JP2015062541A - X線撮影装置 - Google Patents

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上原 久幸
Hisayuki Uehara
久幸 上原
手塚 章夫
Akio Tezuka
章夫 手塚
榊原 淳
Atsushi Sakakibara
淳 榊原
武夫 松崎
Takeo Matsuzaki
武夫 松崎
勝家 井川
Katsuie Igawa
勝家 井川
正志 平澤
Masashi Hirasawa
正志 平澤
佳祐 菅原
Keisuke Sugawara
佳祐 菅原
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Abstract

【課題】撮影対象となる患者の体勢を立位とし寝台の使用をしないことでスペース効率に優れるとともに、回転撮影が行われる際に撮影系に掛かる余計な負荷できるだけ軽減することでより鮮明な画像を取得することができるX線撮影装置を提供する。【解決手段】X線発生部2からX線を照射し、患者Mを透過したX線をX線発生部2とともに撮影系Pを構成するX線検出部3で検出して表示するX線撮影装置1であって、撮影の対象となる患者Mを立位にて保持する患者カプセルCと、X線発生部2を保持し、鉛直に設けられている第1のアームA1と、X線検出部3を保持し、患者カプセルCを挟んで第1のアームA1と対向する位置に鉛直に設けられている第2のアームA2とを備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施の形態は、X線撮影装置に関する。
近年、被検体内部の情報を収集し、この収集された情報に基づいて被検体内部を画像化して医用画像を生成する医用画像診断装置が用いられるようになっている。この医用画像診断装置としては、例えば、X線撮影装置を挙げることができる。このX線撮影装置の一般的な構成としては、撮影の対象となる患者が臥位となる寝台(ベッド)と、寝台上の患者を撮影するX線管とX線検出器を備える撮影系を備える。このX線管とX線検出器は、撮影対象となる患者を間に挟み、互いに対向する位置に設けるアーム(例えば、Cアーム)によって保持されている(例えば、以下の特許文献1参照)。
特開2008−000347号公報
しかしながら、上記特許文献1において開示されている発明では、次の点について配慮がなされていない。
すなわち、撮影のために患者は寝台に横臥することになるが、ただ患者が横臥するスペースがあれば足りる訳ではなく、患者が直に接する天板が撮影に合わせて移動することも考え合わせると、寝台自体、及びその可動範囲は大きくなり、結果としてX線撮影装置全体の設置スペースも大きくなる。
また、撮影系を構成するX線管とX線検出器は、撮影の際患者を間に挟むように位置している。そのためX線管から照射され、患者を透過したX線をX線検出器で検出するには、天板もX線を透過する性質を備えていなければならない。そもそも天板は患者の体重を十分に支えるだけの耐荷重を備えている必要があり、さらにX線も透過させることができる、とすると、天板は高価なものとなる。
さらには、Cアームが回転しつつ撮影を行う場合、回転軸と重力方向が一致しないため、回転時に回転機構に掛かる重力の影響により、撮影系に動作のぶれが生ずる可能性がある。このぶれを消すには、定期的なキャリブレーションが必要となるが、十分なぶれの補正がなされているとは言い難い場合も見受けられる。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、撮影対象となる患者の体勢を立位とし寝台の使用をしないことでスペース効率に優れるとともに、回転撮影が行われる際に撮影系に掛かる余計な負荷できるだけ軽減することでより鮮明な画像を取得することができるX線撮影装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明の特徴は、X線発生部からX線を照射し、患者を透過したX線をX線発生部とともに撮影系を構成するX線検出部で検出して表示するX線撮影装置であって、撮影の対象となる患者を立位にて保持する患者カプセルと、X線発生部を保持し、鉛直に設けられている第1のアームと、X線検出部を保持し、患者カプセルを挟んで第1のアームと対向する位置に鉛直に設けられている第2のアームとを備える。
実施の形態におけるX線撮影装置の全体構成を示す全体図である。 実施の形態におけるX線撮影装置を平面的に示す全体図である。 実施の形態におけるX線撮影装置の全体構成を示すブロック図である。 実施の形態におけるX線撮影装置を使用して撮影を行う際の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施の形態におけるX線撮影装置1の全体構成を示す全体図である。また、図2は、実施の形態におけるX線撮影装置1を平面的に示す全体図である。この図2は、X線撮影装置1を設置される天井側から床面に向けて見た場合の状態を示している。
図1に示すX線撮影装置1は、例えば、検査室の床面に設置される。具体的には、アームベースABが床面Gに固定され、当該アームベースAB上にX線撮影装置1の全ての構成が載る。この点は、図2のX線撮影装置1を平面的に示す全体図からも明らかである。当該アームベースAB上に載るX線撮影装置1は、中央に撮影の対象となる患者Mを立位で保持するための患者カプセルCが設けられる。併せて、X線発生部2を保持し、鉛直に設けられている第1のアームA1と、X線検出部3を保持し、患者カプセルCを挟んで第1のアームA1と対向する位置に鉛直に設けられている第2のアームA2によって構成されている。
患者カプセルCは、撮影の際患者Mを立位の状態のまま保持する際に用いられる。患者カプセルCは、X線を利用した撮影を行う際に使用されることから、X線発生部2から照射されたX線がX線検出部3において適切に検出されるよう、少なくともX線を透過する素材で形成されている。従って、患者カプセルCが必ずしも透明である必要はないが、一方で、撮影中の患者Mの状態を把握する等の理由から、図1に示す全体図に示されているように、中に入っている患者Mの姿が見えるように患者カプセルCを透明な素材で形成しても良い。
図1に示すX線撮影装置1ではその詳細が示されていないが、例えば、循環器を対象とした撮影が行われる場合には、カテーテルを患者Mの体内に入れた状態での撮影を行う場合もある。そのため、患者カプセルCは、患者Mを収容した状態で密封してしまうのではなく、そのいずれかの場所に手技を行うための開放された領域が設けられていてもよい。
さらに、これも図1に示す患者カプセルCには図示されていないが、患者カプセルCの使用に当たっては、収容された患者Mを固定するための器具も適宜使用される。撮影によっては、患者Mの意識がはっきりしない場合も考えられることから、例えば、患者カプセルC内にてバンドを利用して患者Mを固定したり、或いは、空気マット等を患者カプセルCと患者Mとの間に挿入することで固定したりすることができる。
患者カプセルCは、X線撮影装置1が設置されている床面Gに近いところでステージS1に載置されている。また、このステージS1は、アームベースABに固定されている第1の固定部R1上に載っている。この第1の固定部R1は、上述したように、アームベースABに固定されていることから、いずれの向きにも動くことはない。一方、ステージS1は、撮影の条件によってX線発生部2やX線検出部3に接近させたり、或いは、離間させたりする必要があるため、X方向、或いは、Z方向に移動可能とされている。
図1に示すX線撮影装置1においては、床面Gに対して鉛直となるように設けられている第1のアームA1及び第2のアームA2とをつなぐ第1の梁J1が設けられている。この第1の梁J1は、X線撮影装置1が設置される室内の天井側に設けられている。本発明の実施の形態においては、さらに、床面Gに近接した位置であって、ステージS1とアームベースABとの間において第1のアームA1及び第2のアームA2とをつなぐ第2の梁J2が設けられている。
第1の梁J1には、第2の固定部R2が設けられており、当該第2の固定部R2に患者カプセル支持部S2が可動なように設けられている。そしてこの患者カプセル支持部S2に患者カプセルCの上部が固定されている。第2の固定部R2は、第1の梁J1に固定されており、いずれの向きにも動くことはない。一方、患者カプセル支持部S2は、患者カプセルCを載置するステージS1が移動することから、当該ステージS1の動きに同期して、X方向、或いは、Z方向に移動可能とされている。
なお、ステージS1及び患者カプセル支持部S2が患者カプセルCを固定する方法については、既知の技術が利用される。これらステージS1及び患者カプセル支持部S2は、撮影中に患者カプセルCが動くことがないように固定するとともに、ステージS1及び患者カプセル支持部S2が移動する場合にも患者カプセルCの固定部分がずれることがないように固定される。
患者カプセルCを中心として、互いに対向する位置に、第1のアームA1と第2のアームA2とが設けられている。これら第1のアームA1及び第2のアームA2は、床面Gに対して鉛直(垂直)となるように設けられている。また、上述したように、第1の固定部R1を回転軸として第1のアームA1と第2のアームA2とが互いに回転可能となるように第2の梁J2が設けられており、第1のアームA1と第2のアームA2のそれぞれと連結されている。当該第2の梁J2とアームベースABとの間には、第2の梁J2とともに、第1のアームA1と第2のアームA2とを回転させるための回転駆動部Dが設けられている。当該回転駆動部Dは、図1においては図示されない、後述するシステム制御部7からの指示に基づいて第2の梁J2を介して第1のアームA1と第2のアームA2とを回転させる。
第1のアームA1には、X線発生部2が設けられており、第2のアームA2には、X線検出部3が設けられている。X線発生部2及びX線検出部3は、後述するようにいずれもいわゆる一般的なX線撮影装置において備えられている各種機能を備える機器をもって構成されている。
さらに、X線発生部2は、第1のアームA1を離れることなく移動可能とされている。同じく、X線検出部3は、第2のアームA2を離れることなく移動可能とされている。具体的には、X線発生部2及びX線検出部3のいずれも同じように移動させることが可能であることから、ここでは第1のアームA1におけるX線発生部2を例に挙げて説明する。
まず、X線発生部2は、第1のアームA1を垂直方向(Y方向)に移動することができる。この移動によって、X線発生部2の高さを自由に変化させることができる。次に、X線発生部2は、患者カプセルCに接近、或いは、離間する方向に移動させることができる。すなわち、X線発生部2を水平方向(XZ平面)に移動させることができる。さらに、X線発生部2を第1のアームA1に対して垂直軸を中心として傾けることも可能である。この垂直方向に傾ける、というのは、「チルト」の意味であり、X線発生部2をチルトさせることで、撮影に最適な角度とすることができる。
このようにX線発生部2及びX線検出部3をアームに対して垂直方向に移動させること、患者カプセルCに接近、或いは離間する方向に移動させること、或いは、アームに対して垂直軸を中心として傾けることができるようにされていることで、X線発生部2及びX線検出部3の真ん中に位置する患者Mを如何様な位置からも撮影することができる。
なお、X線発生部2、或いは、X線検出部3を移動させる駆動方式については、例えば、ラックアンドピニオン方式等、いずれの方式を採用しても良い。
さらに、X線発生部2とX線検出部3の取り付け位置は、第1のアームA1、第2のアームA2の内側、すなわち、それぞれのアームの位置において患者カプセルCに最も近接する位置ではなく、第1の梁J1を挟んで互いに異なる位置に設けられている。図2に示されているように、例えば第1の梁J1をX軸としたときに、X線発生部2が−X、−Zで示される領域に設けられており、X線検出部3は、+X、+Zで示される領域に設けられている。または、逆に、例えば第1の梁J1をX軸としたときに、X線検出部3が−X、−Zで示される領域に設けられており、X線発生部2が+X、+Zで示される領域に設けられていても良い。
X線発生部2とX線検出部3をこのような位置に取り付けたのは、回転撮影を行うために第1のアームA1(X線発生部2)及び第2のアームA2(X線検出部3)を回転させて撮影する場合にバランスを取る必要があるからである。
図3は、実施の形態におけるX線撮影装置1の全体構成を示すブロック図である。X線撮影装置1は、X線発生部2とX線検出部3とから構成される撮影系Pと、記憶部4と、画像処理部5と、表示部6と、撮影系P、記憶部4、画像処理部5、及び表示部6を制御するシステム制御部7とから構成される。
さらに、X線発生部2を保持する第1のアームA1と、X線検出部3を保持する第2のアームA2とをそれぞれ駆動する回転駆動部Dが設けられている。また、患者カプセルCを支持するステージS1及び患者カプセル支持部S2には、必要に応じて患者カプセルCを移動させる、図1や図2では図示されないステージ等駆動部S3が設けられている。このステージ等駆動部S3により、例えば、図1に示すX方向、或いは、Z方向に患者カプセルCを移動させることができる。これら、回転駆動部D及びステージ等駆動部S3に対しては、システム制御部7からの指示が出され、当該指示に従ってそれぞれアームやステージ等が駆動される。
また、撮影の際には、例えばX線診断画像を撮影する操作者(例えば、医師や検査技師)が操作する操作部8を介して撮影指示がシステム制御部7へと送信され、システム制御部7はその指示に従って、上述したX線撮影装置1の各部を制御する。
X線発生部2は、患者Mに対してX線を照射するX線管2aと、X線管2aから照射されたX線に対してX線錘(コーンビーム)を形成するX線絞り器2bとを備えている。X線管2aは、X線を発生させる真空管であり、陰極(フィラメント)より放出された電子を、高電圧発生部2cから供給される高電圧によって加速させてタングステン陽極に衝突させX線を発生させる。X線絞り器2bは、X線管2aと患者Mとの間に位置し、X線管2aから照射されたX線ビームをX線検出部3における所定サイズの照射範囲に絞り込む機能を有している。
さらに、本発明の実施の形態においては、当該X線発生部2は、第1のアームA1に移動可能に保持されている。従って、上述したように、このX線発生部2が様々移動するためのX線発生部駆動部2dが設けられている。
なお、ここでは、X線発生部駆動部2dとしてまとめて示しているが、実際には、垂直方向(Y軸方向)に移動させるための駆動部等、それぞれの移動方向ごとに駆動部が設けられている。また、高電圧発生部2cについては、X線発生部2と別体に設けられていても、或いは、本発明の実施の形態に示すようにX線発生部2の一部として設けられていても良い。
X線検出部3は、様々な方式で構成することが可能であるが、本発明の実施の形態におけるX線撮影装置1においては、第2のアームA2に保持されていることから、例えば、平面形状の検出器を採用することができる。平面検出器3aは、複数の検出素子を有し、これら複数の検出素子によって患者Mを透過したX線を検出する。検出されたX線は、図示しない変換器を用いて電気信号へと変換され、後述する画像処理部5へと送信される。ゲートドライバ3bは、システム制御部7からの指令に基づいて、平面検出器3aの検出素子を駆動する。
また、本発明の実施の形態においては、当該X線検出部3は、第2のアームA2に移動可能に保持されている。従って、上述したように、このX線検出部3が様々移動するためのX線検出部駆動部3cが設けられている。なお、ここでは、X線検出部駆動部3cとしてまとめて示しているが、実際には、垂直方向(Y軸方向)に移動させるための駆動部等、それぞれの移動方向ごとに駆動部が設けられている。
記憶部4は、例えば、X線撮影装置1を駆動する(例えば、X線を照射する)際の様々な条件が既定値として記憶されている。また、X線撮影装置1において撮影された(取得された)医用画像の情報を記憶することとしても良い。さらには、この記憶部4(X線撮影装置1)とその他の医用画像撮影装置とが図示しない通信ネットワークにて互いに接続されていても良い。通信ネットワークの例としては、院内に設置されるLAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを挙げることができる。また、この通信ネットワークNで使用される通信規格は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)等、いずれの規格であっても良い。
画像処理部5は、その内部構成については詳述しないが、患者Mに照射され患者Mを透過してX線検出部3にて検出されたX線を変換して得られた医用画像情報の画像処理を行う。
表示部6は、画像処理部5において生成された表示画像を表示する。また、当該表示画像の他、例えば、撮影条件を定める際の入力画面等も表示する。
システム制御部7は、図示しないCPU(Central Processing Unit)等から構成されており、操作者が操作部8を利用して入力、或いは、設定する条件等に基づいて、撮影系P、画像処理部5、表示部6、回転駆動部D、或いは、ステージ等駆動部S3といったX線撮影装置1を構成する各ユニットの制御やシステム全体の制御を統括して行う。
操作部8は、X線撮影装置1の操作者が各種の操作を入力するキーボード、ジョイスティック、ダイヤル等の入力デバイス、或いは、各種スイッチ等により構成されている。操作者は、操作部8を操作して患者Mに関する情報や各種コマンド、撮影対象部位に対する最適なX線照射条件(例えば、X線管2aに印加する管電圧、管電流、X線の照射時間等)の入力を行う。
図4は、実施の形態におけるX線撮影装置1を使用して撮影を行う際の流れを示すフローチャートである。ここでは、前提として撮影の対象となる患者Mは、事前に患者カプセルC内に収容されている。また上述した方法をもって患者Mは患者カプセルC内にて固定されているとともに、患者カプセルC自体もステージS1及び患者カプセル支持部S2との間で固定されている。
この状態で、患者Mの撮影を行うためのX線照射の条件を、操作者が操作部8を介して行う。X線撮影装置1においては入力された条件を受け付ける(ST1)。さらにX線撮影装置1は、患者カプセルCの位置を特定する(ST2)。より詳細には、患者Mの位置を把握することになる。これは、撮影対象となる患者Mがどこにいるかによって、撮影系Pの各機器を入力された条件に従って適切な位置に移動させるためである。
その上で、入力された照射条件及び患者Mの位置を基に、撮影系Pの各機器の位置が設定される(ST3)。具体的には、X線発生部2及びX線検出部3の垂直方向(Y軸方向)、水平方向(XZ平面)、或いは、チルトの機構を利用してX線発生部2及びX線検出部3の角度を設定する。また、必要に応じて、患者カプセルCの方を移動させることもあり得る。
撮影系Pの各機器の位置が設定されると、システム制御部7からの指示に基づいて、各機器が所定の位置に自動的に移動する(ST4)。システム制御部7では、各機器の移動を把握しているので、随時各機器の位置が設定された条件に合った位置であるか確認をする(ST5)。この場合、表示部6に各機器の移動の状態を示すように設定しても良い。
設定された条件に合致した位置に移動していなければ(ST5のNO)、その位置に移動するまで各機器の駆動部を駆動する。一方、設定通りの位置まで移動が完了した場合には(ST5のYES)、X線撮影としてX線の照射が開始される(ST6)。
なお、図4においては、X線撮影が開始されるステップまでが示されているが、撮影終了時には、その順番はいずれが先であっても構わないが、患者Mが患者カプセルCから外に出て、一方各機器は所定の位置(例えば、ホームポジションといった、予め定められている位置)に戻ることになる。なお、ホームポジションに戻ることなく、移動先の位置にて停止状態を保つといった設定としても良い。
以上説明した通り、撮影対象となる患者の体勢を立位とし寝台の使用をしないことでスペース効率に優れるとともに、回転撮影が行われる際に撮影系に掛かる余計な負荷できるだけ軽減することでより鮮明な画像を取得することができるX線撮影装置を提供することができる。
特に、撮影系の各機器を保持する第1のアーム及び第2のアームは、いずれもアームベース上に収まっているので、アームベースが設置できる広さがあれば、寝台の大きさを考慮することなくX線撮影装置を設置することができる。
また、X線撮影装置の場合、通常は平面的な医用画像しか取得できないが、患者(患者カプセル)の周囲を第1のアーム、或いは、第2のアームが回転することによって、連続した医用画像を取得することができる。この場合、第1のアーム及び第2のアームは、立位の患者を回転中心としてその周囲を回転することになるが、本発明の実施の形態におけるX線撮影装置は、その重心をこの回転中心に重なるように撮影系の各機器を位置させることが可能となる。従って、それぞれが保持する撮影系の各機器に重力以外の余計な負荷が掛かることが回避され、より鮮明な画像を取得することができることになる。
なお、これまでは、第1のアーム及び第2のアームを第1の梁及び第2の梁でつないだ構成を基に説明をしてきたが、別の構成も考えられる。すなわち、例えば、患者カプセル支持部を支える第2の固定部をX線撮影装置が設置される室内の天井に固定するというように、撮影中の患者を立位のまま保持するための患者カプセルを移動可能に固定することができれば、まず、第1のアーム及び第2のアームをつなぐ第1の梁を設ける必要はなくなる。さらに、以下に説明する構成を採用すれば、第1のアーム及び第2のアームを2本の梁でつなぐ必要はないと考えられる。
この場合、第1のアーム、及び、第2のアームは、アームベース上に鉛直方向に設けられる。また、第1のアーム、第2のアームそれぞれにX線発生部、X線検出部が保持されるのは上述した通りである。さらに、第1のアーム、第2のアームは、アームベースに設けられた駆動機構を介して、対向する位置にあるX線発生部、X線検出部の中心にある患者カプセル(患者)の周りを回転させる。
また例えば、アームベースに第1のアーム及び第2のアームを連結するとともにアームベースの一部を回転させることで、連結されている第1のアームと第2のアームとを回転させる機構を採用しても良い。この場合は、アームベースの一部が第1のアームと第2のアームごと回転することになるので、この場合も第1のアーム及び第2のアームをつなぐ第2の梁は不要である。
これにより、これまで説明してきた各機能を損なうことなく、さらに撮影対象となる患者の体勢を立位とし寝台の使用をしないことでスペース効率に優れるとともに、回転撮影が行われる際に撮影系に掛かる余計な負荷できるだけ軽減することでより鮮明な画像を取得することができるX線撮影装置を提供することができる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 X線撮影装置
2 X線発生部
3 X線検出部
A1 第1のアーム
A2 第2のアーム
C 患者カプセル



Claims (8)

  1. X線発生部からX線を照射し、患者を透過した前記X線を前記X線発生部とともに撮影系を構成するX線検出部で検出して表示するX線撮影装置であって、
    撮影の対象となる前記患者を立位にて保持する患者カプセルと、
    前記X線発生部を保持し、鉛直に設けられている第1のアームと、
    前記X線検出部を保持し、前記患者カプセルを挟んで前記第1のアームと対向する位置に鉛直に設けられている第2のアームと、
    を備えることを特徴とするX線撮影装置。
  2. 前記第1のアーム及び前記第2のアームは、前記患者カプセルを回転中心として回転可能とされていることを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
  3. 前記患者カプセルは、立位にて保持されている前記患者の足下に設けられているステージにおいて支持されるとともに、水平方向に移動可能とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線撮影装置。
  4. 前記患者カプセルは、立位にて保持されている前記患者の頭上において前記第1のアーム及び前記第2のアームをつなぐ梁に設けられている支持部にて支持されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のX線撮影装置。
  5. 前記患者カプセルの前記梁に設けられている前記支持部は、前記ステージの移動に同期して移動することで、前記患者カプセルを水平方向に移動させることが可能とされていることを特徴とする請求項4に記載のX線撮影装置。
  6. 前記X線発生部は、前記第1のアームに垂直方向に移動させること、前記患者カプセルに接近、或いは離間する方向に移動させること、或いは、前記第1のアームに垂直軸を中心として傾けることがそれぞれ可能にされていることを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
  7. 前記X線検出部は、前記第2のアームに垂直方向に移動させること、前記患者カプセルに接近、或いは離間する方向に移動させること、或いは、前記第2のアームに垂直軸を中心として傾けることがそれぞれ可能にされていることを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
  8. 前記第1のアーム及び前記第2のアームが回転する際には、前記X線撮影装置の重心が前記回転中心に重なるように前記X線発生部及び前記X線検出部を位置させることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれかに記載のX線撮影装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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