の前向きの移動速度を、2層目以降の粉体層を形成する場合に移行する通常造形モードにおける移動速度よりも遅くする設定を行う。また、CPU50は、フィルベッド作成モードにおいて、供給機構20の均しローラ18と第一供給ローラ16の回転速度を、通常造形モードにおける回転速度よりも早くする設定を行う。ゆえに、CPU50は、フィルベッド作成モードにおいて、供給機構20の第一ニップ部28から供給する粉体の時間あたりの供給量を増やし、且つ、粉体供給部14の低速移動によってステージ9全体に供給する粉体の供給量もさらに増やすことができる。
CPU50は、フィルベッド作成モードにおける移動速度の設定に従い、モータ駆動部61を制御して前後動モータ41を駆動させ、第一無端ベルト4を回転させる。第一無端ベルト4に接続する粉体供給部14と第一ヘッド21は、前後方向において前側へ向けて移動を開始する(S5)。さらにCPU50は、フィルベッド作成モードにおける回転速度の設定に従い、モータ駆動部63を制御してローラ回転モータ43を駆動させる。粉体供給部14の均しローラ18と第一供給ローラ16はローラ回転モータ43の動力が伝達されて回転し、粉体の供給を開始する。上記したように、粉体供給時における均しローラ18の回転向きは、第一ニップ部28における均しローラ18と第一供給ローラ16の互いの外周面が粉体供給部14の内部から外部へ移動する向きである。均しローラ18は、第一供給ローラ16よりも前後方向の後側に位置するので、左方から見た場合、時計回りに回転する(図4参照)。言い換えると、均しローラ18は、ステージ9のステージ面9A上を、前向きに転がる向きに回転する。粉体供給部14は、第一ニップ部28から供給する粉体が均しローラ18の進行方向直前の位置に落ちるので、直ちに粉体を均して平滑化することができる。ゆえに立体造形装置1は、粉体供給部14による粉体の供給と平滑化を連続する一連の動作で行うことができ、粉体の供給から粉体層の形成までの作業を素早く行うことができる。
CPU50は、造形データの1層目の粉体層に対する吐出位置情報に従い、ヘッド駆動部55を制御して、第一ヘッド21から粉体層へ向けた造形液の吐出を開始させる(S6)。第一ヘッド21は粉体供給部14とともに第一無端ベルト4に接続するため、粉体供給部14に追従して移動する。すなわち、第一ヘッド21は、粉体供給部14が形成した直後の粉体層に、吐出位置情報に対応付けられたノズルから造形液を吐出して造形層を造形する。ゆえに立体造形装置1は、粉体供給部14による粉体層の形成と第一ヘッド21による造形層の造形を連続する一連の動作で行うことができ、粉体の供給から造形層の造形までの作業を素早く行うことができる。また、第一ヘッド21は、ラインヘッドであるので、造形液を吐出しながらの前向きへの移動をリニアに且つ高速に行うことができる。
CPU50は、粉体供給部14の前後方向の位置を、前後動モータ41の駆動量に応じて判断できる。CPU50は、均しローラ18の最下端の位置P(図4参照)がステージ9の前端に到達しないうちは(S7:NO)、粉体層の形成を継続する。CPU50は、前後動モータ41の駆動量に基づき、均しローラ18の最下端の位置Pがステージ9の前端に到達したと判断したら(S7:YES)、モータ駆動部63を制御してローラ回転モータ43を逆回転させる。均しローラ18と第一供給ローラ16は、互いの外周面が第一ニップ部28において粉体供給部14の外部から内部へ移動する向きに回転するので、第一ニップ部28からの粉体の供給を停止する(S8)。
CPU50は、粉体の供給を停止した後も、粉体供給部14と第一ヘッド21の移動と第一ヘッド21からの造形液の吐出を、第一ヘッド21がステージ9の前端に到達するまで継続させる(S10:NO)。CPU50は、前後動モータ41の駆動量に基づき、第一ヘッド21がステージ9の前端に到達したと判断したら(S10:YES)、ヘッド駆動部55を制御して、第一ヘッド21からの造形液の吐出を停止させる(S11)。フィルベッド35に、1層目の造形層が形成される。CPU50は、モータ駆動部61を制御して前後動モータ41を逆回転させ、粉体供給部14と第一ヘッド21を前後方向の後方へ向けて移動させる。CPU50は、前後動モータ41の駆動量に基づき、粉体供給部14と第一ヘッド21を原点位置に移動させる(S12)。
CPU50は、すべての造形層の造形が完了し、立体造形物の造形が完了したか否かを判断する(S13)。すべての造形層の造形が完了していない場合(S13:NO)、CPU50は、2層目以降の粉体層の厚みD2(図7参照)として予め設定されている分だけステージ9を下降させる(S15)。CPU50は、RAM51から、造形データが含む、次層の粉体層(前回処理した粉体層の1つ上側の粉体層)に対する吐出位置情報を読み出す(S16)。
CPU50は、粉体層の形成モードを通常造形モードに設定する。通常造形モードは、2層目以降の粉体層を形成するモードである。2層目以降の粉体層の厚みD2(図7参照)は、粉体層に吐出した造形液が浸透して下層に造形した造形層に到達でき、下層の造形層に固着して粉体層を固化できる厚みとして、予め設定されている。図7に示すように、粉体供給部14が通常造形モードにおいて形成する2層目以降の粉体層の厚みD2は、フィルベッド35の厚みD1よりも薄い。ゆえに、2層目以降の粉体層を形成するための粉体供給部14の移動速度と、均しローラ18と第一供給ローラ16の回転速度も、予め設定されており、それぞれROM52に記憶されている。図6に示すように、CPU50は、通常造形モードにおいて、粉体供給部14の移動速度と、均しローラ18と第一供給ローラ16の回転速度をROM52から読み出した設定値に設定する。CPU50は、通常造形モードにおける移動速度の設定に従い、モータ駆動部61を制御して前後動モータ41を駆動させ、粉体供給部14と第一ヘッド21の前後方向前側へ向けた移動を開始させる(S17)。さらにCPU50は、通常造形モードにおける回転速度の設定に従い、モータ駆動部63を制御してローラ回転モータ43を駆動させ、粉体供給部14の供給機構20の第一ニップ部28から粉体の供給を開始させる。CPU50は処理をS6に戻す。
上記同様、CPU50はS6〜S12の処理を実行し、粉体供給部14に追従して第一ヘッド21を移動させながら行う一連の動作によって、次層(2層目)における粉体層の形成と造形層の造形を行う。次層(2層目)の造形層を形成したら、CPU50は、2層目以降の粉体層の厚みD2に相当する分、ステージ9を下降させ(S15)、次層(3層目)の粉体層に対する吐出位置情報を読み出し(S16)、通常造形モードにおいて(S17)、次層(3層目)の造形層を形成する(S6〜S12)。CPU50は、以降同様にS6〜S17の処理を繰り返し、造形層の各層を下層から順に形成する。すべての造形層を造形し終え、立体造形物の造形が完了した場合(S13:YES)、CPU50は、立体造形処理を終了する。ステージ9は、立体造形物と、固化せずに立体造形物の周辺に残存する未硬化粉体をステージ面9Aに載置した状態になる。CPU50は、操作パネル53の入力部を介して立体造形物を回収する指示が入力された場合に、加振モータ(図示略)を駆動してステージ9を振動させる。未硬化粉体は上部ステージと下部ステージの孔(図示略)から落下し、回収路10を通じて粉体回収部13に吸引される。結果、立体造形装置1は、造形された立体造形物のみをステージ9上に載置した状態になり、作業者が回収する。
以上説明したように、第一実施形態の立体造形装置1は、CPU50が、モータ駆動部61を制御して粉体供給部14を前向きに移動させながら、モータ駆動部63を制御して供給機構20を駆動させることができる。故に立体造形装置1は、ステージ面9A上に粉体を供給しながら粉体を広げることができる。さらに立体造形装置1は、モータ駆動部61を制御して第一ヘッド21を粉体供給部14に追従させて前向きに移動しながら、ヘッド駆動部55を制御して第一ヘッド21から造形液を吐出することができる。故に立体造形装置1は、ステージ面9A上に粉体を供給し、広げながら、粉体に造形液を吐出し、造形層を形成することができる。したがって立体造形装置1は、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
第一ヘッド21は、左右方向にステージ面9Aの長さW1以上の長さW3を有して延びるノズル列21Aを有するラインヘッドであるので、造形液の一回の吐出で、ステージ面9Aに形成した粉体層に対し、左右方向へのノズル列21Aの列数分の吐出を一度に完了することができる。すなわち第一ヘッド21は、造形液の1回の吐出と前向きへのノズル列21Aの幅分の移動を繰り返すだけで、ステージ面9Aに形成した粉体層に対する造形液の吐出を行うことができる。故に立体造形装置1は、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
立体造形装置1は、2つのローラ(均しローラ18および第一供給ローラ16)間の第一ニップ部28から粉体を供給することで、ステージ面9Aに対し、左右方向において偏りなく均一な量の粉体を供給することができる。また、立体造形装置1は、第一ニップ部28の大きさの調整、均しローラ18および第一供給ローラ16の回転速度の調整、粉体供給部14の前後方向への移動速度の調整等を行えば、粉体層の厚みを容易に調整することができる。故に立体造形装置1は、狙いの厚みの粉体層を速やかに形成できるので、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
均しローラ18は、第一ニップ部28から供給する粉体をステージ9上で均すことができる。故に立体造形装置1は、粉体層の形成を速やかに行うことができ、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
CPU50は、均しローラ18と第一供給ローラ16の回転速度を早めさせれば、粉体供給部14の移動速度が一定であっても、より多くの粉体をステージ9に供給させることができる。また、CPU50は、粉体供給部14の移動速度を遅くさせれば、均しローラ18と第一供給ローラ16の回転速度が一定であっても、より多くの粉体をステージ9に供給させることができる。CPU50は、均しローラ18と第一供給ローラ16の回転速度を早めさせ、粉体供給部の移動速度を遅くさせれば、さらに多くの粉体をステージ9に供給させることができる。このため、立体造形装置1は、粉体供給部14を前後方向に一回移動するだけで、ステージ9に所望の厚みを有する粉体層を形成することができる。故に立体造形装置1は、粉体層の形成を速やかに行うことができ、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
立体造形装置1は、最下層に、他の層よりも厚い粉体層であるフィルベッド35を効率よく形成することができる。故に立体造形装置1は、粉体層の形成を速やかに行うことができ、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
粉体供給部14が着脱可能であるので、粉体供給部14内の粉体がなくなった場合、作業者は、粉体供給部14に粉体を充填する作業を行わずとも、予め粉体が収容された新たな粉体供給部14に交換すればよい。したがって、粉体供給部14に速やかに粉体を充填することができるので、立体造形装置1による立体造形物の造形が途中停止する時間を短くすることができる。故に立体造形装置1は、粉体層の形成を速やかに行うことができ、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。また、粉体の充填作業において作業者は手を汚さずに済む。
次に、本発明の第二実施形態について、図8〜図12を参照して説明する。図8に示す、第二実施形態の立体造形装置101の構成は、第一実施形態の立体造形装置1の構成と比べ、粉体供給部114の供給機構120が、均しローラ18、第一供給ローラ16に加えて第二供給ローラ119を備えた点と、第一ヘッド21に加えて第二ヘッド122を備えた点が異なる。また、図10に示す、第二実施形態の立体造形装置101の電気的構成は、第一実施形態の立体造形装置1の電気的構成と比べ、ヘッド駆動部155が第一ヘッド21と第二ヘッド122の吐出チャンネルを駆動する点が異なる。以下の説明では、立体造形装置101の構成が立体造形装置1の構成と同一の部分は説明を省略または簡略化し、異なる部分について説明する。なお、立体造形装置101の構成において、立体造形装置1の構成と同一の部分には、同一の符号を付している。
図8、図9に示すように、立体造形装置101の粉体供給部114は、供給機構120が、左右方向に長く延びる回転軸を有する3つのローラを含む(図8参照)。前後方向の中央部に設けられる均しローラ18と、均しローラ18よりも前側の位置に設けられる第一供給ローラ16は、第一実施形態と同様の構成であり、第一ニップ部28から粉体供給部114内の粉体を外部に供給する。供給機構120は、均しローラ18よりも後側の位置に、第二供給ローラ119を備える。第二供給ローラ119の左右方向の長さは、第一供給ローラ16と同様に、ステージ9の左右方向の長さと略同じである。
第二供給ローラ119は、外周面が、均しローラ18の外周面に近接もしくは密着した状態で配置される。第二供給ローラ119は、均しローラ18とギア(図示略)で連結し、互いに相反する向きに回転する。すなわち、第一供給ローラ16と第二供給ローラ119は同一方向に回転し、且つ、均しローラ18の回転方向に対して相反する方向に回転する。したがって、均しローラ18と第一供給ローラ16の第一ニップ部28において互いの外周面が粉体供給部114の内部から外部へ移動する向きに回転する場合、均しローラ18と第二供給ローラ119の第二ニップ部129では、互いの外周面が粉体供給部114の外部から内部へ移動する向きに回転する。言い換えると、供給機構120を左方から見た場合、均しローラ18が時計回りに回転するとき、第一供給ローラ16と第二供給ローラ119は、反時計回りに回転する。この場合に供給機構120は、第一ニップ部28から粉体供給部114の外部へ粉体を供給でき、第二ニップ部129からは、粉体供給部114の外部に粉体を供給しない。同様に、供給機構120を左方から見た場合に均しローラ18が反時計回りに回転するとき、第一供給ローラ16と第二供給ローラ119は時計回りに回転するので、供給機構120は第二ニップ部129から外部に粉体を供給でき、第一ニップ部28からは粉体を供給しない。供給機構120は、均しローラ18、第一供給ローラ16、第二供給ローラ119の回転がすべて停止する場合、第一ニップ部28、第二ニップ部129のどちらからも外部に粉体を供給しない。供給機構120が、均しローラ18、第一供給ローラ16、第二供給ローラ119の回転速度に応じて粉体の時間あたりの供給量を調整できる点は、第一実施形態と同様である。
第二供給ローラ119の外径は第一供給ローラ16の外径と同じであり、均しローラ18の外径よりも小さい。そして、上下方向において、均しローラ18の外周面が、第一供給ローラ16および第二供給ローラ119の外周面よりもステージ面9Aに近い点も、第一実施形態と同様である。
第二ヘッド122は第一ヘッド21と同様の構成であり、左右方向に長く延びるノズル列を有するライン型のインクジェットヘッドである。第二ヘッド122は、粉体供給部114よりも前後方向の前側の位置で第一無端ベルト4に接続し、ガイドレール3に沿って前後方向へ移動する。したがって、粉体供給部114が前向きに移動する場合、第一ヘッド21は粉体供給部114に追従して前方へ移動し、第二ヘッド122は粉体供給部114に先行して前方へ移動する。粉体供給部114が後向きに移動する場合、第一ヘッド21は粉体供給部114に先行して後方へ移動し、第二ヘッド122は粉体供給部114に追従して後方へ移動する。
図10を参照し、立体造形装置101の電気的構成について説明する。立体造形装置101のヘッド駆動部155は、第一ヘッド21と第二ヘッド122とに電気的に接続する。ヘッド駆動部155は、第一ヘッド21を駆動するとき、各吐出チャンネルに設けられた圧電素子を駆動して、第一ヘッド21の各ノズルから造形液を吐出させる。ヘッド駆動部155は、第二ヘッド122を駆動するとき、各吐出チャンネルに設けられた圧電素子を駆動して、第二ヘッド122の各ノズルから造形液を吐出させる。立体造形装置101のその他の部位の電気的構成は、第一実施形態の立体造形装置1と同様である。
図11を参照し、立体造形装置101のCPU50が実行する立体造形処理について、図9、図12を参照しながら説明する。第二実施形態の立体造形処理の説明においても、第一実施形態と同様の処理については、説明を省略または簡略化する。
図11に示すように、CPU50は初期化処理を実行し(S21)、粉体供給部114、第一ヘッド21および第二ヘッド122を、待機位置から原点位置に移動させる。CPU50は、PC100から受信した造形データをRAM51に記憶し(S22)、1層目の粉体層に対する吐出位置情報を読み出す(S23)。
CPU50は、粉体供給部114、第一ヘッド21および第二ヘッド122の移動モードを、第一モードに設定する(S25)。第一モードは、造形時に、粉体供給部114、第一ヘッド21および第二ヘッド122を前後方向において前向きに移動させるモードである。第一モードでは、粉体が均しローラ18の前方側にある第一ニップ部28から供給されるように、均しローラ18の回転向きが、均しローラ18が前向きに転がる回転向きに設定される。また、第一モードでは、粉体供給部114に追従する第一ヘッド21が造形液を吐出し、粉体供給部114に先行する第二ヘッド122は造形液を吐出しないように設定される。
CPU50は、粉体層の形成モードをフィルベッド作成モードに設定する。CPU50は、モータ駆動部61を制御して前後動モータ41を駆動して、フィルベッド作成モードにおける移動速度で、第一モードに設定される前向きに、粉体供給部114、第一ヘッド21および第二ヘッド122の移動を開始させる(S26)。さらに、CPU50は、モータ駆動部63を制御してローラ回転モータ43を駆動し、フィルベッド作成モードにおける回転速度で、第一モードにおける回転向きに、均しローラ18、第一供給ローラ16および第二供給ローラ119の回転を開始させる。図9に示すように、立体造形装置101は、第一モードの設定に従って、粉体供給部114、第一ヘッド21および第二ヘッド122を前向きに移動しながら、第一ニップ部28から粉体をステージ9上に供給し、均しローラ18で直ちに平滑化して、粉体層を形成する。
図11に示すように、CPU50は、1層目の粉体層に対する吐出位置情報に従い、ヘッド駆動部155を制御して、第一モードで設定した第一ヘッド21から粉体層へ向けた造形液の吐出を開始させる(S27)。第一ヘッド21は、粉体供給部114に追従して移動し、粉体供給部114が形成した直後の粉体層に対して造形液を吐出し、造形層を造形する。
CPU50は、粉体供給部114からの粉体の供給を継続し(S28:NO)、均しローラ18の最下端の位置がステージ9の前端に到達したら(S28:YES)、モータ駆動部63を制御してローラ回転モータ43の駆動を停止させる。供給機構120は粉体の供給を停止する(S30)。CPU50は、第一ヘッド21からの造形液の吐出を継続し(S31:NO)、第一ヘッド21がステージ9の前端に到達したら(S31:NO)、ヘッド駆動部155を制御して第一ヘッド21からの造形液の吐出を停止させる(S32)。
CPU50は、次いで2層目の造形層を形成するため(S33:NO)、2層目以降の粉体層の厚みに相当する分、ステージ9を下降させ(S35)、次層(2層目)の粉体層に対する吐出位置情報を読み出す(S36)。CPU50は、現在の移動モードの設定が第一モードであるので(S37:YES)、移動モードを第二モードに設定する(S40)。第二モードは、造形時に、粉体供給部114、第一ヘッド21および第二ヘッド122を前後方向において後向きに移動させるモードである。第二モードでは、粉体が均しローラ18の後方側にある第二ニップ部129から供給されるように、均しローラ18の回転向きが、均しローラ18が後向きに転がる回転向きに設定される。また、第二モードでは、粉体供給部114に追従する第二ヘッド122が造形液を吐出し、粉体供給部114に先行する第一ヘッド21は造形液を吐出しないように設定される。
CPU50は、粉体層の形成モードを通常造形モードに設定する。CPU50は、モータ駆動部61を制御して前後動モータ41を駆動して、通常造形モードにおける移動速度で、第二モードに設定される後向きに、粉体供給部114、第一ヘッド21および第二ヘッド122の移動を開始させる(S41)。さらにCPU50は、モータ駆動部63を制御してローラ回転モータ43を駆動し、通常造形モードにおける回転速度で、第二モードにおける回転向きに、均しローラ18、第一供給ローラ16および第二供給ローラ119の回転を開始させる。図12に示すように、立体造形装置101は、第二モードの設定に従って、粉体供給部114、第一ヘッド21および第二ヘッド122を後向きに移動しながら、第二ニップ部129から粉体をステージ9上に供給し、均しローラ18で直ちに平滑化して、粉体層を形成する。CPU50は処理をS27に戻す。
上記同様、CPU50はS27〜S32の処理を実行し、次層(2層目)における粉体層の形成と造形層の造形を行う。次層(2層目)の造形層を形成したら、CPU50は、上記同様ステージ9を下降させ(S35)、次層(3層目)の粉体層に対する吐出位置情報を読み出す(S36)。CPU50は、現在の移動モードの設定が第二モードであるので(S37:NO)、移動モードを第一モードに設定し(S38)、通常造形モードにおいて(S40)、次層(3層目)の造形層を形成する(S27〜S32)。CPU50は、以降同様にS27〜S41の処理を繰り返し、造形層の各層を下層から順に形成する。すべての造形層を造形し終え、立体造形物の造形が完了した場合(S33:YES)、CPU50は、粉体供給部114、第一ヘッド21および第二ヘッド122を待機位置に戻し、立体造形処理を終了する。
以上説明したように、第二実施形態の立体造形装置201は、第一ヘッド21と第二ヘッド122を前向きに移動する場合だけでなく、後向きに移動する場合にも、造形層を形成することができる。故に、立体造形装置201は、造形層を重ねた立体造形物の造形をさらに高速に行うことができる。
均しローラ18は、粉体供給部114の移動向き(前向きまたは後向き)に応じて、対応するニップ部(第一ニップ部28または第二ニップ部129)から粉体を供給し、ステージ9上で均すことができる。故に立体造形装置1は、粉体層の形成を速やかに行うことができ、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
粉体供給部114が前向きに移動する場合、均しローラ18と、移動方向において均しローラ18の上流側(前後方向の後側)に位置する第二供給ローラ119との第二ニップ部129では、均しローラ18と第二供給ローラ119が粉体を粉体供給部114内に押し込む方向に回転する。故に均しローラ18と第二供給ローラ119の間の第二ニップ部129からは粉体が供給されない。一方、均しローラ18と、移動方向において均しローラ18の下流側(前後方向の前側)に位置する第一供給ローラ16との第一ニップ部28では、均しローラ18と第一供給ローラ16が粉体を粉体供給部114外に押し出す方向に回転する。故に均しローラ18と第一供給ローラ16の間の第一ニップ部28から粉体を供給することができる。また、粉体供給部114が後向きに移動する場合も同様であり、均しローラ18と、移動方向において均しローラ18の上流側(前後方向の前側)に位置する第一供給ローラ16との第一ニップ部28では、均しローラ18と第一供給ローラ16が粉体を粉体供給部114内に押し込む方向に回転するため、粉体が供給されない。一方、均しローラ18と、移動方向において均しローラ18の下流側(前後方向の後側)に位置する第二供給ローラ119との第二ニップ部129では、均しローラ18と第二供給ローラ119が粉体を粉体供給部114外に押し出す方向に回転するため、粉体を供給することができる。したがって、粉体供給部114が前向きに移動する場合も、後向きに移動する場合も、均しローラ18は、移動方向の下流側のニップ部から供給する粉体をステージ9上で均すことができるので、粉体層の形成を速やかに行うことができ、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
次に、本発明の第三実施形態について、図13〜図17を参照して説明する。図13に示す、第三実施形態の立体造形装置201の構成は、第一実施形態の立体造形装置1の構成と比べ、第一ヘッド21に代えて第三ヘッド223を備えた点と、第三ヘッド223の前後方向への移動のため、第二無端ベルト205を備えた点が異なる。また、図16に示す、第三実施形態の立体造形装置201の電気的構成は、第一実施形態の立体造形装置1の電気的構成と比べ、第三ヘッド223の前後方向および左右方向への移動のため、モータ駆動部264,265がそれぞれヘッド前後動モータ244とヘッド左右動モータ245を駆動する点が異なる。以下の説明では、立体造形装置201の構成が立体造形装置1の構成と同一の部分は説明を省略または簡略化し、異なる部分について説明する。なお、立体造形装置201の構成において、立体造形装置1の構成と同一の部分には、同一の符号を付している。
図13〜図15に示すように、立体造形装置201は、第一実施形態の第一ヘッド21とは異なる第三ヘッド223を備える。第三ヘッド223は、左右方向の長さがステージ9の左右方向の長さよりも短い立方体形状を有する。第三ヘッド223は、左右方向に延びるガイドレール225を摺動可能に保持する。ガイドレール225は、第三ヘッド223の左右方向への移動を案内する。ガイドレール225の両端は、左右方向に延びる立方体形状の支持体226の左右両側の側部が支持する。支持体226は、前面および下面が開放し、ガイドレール225に沿って左右方向に移動する第三ヘッド223と干渉しない。支持体226は、右端部が前後方向に延びるガイドレール3を保持する。ガイドレール3は、支持体226がガイドレール225を介して保持する第三ヘッド223の前後方向への移動を案内する。
支持体226は、内部に、ヘッド左右動モータ245(図16参照)と、ガイドレール225と平行に左右方向へ延びる第三無端ベルト227を備える。第三ヘッド223は第三無端ベルト227に接続し、ヘッド左右動モータ245の動力で、ガイドレール225に沿って左右方向へ移動する。また、支持体226の右端部は、粉体供給部14の腕部15が接続する第一無端ベルト4と平行に設けた第二無端ベルト205に接続する。第二無端ベルト205は、胴部40(図1参照)内に設けられるヘッド前後動モータ244(図16参照)の駆動によって回動する。第二無端ベルト205は、支持体226が保持する第三ヘッド223をガイドレール3に沿って粉体供給部14とは独立に前後方向へ移動する。
第三ヘッド223は、例えばピエゾ方式で造形液を下方に吐出可能なインクジェットヘッドである。図14に示すように、第三ヘッド223は、下面に、造形液を吐出するノズルを前後方向および左右方向に沿って複数並べたマトリクス状のノズル列223Aを有する。ノズル列の左右方向の長さW4は、ステージ9の左右方向の長さW1よりも短い。すなわち、第三ヘッド223は、左右方向に移動して複数列分の造形液を吐出して形成する帯状の着滴部位を、前後方向に移動して複数並べることでステージ9の全面に造形液を吐出できる、シリアル型のインクジェットヘッド(いわゆるシリアルヘッド)である。シリアルヘッドは、ラインヘッドと比べてノズル数を減らして安価に製造でき、且つ、移動制御によって造形液の着滴位置を、より精細に制御することができる。複数のノズル列は、それぞれ、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)に着色したカラー造形液と、無色造形液を吐出する。なお、第三ヘッド223は、単色の造形液を吐出するノズル列223Aを1列以上有する構成であってもよい。立体造形装置101のその他の部位の構成は、第一実施形態の立体造形装置1と同様である。
図16を参照し、立体造形装置201の電気的構成について説明する。立体造形装置201のCPU50は、バス59を介し、モータ駆動部264,265、ヘッド駆動部255と電気的に接続する。モータ駆動部264,265は、CPU50の制御に従い、ヘッド前後動モータ244、ヘッド左右動モータ245のそれぞれの動作を制御する。ヘッド前後動モータ244は、第一無端ベルト4と平行に設けられた第二無端ベルト205を回動し、ヘッド左右動モータ245は、支持体226内に設けられた第三無端ベルト227を回動する。ヘッド駆動部255は第三ヘッド223と電気的に接続し、各吐出チャンネルに設けられた圧電素子を駆動して、各ノズルから造形液を吐出する。立体造形装置201のその他の部位の電気的構成は、第一実施形態の立体造形装置1と同様である。
図17を参照し、立体造形装置201のCPU50が実行する立体造形処理について、図15を参照しながら説明する。第三実施形態の立体造形処理の説明においても、第一実施形態と同様の処理については、説明を省略または簡略化する。
図17に示すように、CPU50は初期化処理を実行し(S51)、粉体供給部14と、第三ヘッド223を保持する支持体226を、待機位置から原点位置に移動させる。CPU50は、PC100から受信した造形データをRAM51に記憶し(S52)、1層目の粉体層に対する吐出位置情報を読み出す(S53)。
CPU50は、粉体層の形成モードをフィルベッド作成モードに設定する。CPU50は、モータ駆動部61を制御して前後動モータ41を駆動し、フィルベッド作成モードにおける移動速度で前向きに、粉体供給部14の移動を開始させる(S55)。さらに、CPU50は、モータ駆動部63を制御してローラ回転モータ43を駆動し、フィルベッド作成モードにおける回転速度で、第一ニップ部28から粉体を供給する向きに、均しローラ18、第一供給ローラ16の回転を開始させる。図15に示すように、立体造形装置201は、粉体供給部14を前向きに移動しながら、第一ニップ部28から粉体をステージ9上に供給し、均しローラ18で直ちに平滑化して、粉体層を形成する。
図17に示すように、CPU50は、モータ駆動部264を制御してヘッド前後動モータ244を駆動させ、支持体226を前向きに移動させる。CPU50は、第三ヘッド223のノズル列が前後方向にステージ9の後端部からステージ9内に配置される位置で、支持体226の移動を停止させる(S56)。
CPU50は、モータ駆動部265を制御してヘッド左右動モータ245を駆動させ、第三ヘッド223を左右方向に移動させる(S57)。CPU50は1層目の粉体層に対する吐出位置情報に従い、ヘッド駆動部255を制御して、粉体層へ向けた造形液の吐出を開始させる(S58)。第三ヘッド223は、粉体供給部14が形成した直後の粉体層に対してノズル列の前後方向の長さに相当する幅分の造形液を吐出し、造形層を造形する。
CPU50は、粉体供給部14による粉体層の形成が完了するまでは(S60:NO)、処理をS56に戻し、S56〜S60の処理を繰り返す。CPU50は、支持体226をノズル列の前後方向の長さ分、前向きに移動させた位置で停止し(S56)、第三ヘッド223を左右方向に移動させて(S57)、造形液を吐出させる(S58)。このように、第三ヘッド223は、粉体供給部14を追従しながら、段階的に、粉体層に造形液を吐出して、造形層を造形する。
CPU50は、均しローラ18の最下端の位置がステージ9の前端に到達し、粉体供給部14による粉体層の形成が完了したら(S60:YES)、モータ駆動部63を制御してローラ回転モータ43の駆動を停止させる。供給機構20は粉体の供給を停止する(S61)。CPU50は、S56〜S62の処理を繰り返すことで第三ヘッド223からの造形液の吐出を継続し(S62:NO)、第三ヘッド223がステージ9の前端に到達したら(S62:YES)、ヘッド駆動部255を制御して第三ヘッド223からの造形液の吐出を停止させる(S63)。CPU50はモータ駆動部61,264を制御して前後動モータ41,ヘッド前後動モータ244をそれぞれ駆動させ、粉体供給部14と、第三ヘッド223を保持する支持体226を、原点位置に移動させる(S65)。
CPU50は、次いで2層目の造形層を形成するため(S66:NO)、2層目以降の粉体層の厚みに相当する分、ステージ9を下降させ(S67)、次層(2層目)の粉体層に対する吐出位置情報を読み出す(S68)。CPU50は、粉体層の形成モードを通常造形モードに設定する。CPU50は、モータ駆動部61を制御して前後動モータ41を駆動し、通常造形モードにおける移動速度で前向きに、粉体供給部14の移動を開始させる(S70)。さらにCPU50は、モータ駆動部63を制御してローラ回転モータ43を駆動し、通常造形モードにおける回転速度で、第一ニップ部28から粉体を供給する向きに、均しローラ18と第一供給ローラ16の回転を開始させる。CPU50は処理をS56に戻す。
上記同様、CPU50はS56〜S62の処理を実行し、次層(2層目)における粉体層の形成と造形層の造形を行う。次層(2層目)の造形層を形成したら、CPU50は、粉体供給部14と第三ヘッド223を原点位置に戻し、上記同様ステージ9を下降させ(S67)、次層(3層目)の粉体層に対する吐出位置情報を読み出す(S68)。CPU50は、通常造形モードにおいて(S70)、次層(3層目)の造形層を形成する(S56〜S62)。CPU50は、以降同様にS56〜S70の処理を繰り返し、造形層の各層を下層から順に形成する。すべての造形層を造形し終え、立体造形物の造形が完了した場合(S66:YES)、CPU50は、粉体供給部14と第三ヘッド223を待機位置に戻し、立体造形処理を終了する。
以上説明したように、第三実施形態の立体造形装置201の第三ヘッド223は、左右方向の長さがW4であってステージ面9Aの左右方向の長さW1より短いノズル列223Aを有する。故に第三ヘッド223は、ステージ面9Aに形成した粉体層に対し、左右方向に沿って造形液を吐出する動作をステージ面9Aの左右方向の長さに達するまで行ってから、前向きにノズル列の幅分の移動を行う。これを繰り返すことで、第三ヘッド223は、ステージ面9Aに形成した粉体層に対する造形液の吐出を行うことができる。第三ヘッド223は、ノズル列の長さが左右方向にステージ面9Aの長さより短い分、ノズルの数を減らすことができ、コストダウンを図ることができる。第三ヘッド223が粉体供給部14の移動に追従して移動し、上記動作で造形層を形成するので、立体造形装置1は、造形層を重ねた立体造形物の造形を高速に行うことができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、図18に示す、立体造形装置301のように、第二実施形態の粉体供給部114と、第三実施形態の第三ヘッド223に加え、第三ヘッド223と同じ構成の第四ヘッド323をさらに備えてもよい。シリアルヘッドである第三ヘッド223と第四ヘッド323は、前後方向へ段階的に移動しながら造形液を吐出するのでラインヘッドよりも造形層の造形速度は遅い。しかし、第三ヘッド223と第四ヘッド323の2つのシリアルヘッドと、2つのニップ部を有する粉体供給部114を備えることで、立体造形装置301は、前後方向の前向きと後向きの双方向においてそれぞれ造形層を形成することができ、立体造形物の造形を高速に行うことができる。
また、上記実施形態では、第一ヘッド21等はカラー造形液と無色造形液を吐出するが、無色、有色は問わず、粉体を固化する造形液を1種類吐出するヘッドであってもよい。この場合、各種類ごとにノズル列を用意する必要がないので、ノズル列は1列以上あれば足り、ヘッドのコストダウンを図ることができる。また、粉体供給部14は立体造形装置1から着脱できなくともよい。
また、上記実施形態では、フィルベッド35を粉体層の1層目とし、フィルベッド35上に造形液を吐出して1層目の造形層を形成したが、フィルベッド35を作成後、改めてフィルベッド35上に1層目の粉体層を形成してもよい。
上記実施形態において、供給機構20,120が、本発明の「供給手段」に相当する。モータ駆動部63が「第一駆動部」に相当する。前後方向、左右方向、上下方向が、それぞれ、「第一方向」、「第二方向」、「第三方向」に相当する。モータ駆動部61が[第二駆動部」に相当する。第一ヘッド21、第三ヘッド223が、「第一吐出部」に相当する。ヘッド駆動部55,155,255が「第三駆動部」に相当する。モータ駆動部61,264が「第四駆動部」に相当する。CPU50が「制御部」相当する。前後方向において、前側へ向かう向き(前向き)が「第一向き」に相当し、後側へ向かう向き(後向き)が「第二向き」に相当する。ヘッド駆動部255が「第五駆動部」に相当する。第二ヘッド122、第四ヘッド323が「第二吐出部」に相当する。第一ニップ部28、第二ニップ部129が「ニップ部」に相当する。均しローラ18が「第一ローラ」に相当する。第二供給ローラ119が「第二ローラ」に相当する。第一供給ローラ16が「第三ローラ」に相当する。RAM51が「記憶部」に相当する。
1,101,201,301 立体造形装置
9 ステージ
9A ステージ面
14,114 粉体供給部
16 第一供給ローラ
18 均しローラ
20,120 供給機構
21 第一ヘッド
21A ノズル列
28 第一ニップ部
50 CPU
51 RAM
55,155,255 ヘッド駆動部
61,63,265 モータ駆動部
119 第二供給ローラ
122 第二ヘッド
129 第二ニップ部
223 第三ヘッド
223A ノズル列
323 第四ヘッド

Claims (11)

  1. 造形液と混合すると固化する粉体を内部に収容し、前記粉体を外部に供給する供給手段を備える粉体供給部と、
    前記供給手段が供給する前記粉体を配置する面であるステージ面を備え、前記ステージ面に前記粉体の層である粉体層を形成するステージと、
    前記供給手段を駆動して前記粉体を供給させる第一駆動部と、
    前記ステージ面と平行な第一方向に沿って、前記ステージ面を横切って前記粉体供給部を移動させる第二駆動部と、
    前記粉体供給部よりも前記第一方向の一方側で、前記粉体供給部と前記第一方向に並んで配置され、前記ステージに形成した前記粉体層に対して前記造形液を吐出し、前記粉体層を固化した造形層を造形する第一吐出部と、
    前記第一吐出部を駆動して前記造形液を吐出させる第三駆動部と、
    前記第一方向に沿って、前記ステージ面を横切って前記第一吐出部を移動させる第四駆動部と、
    前記第一駆動部、前記第二駆動部、前記第三駆動部および前記第四駆動部の駆動を制御する制御部と、
    を備え、
    前記供給手段は、前記ステージ面と平行且つ前記第一方向と直交する第二方向に沿って、前記第二方向における前記ステージ面の長さと同じ、もしくは前記第二方向における前記ステージ面の長さよりも長く延び、
    前記制御部は、前記造形層の1つの層を形成する場合に、前記第二駆動部を制御して前記粉体供給部を前記第一方向の前記一方から他方へ向かう第一向きに移動させ、且つ、前記第四駆動部を制御して前記第一吐出部を前記粉体供給部に追従させて前記第一向きに移動させ、さらに、前記第一駆動部の制御による前記供給手段からの前記粉体の供給中に、前記第三駆動部を制御して前記第一吐出部から前記造形液を吐出させることを特徴とする立体造形装置。
  2. 前記第一吐出部は、前記造形液を吐出するノズルを前記第二方向に沿って複数並べたノズル列を一列以上有し、
    前記ノズル列の前記第二方向の長さは、前記ステージ面の前記第二方向の長さと同じ、もしくは前記ステージ面の前記第二方向の長さよりも長く、
    前記制御部は、前記第四駆動部を制御して前記第一吐出部を前記第一向きに移動させながら、前記第三駆動部を制御して前記第一吐出部から前記造形液を吐出させることを特徴とする請求項1に記載の立体造形装置。
  3. 前記第二方向に沿って前記第一吐出部を移動させる第五駆動部をさらに備え、
    前記第一吐出部は、前記造形液を吐出するノズルを前記第二方向に沿って複数並べたノズル列を一列以上有し、
    前記ノズル列の前記第二方向の長さは、前記ステージ面の前記第二方向の長さよりも短く、
    前記制御部は、前記第四駆動部の制御による前記第一向きへの前記第一吐出部の移動と、前記第五駆動部の制御による前記第二方向に沿う前記第一吐出部の移動を交互に行わせ、且つ、前記第二方向に沿う前記第一吐出部の移動の際に、前記第三駆動部を制御して前記第一吐出部から前記造形液を吐出させることを特徴とする請求項1に記載の立体造形装置。
  4. 前記粉体供給部よりも前記第一方向の前記他方側で、前記粉体供給部と前記第一方向に並んで配置され、前記ステージに形成した前記粉体層に対して前記造形液を吐出して前記造形層を造形する第二吐出部をさらに備え、
    前記第三駆動部は、前記第一吐出部および前記第二吐出部を駆動して前記造形液を吐出させ、
    前記第四駆動部は、前記第一方向に沿って、前記ステージ面を横切って前記第一吐出部および前記第二吐出部を移動させ、
    前記制御部は、前記造形層を形成する場合に、
    前記第二駆動部を制御して前記粉体供給部を前記第一向きに移動させ、且つ、前記第四駆動部を制御して、前記第一吐出部は前記粉体供給部に追従させ、前記第二吐出部は前記粉体供給部よりも先行させて、前記第一吐出部と前記第二吐出部とを前記第一向きに移動させ、さらに、前記第一駆動部の制御による前記供給手段からの前記粉体の供給中に、前記第三駆動部を制御して前記第一吐出部から前記造形液を吐出させる、第一モードにおける制御と、
    前記第二駆動部を制御して前記粉体供給部を前記第一向きとは反対側の第二向きに移動させ、且つ、前記第四駆動部を制御して、前記第一吐出部は前記粉体供給部よりも先行させ、前記第二吐出部は前記粉体供給部に追従させて、前記第一吐出部と前記第二吐出部とを前記第二向きに移動させ、さらに、前記第一駆動部の制御による前記供給手段からの前記粉体の供給中に、前記第三駆動部を制御して前記第二吐出部から前記造形液を吐出させる、第二モードにおける制御と、
    を交互に行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の立体造形装置。
  5. 前記供給手段は、前記第二方向に延びる複数のローラを含み、
    前記制御部は、前記第一駆動部を駆動して、前記複数のローラのうち、少なくとも2つのローラを互いに異なる方向に回転し、前記2つのローラ間のニップ部から前記粉体を外部に供給することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の立体造形装置。
  6. 前記供給手段は、前記2つのローラのうちの一つであり、前記ニップ部を構成する第一ローラを有し、
    前記第一ローラは、前記ステージ面と直交する第三方向において、外周面が、他のローラよりも前記ステージ面に近い位置に設けられたことを特徴とする請求項5に記載の立体造形装置。
  7. 前記供給手段は、前記第一ローラを含む3つのローラを有し、
    前記制御部は、前記第二駆動部を制御して前記粉体供給部を移動させる向きに応じて前記第一駆動部を制御し、前記第一ローラと、前記3つのローラのうちの他のローラとを互いに異なる方向に回転させ、前記第一ローラと前記他のローラ間のそれぞれの前記ニップ部のうち、前記粉体供給部を移動する向きに応じた前記ニップ部から前記粉体を外部に供給させること
    を特徴とする請求項6に記載の立体造形装置。
  8. 前記供給手段は、
    前記他のローラのうちの一つであり、前記第一ローラよりも前記第一方向の前記一方側で、前記第一ローラと前記第一方向に並んで配置され、前記第一ローラと前記ニップ部を構成する第二ローラと、
    前記他のローラのうちの一つであり、前記第一ローラよりも前記第一方向の前記他方側で、前記第一ローラと前記第一方向に並んで配置され、前記第一ローラと前記ニップ部を構成する第三ローラと、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記第二駆動部を制御して前記粉体供給部を前記第一向きに移動させる場合、前記第一駆動部を制御して、前記第一ローラは前記ステージ面を前記第一向きに転がる向きに回転させ、且つ前記第二ローラと前記第三ローラは前記ステージ面を前記第二向きに転がる向きに回転させ、
    前記第二駆動部を制御して前記粉体供給部を前記第二向きに移動させる場合、前記第一駆動部を制御して、前記第一ローラは前記ステージ面を前記第二向きに転がる向きに回転させ、且つ前記第二ローラと前記第三ローラは前記ステージ面を前記第一向きに転がる向きに回転させること
    を特徴とする請求項7に記載の立体造形装置。
  9. 前記ステージに形成する前記粉体層の厚みを指定する厚み情報を記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、前記記憶部が記憶する前記厚み情報に基づき、前記第一駆動部の制御による前記複数のローラの回転速度の変更と、前記第二駆動部の制御による前記粉体供給部の移動速度の変更と、のうちの少なくとも一方を行って、前記厚み情報によって指定される厚みを有する前記粉体層を前記ステージに形成させることを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の立体造形装置。
  10. 前記厚み情報は、前記ステージに形成する複数の前記粉体層のうち、最下層に形成する前記粉体層の厚みを、他の層に形成する前記粉体層の厚みよりも厚く形成する情報を含み、
    前記制御部は、前記厚み情報に基づいて前記最下層に前記粉体層を形成する場合、前記第一駆動部を制御して前記複数のローラの回転速度を前記他の層に前記粉体層を形成する場合よりも早めさせ、且つ、前記第二駆動部を制御して前記粉体供給部の移動速度を前記他の層に前記粉体層を形成する場合よりも遅くさせること
    を特徴とする請求項9に記載の立体造形装置。
  11. 前記粉体供給部は、着脱可能であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の立体造形装置。
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