JP2015058655A - 表示装置用意匠パネルの製造方法及び表示装置用意匠パネル - Google Patents

表示装置用意匠パネルの製造方法及び表示装置用意匠パネル Download PDF

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Abstract

【課題】ポリカーボネート系樹脂で製造される表示装置用意匠パネルにおいて、表示画面に虹が見える現象を抑制する。【解決手段】表示装置の表示画面を覆って表示装置の保護と装飾を行なうための表示装置用意匠パネルの製造方法において、射出工程では、ASTMD1238(試験温度300℃、荷重1.2kgf)に準拠して測定されるメルトマスフローレートが40g/10分以上のポリカーボネート系樹脂を、第1型80と第2型90を合わせてできるキャビティ85内に射出する。圧縮工程では、矢印Ar2で示されているように、少なくとも表示画面に対向する窓部の成形領域を含む第2領域92bの溶融樹脂200に対して、圧縮率が1.6%以上となる圧縮を行なう。【選択図】図4

Description

本発明は、表示装置の保護及び装飾を行なうための表示装置用意匠パネルの製造方法及び表示装置用意匠パネルに関する。
従来から、液晶表示装置などにおいては、液晶表示ディスプレイを保護する目的で、透明板が用いられている。例えば、特許文献1には、透視性に優れ、ディスプレイ装置を破損から保護できる透明板の材料として、ガラス、ポリカーボネート系樹脂などが用いられることが記載されている。このような表示装置においては、表示画面に色斑が生じたり、表示画面に虹の掛かった様に見えたりすることを避けるために、光学等方性に優れた材料が用いられる。特にガラスは、光学等方性に優れており、また高い耐衝撃性を有することがあるために表示装置のパネルには最適な材料である。
特開2011−8448号公報
しかし、ガラスは、加工性に乏しく、熱可塑性樹脂のように射出成形などの成形方法によって所望の形状に加工するのが難しい。一方、ポリカーボネート系樹脂は、加工には適しているが、射出成形などによって表示装置用意匠パネルに加工した場合には光学等方性を得るのが難しい材料である。ポリカーボネート系樹脂からなるフィルムの中には、加工されるときに全体が一様に固化されるように成形されて、表示装置に適した光学等方性を有しているものがある。ところが、射出成形などによって加工するときには、樹脂が一様に固化されないために所望の光学等方性が得られず、表示画面に虹が見える現象が生じてしまう。
本発明の課題は、ポリカーボネート系樹脂で製造される表示装置用意匠パネルにおいて表示画面に虹が見える現象を抑制することにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る表示装置用意匠パネルの製造方法は、表示装置の表示画面を覆って表示装置の保護と装飾を行なうための表示装置用意匠パネルの製造方法であって、メルトマスフローレートが、ASTMD1238(試験温度300℃、荷重1.2kgf)において、40g/10分以上のポリカーボネート系樹脂を金型のキャビティ内に射出する射出工程と、少なくとも表示画面に対向する窓部の成形領域の溶融樹脂に対して、圧縮率が1.6%以上となる圧縮を行なう圧縮工程とを備える、ものである。
このように構成されている表示装置用意匠パネルの製造方法によれば、表示装置用意匠パネルの少なくとも窓部において光学等方性が改善され、表示画面に虹が掛かったように見える現象を窓部においては抑制することができる。
この表示装置用意匠パネルの製造方法において、圧縮工程では、窓部の成形領域の厚みが2mm以上4mm以下である場合に、窓部の成形領域における圧縮量が0.05mm以上1mm以下の範囲で圧縮率が1.6%以上に調節されていてもよい。このように構成されることにより、圧縮量が大きくなり過ぎるのを避けることができ、大きな圧力に耐えられる成形機を用いなくて済むようになることからコストの上昇や生産効率の悪化を防止することができる。一方、圧縮量が小さくなり過ぎることによる圧縮量の管理の難しさを取り除いて、製造の管理を容易にすることができる。
この表示装置用意匠パネルの製造方法において、圧縮工程では、窓部の成形領域に対する圧縮率が10%以下になるように調節されていてもよい。このように構成されることにより、成形された表示装置用意匠パネルに樹脂バリが生じるのを抑制することができる。
この表示装置用意匠パネルの製造方法において、射出工程で射出されるポリカーボネート系樹脂のメルトマスフローレートが60g/10分以下であるものである。このように構成されることにより、表示装置用意匠パネルの耐衝撃性を向上させ易くなる。
この表示装置用意匠パネルの製造方法において、射出工程では、加飾シートがキャビティのキャビティ面に配置され、キャビティ内にポリカーボネート系樹脂が射出されて成形同時加飾が行なわれる、ように構成されてもよい。このように構成されることにより表示画面に虹の掛かったように見える現象を窓部において抑制しながら、窓部以外の領域に成形同時加飾を施すことができる。
この表示装置用意匠パネルの製造方法において、圧縮工程では、圧縮される領域の端部が窓部の周囲に形成される加飾部に配置されていてもよい。このように構成されることにより、圧縮される領域の端部が圧縮される部分と圧縮されない部分との境界になるが、この境界が加飾部によって目立たなくなる。
本発明の一見地に係る表示装置用意匠パネルは、表示装置の表示画面を覆って保護と加飾を行なうための表示装置用意匠パネルであって、アイゾット衝撃強度が50kJ/m以上、面内方向のリタデーション値が590nmの波長において200nm以下、かつ2mm以上4mm以下の厚さを有するポリカーボネート系樹脂製の板状部材を含む窓部と、窓部の周囲に形成された加飾部とを備える、ものである。
このように構成されている表示装置用意匠パネルによれば、表示装置用意匠パネルの少なくとも窓部において面内方向のリタデーション値が590nmの波長において200nm以下であることから、表示画面に虹が掛かったように見える現象を窓部において抑制することができる。さらに、アイゾット衝撃強度が50kJ/m以上であるため、高い耐衝撃性を要求される用途に適した表示装置用意匠パネルを提供することができる。
本発明の表示装置用意匠パネルの製造方法によれば、ポリカーボネート系樹脂で製造される表示装置用意匠パネルにおいて表示画面に虹が掛かったように見える現象を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る表示装置用意匠パネルを模式的に示す斜視図。 (a)意匠パネルが適用されているタッチスクリーンを説明するための模式的な部分破断断面図、(b)図2(a)に示されているタッチスクリーンの液晶ディスプレイの模式的な部分破断平面図。 転写シートを配置する意匠パネルの一製造工程を示す模式的な斜視図。 (a)図3の第1型と第2型のパーティング面に垂直な切断面を含む型開き工程の一例を示す模式的な断面図、(b)図4(a)と同様の切断面を含む第1型と第2型の型締め工程の一例を示す模式的な断面図、(c)図4(a)と同様の切断面を含む射出成形工程の一例を示す模式的な断面図、(d)図4(a)と同様の切断面を含む圧縮工程の一例を示す模式的な断面図。 虹の掛かったようになる現象に圧縮率とメルトマスフローレートが与える影響を説明するための図。 (a)悪い外観を呈する場合の一例を示す写真、(b)虹の見え方が少し改善されている外観の一例を示す写真、(c)虹がほとんど見えない良い外観の一例を示す写真、(d)非常に良い外観の一例を示す写真。
(1)タッチスクリーンの構成の概要
以下の説明では、本発明の一実施形態に係る表示装置用意匠パネル(以下、意匠パネルという)として、液晶ディスプレイとタッチセンサとが組み合わされたタッチスクリーンに使用される意匠パネルを例に挙げている。このタッチスクリーンは、例えばカーオーディオのタッチスクリーンとして用いられるものである。カーオーディオのタッチスクリーンの場合、自動車の中に取り付けられるため、比較的高い耐衝撃性を要求される。そのため、この意匠パネルは、主にポリカーボネート系樹脂で構成されている。ここで、ポリカーボネート系樹脂とは、少なくとも主鎖にカーボネート基を構造単位として有する樹脂であり、他の構造単位を有していてもよい。
図1は、タッチスクリーンの構成例を模式的に示す斜視図である。図2(a)は意匠パネルとタッチセンサと液晶ディスプレイの配置を説明するための模式的な部分破断断面図であり、図2(b)は図2(a)のタッチセンサと組み合わせられる液晶ディスプレイの概要を示す模式的な部分破断平面図である。
図1及び図2に示されているタッチスクリーン10は、液晶ディスプレイ20とタッチセンサ30と意匠パネル40とを備えている。液晶ディスプレイ20は、液晶とバックライト(図示せず)を使って映像を表示する表示画面21を有している。図2(b)に斜線で示されている箇所が表示画面21である。表示画面21の上方には、意匠パネル40が配置されており、表示画面21よりも少し大きい透明な窓部41が意匠パネル40に形成されている。そのため、液晶ディスプレイ20において、表示画面21の端部近傍の窓部41と重なる部分は、光が漏れないように遮光されている。なお、図2(a)における矢印Ar1で示されている領域が窓部41の形成されている領域である。
意匠パネル40の窓部41の周囲には、加飾部42が形成されている。加飾部42のうち、特に窓部41の周囲の部分は、不透明になるように例えば黒色に加飾されており、窓部41の周囲から液晶ディスプレイ20の表示画面21以外の部分が外部から観えない構成になっている。この加飾部42は、後述する成形同時加飾によって意匠パネル40の射出成形と同時に形成される。
意匠パネル40の窓部41及び加飾部42は、例えば、意匠パネル40の表面及び裏面にそれぞれ成形された、図2(a)に示されているハードコート層43及び意匠インキ層44によって形成されている。ハードコート層43及び意匠インキ層44は、透明なポリカーボネート系樹脂からなる板状部材45の射出成形と同時に、その表面及び裏面にそれぞれ成形される。
意匠パネル40の裏面側には、液晶ディスプレイ20と意匠パネル40との間に挟まれるように、タッチセンサ30が配置されている。タッチセンサ30は、例えば、静電容量型タッチセンサであり、意匠パネル40の表面側に触れるユーザの指の位置を検知することができる。タッチセンサ30は、例えば粘着剤や接着剤などで意匠パネル40の裏面に貼り付けられて固定される。液晶ディスプレイ20も、意匠パネル40の裏面に貼り付けられた粘着材35で意匠パネル40の裏面側に固定される。
(2)意匠パネルの構成
意匠パネル40のコアは、ポリカーボネート系樹脂を射出成形することによって成形された厚さd1(図2(a)参照)が2mm以上4mm以下の板状部材45である。この板状部材45の厚さd1は、場所によって板状部材45の厚みが変化する場合、液晶ディスプレイ20の保護には窓部41の中央付近が重要であるため、窓部41の中央で測った値で設定される。
ポリカーボネート系樹脂製の板状部材45の厚さd1が2mmよりも薄い場合は、射出成形時にポリカーボネート系樹脂が流れにくくなり、金型のキャビティへの充填に問題を起こし易くなる。また、板状部材45の厚さd1が4mmよりも厚い場合は、ポリカーボネート系樹脂が冷えて固まるのに時間が掛かり、成形する上で、寸法及び形状に問題が出易くなる。
この板状部材45は、液晶ディスプレイ20を保護するために、ISO180に準拠して、ノッチ有り、温度23℃の条件で測定したアイゾット衝撃強度が50kJ/m以上のポリカーボネート系樹脂を用いて成形されている。また、射出成形後に虹が見えないようにするために、メルトマスフローレートがASTMD1238(試験温度300℃、荷重1・2kgf)において40g/10分以上という特性を有するポリカーボネート系樹脂を原料として用いている。
ポリカーボネート製の板状部材45のうちの少なくとも窓部41が形成される領域においては、複屈折測定装置(株式会社東京インスツルメンツ社製Exicor 150AT)により590nmの波長を使って25℃、53%RHの環境下で測定したときに、板状部材45の表面に平行な面内方向のリタデーション値が200nm以下になるように成形されている。リタデーション値が200nmよりも大きくなると後述する虹の見え方が顕著になり、液晶ディスプレイ20の表示画面21が見難くなる。
ハードコート層43は、ポリカーボネート系樹脂よりも傷が付きにくい材料で形成されており、ポリカーボネート製の板状部材45の表面を保護する。ハードコート層43の材料としては、ポリエステルアクリレートやウレタンアクリレートなどのUV硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、あるいはアクリル系やウレタン系などの熱硬化性樹脂が挙げられる。また、図柄などの意匠を表現するインキ層が含まれていてもよい。
また、意匠インキ層44は、図柄などの意匠を表現するための層である。意匠インキ層44は、例えば、後述するベースフィルムの上にグラビア、スクリーン印刷法などによって形成することができる。意匠インキ層44の材料としては、例えば、熱可塑性ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂などの熱可塑性樹脂が使用できる。あるいはアクリル・ウレタン樹脂、ポリエステル・ウレタン樹脂、ユリア・メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂又は熱可塑性樹脂をバインダーとするインキが使用できる。
(3)意匠パネルの製造方法
図3には、型開きされた状態で転写シートの配置されている状態が示されている。図4(a)から図4(d)には、成形同時加飾による意匠パネル40の製造の流れの各段階を説明するために、模式的な断面が示されている。
図3に示されているように、型開きされた射出成形用金型(第1型80と第2型90)の間に、2つの長尺の転写シート60,70が配置されている。例えば、転写シート60のベースフィルム上にハードコート層43が形成されており、転写シート70のベースフィルム上に意匠インキ層44が形成されている。そのため、転写シート60,70は、それぞれ第1型80のキャビティ面82及び第2型90のキャビティ面92に対して予め決められている位置に固定される。転写シート60,70は、意匠パネル40の射出成形が終わる度に、それぞれ第1型80のパーティング面81,91に対して長手方向に間欠的に移動する。第1型80と第2型90が型締めされて転写シート60,70の間にできるキャビティへは、樹脂流路84,94を通して、溶融したポリカーボネート系樹脂が流し込まれる。
なお、図3においては、第1型80に対して転写シート60が垂直方向に延びるように配置され、第2型90に対して転写シート70が水平方向に延びるように配置されているが、第1型80に対して転写シートを水平方向に延びるように配置し、第2型90に対して転写シートを垂直方向に延びるように配置してもよい。
図4(a)には、型開きされた状態の第1型80と第2型90が示されている。第1型80が射出成形機の可動盤101に取り付けられた可動型であり、第2型90が固定盤102に取り付けられた固定型である。このとき、転写シート60,70は、それぞれキャビティ面82,92に沿うように吸着されている。図4(a)に示されているように、第2型90は、圧縮ホルダー95と圧縮入れ子96とバネ97と金型ブロック98とを備えている。圧縮ホルダー95と圧縮入れ子96とバネ97は、金型ブロック98に取り付けられている。圧縮入れ子96は、圧縮ホルダー95に対して型締め方向に前進後退するように設定されている。この金型ブロック98には、樹脂を温度制御する機能が備わっており、樹脂の通り道であるスプルー99が形成されている。圧縮入れ子96に形成されているキャビティ面92の一部である第2領域92bは、型開きされているときにはキャビティ面92の他の部分である第1領域92aに対して固定盤102の側に後退した状態になっている。このとき、圧縮ホルダー95は、バネ97によって金型ブロック98から可動盤101の側に前進している。
図4(b)には、圧縮入れ子96を後退させた状態で第1型80と第2型90が型締めされ、キャビティ85が形成されている状態が示されている。そのため、型締めされて第1型80と第2型90のパーティング面81,91は合わさった状態になっている。しかし、金型ブロック98に対して圧縮ホルダー95を移動させているバネ97が図4(a)に示されている状態と同様に伸びており、圧縮ホルダー95に対して圧縮入れ子96が固定盤102の側に後退した位置を維持してキャビティ面92の第1領域92aに対して第2領域92bが固定盤102の側に後退した状態になっている。図4(b)の型締めされた状態で形成されているキャビティ85は、転写シート60,70に囲まれている。
図4(c)に示されている射出工程では、図4(b)の型締め工程における第1型80と第2型90の状態を保ったまま、第2型90のスプルー99を通してキャビティ85内に溶融樹脂200が射出されて充填される。つまり、キャビティ面92の第1領域92aに対して第2領域92bが固定盤102の側に後退した状態で溶融樹脂200が射出されて充填される。この場合に、転写シート60,70が配置されている第1型80と第2型90の型温度は、転写シートを用いない通常の射出成形に比べて低く抑えられており、例えば50℃に設定されている。それに対して、射出されて第1型80と第2型90に入るときのポリカーボネート系樹脂の溶融温度は、例えば融点よりも高い300℃前後の温度になっている。
図4(d)には、圧縮工程が示されている。圧縮工程では、さらに可動盤101が固定盤102に向かって移動することによって、第1型80が圧縮ホルダー95を固定盤102の側に押して後退させる。言い換れば、圧縮ホルダー95を固定盤102の側に移動させることによって圧縮入れ子96を圧縮ホルダー95に対して相対的に前進させるということである。それにより、キャビティ面92の第1領域92aと第2領域92bの相互の位置が揃う。つまり、キャビティ面92の第1領域92aと第2領域92bの形状が、成形すべき意匠パネル40の裏面の形状に一致する。またこのとき、圧縮ホルダー95の後退にともないバネ97が縮む。
溶融樹脂200が溶融している状態で、第1型80と圧縮ホルダー95が固定盤102の側に移動することで、溶融樹脂200が矢印Ar2の方向(可動盤101の移動方向)の圧力を受ける。図4(d)の圧縮工程の後、第1型80及び第2型90を介して溶融樹脂200が冷却され、成形同時加飾されてできた意匠パネル40は第1型80と第2型90が型開きされて取り出される。型開きされると、縮められていたバネ97が伸びることによって図4(a)の状態に戻る。このように圧力が掛けられてポリカーボネート系樹脂が冷却されるので、凝固したときのポリカーボネート系樹脂の特性が改善される。特に改善効果が高いのは、圧縮入れ子96によって直接押されるキャビティ面92の第2領域92bである。そのため、第2領域92bは、窓部41よりも大きく、第2領域92bに窓部41が含まれるように構成されている。このようにして圧縮入れ子96によって溶融樹脂200が押されて凝固すると、圧縮入れ子96と圧縮ホルダー95との境界の痕跡が意匠パネル40に残るので、加飾部42にはこの境界部分が目立たないように黒色などの濃い色で着色するなどの装飾が施されている。
(4)意匠パネルの複屈折低減についての評価
図5には、圧縮率とメルトマスフローレートを変化させたときの虹の見え方が示されている。圧縮率は、圧縮率(%)=圧縮量d2(mm)÷板厚d1(mm)×100で求められる。ここで、圧縮量d2は、図4(c)に示されているように、圧縮ホルダー95に対して圧縮入れ子96が相対的に移動する距離である。また、板厚d1は、既に説明した図2(a)に示されている板状部材45の厚さである。
図5には、次のような4段階の目視による評価の結果が示されている。×印は虹が顕著に見えるため悪い外観を呈しているものを示しており、△印は外観の美しさを要求されない用途には普通に用いることができる程度に虹の見え方が少し改善されている外観を呈しているものを示しており、○印は虹がほとんど見えない程度に改善されている良い外観を呈しているものを示しており、◎印は十分に改善された非常に良い外観を呈しているものを示している。虹の見え方の程度を示す写真が図6に表されており、図6(a)が×印の外観の一例を示す写真であり、図6(b)が△印の外観の一例を示す写真であり、図6(c)が○印の一例を示す写真であり、図6(d)が◎印の外観の一例を示す写真である。
図5に示されているように、圧縮成形によって良い外観が得られるのは、圧縮率が1.6%以上で、かつメルトマスフローレートが40g/10分以上の条件で射出成形された場合である。
虹の見え方を改善するための圧縮率とメルトマスフローレートについての好ましい範囲は、圧縮率が3.3%以上10%以下で、かつメルトマスフローレートが40g/10分以上60g/10分以下の範囲である。
同じ製品サイズに必要な成形機を比べたとき、圧縮率が大きくなりすぎると、成形機が堪えなければならない圧力が大きくなって、製造コストが高くなるばかりでなく、生産効率も低下する。また、成形機が大きくなると成形機の射出シリンダー内で滞留するポリカーボネート系樹脂が増えて、ポリカーボネート系樹脂のガス化や炭化が起きて生産効率の低下や意匠パネル40の性能の低下が生じ易くなる。そのため、板状部材45の厚みが2mm以上4mm以下の範囲では、圧縮量が1mm以下、圧縮率に置き換えると50%(=1÷2×100)以下であることが好ましい。圧縮成形による樹脂バリを抑制して良好な量産性を確保する観点から、圧縮率は10%以下であることがさらに好ましい。
ダイヤルゲージ等による金型の圧縮量の管理が難しくなって製造品質の安定性が低下するのを防ぐためには、圧縮量は0.05mm以上であることが好ましい。板状部材45の厚みの範囲を考慮すると、圧縮率は、1.3(=0.05÷4×100)%以上であることが好ましいが、図5に示されている評価結果からは、1.6%以上であることがさらに好ましいことが分かる。
図5を見ると、メルトマスフローレート(以下MFRという)が40g/10分で圧縮率が1.6%では、虹の見え方についての改善がされているが良好というところまでは到達していない。また、MFRが30g/10分では圧縮率を33.3%まで高めても良好な改善(○印)にはならない。しかし、MFRが40g/10分で圧縮率が3.3%であれば良好な改善結果が得られる。従って、MFRは40g/10分以上であることが好ましい。
虹の見え方を改善するにはMFRは40g/10分以上であれば、大きいほど好ましいが、MFRを60g/10分より大きくすると、ポリカーボネート系樹脂の場合には耐衝撃性が低くなって表示装置を保護するという観点からは好ましくない。従って、MFRは、40g/10分以上60g/10分以下が好ましい。
(5)特徴
図4(c)に示されている射出工程では、メルトマスフローレートが40g/10分以上のポリカーボネート系樹脂を第1型80と第2型90のキャビティ85内に射出する。そして、図4(d)に示されている圧縮工程では、圧縮入れ子96にあるキャビティ面92の第2領域92bの溶融樹脂200に対して、圧縮率が1.6%以上となる圧縮が行なわれる。この第2領域92bは、図2(a)の矢印Ar1で示されている表示画面21に対向する窓部41の成形領域を含んでいる。上記実施形態では第2領域92bが窓部41よりも大きく、加飾部42の一部に掛かっている場合について説明したが、第2領域92bは窓部41と同じ大きさで、窓部41と同じ位置にあるものであってもよい。また、圧縮する第2領域92bが加飾部42の全体より大きくてもよい。
それにより、590nmの波長を使って25℃、53%RHの環境下で測定したときに、面内方向のリタデーション値(位相差)が200nm以下でかつ2mm以上4mm以下の厚さを有するポリカーボネート系樹脂製の板状部材45を含む窓部41が形成される。また、その意匠パネル40の窓部41の周囲に加飾部42が形成される。
なお、図5に示されている×印のときのリタデーション値の平均は約350nmであり、△印のときのリタデーション値の平均は約250nmであり、○印のときのリタデーション値の平均は約175nmであり、◎印のときのリタデーション値の平均は約145nmである。
図5に示されているポリカーボネート系樹脂の原料にはアイゾット衝撃強度は50kJ/m以上であるものが用いられている。
上記実施形態の表示装置用意匠パネルの製造方法を適用することで、液晶ディスプレイ20(表示装置の例)の表示画面21に虹が掛かったように見える現象を抑制し、かつ液晶ディスプレイ20の保護に十分な強度を持つポリカーボネート系樹脂製の表示装置用意匠パネル40が提供できる。
(6)変形例
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(6−1)
上記実施形態では、2つの転写シート60,70を用いて意匠パネル40の表面側と裏面側の両方に転写する場合について説明したが、転写シートが1つであって、意匠パネル40の表面側か裏面側の一方のみに転写して加飾部42を形成する場合にも本発明を適用できる。
(6−2)
成形同時加飾の例として、転写シート60,70を用いて転写することにより加飾部42を形成するインモールド形成法について説明したが、加飾されているプラスチックフィルムを成形体の一部とするようなインサートモールド成形法によって加飾部42や窓部41を形成してもよい。
このようなインサートモールド成形法において、圧縮工程は、上記実施形態と同様に、インサートされるフィルムを介して圧力を加えてもよい。
(6−3)
上述したように、インモールド成形法やインサートモールド成形法では、通常の射出成形に比べて金型温度が比較的低く設定されるので、ポリカーボネート系樹脂で形成される窓部41のリタデーション値が大きくなりがちであるため、虹が見える現象を抑制する効果が顕著になる。このようなことから、インモールド成形法やインサートモールド成形法に本発明を適用するのが好ましい。しかし、本発明を適用できるのは、インモールド成形法やインサートモールド成形法に限られるものではなく、他の射出成形方法を用いる場合にも適用できる。
10 タッチスクリーン
20 液晶ディスプレイ
21 表示画面
30 タッチセンサ
40 表示装置用意匠パネル
41 窓部
42 加飾部
45 板状部材
60,70 転写シート
80 第1型
90 第2型
95 圧縮ホルダー
96 圧縮入れ子

Claims (7)

  1. 表示装置の表示画面を覆って前記表示装置の保護と装飾を行なうための表示装置用意匠パネルの製造方法であって、
    メルトマスフローレートが、ASTMD1238(試験温度300℃、荷重1.2kgf)において、40g/10分以上のポリカーボネート系樹脂を金型のキャビティ内に射出する射出工程と、
    少なくとも前記表示画面に対向する窓部の成形領域の溶融樹脂に対して、圧縮率が1.6%以上となる圧縮を行なう圧縮工程と
    を備える、表示装置用意匠パネルの製造方法。
  2. 前記圧縮工程では、前記窓部の成形領域の厚みが2mm以上4mm以下である場合に、前記窓部の成形領域における圧縮量が0.05mm以上1mm以下の範囲で圧縮率が1.6%以上に調節されている、
    請求項1に記載の表示装置用意匠パネルの製造方法。
  3. 前記圧縮工程では、前記窓部の成形領域に対する圧縮率が10%以下になるように調節されている、
    請求項1又は請求項2に記載の表示装置用意匠パネルの製造方法。
  4. 前記射出工程で射出されるポリカーボネート系樹脂のメルトマスフローレートが60g/10分以下である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置用意匠パネルの製造方法。
  5. 前記射出工程では、加飾シートが前記キャビティのキャビティ面に配置され、前記キャビティ内にポリカーボネート系樹脂が射出されて成形同時加飾が行なわれる、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置用意匠パネルの製造方法。
  6. 前記圧縮工程では、圧縮される領域の端部が前記窓部の周囲に形成される加飾部に配置されている、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の表示装置用意匠パネルの製造方法。
  7. 表示装置の表示画面を覆って保護と加飾を行なうための表示装置用意匠パネルであって、
    面内方向のリタデーション値が590nmの波長において200nm以下、アイゾット衝撃強度(ISO180に準拠、ノッチ有り、温度23℃)が50kJ/m以上、かつ2mm以上4mm以下の厚さを有するポリカーボネート系樹脂製の板状部材を含む窓部と、
    前記窓部の周囲に形成された加飾部と
    を備える、表示装置用意匠パネル。
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