JP2015059930A - 歪みセンサ、圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ、携帯情報端末および補聴器 - Google Patents

歪みセンサ、圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ、携帯情報端末および補聴器 Download PDF

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Abstract

【課題】外部磁場を除去することができる、あるいはエコーの発生を抑制することができる歪みセンサ、圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ、携帯情報端末および補聴器を提供する。【解決手段】 実施形態によれば、基体と、歪み検知素子と、磁場検知素子と、処理部と、を備えた歪みセンサが提供される。基体は、変形可能な膜体を有する。歪み検知素子は、膜体の上に設けられる。歪み検知素子は、第1の磁化を有する第1磁性層と、第2の磁化を有する第2磁性層と、第1磁性層と第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、を含む。磁場検知素子は、膜体以外の基体の上に設けられる。磁場検知素子は、第3の磁化を有する第3磁性層と、第4の磁化を有する第4磁性層と、第3磁性層と第4磁性層との間に設けられた第2中間層と、を含む。処理部は、歪み検知素子の出力信号と磁場検知素子の出力信号とを処理する。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、歪みセンサ、圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ、携帯情報端末および補聴器に関する。
磁気抵抗効果素子を用いた圧力センサは、磁化自由層の磁化と参照層の磁化との間の角度の変化で圧力変化を検知することができる。このような圧力センサでは、例えば地磁気などの外部磁場が外部ノイズとして磁化自由層の磁化および参照層の磁化の少なくともいずれかに作用する場合がある。
磁気抵抗効果素子を用いた圧力センサを含むマイクロフォンが内蔵された携帯情報端末などでは、配置スペースの縮小化などにより、マイクロフォンがスピーカに比較的近い位置に設けられることがある。すると、音声信号がフィードバックされ、エコーが発生することがある。
特開2004−028746号公報
本発明の実施形態は、外部磁場を除去することができる、あるいはエコーの発生を抑制することができる歪みセンサ、圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ、携帯情報端末および補聴器を提供する。
実施形態によれば、基体と、歪み検知素子と、磁場検知素子と、処理部と、を備えた歪みセンサが提供される。前記基体は、圧力に応じて歪みを生ずる膜体を有する。前記歪み検知素子は、前記膜体の上に設けられる。前記歪み検知素子は、第1の磁化を有する第1磁性層と、第2の磁化を有する第2磁性層と、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、を含む。前記第1の磁化の方向と前記第2の磁化の方向との間の角度は、前記歪みに応じて変化する。前記磁場検知素子は、前記膜体以外の前記基体の上に設けられる。前記磁場検知素子は、第3の磁化を有する第3磁性層と、第4の磁化を有する第4磁性層と、前記第3磁性層と前記第4磁性層との間に設けられた第2中間層と、を含む。前記第3の磁化の方向と前記第4の磁化の方向との間の角度は、前記磁界に応じて変化する。前記処理部は、前記歪み検知素子の出力信号と前記磁場検知素子の出力信号とを処理する。
実施形態に係る圧力センサを示すブロック図である。 図2(a)および図2(b)は、実施形態の検知部を表す模式図である。 図3(a)〜図3(c)は、実施形態の歪み検知素子および磁場検知素子を示す模式的斜視図である。 図4(a)〜図4(c)は、実施形態の歪み検知素子作用を説明する模式的斜視図である。 図5(a)〜図5(c)は、実施形態の歪み検知素子の作用を説明する模式的斜視図である。 図6(a)および図6(b)は、実施形態にかかる血圧センサを示す模式図である。 実施形態に係る携帯情報端末を示す模式的平面図である。 図8(a)および図8(b)は、実施形態に係るマイクロフォンを示す模式図である。 実施形態に係る圧力センサを示すブロック図である。 実施形態のエコーキャンセルの原理を示すブロック図である。 実施形態の伝播補正係数を説明するグラフ図である。 図12(a)および図12(b)は、実施形態に係る補聴器を示す模式図である。
以下に、図面を参照しつつ各実施の形態について例示をする。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る圧力センサを例示するブロック図である。
実施形態に係る圧力センサ310は、検知部100と、処理部210と、を備える。検知部100は、歪み検知素子110と、磁場検知素子120と、を含む。歪み検知素子110および磁場検知素子120は、磁気抵抗効果素子である。歪み検知素子110は、圧力および磁場を検知する。磁場検知素子120は、磁場を検知する。処理部210は、差動回路201を含む。差動回路201は、歪み検知素子110の出力信号と、磁場検知素子120の出力信号と、を処理する。
図2(a)および図2(b)は、実施形態の検知部を表す模式図である。
図2(a)は、実施形態の検知部を表す模式的平面図である。図2(b)は、図2(a)に表した切断面A1−A2における模式的断面図である。
図2(a)および図2(b)に表した検知部100は、歪み検知素子110と、磁場検知素子120と、基体130と、第1電極パッド141と、第2電極パッド142と、第3電極パッド143と、第4電極パッド144と、第1配線146と、第2配線147と、第3配線148と、第4配線149と、を含む。
基体130は、支持体131と、膜体133と、を含む。膜体133は、支持体131の内側に配置される。基体130は、第1面130aを有する。第1面130aに対して垂直な方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向とする。
例えば、検知部100において、メンブレン139が設けられる。メンブレン139は、基体130に対応する。メンブレン139の内側の一部に凹部135が設けられる。図2(a)に表したように、凹部135をX−Y平面に投影したときの形状は、例えば円形(扁平円を含む)や多角形などである。メンブレン139の中央部(メンブレン139のうちで薄い部分)は、膜体133となる。メンブレン139の周囲部(メンブレン139のうちで膜体133よりも厚い部分)は、支持体131となる。メンブレン139には、例えば、シリコンなどが用いられる。ただし、実施形態はこれに限らず、メンブレン139の材料は任意である。
歪み検知素子110は、メンブレン139のうちの膜体133の上に設けられる。磁場検知素子120は、メンブレン139のうちの支持体131の上に設けられる。言い換えれば、磁場検知素子120は、膜体133の外側に設けられる。
メンブレン139は、圧力から歪への変換を行う鼓膜のような役割を果たす。メンブレン139の膜体133の上に設けられた歪み検知素子110は、歪みを読み取り圧力検知を行うことができる。メンブレン139には、例えば、単結晶Si(シリコン)基板が用いられる。単結晶Si基板の裏面からエッチングを行い、歪み検知素子110が配置されている部分(膜体133の部分)を薄くする。これにより、ダイアフラム(膜体133)が形成される。ダイアフラムは、印加される圧力に応じて変形する。
例えば、ダイアフラムをX−Y平面に投影した形状が幾何的等方形状である場合には、ダイアフラムの変位によって生ずる歪は、幾何学的中心点付近ではX−Y平面状で同一値になる。そのため、歪み検知素子110をダイアフラムの幾何学的中心点に配置すると、磁化の回転を引き起こす歪が等方的になる。すると、磁性層の磁化の回転が生じなく、素子の抵抗値変化も生じない。そのため、実施形態においては、ダイアフラムの幾何学的中心点に歪み検知素子110を配置しないことが好ましい。例えば、ダイアフラムをX−Y平面に投影したときの形状が円形であるとき、ダイアフラムの変位により、円形の外周付近で最大の異方性歪が生じる。そのため、ダイアフラムの外周付近に歪み検知素子110を配置すると、検知部100の感度が高くなる。
膜体133は、可撓性を有する膜である。膜体133は、膜面133aに対して垂直な方向に可撓である。膜体133は、外部圧力が印加されたときに撓み、膜体133の上に設けられた歪み検知素子110に歪みを生じさせる。つまり、膜体133は、圧力に応じて歪みを生ずる。外部圧力としては、例えば、音波、超音波、押圧などによる圧力が挙げられる。なお、後述するように、圧力センサ310は、例えば血圧センサなどに用いられる。膜体133は伸び縮みのようなモードに対しても用いることができる。
膜体133は、例えば、絶縁性材料により形成される。膜体133は、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどを含む。また、膜体133は、シリコンなどの半導体材料により形成されてもよい。なお、膜体133は、例えば、金属材料などにより形成されてもよい。
支持体131は、例えば、膜体133の材料と同じ材料により形成される。あるいは、支持体131は、例えば、膜体133の材料とは異なる材料により形成されてもよい。支持体131は、例えば、シリコンなどの半導体や、絶縁性材料により形成される。
凹部135の内部(空洞部)は、例えば、真空状態(1気圧よりも低い低圧状態)となっている。あるいは、凹部135の内部には、空気や不活性ガスなどの気体や液体が充填されていてもよい。すなわち、凹部135は、膜体133が撓むことができる構造を有していればよい。
図2(b)に表したように、歪み検知素子110は、第1磁性層111と、第2磁性層112と、第1中間層113と、を含む。磁場検知素子120は、第3磁性層121と、第4磁性層122と、第2中間層123と、を含む。歪み検知素子110および磁場検知素子120については、後に詳述する。
第1電極パッド141は、第1配線146を介して歪み検知素子110の第1磁性層111と電気的に接続されている。第2電極パッド142は、第2配線147を介して歪み検知素子110の第2磁性層112と電気的に接続されている。第3電極パッド143は、第3配線148を介して磁場検知素子120の第3磁性層121と電気的に接続されている。第4電極パッド144は、第4配線149を介して磁場検知素子120の第4磁性層122と電気的に接続されている。
歪み検知素子110に流す電流の向きは、第1磁性層111から第2磁性層112に向かう方向でもよいし、第2磁性層112から第1磁性層111に向かう方向でもよい。磁場検知素子120に流す電流の向きは、第3磁性層121から第4磁性層122に向かう方向でもよいし、第4磁性層122から第3磁性層121に向かう方向でもよい。
図3(a)〜図3(c)は、実施形態の歪み検知素子および磁場検知素子を例示する模式的斜視図である。
図3(a)は、実施形態の歪み検知素子および磁場検知素子を例示する模式的斜視図である。図3(b)は、他の実施形態の歪み検知素子および磁場検知素子を例示する模式的斜視図である。図3(c)は、さらに他の実施形態の歪み検知素子および磁場検知素子を例示する模式的斜視図である。
磁場検知素子120は、歪み検知素子110の構成と同様の構成を有する。すなわち、第3磁性層121は、第1磁性層111に対応する。第4磁性層122は、第2磁性層112に対応する。第2中間層123は、第1中間層113に対応する。磁場検知素子120aは、歪み検知素子110aの構成と同様の構成を有する。磁場検知素子120bは、歪み検知素子110bの構成と同様の構成を有する。ここでは、歪み検知素子110、110a、110bを例に挙げて説明する。
図3(a)に表したように、歪み検知素子110は、第1磁性層111と、第2磁性層112と、中間層113と、を含む。第2磁性層112は、Z軸方向において第1磁性層111と離隔して設けられる。中間層113は、第1磁性層111と第2磁性層112との間に設けられる。
第1磁性層111および第2磁性層112は、磁化自由層である。あるいは、第1磁性層111および第2磁性層112の一方は、参照層であってもよい。この場合、第1磁性層111および第2磁性層112の他方は、磁化自由層である。磁化自由層においては、磁化の方向が、外部磁界により容易に変化する。参照層の磁化の方向は、例えば、磁化自由層の磁化の方向よりも変化し難い。参照層は、例えばピン層である。
第1磁性層111および第2磁性層112は、磁歪定数の絶対値が大きい材料から形成される。磁歪定数の絶対値については、材料の種類や添加元素などによって変化させることができる。磁歪定数の絶対値については、磁性材料そのものではなく、磁性層に隣接して形成された非磁性層の材料、構成などによっても大きく変化させることができる。磁歪定数の絶対値は、例えば、10−2よりも大きい。磁歪定数の絶対値は、例えば、10−5よりも大きいことがより好ましい。
磁歪定数の絶対値を大きくすれば、応力の変化に応じた磁化方向の変化量を大きくすることができる。
第1磁性層111および第2磁性層112には、正の符号の磁歪定数を有する材料が用いられてもよいし、負の符号の磁歪定数を有する材料が用いられてもよい。第1磁性層111の磁歪定数の絶対値は、第2磁性層112の磁歪定数の絶対値とは異なる。
第1磁性層111および第2磁性層112の材料としては、例えば、Fe、Co及びNiの少なくともいずれか、または、これらの少なくとも1種を含む合金が挙げられる。これらの材料には、添加元素が加えられていてもよい。
これらの金属および合金には、添加元素や極薄層として、B,Al,Si,Mg,C,Ti,V,Cr,Mn、Cu,Zn,Ga,Zr,Hfなどが添加されていてもよい。
第1磁性層111および第2磁性層112としては、結晶磁性層だけではなく、アモルファス磁性層が用いられてもよい。
また、第1磁性層111および第2磁性層112としては、酸化物や窒化物の磁性層が用いられてもよい。
第1磁性層111および第2磁性層112の材料としては、例えば、FeCo合金、NiFe合金などが挙げられる。第1磁性層111および第2磁性層112の材料としては、例えば、Fe−Co−Si合金、Fe−Co−Si−B合金、λs>100ppmを示すTb−M−Fe合金(Mは、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er)、Tb−M1−Fe−M2合金(M1は、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、M2は、Ti,Cr,Mn,Co,Cu,Nb,Mo,W,Ta)、Fe−M3−M4−B合金(M3は、Ti,Cr,Mn,Co,Cu,Nb,Mo,W,Ta、M4は、Ce,Pr,Nd,Sm,Tb,Dy,Er)、Ni、Al−Feやフェライト(Fe、(FeCo)など)などが挙げられる。
第1磁性層111および第2磁性層112のそれぞれは、2層構造を有していてもよい。
例えば、第1磁性層111および第2磁性層112は、FeCoを含む層(例えば、CoFeやCoFeを含む合金の層)と、FeCoを含む層と積層される以下の層と、を有していてもよい。
FeCoを含む層と積層される層は、Fe−Co−Si−B合金、λs>100ppmを示すTb−M−Fe合金(Mは、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er)、Tb−M1−Fe−M2合金(M1は、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、M2は、Ti,Cr,Mn,Co,Cu,Nb,Mo,W,Ta)、Fe−M3−M4−B合金(M3は、Ti,Cr,Mn,Co,Cu,Nb,Mo,W,Ta、M4は、Ce,Pr,Nd,Sm,Tb,Dy,Er)、Ni、Al−Feやフェライト(Fe、(FeCo)など)などから形成される。
第1中間層113は、非磁性層である。
第1中間層113は、例えば、金属材料や絶縁性材料などにより形成される。
金属材料としては、例えば、Cu、Au、Agなどが挙げられる。
絶縁性材料としては、例えば、マグネシウム酸化物(MgOなど)、アルミニウム酸化物(Alなど)、チタン酸化物(TiOなど)、亜鉛酸化物(ZnOなど)などが挙げられる。
第1中間層113が金属材料を用いて形成された場合には、巨大磁気抵抗効果(GMR;Giant Magneto Resistive Effect)が発現する。
第1中間層113が絶縁性材料を用いて形成された場合には、トンネル磁気抵抗効果(TMR;Tunnel Magneto-Resistance Effect)が発現する。
圧力センサ310においては、歪み検知素子110の積層方向に沿って電流を流すCPP−GMR(Current-Perpendicular-to-Plane Giant Magnetoresistance)が用いられる。圧力センサは歪みセンサともいう。
第1中間層113は、絶縁層の層厚方向を貫通する複数の金属電流パスが設けられたCCP(Current-Confined-Path)構造を有していてもよい。この場合でも、圧力センサ310においては、CPP−GMRが用いられる。
マグネシウム酸化物のような酸化物を含む第1中間層113の上に、正の磁歪定数を有する材料から形成された第1磁性層111が設けられる場合がある。そして、例えば、第1磁性層111として、CoFeBからなる層、CoFeからなる層、NiFeからなる層が積層された層が用いられる場合がある。このような場合に、最上層のNiFeからなる層におけるニッケルの比率を高くすると、NiFeからなる層の磁歪定数は負となる。また、その磁歪定数の絶対値も大きくなる。磁歪定数が負となると、第1中間層113の上の正の磁歪が打ち消されるおそれがある。そのため、最上層のNiFeからなる層におけるニッケルの比率は、一般的に用いられるNi81Fe19からなる層におけるニッケルの比率よりも低いことが好ましい。例えば、最上層のNiFeからなる層におけるニッケルの比率は、80原子パーセント(atomic%)未満であることが好ましい。
図3(b)に表したように、他の実施形態の歪み検知素子110aは、図3(a)に関して前述した歪み検知素子110に対して、バッファ層114と、キャップ層115と、第1電極116と、第2電極117と、をさらに含む。
第2電極117は、Z軸方向において第1電極116と離隔して設けられる。キャップ層115は、第1電極116と第2電極117との間に設けられる。第1磁性層111は、第1電極116とキャップ層115との間に設けられる。第1中間層113は、第1電極116と第1磁性層111との間に設けられる。第2磁性層112は、第1電極116と第1中間層113との間に設けられる。バッファ層114は、第1電極116と第2磁性層112との間に設けられる。
第1電極116および第2電極117は、導電性を有する非磁性体により形成される。この場合、第1電極116および第2電極117は、例えば、Au、Cu、Ta、Alなどにより形成される。
あるいは、第1電極116および第2電極117は、導電性を有する軟磁性体により形成される。第1電極116および第2電極117は、軟磁性体により形成されると外部からの磁気ノイズを低減することができる。この場合、第1電極116および第2電極117は、例えば、パーマロイ(NiFe合金)や珪素鋼(FeSi合金)などにより形成される。
バッファ層114は、例えば、TaまたはTiなどを含むアモルファス層である。バッファ層114は、結晶配向促進のためのシード層を兼ねてもよい。バッファ層114が結晶配向促進のためのシード層を兼ねる場合には、バッファ層114は、RuやNiFeなどにより形成された層である。なお、バッファ層114は、RuやNiFeなどにより形成された層が積層された構造を有してもよい。
第2磁性層112および第1中間層113は、図3(a)に関して前述した通りである。
第1磁性層111は、2層構造を有する。第1磁性層111は、磁性積層膜111aと、高磁歪磁性膜111bと、を含む。
磁性積層膜111aは、磁気抵抗効果(Magnetoresistance)の変化率を大きくする。磁性積層膜111aは、例えば、コバルトや鉄、ニッケルなどを含む層により形成される。例えば、磁性積層膜111aとしては、CoFeB層などが挙げられる。
高磁歪磁性膜111bは、磁性積層膜111aと、キャップ層115と、の間に設けられる。高磁歪磁性膜111bは、例えば、Fe−Co−Si−B合金などによ形成される。
図3(c)に表したように、さらに他の実施形態の歪み検知素子110bは、図3(b)に関して前述した歪み検知素子110aに対して、第1絶縁層118aと、第2絶縁層118bと、をさらに含む。第1絶縁層118aは、バッファ層114と、第2磁性層112と、第1中間層113と、第1磁性層111と、キャップ層115と、を含む積層体の側壁に設けられる。第2絶縁層118bは、Z軸に対して垂直な方向に第1絶縁層118aと離隔して設けられる。第1絶縁層118aと第2絶縁層118bとの間に、積層体が設けられる。
第1絶縁層118aおよび第2絶縁層118bは、例えば、アルミニウム酸化物(例えば、Al)やシリコン酸化物(例えば、SiO)などにより形成される。
第1絶縁層118aおよび第2絶縁層118bが設置されると、周囲にリーク電流が流れることを抑制することができる。
図4(a)〜図5(c)は、実施形態の歪み検知素子の作用を説明する模式的斜視図である。
図4(a)〜図4(c)は、面内磁化方式の例を表す。
図5(a)〜図5(c)は、垂直磁化方式の例を表す。
図4(a)および図5(a)は、応力が印加されていないときの歪み検知素子110の状態を例示している。図4(b)および図5(b)は、歪み検知素子110が正の磁歪定数を有するときに引っ張り応力が印加されたときの歪み検知素子110の状態を例示している。図4(c)および図5(c)は、歪み検知素子110が負の磁歪定数を有するときに引っ張り応力が印加されたときの歪み検知素子110の状態を例示している。
検知部100は、例えば、極薄磁性膜の積層膜で形成されるスピンバルブ膜を含む。スピンバルブ膜の抵抗は、外部磁界により変化する。抵抗の変化量は、MR変化率である。MR現象は、種々の物理的効果に起因する。MR現象は、例えば、巨大磁気抵抗効果またはトンネル磁気抵抗効果に基づく。
スピンバルブ膜は、少なくとも2層の強磁性層が、スペーサ層を介して積層された構成を有する。スピンバルブ膜の磁気抵抗状態は、2つの強磁性層の磁化方向の相対的な角度によって決まる。例えば、2つの強磁性層の磁化が互いに平行状態のときは、スピンバルブ膜の抵抗は低い状態になる。反平行状態のときには、スピンバルブ膜の平行は、高い状態になる。2つの強磁性層の磁化どうしの角度が、中間的な角度の場合には、中間的な抵抗の状態が得られる。
少なくとも2層の磁性層のうち、磁化が容易に回転する磁性層は、例えば磁化自由層である。相対的に磁化が変化しにくい磁性層は、参照層である。
ここでは、第1磁性層111が参照層であり、第2磁性層112が磁化自由層である場合を例に挙げて説明する。第1磁性層111は、第1面111sを有する。第2磁性層112は、第2面112sを有する。
外部応力によっても磁性層の磁化方向は変化する。この現象を用いることで、スピンバルブ膜は、歪検知素子または歪み検知素子として用いられる。歪みによる磁化自由層の磁化の変化は、例えば、逆磁歪効果に基づく。
磁歪効果は、磁性材料の磁化が変化したときに、磁性材料の歪みが変化する現象である。歪みの大きさは、磁化の大きさと方向に依存して変化する。歪みの大きさは、これらの磁化の大きさと方向のパラメータを通じて制御できる。印加する磁界の強度を増大したときに歪の量が飽和する歪の変化量は、磁歪定数λsである。磁歪定数は、磁性材料固有の特性に依存する。磁歪定数(λs)は、外部磁界を印加して磁性層をある方向に飽和磁化させたときの形状変化の大きさを示す。外部磁界がない状態で長さLであるときに、外部磁界が印加されたときにΔLだけ変化したとすると、磁歪定数λsは、ΔL/Lで表される。この変化量は外部磁界の大きさによって変わるが、磁歪定数λsは、十分な外部磁界が印加され、磁化が飽和された状態のΔL/Lとしてあらわす。実施形態において、磁歪定数λsの絶対値は、10−5以上であることが好ましい。これにより、応力によって歪が効率的に生じ、圧力の検知感度が高まる。磁歪定数の絶対値は、例えば、10−2以下である。この値は、磁歪効果を生じる実用的な材料の値の上限である。
磁歪効果の逆の現象として、逆磁歪効果がある。逆磁歪効果において、外部応力が印加されたときに、磁性材料の磁化が変化する。この変化の大きさは、外部応力の大きさ、及び、磁性材料の磁歪定数に依存する。磁歪効果と逆磁歪効果とは、物理的に互いに対称な効果であるため、逆磁歪効果の磁歪定数は、磁歪効果における磁歪定数と同じである。
磁歪効果及び逆磁歪効果において、正の磁歪定数と負の磁歪定数とがある。これらの定数は磁性材料に依存する。正の磁歪定数を有する材料の場合、磁化は、引っ張り歪みが印加された方向に沿うように、変化する。負の磁歪定数を有する材料の場合、磁化は、圧縮歪みが印加された方向に沿うように、変化する。
逆磁歪効果により、スピンバルブ膜の磁化自由層の磁化方向を変化させることができる。外部応力が印加されると、逆磁歪効果によって磁化自由層の磁化方向が変化するため、参照層と磁化自由層との相対的磁化角度に差が生じる。これによって、スピンバルブ膜の抵抗が変化する。これにより、スピンバルブ膜は、歪み検知素子として用いることができる。
図4(a)に表したように、実施形態の歪み検知素子110では、第1磁性層111(参照層)、第1中間層113および第2磁性層112(磁化自由層)が、この順に積層される。本願明細書において、「積層」は、互いに接して重ねられる状態に加え、他の要素が挿入されて重ねられる状態も含む。
第1磁性層111は、第1の磁化を有する。図4(a)〜図4(c)に表した歪み検知素子110では、第1の磁化の方向は、X−Y平面に対して平行である。第2磁性層112は、第2の磁化を有する。図4(a)〜図4(c)に表した歪み検知素子110では、第2の磁化の方向は、X−Y平面に対して平行である。言い換えれば、第1の磁化の方向は、Z軸方向(積層方向)に対して垂直である。第2の磁化の方向は、Z軸方向に対して垂直である。この状態を用いる構成を、「面内磁化方式」ということにする。面内磁化方式においては、第1磁性層111には面内磁化膜が用いられる。面内磁化方式においては、第2磁性層112には面内磁化膜が用いられる。
実施形態はこれに限らず、第1の磁化の方向と、X−Y平面(第1面111s)に平行な方向と、の間の角度は、45°よりも小さい。第2の磁化の方向と、X−Y平面(第2面112s)に平行な方向と、の間の角度は、45°よりも小さい。
磁性層の磁歪定数が正である場合は、磁性層の磁化容易軸は、引っ張り応力が加わる方向に平行である。磁性層の磁歪定数が負である場合は、磁性層の磁化容易軸は、引っ張り応力が加わる方向に対して垂直である。
図4(a)に表したように、応力が印加されていないとき、第2磁性層112の磁化の向きは、第1磁性層111の磁化の向きに対して、例えば平行である。この例では、磁化の向きは、Y軸方向に沿う。
図4(b)に表したように、例えば、X軸方向に沿って引っ張り応力Fsが印加されると、磁歪定数が正の逆磁歪効果により、X軸方向に向かって第2磁性層112の磁化が回転する。第1磁性層111の磁化が固定されていると、第2磁性層112の磁化の向きと、第1磁性層111の磁化の向きと、の間の相対角度が変化する。相対角度の変化に応じて、歪み検知素子110の電気抵抗が変化する。
図4(c)に表したように、例えば、X軸方向に沿って引っ張り応力Fsが印加されると、磁歪定数が負の逆磁歪効果により、Y軸方向に向かって第2磁性層112の磁化が回転する。この場合も、引っ張り応力Fsの印加により、第2磁性層112の磁化の向きと、第1磁性層111の磁化の向きと、の間の相対角度が変化する。相対角度の変化に応じて、歪み検知素子110の電気抵抗が変化する。
図5(a)〜図5(c)に表した歪み検知素子110では、第1の磁化の方向は、X−Y平面に対して垂直である。図5(a)〜図5(c)に表した歪み検知素子110では、第2の磁化の方向は、X−Y平面に対して垂直である。言い換えれば、第1の磁化の方向は、Z軸方向に対して平行である。第2の磁化の方向は、Z軸方向に対して平行である。この状態を用いる構成を、「垂直磁化方式」ということにする。垂直磁化方式においては、第1磁性層111には垂直磁化膜が用いられる。垂直磁化方式においては、第2磁性層112には垂直磁化膜が用いられる。
実施形態はこれに限らず、第1磁性層111の磁化の方向と、X−Y平面(第1面111s)に平行な方向と、の間の角度は、45°よりも大きい。第2磁性層112の磁化の方向と、X−Y平面(第2面112s)に平行な方向と、の間の角度は、45°よりも大きい。
図5(a)に表したように、応力が印加されていないとき、第2磁性層112の磁化の向きは、第1磁性層111の磁化の向きに対して、例えば平行である。この例では、磁化の向きは、Z軸方向に沿う。
図5(b)に表したように、例えば、X軸方向に沿って引っ張り応力Fsが印加されると、磁歪定数が正の逆磁歪効果により、X軸方向に向かって第2磁性層112の磁化が回転する。第2磁性層112の磁化の向きと、第1磁性層111の磁化の向きと、の間の相対角度が変化する。相対角度の変化に応じて、歪み検知素子110の電気抵抗が変化する。
図5(c)に表したように、例えば、X軸方向に沿って引っ張り応力Fsが印加されると、磁歪定数が負の逆磁歪効果により、Y軸方向に向かって第2磁性層112の磁化が回転する。引っ張り応力Fsの印加により、第2磁性層112の磁化の向きと、第1磁性層111の磁化の向きと、の間の相対角度が変化する。相対角度の変化に応じて、歪み検知素子110の電気抵抗が変化する。
図2(a)および図2(b)に関して前述したように、歪み検知素子110は、膜体133の上に設けられる。
ダイアフラムが例えば音圧などの圧力を受けて歪むと、検知部100は、ダイアフラムの上に配置された歪み検知素子110の抵抗値の変化に比例した電圧の変化を取り出す。例えば、検知部100は、音声信号を電圧信号に変換して出力する音声信号変化素子である。検知部100の出力信号のレベルが比較的低いため、検知部100の出力側は、増幅器(図示せず)を含む処理部210に接続される。これにより、検知部100の出力信号が増幅される。
検知部100の出力信号のレベルが比較的低いため、検知部100の出力信号は、外部ノイズに対して脆弱である。検知部100のスピンバルブ膜の抵抗が外部磁界により変化するため、例えば地磁気などの外部磁場が外部ノイズとして磁化自由層の磁化および参照層の磁化の少なくともいずれかに作用する場合がある。
このように、歪み検知素子110は、膜体133に生じた歪みによる圧力と、磁場と、を検知することができる。
これに対して、実施形態にかかる圧力センサ310では、磁場検知素子120が支持体131の上に設けられる。言い換えれば、磁場検知素子120が膜体133の外側に設けられる。支持体131は、例えば音圧などの圧力を受けても、ダイアフラム(膜体133)のようには歪まない。そのため、支持体131は、外部圧力が印加されても撓むことはなく、支持体131の上に設けられた磁場検知素子120に歪みを生じさせることはない。これにより、磁場検知素子120は、圧力を検知しない。
一方、磁場検知素子120は、歪み検知素子110の構成と同様の構成を有し、外部磁場の影響を受ける。磁場検知素子120のスピンバルブ膜の抵抗は、外部磁界により変化する。すなわち、第3磁性層121は、第3の磁化を有する。第4磁性層122は、第4の磁化を有する。第3の磁化の向きと、第4の磁化の向きと、の間の相対角度は、外部磁界に応じて変化する。相対角度の変化に応じて、磁場検知素子120の電気抵抗が変化する。磁場検知素子120において、例えば地磁気などの外部磁場が外部ノイズとして磁化自由層の磁化および参照層の磁化の少なくともいずれかに作用する場合がある。
このように、磁場検知素子120は、圧力を検知しない一方で、磁場を検知することができる。
ここで、図1に関して前述したように、歪み検知素子110および磁場検知素子120は、共に磁気抵抗効果素子である。歪み検知素子110の構成は、磁場検知素子120の構成と同様である。そのため、同一の外部磁場が、歪み検知素子110および磁場検知素子120に作用する。そのため、歪み検知素子110の出力信号のうちで外部磁場による出力信号の強度(振幅)は、磁場検知素子120の出力信号の強度と同じである。歪み検知素子110の出力信号のうちで外部磁場による出力信号の周波数は、磁場検知素子120の出力信号の周波数と同じである。歪み検知素子110の出力信号のうちで外部磁場による出力信号の位相は、磁場検知素子120の出力信号の位相と同じである。
これによれば、図1に表したように、実施形態に係る圧力センサ310は、歪み検知素子110の出力信号と、磁場検知素子120の出力信号と、を差動回路201に入力し処理することで、外部ノイズとしての外部磁場を除去することができる。差動回路201は、歪み検知素子110の出力信号から磁場検知素子120の出力信号を差し引き、歪み検知素子110の出力信号と磁場検知素子120の出力信号との間の差分を出力する。
図6(a)および図6(b)は、実施形態にかかる血圧センサを例示する模式図である。
図6(a)は、ヒトの動脈血管の上の皮膚を例示する模式的平面図である。図6(b)は、図6(a)に表した切断面H1−H2における模式的断面図である。
実施形態に係る血圧センサ330は、図1〜図5(c)に関して前述した圧力センサ310を有する。血圧センサ330は、圧力センサ310の変形に係る圧力センサを有していてもよい。なお、図6(b)に表した血圧センサ330は、一例として、圧力センサ310を有する。
圧力センサ310などを有する血圧センサ330は、外部ノイズとしての外部磁場を除去することができる。実施形態によれば、小型、且つ、高感度な血圧センサ330を提供することができる。
そのため、図6(b)に表したように、血圧センサ330の圧力センサ310などが設けられた部分を動脈血管341の上の皮膚343に容易に押し当てることができる。その結果、連続的、且つ、高精度な血圧測定を行うことが可能となる。
図7は、実施形態に係る携帯情報端末を例示する模式的平面図である。
図7に表したように、実施形態に係るマイクロフォン410は、例えば、携帯情報端末400に組み込まれる。マイクロフォン410は、ICレコーダーなどに組み込まれてもよい。図7に表した携帯情報端末400は、マイクロフォン410と、表示部420と、スピーカ430と、を含む。
マイクロフォン410は、携帯情報端末400の端部に内蔵され、圧力センサ320を含む。スピーカ430は、マイクロフォン410が内蔵された端部とは離隔した携帯情報端末400の端部に内蔵される。表示部420は、マイクロフォン410とスピーカ430との間に設けられる。
マイクロフォン410は、通話者が発した音声を取得し、音声信号を出力する。
スピーカ430としては、ボイスコイルスピーカが用いられる。スピーカ430は、通話者の相手(通話相手)の音声信号を出力する。
図8(a)および図8(b)は、実施形態に係るマイクロフォンを例示する模式図である。
図8(a)は、実施形態に係るマイクロフォンを例示する模式的平面図である。図8(b)は、図8(a)に表した切断面E1−E2における模式的断面図である。
実施形態に係るマイクロフォン410は、例えば音圧検知器などに応用される。
図8(a)および図8(b)に表したマイクロフォン410は、実装基板411と、圧力センサ320と、カバー部413と、を備える。圧力センサ320は、検知部100と、処理部220と、を含む。
実装基板411は、第1面411sと、第2面411bと、を有する。
第1面411sに対して垂直な方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向とする。 第2面411bは、Z軸方向において、第1面411sと離隔する。
検知部100は、第1面411sの上に設けられる。検知部100は、図1〜図5(c)に関して前述した通りである。
処理部220は、第1面411sの上に設けられる。
カバー部413は、第1面411sの上に設けられ、検知部100および処理部220を内部に格納する。実装基板411には、電極パッドが設けられる。
本願明細書において、「上に設けられる」状態は、直接接して設けられる状態の他に、間に他の要素が挿入されて設けられる状態も含む。
カバー部413は、音孔415を有する。音孔415は、例えばカバー部413の上部に設けられ、その上部を貫通する。音孔415は、音を通す。例えば、音孔415は、少なくともマイクロフォン410の外部の音をマイクロフォン410の内部(カバー部413の内部)へ伝達する。例えば、音孔415は、少なくともマイクロフォン410の外部の音をマイクロフォン410の内部(カバー部413の内部)へ流入(進入)させる。
図7に表した携帯情報端末400などでは、配置スペースの縮小化などにより、マイクロフォン410がスピーカ430に比較的近い位置に設けられることがある。この場合には、スピーカ430が出力した通話相手の音声信号がマイクロフォン410に入力されることがある。すると、通話相手の音声信号がフィードバックされ、エコーが発生することがある。つまり、通話相手が話した音声が通話相手の携帯情報端末のスピーカから聞こえることがある。例えば、ハンズフリー通話において、スピーカ430が比較的大きい音量の音声信号を出力すると、スピーカ430から出力された音波がマイクロフォン410に入力され、エコーが発生することがある。
これに対して、実施形態にかかる圧力センサ320では、歪み検知素子110は、膜体133の上に設けられ、膜体133に生じた歪みによる圧力と、磁場と、を検知する。磁場検知素子120は、支持体131の上に設けられ、圧力を検知しない一方で、磁場を検知する。処理部220は、歪み検知素子110の出力信号と、磁場検知素子120の出力信号と、を入力し処理する。例えば、磁場に起因する信号(磁場信号)がマイクロフォン410に入力された場合において、処理部220は、歪み検知素子110の出力信号と、磁場検知素子120の出力信号と、を比較することにより磁場信号を特定する。これにより、圧力センサ320は、エコーが抑制された信号を出力することができる。つまり、圧力センサ320は、エコーキャンセルを実現できる。処理部220について、図面を参照しつつさらに説明する。
図9は、実施形態に係る圧力センサを例示するブロック図である。
図10は、実施形態のエコーキャンセルの原理を例示するブロック図である。
図11は、実施形態の伝播補正係数を説明するグラフ図である。
図11に表したグラフ図の横軸は、周波数(a.u.:任意単位)を表す。図11に表したグラフ図の縦軸は、信号強度(a.u.)を表わす。
図9に表したように、実施形態の処理部220は、周波数領域変換部221と、エコー強度推定部222と、遅延推定部223と、時間領域変換部224と、第1差動回路225と、第2差動回路226と、を含む。
周波数領域変換部221は、歪み検知素子110の時間領域信号を周波数領域信号へ変換する。周波数領域変換部221は、磁場検知素子120の時間領域信号を周波数領域信号へ変換する。時間から周波数への変換には、フーリエ変換が用いられる。周波数領域変換部221は、フーリエ変換回路を含む。
エコー強度推定部222は、歪み検知素子110が取得した音声信号の中で、スピーカ430が出力した音声信号の周波数およびその音声信号の強度(振幅)を特定する。
遅延推定部223は、スピーカ430が出力した音声信号と、スピーカ430が出力した磁場信号と、の間の位相差を特定する。
図7に関して前述したように、スピーカ430には、ボイスコイルスピーカが用いられる。ボイスコイルスピーカは、コイルを含む。ボイスコイルスピーカのコイルは、第1磁石(図示せず)と第2磁石(図示せず)との間に配置され、振動板(図示せず)と接続される。第1磁石の極性は、第2磁石の極性とは異なる。電流がコイルに流れると、電磁力が発生する。これにより、コイルと接続された振動板が変位し音声信号を出力する。このとき、図10に表したように、ボイスコイルスピーカが出力した音声信号ASの周波数と同一の周波数を有する磁場信号MSが、ボイスコイルスピーカの周囲に発生する。
実施形態では、歪み検知素子110は、スピーカ430が出力した音声信号ASと、スピーカ430が出力した磁場信号MSと、外部磁場(ノイズ)と、を検知する。歪み検知素子110は、マイクロフォン410の周辺の音声(通話者の音声を含む)をさらに検知する。磁場検知素子120は、スピーカ430が出力した磁場信号MSと、外部磁場(ノイズ)と、を検知する。
図9に表したように、歪み検知素子110の出力信号PD1および磁場検知素子120の出力信号MD1が周波数領域変換部221に入力される。歪み検知素子110の出力信号PD1は、スピーカ430が出力した音声信号ASと、スピーカ430が出力した磁場信号MSと、周辺の音声信号ACと、外部磁場(ノイズ)と、を含む。磁場検知素子120の出力信号MD1は、スピーカ430が出力した磁場信号MSと、外部磁場(ノイズ)と、を含む。
周波数領域変換部221は、歪み検知素子110の出力信号PD1のフーリエ変換を行い、歪み検知素子110の時間領域信号(出力信号PD1)を周波数領域信号PD2へ変換する。
周波数領域変換部221は、磁場検知素子120の出力信号MD1のフーリエ変換を行い、磁場検知素子120の時間領域信号(出力信号MD1)を周波数領域信号MD2へ変換する。
前述したように、スピーカ430が出力する音声信号ASの周波数は、スピーカ430が出力する磁場信号MSの周波数と同一である。
一方で、スピーカ430が出力する音声信号ASの伝播方式は、スピーカ430が出力する磁場信号MSの伝播方式とは異なる。すなわち、スピーカ430が出力する音声信号ASは、音波として伝播する。スピーカ430が出力する磁場信号MSは、磁場として伝播する。そのため、スピーカ430が出力する音声信号ASの強度は、スピーカ430が出力する磁場信号MSの強度とは異なる。そのため、この状態のままでは、スピーカ430が出力する磁場信号MSに基づいてスピーカ430が出力する音声信号ASを再現することはできない。
これに対して、実施形態では、歪み検知素子110の周波数領域信号PD2は、エコー強度推定部222に入力される。磁場検知素子120の周波数領域信号MD2は、エコー強度推定部222に入力される。エコー強度推定部222は、伝播方式の違いによる補正係数(伝播補正数)を求める。
例えば、図11に表したように、エコー強度推定部222は、歪み検知素子110の周波数領域信号PD2の強度および磁場検知素子120の周波数領域信号MD2の強度が所定の閾値TS以上となる周波数帯域(周波数0ヘルツ(Hz)を除く)において、歪み検知素子110の周波数領域信号PD2の強度と、磁場検知素子120の周波数領域信号MD2の強度と、の間の信号比(強度比)を求める。エコー強度推定部222は、略同一周波数におけるピーク同士の信号比のうちで最小の信号比を伝播補正係数とする。言い換えれば、エコー強度推定部222は、略同一周波数におけるピーク同士の強度差(振幅差)が最小となる位置における信号比を伝播補正係数とする。図11に表したグラフ図の例では、エコー強度推定部222は、図11に表した領域A11におけるピーク同士の信号比を伝播補正係数とする。
これにより、エコー強度推定部222は、スピーカ430が出力した音声信号ASの強度を特定することができる。エコー強度推定部222は、スピーカ430が出力した音声信号ASの周波数を特定することができる。
なお、所定の閾値TSは、歪み検知素子110の検知限界以上の信号強度および磁場検知素子120の検知限界以上の信号強度で規定される。
スピーカ430が出力する音声信号ASは、音波であるため、音速で伝播する。スピーカ430が出力する磁場信号MSは、電磁波であるため、光速で伝播する。そのため、スピーカ430が出力した音声信号ASが検知部100に到達する時間は、スピーカ430が出力した磁場信号MSが検知部100に到達する時間とは異なる。そのため、スピーカ430が出力する音声信号ASと、スピーカ430が出力する磁場信号MSと、の間には、位相差が生ずる。そのため、この状態のままでは、スピーカ430が出力する磁場信号MSに基づいてスピーカ430が出力する音声信号ASを再現することはできない。
これに対して、実施形態では、歪み検知素子110の周波数領域信号PD2は、遅延推定部223に入力される。磁場検知素子120の周波数領域信号MD2は、遅延推定部223に入力される。遅延推定部223は、歪み検知素子110の周波数領域信号PD2と、磁場検知素子120の周波数領域信号MD2と、の間の位相差を特定する。これにより、遅延推定部223は、スピーカ430が出力した音声信号ASと、スピーカ430が出力した磁場信号MSと、の間の位相差を特定することができる。
周波数領域変換部221の処理と、エコー強度推定部222の処理と、遅延推定部223の処理と、により、スピーカ430が出力した音声信号ASの周波数と、スピーカ430が出力した音声信号ASの強度と、スピーカ430が出力した音声信号ASとスピーカ430が出力した磁場信号MSとの間の位相差と、を特定することができる。これにより、歪み検知素子110が取得した音声信号のうちのスピーカ430が出力した音声信号ASを再現することができる。言い換えれば、スピーカ430が出力する磁場信号MSに基づいてスピーカ430が出力する音声信号ASを再現することができる。
エコー強度推定部222の出力信号ESは、周波数領域信号として時間領域変換部224に入力される。遅延推定部223の出力信号DSは、周波数領域信号として時間領域変換部224に入力される。時間領域変換部224は、入力信号(周波数領域信号)を時間領域信号へ変換し、エコー強度推定部222の出力信号ESと、遅延推定部223の出力信号DSと、に基づいて、スピーカ430が出力する疑似スピーカ音声信号PASを作製する。疑似スピーカ音声信号PASは、スピーカ430が出力すると推定される疑似の音声信号である。
疑似スピーカ音声信号PASは、第1差動回路225に入力される。第1差動回路225には、歪み検知素子110の出力信号PD1がさらに入力される。第1差動回路225は、歪み検知素子110の出力信号PD1から疑似スピーカ音声信号PASを差し引き、歪み検知素子110の出力信号PD1と疑似スピーカ音声信号PASとの間の差分を出力する。これにより、歪み検知素子110の出力信号PD1の中の疑似スピーカ音声信号PASが除去される。
第1差動回路225の出力信号DC1は、第2差動回路226に入力される。第2差動回路226には、磁場検知素子120の出力信号MD1がさらに入力される。
図8(a)および図8(b)に関して前述したように、歪み検知素子110は、圧力および磁場を検知する。そのため、第1差動回路225の出力信号DC1は、磁場信号を含むことがある。
そこで、第2差動回路226は、第1差動回路225の出力信号DC1から磁場検知素子120の出力信号MD1を差し引き、第1差動回路225の出力信号DC1と磁場検知素子120の出力信号MD1との間の差分(出力信号DC2)を出力する。これにより、第1差動回路225の出力信号DC1の中の磁場検知素子120の出力信号MD1(スピーカ430が出力した磁場信号MSおよび外部磁場)が除去される。
実施形態によれば、圧力センサ320は、エコーが抑制された信号を出力することができる。これにより、エコーの発生が抑制された携帯情報端末400を提供することができる。
図12(a)および図12(b)は、実施形態に係る補聴器を例示する模式図である。 図12(a)は、実施形態に係る補聴器を例示する模式的斜視図である。図12(b)は、実施形態に係る補聴器を例示するブロック図である。
図12(a)および図12(b)に表したように、実施形態に係るマイクロフォン410は、例えば、補聴器460に組み込まれる。図12(a)および図12(b)に表した補聴器460は、マイクロフォン410と、スピーカ430と、電池463と、増幅器465と、を含む。スピーカ430としては、ボイスコイルスピーカが用いられる。
マイクロフォン410は、補聴器460に内蔵され、圧力センサ320を含む。増幅器465は、圧力センサ320の処理部220に含まれてもよい。マイクロフォン410は、周辺の音声を取得し、音声信号を出力する。マイクロフォン410の音声信号は、増幅器465に入力され、増幅器465により増幅される。増幅器465により増幅された音声信号は、スピーカ430に入力される。スピーカ430は、音孔461を通して音声信号を外部に出力する。
マイクロフォン410、圧力センサ320およびスピーカ430は、図7〜図11に関して前述した通りである。
実施形態によれば、圧力センサ320は、エコーが抑制された信号を出力することができる。これにより、エコーの発生が抑制された補聴器460を提供することができる。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であればよい。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、圧力センサ310、320に含まれる磁性層、非磁性層、膜体および支持体などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、実施形態の説明では、圧力センサ310、320が血圧センサ330、携帯情報端末400およびマイクロフォン410に用いられる場合を例として挙げた。但し、圧力センサ310、320の用途はこれだけに限定されず、圧力センサ310、320は、例えばスピーカーフォンに用いられてもよい。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…検知部、 110、110a、110b…歪み検知素子、 111…第1磁性層、 111a…磁性積層膜、 111b…高磁歪磁性膜、 111s…第1面、 112…第2磁性層、 112s…第2面、 113…第1中間層、 114…バッファ層、 115…キャップ層、 116…第1電極、 117…第2電極、 118a…第1絶縁層、 118b…第2絶縁層、 120…磁場検知素子、 120a、120b…磁場検知素子、 121…第3磁性層、 122…第4磁性層、 123…第2中間層、 130…基体、 130a…第1面、 131…支持体、 133…膜体、 133a…膜面、 135…凹部、 139…メンブレン、 141…第1電極パッド、 142…第2電極パッド、 143…第3電極パッド、 144…第4電極パッド、 146…第1配線、 147…第2配線、 148…第3配線、 149…第4配線、 201…差動回路、 210、220…処理部、 221…周波数領域変換部、 222…エコー強度推定部、 223…遅延推定部、 224…時間領域変換部、 225…第1差動回路、 226…第2差動回路、 310、320…圧力センサ、 330…血圧センサ、 341…動脈血管、 343…皮膚、 400…携帯情報端末、 410…マイクロフォン、 411…実装基板、 411b…第2面、 411s…第1面、 413…カバー部、 415…音孔、 420…表示部、 430…スピーカ、 460…補聴器、 461…音孔、 463…電池、 465…増幅器、 A11…領域、 AC…音声信号、 AS…音声信号、 DC1…出力信号、 DC2…出力信号、 DS…出力信号、 ES…出力信号、 Fs…応力、 MD1…出力信号、 MD2…周波数領域信号、 MS…磁場信号、 PAS…疑似スピーカ音声信号、 PD1…出力信号、 PD2…周波数領域信号、 TS…閾値

Claims (16)

  1. 変形可能な膜体を有する基体と、
    前記膜体の上に設けられた歪み検知素子であって、
    第1の磁化を有する第1磁性層と、
    第2の磁化を有する第2磁性層と、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、
    を含み、前記第1の磁化の方向と前記第2の磁化の方向との間の角度が前記歪みに応じて変化する歪み検知素子と、
    前記膜体以外の前記基体の上に設けられた磁場検知素子であって、
    第3の磁化を有する第3磁性層と、
    第4の磁化を有する第4磁性層と、
    前記第3磁性層と前記第4磁性層との間に設けられた第2中間層と、
    を含み、前記第3の磁化の方向と前記第4の磁化の方向との間の角度が前記磁界に応じて変化する磁場検知素子と、
    前記歪み検知素子の出力信号と前記磁場検知素子の出力信号とを処理する処理部と、
    を備えた歪みセンサ。
  2. 請求項1記載の歪みセンサの前記膜体は圧力によって変形する圧力センサ。
  3. 前記歪み検知素子は、磁界を更に検知する請求項2記載の圧力センサ。
  4. 前記処理部は、前記歪み検知素子の出力信号から前記磁場検知素子の出力信号を差し引く処理を実行する請求項2記載の圧力センサ。
  5. 前記処理部は、
    前記歪み検知素子の出力信号の強度と、前記磁場検知素子の出力信号の強度と、の間の強度比に基づいて補正係数を求める強度推定部と、
    前記圧力のうちの一部の圧力に基づく信号と、前記磁界に基づく信号と、の間の位相差を求める遅延推定部と、
    前記強度推定部の出力信号と前記遅延推定部の出力信号とにより疑似信号を作製する変換部と、
    前記歪み検知素子の出力信号から前記疑似信号を差し引く処理を実行する第1差動回路と、
    前記第1差動回路の出力信号から前記磁場検知素子の出力信号を差し引く処理を実行する第2差動回路と、
    を含む請求項2記載の圧力センサ。
  6. 前記磁界に基づく信号は、ボイスコイルスピーカが出力する磁場信号である請求項5記載の圧力センサ。
  7. 前記圧力のうちの一部の圧力に基づく信号は、ボイスコイルスピーカが出力する音声信号である請求項5または6に記載の圧力センサ。
  8. 前記強度推定部は、前記歪み検知素子の出力信号のピーク強度と、前記磁場検知素子の出力信号のピーク強度と、の間の強度比のうちで最小の強度比を前記補正係数に設定する請求項5〜7のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  9. 前記強度推定部は、前記歪み検知素子の出力信号の強度および前記磁場検知素子の出力信号の強度が所定閾値以上となる周波数帯域において前記強度比を求める請求項5〜8のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  10. 前記所定閾値は、前記歪み検知素子の検知限界以上の信号強度および前記磁場検知素子の検知限界以上の信号強度により規定されてなる請求項9記載の圧力センサ。
  11. 前記第1磁性層、前記第1中間層および前記第2磁性層は、前記第1磁性層から前記第2磁性層に向かう第1積層方向に積層され、
    前記第3磁性層、前記第2中間層および前記第4磁性層は、前記第3磁性層から前記第4磁性層に向かう第2積層方向に積層され、
    前記第1の磁化の方向は、前記第1積層方向に対して垂直であり、
    前記第2の磁化の方向は、前記第1積層方向に対して垂直であり、
    前記第3の磁化の方向は、前記第2積層方向に対して垂直であり、
    前記第4の磁化の方向は、前記第2積層方向に対して垂直である請求項2〜10のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  12. 前記第1磁性層、前記第1中間層および前記第2磁性層は、前記第1磁性層から前記第2磁性層に向かう第1積層方向に積層され、
    前記第3磁性層、前記第2中間層および前記第4磁性層は、前記第3磁性層から前記第4磁性層に向かう第2積層方向に積層され、
    前記第1の磁化の方向は、前記第1積層方向に対して平行であり、
    前記第2の磁化の方向は、前記第1積層方向に対して平行であり、
    前記第3の磁化の方向は、前記第2積層方向に対して平行であり、
    前記第4の磁化の方向は、前記第2積層方向に対して平行である請求項2〜10のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  13. 請求項2〜4のいずれか1つに記載の圧力センサを備えた血圧センサ。
  14. 請求項2〜10のいずれか1つに記載の圧力センサを備えたマイクロフォン。
  15. 請求項14記載のマイクロフォンを備えた携帯情報端末。
  16. 請求項14記載のマイクロフォンを備えた補聴器。
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