JP2015065405A - トランス - Google Patents

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正明 岩倉
Masaaki Iwakura
正明 岩倉
小林 一三
Kazumi Kobayashi
一三 小林
熊谷 勝
Masaru Kumagai
勝 熊谷
伸夫 北島
Nobuo Kitajima
伸夫 北島
聡司 眞保
Soji Shinpo
聡司 眞保
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Abstract

【課題】リーケージ特性の調整が容易であり、絶縁性に優れると共に、大電流化を図りながら高周波化に対応しつつ、トランスの小型化図ることができ、しかも放熱性にも優れたトランスを提供する。
【解決手段】第1ワイヤが巻回される第1巻回筒部がそれぞれ形成された少なくとも一対の第1ボビン20a,20bと、第1ボビン20a,20bに対してそれぞれ巻軸方向に着脱可能に装着され、第2ワイヤが巻回される巻回筒部がそれぞれ形成された少なくとも一対の第2ボビン30a,30bと、を有する。巻回筒部の少なくともいずれかには、第1ワイヤまたは第2ワイヤの巻回軸に沿って相互に隣り合うワイヤ巻回部分相互を分離する隔壁鍔26が形成してあり、隔壁鍔26には、隣接する各区画相互を連絡する少なくとも1の連絡溝26aが形成してある。
【選択図】図4A

Description

本発明は、たとえばリーケージトランスなどとして利用可能なトランスに関する。
リーケージトランスとしては、下記に示す特許文献1に示すトランスが知られている。この特許文献1に示すトランスでは、一対のボビンを同一平面状に配置してトランスの低背化を可能にしている。
しかしながら、この特許文献1に示すトランスでは、一次巻線(一次コイル)と二次巻線(二次コイル)とを、別々のボビンに形成し、一次巻線と二次巻線との結合は、一次コイルの内周側に巻回してある補助巻線で調整している。このため、この特許文献1に示すトランスにおいては、リーケージ特性の調整が難しいと言う課題を有している。また、この特許文献1に示すトランスにおいては、絶縁性を良好に保ちつつ、大電流化を図りながら高周波化に対応するためには、トランスの高さまたは平面サイズを大きくする必要があるという課題を有している。
近年では、車載用充電器などに用いられるトランスとしては、大電流化を図りながら高周波化(30〜300kHz)に対応しつつ、トランスの高さおよび平面サイズを小さくすること(小型化)が求められている。さらにトランスにおけるコイル部、コア部の発熱を効率的に放熱することも求められている。
特開2001−160517号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、リーケージ特性の調整が容易であり、絶縁性に優れると共に、大電流化を図りながら高周波化に対応しつつ、トランスの小型化、低背化を図ることができ、しかも放熱性にも優れたトランスを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るトランスは、
一次コイルまたは二次コイルの内のいずれか一方を構成する第1ワイヤが巻回される第1巻回筒部がそれぞれ形成された少なくとも一対の第1ボビンと、
一対の前記第1ボビンに対してそれぞれ巻軸方向に着脱可能に装着され、前記一次コイルまたは二次コイルの内のいずれか他方を構成する第2ワイヤが巻回される第2巻回筒部がそれぞれ形成された少なくとも一対の第2ボビンと、
を有するトランスであって、
前記第1巻回筒部または第2巻回筒部の少なくともいずれかには、前記第1ワイヤまたは第2ワイヤの巻回軸に沿って相互に隣り合うワイヤ巻回部分相互を分離する隔壁鍔が形成してあり、
前記隔壁鍔には、隣接する各区画相互を連絡する少なくとも1の連絡溝が形成してあることを特徴とする。
本発明のトランスでは、一対の第1ボビンと、一対の第2ボビンとが巻軸方向に着脱可能に装着してあり、第1ボビンには、第1ワイヤが巻回され、第2ボビンには、第2ワイヤが巻回される。たとえば第1ワイヤが一次コイルを構成するとし、第2ワイヤが二次コイルを構成するとした場合には、一次コイルと二次コイルとの結合は、巻軸方向に沿った第1ボビンと第2ボビンとの接続部における一次コイルと二次コイルとの距離によっても調整できる。そのため、本発明のトランスでは、リーケージ特性は、巻軸方向に沿った第1ボビンと第2ボビンとの接続部における一次コイルと二次コイルとの距離により調整され、その調整が容易である。
また、本発明では、一次巻線および二次巻線のコイル部が対になることで、巻始めと巻終わりとの間の耐圧がとれやすくなる。
しかも本発明のトランスでは、一対の第1ボビンに第1ワイヤを巻回し、一対の第2ボビンに第2ワイヤを巻回することから、それぞれの巻回数を増やしたり減らしたりすることも容易であり、トランス性能の向上が容易である。しかも、本発明のトランスでは、トランスの性能を向上させつつ、トランスの巻軸方向の高さや平面方向の大きさを、比較的に小さくすることが可能になり、トランスの小型化も図ることができる。
さらに本発明のトランスでは、第1ワイヤまたは第2ワイヤの巻回軸に沿って相互に隣り合うワイヤ巻回部分相互を分離する隔壁鍔が形成してあることから、同じ相のワイヤ相互の絶縁が確保される。また、第1ワイヤと第2ワイヤとは、それぞれ別々のボビンに巻回されるため、これらのワイヤにおける異相間の絶縁も良好に保たれる。
さらに本発明のトランスでは、第1ワイヤまたは第2ワイヤの巻回軸に沿って相互に隣り合うワイヤ巻回部分相互を分離する隔壁鍔が形成してあることから、ワイヤの外径を太くしても絶縁化が容易であり、大電流化(高出力化)に対応しやすい。また、従来では、電圧の高周波化に伴い、相互に隣接するワイヤ相互が影響し合い、電流が流れ難くなると言う悪影響もあるが、本発明のトランスでは、隔壁鍔を有するために、このような悪影響を少なくすることができ、高周波特性も向上する。さらにまた、隔壁鍔は、放熱フィンとしても作用するために、トランスの放熱性にも優れている。
好ましくは、前記第1ワイヤおよび第2ワイヤの内の少なくとも1つは、前記第1巻回筒部または第2巻回筒部の外周にα巻きされている。本発明のトランスでは、隔壁鍔には、隣接する各区画相互を連絡する少なくとも1の連絡溝が形成してあるため、この連絡溝を通して、異なる区画間でα巻きを行うことが容易である。α巻きを行うことにより、巻軸方向の高さを大きくすることなく、ワイヤの巻き数を増やすことが可能になり、トランスの性能を向上させながらトランスの小型化、低背化が、さらに容易となる。
好ましくは、前記隔壁鍔で分離される各区画における前記巻回軸に沿っての区画幅は、1本のみの前記ワイヤが入り込める幅に設定してあり、
前記隔壁鍔の高さは、1本以上の前記ワイヤが入り込める高さに設定してある。
各区画においては巻回軸方向に沿って単一のワイヤのみが存在するようにワイヤを巻回するために、一層当たりのワイヤの巻回数のバラツキを防止することが容易になり、リーケージ特性の安定化に寄与する。すなわち、一次コイルと二次コイルとの結合係数Kを厳密に制御することが、さらに容易になり、本発明のコイル部品をリーケージトランスとして好適に用いることができる。
好ましくは、一対の第1ボビンは、1本の前記第1ワイヤで連絡され、一対の第2ボビンは、1本の前記第2ワイヤで連絡されている。このように構成することで、それぞれのワイヤの巻回数を増すことが容易である。
前記第1巻回筒部の巻軸方向の両端に位置する一対の前記隔壁鍔の少なくとも一方には、前記第2巻回部の巻軸方向の両端に位置する一対の前記隔壁鍔の少なくとも一方に嵌合する嵌合凹部または嵌合凸部が形成してある。これらの嵌合凸部および嵌合凹部の嵌合により、第1ボビンと第2ボビンとは位置合わせされて着脱自在に取り付けられ、同芯状態を容易に実現可能である。
本発明のトランスでは、前記第1巻回筒部または第2巻回筒部には、それぞれコア脚用貫通孔が形成してあり、前記コア脚用貫通孔には、分離可能な磁性コアの脚部が挿入されて、磁気回路が形成されることが好ましい。
本発明のトランスは、少なくとも一対の第3ボビンをさらに有していても良く、第3ボビンは、前記第2ボビンに対してそれぞれ巻軸方向に着脱可能に装着され、第3ワイヤが巻回される第3巻回筒部を有している。さらに、本発明のトランスは、第3ボビンと同様に第4ボビン、その他のボビンを有していても良い。これらのボビンを巻軸方向に積層することで、トランスの巻軸方向の高さは高くなるが、さらに一次コイルまたは二次コイルの巻き数を増大させることが可能になる。これらの間の結合も高くすることが可能である。
図1は本発明の一実施形態に係るトランスの全体斜視図である。 図2は図1に示すトランスの分解斜視図である。 図3は図1に示すIII−III線に沿うトランスの一部断面斜視図である。 図4Aは図2に示すボビンの分解斜視図である。 図4Bは図4Aに示すボビンに巻回してあるワイヤの斜視図である。 図4Cは図4Aに示すボビンの1つの一部透視斜視図である。 図5は図3に示すV−V線に沿うコアとボビンとの関係を示す断面図である。 図6は本発明の他の実施形態に係るコアとボビンとの関係を示す断面図である。 図7は本発明のさらに他の実施形態に係るコアとボビンとの関係を示す断面図である。 図8は本発明のさらに他の実施形態に係るトランスの全体斜視図である。 図9は図8に示すトランスの分解斜視図である。 図10は本発明のさらに他の実施形態に係るトランスの全体斜視図である。 図11は図10に示すトランスが収容されるケースの内部を示す分解斜視図である。 図12は図11に示すトランスの分解斜視図である。
第1実施形態
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1および図2に示す本実施形態に係るトランス10は、たとえばリーケージトランスなどとして、車載用充電器などに用いられる。このトランス10は、支持板14に取り付けられた一対の端子台12,13を有する。
端子台12,13は、たとえばプラスチックなどの絶縁性部材で構成してあり、端子台12,13には、それぞれ第1端子16a,16bおよび第2端子18a,18bが取り付けられ、これらの端子が絶縁されるようになっている。第1端子16a,16bには、それぞれ第1ワイヤ22の両端に位置するリード部22aおよび22bが接続され、第2端子18a、18bには、それぞれ第2ワイヤ32の両端に位置するリード部32a,32bが接続される。
支持板14は、たとえばアルミニウム、銅、鉄などの金属、あるいは、PPS、PET、PBTなどで構成してある。支持板14には、磁性コア40の一部が接触することから、支持板14は、放熱性に優れた材質で構成されることが好ましい。
図2に示すように、本実施形態では、磁性コア40は、同じ形状を持つ4つの分割コア42に分離可能である。各分割コア42は、Y軸方向に細長いベース部44と、ベース部44のY軸方向の両端からX軸方向に突出している一対の脚部46とを有する。
本実施形態では、各分割コアのベース部44は、楕円形状の板または長円形状の板をX−Y平面でZ軸方向に均等に分割した形状を有するが、その形状に限定されず、Y軸方向に細長い形状の板をX−Y平面でZ軸方向に均等に分割した形状であれば何でも良い。また、各脚部46は、円柱をX−Y平面でZ軸方向に均等に分割した形状であるが、後述するボビン20a,20b,30a,30bのコア脚用貫通孔21の形状に合わせた形状であれば特に限定されない。磁性コア40を構成する各分割コア42の材質は、金属、フェライト等の軟磁性材料が挙げられるが、特に限定されない。
なお、図面において、X軸、Y軸およびZ軸は、相互に垂直であり、X軸は、後述する第1ワイヤ22および第2ワイヤ32の巻軸と一致し、トランス10の高さ(厚み)に対応する。また、Y軸は、一対の第1ボビン20a,20bが相互に離れる方向に一致し、ベース部44の長手方向にも一致する。さらに、Z軸は、本実施形態では、分割コア42,42の分離方向に一致する。
本実施形態のトランス10は、図4Aに示すように、一対の第1ボビン20a,20bと、これらの一対の第1ボビン20a,20bに対してそれぞれ巻軸(X軸)方向に着脱可能に装着される一対の第2ボビン30a,30bを有する。各ボビン20a,20b,30a,30bは、後述する位置決め用凸部23の形成位置、引き出し用切り欠き25の形成位置、および嵌合用凹部または嵌合用凸部29の形成位置以外は、すべて同じ形状と構造を有する。そこで、図4Cを用いて、第1ボビン20bを代表として、各ボビン20a,20b,30a,30bの形状と構造を説明する。なお、以下の説明では、第1ボビン20bを代表として説明するが、他のボビン20a,30a,30bに関しても同様であり、その説明は一部省略する。
図4Cに示すように、ボビン20bは、コア脚用貫通孔21が形成された巻回筒部24を有する。巻回筒部24におけるコア脚用貫通孔21の形状は、分割コア42が組み合わされることにより形成される脚部46の円柱形状に併せて、円筒形にしてあるが、脚部46の形状に合わせてその他の形状にしても良い。巻回筒部24の円筒状内周面には、位置決め用凸部23を設けても良い。
本実施形態では、巻回筒部24の円筒状内周面に周方向の180度位置に、一対の位置決め用凸部23がX軸方向に細長く形成してある。位置決め用凸部23は、図5に示すように、分割コア42の割面近くに形成してある位置決め用凹部48に嵌合し、コア40とボビン20a,20b,30a,30bが相対回転不能に位置決めされるようになっている。
図4Cに示すように、ボビン20bは、巻回筒部24のX軸方向の両端位置で半径方向の外側に突出する端部隔壁鍔27および28を有する。そして、本実施形態では、端部隔壁鍔27および28の間に、これらと略平行な少なくとも単一の中間隔壁鍔26が形成してある。図示する例では、単一の中間隔壁鍔26が形成してあるが、端部隔壁鍔27および28の間には、相互に平行な複数の中間隔壁鍔26を形成しても良い。
これらの隔壁鍔26〜28によりX軸方向に仕切られた区画S1,S2には、図5に示すように、第1ワイヤ22または第2ワイヤ32が巻回され、各区画S1,S2毎に、ワイヤ巻回部分相互を分離可能になっている。本実施形態では、隔壁鍔26〜28で分離される各区画S1,S2におけるX軸に沿っての区画幅T1は、1本のみのワイヤ22または32が入り込める幅に設定してある。ただし、本実施形態では、区画幅T1を、二本以上のワイヤ22または32が入り込める幅に設定してもよい。また、本実施形態では、区画幅T1は、全て同じであることが好ましいが、多少異なっていても良い。
また、隔壁鍔26〜28の高さH1は、1本(1層以上)以上のワイヤ22または33が入り込める高さに設定してあり、本実施形態では、好ましくは2〜6層のワイヤが巻回できる高さに設定してある。各隔壁鍔26〜28の高さH1は、全て同じであることが好ましいが、異なっていても良い。
図4Aおよび図4Cに示すように、本実施形態では、各ボビン20a,20b,30a,30bにおけるX軸に沿って同一方向を向いている端部隔壁鍔27には、周方向の一箇所に引き出し用切り欠き25が形成してある。引き出し用切り欠き25が形成される位置は、図1に示す端子金具16a,16b,18a,18bが端子台12,13に取り付けられる位置に対応しており、各ボビン20a,20b,30a,30b毎に周方向位置が異なっている。各引き出し用切り欠き25を通して、第1ワイヤ22のリード部22a,22bまたは第2ワイヤ32のリード部32a,32bが、トランスのX軸方向の同じ方向に引き出される。
また、これらの各引き出し用切り欠き25が形成される周方向位置に対応して、各ボビン20a,20b,30a,30bの中間隔壁鍔26には、それぞれ1つの連絡溝26aが形成してある。各切り欠き25および各連絡溝26aは、ワイヤ22または32が通過可能な幅に設定してある。
ただし、切り欠き25は、端部隔壁鍔27の外周を半径方向に極浅く切り欠くように形成してあるのに対して、連絡溝26aは、図4Cに示すように、巻回筒部24の外周位置まで届くまで深く形成してある。後述するように、中間隔壁鍔26の連絡溝26aを通して、ワイヤ22または32をα巻きすることを可能にするためである。
X軸方向に着脱可能に積層されるボビン20a,30aにおける相互に接触する端部隔壁鍔28,27における接続面には、図4Aおよび図4Cに示すように、嵌合凹部または嵌合凸部29が形成してあり、これらが嵌合することで、積層されるボビン20a,30a相互が同軸状に位置合わせされて回り止めされる。ボビン20b,30bに関しても同様である。本実施形態では、ボビン20a,20b,30a,30bは、それぞれPPS、PET、PBT、LCPなどのプラスチックで構成されるが、その他の絶縁部材で構成されても良い。
図4A,図4Bおよび図5に示すように、Y−Z軸平面でY軸に離れて配置される一対の第1ボビン20a,20bには、一本の第1ワイヤ22がそれぞれα巻きにより巻回される。その結果、一方の第1ボビン20aの外周には、一方の第1ワイヤ巻回部22cが形成され、他方の第1ボビン20bの外周には、他方の第1ワイヤ巻回部22dが形成され、これらの巻回部22c,22dは、接続部22eで接続される。
また、Y−Z軸平面でY軸に離れて配置される一対の第2ボビン30a,30bには、一本の第2ワイヤ32がそれぞれα巻きにより巻回される。その結果、一方の第2ボビン30aの外周には、一方の第2ワイヤ巻回部32cが形成され、他方の第2ボビン30bの外周には、他方の第2ワイヤ巻回部32dが形成され、これらの巻回部32c,32dは、接続部32eで接続される。
本実施形態では、たとえば一対の第1ワイヤ巻回部22c,22dが一次コイルを構成し、一対の第2ワイヤ巻回部32c,32dが二次コイルを構成するが、逆でも良い。
次に、α巻きについて説明する。コイルを形成するためのワイヤの巻き方として、α巻き自体は、知られているが、本実施形態では、連絡溝26aを有する中間隔壁鍔26を利用してα巻きを行った点にも特徴を有する。たとえば図4Cに示すボビン20bに、図4Bに示すワイヤ22をα巻きするには、まず、図4Bに示すリード部22bと接続部22eとの間の略中央に位置するワイヤ22の中央部分を、図4Cに示す連絡溝26aに通す。その後に、リード部22bに近い側のワイヤ22の一部は、区画S1の内部で、たとえば右回りに巻回筒部24の外周に複数層で巻回する。同時に、接続部22eに近い近い側のワイヤ22の他の一部は、区画S2の内部で、区画S1における巻き方とは逆の方向(または同一方向でもよい)に、巻回筒部24の外周に複数層で巻回する。
また同様に、図4Aに示すボビン20aに対しても、同じワイヤ22の半分の部分(リード部22aから接続部22eまでのワイヤ部分)を用いてα巻きを行うことができる。ボビン20aに対するワイヤ22のα巻きと、ボビン20bに対するワイヤのα巻きとは、別々に行っても良く、同時に行っても良い。これらの作業は、自動巻機を用いて行っても良い。これらの巻回作業では、ボビン20a,20bは相互に自由な位置に配置することができるために、1本のワイヤ20を用いて2つのボビン20a,20bにα巻きを実現することができる。なお、本実施形態では、ボビン20aに対するワイヤ22のα巻きと、ボビン20bに対するワイヤのα巻きとは、その巻方向が、相互に逆の方向(または同一方向でもよい)となる。
図4Aに示すボビン30a,30bに対しても、ワイヤ32を用いて、上述したボビン20a,20bに対するワイヤ22の巻回方法と同様にしてα巻きを行うことができる。なお、ワイヤ22および32は、単線で構成されても良く、あるいは撚り線で構成されても良く、絶縁被覆導線で構成されることが好ましい。ワイヤ22および32の外径は、特に限定されないが、大電流を流す場合には、たとえばφ1.0〜φ3.0mmが好ましい。第2ワイヤ32は、第1ワイヤ22と同じであっても良いが、異なっていても良い。
図4Aに示すボビン20a,20b,30a,30bに対してワイヤ22および32がそれぞれ巻回された後には、図2に示すように、X軸方向に隣り合うボビン20a,30aまたは20b,30b同士が積層されて組み合わされる。その後に、X軸方向に分離された一対の分割コア42同士が組み合わされて、円柱状の脚部46が形成される。
その後に、組み合わされた円柱状の脚部46が、コア脚用貫通孔21のX軸方向の両側から挿入され、図3および図5に示すように、脚部46のX軸方向の先端同士が貫通孔21の内部において、突き合わされる。脚部46のX軸方向の先端同士は、直接に接触しても良く、あるいは、所定のギャップで向き合っても良い。いずれにしても貫通孔21には、分離可能な磁性コア40の脚部46が挿入されて、磁気回路が形成される。その後に、これらのコイル組立体は、支持板14で保持された端子台12,13に対して、組み付けられる。
本実施形態のトランス10では、一対の第1ボビン20a,20bと、一対の第2ボビン30a,30bとがX軸方向に着脱可能に装着してあり、第1ボビン20a,20bには、第1ワイヤ22が巻回され、第2ボビン30a,30bには、第2ワイヤ32が巻回される。
たとえば第1ワイヤ22が一次コイルを構成するとし、第2ワイヤ32が二次コイルを構成するとした場合には、一次コイルと二次コイルとの結合は、巻軸(X軸)方向に沿った第1ボビン20a,20bと第2ボビン30a,30bとの接続部における一次コイルと二次コイルとの距離によっても調整できる。すなわち、図5において、端部隔壁鍔27および28の接合厚みT2により、一次コイルと二次コイルとの結合を制御可能である。端部隔壁鍔27および28の接合厚みT2は、端部隔壁鍔27および28の厚みを調節すれば良く、その調節は容易である。そのため、本実施形態のトランス10では、リーケージ特性は、端部隔壁鍔27および28の厚みを調節すれば良く、その調節は容易である。
しかも本実施形態のトランス10では、一対の第1ボビン20a,20bに第1ワイヤ22を巻回し、一対の第2ボビン30a,30bに第2ワイヤ32を巻回することから、それぞれの巻回数を増やしたり減らしたりすることも容易であり、トランス性能の向上が容易である。しかも、本実施形態のトランス10では、トランス10の性能を向上させつつ、トランス10のX軸方向の高さやY−Z軸平面方向の大きさを、比較的に小さくすることが可能になり、トランス10の小型化も図ることができる。
さらに本実施形態のトランス10では、第1ワイヤ22または第2ワイヤ32の巻回軸に沿って相互に隣り合うワイヤ巻回部分相互を分離する隔壁鍔26が形成してあることから、同じ相のワイヤ相互の絶縁が確保される。また、第1ワイヤ22と第2ワイヤ32とは、それぞれ別々のボビン20a,20bまたは30a,30bに巻回され端部隔壁鍔27および28により絶縁されるために、これらのワイヤ22および32における異相間の絶縁も良好に保たれる。
さらに本実施形態のトランス10では、第1ワイヤ22または第2ワイヤ32のX軸に沿って相互に隣り合うワイヤ巻回部分相互を分離する隔壁鍔26〜28が形成してあることから、ワイヤ22または32の外径を太くしても絶縁化が容易であり、大電流化(高出力化)に対応しやすい。また、従来では、電圧の高周波化に伴い、相互に隣接するワイヤ相互が影響し合い、電流が流れ難くなると言う悪影響もあるが、本実施形態のトランスでは、隔壁鍔26〜28を有するために、このような悪影響を少なくすることができ、高周波特性(たとえば50〜300kHz)も向上する。さらにまた、隔壁鍔26〜28は、放熱フィンとしても作用するために、トランス10の放熱性にも優れている。
しかも本実施形態では、第1ワイヤ22および第2ワイヤ32の内の少なくとも1つは、ボビン20a,20b,30a,30bの外周にα巻きされている。本実施形態のトランス10では、中間隔壁鍔26には、隣接する各区画S1,S2相互を連絡する少なくとも1の連絡溝26aが形成してあるため、この連絡溝26aを通して、異なる区画S1,S2間でα巻きを行うことが容易である。α巻きを行うことにより、X軸方向の高さを大きくすることなく、ワイヤ22または32の巻き数を増やすことが可能になり、トランスの性能を向上させながらトランスの小型化が、さらに容易となる。
特に本実施形態では、隔壁鍔26〜28で分離される各区画S1,S2におけるX軸に沿っての区画幅T1は、1本のみのワイヤ22または32が入り込める幅に設定してあり、隔壁鍔26〜28の高さH1は、一層以上のワイヤ22または32が入り込める高さに設定してある。そのため、各区画S1,S2においてはX軸方向に沿って単一のワイヤ22または32のみが存在するようにワイヤ22または32を巻回するために、一層当たりのワイヤ22または32の巻回数のバラツキを防止することが容易になり、リーケージ特性の安定化に寄与する。すなわち、一次コイルと二次コイルとの結合係数Kを厳密に制御することが、さらに容易になり、本実施形態のコイル部品をリーケージトランスとして好適に用いることができる。
また本実施形態では、、一対の第1ボビン20a,20bは、1本の第1ワイヤ22で連絡され、一対の第2ボビン30a,30bは、1本の第2ワイヤ32で連絡されている。このように構成することで、それぞれのワイヤの巻回数を増すことが容易である。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
第2実施形態
たとえば、図6に示すように、本発明の別の態様に係るトランス10aでは、少なくとも一対の第3ボビン50a,50bをさらに有している。第3ボビン50a,50bは、第2ボビン30a,30bに対してそれぞれX軸方向に着脱可能に装着され、第3ワイヤ52が巻回される巻回筒部を有しており、前述した第2ボビン20a,20bと同様な構成を有している。
第3ワイヤ52は、前述した第1ワイヤ22または第2ワイヤと同様に、ボビン50a,50bに対して巻回され、前述した第1ワイヤ22または第2ワイヤと同様に、一次コイルまたは二次コイルとして機能させることができ、さらに一次コイルまたは二次コイルの巻き数を増大させることが可能になる。また、これらの間の結合も高くすることが可能である。
本実施形態のトランス10bでは、ボビンの積層数が多くなるために、磁性コア40aにおけるベース部44aと脚部46aの寸法が、前述した磁性コア40とは異なる。その他の構成や作用効果は、前述した実施形態と同様である。
第3実施形態
また、図7に示すように、本発明の別の態様に係るトランス10bは、少なくとも一対の第3ボビン50a,50bの他に、少なくとも一対の第4ボビン60a,60bをさらに有している。第4ボビン60a,60bは、第3ボビン50a,50bに対してそれぞれX軸方向に着脱可能に装着され、第4ワイヤ62が巻回される巻回筒部を有しており、前述した第2ボビン20a,20bと同様な構成を有している。
第4ワイヤ62は、前述した第1ワイヤ22または第2ワイヤと同様に、ボビン60a,60bに対して巻回され、前述した第1ワイヤ22または第2ワイヤと同様に、一次コイルまたは二次コイルとして機能させることができ、さらに一次コイルまたは二次コイルの巻き数を増大させることが可能になる。また、これらの間の結合も高くすることが可能である。
本実施形態のトランス10cでは、ボビンの積層数が多くなるために、磁性コア40bにおけるベース部44bと脚部46bの寸法が、前述した磁性コア40とは異なる。その他の構成や作用効果は、前述した実施形態と同様である。
また、その他の変形例としては、磁性コア40の分割の態様を変化させてもよい。たとえば上述した実施形態では、分割コアであるUコア−Uコアの組合せにより、磁性コア40を構成したが、Uコア−Iコアの組合せにより、磁性コア40を組み立てても良い。
また、一次コイルと二次コイルの間、コイルとコアの間、あるいはボビンとボビンとの間には、絶縁距離をとるために、必要に応じて、絶縁板あるいは絶縁シートを介在させても良い。
第4実施形態
図8および図9は、本発明のさらに他の実施形態に係るトランスを示している。図8および図9に示す実施形態に係るトランス10cは、図1〜図6に示す実施形態に係るトランス10または10bの変形例であり、共通する部分には、共通する符号を用い、その説明は一部省略する。
このトランス10cは、一対の第1ボビン20a1,20b1と、これらの一対の第1ボビン20a1,20b1に対してそれぞれ巻軸(X軸)方向に着脱可能に装着される一対の第2ボビン30a1,30b1と、これらの一対の第2ボビン30a1,30b1に対してそれぞれ巻軸(X軸)方向に着脱可能に装着される一対の第3ボビン50a1,50b1と、を有する。これらの第1ボビン20a1,20b1と第2ボビン30a1,30b1との間、第2ボビン30a1,30b1と第3ボビン50a1,50b1との間には、絶縁シート70が介在してある。絶縁シート70には、コア脚用貫通孔21に対応する貫通孔72が形成してある。また、絶縁シート70は、ボビン相互間のみでなく、ボビンと磁性コアとの間にも介在させても良い。
各ボビン20a1,20b1,30a1,30b1,50a1,50b1は、すべて同じ形状と構造を有する。これらのボビン20a1,20b1,30a1,30b1,50a1,50b1は、図6に示すボビン20a,20b,30a,30b,50a,50bに対応するが、これらのボビンと異なり、図4Cに示す引き出し用切り欠き25および嵌合用凹部または嵌合用凸部29を有さなくても良い。その他は、同様な構造を有し、それぞれのボビン20a1,20b1,30a1,30b1,50a1,50b1には、図6に示すような第1ワイヤ22、第2ワイヤ32および第3ワイヤ52がα巻きなどにより巻回してある。図9では、ワイヤの図示を省略している。
この実施形態では、第1ワイヤ22および第3ワイヤ52が一次コイルを構成し、図8に示すように、それらの一方のリード部22a,52aが一方の第1端子16a1に接続してあり、他方のリード部22b,52bが他方の第1端子16b1に接続してある。また、第2ワイヤ32は、二次コイルを構成し、それらの一方のリード部32aが一方の第2端子18a1に接続してあり、他方のリード部32bが他方の第2端子32bに接続してある。
この実施形態では、一対の端子台12a,13aが、Y軸方向に分離して支持板14aに取り付けてある。支持板14aは、図1および図2に示す支持板14に対応し、同様な材質で構成され、放熱性に優れている。端子台12a,13aは、図1および図2に示す端子台12,13に対応し、同様な材質で構成されるが、その形状や構造が多少異なる。すなわち、本実施形態では、端子台12aには、一方の第1端子16a1と第2端子18a1とが取り付けられ、端子台12bには、他方の第1端子16b1と第2端子18b1とが取り付けられる点で、図1および図2に示す実施形態と異なる。
本実施形態では、図1に示す実施形態に比較して、トランスのZ軸方向の幅寸法を小さくすることができる。その他の構成および作用効果は、前述した実施形態と同様である。
第4実施形態
図10〜図12は、本発明のさらに他の実施形態に係るトランスを示している。図10〜図12に示す実施形態に係るトランス10dは、たとえば共振コイル内蔵型トランス、高結合トランスなどとして車載用充電器などに用いられ、図8および図9に示す実施形態に係るトランス10cの変形例であり、共通する部分には、共通する符号を用い、その説明は一部省略する。
図10および図11に示すように、本実施形態に係るトランス10dは、底板92を有するケース90の内部に収容してあり、コア押さえ具100により放熱カバー80を介してケース90の内部に着脱自在に固定してある。
本実施形態では、ケース90は、底板92とケース90とをアルミニウムのダイキャスト成形などにより一体成形してある。ケース全体を金属で構成することにより、放熱性がさらに高められる。ただし、ケース90と底板92とは、別材料で構成されても良く、たとえばケース90は、合成樹脂などで構成されてもよい。成形が容易で安価だからである。
ケース90が合成樹脂で構成される場合には、底板92は、放熱性に優れたアルミニウム銅、鉄などの金属で構成してあることが好ましいが、PPS、PET、PBTなどで構成しても良い。底板92には、後述する磁性コア40のZ軸方向の下端面が接触することから、底板92は、放熱性に優れた材質で構成されることが好ましい。ケース90の下方には、底板92を介して、あるいは、直接に冷却パイプ、冷却フィンなどの冷却装置を装着しても良い。
図11に示すように、各放熱カバー80は、X軸方向の上側に配置される分割コア42のベース部44と同じ形状を持ち、各ベース部44をX軸方向の上側から覆うカバー本体82を有する。各カバー本体82のZ軸方向の外側で、Y軸方向の中央部には、X軸方向の下側に垂下する垂下片84が各カバー本体82に一体に形成してある。
各放熱カバー80は、たとえばアルミニウム、銅、鉄、ステンレスなどの金属板や、PPSなど高熱伝導樹脂から成形される。垂下片84のX軸方向の長さは、トランス10dのX軸方向の長さと同じ、またはそれよりも短く、トランス10dのX軸方向の長さに比較して、好ましくは20〜80%の長さである。
トランス10dが収容されるケース90の内部には、放熱用樹脂が充填してあってもよい。放熱用樹脂としては、特に限定されないが、たとえば熱伝導率が0.5〜5、好ましくは1〜3W/m・Kである放熱性に優れた樹脂が好ましい。
放熱性に優れた樹脂としては、たとえばシリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などがあるが、中でも、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。また、放熱性を高めるために、樹脂中には、熱伝導性の高いフィラーを充填させても良い。
また、本実施形態の放熱用樹脂は、ショアA硬度が100以下、好ましくは60以下であることが好ましい。磁性コア40やボビンが熱により変形したとしても、その変形を吸収し、コア40に過大な応力を発生させないようにするためである。このような樹脂としては、ポッティング樹脂が例示される。
本実施形態では、放熱カバー80のカバー本体82により磁性コア40の上部を覆うために、磁性コア40の上部における熱が、放熱カバー80のカバー本体82および垂下片84に伝達し、垂下片84から放熱用樹脂に伝達する。放熱用樹脂に伝達した熱は、底板92の下部に配置してある冷却板などの冷却手段に伝達して冷却される。そのため、本実施形態では、ケース90の内部に充填される放熱用樹脂の充填量を少なくすることができ、その場合でも放熱性に優れている。
また、ケース90の内部には、トランス10dのY軸方向の両端部に位置するように、側板86が収容してある。側板86は、平板状の側板本体87と、側板本体87の内面中央上部にX軸方向に延びるように形成してある平行な一対の凸部88とを有する。側板86は、たとえば、PET、PBT、PPS、フェノールなどの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂材料で成形され、ワイヤのリード部22a,22b,32a,32b,52a,52bとケース90の絶縁、耐圧確保の役割を果たしている。
本実施形態では、トランス10dのY軸方向の両端には、それぞれ端子台12b,13bが装着してある。本実施形態の端子台12b,13bは、図8および図9に示す端子台12a,13aの変形例であり、たとえばプラスチックなどの絶縁性部材で構成してある。図12に示すように、端子台12bには、Z軸方向の両側でX軸方向の上面に、図10および図11に示す端子16a2,18a2が取り付けられる端子用台座12b1,12b2が形成してある。また端子台12bには、端子用台座12b1,12b2が形成してある台座ブロックのZ軸方向の内面に、コア対向曲面12b3が形成してある。コア対向曲面12b3は、磁性コア40のベース部44におけるY軸方向端部の曲率に合わせた曲率の曲面を有し、ベース部44におけるY軸方向端部に対向して取り付けられる。
また、台座ブロックのZ軸方向の両側では、X軸方向の下方に突出する支持片12b4がZ軸方向に間隔を隔てて、それぞれ一体に形成してあり、各支持片12b4のY軸方向の内面には、ボビン対向曲面12b5が形成してある。ボビン対向曲面12b5は、ボビン20a1,30a1,50a1の外周曲率に合わせた曲率の曲面を有し、ボビン20a1,30a1,50a1の外周に対向して取り付けられる。
なお、図12に示すように、端子台13bに関しても、端子台12bと同様な構成を有する。端子台13bにおける符号13b1,13b2,13b3,14b4,14b5が、端子台12bにおける符号12b1,12b2,12b3,12b4,12b5に対応し、同様な構成を有するため、その説明は省略する。
本実施形態では、ケース90の内部にトランス10dが収容された後に、コア押さえ具100がケース90のX軸方向の上部に取り付けられる。図10および図11に示すように、コイル押さえ具100は、中央頂板部101を中央部に有する。中央頂板部101のY軸方向の両側には、屈曲段差102が形成してあり、中央頂板部101とカバー本体82(コア40)の上面との間には、十分な隙間が形成されるようになっている。
各屈曲段差102のZ軸方向の両側からY軸方向の外側に向けて押圧用平板部103が一体に形成してある。Z軸方向に隣接する各押圧用平板部103の間には、スリット108が形成してある。また、各押圧用平板部103には、X軸方向の下方に突出する膨出部104が形成してある。膨出部104は、カバー本体82(コア40)の上面に対する当接部として機能し、脚片46と反対側に位置するコア40の上面の位置で、各カバー本体82の上面を押圧するように当接する。
各押圧用平板部103には、脚部106が一体成形してあり、脚部106の先端に固定部105が形成してある。固定部105は、ケース90の4角部で、Z軸方向の中間部付近に形成してあるボス部94に対して、ボルトなどにより固定される。各脚部106には、屈曲段差と立ち下がり片が一体に成形してあり、各固定部105は、膨出部104に対して、Z軸方向の下方に位置するようになっている。
本実施形態では、コア押さえ具100は、たとえば一枚の弾力性を有する金属板材からプレス加工などにより容易に成形することができるが、樹脂製スプリング板で構成しても良い。
本実施形態では、コア40または放熱カバー80に対して直接的にはコア押さえ具100をボルトで取り付けないので、装置の薄型化および小型化が可能である。また、コア40の断面積を最大限に利用できるため、電磁気特性も向上する。さらに、コア押さえ具100は、カバー本体82の上面に対して、膨出部104のみが触れて、カバー80およびコア40を固定する構造であるために、コア押さえ具100とカバー本体82との間に隙間が形成され、放熱性にも優れている。さらに、コア押さえ具100とカバー本体82との間に隙間が形成されることから、コア押さえ具100の弾力性も向上し、放熱カバー80およびコア40をコア押さえ具100により良好に押さえつけることができる。
また、本実施形態では、コア40は、少なくとも2つに分割可能な分割コア42,42を有し、複数の膨出部104の内の少なくとも1つ、好ましくは2つ以上は、一方の分割コア42を押さえ、膨出部の内の少なくとも他の1つ、好ましくは2つ以上は、他方の分割コア42を押さえる。
このように構成することで、これらの分割コア42,42とが、製造誤差などにより多少製品寸法がばらついたとしても、これらの分割コア42,42は、別々の膨出部104により良好に押さえつけられることができる。なお、本発明では、膨出部104以外の当接部であっても良く、当接部の形状は特に限定されない。
さらに、本実施形態では、分割コア42,42は、それぞれワイヤが巻回してあるボビンの通孔に差し込まれる脚部46を、コア40の上面と反対側に有し、脚部46と反対側に位置するコア40の上面の対応部分に膨出部104が位置するように構成してある。このように構成することで、たとえばボビンやケース90の底板92に対してコア40を安定的に押し付けることが可能になり、トランス10dに振動が加わっても、コア40がボビンやケース90に対してがたつくことはなく、振動に対して強い構造となる。
本実施形態では、コア40の分割方向は特に限定されないが、コア40を上記のような分割コアに分割可能にすることで、比較的に大型のコア40でも成形が容易になると共に、コア押さえ具100により、コア40を安定的に押さえることができると共に、コア40の放熱性を向上させることができる。
さらに本実施形態では、コア押さえ具100には、スリット108が形成してある。スリット108を形成することで、放熱性がさらに向上すると共に、膨出部104と膨出部104との間で、コア押さえ具100の弾性変形がさらに容易になり、各分割コア42,42の寸法誤差を吸収して各分割コアを、さらに良好に押さえつけることが可能になる。
さらにまたコア押さえ具100には、弾力を付与する屈曲段差102などが形成してあるため、放熱性がさらに向上すると共に、当接部104と当接部104との間で、コア押さえ具100の弾性変形がさらに容易になり、各分割コアの寸法誤差を吸収して各分割コアを、さらに良好に押さえつけることが可能になる。
さらに本実施形態では、当接部は、コア40の上面に対向する押圧用平板部103の下面からカバー本体82の上面に向けて膨らんで突出する膨出部104であることで、平板部103を撓ませて膨出部104である当接部がカバー本体82の上面に弾力的に当接し、しかも平板部103のエッジ部がカバー本体82の上面に接触しない。仮に接触したとしてもコア40の上面はカバー本体82で覆われているため、コア40の上面を傷つけることなく良好に押さえつけることができる。
さらに本実施形態では、コア40が装着される固定部材であるケース90に対して固定される固定部105をコア押さえ具100が有し、固定部105は、膨出部104に対して、X軸方向の下方に位置する。このため、固定部105から当接部である膨出部104までのX軸方向の上下間隔を十分に取ることができ、固定部105から膨出部104までの弾力性をさらに向上させることができる。
本実施形態では、その他の構成および作用効果は、前述した実施形態と同様である。
10,10a,10b,10c,10d… トランス
12,13,12a,13a,12b,13b… 端子台
14,14a… 支持板
16a,16b,18a,18b,16a1,16b1,18a1,18b1,16a2,16b2,18a2,18b2… 端子金具
20a,20b,20a1,20b1… 第1ボビン
21… コア脚用貫通孔
22… 第1ワイヤ
23… 位置決め凸部
25… 引き出し用切り欠き
24… 巻回筒部
26〜28… 隔壁鍔
26a… 連絡溝
29…嵌合凹部または嵌合凸部
30a,30b,30a1,30b1… 第2ボビン
32… 第2ワイヤ
40,40a,40b… 磁性コア
42,42a,42b… 分割コア
44,44a,44b… ベース部
46,46a,46b… 脚部
48… 位置決め用凹部
50a,50b,50a1,50b1… 第3ボビン
52… 第3ワイヤ
60a,60b… 第4ボビン
62… 第4ワイヤ
80… 放熱カバー
82… カバー本体
84… 垂下片
86… 側板
87… 側板本体
88… 凸部
90… ケース
92… 底板
94… ボス部
100… コア押さえ具
101… 中央頂板部
102… 屈曲段差
103… 押圧用平板部
104… 膨出部(当接部)
105… 固定部
106… 脚部
108… スリット
第5実施形態
図10〜図12は、本発明のさらに他の実施形態に係るトランスを示している。図10〜図12に示す実施形態に係るトランス10dは、たとえば共振コイル内蔵型トランス、高結合トランスなどとして車載用充電器などに用いられ、図8および図9に示す実施形態に係るトランス10cの変形例であり、共通する部分には、共通する符号を用い、その説明は一部省略する。

Claims (7)

  1. 一次コイルまたは二次コイルの内のいずれか一方を構成する第1ワイヤが巻回される第1巻回筒部がそれぞれ形成された少なくとも一対の第1ボビンと、
    一対の前記第1ボビンに対してそれぞれ巻軸方向に着脱可能に装着され、前記一次コイルまたは二次コイルの内のいずれか他方を構成する第2ワイヤが巻回される第2巻回筒部がそれぞれ形成された少なくとも一対の第2ボビンと、
    を有するトランスであって、
    前記第1巻回筒部または第2巻回筒部の少なくともいずれかには、前記第1ワイヤまたは第2ワイヤの巻回軸に沿って相互に隣り合うワイヤ巻回部分相互を分離する隔壁鍔が形成してあり、
    前記隔壁鍔には、隣接する各区画相互を連絡する少なくとも1の連絡溝が形成してあることを特徴とするトランス。
  2. 前記第1ワイヤおよび第2ワイヤの内の少なくとも1つは、前記第1巻回筒部または第2巻回筒部の外周にα巻きされている請求項1に記載のトランス。
  3. 前記隔壁鍔で分離される各区画における前記巻回軸に沿っての区画幅は、1本のみの前記ワイヤが入り込める幅に設定してあり、
    前記隔壁鍔の高さは、1本以上の前記ワイヤが入り込める高さに設定してある請求項1または2に記載のトランス。
  4. 一対の第1ボビンは、1本の前記第1ワイヤで連絡され、一対の第2ボビンは、1本の前記第2ワイヤで連絡されている請求項1〜3のいずれかに記載のトランス。
  5. 前記第1巻回筒部の巻軸方向の両端に位置する一対の前記隔壁鍔の少なくとも一方には、前記第2巻回部の巻軸方向の両端に位置する一対の前記隔壁鍔の少なくとも一方に嵌合する嵌合凹部または嵌合凸部が形成してある請求項1〜4のいずれかに記載のトランス。
  6. 前記第1巻回筒部または第2巻回筒部には、それぞれコア脚用貫通孔が形成してあり、
    前記コア脚用貫通孔には、分離可能な磁性コアの脚部が挿入されて、磁気回路が形成される請求項1〜5のいずれかに記載のトランス。
  7. 前記第2ボビンに対してそれぞれ巻軸方向に着脱可能に装着され、第3ワイヤが巻回される第3巻回筒部がそれぞれ形成された少なくとも一対の第3ボビンをさらに有する請求項1〜6のいずれかに記載のトランス。
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