JP2015061320A5 - - Google Patents
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Description
連邦政府支援の研究または開発に関する声明
本発明は、空軍研究所によって与えられたFA8650−10−M−2084の下での政府のサポートの下になされた。政府は、本発明の特定の権利を有する。
本発明は、空軍研究所によって与えられたFA8650−10−M−2084の下での政府のサポートの下になされた。政府は、本発明の特定の権利を有する。
この開示は、集積回路、より詳しくは、集積回路の計装用増幅器に関する。
例えば、研究所、産業、およびオーディオの応用を含む様々な応用は、コモン・モード電圧と呼ばれる非常に大きいものであり得る電圧が2つの個々の電圧の双方に共通であるとき、2つの個々の電圧の間のディファレンシャル・モード電圧と呼ばれ比較的小さい電圧差を測定する必要性を、共有する。すなわち、コモン・モード電圧は、入力により共有される電圧であり、ディファレンシャル・モード電圧は、共有されない電圧である。計装用増幅器は、2つの個々の入力電圧の重畳された共通の電圧(すなわち、コモン・モード電圧)を拒絶して、2つの個々の入力電圧の間の差(すなわち、ディファレンシャル・モード電圧)に直接に正比例する出力電圧を生成することによって、この必要性を満たすことができる。かくして、計装用増幅器の出力電圧VOUTは、式1に従って、2つの入力電圧VIN1およびVIN2でのコモン・モード・ゲインACMおよびディファレンシャル・ゲインADMの演算によって特徴づけられる。
理想的な計装用増幅器は、一定のディファレンシャル・モード・ゲイン(すなわちADMに関し一定値)を有することができ、ゼロのコモン・モード・ゲイン(ACM)を有することができ、これは、コモン・モード電圧が出力から完全に取り除かれることを意味する。実際には、コモン・モード・ゲイン(ACM)は、ゼロではないことがあり得るが、ディファレンシャル・モード・ゲイン(ADM)よりもかなり小さいものであり得る。計装用増幅器に関しての重要な測定値は、コモン・モード除去比(CMRR)であり、それはデシベル(dB)で表されるディファレンシャル・ゲイン(ADM)に対するコモン・モード・ゲイン(ACM)の比である。典型的な計装用増幅器は、30〜100dBの範囲のCMRRを有することができる。CMRRがより高いほど、計装用増幅器は、理想により近いものである。
典型的な計装用増幅器は、演算増幅器および4以上の抵抗器を用いて実装される。計装用増幅器の特定の抵抗器により表される抵抗の大きさは、増幅器のゲインを規定することができる。
本開示の態様は、正確なゲイン設定に関して外部のコンポーネントに依存する必要はなく、微細なゲイン調節制御(例えば、128を超えるゲイン設定)を維持するデジタル的にプログラム可能なプログラマブル・ゲイン計装用増幅器を提供できる。このようにして、本開示の態様は、正確なゲイン制御と、外部コンポーネントに依存するゲイン値を有する増幅器と比べると低いゲイン・ドリフトとを有する増幅器を、提供できる。すなわち、本開示の態様は、温度などのような動作条件の変化に対して非常に強い正確な増幅を提供できる。
一例では、デバイスは、第1の非反転入力、第1の反転入力、および第1の出力を有する第1の増幅器であって、第1の増幅器の第1の非反転入力が第1の入力電圧端子に接続される、第1の増幅器と、第1の抵抗器および第1のダミー・スイッチを有する第1の抵抗素子であって、第1の抵抗素子の第1の端部が第1の増幅器の第1の出力に接続され、第1の抵抗素子の第2の端部が第1の増幅器の第1の反転入力に接続される、第1の抵抗素子とを含む。デバイスは更に、第2の非反転入力、第2の反転入力、および第2の出力を有する第2の増幅器であって、第2の増幅器の第2の非反転入力が第2の入力電圧端子に接続される、第2の増幅器と、第2の抵抗器および第2のダミー・スイッチを有する第2の抵抗素子であって、第2の抵抗素子の第1の端部が第2の増幅器の第2の出力に接続され、第2の抵抗素子の第2の端部が第2の増幅器の第2の反転入力に接続される、第2の抵抗素子とを含む。デバイスはまた、制御入力を受け取るように動作するプログラマブル抵抗ゲイン・エレメントを有し、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの抵抗値は、受け取った制御入力に少なくとも部分的に基づき、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの第1の端部は、第1の増幅器の第1の反転入力と、第1のダミー・スイッチの第2の端部との両方に接続され、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの第2の端部は、第2の増幅器の第2の反転入力と、第2のダミー・スイッチの第2の端部との両方に接続される。
他の例において、デバイスは、第1の非反転入力、第1の反転入力、および第一の出力を含む第1の増幅器であって、第1の増幅器の第1の非反転入力が第一の入力電圧端子と接続される、第1の増幅器と、第2の非反転入力、第2の反転入力、および第2の出力を含む第2の増幅器であって、第2の増幅器の第2の非反転入力が第2の入力電圧端子と接続される、第2の増幅器と、第3の非反転入力、第3の反転入力、および第3の出力を含む第3の増幅器であって、第3の増幅器の第3の出力が出力電圧端子に接続される、第3の増幅器とを含む。デバイスは更に、第1の抵抗器であって、第1の抵抗器の第1の端部が第1の増幅器の第1の出力に接続され、第1の抵抗器の第2の端部が第1のダミー・スイッチの第1の端部に接続される、第1の抵抗器と、第2の抵抗器であって、第2の抵抗器の第1の端部が第2の増幅器の第2の出力に接続され、第2の抵抗器の第2の端部が第2のダミー・スイッチの第1の端部に接続される、第2の抵抗器と、第3の抵抗器であって、第3の抵抗器の第1の端部がまた第1の増幅器の第1の出力端に接続され、第3の抵抗器の第2の端部が第3の増幅器の第3の反転入力に接続される、第3の抵抗器とを含む。デバイスはまた、第4の抵抗器であって、第4の抵抗器の第1の端部が第2の増幅器の第2の出力に接続され、第4の抵抗器の第2の端部が第3の増幅器の第3の非反転入力に接続される、第4の抵抗器と、第5の抵抗器であって、第5の抵抗器の第1の端部が第3の増幅器の第3の反転入力に接続され、第5の抵抗器の第2の端部が第3の増幅器の第3の出力に接続される、第5の抵抗器と、第6の抵抗器であって、第6の抵抗器の第1の端部が第3の増幅器の第3の非反転入力に接続され、第6の抵抗器の第2の端部が接地に接続される、第6の抵抗器と、入力を受け取り、受け取った入力に少なくとも部分的に基づいて抵抗素子の抵抗値を調節するように動作するプログラマブル抵抗ゲイン・エレメントであって、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの第1の端部が第1の増幅器の第1の反転入力と第1のダミー・スイッチの第2の端部との両方に接続し、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの第2の端部が第2の増幅器の第2の反転入力と第2のダミー・スイッチの第2の端部との両方に接続される、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントとを含む。
他の例において、集積回路は更に、非反転入力、反転入力、および出力を含む第1の増幅器であって、非反転入力が第1の入力電圧端子と接続される、第1の増幅器と、非反転入力、反転入力、および出力を含む第2の増幅器であって、非反転入力が第2の入力電圧端子と接続される、第2の増幅器と、非反転入力、反転入力、および出力を含む第3の増幅器であって、出力が出力電圧端子に接続される、第3の増幅器とを含む。集積回路は、第1の抵抗器であって、第1の抵抗器の第1の端部が第1の増幅器の出力に接続され、第1の抵抗器の第2の端部が第1のダミー・スイッチの第1の端部に接続される、第1の抵抗器と、第2の抵抗器であって、第2の抵抗器の第1の端部が第2の増幅器の出力に接続され、第2の抵抗器の第2の端部が第2のダミー・スイッチの第1の端部に接続される、第2の抵抗器と、第3の抵抗器であって、第3の抵抗器の第1の端部がまた第1の増幅器の出力に接続され、第3の抵抗器の第2の端部が第3の増幅器の反転入力に接続される、第3の抵抗器とを含む。集積回路はまた、第4の抵抗器であって、第4の抵抗器の第1の端部が第2の増幅器の出力に接続され、第4の抵抗器の第2の端部が第3の増幅器の非反転入力に接続される、第4の抵抗器と、第5の抵抗器であって、第5の抵抗器の第1の端部が第3の増幅器の反転入力に接続され、第5の抵抗器の第2の端部が第3の増幅器の出力に接続される、第5の抵抗器と、第6の抵抗器であって、第6の抵抗器の第1の端部が第3の増幅器の非反転端に接続され、第6の抵抗器の第2の端部が接地に接続される、第6の抵抗器と、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントであって、入力を受け取り、受け取った入力に少なくとも部分的に基いてプログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの抵抗値を調節するように動作するものであり、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの第1の端部が第1の増幅器の第1の反転入力と第1のダミー・スイッチの第2の端部との両方に接続され、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの第2の端部が第2の増幅器の第2の反転入力と第2のダミー・スイッチの第2の端部との両方に接続される、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントとを含む。
一以上の例の詳細は、添付の図面および下記の説明に記載される。他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、そして、特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
従来の計装用増幅器のゲインは、計装用増幅器のコンポーネント間の抵抗値の比率に対応する設定値とされ得る。計装用増幅器の例には、調節可能またはプログラマブルのゲイン計装用増幅器を含めることができる。いくつかの例において、これらの計装用増幅器は、モノリシック集積回路の形である。他の例において、一以上の外部コンポーネントが使われ得る。例えば、調節可能利得計装用増幅器の場合、ゲインの調節は、一般には、外部コンポーネント(例えば、抵抗器)を用いて行うことができる。一旦抵抗器が設置されると、計装用増幅器のゲインは固定され、ゲインを更に調整することを困難および/または実効不可能にする。加えて、正確なゲインを達成することは、一対の抵抗器が可能なかぎり同一に近い抵抗特性(例えば、温度係数)を有するように一致させることを条件とする。温度係数は、動作温度に基づいて抵抗および/またはコンダクタンスがどのように変化するかを記述するために用いる値であり得る。例えば、同じまたは同程度の温度係数を有する2つの抵抗素子は、高い温度にさらされたときに、抵抗値の同じまたは同程度の増加を経験し得る。温度係数や入力信号電圧の変化などのような異なる抵抗特性は、出力電圧におけるゲイン・ドリフト、歪み、および/または非線形性を生じさせ得る。
プログラマブル・ゲイン、モノリシック計装用増幅器は、例えば、デジタル(例えば、ロジック)制御によってプログラムされるゲインを提供する。デジタル論理は、複数の「オンチップ」ゲイン設定抵抗器の1つを適用するために用いる。調節可能な計装用増幅器と比較すると、外部コンポーネントに依存しないプログラマブル・ゲイン計装用増幅器は、高精度のゲイン設定用抵抗値を必要とせずに、より良いゲイン精度(例えば、より正確なゲイン値、より低いゲイン・ドリフト)を達成することができる。しかしながら、プログラマブル・ゲイン計装用増幅器は、使用きるゲイン設定の数が制限され得る。すなわち、アプリケーションが多種多様なゲイン値を必要とするときに、多数のゲイン設定を加えることは、禁止され得、更には、不可能であり得る。ゲイン設定上の制限は、オンチップで実装される抵抗およびスイッチの回路網の実際的な制限に起因し得る。加えて、スイッチ自体の抵抗特性(例えば、温度係数、電圧係数)は、スイッチ自体が抵抗素子として作用し得るので、計装用増幅器のゲインおよび線形性に影響を及ぼし得る。例えば、計装用増幅器のエレメントの抵抗は、増幅器が動作しているときの温度に応じて変化し得る。かかる可変性は、ディファレンシャル・ゲインを変えることによって、出力電圧を効果的に変調することができる。他の例としては、スイッチのオン抵抗などのような、いくつかのエレメントの抵抗は、さまざまな動作電圧(例えば、ゲート電圧および/または入力信号電圧)による影響を受け得る。幾つかの例では、オン抵抗値を変えることは、抵抗比を変えることになり得、かくして計装用増幅器のゲインを変えることになり得る。すなわち、動作条件(熱または寒さなど)が変化する間、または動作パラメータが変化する(入力信号電圧が変化するなど)間に、スイッチは、増幅器のゲインを不必要に増加または減少させ得る。温度変動および/または入力信号電圧の結果としての増幅器のゲインのかかる変化は、一般にゲイン・ドリフトと呼ばれる。
本開示の態様は、正確なゲイン設定に関して外部コンポーネントに依存せず、微細なゲイン調節制御(例えば、128のゲイン設定を超える)を維持する、デジタル的にプログラム可能なプログラマブル・ゲイン計装用増幅器を提供することができる。このようにして、本開示の態様は、外部コンポーネントに依存するゲイン値を有するアンプと比較して、正確なゲイン制御および低いゲイン・ドリフトを有する増幅器を提供できる。すなわち、本開示の態様は、温度や入力信号電圧などのような動作条件の変化に対して非常に強い正確な増幅を提供できる。本開示の一以上の技術を利用する装置は、温度および入力信号電圧についてのゲイン追跡を改善することができ、外部コンポーネントを必要としなくてもよい。
図1は、本開示の一以上の態様に従った、プログラマブル利得増幅器の一例を示す回路図である。図1の回路図は、計装用増幅器10を含む。いくつかの例において、本開示の一以上の技術は、正確な抵抗比が用いられ得る他の増幅回路または状況、例えば、1つの演算増幅器および2つの抵抗素子を有する反転用および非反転用の増幅回路において、実装することができる。図1の例において、計装用増幅器10のすべてのエレメントは、モノリシック集積回路内に実装される。計装用増幅器10は、接続ポイント12および接続ポイント14で、それぞれ、入力電圧VIN1およびVIN2を受け取るように動作する。計装用増幅器10は、入力電圧値間(例えば、VIN2−VIN1)の差を増幅し、増幅された電圧VOUTを接続ポイント16で出力することができる。
計装用増幅器10は、図1に示すように、演算増幅器(オペアンプ)18、20、および22を含む。演算増幅器18、20、および22の各々は、差動入力および少なくとも一つの出力を有するDC結合された高利得電圧増幅器とすることができる。すなわち、演算増幅器18、20、および22は、差動電圧増幅を提供できる。いくつかの例において、演算増幅器は、非反転入力、反転入力、および非反転出力を含むことができる。例示の演算増幅器は、一般に、差動増幅器、電圧増幅器、および出力増幅器を含むことができる。演算増幅器は、電源電圧のための入力を含むこともできる。いくつかの例において、演算増幅器は、より多くのまたはより少ない入力または出力を含むことができる。
図1の例において、演算増幅器18は、非反転入力24、反転入力26、および非反転出力28を含む。演算増幅器18はまた、供給入力80および82を含む。演算増幅器18の非反転入力24は、接続ポイント12に接続し、第1の入力電圧VIN1を受け取ることができる。演算増幅器18の非反転出力28は、抵抗R1を持つ第1の抵抗器30の第1端部と、抵抗R2を持つ第3の抵抗器34の第1端部との双方に接続している。演算増幅器18の反転入力26は、第1の抵抗器30の他端に接続される。供給入力80はV+に接続され、供給入力82はVSSに接続される。V+およびVSSは、計装用増幅器10に対する電源接続ポイントである。V+は、増幅器の特定の応用(例えば、一般には、接地に対して+2ボルトから+30ボルトの範囲またはそれを超える)に応じた、いかなる値でもあってもよい。同様に、VSSは、増幅器の応用(例えば、一般には、接地に対して0ボルトから−30ボルトの範囲またはそれを超える)に応じた、いかなる値であってもよい。
演算増幅器20は、図1の例に示すように、非反転入力42、反転入力44、および非反転出力46を含む。演算増幅器20はまた、供給入力84および86を含む。演算増幅器20の非反転入力42は、接続ポイント14に接続され、第2の入力電圧VIN2を受け取ることができる。演算増幅器20の非反転出力46は、抵抗R1を有する第2の抵抗器32の第1端部と、抵抗R2を有する第4の抵抗器36の第1端部との双方に接続される。演算増幅器20の反転入力44は、第2の抵抗器32の他端に接続される。供給入力84はV+に接続され、供給入力86はVSSに接続される。
図1の例において、演算増幅器22は、非反転入力52、反転入力54、および非反転出力56を含む。演算増幅器22はまた、供給入力88および90を含む。演算増幅器22の非反転入力52は、第4の抵抗器36の第2端部と、抵抗R3を有する第6の抵抗器40の第1端部とに接続される。図1の例において、第6の抵抗器40の第2端部は、接地(図1では「GND」と示される)に接続される。他の例において、第6の抵抗器40の第2端部は、基準電圧に接続することができる。第6の抵抗器40の第2端部を基準電圧に接続することにより、VOUTを基準電圧の大きさによりオフセットできる。かかるオフセットは、計装用増幅器10が単一供給システムで動作しており、VOUTが接地より下にスイングできないときなどのような、さまざまな例において有益であり得る。演算増幅器22の反転入力54は、第3の抵抗器34の第2端部と、抵抗R3を持つ第5の抵抗器38の第1端部とに接続される。演算増幅器22の非反転出力56は、第5の抵抗器38の第2端部と接続ポイント16との両方に接続される。すなわち、演算増幅器22の非反転出力56は、入力VIN1とVIN2との間の電圧差と比例する増幅出力電圧VOUTを提供することができる。供給入力88はV+に接続され、供給入力90はVSSに接続される。いくつかの例において、供給入力80、84、および88は同じV+に接続され、供給入力82、86、及び90は同じVSSに接続され得る。すなわち、演算増幅器18、20、および22は、電源を共有することができる。他の例において、演算増幅器18、20、および22の各々は、別々の電源によって電力を供給されることができる。
また、計装用増幅器10は、図1の例に示すように、抵抗素子50も含む。第1の抵抗器30の第2端部は抵抗素子50の第1端部に接続し、抵抗素子50の第2端部は抵抗器32の第2端部に接続する。抵抗素子50は、プログラム可能な抵抗値RGAINを有することができる。図1に示すように、計装用増幅器10のディファレンシャル・モード・ゲインは、かくして下の式2により定義される。
すなわち、計装用増幅器10の全体の利得(VOUT/(VIN2−VIN1))は、第1のゲイン・ステージ(1+(2R1/RGAIN)および第2のゲイン・ステージ(R3/R2)を含むことができる。増幅器10の第1のゲイン・ステージに関して記載したが、本開示の一以上の態様は、第2のゲイン・ステージに(例えば、第3の抵抗器34および/または第4の抵抗器36を抵抗素子50の例と置き換えることによって)追加として、また、代替例において、容易に適用できる。抵抗素子50はまた、他の例におけるさまざまな他の増幅回路のゲインを決定するために用いることもできる。
抵抗素子50を、一以上のオンチップのモノリシック抵抗器として実装することによって、計装用増幅器10のゲイン精度は、部分的に外部コンポーネントに基づくゲイン値を有する増幅器と比較して、本質的に高くなり得る。加えて、温度係数、電圧係数または他の特性などのような抵抗素子50の抵抗特性は、他のオンチップ抵抗器(例えば、第1の抵抗器30および第2の抵抗器32)の抵抗特性を密接に追跡でき、例えば摂氏−55度ないし+300度またはこれを超えるような動作温度および入力信号の広い範囲にわたって、正確な比率の一致および極めて低いゲイン・ドリフト(例えば、一以上の外部コンポーネントを用いる増幅器と比較して)をもたらす。RGAINの値を変える(例えば、プログラム可能なロジックを用いる)ことによって、抵抗素子50は、計装用増幅器10の第1ステージに関してのゲイン値を定めることができ、従って、計装用増幅器10の全体に関してのゲイン値を定めることができる。抵抗素子50の更なる詳細は、図2および3を参照して以下で説明する。
図2は、本開示の一以上の態様に従った、プログラマブル利得増幅器100の一例を示す回路図である。いくつかの例において、増幅器100は、図1に例示した増幅器10と類似であり得る。すなわち、図2に示すように、増幅器100は、演算増幅器118、120および122、ならびに第1の抵抗器130、第2の抵抗器132、第3の抵抗器134、第4の抵抗器136、第5の抵抗器138および第6の抵抗器140などのようなコンポーネントを含むことができる。他の例において、増幅器100は、より多くの又はより少ないコンポーネントを含むことができる。
増幅器100は、図2の例において、抵抗素子150を含む。抵抗素子150は、ゲイン抵抗器160A−160H(集合的に「ゲイン抵抗器160」)と、ゲイン・スイッチ162A−162H(集合的に「ゲイン・スイッチ162」)とを含む。ゲイン抵抗器160およびゲイン・スイッチ162の各々は、第1端部および第2端部を含む。それぞれのゲイン抵抗器160の第1端部は、第1の抵抗器130の第2端部と、演算増幅器118の反転入力126とに接続される。それぞれのゲイン抵抗器160の第2端部は、それぞれのゲイン・スイッチ162の第1端部に接続される。例えば、ゲイン抵抗器160Aの第2端部はゲイン・スイッチ162Aの第1端部に接続され、ゲイン抵抗器160Bの第2端部はゲイン・スイッチ126Bの第1端部に接続され、以下同様である。それぞれのゲイン・スイッチ162の第2端部は、第2の抵抗器132の第2端部と、演算増幅器120の反転入力144とに接続される。すなわち、図2の例において、抵抗素子150は、直列にされた抵抗器とスイッチとのグループを並列にしたものとして構築される。他の例において、ゲイン抵抗器160およびゲイン・スイッチ162は、異なるアーキテクチャに構成されることができる。図2では、8つの並列にされた抵抗器/スイッチ・グループとして示されているが、抵抗素子150は、16のグループ、4のグループなど、また、更には単一の抵抗器/スイッチ・グループなどのような、より多くのまたはより少ない抵抗器/スイッチ・グループを含むことができる。
いくつかの例において、ゲイン抵抗器160は、それぞれ、同じ抵抗値を有することができる。他の例において、ゲイン抵抗器160の1以上のものは、異なる抵抗値を有することができる。図2の例において、ゲイン抵抗器160の抵抗値は、バイナリ加重を与えられ得る。すなわち、ゲイン抵抗器の抵抗値は、以前のゲイン抵抗器のものの2倍とすることができる。例えば、ゲイン抵抗器160Aは、RGAINという抵抗値を有することができる。ゲイン抵抗器160Bは、ゲイン抵抗器160Aの抵抗値の2倍の抵抗値(例えば、2RGAIN)を有することができ、ゲイン抵抗器160Cは、4RGAINという抵抗値を有することができ、以下同様とすることができる。ゲイン抵抗器160の値をこのようなバイナリ様式で重み付けすることによって、抵抗素子150の全体のコンダクタンスは、ゲイン・スイッチ162の特定の組み合わせを閉じることによって、いかなる数の値にも設定することができる。
ゲイン・スイッチ162の各々も、抵抗値を有し得る。たとえば、ゲイン・スイッチ162Aは、閉じた(すなわちアクティブ)状態にあるとき、ゲイン・スイッチ162Aの中を流れる電流に対して非ゼロの抵抗(RG−ON)を呈し得る。ゲイン・スイッチ162はゲイン抵抗器160と直列であるので、抵抗素子150の全体の抵抗値は、閉じられた(すなわち、アクティブにされた)ゲイン・スイッチ162の抵抗を、そのそれぞれに対するゲイン抵抗器160の抵抗に加えることにより決定することができる。従って、ゲイン・スイッチ162の抵抗値は、増幅器100の入力段のゲイン値に影響を及ぼし得る。例えば、ゲイン・スイッチ162Aだけが閉じられたとき、増幅器100の入力段第1ステージのゲインは、(1+(2R1/(RGAIN+RG−ON)))となり得る。
いくつかの例において、ゲイン・スイッチ162を非常に大きくすること(例えば、各々が広いチャネルを有するようにすること)は、抵抗素子150の全体の抵抗に関して、ゲイン・スイッチ162の抵抗を無視できる程度にすることができる。すなわち、ゲイン抵抗器160と直列にされているにもかかわらず、ゲイン・スイッチ162が十分に大きいときには、ゲイン・スイッチ162は、増幅器100の第1ステージのゲインに対して、意味を持つほどの影響を及ぼさないであろう。他の例において、ゲイン・スイッチ162のオン抵抗は、ゲイン抵抗器160の抵抗値を著しく増加させることによって(例えば、ゲイン・スイッチ162のオン抵抗よりもはるかに大きい値にすることにより)、無視できるようにすることができる。
ゲイン・スイッチ162は、いくつかの例において、入力を受け取るように、および受け取った入力に基づいて起動(例えば、スイッチを閉じる)または起動停止(例えば、スイッチを開く)するように動作するトランジスタとすることができる。例えば、ゲイン・スイッチ162のそれぞれは、電界効果トランジスタとすることができ、このトランジスタはそのゲートで電圧を受けるように動作する。ゲート電圧が十分に大きい場合、トランジスタは、電流がソース端子およびドレイン端子を通して自由に流れることを許可し、スイッチは「閉」または「オン」とみなされることができる。しかしながら、ゲート電圧が十分に大きくない場合または実際上はゼロである場合、トランジスタのインピーダンスは、電流がソース端子とドレイン端子との間で流れることを妨げ、スイッチは「開」または「オフ」とみなされることができる。他の例において、ゲイン・スイッチ162は、電流の流れをイネーブルまたはディスエーブルにするように動作する他のコンポーネントでもよい。いくつかの例において、ラッチなどのような追加の論理または他のコンポーネントによって、ゲイン・スイッチ162がバイナリの値を介してプログラムされるように、することができる。例えば、図2の例では、ゲイン・スイッチ162は、1バイト(例えば、8ビット)のデータの入力を介してプログラム可能とすることができる。
図2の例において、ゲイン抵抗器160および/またはゲイン・スイッチ162は、内部のオンチップ・コンポーネントとして実装される。すなわち、いくつかの例において、増幅器100はモノリシック・デバイスとすることができる。抵抗素子150を、8つの切替えされる並列のバイナリ加重されるアレイとして編成することによって、抵抗素子150の抵抗値は、8つの入力(例えば、制御信号)だけを使用して、255の等しく加重されるインクリメントに設定することができる。換言すれば、可能な抵抗値の数は、含まれる各抵抗器/スイッチ・ペアを用いて2倍にされる。バイナリ・アレイは、特定の応用に関しての全抵抗器範囲および/またはマッチングにより課される実際的な制限までの、いかなる整数値も呈することができる。このようにして、本開示の技術は、多数の入力制御信号や多数のスイッチを必要とすることなく多数のゲイン値を可能とする用途の広いプログラマブル・ゲイン計装用増幅器を提供できる。
図3は、本開示の一以上の態様に従った、プログラマブル利得増幅器200の他の例を示す回路図である。いくつかの例において、増幅器200は、図1に例示される増幅器10および/または図2に例示される増幅器100と類似のものとすることができる。図3に示すように、増幅器200は、演算増幅器218、220および222、ならびに第1の抵抗器230、第2の抵抗器232、第3の抵抗器234、第4の抵抗器236、第5の抵抗器238および/または第6の抵抗器240を含む。いくつかの例において、増幅器200は、モノリシック・デバイスとして実装されることができる。従って、いくつかまたは全てのコンポーネントの抵抗値は、同じまたは類似の抵抗特性を有し得る。
増幅器200はダミー・スイッチ231およびダミー・スイッチ233を含み、各々が第1の端部および第2の端部を有する。ダミー・スイッチ231の第1の端部は第1の抵抗器230の第2の端部に接続され、ダミー・スイッチ231の第2の端部は抵抗素子250の第1端部に接続される。ダミー・スイッチ233の第1の端部は第2の抵抗器232の第2の端部に接続され、ダミー・スイッチ233の第2の端部は抵抗素子250の第2の端部に接続される。すなわち、図3の例において、ダミー・スイッチ231および233は、上および下の入力段抵抗器と直列にされている。
図3の例において、増幅器200は、抵抗素子250を含む。抵抗素子250はゲイン抵抗器260A−260H(集合的に「ゲイン抵抗器260」)、第1のゲイン・スイッチ261A−261H(集合的に「第1のゲイン・スイッチ261」)、及び第2のゲイン・スイッチ262A−262H(集合的に「第2のゲイン・スイッチ262」)を含む。ゲイン抵抗器260、第1のゲイン・スイッチ261、および第2のゲイン・スイッチ262の各々は、第1端部および第2の端部を有する。それぞれの第1のゲイン・スイッチ261の第1端部は、ダミー・スイッチ231の第2の端部に、ならびに演算増幅器218の反転入力226に接続される。それぞれの第1のゲイン・スイッチ261の第2端部は、ゲイン抵抗器260のそれぞれのものの第1端部に接続される。それぞれのゲイン抵抗器260の第2端部は、第2のゲイン・スイッチ262のそれぞれのものの第2端部に接続される。例えば、第1のゲイン・スイッチ261Aの第2端部はゲイン抵抗器260Aの第1端部に接続され、ゲイン抵抗器260Aの第2端部は第2のゲイン・スイッチ262Aの第2端部に接続される。同様に、第1のゲイン・スイッチ261Bの第2端部はゲイン抵抗器260Bの第1端部に接続され、ゲイン抵抗器260Bの第2端部は第2のゲイン・スイッチ262Bの第2端部に接続され、以下同様である。
それぞれの第2のゲイン・スイッチ262の第1端部は、ダミー・スイッチ233の第2端部に、ならびに演算増幅器220の反転入力244に接続される。すなわち、図3の例では、抵抗素子250は、直列にされた第1のスイッチと抵抗器と第2のスイッチとのグループを並列にしたものとして構築される。図3では8つのスイッチ/抵抗器/スイッチのグループを並列にしたものとして示されているが、抵抗素子250は、16のグループ、4のグループ、また、更には単一のスイッチ/抵抗器/スイッチのグループなどのような、より多くのまたは少ないスイッチ/抵抗器/スイッチのグループを含むことができる。
いくつかの例において、それぞれのゲイン抵抗器260は、同じ抵抗値を有することができる。他の例において、一以上のゲイン抵抗器260は、異なる抵抗値を有することができる。図3の例において、ゲイン抵抗器260の抵抗値は、バイナリ加重することができる。すなわち、ゲイン抵抗器の抵抗値は、前のゲイン抵抗器の2倍とすることができる。例えば、ゲイン抵抗器260Aは、RGAINという抵抗値を有することができる。ゲイン抵抗器260Bはゲイン抵抗器260Aの2倍の大きさの抵抗値(例えば、2RGAIN)を有することができ、ゲイン抵抗器260Cは4RGAINという抵抗値を有することができ、以下同様である。このようなバイナリ様式でゲイン抵抗値260の値に重みをつけることによって、抵抗素子250の全体のコンダクタンスは、2Nの等間隔コンダクタンス値のいずれかに設定されることができ、ここでのNは抵抗素子250に含まれる並列の脚の数である。特定のコンダクタンスの値は、第1のゲイン・スイッチ261および第2のゲイン・スイッチ262の特定の組み合わせを閉じることによって設定される。
第1のゲイン・スイッチ261および第2のゲイン・スイッチ262は、入力に応答して電流の流れを許容または制限する能力のある電界効果トランジスタとすることができる。第1のゲイン・スイッチ261および第2のゲイン・スイッチ262の各々は、トランジスタのゲートで、入力として電圧を受け取ることができ、トランジスタは、ソース端子およびドレイン端子を通る電流の流れを許容または制限することができる。第1のゲイン・スイッチ261のそれぞれのもの、および第2のゲイン・スイッチ262のそれぞれのものは、同じ入力により制御される。例えば、第1のゲイン・スイッチ261Aおよび第2のゲイン・スイッチ262Aのゲートは同じゲート電圧を受け取り、それによって、第1のゲイン・スイッチ261Aおよび第2のゲイン・スイッチ262Aは、両方とも閉にされるか、または両方とも開にされる。
ダミー・スイッチ231および233は、第1のゲイン・スイッチ261および第2のゲイン・スイッチ262と類似の電界効果トランジスタとすることができる。
いくつかの例において、ダミー・スイッチ231および233は、永久に閉じた状態とすることができる。すなわち、ダミー・スイッチ231および233は、入力により制御されず、連続的にオンにされて電流が流れるようにしてもよい。他の例において、ダミー・スイッチ231および233は、第1のゲイン・スイッチ261および第2のゲイン・スイッチ262と似たように制御可能としてもよい。図3では抵抗器とダミー・スイッチとの単一の組み合わせとして示されているが、抵抗要素270および272のそれぞれは、抵抗器がR1という値を有する第1の組み合わせおよび抵抗器が10R1という値を有する第2の組み合わせなどのような、並列に配された複数の組み合わせを含むことができる。抵抗要素270および272が複数の並列の抵抗器/ダミー・スイッチ組み合わせを含む場合、抵抗素子270および272の複数のダミー・スイッチは、プログラム可能とすることができ(例えば、電圧入力により制御される)、計装用増幅器がゲイン値範囲を更に大きくすることさえも可能にすることができる。何れの場合においても、オンのとき、ダミー・スイッチ231および233は、それぞれ、ダミー・スイッチ231および233の中を流れる電流に対して非ゼロの抵抗(RDUMMY)を呈し得る。RDUMMYは、ダミー・スイッチ231および233を実装するために用いるコンポーネントの特性(例えば、チャネル幅、コンポーネント・サイズ、または他の特性)により決定することができる。図3の例において、RDUMMYは、第1の抵抗器230および第2の抵抗器232の抵抗R1と比例するものとしてもよい。
いくつかの例において、ダミー・スイッチ231および233は、永久に閉じた状態とすることができる。すなわち、ダミー・スイッチ231および233は、入力により制御されず、連続的にオンにされて電流が流れるようにしてもよい。他の例において、ダミー・スイッチ231および233は、第1のゲイン・スイッチ261および第2のゲイン・スイッチ262と似たように制御可能としてもよい。図3では抵抗器とダミー・スイッチとの単一の組み合わせとして示されているが、抵抗要素270および272のそれぞれは、抵抗器がR1という値を有する第1の組み合わせおよび抵抗器が10R1という値を有する第2の組み合わせなどのような、並列に配された複数の組み合わせを含むことができる。抵抗要素270および272が複数の並列の抵抗器/ダミー・スイッチ組み合わせを含む場合、抵抗素子270および272の複数のダミー・スイッチは、プログラム可能とすることができ(例えば、電圧入力により制御される)、計装用増幅器がゲイン値範囲を更に大きくすることさえも可能にすることができる。何れの場合においても、オンのとき、ダミー・スイッチ231および233は、それぞれ、ダミー・スイッチ231および233の中を流れる電流に対して非ゼロの抵抗(RDUMMY)を呈し得る。RDUMMYは、ダミー・スイッチ231および233を実装するために用いるコンポーネントの特性(例えば、チャネル幅、コンポーネント・サイズ、または他の特性)により決定することができる。図3の例において、RDUMMYは、第1の抵抗器230および第2の抵抗器232の抵抗R1と比例するものとしてもよい。
第1のゲイン・スイッチ261および第2のゲイン・スイッチ262は、オンのときに抵抗値を有し得る。第1のゲイン・スイッチ261および第2のゲイン・スイッチ262の各々の抵抗は、ゲイン抵抗器260のそれぞれのものと比例するものとすることができる。例えば、第1のゲイン・スイッチ261Aおよび第2のゲイン・スイッチ262Aは、それぞれ、ゲイン抵抗器260Aの抵抗値RGAINと比例するオン抵抗値RG−ONを有することができる。第1のゲイン・スイッチ261Bおよび第2のゲイン・スイッチ262Bは、ゲイン抵抗器260Bの抵抗値2RGAINと比例するオン抵抗値2RG−ONを有することができる。第3の組み合わせは、第2の組み合わせのサイズの2倍のオン抵抗値を有することができ、以下同様である。換言すれば、第1のゲイン・スイッチ261および第2のゲイン・スイッチ262もまた、ゲイン抵抗器260のように、バイナリ加重されたオン・コンダクタンスを有することもできる。例えば、ダミー・スイッチ231および233が閉じられ、第1のゲイン・スイッチ261Aおよび第2のゲイン・スイッチ262Aが閉じられるとき、増幅器200の全体の利得は下記の式3により記述することができる。
いくつかの例において、RDUMMYおよびRG−ONは、それぞれ、R1およびRGAINに対して同じ比率とすることができる。例えば、各スイッチの抵抗は、関連する抵抗器の抵抗値の小さいパーセンテージ(例えば、1%、0.5%、または他の値)だけとすることができる。R1に対する比率において、RDUMMYを、RGAINに対するRG−ONの比率と類似にサイジングすることによって、本開示の態様は、R1とRGAINとの間の意図された抵抗比を維持することができ、RDUMMYおよびRG−ONが、それぞれ、R1およびRGAINの一部として定義されるようにすることができる。従って、式3は低減されることができ、増幅器200の全体の利得は下記の式4により記述されることができる。
図3の例において、ダミー・スイッチおよびゲイン・スイッチは、それぞれ、ほとんど同じである電圧係数および温度係数を有することができ、それぞれのスイッチ組み合わせに関するオン抵抗(例えば、RDUMMYおよびRG−ON)が、動作温度および電圧の広い範囲にわたって、共に追跡することを可能にする。例えば、ダミー・スイッチ231と各々のゲイン・スイッチ261とは、同じ動作電圧(例えば、各々のトランジスタのゲートでの同じゲート電圧)を有することができる。この、同じゲート電圧ということは、ダミー・スイッチ231および第1のゲイン・スイッチ261のそれぞれのオン抵抗が、増幅器入力信号VIN1およびVIN2の変動で変化しているときに、互いに追跡を行い、かくして抵抗の比率性および安定したゲインを維持する、ということを意味する。同じように、ダミー・スイッチ233および第2のゲイン・スイッチ262も、同じゲート電圧を共有し、かくして抵抗の比率性を維持する。
加えて、ダミー・スイッチ231および第1のゲイン・スイッチ261は、一般に、ダミー・スイッチ233および第2のゲイン・スイッチ262とは異なる入力信号電圧で動作し得るが(例えば、計装用増幅器への入力信号電圧の差の性質による)、すべてのスイッチに対して適切なスケーリング・ファクタを印加すると、いかなる食い違いも低減することまたは除去することができる。すなわち、ゲイン抵抗器260の両側のスイッチのオン抵抗は、動的入力信号(例えば、VIN1およびVIN2で受け取られる入力)によって変動することがあり、従って左右で僅かに異なり得るが、増幅器200のゲインは、スイッチのオン抵抗から効果的に独立している。これにより、温度の広い範囲にわたって、および入力信号電圧の広いスイングにわたって、ゲインの精度および安定性を得ることができる。式4は、なおも保持される。
本開示の一以上の態様に従うと、抵抗素子250内に第1のゲイン・スイッチ261および第2のゲイン・スイッチ262を含めることは、増幅器200が多数のゲイン値を提供することを可能にすることができる。第1の抵抗器230および第2の抵抗器232と直列にダミー・スイッチ231および233をそれぞれ配置することによって、ここで説明される技術は、抵抗素子270および272を備えることができる。抵抗素子270および272のそれぞれが抵抗素子250のエレメントと類似のエレメント(例えば、類似のスイッチおよび抵抗器)を有するので、抵抗特性は同じまたは類似であり得る。従って、抵抗素子270および272は、広範囲の入力信号電圧および温度条件にわたって抵抗素子250に適合することおよび/または抵抗素子250を追跡することができる。従って、ダミー・スイッチ231および232を含めることは、第1のゲイン・ステージで何れかのミスマッチが生じることを回避させることができる。
本開示の技術は、第1の非反転入力、第1の反転入力、および第1の出力を含む第1の増幅器であって、第1の増幅器の第1の非反転入力が第1入力電圧端子に接続される、第1の増幅器と、第1の抵抗器および第1のダミー・スイッチを含む第1の抵抗素子であって、第1の抵抗素子の第1端部が第1の増幅器の第1の出力に接続され、第1の抵抗素子の第2端部が第1の増幅器の第1の反転入力に接続される、第1の抵抗素子とを含む装置を提供することができる。装置は更に、第2の非反転入力、第2の反転入力、および第2の出力を含む第2の増幅器であって、第2の増幅器の第2の非反転入力が第2の入力電圧端子に接続される、第2の増幅器と、第2の抵抗器および第2のダミー・スイッチを含む第2の抵抗素子であって、第2の抵抗素子の第1端部が第2の増幅器の第2の出力に接続され、第2の抵抗素子の第2の端部が第2の増幅器の第2の反転入力に接続される、第2の抵抗素子とを含む。最後に、装置はまた、制御入力を受け取るように動作するプログラマブル抵抗ゲイン・エレメントを含むこともでき、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの抵抗値は、受け取った制御入力に少なくとも部分的に基づくものであり、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの第1の端部は、第1の増幅器の第1の反転入力と、第1のダミー・スイッチの第2の端部との双方に接続され、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの第2の端部は、第2の増幅器の第2の反転入力と、第2のダミー・スイッチの第2の端部との双方に接続される。
いくつかの例において、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの抵抗値と比較すると、第1および第2の抵抗素子の抵抗値は、摂氏−55度から摂氏300度にわたる動作温度または他の温度に関係なく、指定された比率を維持する。いくつかの例において、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントは一以上のゲイン抵抗器と、それぞれのゲイン・スイッチとを含む。いくつかの例において、それぞれのゲイン・スイッチは、それぞれの第1のゲイン・スイッチであり、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントは、それぞれの第2のゲイン・スイッチを更に含み、第1の抵抗素子の第1端部は、第1の抵抗器の第1端部を含み、第1の抵抗器の第2端部は、第1のダミー・スイッチの第1端部に接続され、第1の抵抗素子の第2端部は、第1のダミー・スイッチの第2端部を含み、第2の抵抗素子の第1端部は、第2の抵抗器の第1端部を含み、第2の抵抗器の第2端部は、第2のダミー・スイッチの第1端部に接続され、第2の抵抗素子の第2端部は、第2のダミー・スイッチの第2端部を含み、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの第1端部は、それぞれの第1のゲイン・スイッチの各々のものの集団的な第1端部を含み、それぞれの第1のゲイン・スイッチの各々のものの第2端部は、一以上のゲイン抵抗器のそれぞれのものの第1端部に接続され、一以上のゲイン抵抗器の各々のものの第2端部は、それぞれの第2のゲイン・スイッチの第2端部に接続され、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの第2端部は、それぞれの第2のゲイン・スイッチの各々のものの集団的な第1端部を含む。
いくつかの例において、一以上のゲイン抵抗器は複数のバイナリ加重されるゲイン抵抗器を含み、複数のバイナリ加重されるゲイン抵抗器におけるそれぞれの後続するゲイン抵抗器が、複数のバイナリ加重されるゲイン抵抗器における前のゲイン抵抗器の抵抗値の2倍に等しい抵抗値を有する。いくつかの例において、それぞれの第1のゲイン・スイッチは、複数のバイナリ加重される第1のゲイン・スイッチを含み、複数のバイナリ加重される第1のゲイン・スイッチにおけるそれぞれの後続する第1のゲイン・スイッチが、複数のバイナリ加重される第1のゲイン・スイッチにおける前の第1のゲイン・スイッチのオン抵抗値の2倍に等しいオン抵抗値を有し、それぞれの第2のゲイン・スイッチは、複数のバイナリ加重される第2のゲイン・スイッチを含み、複数のバイナリ加重される第2のゲイン・スイッチにおけるそれぞれの後続する第2のゲイン・スイッチは、複数のバイナリ加重される第2のゲイン・スイッチにおける前の第2のゲイン・スイッチのオン抵抗値の2倍のオン抵抗値に等しいオン抵抗値を有する。
いくつかの例において、第1の抵抗素子は、複数の第1の抵抗器および複数の第1のダミー・スイッチを更に含み、第1の抵抗器は、複数の第1の抵抗器の一つであり、第1のダミー・スイッチは、複数の第1のダミー・スイッチの一つであり、第2の抵抗素子は、複数の第2の抵抗器および複数の第2のダミー・スイッチを更に含み、第2の抵抗器は、複数の第2の抵抗器の1つであり、第2のダミー・スイッチは、複数の第2のダミー・スイッチの1つであり、第1の抵抗素子の第1端部は、複数の第1の抵抗器の各々のものの集団的な第1の端部を更に含み、複数の第1の抵抗器の各々のものの第2の端部は、複数の第1のダミー・スイッチのそれぞれのものの第1の端部に接続され、第1の抵抗素子の第2の端部は、複数の第1のダミー・スイッチの各々のものの集団的な第2の端部を更に含み、第2の抵抗素子の第1の端部は、複数の第2の抵抗器の各々のものの集団的な第1の端部を更に含み、複数の第2の抵抗器の各々のものの第2の端部は、複数の第2のダミー・スイッチのそれぞれのものの第1の端部に接続され、第2の抵抗素子の第2の端部は、複数の第2のダミー・スイッチの各々のものの集団的な第2の端部を更に含む。
いくつかの例において、装置は、第3の非反転入力、第3の反転入力、および第3の出力を含む第3の増幅器であって、第3の増幅器の第3の出力が出力電圧端子に接続される、第3の増幅器と、第3の抵抗器であって、第3の抵抗器の第1端部が第1の増幅器の第1の出力に接続され、第3の抵抗器の第2端部が第3の増幅器の第3の反転入力に接続される、第3の抵抗器と、第4の抵抗器であって、第4の抵抗器の第1端部が第2の増幅器の第2の出力に接続され、第4の抵抗器の第2端部が第3の増幅器の第3の非反転入力に接続される、第4の抵抗器とを、更に含む。かかる例において、装置はまた、第5の抵抗器であって、第5の抵抗器の第1端部が第3の増幅器の第3の反転入力に接続され、第5の抵抗器の第2端部が第3の増幅器の第3の出力に接続される、第5の抵抗器と、第6の抵抗器であって、第6の抵抗器の第1端部が第3の増幅器の第3の非反転入力に接続され、第6の抵抗器の第2端部が接地またはリファレンス電圧源に接続される、第6の抵抗器とを、含むことができる。
いくつかの例において、制御入力は、一以上のバイナリ・ディジットを含み、それぞれのゲイン・スイッチは、1以上のバイナリ・ディジットのうちのバイナリ・ディジットを受け取り、バイナリ1を受け取ったことに応答してスイッチを閉じ、バイナリ0を受け取ったことに応答してスイッチを開くように、動作する。いくつかの例において、装置は、モノリシック集積回路として実装される。いくつかの例では、第1のダミー・スイッチ及び第2のダミー・スイッチは永久的にオン状態とされる。
ここに記載された技術は、薄膜やポリシリコンの抵抗器を組み込む集積回路プロセスなどのような、いかなる相補型金属酸化物半導体(CMOS)プロセスでも実施することができる。一例として、ここで記載された一以上の技術に従って動作する集積回路は、高温シリコン・オン・インシュレーター・プロセスで実施することができる。
本開示で記載された回路コンポーネントは、別々のコンポーネントとして、一以上の集積されたデバイスとして、またはそれらの任意の組み合わせとして、インプリメントすることができる。ここで説明した回路コンポーネントは、相補型金属酸化物半導体(CMOS)プロセス技術を含む多種多様なプロセス技術のいずれかを用いて製作できる。更に、ここで説明した回路は、電気通信での応用、汎用コンピューティングでの応有などを含むさまざまな応用で、用いることが可能である。
開示された技術を実施するように構成される装置およびコンポーネントの機能的な特徴を強調するために、さまざまな回路コンポーネント、モジュール、またはユニットをこの開示に記載したが、別々の回路コンポーネントによっての実現を必ずしも必要としていない。むしろ、さまざまなコンポーネントは、組み合わされるか、または相互動作する回路コンポーネントの集まりにより提供される。更に、ここで説明した各種のコンポーネントや装置の機能的な特徴は、より多くの又は他のタイプのコンポーネントにより実施されることができる。
開示された技術を実施するように構成される装置およびコンポーネントの機能的な特徴を強調するために、さまざまな回路コンポーネント、モジュール、またはユニットをこの開示に記載したが、別々の回路コンポーネントによっての実現を必ずしも必要としていない。むしろ、さまざまなコンポーネントは、組み合わされるか、または相互動作する回路コンポーネントの集まりにより提供される。更に、ここで説明した各種のコンポーネントや装置の機能的な特徴は、より多くの又は他のタイプのコンポーネントにより実施されることができる。
さまざまな例を記載してきた。これらまたは他の例は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。
Claims (3)
- デバイスであって、
第1の非反転入力、第1の反転入力、および第1の出力を有する第1の増幅器であって、前記第1の増幅器の前記第1の非反転入力が第1の入力電圧端子に接続される、第1の増幅器と、
第1の抵抗器および第1のダミー・スイッチを有する第1の抵抗素子であって、前記第1の抵抗素子の第1の端部が前記第1の増幅器の前記第1の出力に接続され、前記第1の抵抗素子の第2の端部が前記第1の増幅器の前記第1の反転入力に接続される、第1の抵抗素子と、
第2の非反転入力、第2の反転入力、および第2の出力を有する第2の増幅器であって、前記第2の増幅器の前記第2の非反転入力が第2の入力電圧端子に接続される、第2の増幅器と、
第2の抵抗器および第2のダミー・スイッチを有する第2の抵抗素子であって、前記第2の抵抗素子の第1の端部が前記第2の増幅器の前記第2の出力に接続され、前記第2の抵抗素子の第2の端部が、前記第2の増幅器の前記第2の反転入力に接続される、第2の抵抗素子と、
制御入力を受け取るように動作するプログラマブル抵抗ゲイン・エレメントであって、前記プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの抵抗値は、受け取った前記制御入力に少なくとも部分的に基づくものであり、前記プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの第1の端部は、前記第1の増幅器の前記第1の反転入力と、前記第1のダミー・スイッチの前記第2の端部との両方に接続され、前記プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの第2の端部は、前記第2の増幅器の前記第2の反転入力と、前記第2のダミー・スイッチの第2の端部との両方に接続される、プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントと
を含むデバイス。 - 請求項1に記載のデバイスであって、
それぞれの前記ゲイン・スイッチが、それぞれの第1のゲイン・スイッチであり、
前記プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントが、1以上のゲイン抵抗器と、それぞれの第1のゲイン・スイッチと、それぞれの第2のゲイン・スイッチとを含み、
前記第1の抵抗素子の前記第1の端部は、前記第1の抵抗器の第1端部を含み、前記第1の抵抗器の第2の端部は、前記第1のダミー・スイッチの第1の端部に接続され、前記第1の抵抗素子の前記第2の端部は、前記第1のダミー・スイッチの第2の端部を含み、
前記第2の抵抗素子の前記第1の端部は、前記第2の抵抗器の第1の端部を含み、前記第2の抵抗器の第2の端部は、前記第2のダミー・スイッチの第1の端部に接続され、前記第2の抵抗素子の前記第2の端部は、前記第2のダミー・スイッチの第2の端部を含み、
前記プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの前記第1の端部は、それぞれの前記第1のゲイン・スイッチの各々のものの集団的な第1の端部を含み、それぞれの前記第1のゲイン・スイッチの各々のものの第2の端部は、一以上の前記ゲイン抵抗器のそれぞれのものの第1の端部に接続され、一以上の前記ゲイン抵抗器の各々のものの第2の端部は、それぞれの前記第2のゲイン・スイッチの第2の端部に接続され、前記プログラマブル抵抗ゲイン・エレメントの前記第2の端部は、それぞれの前記第2のゲイン・スイッチの各々のものの集団的な第1の端部を含む、
デバイス。 - 請求項1に記載のデバイスであって、
第3の非反転入力、第3の反転入力、および第3の出力を含む第3の増幅器であって、前記第3の増幅器の前記第3の出力が出力電圧端子に接続される、第3の増幅器と、
第3の抵抗器であって、前記第3の抵抗器の第1の端部が前記第1の増幅器の前記第1の出力に接続され、前記第3の抵抗器の第2の端部が前記第3の増幅器の前記第3の反転入力に接続される、第3の抵抗器と、
第4の抵抗器であって、前記第4の抵抗器の第1の端部が前記第2の増幅器の前記第2の出力に接続され、前記第4の抵抗器の第2の端部が前記第3の増幅器の前記第3の非反転入力に接続される、第4の抵抗器と、
第5の抵抗器であって、前記第5の抵抗器の第1の端部が前記第3の増幅器の前記第3の反転入力に接続され、前記第5の抵抗器の第2の端部が前記第3の増幅器の前記第3の出力に接続される、第5の抵抗器と、
第6の抵抗器であって、前記第6の抵抗器の第1の端部が前記第3の増幅器の前記第3の非反転入力に接続され、前記第6の抵抗器の第2の端部が接地またはリファレンス電圧源に接続される、第6の抵抗器と
を更に含むデバイス。
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