JP2015063408A - 施釉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】形状や色番の異なる施釉条件を有する衛生陶器の成形体が混載した状態で施釉工程に搬送されてきても、それぞれの成形体の所定の施釉条件に従って確実に施釉処理を行うことができる施釉装置を提供する。【解決手段】施釉装置1は、鋳込み成形した衛生陶器の成形体を乾燥後、成形体の表面に釉薬を塗布する施釉装置であり、この施釉装置1は、施釉される成形体Mを搬送する搬送路4と、搬送路からの成形体Mに釉薬を塗布する複数の施釉ブース11,12,13とを備え、成形体Mまたは成形体Mを載置するための載置台PLに、成形体の施釉条件を識別するための識別部60(65)が付与され、識別部により成形体の施釉条件を識別して、成形体を複数の施釉ブース11,12,13の内のいずれかに振り分けられる構成である。【選択図】図2

Description

本発明は、成形した陶器の成形体を乾燥後、この成形体の表面に釉薬を塗布するための施釉装置に関する。
例えば、衛生陶器を製造する際の施釉工程は、鋳込み成形した便器等の衛生陶器の成形体を乾燥後に、噴霧ノズルからこの成形体の表面に対して、所定の色の釉薬を塗布する。このように成形体の施釉を行う際には、成形体の形状や大きさの相違に基づいて規定した品番が同じであっても、異なる色の釉薬を塗布することがある。また、成形体の施釉を行う際には、成形体の品番が異なり成形体の形状が異なる物に、異なる色の釉薬を塗布することもある。このため、成形体の品番や色番によって、噴射ノズルから釉薬を施釉するための施釉ブースが別々に設定されている。
施釉工程では、乾燥済みの多種類の成形体(品番および/または色)が混載した状態で、乾燥工程から施釉ブースに、コンベア等の搬送手段を利用して搬送される。
しかし、施釉工程に先だって、成形体の品番や色番に応じて所定の施釉ブースに適切に搬送され、適切な施釉処理が行われる必要がある。これにより、成形体の施釉処理を確実に行うことができ、高い生産性が確保できる。
特許文献1には、異なる形状の成形体を検知して、その形状に応じた施釉動作を行う自動塗装装置が記載されている。
特公昭54−6055号公報
ところが、特許文献1に記載の自動塗装装置では、成形体の種類として、異なる形状の成形体を検知しているだけであるので、品番や色番の相違により異なる施釉条件を有する成形体を区別して、正しい施釉処理を行うことができない。
そこで、本発明は、形状や色番の異なる施釉条件を有する衛生陶器の成形体が混載した状態で施釉工程に搬送されてきても、それぞれの成形体の所定の施釉条件に従って確実に施釉処理を行うことができる施釉装置を提供することを目的とする。
本発明の施釉装置は、陶器の成形体を乾燥後、該成形体の表面に釉薬を塗布する施釉装置であって、前記成形体を搬送する搬送路と、前記搬送路からの前記成形体に前記釉薬を塗布する複数の施釉ブースとを備え、前記成形体または前記成形体を載置するための載置台には、前記成形体の施釉条件を識別するための識別部が設けられ、前記識別部により前記成形体の前記施釉条件を識別して、ワークとしての個々の前記成形体を、複数の前記施釉ブースのうちのいずれかの施釉ブースに振り分けて施釉処理する構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、成形体または成形体を載置するための載置台に、成形体の施釉条件を識別するための識別部が付与され、この識別部により成形体の施釉条件を識別して、施釉しようとする成形体と施釉ブースとの対応関係が明確に指示でき、成形体を複数の施釉ブースのうちのいずれかに振り分けられる。このため、形状や色番の異なる施釉条件を有する衛生陶器の成形体が混載した状態で施釉工程に搬送されてきても、それぞれの成形体の所定の施釉条件に従って確実に施釉処理を行うことができる。
好ましくは、前記識別部は、前記載置部に組み込まれた半導体チップであることを特徴とする。
上記構成によれば、識別部として半導体チップを用いることにより、施釉しようとする成形体と施釉ブースとの対応関係が明確に指示でき、成形体の所定の施釉条件に従って確実に施釉処理を行うことができる。
好ましくは、前記搬送路の上流側には、前記成形体を前記搬送路に移載するための把持手段を設け、前記把持手段は、前記成形体を把持する際に弾性変形が可能な押し当て部材と、真空パッドとを有することを特徴とする。
上記構成によれば、乾燥後の成形体を把持力だけで掴もうとすると、成形体が脆弱であることから、破損してしまうおそれがあるが、成形体を保持して移動する際には、真空パッドが成形体を吸着する力と、押し当て部材によるソフトな接触とにより、脆弱な成形体に無理な力がかからないようにして損傷を防ぎつつ、確実に成形体を掴むことができ、搬送路側に移すことができる
好ましくは、前記真空パッドは、コンバムを利用したものであることを特徴とする。
上記構成によれば、真空パッドとしてコンバムを使用することにより、比較的省スペースで配置でき、全体レイアウトがし易くなる。また、成形体を掴んで保持する力を低圧力動作で維持することができるので、成形体の圧力による破損を抑制できる。
好ましくは、前記搬送路には、前記成形体の位置ずれを検知する門ゲージが配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、載置台の上に載っている成形体の位置が、予め定めた所定の位置からずれているかどうかを判断して、成形体が位置ずれした場合には、作業者に報知すれば、作業者が成形体の位置を修正できる。
本発明は、形状や色番の異なる施釉条件を有する衛生陶器の成形体が混載した状態で施釉工程に搬送されてきても、それぞれの成形体の所定の施釉条件に従って確実に施釉処理を行うことができる施釉装置を提供することができる。
本発明の施釉装置の好ましい第1実施形態の構成例を示す平面図。 図1の施釉装置の構造例をさらに詳しく示す平面図。 成形体Mを把持して移動するための把持手段の構造例を示す図。 成形体Mの下面部側を上にして示す斜視図。 載置台PLの上に載置された成形体Mを示す斜視図。 本発明の施釉装置の好ましい第2実施形態の構成例を示す平面図。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の施釉装置の好ましい第1実施形態の構成例を示す平面図である。
図1に示す施釉装置1は、1台の移載ロボット2と、振り分けコンベア3と、搬送部4と、門ゲージ5と、制御部100を有している。図1に示す施釉装置1は、複数台の施釉ブース、例えば3台の施釉ブースである第1施釉ブース11と、第2施釉ブース1と、第3施釉ブース13を備えている。
制御部100は、例えば、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータや専用コンピュータを用いることができ、後述する工程動作を実施するためのソフトウエアが予めインストールされていて、施釉装置1の駆動に必要な制御を行う
施釉装置1は、例えば、鋳込み成形した衛生陶器の成形体Mを乾燥後に、この乾燥後の成形体Mの表面に、予め定めた施釉条件に従って、釉薬を塗布するための装置である。施釉前の成形体に施釉する際の施釉条件とは、成形体の品番や色番を含む情報である。この施釉装置1は、鋳込み成形した便器等の衛生陶器の成形体Mを乾燥する乾燥工程67と、施釉後の成形体Mを焼成する焼成工程との間に設けられた施釉工程に配置されている。乾燥工程では、鋳込み成形した衛生陶器の成形体Mを乾燥室に入れて乾燥した後に、成形体Mの生素地の点検を行う。焼成工程では、施釉後の成形体Mを焼き上げる。
まず、図1に示す第1施釉ブース11と第2施釉ブース12と第3施釉ブース13の構造例を説明する。
図1に示す第1施釉ブース11と第2施釉ブース12と第3施釉ブース13は同じ構造を有しているが、施釉前の成形体Mに対して、異なる色番の釉薬をそれぞれ塗布する役割を有している。第1施釉ブース11は、例えば「赤色の釉薬」を成形体Mに塗布する。第2施釉ブース1は、例えば「緑色の釉薬」を成形体Mに塗布する。第3施釉ブース13は、例えば「黄色の釉薬」を成形体Mに塗布する。
第1施釉ブース11と第2施釉ブース12と第3施釉ブース13は、1台の移載ロボット2を中心にして、この移載ロボット2の周りにおいて、90度毎に同じ距離を離して配列されている。すなわち、第1施釉ブース11は、移載ロボット2に対面するようにして第1ポジションP1に配置され、第2施釉ブース12は、移載ロボット2に対面するようにして第2ポジションP2に配置され、そして第3施釉ブース13は、移載ロボット2に対面するようにして第3ポジションP3に配置されている。
図1に示す第1施釉ブース11は、例えば、起立した壁により3方を区画されたボックス状の隔壁部14と、1台の第1回転載置部15と、1台の第1施釉ロボット16を有している。隔壁部14は、第1回転載置部15と第1施釉ロボット16を収容して囲っており、第1施釉ロボット16が「赤色の釉薬」を噴射して成形体Mに「赤色の釉薬」の塗膜を形成する際に、釉薬や騒音が外に漏れないようにしている。
第1回転載置部15は、回転ロクロであり、成形体Mを載置した状態で、水平回転するようになっている。第1施釉ロボット16は、第1回転載置部15に載置された成形体Mに「赤色の釉薬」を噴射して成形体Mに「赤色の釉薬」の塗膜を形成する。第1施釉ロボット16は、例えばアーム型の多軸ロボットであり、第1施釉ロボット16の動作制御は、制御部100の指令により行われる。制御部100は、第1施釉ロボット16の施釉動作と第1回転載置部15の回転動作とを、同期して動作させることで、それぞれの成形体Mに対して、第1施釉ロボット16を用いて「赤色の釉薬」を施釉可能になっている。第1施釉ボット16のアーム先端部には、例えば施釉ノズル16Aが設置されている。例えば、第1施釉ロボット16は、複数軸に関して旋回することで、施釉ノズル16Aは、成形体Mの外面の各外面部分に対して適切に「赤色の釉薬」を噴射して塗布することができる。
第2施釉ブース12と第3施釉ブース13は、第1施釉ブース11と同一の構造である。
すなわち、第2施釉ブース12は、ボックス状の隔壁部24と、1台の第2回転載置部25と、1台の第2施釉ロボット26を有している。第2施釉ロボット26は「緑色の釉薬」を噴射して成形体Mに「緑色の釉薬」の塗膜を形成する。
第2施釉ボット26のアーム先端部には、例えば施釉ノズル26Aが設置されている。例えば、第2施釉ロボット26は、複数軸に関して旋回することで、施釉ノズル26Aは、成形体Mの各外面部分に対して適切に「緑色の釉薬」を噴射して塗布することができる。
第3施釉ブース13は、ボックス状の隔壁部34と、1台の第3回転載置部35と、1台の第3施釉ロボット36を有している。第3施釉ロボット36は「黄色の釉薬」を噴射して成形体Mに「黄色の釉薬」の塗膜を形成する。
第3施釉ボット36のアーム先端部には、例えば施釉ノズル36Aが設置されている。例えば、第3施釉ロボット36は、複数軸に関して旋回することで、施釉ノズル36Aは、成形体Mの各外面部分に対して適切に「黄色の釉薬」を噴射して塗布することができる。
次に、図1に示す振り分けコンベア3と搬送部4について説明する。
図1に示すように、振り分けコンベア3と搬送部4は、施釉前の成形体Mを搬送するための搬送路RDを構成している。搬送路RDの振り分けコンベア3と搬送部4は、移載ロボット2に対面する第4ポジションP4側に配置されている。第1ポジションP1と第3ポジションP3は、移載ロボット2を挟んで対向しており、第2ポジションP1と第4ポジションP4は、移載ロボット2を挟んで対向している。
振り分けコンベア3の構造例は、後で説明するが、成形体Mの施釉条件に基づいて、制御部100が指令する施釉処理を行う順番に従って、複数の成形体Mの内の任意の成形体Mを選択して搬送部4の搬入コンベア4Aへ送る順番を振り分けて、搬送部4側に送る。この振り分けコンベア3は、第1施釉ブース11と第2施釉ブース12と第3施釉ブース13が停止状態(待機状態)にならないように稼働させることで、成形品Mの施釉処理の効率を上げるための装置である。
図1に示す搬送部4は、移載ロボット2に対応した第4ポジションP4に配置されている。この搬送部4は、搬入コンベア4Aと、成形体Mの一時保持部4Bと、搬出コンベア4Cを有している。搬入コンベア4Aと搬出コンベア4Cは、制御部100の指令により成形体Mの搬送動作をする。搬入コンベア4Aは、搬送の上流側にある振り分けコンベア3から成形体の種類(形状や大きさ)や彩色されるべき色に応じて、振り分けられた施釉前の成形体Mを、搬送方向R1に沿って、一時保持部4Bに搬送する。一時保持部4Bは、移載ロボット2に対面した位置にあり、搬入コンベア4Aにより搬送されてきた施釉前の成形体Mを、移載ロボット2の前に一時的に保持する。
搬出コンベア4Cは、第1施釉ブース11あるいは第2施釉ブース12あるいは第3施釉ブース13において施釉された成形体Mを、搬送用の載置台(パレット)に載せて、搬送方向R2に沿って搬送する。
次に、図1に示す門ゲージ5について説明する。
図1に示す施釉前の成形体Mや施釉後の成形体Mは、搬送用の載置台(パレット)PLに載せた状態で搬送するが、この成形体Mが、搬送路において所定の位置あるか、あるいは所定の位置からずれているかどうかを、チェックする必要がある。門ゲージ5は、成形体Mを載せた載置台PLが通過する際に、成形体の位置が、予め定めた所定の位置からずれているかどうかを検出する。そこで、門ゲージ5は、例えば、レーザ光源と、受光部を有しており、半導体レーザ光源がレーザ光を載置台PLと成形体Mに照射して、受光部がその照射光を受光することで、受光部は受光信号を制御部100に送る。
このため、制御部100は、門ゲージ5からの検出信号に基づいて、成形体Mを載せた載置台PLが通過する際に、成形体Mの位置が、載置台PLの所定の位置あるか、あるいは所定の位置からずれているかどうかを判断する。成形体Mが載置台PLの所定の位置から位置ずれすることによって、成形体Mが載置台PLから脱離してしまうおそれがあるので位置ずれを修正する必要がある。なお、成形体Mのずれは、焼成工程の窯詰め不良にもつながる。
そこで、制御部100が、成形体Mが搬送路から位置ずれしていると判断した場合には、制御部100は例えばスピーカを用いて音声により作業者に報知したり、ブザーを用いて音で作業者に警報したり、あるいはランプを用いて光により作業者に報知することができる。このため、作業者は、この報知を知ることで、成形体Mの位置ずれを修正することができる。門ゲージ5としては、半導体レーザ光源と受光部の組み合わせに代えて、例えば発光ダイオード光源と受光ダイオードとを組み合わせても良い。
図2は、図1に示す施釉装置1の構造例を、さらに詳しく示している。
図2に示すように、振り分けコンベア3は、上述したように、前工程である乾燥工程6と、搬送部4の搬入コンベア4Aとの間に配置されている。この振り分けコンベア3は、施釉前の成形体Mの施釉条件に基づいて、制御部100が指令する施釉処理を行う順番に従って、複数の成形体Mの内の任意の成形体Mを選択して搬送部4の搬入コンベア4Aへ送る順番を振り分けて、搬送部4側に送る。これにより、振り分けコンベア3は、第1施釉ブース11と第2施釉ブース12と第3施釉ブース13が効率良く稼働できるようにして、成形品Mの施釉処理の効率を上げる。
図2に示すように、振り分けコンベア3は、待機部40と、搬出準備部41を有している。待機部40は、複数の載置台PLを載せており、R方向に順次直列に整列されている。このR方向は、搬送方向R1と平行である。待機部40上の各載置台PL上には、乾燥工程7から搬送されてくる乾燥済みで施釉前の成形体Mを、乾燥工程67側の載置台Pから順次移し替えて載せるようになっている。図2の例では、待機部40には、すでに最大6つの施釉前の成形体Mを載せた載置台PLが、R方向に順次直列に整列されており、各施釉前の成形体Mを載せた載置台PLは、整列位置H1からH6に載せてある。
図2に示すように、搬出準備部41は、待機部40に平行に配置されている。搬出準備部41は、搬出位置G1からG6を有しており、搬出位置G1からG6は、整列位置H1からH6にそれぞれ対応している。整列位置H1からH6に配置された施釉前の成形体Mを載せた載置台PLは、それぞれ図示しない押し出し手段を用いて、対応する位置の整列位置H1からH6に水平に押し出して、搬出準備をすることができる。
図2の図示例では、判り易くするために、整列位置H3からH6には、4つの施釉前の成形体Mを載せた載置台PLが整列され、搬出位置G1、G2には、すでに2つの施釉前の成形体Mを載せた載置台PLが位置決めされている。
次に、図3を参照して、成形体Mを把持して移動するための把持手段50について説明する。図3は、成形体Mを把持して移動するための把持手段50の構造例を示しており、図3(A)は、成形体Mを把持する前の状態を示し、図3(B)は、成形体Mを把持して持ち上げて移動しようとする状態を示している。
図3に示すように、把持手段50は、例えば、図1に示すように前工程である乾燥工程7から、振り分けコンベア3に対して、成形品Mを把持して搬送するために用いられる。この把持手段50は、乾燥工程6において載置台PLに載せた施釉前の成形体Mを把持して、この施釉前の成形体Mを、振り分けコンベア3の整列位置H1からH6上の載置台PLにそれぞれ移すことができる。
図3(A)に示すように、把持手段50は、例えば左右の真空パッド51,51と、操作アクチュエータ52,52と、真空吸引源53と、ベース部材54と、移動操作部55を有している。真空パッド51,51の内側において成形体Mに直接触れる部分には、ゴム等の弾性変形可能な押し当て部材51Pが配置されている。しかも、この真空パッド51,51としては例えばコンバムを用いることができる。
ここで、「コンバム」とは、所謂真空発生器であり、吸着パッドの連通空間に対して、圧縮空気をデイフューザを有する拡散室に送り込み、その高速流により拡散室の圧力がベルヌウーイの定理に基づいて急速に低下することで、効果的に負圧を生成する機器である。
ベース部材54は、操作アクチュエータ52,52と真空吸引源53を保持している。移動操作部55は、ベース部材54の移動操作を行う。制御部100が操作アクチュエータ52,52を動作させると、図3(A)から図3(B)に示すように、左右の真空パッド51,51が成形体Mを、ソフトに挟んで保持することができる。しかも、制御部10は、真空吸引源53を動作させて左右の真空パッド51,51を通じて成形体Mを吸引する。これにより、真空パッド51,51の押し当て部材51Pは、成形体Mの表面に倣ってソフトに押し付けることができ、押し当て部材51Pは成形体Mの表面に倣って弾性変形する。
このように真空パッド51,51がソフトに挟んで保持し、しかも吸引するのは次の理由からである。すなわち、施釉前の成形体M(乾燥後の成形体M)を把持力だけで掴もうとすると、施釉前の成形体Mが脆弱であることから、破損してしまうおそれがある。そこで、施釉前の成形体Mを保持して移動する際には、真空パッド51,51がソフトに挟んで保持し、しかも吸引することにより、脆弱な施釉前の成形体Mを破損しないようにして確実に施釉前の成形体Mを掴むことができ、搬送路の一部でもある振り分けコンベア3の待機部40に安全に移すことができる。
また、真空パッド51,51としてコンバムを使用することにより、比較的省スペースで配置でき、全体レイアウトがし易くなる。また、成形体Mを掴んで保持する力を低圧力動作で維持することができるので、成形体Mの圧力による破損を抑制できる。
図4は、成形体Mの下面部MB側を上にして示す斜視図であり、図5は、載置台PLの上に載置された成形体Mを示す斜視図である。
図4(A)と図5に示すように、成形体Mは、施釉する対象ワークであるが、この施釉前の成形体Mの下面部MBには、識別コードを有する識別部60が予め組み込まれている。この識別部60は、施釉前の成形体に施釉する際の施釉条件である成形体Mの品番や色番を含む情報を識別するためのもので、例えばバーコードである。この識別部60には、例えばワーク品番(型番)と、施釉しようする釉薬の色番を含む情報が予め記憶されている。この識別部60のワーク品番と施釉する釉薬の色番を含む情報は、識別体読み取り装置(バーコードリーダー)61により読み取って、制御部100に送られる。
また、図5に示すように、載置台PLの上面には、識別コードを記憶する識別部の別の例である記憶媒体65が組み込まれている。この記憶媒体65としては、少なくとも、ワークである成形品の品番と色番に関する情報を書き込みおよび読み出し可能な記憶媒体が好ましく、例えばICチップ等の半導体チップを採用できる。記憶及び読み取り装置66は、この記憶媒体65に成形体Mの識別コードであるワーク品番と施釉する釉薬の色番を含む情報を記憶させたり、この識別コードを読みだすのに用いられる。読み出されたワーク品番と施釉する釉薬の色番を含む情報は、記憶及び読み取り装置66から、制御部100に送られる。
このように、成形体Mの下面部MBには、成形体Mの識別コードを有する識別部60が組み込まれており、載置台PLの上面には、成形体Mの識別コードを記憶する記憶媒体65が組み込まれていることから、成形体Mの品番(型番)、成形体Mに施釉しようとする色成形体Mの情報に基づいて、成形体M自体と、この成形体Mを搬送するために用いられる載置台PLとの対応を、明確に把握できる。このため、成形体Mは、第1施釉ブース11あるいは第2施釉ブース12あるいは第3施釉ブース13に対して適切に送って、成形体Mに予め指定されている正しい色の釉薬を、施釉前の成形体Mに対して正確に塗布することができる。
なお、ワーク品番は、成形体Mの品番(型番)を区別するために付与されており、施釉する釉薬の色情報としては、例えば「赤色」、「緑色」、「黄色」である。
次に、上述した施釉装置1による動作例を、図2を中心として図1と図3と図4を参照しながら説明する。
図2に示すように、施釉装置1は、鋳込み成形した便器等の衛生陶器の成形体Mを乾燥する乾燥工程6と、施釉後の成形体Mを焼成する焼成工程70と、の間に設けられた施釉工程に配置されている。
図2に示す施釉装置1の動作例では、複数の施釉前の成形品Mの品番は全て同じであるが、施釉前の成形品Mに釉薬を塗布する際の釉薬の色番が異なる場合を示している。すなわち、同じ品番の複数の施釉前の成形品Mが、前工程である乾燥工程6から送られてくるが、各施釉前の成形品Mには、予め定めた異なる色番の釉薬が塗装されるようになっている。この異なる色番の釉薬としては、「赤色の釉薬」、「緑色の釉薬」、「黄色の釉薬」を使用する。
図2に示す第1施釉ブース11は、施釉前の成形品Mに対して「赤色の釉薬」を塗布する専用のブースである。第2施釉ブース12は、施釉前の成形品Mに対して「緑色の釉薬」を塗布する専用のブースである。そして、第3施釉ブース13は、施釉前の成形品Mに対して「黄色の釉薬」を塗布する専用のブースである。
図2を参照すると、振り分けコンベア3の待機部40は、複数の載置台PLを備えており、R方向に順次直列に整列されている。待機部40の各載置台PL上には、乾燥工程67から乾燥済みの成形体M(施釉前の成形体M)を、順次移し替える。このように、施釉前の成形体Mを乾燥工程6の載置台PLから、待機部40の各載置台PL上に移し替える際には、図4に示す識別体読み取り装置61が、成形体Mの識別部60の品番(ワーク品番)を読み込んで、識別体読み取り装置61は、成形体Mの識別部60の品番を、制御部100に送る。
制御部100は、得られた施釉前の成形体Mの品番を、図5に示す記憶及び読み取り装置66を用いて、図5に示す待機部40上にある該当する載置台PLの記憶媒体65に書き込む。これにより、乾燥工程6の載置台PLから、待機部40の各載置台PL上に移し替えた施釉前の成形体Mの品番と、この施釉前の成形体Mを載せた該当する載置台PLの記憶媒体65に書き込まれた成形体Mの品番とが一致することになる。
次に、図2に示す制御部100が、第1施釉ブース11と第2施釉ブース12と第3施釉ブース13の稼働状況について、例えば、第1施釉ブース11と第2施釉ブース12は、共に釉薬の塗布中(スプレー稼働中)であると判断し、第3施釉ブース13のみが、釉薬の塗布を行ってはおらず、次の施釉しようとする成形体Mを待っている待機状態である、と判断した場合について説明する。
図2に示す第1施釉ブース11と第2施釉ブース12は釉薬の塗布中であるので直ぐには使用できないが、「黄色の釉薬」を塗布するための第3施釉ブース13は直ぐに施釉前の成形体を受け入れて施釉処理をすることができる状態である。このため、待機部40にある施釉前の成形体M(説明を判り易くするために施釉前の成形体M1という)が載っている載置台PL(説明を判り易くするために載置台PL1という)に対して、図5に示す制御部100の指令により、記憶及び読み取り装置66が載置台PL1の記憶媒体65に対して、載っている成形体M1の色番の情報「黄色」を書き込む。
そして、この成形体M1を載せた載置台PL1は、振り分けコンベア3において待機部40から搬出準備部41側に、図示しないアクチュエータを作動することで、V方向に移動して位置決めする。
図2に示すように、搬出準備部41に位置決めされた成形体M1を載せた載置台PL1は、搬入コンベア4Aにより一時保持部4Bに搬送されて、一時保持部4Bにおいて一時的に保持される。制御部100が移載ロボット2を作動することで、移載ロボット2は、一時保持部4B上の載置台PL1から施釉前の成形体M1だけを把持して持ち上げて、この施釉前の成形体M1を第3施釉ブース13内の第3回転載置部35に移して第3回転載置部35上に載せる。
そして、制御部100は、第3施釉ロボット36との施釉動作と、第3回転載置部35の回転動作を、同期して制御することで、第3施釉ロボット36は、第3回転載置部35に載置された成形体M1に、「黄色の釉薬」を噴射して成形体M1に「黄色の釉薬」の塗膜を形成することができる。
このように成形体M1に対して「黄色の釉薬」が施釉されると、制御部100が移載ロボット2を作動することで、移載ロボット2は、第3回転載置部35上にある「黄色の釉薬」が施釉済みの成形体M1を、搬出コンベア4C側にある別の載置台PL10に移して載せる。
このように、移載ロボット2は、第3回転載置部35上にある「黄色の釉薬」が施釉済みの成形体M1を、搬出コンベア4C側に移す途中では、図4に示す識別体読み取り装置61が成形体M1の識別部60を読み取って、成形体1Mの品番を読み込んで、制御部100に送る。制御部100は、成形体M1の品番と、「黄色の釉薬」の色情報を、図5の記憶及び読み取り装置66を用いて、施釉済みの成形体M1の搬出コンベア4C側にある別の載置台PL10の記憶媒体65に記憶させる。これにより、「黄色の釉薬」の施釉済みの成形体M1の品番と、色番の情報は、この成形体M1を載せている載置台PL10の記憶媒体65に記憶させた品番と、色番の情報と、一致させることができる。
そして、制御部100の指令により、搬出コンベア4Cは、搬送方向R2に沿って成形体M1を載せている載置台PL10を、門ゲージ5に通した後、次工程である焼成工程70に送る。
さらに、成形体M1を載せている載置台PL10が門ゲージ5を通ることにより、制御部100は、成形体Mを載せた載置台PLが通過する際に、成形体Mの位置が、予め定めた所定の位置からずれているかどうかを判断することができる。成形体Mが位置ずれした場合には、制御部100は例えばスピーカを用いて音声により作業者に報知したり、ブザーを用いて音で作業者に警報したり、あるいはランプを用いて光により作業者に報知することができる。このため、作業者は、成形体Mの位置ずれを修正することができる。
以上のようにして、まずは、施釉装置1を用いた成形体M1に対する「黄色」の施釉処理が完了する。
次に、図2において、制御部100が、第1施釉ブース11と、第2施釉ブース12と、第3施釉ブース13の稼働状況について、例えば、第2施釉ブース12と第3施釉ブース13は、共に釉薬の塗布中(スプレー稼働中)であると判断し、「赤色の釉薬」を塗布するための第1施釉ブース11のみが、釉薬の塗布を行ってはおらず、次の施釉しようとする成形体を待っている待機状態であると判断した場合について説明する。
図2に示す第1施釉ブース11は使用できるので、待機部40にある成形体M(説明を判り易くするために成形体M2という)が載っている載置台PL(説明を判り易くするために載置台PL2という)に対して、図5に示す制御部100の指令により、記憶及び読み取り装置66が載置台PL2の記憶媒体65に、載っている成形体M2の色番の情報「赤色」を書き込む。
そして、この成形体M2を載せた載置台PL2は、振り分けコンベア3において待機部40から搬出準備部41側に、図示しないアクチュエータを作動することで、V方向に移動して位置決めする。
搬出準備部41に位置決めされた成形体M2を載せた載置台PL2は、搬入コンベア4Aにより一時保持部4Bに搬送され、一時保持部4Bに一時的に位置決めされる。そして、制御部100は、移載ロボット2を作動することで、移載ロボット2は、一時保持部4B上の載置台PL2から成形体M2だけを把持して持ち上げて、成形体M2を第1施釉ブース11内の第1回転載置部15に移して第1回転載置部15に載せる。制御部100は、第1施釉ロボット16との施釉動作と、第1回転載置部15の回転動作を、同期して制御することで、第1施釉ロボット16は、第1回転載置部15に載置された成形体M2に「赤色の釉薬」を噴射して成形体M2に「赤色の釉薬」の塗膜を形成することができる。
このように成形体M2に対して「赤色の釉薬」が施釉されると、制御部100が移載ロボット2を作動することで、移載ロボット2は、第1回転載置部15上にある「赤色の釉薬」の施釉済みの成形体M2を、搬出コンベア4C側にある別の載置台PL10に移して載せる。
このように、移載ロボット2は、第1回転載置部15上にある「赤色の釉薬」が施釉済みの成形体M2を、搬出コンベア4C側に移す途中では、図4に示す識別体読み取り装置61が成形体M2の識別部60を読み取って、成形体M2の品番を読み込み制御部100に送る。制御部100は、成形体M2の品番と、「赤色の釉薬」の色番の情報と、図5の記憶及び読み取り装置66を用いて、成形体M2の搬出コンベア4C側にある別の載置台PL10の記憶媒体65に記憶させる。これにより、「赤色の釉薬」の施釉済みの成形体M2の品番と、色番の情報は、この成形体M2を載せている載置台の記憶媒体65に記憶させた品番と、色番の情報と、一致させることができる。
そして、制御部100の指令により、搬出コンベア4Cは、搬送方向R2に沿って成形体M2を載せている載置台PLを、門ゲージ5に通した後、次工程である焼成工程70に送ることができる。
このように、制御部100は、第1施釉ブース11と、第2施釉ブース12と、第3施釉ブース13の稼働情報を把握しながら、第1施釉ロボット16と第2施釉ロボット26と第3施釉ロボット36が常に稼働状況にできるように、施釉しようとする成形体Mは、その色番におうじて、振り分けコンベア3において待機部40から搬出準備部41に振り分けて位置決めして、稼働していない第1施釉ブース11あるいは第2施釉ブース12あるいは第3施釉ブース13のいずれかに向けて搬出することができる。これにより、第1施釉ブース11と第2施釉ブース12と第3施釉ブース13の稼働率を上げることができる。
(第2実施形態)
図6は、本発明の施釉装置の好ましい第2実施形態の構成例を示す平面図である。
以下の実施形態において、第1実施形態と共通する構成についてはその説明を援用することとして省略し、以下相違点についてのみ詳しく述べる。
図2に示す施釉装置1の動作例は、複数の成形品Mの品番(型番)は全て同じであるが、成形品Mに釉薬を塗布する際の釉薬の色番が異なる場合である。
これに対して、図6に示す施釉装置1の動作例は、複数の成形品Mの品番(型番)は全てが同じではなく、複数の品番があり、しかも施釉前の成形品Mに釉薬を塗布する際の釉薬の色番も異なる場合である。ただし、図2に示す施釉装置1の各要素が、図6に示す施釉装置1の対応する要素と同様の構成である場合には、同じ符号を記してその説明を用いることにする。
図6では、成形体としては、例えば異なる2種類の品番の成形体MAと成形体MBがあり、成形品MA,MBに釉薬を塗布する際の釉薬の色番としては、「赤色の釉薬」、「緑色の釉薬」、「黄色の釉薬」を使用する。第1施釉ブース11は、例えば「赤色の釉薬」を成形体MAあるいは成形体MBに塗布する。第2施釉ブース1は、例えば「緑色の釉薬」を成形体MAあるいは成形体MBに塗布する。第3施釉ブース13は、例えば「黄色の釉薬」を成形体MAあるいは成形体MBに塗布する。
図6に例示するように、搬送部3の待機部40の整列位置H1からH6には、前工程である乾燥工程67から搬送された例えば施釉前の成形体MB、MA,MA,MB,MA,MBがそれぞれ配置されている。
待機部40の各載置台PL上には、乾燥工程6から搬送されてくる施釉前の成形体Mを、順次移し替える。このように、乾燥済みの成形体Mを乾燥工程6の載置台PLから、待機部40の各載置台PL上に移し替える際には、図4に示す識別体読み取り装置61が、成形体Mの別体60の品番を読み込んで、識別体読み取り装置61は、成形体Mの識別部60の品番を、制御部100に送る。
制御部100は、得られた成形体Mの識別部60の品番を、図5の記憶及び読み取り装置66を用いて、待機部40上の該当する載置台PLの記憶媒体65に書き込む。これにより、乾燥工程67の載置台PLから、待機部40の各載置台PL上に移し替えた成形体Mの識別部60の品番と、この成形体Mを載せた該当する載置台PLの記憶媒体65に書き込まれた成形体Mの識別部60の品番が一致することになる。
ここで、施釉装置1の動作を具体的に判り易く説明するために、図6に例示するように、第1施釉ブース11は、例えば成形体MAの施釉の手配がされている個数が100個であるとし、成形体MBの施釉の手配がされている個数が100個であるとした場合に、すでに行った施釉処理の実績としては、成形体MAの施釉処理済みの個数が100個で、成形体MBの施釉処理済みの個数が80個であるとする。
同様にして、第2施釉ブース12は、例えば成形体MAの施釉の手配がされている個数が100個であるとし、成形体MBの施釉の手配がされている個数が100個であるとした場合に、すでに行った施釉処理の実績としては、成形体MAの施釉処理済みの個数が100個で、成形体MBの施釉処理済みの個数が90個であるとする。
さらに、第3施釉ブース13は、例えば成形体MAの施釉の手配がされている個数が100個であるとし、成形体MBの施釉の手配がされている個数が100個であるとした場合に、すでに行った施釉処理の実績としては、成形体MAの施釉処理済みの個数が90個で、成形体MBの施釉処理済みの個数が90個であるとする。
図6において、施釉前の成形体MAに関する施釉処理の稼働率を見ると、第3施釉ブース13における「黄色の釉薬」の施釉処理の実績個数が90個であることから、100個には達しておらず、施釉前の成形体MAに関しては、第3施釉ブース13における「黄色の釉薬」の施釉処理だけが未達成である。第3施釉ブース13は、第1施釉ブース11と第2施釉ブース12に比べて、成形体MAに関しては施釉処理の進捗率が一番低い。
そこで、図6において、「黄色の釉薬」の施釉処理を行おうとする施釉前の成形体MAを載せた載置台PLAが、待機部40の整列位置H2から搬出準備部41の搬出位置G2まで、他の成形体MA,MBに優先して押し出されて位置決めされる。この搬出準備部41の搬出位置G2に位置決めされた成形体MAを載せた載置台PLAは、搬送方向R1に沿って搬入コンベア4Aから一時保持部4Bに搬送される。制御部100は、移載ロボット2を作動させて、一時保持部4Bに位置決めされた成形体MAを、第3施釉ブース13内の第3回転載置部35に移す。そして、制御部100は、第3施釉ロボット36の施釉動作と第3回転載置部35の回転動作とを、同期して動作させることで、成形体MAに対して、第3施釉ロボット36を用いて「黄色の釉薬」を施釉することができる。
次に、図6において、成形体MBに関する施釉処理の稼働率を見ると、第1施釉ブース11における「赤色の釉薬」の施釉処理の実績個数が80個であることから、100個には達しておらずに第1施釉ブース11における「赤色」の施釉処理だけが未達成である。第1施釉ブース11は、第2施釉ブース12と第3施釉ブース13に比べて、成形体MBに関しては施釉処理の進捗率が一番低い。
そこで、「赤色の釉薬」の施釉処理を行おうとする施釉前の成形体MBを載せた載置台PLBが、待機部40の整列位置H1から搬出準備部41の搬出位置G1まで、他の成形体MA,MBに優先して押し出されて位置決めされる。この搬出準備部41の搬出位置G1に位置決めされた成形体MBを載せた載置台PLBは、搬送方向R1に沿って搬入コンベア4Aから一時保持部4Bに搬送される。制御部100は、移載ロボット2を作動させて、一時保持部4Bに位置決めされた成形体MBを、第1施釉ブース11内の第1回転載置部15に移す。そして、制御部100は、第1施釉ロボット16の施釉動作と第1回転載置部15の回転動作とを、同期して動作させることで、成形体MBに対して、第1施釉ロボット16を用いて「赤色の釉薬」を施釉することができる。
さらに、成形体MBに関する施釉処理の稼働率を見ると、第2施釉ブース12における「緑色の釉薬」の施釉処理の実績個数が90個であることから、100個には達しておらずに第2施釉ブース12における「緑色の釉薬」の施釉処理だけが未達成である。そこで、「緑色」の施釉処理を行おうとする成形体MBを載せた載置台PLCが、待機部40の整列位置H4から搬出準備部41の搬出位置G4まで押し出され、この搬出準備部41の搬出位置G4に位置決めされた成形体MBを載せた載置台PLCは、搬送方向R1に沿って搬入コンベア4Aから一時保持部4Bに搬送される。制御部100は、移載ロボット2を作動させて、一時保持部4Bに位置決めされた成形体MBを、第2施釉ブース12内の第2回転載置部25に移す。そして、制御部100は、第2施釉ロボット26の施釉動作と第2回転載置部25の回転動作とを、同期して動作させることで、成形体MBに対して、第2施釉ロボット26を用いて「緑色の釉薬」を施釉することができる。
このように、本発明の第2実施形態の振り分けコンベア3内では、2種類の型番の成形体MA,MBが、待機部40において基本的には前詰めにして配列して振り分けを行う。施釉処理の進捗率や、成形体の品番や色番をも考慮して、第1施釉ブース11と第2施釉ブース12と第3施釉ブース13のいずれもが停止状態にはならずに常に稼働できるようにするために、成形品MA,MBが、空いている第1施釉ブース11と第2施釉ブース12と第3施釉ブース13に対して振り分けて供給することができる。これにより、第1施釉ブース11と第2施釉ブース12と第3施釉ブース13の稼働率を上げることができる。
本発明の実施形態の施釉装置1は、鋳込み成形した衛生陶器の成形体を乾燥後、成形体の表面に釉薬を塗布する施釉装置である。この施釉装置1は、施釉される成形体Mを搬送する搬送路4と、搬送路からの成形体Mに釉薬を塗布する複数の施釉ブース11,12,13と、を備え、成形体Mまたは成形体Mを載置するための載置台PLに、成形体の施釉条件を識別するための識別部60(65)が付与され、識別部により成形体の施釉条件を識別して、成形体を複数の施釉ブース11,12,13の内のいずれかに振り分けられる構成である。
これにより、成形体または成形体を載置するための載置台に、成形体の施釉条件を識別するための識別部が付与され、この識別部により成形体の施釉条件を識別して、施釉しようとする成形体と施釉ブースとの対応関係が明確に指示でき、成形体を複数の施釉ブースの内のいずれかに振り分けられる。このため、形状や色番の異なる施釉条件を有する衛生陶器の成形体が混載した状態で施釉工程に搬送されてきても、それぞれの成形体の所定の施釉条件に従って確実に施釉処理を行うことができる。この施釉条件とは、成形体の品番や色番を含む情報である。
識別部は、載置部に組み込まれた半導体チップである。これにより、識別部として半導体チップを用いることにより、施釉しようとする成形体と施釉ブースとの対応関係が明確に指示でき、成形体の所定の施釉条件に従って確実に施釉処理を行うことができる。
搬送路の上流側には、成形体を搬送路に移載するための把持手段を設け、把持手段は、成形体を把持するための真空パッドを有する。これにより、乾燥後の成形体を把持力だけで掴もうとすると、成形体が脆弱であることから、破損してしまうおそれがあるが、成形体を保持して移動する際には、真空パッドが成形体をソフトに挟んで保持して吸引することにより、脆弱な成形体を破損しないようにして確実に成形体を掴むことができ、搬送路側に移すことができる
真空パッドは、コンバムを利用したものである。これにより、真空パッドとしてコンバムを使用することにより、比較的省スペースで配置でき、全体レイアウトがし易くなる。また、成形体を掴んで保持する力を低圧力動作で維持することができるので、成形体の圧力による破損を抑制できる。
搬送路には、成形体の位置ずれを検知する門ゲージが配置されている。これにより、成形体の位置が、予め定めた所定の位置からずれているかどうかを判断して、成形体が位置ずれした場合には、作業者に報知すれば、作業者が成形体の位置を修正できる。
ところで、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明は様々な修正と変更が可能であり、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変形が可能である。
本発明は、「衛生陶器」の施釉に限らず、種々の種類の陶器でなる成形体への施釉を行う装置に適用できる。
図1に示す施釉装置1は、例えば3台の施釉ブースである第1施釉ブース11と第2施釉ブース1と第3施釉ブース13を備えている。しかし、施釉装置1は、2台あるいは4台以上の施釉ブースを備えるようにしても良い。
図示例の衛生陶器の成形体Mとしては、例えば便器であるが、特に限定されない。施釉する釉薬の色情報としては、例えば「赤色」、「緑色」、「黄色」を用いているが、これに限らず2種類の色情報、あるいは4種類以上の色情報であっても良い。
図4と図5に示す例では、成形体Mの下面部MBには、施釉前の成形体の施釉条件を有する識別コードを有する識別部60が組み込まれている。
上述した図3に示す把持手段50の構造は、図2に示す移載ロボット2の把持部としても用いることができる。これにより、移載ロボット2が、施釉前の成形体Mを、一時保持部4Bから第1施釉ブース11あるいは第2施釉ブース12あるいは第3施釉ブース13に対して移したり、施釉済みの成形体Mを、第1施釉ブース11あるいは第2施釉ブース12あるいは第3施釉ブース13から搬出コンベア4C側に移す場合に、成形体Mを破損せずに移すことができる。
上述した各実施形態については、一部の構成についてこれを省略し、あるいは互いに組み合わせたり、各実施形態の説明では触れていない他の構成と組み合わせて実施することも可能であり、このような技術も本発明の範囲に包含される。
1・・・施釉装置、2・・・移載ロボット、5・・・門ゲージ、11・・・第1施釉ブース、12・・・第2施釉ブース、13・・・第3施釉ブース、15・・・回転載置部、25・・・回転載置部、35・・・回転載置部、60・・・識別部、65・・・識別部としての記憶媒体(半導体チップ)、100・・制御部、RD・・・搬送路、M・・・・成形体、M1・・・成形体、M2・・・成形体、PL・・・載置台、PL1・・載置台、PL2・・載置台、PL10・載置台

Claims (5)

  1. 陶器の成形体を乾燥後、該成形体の表面に釉薬を塗布する施釉装置であって、
    前記成形体を搬送する搬送路と、
    前記搬送路からの前記成形体に前記釉薬を塗布する複数の施釉ブースと
    を備え、
    前記成形体または前記成形体を載置するための載置台には、前記成形体の施釉条件を識別するための識別部が設けられ、
    前記識別部により前記成形体の前記施釉条件を識別して、ワークとしての個々の前記成形体を、複数の前記施釉ブースのうちのいずれかの施釉ブースに振り分けて施釉処理する構成とした
    ことを特徴とする施釉装置。
  2. 前記識別部は、前記載置部に組み込まれた半導体チップであることを特徴とする請求項1に記載の施釉装置。
  3. 前記搬送路の上流側には、前記成形体を前記搬送路に移載するための把持手段を設け、前記把持手段は、前記成形体を把持する際に弾性変形が可能な押し当て部材と、真空パッドとを有することを特徴とする請求項2に記載の施釉装置。
  4. 前記真空パッドは、コンバムを利用したものであることを特徴とする請求項3に記載の施釉装置。
  5. 前記搬送路には、前記載置台の上の成形体の位置ずれを検知する門ゲージが配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の施釉装置。
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