JP2015063155A - プロペラシャフトの締結構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の振動を低減すると共に、トランスミッションが車両前方に移動した場合に、それを乗員に認識させる。
【解決手段】トランスミッション2から出力されるエンジン1の駆動力を後輪3に伝達する場合に、トランスミッションアウトプット部7にアウトプットシャフト8を回転自在に支持する。また、プロペラシャフト5の車両前方端部に設けられたスライディングヨーク11の車両前方端部に筒状部12を設け、筒状部12の内部空間にアウトプットシャフト8の車両後方端部をスプライン嵌合する。また、周方向に外径が変化する凹凸部16を筒状部12の外周部に形成し、アウトプットシャフト8の回転状態を検出するセンサ17をトランスミッションアウトプット部7内で凹凸部16と径方向に対向するように配置する。センサリングをアウトプットシャフト8の外周に被嵌する場合に比べて、プロペラシャフト5の全長を長くすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、プロペラシャフトの締結構造に関し、特に縦置き状態のエンジンの車両後方にトランスミッションが接続され、そのトランスミッションから出力されるエンジンの駆動力を後輪に伝達する場合に好適なものである。
このようなプロペラシャフトの締結構造としては、例えば下記特許文献1に記載されるものがある。このプロペラシャフトの締結構造では、4輪(全輪)駆動車両のトランスファにおけるプロペラシャフトの締結構造が主として記載されている。このうち、後輪に駆動力を伝達するためのプロペラシャフトの締結構造は、トランスミッションの車両後方にトランスミッションアウトプット部を形成し、その内部に、ベアリングを介して、車両前後方向に延びるアウトプットシャフトを回転自在に支持する。一方、プロペラシャフトの車両前方端部にはスライディングヨークを連結し、その車両前方端部に筒状部を形成する。この筒状部の内部空間にアウトプットシャフトの車両後方端部をスプライン嵌合し、これによりプロペラシャフトをアウトプットシャフトに締結している。
特開2001−1778号公報
ところで、前記特許文献1のプロペラシャフトの締結構造では、スライディングヨークの車両前方部位において、外径が周方向に変化する凹凸部をアウトプットシャフトの外周に設けている。これは、例えば歯車形状或いはセレーション形状に凹凸が周方向に連続するものであり、別体のロータ(センサリング)としてアウトプットシャフトの外周に取付けられている。このロータの凹凸部の径方向外側にセンサを配置し、このセンサで凹凸部の回転状態を検出して、例えば車両走行速度に相当するアウトプットシャフトの回転状態を検出する。しかしながら、アウトプットシャフトを支持するベアリングとスライディングヨークの間にロータを取付ける必要から、トランスミッションの全長が長くなり、その分だけ、プロペラシャフトの全長が短くなる。プロペラシャフトの車両前後方向両端部は、周知のように、ジョイントによって、トランスミッションのアウトプットシャフト及びデファレンシャルギヤのインプットシャフトに連結される。そのため、プロペラシャフトの全長が短くなると車両前後方向端部でのジョイント角度が大きくなることから回転速度に変動が生じ、それが起振力となって車両に振動が生じる。また、車両の後方から外力が作用すると、トランスミッションやエンジンが車体に対して相対的に車両前方に移動してしまい、その結果、スライディングヨークの回転支持部分に不具合が生じる。しかしながら、このようにトランスミッションが車両前方に移動しても、それを乗員に知らせる具体的な手段が講じられていない。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、車両の振動を低減すると共に、トランスミッションが車両前方に移動した場合に、それを乗員に認識させることが可能なプロペラシャフトの締結構造を提供することを目的とするものである。
本発明の第1の態様は、縦置き状態のエンジンの車両後方にトランスミッションが接続され、前記トランスミッションから出力される前記エンジンの駆動力を後輪に伝達するプロペラシャフトの締結構造であって、前記トランスミッションの車両後方に形成されたトランスミッションアウトプット部と、車両前後方向に延びると共にベアリングを介して前記トランスミッションアウトプット部に回転自在に支持されるアウトプットシャフトと、前記プロペラシャフトの車両前方端部に設けられ、車両前方端部の筒状部の内部空間に前記アウトプットシャフトの車両後方端部がスプライン嵌合されて前記アウトプットシャフトを前記プロペラシャフトに締結するスライディングヨークと、前記筒状部の外周部に形成され、周方向に外径が変化する凹凸部と、前記トランスミッションアウトプット部内で前記凹凸部と径方向に対向するように配置され、前記アウトプットシャフトの回転状態を検出するセンサとを備えたことを特徴とする。
本発明の第2の態様は、前記アウトプットシャフトを回転自在に支持するベアリングに前記筒状部の車両前方端部が接近するように前記スライディングヨークの車両前方端部を延長するのが好ましい。
このように、前記の第1の態様によれば、縦置き状態のエンジンの車両後方にトランスミッションを接続し、そのトランスミッションから出力されるエンジンの駆動力を後輪に伝達する場合に、トランスミッションの車両後方にトランスミッションアウトプット部を形成し、そのトランスミッションアウトプット部に、ベアリングを介して、車両前後方向に延びるアウトプットシャフトを回転自在に支持する。また、プロペラシャフトの車両前方端部に設けられたスライディングヨークの車両前方端部に筒状部を設ける。そして、筒状部の内部空間にアウトプットシャフトの車両後方端部をスプライン嵌合してアウトプットシャフトをプロペラシャフトに締結する。また、周方向に外径が変化する凹凸部を筒状部の外周部に形成し、アウトプットシャフトの回転状態を検出するセンサをトランスミッションアウトプット部内で凹凸部と径方向に対向するように配置する。アウトプットシャフトとスライディングヨークとはスプライン嵌合されているので、筒状部外周の凹凸部の回転状態からアウトプットシャフトの回転状態を検出することができる。そのため、アウトプットシャフトの外周に別体のロータを取付ける必要がなく、その分だけ、アウトプットシャフトの全長を短くすることによってトランスミッションの全長を短くすることができる。従って、相対的にプロペラシャフトの全長を長くすることができる。プロペラシャフトの全長が長くなると、車両前後方向端部でのジョイント角度を小さく設定することができる。その結果、同等の振動入力に対する振動出力、即ち回転速度変動が小さくなり、車体への起振力が小さくなることから、車両の振動を低減することができる。また、別体のロータが不要となる分、アウトプットシャフトを回転自在に支持するベアリングに筒状部の車両前方端部が接近するようにスライディングヨークの車両前方端部を延長することが可能となる。そして、そのようにすれば、アウトプットシャフトとスライディングヨークの筒状部とのスプライン嵌合長さを長くすることができる。アウトプットシャフトとスライディングヨークとのスプライン嵌合長さが長くなれば、その分だけ、スライディングヨークとプロペラシャフトとの連結部における偏心量を小さくすることが可能となる。従って、連結部の偏心量が小さければ、同等の振動入力に対する振動出力、即ち触れ回り量が小さくなり、車体への起振力が小さくなることから、こちらからも車両の振動を低減することができる。また、車両の後方から外力が作用してトランスミッションが車両前方に移動した場合、トランスミッションアウトプット部内に配置されたセンサもトランスミッションと共に車両前方に移動する。これに対し、プロペラシャフトの車両前方端部に設けられたスライディングヨークは車両前方に移動しないので、その車両前方端部の筒状部及び凹凸部も車両前方に移動しない。そのため、トランスミッションが車両前方に移動すると、センサは凹凸部の径方向外側に位置せず、アウトプットシャフトの回転を検出することができない。その結果、乗員はトランスミッションが車両前方に移動していることを認識することができる。トランスミッションが車両前方に移動していることが認識されれば、アウトプットシャフトとスライディングヨークとのスプライン嵌合長さが短くなっていることが認識できる。アウトプットシャフトとスライディングヨークとのスプライン嵌合長さが短くなると、スライディングヨークの振れ回り量が大きくなり、スライディングヨークを支持するブッシュの寿命が短くなる。従って、アウトプットシャフトとスライディングヨークとのスプライン嵌合長さが短くなっていることが認識できれば、スライディングヨークを支持するブッシュの寿命低減を防止することが可能となる。
また、前記の第2の態様によれば、アウトプットシャフトを回転自在に支持するベアリングに筒状部の車両前方端部が接近するようにスライディングヨークの車両前方端部を延長する。これにより、アウトプットシャフトとスライディングヨークの筒状部とのスプライン嵌合長さを長くすることができ、その分だけ、スライディングヨークとプロペラシャフトとの連結部における偏心量を小さくすることが可能となる。その結果、同等の振動入力に対する振動出力の触れ回り量が小さくなり、車体への起振力が小さくなることからも、車両の振動を低減することができる。また、スライディングヨークの外周面の支持長さ(支持面積)を大きくすることができ、これによりスライディングヨーク自体の振れ回り量を抑制して車両の振動を低減することも可能となる。
図1は、本発明のプロペラシャフトの締結構造の一実施形態が適用された車両の側面図である。 図2は、図1のパワートレインの側面図である。 図3は、図2のスライディングヨーク及びプロペラシャフトの拡大図である。 図4は、図2のスライディングヨーク周辺の拡大図である。 図5は、図4のX−X断面図である。 図6は、図2のスライディングヨーク周辺の拡大図である。 図7は、従来のスライディングヨーク及びプロペラシャフトの拡大図である。 図8は、図7のスライディングヨーク周辺の拡大図である。
次に、本発明のプロペラシャフトの締結構造の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の車両の側面図、図2は、図1のパワートレインの側面図である。本実施形態の車両では、車両の下部、例えば前席の下方にエンジン1が搭載されている。このエンジン1は、所謂縦置き状態のエンジンであり、クランク軸が車両前後方向に向けて配置されている。このエンジン1の車両後方にはトランスミッション2が接続されている。このトランスミッション2で変速されたエンジン1の駆動力を後輪3に伝達するために、トランスミッション2と後輪3の間にはプロペラシャフト5が配置されている。実際のプロペラシャフト5と後輪3の間にはデファレンシャルギヤ(デファレンシャル装置)6が介装されている。なお、図中の符号4は前輪である。
トランスミッション2の車両後方にはトランスミッションアウトプット部7がトランスミッション2と一体的に形成されている。図3は、図2のスライディングヨーク及びプロペラシャフトの拡大図、図4は、図2のスライディングヨーク周辺の拡大図、図5は、図4のX−X断面図である。トランスミッションアウトプット部7には、ベアリング9を介してアウトプットシャフト8が回転自在に支持されている。このアウトプットシャフト8は、トランスミッション2内の変速ギヤの出力軸であり、車両前後方向に軸線が配置されている。そのため、図3、図4に示すベアリング9は車両後方側のベアリングである。
一方、プロペラシャフト5の車両前方端部には、例えば前側十字軸(クロススパイダ)10を介してスライディングヨーク11が設けられて(連結されて)いる。スライディングヨーク11の車両前方端部には、軸線が車両前後方向に延びる筒状部12が設けられ、その内部空間(内孔)内にアウトプットシャフト8の車両後方端部がスプライン嵌合されている。これにより、トランスミッション2に対し、プロペラシャフト5の車両前後方向への移動が許容される。従って、前側十字軸10がアウトプットシャフト8とプロペラシャフト5の車両前方側ジョイント部(連結部)となる。なお、スライディングヨーク11の筒状部12はブッシュ13を介してトランスミッションアウトプット部7に回転自在に支持されている。また、プロペラシャフト5の車両後方端部は、後側十字軸(クロススパイダ)14を介してデファレンシャルギヤ6のインプットシャフト15に連結されている。
スライディングヨーク11の筒状部12の車両前方端部外周部には、図5に示すように、周方向に外径が変化する凹凸部16が一体的に形成されている。この凹凸部16は、例えば歯車形状或いはセレーション形状に凹凸が周方向に繰り返して連続するものである。そして、この凹凸部16の径方向外側にセンサ17が設けられている。つまり、センサ17は、トランスミッションアウトプット部7内において、凹凸部16と径方向に対向するように配置されている。このセンサ17には、例えば磁気センサなどが用いられ、例えば凹凸部16が磁性体で構成される場合、凹凸部16の回転に伴う接近と離間で生じる磁束密度の変化で回転状態を検出することができる。前述のように、アウトプットシャフト8とスライディングヨーク11の筒状部12とはスプライン嵌合されているので、筒状部12の外周部に一体的に形成された凹凸部16の回転状態を検出すれば、アウトプットシャフト8の回転状態を検出することができる。アウトプットシャフト8の回転状態からは、例えば車両の走行速度などが得られる。
図6は、車両の後方から外力が作用した後のトランスミッションアウトプット部7からプロペラシャフト5までの状態を示す側面図である。前述のように車両の後方から外力が作用すると、トランスミッション2及びエンジン1が車両前方に移動する。トランスミッション2が車両前方に移動すればトランスミッションアウトプット部7も車両前方に移動し、それに伴ってセンサ17も車両前方に移動する。これに対し、プロペラシャフト5は車両前方に移動しないからスライディングヨーク11及び凹凸部16も車両前方に移動しない。その結果、図6に示すように、センサ17は凹凸部16の径方向外側位置からずれてしまい、凹凸部16の回転状態、即ちアウトプットシャフト8の回転状態を検出できなくなる。
このようにトランスミッション2が車両前方に移動し、しかしながらプロペラシャフト5が車両前方に移動しない場合には、図6に示すように、アウトプットシャフト8とスライディングヨーク11の筒状部12のスプライン嵌合長さが短くなる。アウトプットシャフト8と筒状部12のスプライン嵌合長さが短くなると、スライディングヨーク11の振れ回り量が大きくなり、スライディングヨーク11の外周を回転自在に支持するブッシュ13が偏摩耗するなどして寿命が低下する。前述のようにセンサ17がアウトプットシャフト8の回転状態を検出できなくなると、乗員はトランスミッション2が車両前方に移動した(のではないか)と認識することができる。トランスミッション2が車両前方に移動したと認識することができれば、アウトプットシャフト8と筒状部12のスプライン嵌合長さが短くなっているのではないかと認識することができ、結果的にブッシュ13の寿命低下を回避することが可能となる。
図7は、従来のプロペラシャフトの締結構造におけるスライディングヨーク及びプロペラシャフトの拡大図、図8は、図7のスライディングヨーク周辺の拡大図である。この従来のプロペラシャフトの締結構造は、本実施形態のプロペラシャフトの締結構造に類似しており、同等の構成要素も多い。そこで、同等の構成には同等の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この従来のプロペラシャフトの締結構造では、前述した凹凸部16がスライディングヨーク11の筒状部12ではなく、別体のロータ(センサリング)101の外周部に形成されている。このロータ101は、スライディングヨーク11の筒状部12よりも車両前方の位置でアウトプットシャフト8の外周に被嵌されており、その分だけ、本実施形態のプロペラシャフトの締結構造よりもスライディングヨーク11が車両後方に位置している。
このようにスライディングヨーク11が車両後方に位置すると、当然ながら、プロペラシャフト5の全長が短くなる。例えば図7に示すように、アウトプットシャフト8とプロペラシャフト5の前側十字軸10における前側ジョイント角度(作動角ともいう)をθf、プロペラシャフト5とインプットシャフト15の後側十字軸14における後側ジョイント角度をθrとする。アウトプットシャフト8とインプットシャフト15のオフセット量が一定である場合に、プロペラシャフト5の長さが短くなると、前側ジョイント角度θfも後側ジョイント角度θrも大きくなる。十字軸を用いるカルダンジョイントでは、入力速度をωi、出力速度をωo、回転角をα、ジョイント角度をθとしたとき、下記1式が成立する。
ωo=cosθ×ωi/(1−sin2α×sin2θ) ……… (1)
1式は、出力速度ωoが周期πで振動することを示しており、従ってジョイント角度θが0でない場合、出力速度に不等速運動が生じる(但し、2つのカルダンジョイントを組合せることによって、等速化することは可能)。ジョイント角度θが90°を超えることはなく且つ比較的小さな角度であるから、ジョイント角度θが大きいほど、出力速度ωoの変動も大きい。従って、プロペラシャフト5の全長が短く、前側ジョイント角度θfも後側ジョイント角度θrも大きい従来のプロペラシャフトの締結構造では、ジョイント部における不等速運動が起振力となり、車両に振動が生じやすい。
これに対し、本実施形態ではロータを不要とする分、トランスミッション2の全長を短くすることができ、そのようにすればプロペラシャフト5の全長を長くすることができる。プロペラシャフト5の全長を長くすることができれば、アウトプットシャフト8とインプットシャフト15のオフセット量が一定である場合に、前側ジョイント角度θfも後側ジョイント角度θrも小さくすることができる。前側ジョイント角度θfや後側ジョイント角度θrが小さければ、ジョイント部における不等速運動が小さくなって起振力が小さくなることから、車両の振動を低減することができる。
また、従来のプロペラシャフトの締結構造では、図8に示すように、アウトプットシャフト8とスライディングヨーク11の筒状部12のスプライン嵌合長さが短い。このアウトプットシャフト8とスライディングヨーク11のスプライン嵌合長さによるアウトプットシャフト8とプロペラシャフト5の前側十字軸10におけるジョイント部の偏心量xは、図2に二点鎖線で描くようにして求められる。このとき、アウトプットシャフト8の車両後方端部、つまりスプライン嵌合の車両後方端部から前側十字軸10までの距離が同等であれば、スプライン嵌合長さが短いほどジョイント部の偏心量xは大きい。ジョイント部の偏心量xが大きい場合には、同等の振動入力に対する振動出力の触れ回り量が大きくなり、それが起振力となって車両振動が発生する。
これに対し、本実施形態のプロペラシャフトの締結構造では、図4に示すように、アウトプットシャフト8を回転自在に支持するベアリング9に筒状部12の車両前方端部が接近するようにスライディングヨーク11の車両前方端部を延長している。これにより、アウトプットシャフト8とスライディングヨーク11の筒状部12のスプライン嵌合長さを長くすることができている。このようにアウトプットシャフト8とスライディングヨーク11のスプライン嵌合長さが長いと、アウトプットシャフト8とプロペラシャフト5の前側十字軸10におけるジョイント部の偏心量xは小さくなる。ジョイント部の偏心量xが小さければ、同等の振動入力に対する振動出力の触れ回り量が小さくなり、その分だけ車両振動を低減することができる。
また、従来のプロペラシャフトの締結構造では、凹凸部16を有するロータ101がアウトプットシャフト8の外周部に被嵌されているため、前述のように、車両の後方から外力が作用し、トランスミッション2が車両前方に移動すると、トランスミッションアウトプット部7と一緒にアウトプットシャフト8も車両前方に移動する。トランスミッションアウトプット部7にはセンサ17が、アウトプットシャフト8にはロータ101が夫々取付けられているので、トランスミッション2が車両前方に移動しても、ロータ101の凹凸部16とセンサ17が軸方向にずれることはなく、センサ17は凹凸部16の回転状態、即ちアウトプットシャフト8の回転状態を検出できてしまう。そのため、従来のプロペラシャフトの締結構造では、車両後方からの外力によってトランスミッション2が車両前方に移動したことを乗員に認識させることができない。これに対し、本実施形態のプロペラシャフトの締結構造では、トランスミッション2が車両前方に移動したことを乗員に認識させることが可能なので、スライディングヨーク11を回転支持するブッシュ13の寿命を確保することが可能となる。
このように本実施形態のプロペラシャフトの締結構造では、縦置き状態のエンジン1の車両後方にトランスミッション2を接続し、そのトランスミッション2から出力されるエンジン1の駆動力を後輪3に伝達する場合に、トランスミッション2の車両後方にトランスミッションアウトプット部7を形成し、そのトランスミッションアウトプット部7に、ベアリング9を介して、車両前後方向に延びるアウトプットシャフト8を回転自在に支持する。また、プロペラシャフト5の車両前方端部に設けられたスライディングヨーク11の車両前方端部に筒状部12を設ける。そして、筒状部12の内部空間にアウトプットシャフト8の車両後方端部をスプライン嵌合してアウトプットシャフト8をプロペラシャフト5に締結する。また、周方向に外径が変化する凹凸部16を筒状部12の外周部に形成し、アウトプットシャフト8の回転状態を検出するセンサ17をトランスミッションアウトプット部7内で凹凸部16と径方向に対向するように配置する。アウトプットシャフト8とスライディングヨーク11とはスプライン嵌合されているので、筒状部12外周の凹凸部16の回転状態からアウトプットシャフト8の回転状態を検出することができる。そのため、アウトプットシャフト8の外周に別体のロータを取付ける必要がなく、その分だけ、アウトプットシャフト8の全長を短くすることによってトランスミッション2の全長を短くすることができる。従って、相対的にプロペラシャフト5の全長を長くすることができる。プロペラシャフト5の全長が長くなると、車両前後方向端部でのジョイント角度を小さく設定することができる。その結果、同等の振動入力に対する振動出力、即ち回転速度変動が小さくなり、車体への起振力が小さくなることから、車両の振動を低減することができる。また、別体のロータが不要となる分、アウトプットシャフト8を回転自在に支持するベアリング9に筒状部12の車両前方端部が接近するようにスライディングヨーク11の車両前方端部を延長することが可能となる。そして、そのようにすれば、アウトプットシャフト8とスライディングヨーク11の筒状部12とのスプライン嵌合長さを長くすることができる。アウトプットシャフト8とスライディングヨーク11とのスプライン嵌合長さが長くなれば、その分だけ、スライディングヨーク11とプロペラシャフト5とのジョイント部における偏心量xを小さくすることが可能となる。従って、ジョイント部の偏心量xが小さければ、同等の振動入力に対する振動出力、即ち触れ回り量が小さくなり、車体への起振力が小さくなることから、こちらからも車両の振動を低減することができる。また、車両の後方から外力が作用してトランスミッション2が車両前方に移動した場合、トランスミッションアウトプット部7内に配置されたセンサ17もトランスミッション2と共に車両前方に移動する。これに対し、プロペラシャフト5の車両前方端部に設けられたスライディングヨーク11は車両前方に移動しないので、その車両前方端部の筒状部12及び凹凸部16も車両前方に移動しない。そのため、トランスミッション2が車両前方に移動すると、センサ17は凹凸部16の径方向外側に位置せず、アウトプットシャフト8の回転を検出することができない。その結果、乗員はトランスミッション2が車両前方に移動していることを認識することができる。トランスミッション2が車両前方に移動していることが認識されれば、アウトプットシャフト8とスライディングヨーク11とのスプライン嵌合長さが短くなっていることが認識できる。アウトプットシャフト8とスライディングヨーク11とのスプライン嵌合長さが短くなると、スライディングヨーク11の振れ回り量が大きくなり、スライディングヨーク11を支持するブッシュ13の寿命が短くなる。従って、アウトプットシャフト8とスライディングヨーク11とのスプライン嵌合長さが短くなっていることが認識できれば、スライディングヨーク11を支持するブッシュ13の寿命低減を防止することが可能となる。
また、アウトプットシャフト8を回転自在に支持するベアリング9に筒状部12の車両前方端部が接近するようにスライディングヨーク11の車両前方端部を延長する。これにより、アウトプットシャフト8とスライディングヨーク11の筒状部12とのスプライン嵌合長さを長くすることができ、その分だけ、スライディングヨーク11とプロペラシャフト5とのジョイント部における偏心量xを小さくすることが可能となる。その結果、同等の振動入力に対する振動出力の触れ回り量が小さくなり、車体への起振力が小さくなることからも、車両の振動を低減することができる。また、スライディングヨーク11の外周面の支持長さ(支持面積)を大きくすることができ、これによりスライディングヨーク11自体の振れ回り量を抑制して車両の振動を低減することも可能となる。
以上、本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられ得ることは明白である。全てのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 エンジン
2 トランスミッション
3 後輪
4 前輪
5 プロペラシャフト
6 デファレンシャルギヤ(デファレンシャル装置)
7 トランスミッションアウトプット部
8 アウトプットシャフト
9 ベアリング
10 前側十字軸(クロススパイダ)
11 スライディングヨーク
12 筒状部
13 ブッシュ
14 後側十字軸(クロススパイダ)
15 インプットシャフト
16 凹凸部
17 センサ

Claims (2)

  1. 縦置き状態のエンジンの車両後方にトランスミッションが接続され、前記トランスミッションから出力される前記エンジンの駆動力を後輪に伝達するプロペラシャフトの締結構造であって、
    前記トランスミッションの車両後方に形成されたトランスミッションアウトプット部と、
    車両前後方向に延びると共にベアリングを介して前記トランスミッションアウトプット部に回転自在に支持されるアウトプットシャフトと、
    前記プロペラシャフトの車両前方端部に設けられ、車両前方端部の筒状部の内部空間に前記アウトプットシャフトの車両後方端部がスプライン嵌合されて前記アウトプットシャフトを前記プロペラシャフトに締結するスライディングヨークと、
    前記筒状部の外周部に形成され、周方向に外径が変化する凹凸部と、
    前記トランスミッションアウトプット部内で前記凹凸部と径方向に対向するように配置され、前記アウトプットシャフトの回転状態を検出するセンサと
    を備えたことを特徴とするプロペラシャフトの締結構造。
  2. 前記アウトプットシャフトを回転自在に支持するベアリングに前記筒状部の車両前方端部が接近するように前記スライディングヨークの車両前方端部を延長したことを特徴とする請求項1に記載のプロペラシャフトの締結構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102016002902A1 (de) 2015-03-25 2016-09-29 Shimano Inc. Fahrradantriebseinheit

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