JP2015063173A - 鞍乗型車両の懸架構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一端が車体フレーム11に揺動可能に支持され、他端で後輪3を回転可能に支持するスイングアーム14と、一端が車体フレーム11に支持され、他端がリンク機構44を介してスイングアーム14に支持されるリアクッション22とを備え、リンク機構44が、リアクッション22の他端とスイングアーム14とを連結する第1リンク61と、一端が第1リンク61に連結され、車体連結孔部62aが車体フレーム11に連結される第2リンク62,62とを備える鞍乗型車両の懸架構造であって、第2リンク62,62は、リアクッション22の左右にそれぞれ独立して設けられ、左右一対の第2リンク62,62の内幅Wは、リアクッション22のバンプラバー収納部47の外径D2よりも大きい。
【選択図】図5
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、リンク機構を備えた鞍乗型車両の懸架構造において、クッションの低重心化を図ることができるようにすることを目的とする。
本発明によれば、クッションのばね受け部は、ばね受け部の外径よりも大きく設定された左右一対の第2リンクの内幅の内側を通ることができ、ばね受け部をよりリンク機構側に配置できるため、クッションの低重心化を図ることができる。
本発明によれば、前端支持部及び締結部材が邪魔にならず、左右の前端支持部の間にスペースを確保でき、このスペースにばね受け部を通すことができる。これにより、低重心化を図りつつ、このスペースを利用してクッションを前方の車体側に寄せて配置し、マスの集中化を図ることができる。
本発明によれば、ハの字状の形状により、第2リンクの一端の外幅を小さくでき、第2リンクの一端の外側方にスペースを確保できるため、スペースを有効利用して他の部品を配置できる。
さらに、本発明は、車幅方向の一方側に、平面視で前記スイングアーム(14)と重なって設けられて前記後輪(3)に駆動力を伝達する駆動チェーン(36)が配置され、前記前端支持部(55)に前記駆動チェーン(36)をガイドするチェーンローラー(77)が取り付けられることを特徴とする。
本発明によれば、チェーンローラーを支持する専用の部品が必要なく、簡単な構造でチェーンローラーを設けることができる。
また、クッションを前方の車体側に寄せて配置し、マスの集中化を図ることができる。
また、第2リンク外側方のスペースを有効利用して他の部品を配置できる。
さらに、簡単な構造でチェーンローラーを設けることができる。
自動二輪車10は、車体フレーム11(車体)にエンジン12が支持され、前輪(不図示)を支持するフロントフォーク(不図示)が車体フレーム11の前端のヘッドパイプ(不図示)に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム14が車体フレーム11の後部側に設けられた車両である。自動二輪車10は、運転者が跨るようにして着座するシート15が車体フレーム11の上方に支持されるとともに、前後のクッションユニットのクッションストロークが長く確保されたオフロードタイプの鞍乗型車両である。
左右のセンターフレーム18の下部は、車幅方向に延びる下部クロスメンバ18aによって連結されている。
運転者が足を載せるステップ37は、センターフレーム18の下部に左右一対で設けられる。右側のセンターフレーム18には、後輪3の油圧式制動装置のマスターシリンダー39が固定されている。
エンジン12の後部は、クランクケース23の後面部に形成された支持孔部(不図示)に、ピボット軸21が挿通されることで車体フレーム11に支持されている。
燃料タンク32は、エンジン12の上方でメインフレーム16に支持されている。ラジエーター33は、シリンダ部24の前方に配置されている。エンジン12を下方から覆うアンダーガード38は、アンダーフレーム19に設けられている。
図1及び図2を参照し、リアクッション22は、上部に設けられる筒状のダンパー部40と、ダンパー部40の油室内を摺動するピストン(不図示)が一端に設けられたロッド41と、ロッド41の他端が接続されるロッド支持部56とを備える。
ダンパー部40の下部及びロッド41は、コイルばね43の内径側に挿通される。ダンパー部40は、リング状の上部ばね受け部(不図示)を外周部に有し、その上端側からダンパー部40及びロッド41が内径側に差し込まれたコイルばね43は、上部ばね受け部の下面と下部ばね受け部材42の上面との間で圧縮されている。
リアクッション22は、車体フレーム11に連結される上端連結部45をダンパー部40の上端に有する。センターフレーム18は、左右のセンターフレーム18の上部間を連結する上部クロスメンバ(不図示)を有し、この上部クロスメンバの後面には、後上方に突出する一対の板状のクッションステー46が設けられている。上端連結部45は、左右のクッションステー46間に設けられる上端支持軸45aによって回動自在に軸支される。
リアクッション22の下端をリンク機構44に連結するリンク連結部50は、ロッド支持部56の下端に設けられている。
ばね受け部材42は、有底円筒状に形成されており、円筒状のバンプラバー収納部47(ばね受け部)と、バンプラバー収納部47の下面を塞ぐ底部58と、バンプラバー収納部47の上端部の外周から径方向へ鍔状に突出するばね受け板部48とを有する。
また、ばね受け部材42は、ばね受け板部48の内周側の周縁部から上方に突出してコイルばね43の下端の内径部に嵌合するばねガイド部49を有する。ばね受け部材42の下端の外周部には、曲面状の面取り部42aが全周に亘って形成されている。
ばね受け部材42の底部58には、ロッド支持部56の上端の突出部56aが係合する係合孔58aが形成されている。ばね受け部材42は、係合孔58aが突出部56aに係合するとともに、ロッド支持部56の上端の段部56bに受けられることで、位置決めされる。
コイルばね43の下端は、ばね受け板部48の上面によって受けられる。ばね受け板部48が設けられるバンプラバー収納部47は、コイルばね43の荷重をその全体で受けるばね受け部である。
バンプラバー57は、円筒状に形成されており、中心に設けられたロッド嵌合孔57aがロッド41の下端に嵌合することで、ロッド41に装着される。バンプラバー57は、大部分がバンプラバー収納部47内に収納されており、ラバー上端部57bのみが、ばね受け部材42の上面の開口から上方に突出している。
なお、本実施の形態では、ばね受け板部48及びバンプラバー収納部47が一体に形成されているが、これらは別体で形成されていても良い。
図2、図4及び図5に示すように、スイングアーム14は、前後方向に延在する左右一対のアーム部51,52と、ピボット軸21に軸支される前端部の後方で左右のアーム部51,52を車幅方向に連結するクロスメンバ53とを備える。クロスメンバ53は、リアクッション22と後輪3との間に設けられている。後輪3は、左右のアーム部51,52の後端の間に支持される。
リアクッション22の下端のリンク連結部50は、車幅方向に互いに間隔を開けて下方に延びる左右一対のステー板部50a,50aを有する。
クロスメンバ53の下面において車幅方向の中央部には、下方に延出する板状のアーム側リンク連結ステー54が設けられている。アーム側リンク連結ステー54は、左右一対の板部54a,54aと、板部54a,54aを車幅方向に貫通する孔(不図示)とを有する。
第2リンク62,62は、前後に長い一対の板状部材であり、第1リンク側リンク連結孔部61bに連結される第2リンク側リンク連結孔部62bを後端(一端)に有し、車体側リンク連結ステー55,55に連結される車体連結孔部62aを前端(他端)に有する。
第1リンク61の前端のクッション連結孔部61cは、リンク連結部50のステー板部50a,50a間に配置されており、ステー板部50a,50a及びクッション連結孔部61cに挿通されるクッション連結軸64を介して回動自在に連結される。
第2リンク62,62の前端の車体連結孔部62a,62aは、車体側リンク連結ステー55,55の板部55a,55b間に配置されており、板部55a,55b及び車体連結孔部62a,62aに挿通される一対の車体連結軸66,66を介して回動自在に連結される。
第2リンク62,62が連結されるアーム連結孔部61aの左右両方の端面67,67は、クッション連結軸64の両端よりも車幅方向外側に位置する。また、端面67,67は、バンプラバー収納部47の左右の外側面よりも車幅方向外側に位置する。
車体側リンク連結ステー55,55の板部55bの内面68,68は、アーム連結孔部61aの端面67,67よりも車幅方向外側に位置する。
第2リンク62,62は、下方からの平面図に示されるように、リアクッション22の下部ばね受け部材42の左右外側方に位置するリンク前部69,69と、第2リンク側リンク連結孔部62bを含むリンク後部70,70とを備える。
リンク後部70,70の内側面70a,70aの内幅は、全体に亘り外径D2よりも大きく内幅Wよりも小さい。
リンク連結軸65は、第2リンク側リンク連結孔部62b,62bに挿通されるボルト73と、ボルト73の軸端に締結されるナット73aとを有する。ボルト73はボルト頭部に二面幅部73bを備える。ボルト73は、第2リンク62の後端に設けられた突出部74に二面幅部73bが当接し、回り止めされる。
本実施の形態では、ボルト72,73,75は、リンク機構44に対して車幅方向の一側(左側)から挿通され、二面幅部72b,73b,75bが一側で回り止めされ、ナット72a,73a,75aは、リンク機構44の他側(右側)で締結される。このため、ナット72a,73a,75aを他側から着脱するだけで、リンク機構44を容易に着脱でき、整備性が良い。
本実施の形態では、第2リンク62,62は、後端から前端まで漸時車幅方向に広がる略ハの字状に形成されており、第2リンク62の外側面と駆動チェーン36の内側面との距離が後方側ほど大きくなっている。このため、駆動チェーン36が車幅方向に振れやすい駆動チェーン36の前後の中間部の位置であっても、駆動チェーン36が第2リンク62に接触することを防止できる。また、ドライブスプロケット34に近く車幅方向に振れ難い駆動チェーン36の前部に近接するリンク前部69,69は、リンク後部70,70よりも車幅方向外側に配置されている。これにより、リンク前部69,69の内幅Wを大きく確保しつつ、駆動チェーン36の第2リンク62への接触を防止できる。
スイングアーム14が上方にストロークすると、リアクッション22は、リンク機構44を介して圧縮されて下部ばね受け部材42がコイルばね43を縮めるように上方へストロークし、下部ばね受け部材42は、第2リンク62,62に対し相対的に上方に逃げる。
さらに、左側の車体側リンク連結ステー55に駆動チェーン36をガイドするチェーンローラー77が取り付けられるため、チェーンローラー77を支持する専用の部品が必要なく、簡単な構造でチェーンローラー77を設けることができる。
上記実施の形態では、スイングアーム14は、車体フレーム11に揺動可能に支持されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スイングアーム14は、パワーユニットとしてのエンジンや電動鞍乗型車両の電動モータユニット部に揺動可能に支持されていても良い。
また、上記実施の形態では、スイングアーム14は、車体としての車体フレーム11にピボット軸21を介して前端が支持されるものとして説明したが、スイングアーム14の前端を支持する車体は、車体フレーム11と一体となって固定されているものも含まれる。例えば、スイングアーム14の前端は、車体フレーム11に固定されるパワーユニットとしてのエンジンや、ブラケット等に支持されても良い。
10 自動二輪車(鞍乗型車両)
11 車体フレーム(車体)
14 スイングアーム
22 リアクッション(クッション)
36 駆動チェーン
44 リンク機構
47 バンプラバー収納部(ばね受け部)
55,55 車体側リンク連結ステー(前端支持部)
61 第1リンク
62,62 第2リンク
62a,62a 車体連結孔部(第2リンクの他端)
62b,62b 第2リンク側リンク連結孔部を後端(第2リンクの一端)
71,71 ボルト(締結部材)
77 チェーンローラー
D2 外径(ばね受け部の外径)
W 内幅
Claims (4)
- 一端が車体(11)に揺動可能に支持され、他端で後輪(3)を回転可能に支持するスイングアーム(14)と、一端が前記車体(11)に支持され、他端がリンク機構(44)を介して前記スイングアーム(14)に支持されるクッション(22)とを備え、前記リンク機構(44)が、前記クッション(22)の前記他端と前記スイングアーム(14)とを連結する第1リンク(61)と、一端(62b)が前記第1リンク(61)に連結され、他端(62a)が前記車体(11)に連結される第2リンク(62)とを備える鞍乗型車両の懸架構造であって、
前記第2リンク(62)は、前記クッション(22)の左右にそれぞれ独立して設けられ、左右一対の前記第2リンク(62)の内幅(W)は、前記クッション(22)のばね受け部(47)の外径(D2)よりも大きく設定されていることを特徴とする鞍乗型車両の懸架構造。 - 左右一対の前記第2リンク(62)の前記他端(62a)を支持する前端支持部(55)は、互いに離間して配置されるとともに、それぞれ左右に独立した締結部材(71)で前記第2リンク(62)の前記他端(62a)に連結されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両の懸架構造。
- 前記第2リンク(62)は、当該第2リンク(62)の前記一端(62b)から前記他端(62a)まで漸時車幅方向に広がるハの字状に設けられることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗型車両の懸架構造。
- 車幅方向の一方側に、平面視で前記スイングアーム(14)と重なって設けられて前記後輪(3)に駆動力を伝達する駆動チェーン(36)が配置され、前記前端支持部(55)に前記駆動チェーン(36)をガイドするチェーンローラー(77)が取り付けられることを特徴とする請求項2または3に記載の鞍乗型車両の懸架構造。
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