JP2015057448A - 触媒的水素移動による6−α−アミノN−置換モルフィナンの合成 - Google Patents

触媒的水素移動による6−α−アミノN−置換モルフィナンの合成 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒的水素移動による6−α−アミノN−置換モルフィナンの合成の提供。【解決手段】本発明は、6−α−アミノN−置換モルフィナンの立体選択的合成のためのプロセスを提供する。特に、本発明は、触媒的移動水素化による6−ケトN−置換モルフィナンの還元アミノ化のためのプロセスを提供する。本発明の一態様は、6−α−アミノ−N−置換モルフィナンを調製するためのプロセスを包含する。プロセスは、6−ケトN−置換モルフィナンを、アミン源、ギ酸イオンを含む水素供与体、遷移金属触媒、およびプロトン受容体と接触させて6−α−アミノN−置換モルフィナンを形成することを含む。【選択図】なし

Description

(関連する出願との相互参照)
本願は2009年6月11日に出願された米国仮特許出願第61/186,091号の利益を主張し、この仮特許出願はその全体が本明細書中に援用される。
(発明の分野)
本発明は、一般的に、6−α−アミノN−置換モルフィナンの立体選択的合成に関する。特に、本発明は、触媒的水素移動による6−ケトN−置換モルフィナンの還元アミノ化に関する。
N−アルキル化モルフィナンおよびノルモルフィナンを包含するモルフィナンは、重要な医薬品であり、典型的には、鎮痛薬または薬物/アルコール停止剤として使用される。6−アミノ誘導体などの置換されたモルフィナンは、それらが、より高い有効性、より大きな効力を有し、かつ/またはプロドラッグとしての役割を果たすことがあるため、治療的に有用であることがある。6−ケトモルフィナンから6−アミノモルフィナンを形成するためのいくつの方法が文献で報告されてきたが、どれも、良好な収率で6−α−アミノエピマーの立体選択的合成を提供しない。さらに、既存の方法は、極めて反応性に富む還元剤および/または水素ガスの使用を必要とする。したがって、高いエナンチオマー純度の6−α−アミノモルフィナンを調製するための簡便な、温和な、かつ効率的なプロセスが必要である。
本発明は、6−ケトN−置換モルフィナンからの6−α−アミノエピマーの立体選択的合成のためのプロセスを提供する。特に、6−ケトN−置換モルフィナンは、水素移動供与体環境において還元アミノ化を受ける。
したがって、手短に言えば、本発明の一態様は、6−α−アミノ−N−置換モルフィナンを調製するためのプロセスを包含する。プロセスは、6−ケトN−置換モルフィナンを、アミン源、ギ酸イオンを含む水素供与体、遷移金属触媒、およびプロトン受容体と接触させて6−α−アミノN−置換モルフィナンを形成することを含む。
本発明の別の態様は、式(IV)を含む化合物を調製するためのプロセスを提供する。
Figure 2015057448
プロセスは、アミン源(RNH)、ギ酸イオンを含む水素供与体、遷移金属触媒、およびプロトン受容体の存在下で式(I)を含む化合物を還元して式(IV)を含む化合物を形成することを含む。式(I)の化合物は、
Figure 2015057448
を含む。
式(I)または(IV)を含む化合物の各々について、変数は、下記の、
Rは、ヒドロカルビルおよび置換されたヒドロカルビルからなる群から選択され、
およびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ハロゲン、および{−}OR15からなる群から独立して選択され、
、RおよびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および{−}OR15からなる群から独立して選択され、
は、水素、ヒドロカルビルおよび置換されたヒドロカルビルからなる群から選択され、
14は、水素および{−}OR15からなる群から選択され、
15は、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、およびヒドロキシ保護基からなる群から選択されることを表す。
本発明のさらなる態様は、式(IV)の化合物および式(IV)を含む化合物の6−βアミノエピマー約5%未満を含む組成物を包含し、
Figure 2015057448
式中、
Rは、ヒドロカルビルおよび置換されたヒドロカルビルからなる群から選択され、
およびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ハロゲン、および{−}OR15からなる群から独立して選択され、
、RおよびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および{−}OR15からなる群から独立して選択され、
は、水素、ヒドロカルビルおよび置換されたヒドロカルビルからなる群から選択され、
14は、水素および{−}OR15からなる群から選択され、
15は、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、およびヒドロキシ保護基からなる群から選択される。
本発明の他の特徴および反復については、下でより詳細に記載される。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する:
(項目1)
6−α−アミノN−置換モルフィナンを調製するためのプロセスであって、6−ケトN−置換モルフィナンを、アミン源、ギ酸イオンを含む水素供与体、遷移金属触媒、およびプロトン受容体と接触させて上記6−α−アミノN−置換モルフィナンを形成することを含むプロセス。
(項目2)
上記6−ケトN−置換モルフィナンが、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、オキシコドン、オキシモルホン、ナロキソン、およびナルトレキソンから選択され、上記アミン源が、一級アミンおよびアンモニウム塩から選択され、上記ギ酸イオンを含む水素供与体が、ギ酸、ギ酸の塩、およびギ酸と有機塩基の混合物から選択され、上記遷移金属触媒が、ルテニウム、ロジウム、またはイリジウムを含み、上記プロトン受容体が、約9超のpKaを有する、項目1に記載のプロセス。
(項目3)
上記6−ケトN−置換モルフィナン、上記アミン源、上記水素供与体、および上記遷移金属触媒の間の接触が、6−イミンモルフィナンのギ酸塩を含む第一中間体化合物を形成し、上記第一中間体化合物が、その場で、6−α−アミノモルフィナンのギ酸塩を含む第二中間体化合物に変換され、上記第二中間体化合物と上記プロトン受容体の間の接触が、上記6−α−アミノN−置換モルフィナンを形成する、項目1または2に記載のプロセス。
(項目4)
上記6−α−アミノモルフィナン生成物が、6−β−アミノモルフィナンエピマー約2%以下を含む、項目1から3のいずれかに記載のプロセス。
(項目5)
式(IV)を含む化合物を調製するためのプロセスであって、
Figure 2015057448

式(I)の化合物を、アミン源(RNH)、ギ酸イオンを含む水素供与体、遷移金属触媒、およびプロトン受容体の存在下で還元して上記式(IV)を含む化合物を形成することを含み、上記式(I)の化合物が、
Figure 2015057448

を含み、
式中、
Rは、ヒドロカルビルおよび置換されたヒドロカルビルから選択され、
およびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ハロゲン、および
{−}OR15から独立して選択され、
、RおよびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および
{−}OR15から独立して選択され、
は、水素、ヒドロカルビルおよび置換されたヒドロカルビルから選択され、
14は、水素および
{−}OR15から選択され、
15は、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、およびヒドロキシ保護基から選択される、プロセス。
(項目6)
、R、R、およびRが、水素であり、R14が、水素またはヒドロキシルであり、Rが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルメチル、アルケニル、アリール、およびヘテロシクロから選択され、Rが、アルコキシ、ヒドロキシ、および保護されたヒドロキシルから選択され、上記ギ酸イオンを含む水素供与体が、ギ酸、ギ酸の塩、およびギ酸と有機塩基の混合物から選択され、Rが、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、およびアリールから選択され、上記アミン源が、一級アミンであり、式(I)を含む化合物と上記一級アミンと上記水素供与体のモル比が、約1:1:1から約1:5:20までであり、上記遷移金属触媒が、ルテニウム、ロジウム、またはイリジウムを含み、上記式(I)を含む化合物と上記遷移金属触媒のモル比が、約1:0.0001から約1:0.01までであり、上記式(I)を含む化合物、上記アミン源、上記遷移金属触媒、および上記水素供与体の間の反応が、非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒、非極性溶媒、およびそれらの組合せから選択される溶媒の存在下で起き、上記式(I)を含む化合物、上記アミン源、上記遷移金属触媒、および上記水素供与体の間の反応が、約20℃から約100℃までの温度にて起き、上記プロトン受容体が、約9超のpKaを有し、アンモニア、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、および水酸化ナトリウムから選択される、項目5に記載のプロセス。
(項目7)
上記水素供与体が、ギ酸およびトリエチルアミンを含む、項目5または6のいずれかに記載のプロセス。
(項目8)
上記遷移金属触媒が、野依触媒である、項目5から7のいずれかに記載のプロセス。
(項目9)
上記式(I)を含む化合物を、上記アミン源、水素源、および上記遷移金属触媒と接触させた後に、式(II)を含む第一中間体が形成され、上記第一中間体が、その場で、式(III)を含む第二中間体に変換され、
Figure 2015057448

式中、
Rは、ヒドロカルビルおよび置換されたヒドロカルビルから選択され、
およびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ハロゲン、および
{−}OR15から独立して選択され、
、RおよびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および
{−}OR15から独立して選択され、
は、水素、ヒドロカルビルおよび置換されたヒドロカルビルから選択され、
14は、水素および
{−}OR15から選択され、
15は、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、およびヒドロキシ保護基から選択される、項目5から8のいずれかに記載のプロセス。
(項目10)
上記6−α−アミノモルフィナン生成物が、式(V)を含む化合物をさらに含み、
Figure 2015057448

式中、
Rは、ヒドロカルビルおよび置換されたヒドロカルビルから選択され、
およびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ハロゲン、および
{−}OR15から独立して選択され、
、RおよびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および
{−}OR15から独立して選択され、
14は、水素および
{−}OR15から選択され、
15は、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、およびヒドロキシ保護基から選択される、項目5から9のいずれかに記載のプロセス。
(項目11)
上記アミン源が、一級アミンであり、上記式(I)を含む化合物と上記一級アミンのモル比が、約1:2であり、上記水素供与体が、ギ酸およびトリエチルアミンを含み、上記式(I)を含む化合物とギ酸とトリエチルアミンのモル比が、約1:12:3であり、上記遷移金属触媒が、ジクロロ(p−シメン)Ru(II)ダイマーであり、上記式(I)を含む化合物と上記Ru(II)ダイマーのモル比が、約1:0.001から1:0.01までであり、上記一級アミン、Ru(II)ダイマー、およびギ酸/トリエチルアミンとの反応が、アセトニトリルの存在下で約20℃から約60℃までの温度にて起き、上記プロトン受容体が、アンモニアであり、上記プロトン受容体との反応が、約9.5のpHにて、および室温にて、水を含むプロトン性溶媒系中で起きる、項目5に記載のプロセス。
(項目12)
上記アミン源が、酢酸アンモニウムであり、上記式(I)を含む化合物と酢酸アンモニウムのモル比が、約1:12であり、上記水素供与体が、ギ酸およびトリエチルアミンを含み、上記式(I)を含む化合物とギ酸とトリエチルアミンのモル比が、約1:12:5であり、上記遷移金属触媒が、ジクロロ(p−シメン)Ru(II)ダイマーであり、上記式(I)を含む化合物と上記Ru(II)ダイマーのモル比が、約1:0.001から1:0.01までであり、上記酢酸アンモニウム、上記Ru(II)ダイマー、および上記ギ酸/トリエチルアミンの反応が、エタノールの存在下で約20℃から約60℃までの温度にて起き、上記プロトン受容体が、アンモニアであり、上記プロトン受容体との反応が、約9.5のpHにて、および室温にて、水を含むプロトン性溶媒系中で起きる、項目5に記載のプロセス。
(項目13)
上記式(I)または(IV)を含む化合物の光学活性が、(−)または(+)であり、C−5、C−13、C−14、およびC−9における立体配置が、それぞれ、RRRR、RRRS、RRSR、RSRR、SRRR、RRSS、RSSR、SSRR、SRRS、SRSR、RSRS、RSSS、SRSS、SSRS、SSSR、およびSSSSから選択され、ただし、C−15とC−16が、共に分子のα面かβ面のどちらかの上にあり、6−β−アミノエピマーが、2%未満を占める、項目5から12のいずれかに記載のプロセス。
(項目14)
a)式(IV)を含む化合物、および
b)上記式(IV)を含む化合物の6−β−アミノエピマー約5%未満
を含み、
Figure 2015057448

式中、
Rは、ヒドロカルビルおよび置換されたヒドロカルビルから選択され、
およびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ハロゲン、および
{−}OR15から独立して選択され、
、RおよびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および
{−}OR15から独立して選択され、
は、水素、ヒドロカルビルおよび置換されたヒドロカルビルから選択され、
14は、水素および
{−}OR15から選択され、
15は、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、およびヒドロキシ保護基から選択される、組成物。
(項目15)
、R、R、およびRが、水素であり、R14が、水素またはヒドロキシルであり、Rが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルメチル、アルケニル、アルキニル、およびアリールから選択され、Rが、アルコキシ、ヒドロキシ、および保護されたヒドロキシから選択され、Rが、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アリール、および置換されたアリールから選択され、上記エピマーの光学活性が、(−)または(+)であり、C−5、C−13、C−14、およびC−9の立体配置が、それぞれ、RRRR、RRRS、RRSR、RSRR、SRRR、RRSS、RSSR、SSRR、SRRS、SRSR、RSRS、RSSS、SRSS、SSRS、SSSR、およびSSSSから選択され、ただし、C−15とC−16が、共に分子のα面かβ面のどちらかの上にあり、6−α−アミノエピマーが、約98%超であり、上記6−β−アミノエピマーが、約2%以下である、項目14に記載の組成物。
本発明は、6−α−アミノN−置換モルフィナン、その塩、中間体、または類似体の立体選択的合成のための改善されたプロセスを提供する。特に、N−置換モルフィナンの6−ケト部分は、6−α−アミノエピマーにエナンチオ選択的に還元される。6−α−アミノエピマーの立体選択的合成は、触媒的水素移動による還元アミノ化を包含する。特に、6−ケト部分を、遷移金属触媒およびギ酸イオンを含む水素供与体の存在下でアミン源と縮合させる。したがって、本発明のプロセスは、水素ガスおよび極めて反応性に富む主族還元剤の使用を避ける。したがって、プロセスは、全く温和であり、あまり有害ではない主族還元剤の存在下で還元されることがある多くの官能基が耐えられる。有利なことに、本発明のプロセスは、高い収率および高いエピマー純度の6−α−アミノN−置換モルフィナンを提供する。本発明は、6−α−アミノN−置換モルフィナンエピマーおよび6−βアミノN−置換モルフィナンエピマー5%未満、好ましくは、2%未満、さらにより好ましくは、1%未満を含む組成物も提供する。
(I)6−α−アミノN−置換モルフィナンを調製するためのプロセス
本発明の一態様は、6−α−アミノN−置換モルフィナンの立体選択的合成のためのプロセスを包含する。プロセスは、6−ケトN−置換モルフィナンを、一級アミンまたはアンモニウム塩などのアミン源、ギ酸イオンを含む水素供与体、遷移金属触媒、およびプロトン受容体と接触させて6−α−アミノN−置換モルフィナンを形成することを含む。
一般に、本明細書に詳述されているN−置換モルフィナンは、17位における窒素が三級アミンを含むモルフィナン構造を有する任意の化合物を含む。すなわち、17位における窒素は、ヒドロカルビルまたは置換されたヒドロカルビル置換基を有する。例示の目的で、コアモルフィナン構造の環原子を、下に図示されているように番号付けし、
Figure 2015057448
式中、Rは、ヒドロカルビルまたは置換されたヒドロカルビルである。好ましいR基は、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アリール、およびヘテロシクロを包含する。さらにより好ましいR基は、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロブチルメチル、ペンチル、イソペンチル(isopenyl)、ネオペンチル、シクロペンチル(cyclopenyl)、およびアリルを包含する。
プロセスは、6−ケトN−置換モルフィナンの、アミン源、遷移金属触媒、および水素供与体との反応後の、6−イミンモルフィナンのギ酸塩を含む第一中間体化合物の形成を含む。第一中間体化合物は、その場で、6−α−アミノN−置換モルフィナンのギ酸塩を含む第二中間体化合物に変換される。第二中間体化合物とプロトン受容体との間の接触は、6−α−アミノ(6−alpha−amine)N−置換モルフィナンの形成につながる。
(II)式(IV)を含む化合物を調製するためのプロセス
本発明の一実施形態において、式(IV)を含む6−α−アミノモルフィナンは、式(I)を含む6−ケトモルフィナンから調製される。プロセスは、式(I)を含む化合物を、アミン源(RNH)、ギ酸イオンを含む水素供与体、および遷移金属触媒の存在下で還元して式(II)を含む中間体化合物を形成することを含む。式(II)を含む化合物は、その場で、式(III)を含む化合物に変換される。プロセスは、式(III)を含む化合物をプロトン受容体と接触させて式(IV)を含む化合物を形成することをさらに含む。例示の目的で、反応スキーム1は、本発明の一態様による式(IV)を含む化合物の合成を描いており、
Figure 2015057448
式中、
Rは、ヒドロカルビルおよび置換されたヒドロカルビルからなる群から選択され、
およびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ハロゲン、および{−}OR15からなる群から独立して選択され、
、RおよびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および{−}OR15からなる群から独立して選択され、
は、水素、ヒドロカルビルおよび置換されたヒドロカルビルからなる群から選択され、
14は、水素および{−}OR15からなる群から選択され、
15は、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、およびヒドロキシ保護基からなる群から選択される。
好ましい実施形態において、R、R、R、およびRの各々は、水素である。別の好ましい実施形態において、R14は、水素またはヒドロキシである。さらに別の好ましい実施形態において、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルメチル、アルケニル、アリール、およびヘテロシクロからなる群から選択される。さらに別の好ましい実施形態において、Rは、アルコキシ、ヒドロキシ、および保護されたヒドロキシからなる群から選択される。例示的実施形態において、Rは、メチル、シクロプロピルメチル、またはアリルであり、Rは、ヒドロキシまたはメトキシである。
(a)プロセスのステップA
プロセスは、式(I)を含む6−ケトモルフィナンを、アミン源、水素供与体、および遷移金属触媒と合わせることによる反応混合物の形成で始まり、式(I)を含む化合物は、還元アミノ化を受ける。式(I)を含む様々な化合物は、プロセスにおける使用に適している。例示的実施形態において、Rは、メチル、アリル、またはシクロプロピルメチルであり、R、R、R、およびRは、水素であり、Rは、ヒドロキシまたはメトキシであり、R14は、水素またはヒドロキシである。式(I)を含む代表的な化合物は、下に描かれているヒドロコドン、ヒドロモルホン、オキシコドン、オキシモルホン、ナロキソン、およびナルトレキソンを包含するが、それらに限定されるものではない。
Figure 2015057448
(i)アミン源
反応混合物は、式RNHを含むアミン源も含み、式中、Rは、水素、ヒドロカルビルおよび置換されたヒドロカルビルからなる群から選択される。Rが、水素である実施形態において、アミン源、アンモニア(NH)は、アンモニウム塩により提供される。アンモニウム塩は、無機アニオンまたは有機アニオンを含むことがある。適当な無機アニオンの非限定的な例は、重炭酸、炭酸、塩化物、水酸化物、硝酸、リン酸、硫化物、および硫酸イオンを包含する。適当な有機アニオンの例は、安息香酸、ブタン酸、酢酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グルタミン酸、乳酸、リンゴ酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、および酒石酸(tartarate)イオンを包含するが、それらに限定されるものではない。好ましい実施形態において、アンモニウム塩は、酢酸アンモニウムである。
が、ヒドロカルビルおよび置換されたヒドロカルビルである実施形態において、アミン源は、一級アミンである。好ましい実施形態において、Rは、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、アリール、ヘテロアリール、炭素環式、またはヘテロ環式である。適当な一級アミンの非限定的な例は、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、アリルアミン、N−ベンジルアミン(n−benzylamine)、アニリン(すなわち、フェニルアミン)、メタノールアミン、エタノールアミン、およびアラニンまたはアラニンのメチルエステルなどのアミノ酸を包含する。
式(I)を含む化合物とアミン源のモル比は、アミン源が、アンモニウム塩であるか一級アミンであるかに応じて変わることがありかつ変わるであろう。アミン源が、アンモニウム塩である実施形態において、式(I)を含む化合物とアンモニウム塩のモル比は、典型的には、約1:2から約1:20までの範囲であろう。アミン源が、アンモニウム塩である一部の実施形態において、式(I)を含む化合物とアンモニウム塩のモル比は、約1:2から約1:5まで、約1:5から約1:10まで、約1:10から約1:15まで、または約1:15から約1:20までの範囲であってよい。アミン源が、アンモニウム塩である好ましい実施形態において、式(I)を含む化合物とアンモニウム塩のモル比は、約1:11から約1:13までの範囲であってよいか、より好ましくは、約1:12である。アミン源が、一級アミンである実施形態において、式(I)を含む化合物と一級アミンのモル比は、典型的には、約1:1から約1:5までの範囲であろう。アミン源が、一級アミンである様々な実施形態において、式(I)を含む化合物と一級アミンのモル比は、約1:1から約1:2まで、約1:2から約1:3まで、または約1:3から約1:5までの範囲であってよい。アミン源が、一級アミンである好ましい実施形態において、式(I)を含む化合物と一級アミンのモル比は、約1:1.25から約1:2までの範囲であってよい。
(ii)ギ酸イオンを含む水素供与体
式(I)を含む化合物およびアミン源に加えて、反応混合物は、移動水素化反応が起きるように、ギ酸イオンを含む水素供与体も含む。ギ酸イオンを含む適当な水素供与体の非限定的な例は、ギ酸、ギ酸の無機塩、ギ酸の有機塩、またはギ酸と有機塩基の混合物を包含する。ギ酸の適当な無機塩は、ギ酸カルシウム、ギ酸セシウム、ギ酸リチウム、ギ酸マグネシウム、ギ酸カリウム、およびギ酸ナトリウムを包含するが、それらに限定されるものではない。ギ酸の適当な有機塩の非限定的な例は、ギ酸アンモニウム、ギ酸エチル、ギ酸メチル、ギ酸アミン(amine formate)、ギ酸ブチル、ギ酸プロピル、オルトギ酸トリエチル、オルトギ酸トリエチル、ギ酸トリエチルアンモニウム、ギ酸トリメチルアンモニウムなどを包含する。ギ酸と合わせるのに適している有機塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、およびN,N−ジメチルアミノピリジンを包含するが、それらに限定されるものではない。例示的実施形態において、水素供与体は、ギ酸と有機塩基の混合物を含み、有機塩基は、トリエチルアミンである。
式(I)を含む化合物と水素供与体のモル比は、変わることがありかつ変わるであろう。一般に、式(I)を含む化合物と水素供与体のモル比は、約1:1から約1:20までの範囲であろう。様々な実施形態において、式(I)を含む化合物と水素供与体のモル比は、1:1から約1:3、約1:3から約1:10、または約1:10から約1:20までの範囲であってよい。好ましい実施形態において、式(I)を含む化合物と水素供与体のモル比は、1:11から約1:13までの範囲であってよい。水素供与体が、ギ酸およびトリエチルアミンを含む例示的実施形態において、式(I)を含む化合物とトリエチルアミンのモル比は、約1:1から約1:10まで、またはより好ましくは、約1:3から約1:5までの範囲であってよい。水素供与体は、反応混合物中にゆっくりと導入されることがある。例えば、水素供与体は、反応混合物に少量ずつ分けて添加されるか滴下されることがある。
(iii)遷移金属触媒
反応混合物は、遷移金属触媒も含む。本明細書で使用されているように、遷移金属触媒は、少なくとも1つの配位子と錯体を形成している少なくとも1つの金属を含む。触媒遷移金属錯体の金属は、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、または白金であってよい。好ましい実施形態において、遷移金属は、ルテニウム、イリジウム、またはロジウムであってよい。遷移金属の原子価状態は、変わることがある。例えば、適当な遷移金属の非限定的な例は、ルテニウム(II)、ルテニウム(III)、ルテニウム(IV)、オスミウム(II)、オスミウム(III)、オスミウム(IV)、ロジウム(I)、ロジウム(III)、イリジウム(III)、イリジウム(IV)、パラジウム(II)、パラジウム(IV)、白金(II)、および白金(IV)を包含する。典型的には、錯体における金属の配位子に対する比は、約1:1である。触媒遷移金属錯体の配位子は、単座または二座の窒素供与体、リン供与体配位子、シクロペンタジエニル配位子、アレーン配位子、オレフィン配位子、アルキン配位子、ヘテロシクロアルキル配位子、ヘテロアリール配位子、水素化物配位子、アルキル配位子、またはカルボニル配位子であってよい。
好ましい実施形態において、触媒遷移金属錯体は、ジクロロ(アレーン)Ru(II)ダイマー、ジクロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)Ru(II)ダイマー、BINAP−Ru(II)二酢酸塩、BINAP−Ru(II)二塩化物、BINAP−Ru(II)二臭化物、BINAP−Ru(II)二ヨウ化物、[RuCl((RまたはS)BINAP)(C)]Cl、ジクロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム(III)ダイマー、Ru(III)塩化物、RuCl水和物、Ru(III)アセチルアセトネート、テトラアルキルアンモニウムRuCl、またはピリジニウムRuClであってよい。例示的実施形態において、遷移金属触媒は、ジクロロ(p−シメン)Ru(II)ダイマーであってよい。
他の実施形態において、触媒遷移金属錯体は、少なくとも1つの金属が、窒素、酸素、またはリン供与体原子を使用して少なくとも1つの二座のキラル配位子と錯体を形成している不斉触媒であってよい。これらの触媒は、野依触媒と呼ばれることがあり、例えば、US5,693,820(Helmchenら)およびR.Noyoriら、Asymmetric Catalysts by Architechtural and Functional Molecular Engineering:Practical Chemo− and Stereoselective Hydrogenation of Ketones、Agew.Chem.Int.Ed. 2001、40、40〜73頁により完全に記載されている。1例において、キラル配位子は、下に示されているように、式(670)、(680)、(690)、または(700)を含むことがあり、
Figure 2015057448
式中、R671、R672、R673、R681、R691、R692、R701、およびR702は、独立して、アルキルまたはアリールであり、式(690)のR691およびR692ならびに式(700)のR701およびR702、ならびにそれらが結合している炭素原子は、環式または二環式の化合物を形成していてもよい。上の構造において、「」は、キラル炭素原子を示している。不斉触媒のキラル炭素の立体配置は、RR、RS、SR、またはSSであってよい。
一実施形態において、配位子は、式(670)を含み、R672およびR673は、各々フェニルであり、R671は、アリールである。この実施形態の別の例において、R671は、トリル、メシチル、またはナフチルである。代替実施形態において、配位子は、式(680)を含み、R681は、トリル、メシチル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル、またはナフチルである。別の例において、配位子は、式(690)を含み、R691およびR692は、水素であり、したがって、化合物、アミノエタノールを形成する。代替例において、配位子は、式(690)を含み、R691およびR692は、下記の化合物
Figure 2015057448
を形成するように選択される。
別の実施形態において、配位子は、式(700)に該当し、R701およびR702は、水素であり、したがって、化合物、エチレンジアミンを形成する。
好ましい例において、キラル配位子は、p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、(1S,2S)−(+)−N−4−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレン−1,2,−ジアミン、(1R,2R)−(−)−N−4−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレン−1,2,−ジアミン、dl−N−トシル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−トシル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−トシル−1,2−エチレンジアミン、またはN−トシル−1,2−ジアミノシクロヘキサンであってよい。
適当なルテニウムまたはロジウム不斉触媒は、下記の、
Figure 2015057448
を包含する。
式(I)を含む化合物および遷移金属触媒のモル比は、例えば、遷移金属触媒の性質に応じて変わることがありかつ変わるであろう。一般に、式(I)を含む化合物および遷移金属触媒のモル比は、約1:0.0001から約1:0.01までの範囲であろう。一部の実施形態において、式(I)を含む化合物および遷移金属触媒のモル比は、約1:0.0001から約1:0.001まで、またはより好ましくは、約1:0.001から約1:0.01までの範囲であってよい。
(iv)溶媒
反応混合物は、本明細書に詳述されているように、溶媒も含む。溶媒は、プロセスにおいて使用される出発基質および反応剤に応じて変わることがありかつ変わるであろう。溶媒は、プロトン性溶媒、非プロトン性溶媒、非極性溶媒、またはそれらの組合せであってよい。プロトン性溶媒の適当な例は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、水、およびそれらの組合せを包含するが、それらに限定されるものではない。適当な非プロトン性溶媒の非限定的な例は、アセトニトリル、ジエトキシメタン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,4−ジオキサン、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、ギ酸エチル、ホルムアミド、ヘキサメチルリン酸アミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、塩化メチレン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、スルホラン、テトラメチル尿素、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、トリクロロメタン、およびそれらの組合せを包含する。非極性溶媒の適当な例は、アルカンおよび置換されたアルカン溶媒(シクロアルカンを包含する)、芳香族炭化水素、エステル、エーテル、それらの組合せなどを包含するが、それらに限定されるものではない。用いられることがある具体的な非極性溶媒は、例えば、ベンゼン、酢酸ブチル、t−ブチルメチルエーテル、クロロベンゼン、クロロホルム、クロロメタン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ジエチレングリコール、フルオロベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、酢酸イソプロピル、メチルテトラヒドロフラン、酢酸ペンチル、酢酸n−プロピル、テトラヒドロフラン、トルエン、およびそれらの組合せを包含する。例示的溶媒は、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、酢酸エチル、エタノール、およびメタノールを包含する。アミン源が、一級アミンである実施形態において、好ましい溶媒は、アセトニトリルである。アミン源が、アンモニウム塩である実施形態において、好ましい溶媒は、エタノールである。
一般に、溶媒の、式(I)を含む化合物に対する重量比は、約0.5:1から約100:1までの範囲であろう。様々な実施形態において、溶媒の、式(I)を含む化合物に対する重量比は、0.5:1から約5:1まで、約5:1から約25:1まで、または約25:1から約100:1までの範囲であってよい。好ましい実施形態において、溶媒の、式(I)を含む化合物に対する重量比は、約2:1から約10:1までの範囲であってよい。
(v)反応条件
一般に、反応は、約20℃から約100℃まで、またはより好ましくは、約20℃から約60℃までの範囲である温度にて行われるであろう。様々な実施形態において、反応の温度は、ほぼ室温(約23℃)、約30℃、約40℃、約50℃、または約60℃であってよい。例示的実施形態において、反応の温度は、ほぼ室温であってよい。反応は、典型的には、周囲雰囲気および圧力下で行われる。
一般的に、反応は、クロマトグラフィー(例えば、HPLC)などの、当業者に公知である任意の方法により決定されるように、反応が完了するまで十分な時間にわたって進めることが可能である。反応の時間は、約12時間から3日超までの範囲であってよい。一部の実施形態において、反応は、12時間、18時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、または84時間にわたって進めることが可能であってよい。この文脈において、「完了した反応」とは、一般的に、反応混合物が、有意に減少した量の式(I)を含む化合物を含有することを意味する。典型的には、反応混合物中に残っている式(I)を含む化合物の量は、約3%未満、好ましくは、約1%未満であってよい。
(b)中間体化合物
プロセスのステップAの間に、式(I)を含む化合物は、反応スキーム1に描かれているように、式(II)を含む第一中間体化合物に変換される。具体的には、6−ケト部分は、式(II)を含む化合物が、6−イミンモルフィナンのビス−ギ酸塩であるように、6−イミン部分に変換される。式(II)を含む化合物の6−イミン部分は、その場で、反応スキーム1に示されているように、式(II)を含む化合物の6−α−アミノエピマーに変換される。さらに、反応混合物の溶媒は、共沸的に乾燥され、それによって、式(III)を含む化合物の形成をさらに推進することがある。
式(III)を含む6−α−アミノモルフィナンのビス−ギ酸塩は、反応混合物から沈殿することがあり、標準的手順を使用して反応混合物から回収されることがある。他の実施形態において、式(III)を含む化合物は、当業者に公知である標準的手順を使用して反応混合物から単離されることがある。
(c)プロセスのステップB
プロセスは、式(III)を含む化合物をプロトン受容体と接触させることをさらに含み、式(IV)を含む化合物が形成される。様々なプロトン受容体は、プロセスのこのステップにおいて使用するのに適している。一般に、プロトン受容体は、約9超のpKaを有するであろう。この特性を有する適当なプロトン受容体は、アンモニア、ホウ酸塩(例えば、NaBOなど)、重炭酸塩(例えば、NaHCO、KHCO、LiCOなど)、炭酸塩(例えば、NaCO、KCO、LiCOなど)、水酸化物塩(例えば、NaOH、KOHなど)、有機塩基(例えば、ピリジン、メチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジンなど)、および上のうちのいずれかの混合物を包含する。好ましい実施形態において、プロトン受容体は、アンモニア、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムであってよい。例示的実施形態において、プロトン受容体は、アンモニアであってよい。
典型的には、反応物に添加されるプロトン受容体の量は、9と10の間の値に反応混合物のpHを調整するのに十分であろう。反応混合物のpHは、10を超えないことが好ましい。一部の実施形態において、反応混合物のpHは、約9.0から約9.2まで、約9.2から約9.4まで、約9.4から約9.6まで、約9.6から約9.8まで、または約9.8から約10.0までの範囲であってよい。例示的実施形態において、反応混合物のpHは、約9.3から約9.6までの範囲であってよい。プロトン受容体は、望ましいpHに達するまで、反応混合物に少量ずつ分けて添加されるか滴下されることがある。
反応混合物は、プロトン性溶媒をさらに含む。適当なプロトン性溶媒は、(II)(a)(iv)項で上に列挙されている。例示的実施形態において、プロトン性溶媒は、水であってよい。
典型的には、反応は、室温で反応が完了するまで十分な時間にわたって進めることが可能である。一般的に、式(IV)を含む化合物は、反応混合物から沈殿する。したがって、反応は、さらなる沈殿が形成されない場合に完了であってよい。あるいは、反応は、クロマトグラフィー(例えば、HPLC)などの、当業者に公知であるいずれかにより完了と決定されることがある。この文脈において、「完了した反応」とは、一般的に、反応混合物が、反応の始めに存在する各々の量と比較して有意に減少した量の式(III)を含む化合物および有意に増加した量の式(IV)を含む化合物を含有することを意味する。典型的には、反応混合物中に残っている式(III)を含む化合物の量は、約3%未満、好ましくは、約1%未満であってよい。
式(IV)を含む化合物は、当業者に公知である技法を使用して反応混合物から単離されることがある。適当な技法の非限定的な例は、沈殿、抽出、クロマトグラフィー、および結晶化を包含する。
式(IV)を含む化合物の収率は、変わることがありかつ変わるであろう。典型的には、式(IV)を含む化合物の収率は、少なくとも約60%であってよい。一実施形態において、式(IV)を含む化合物の収率は、約60%から約70%までの範囲であってよい。別の実施形態において、式(IV)を含む化合物の収率は、約70%から約80%までの範囲であってよい。さらなる実施形態において、式(IV)を含む化合物の収率は、約80%から約90%までの範囲であってよい。さらに別の実施形態において、式(IV)を含む化合物の収率は、約90%超であってよい。
アミン源が、アンモニウム塩である実施形態において、最終生成物は、式(V)
Figure 2015057448
を含むN−ホルミル−6−α−アミノモルフィナンをさらに含み、
式中、R、R、R、R、R、R、およびR14は、反応スキーム1で上に定義されている通りである。
式(IV)または(V)を含む化合物は、そのままで使用されるか、当業者によく知られている技法を使用して別の化合物に変換されることがある。式(IV)または(V)を含む化合物は、薬学的に許容される塩に変換されることもある。薬学的に許容されるカチオンは、金属イオンおよび有機イオンを包含する。より好ましい金属イオンは、適切なアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、および他の生理学的に許容される金属イオンを包含するが、それらに限定されるものではない。例示的カチオンは、それらの通常の原子価でアルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、および亜鉛を包含する。好ましい有機カチオンは、部分的に、トリメチルアミン、ジエチルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(Nメチルグルカミン)およびプロカインを包含するプロトン化された三級アミンおよび四級アンモニウムカチオンを包含する。例示的な薬学的に許容される酸は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、ギ酸、酒石酸、マレイン酸、リンゴ酸、クエン酸、イソクエン酸、コハク酸、乳酸、グルコン酸、グルクロン酸、ピルビン酸、オキサル酢酸、フマル酸、プロピオン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸などを包含するが、それらに限定されるものではない。
一般に、本発明のプロセスにより調製される1つまたは複数の化合物は、最終生成物が、6−β−アミノエピマー約5%未満を含むという点でエナンチオマー的に純粋である。一部の実施形態において、最終生成物は、6−β−アミノエピマー約2%未満を含むことがある。さらなる実施形態において、最終生成物は、6−β−アミノエピマー約1%未満を含むことがある。
式(I)、(II)、(III)、(IV)、または(V)のうちのいずれかを含む化合物は、偏光の回転に関して(−)または(+)配向を有することがある。より具体的に、モルフィナンの各キラル中心は、RまたはS立体配置を有することがある。本明細書に記載されている化合物は、少なくとも4つのキラル中心、すなわち、炭素C−5、C−9、C−13、およびC−14を有することがある。各キラル中心において、炭素原子における立体化学は、独立して、RまたはSである。C−5、C−9、C−13、およびC−14の立体配置は、それぞれ、RRRR、RRRS、RRSR、RSRR、SRRR、RRSS、RSSR、SSRR、SRRS、SRSR、RSRS、RSSS、SRSS、SSRS、SSSR、またはSSSSであってよく、ただし、C−15およびC−16原子は、共に分子のα面の上にあるか共に分子のβ面の上にある。6−α−アミノ基、すなわち、{−}NHRは、Rの独自性(すなわち、優先度)に応じて、RまたはSであってよい。
好ましい実施形態において、本発明のプロセスにより製造される化合物は、下に図示されている化合物またはその化合物の薬学的に許容される塩であり、
Figure 2015057448
式中
Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルメチル、アルケニル、アリール、およびヘテロシクロからなる群から選択され、
は、水素、アルキル、および保護基なる群から選択され、
は、水素、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群から選択され、
14は、水素およびヒドロキシからなる群から選択される。
好ましい実施形態において、Rは、メチル、シクロプロピルメチル、またはアリルであり、Rは、水素またはメチルである。
(iii)組成物
本発明のさらなる態様は、式(IV)の化合物および式(IV)を含む化合物の6−βアミノエピマー約5%未満を含むエピマー的に純粋な組成物を包含し、
Figure 2015057448
式中、R、R、R、R、R、R、R、およびR14は、反応スキーム1で上に定義されている通りである。
さらに、組成物の化合物は、(II)(c)項で上に詳述されているように、式(IV)を含む化合物の薬学的に許容される塩を含むことがある。
一実施形態において、本発明の組成物は、6−βアミノエピマー約2%未満を含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、6−βアミノエピマー1%未満を含む。さらなる実施形態において、本発明の組成物は、6−α−アミノエピマー約95%超を含む。さらに別の実施形態において、本発明の組成物は、6−α−アミノエピマー約98%超を含む。さらなる実施形態において、本発明の組成物は、6−α−アミノエピマー99%超を含む。
本発明の組成物は、治療有効投与量を送達する多くの異なる手段による投与のために製剤化されることがある。そのような製剤は、望まれるように、従来の無毒性の薬学的に許容される担体、補助剤、およびビヒクルを含有する用量単位製剤で経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、直腸に、皮内に、経皮的に、または局所的に投与することができる。局所投与には、経皮パッチなどの経皮投与またはイオン注入装置などの使用が関わることもある。本明細書で使用されるような非経口という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、もしくは胸骨内注射、または注入技法を包含する。薬物の製剤化については、例えば、Gennaro,A.R.、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.(第18版、1995)、およびLiberman,H.A.およびLachman,L.、編、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Dekker Inc.、New York、N.Y.(1980)で議論されている。
定義
本明細書に記載されている化合物は、不斉中心を有する。非対称に置換された原子を含有する本発明の化合物は、光学活性かラセミの形態で単離されることがある。具体的な立体化学または異性形態が具体的に指示されていない限り、構造のすべてのキラルな、ジアステレオマーの、ラセミの形態およびすべての幾何学的異性形態が意図されている。
「アシル」という用語は、単独でまたは別の基の一部として本明細書で使用されているとき、有機カルボン酸の基COOHからのヒドロキシ基の除去により形成される部分、例えば、RC(O)−(式中、Rは、R、RO−、RN−、またはRS−であり、Rは、ヒドロカルビル、ヘテロ置換されたヒドロカルビル、またはヘテロシクロであり、Rは、水素、ヒドロカルビル、または置換されたヒドロカルビルである)を示す。
「アシルオキシ」という用語は、単独でまたは別の基の一部として本明細書で使用されているとき、酸素連結(O)を通して結合している上に記載されているようなアシル基、例えば、RC(O)O−(式中、Rは、「アシル」という用語に関連して定義されている通りである)を示す。
「アリル」という用語は、本明細書で使用されているとき、単純なアリル基(CH=CH−CH−)を含有する化合物ばかりでなく、置換されたアリル基または環系の一部を形成するアリル基を含有する化合物も指す。
本明細書で使用されている「アルキル」という用語は、主鎖内に1から8個までの炭素原子および最大で20個までの炭素原子を含有する低級アルキルであることが好ましい基について記載している。それらは、直鎖もしくは分枝鎖または環式であってよく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシルなどを包含する。
本明細書で使用されている「アルケニル」という用語は、主鎖内に2から8個までの炭素原子および最大で20個までの炭素原子を含有する低級アルケニルであることが好ましい基について記載している。それらは、直鎖もしくは分枝鎖または環式であってよく、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキセニルなどを包含する。
本明細書で使用されている「アルキニル」という用語は、主鎖内に2から8個までの炭素原子および最大で20個までの炭素原子を含有する低級アルキニルであることが好ましい基について記載している。それらは、直鎖または分枝鎖であってよく、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ヘキシニルなどを包含する。
本明細書で使用されている、「6−アミノ」という用語は、モルフィナンのC−6に共役している一級および二級のアミン部分を包含する。
単独でまたは別の基の一部として本明細書で使用されているとき、「芳香族」という用語は、置換されていてもよいホモ環式またはヘテロ環式の共役した平面環または非局在化電子を含む環系を示す。これらの芳香族基は、環部分に5から14個までの原子を含有する単環式(例えば、フランまたはベンゼン)、二環式、または三環式の基であることが好ましい。「芳香族」という用語は、下で定義されている「アリール」基を包含する。
単独でまたは別の基の一部として本明細書で使用されているとき、「アリール」または「Ar」という用語は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、置換されたフェニル、置換されたビフェニル、または置換されたナフチルなどの、置換されていてもよいホモ環式芳香族基、好ましくは、環部分に6から10個までの炭素を含有する単環式または二環式の基を示す。
単独でまたは別の基の一部として本明細書で使用されているような「カルボシクロ」または「炭素環式」という用語は、置換されていてもよい、芳香族または非芳香族の、ホモ環式環あるいは各環に5または6個の炭素原子のあることが好ましい、環の原子のすべてが炭素である環系を示す。例示的置換基は、下記の基のうちの1つまたは複数を包含する:ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ(alkenoxy)、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、カルボシクロ、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシ、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロ、およびチオ。
単独でまたは別の基の一部として本明細書で使用されているとき、「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素を指す。
「ヘテロ原子」という用語は、炭素および水素以外の原子を指す。
単独でまたは別の基の一部として本明細書で使用されているとき、「ヘテロ芳香族」という用語は、少なくとも1つの環に少なくとも1個のヘテロ原子、および、好ましくは、各環に5または6個の原子を有する置換されていてもよい芳香族基を示す。ヘテロ芳香族基は、環に1または2個の酸素原子および/または1〜4個の窒素原子を有し、炭素を介して分子の残りに結合していることが好ましい。例示的な基は、フリル、ベンゾフリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル、カルバゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾピリジルなどを包含する。例示的置換基は、下記の基のうちの1つまたは複数を包含する:ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、カルボシクロ、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシ、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロ、およびチオ。
単独でまたは別の基の一部として本明細書で使用されている「ヘテロシクロ」または「ヘテロ環式」という用語は、少なくとも1つの環に少なくとも1個のヘテロ原子、および好ましくは、各環に5または6個の原子を有する、置換されていてもよい、完全飽和または不飽和の、単環式または二環式の、芳香族または非芳香族の基を示す。ヘテロシクロ基は、環に1または2個の酸素原子および/または1〜4個の窒素原子を有し、炭素もしくはヘテロ原子を通して分子の残りに結合していることが好ましい。例示的なヘテロシクロ基は、上に記載されているようなヘテロ芳香族を包含する。例示的置換基は、下記の基のうちの1つまたは複数を包含する。ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、カルボシクロ、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシ、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロ、およびチオ。
本明細書で使用されている「炭化水素」および「ヒドロカルビル」という用語は、排他的に元素炭素および水素からなる有機化合物またはラジカルについて記載している。これらの部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、およびアリール部分を包含する。これらの部分は、アルカリール、アルケンアリール(alkenaryl)およびアルキンアリール(alkynaryl)などの他の脂肪族または環式の炭化水素基で置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、およびアリール部分も包含する。他に指示がない限り、これらの部分は、1〜20個の炭素原子を含むことが好ましい。
本明細書で使用されている「保護基」という用語は、酸素原子を保護することができる(したがって、保護されたヒドロキシを形成する)基を示し、保護基は、分子の残りに支障を来すことなく、保護が用いられている反応の後で、除去することができる。例示的保護基は、エーテル(例えば、アリル、トリフェニルメチル(トリチルまたはTr)、p−メトキシベンジル(PMB)、p−メトキシフェニル(PMP)、アセタール(例えば、メトキシメチル(MOM)、β−メトキシエトキシメチル(MEM)、テトラヒドロピラニル(THP)、エトキシエチル(EE)、メチルチオメチル(MTM)、2−メトキシ−2−プロピル(MOP)、2−トリメチルシリルエトキシメチル(SEM))、エステル(例えば、安息香酸エステル(Bz)、アリルカーボネート、2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカーボネート)、シリルエーテル(例えば、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリフェニルシリル(TPS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)などを包含する。様々な保護基およびそれらの合成は、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wutsによる「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1999中に見いだすことができる。
本明細書に記載されている「置換されたヒドロカルビル」部分は、炭素鎖原子が、窒素、酸素、ケイ素、リン、ホウ素、またはハロゲン原子などのヘテロ原子で置換されている部分および炭素鎖が、追加の置換基を含む部分を包含する、炭素以外の少なくとも1つの原子で置換されているヒドロカルビル部分である。これらの置換基は、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、カルボシクロ、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシ、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロ、およびチオを包含する。
本発明の要素またはそれらの好ましい1つまたは複数の実施形態を導入する場合、「ある(a)」、「ある(an)」、「その(the)」および「前記(said)」という冠詞は、要素のうちの1つまたは複数が存在することを意味することが意図されている。「含む」、「包含する」および「有する」という用語は、包括的であることが意図されており、列挙された要素以外の追加要素が存在し得ることを意味する。
本発明について詳細に記載してきたが、添付の特許請求の範囲で定義されている本発明の範囲を逸脱することなく修正および変形が可能であることは明らかであろう。
下記の実施例は、本発明の好ましい実施形態を明らかにするために包含される。実施例に開示されている技法が、本発明の実施において十分に機能する発明者らにより発見された技法に相当することは、当業者により理解されるべきである。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、多くの変更が、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、開示されている具体的な実施形態において行うことができ、それでもなお同様または類似の結果を得ることができ、したがって、示されているすべての事柄が、例示であって限定する意味ではないと解釈されるべきであることを理解するべきである。
(実施例1)
(−)−オキシモルホンのベンジルアミンとの還元アミノ化
下記の反応スキームは、(−)−オキシモルホンの6−α−アミノ誘導体の調製を描いている。
Figure 2015057448
丸底フラスコ中に、オキシモルホン(1.22g、0.004モル)、トリエチルアミン(2.15g、0.021モル、2.96mL)、ベンジルアミン(0.91g、0.008モル、0.9mL)、およびアセトニトリル(6.0mL)を加えた。この溶液に、>96%ギ酸(2.44g、0.053モル、2.00mL)を滴下した。5分にわたって撹拌した後、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(Ru(II)ダイマー)(13mg)を加え、反応混合物を、48時間にわたって室温にて撹拌した。LCは、反応が、約75%完了していることを示した。反応混合物に、追加量のベンジルアミン(0.91g、0.008モル、0.9mL)およびRu(II)ダイマー(13mg)を加えた。反応物を、さらに3日にわたって撹拌した。LCは、反応が、完了していることを示した。減圧下で、反応混合物を蒸発させて濃厚な油とした。濃厚な油に、蒸留水(10mL)およびアセトニトリル(1mL)を加えた。29% NH/HOを、反応混合物のpHが9.3になるまで滴下した。沈殿が形成した。沈殿を、濾過により単離し、沈殿を、蒸留水(10mL)で洗浄した。24時間にわたって75℃にてオーブン中で乾燥した後、生成物(1.37g、86%収率)は、黄褐色の固体として単離された。
(実施例2)
(−)−ナルトレキソンのベンジルアミンとの還元アミノ化
ナルトレキソンの6−αアミノ誘導体を、下記の反応スキームに従って調製した。
Figure 2015057448
丸底フラスコ中に、ナルトレキソン(2.18g、0.006モル)、トリエチルアミン(3.23g、0.032モル、4.45mL)、ベンジルアミン(2.05g、0.019モル、2.01mL)、およびアセトニトリル(10.0mL)を加えた。この溶液に、>96%ギ酸(3.67g、0.08モル、3.00mL)を滴下した。10分にわたって撹拌した後、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(20mg)を加え、反応混合物を、72時間にわたって室温にて撹拌した。LCは、反応が、完了していることを示した。減圧下で、反応混合物を蒸発させて濃厚な油とした。濃厚な油に、蒸留水(10mL)およびアセトニトリル(1mL)を加えた。29% NH/HOを、反応混合物のpHが9.3になるまで滴下した。沈殿が形成し、混合物を、18時間にわたって室温にて撹拌した。次いで、沈殿を、濾過により単離し、沈殿を、蒸留水(10mL)で洗浄した。24時間にわたって75℃にてオーブン中で乾燥した後、生成物(2.59g、93%収率)は、黄褐色の固体として単離された。
(実施例3)
(−)−ナルトレキソンの酢酸アンモニウムとの還元アミノ化
下記の反応スキームは、6−α−ナルトレキサミンの調製を描いている。
Figure 2015057448
還流冷却器を備えた丸底フラスコ中に、ナルトレキソン(2.95g、0.009モル)、酢酸アンモニウム(7.99g、0.104モル)、および無水エタノール(30mL)を加えた。この混合物を、2時間にわたって還流した。還流冷却器を短経路蒸留装備と交換した後、反応溶媒約10mLを除去した。混合物を、室温まで冷却し、次いで、トリエチルアミン(4.37g、0.043モル、6.02mL)を加え、>96%ギ酸(4.97g、0.108モル、4.08mL)を滴下した。10分の撹拌後、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(26mg)を加えた。反応物を、60℃にて18時間にわたって撹拌した。LCは、2つの生成物、6−α−ナルトレキサミンおよびN−ホルミル−6α−ナルトレキサミンが存在していることを示した。この反応混合物を、60℃にてさらに24時間にわたって撹拌した。LCは、6−α−ナルトレキサミンが残っていないことを示した。混合物を、減圧下で蒸発させて濃厚な油とした。この油に、蒸留水(10mL)およびアセトニトリル(1mL)を加えた。29% NH/HOを、混合物のpHが9.3になるまで滴下した。沈殿が形成し、濾過により単離した。沈殿を、蒸留水(5mL)で洗浄し、次いで、24時間にわたって75℃にて乾燥すると、N−ホルミル−6−α−ナルトレキサミン(2.87g、89%収率)が得られた。
(実施例4)
(−)−ナルトレキソンのアラニン−メチルエステルとの還元アミノ化−反応I
ナルトレキソンの6−αアミノ誘導体を、下記の反応スキームに従って調製した。
Figure 2015057448
丸底フラスコ中に、ナルトレキソン(3.05g、0.009モル)、アラニンのメチルエステル塩酸塩(2.49g、0.018モル)、トリエチルアミン(4.52g、0.045モル、6.23mL)、およびジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(27mg)を加えた。>96%ギ酸(5.14g、0.112モル、4.21mL)を滴下した。混合物を、24時間にわたって40℃まで加熱した。LCは、反応が完了していることを示した。減圧下で、溶媒を蒸発させて濃厚な油とした。残渣を、クロロホルム(50mL)に溶かし、蒸留水(2×10mL)で洗浄した。無水MgSOで乾燥した後、濾過し、蒸発させて油とし、生成物を、100%酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィー(Silica Gel G60、20g)により単離した。所望の画分を蒸発させて固体(2.52g、66%収率)とし、次いで、室温にて真空下で一夜にわたって乾燥した。
(実施例5)
(−)−ナルトレキソンのエタノールアミンとの還元アミノ化
下記の反応スキームは、ナルトレキソンの6−α−アミノ誘導体の調製を描いている。
Figure 2015057448
丸底フラスコ中に、ナルトレキソン(1.70g、0.005モル)、エタノールアミン(0.61g、0.01モル、0.59mL)、トリエチルアミン(3.02g、0.030モル、4.16mL)、およびジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(15mg)を加えた。>96%ギ酸(2.87g、0.062モル、2.35mL)を滴下した。混合物を、72時間にわたって25℃にて撹拌した。LCは、反応が完了していることを示した。減圧下で、溶媒を蒸発させて濃厚な油とした。残渣を、蒸留水(10mL)に溶かし、pHを、29% NH/HOを使用して9.6に調整した。ゴム状の半固体が得られた。全水溶液を、クロロホルム(3×50mL)で抽出した。抽出液を合わせ、無水MgSO(2g)で乾燥し、濾過し、濾液を蒸発させて濃厚な油とした。生成物(1.56g、81%収率)を、100%酢酸エチルで溶出する重力カラムクロマトグラフィーにより単離した。所望の画分を蒸発させ、残渣を、室温にて24時間にわたって真空下で乾燥した。
(実施例6)
(−)−ナルトレキソンのアニリンとの還元アミノ化
ナルトレキソンの6−α−アミノ誘導体を、下記の反応スキームに従って調製した。
Figure 2015057448
丸底フラスコ中に、ナルトレキソン(2.51g、0.007モル)、アニリン(1.37g、0.015モル、1.34mL)、トリエチルアミン(4.46g、0.044モル、6.15mL)、およびジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(23mg)を加えた。>96%ギ酸(4.23g、0.092モル、3.8mL)を滴下した。混合物を、72時間にわたって25℃にて撹拌した。LCは、反応が完了していることを示した。減圧下で、溶媒を蒸発させて濃厚な油とした。残渣を、蒸留水(10mL)に溶かし、pHを、29% NH/HOを使用して9.6に調整した。ゴム状の半固体が得られた。この混合物を、室温にて16時間にわたって撹拌した。続いて、固体は再び溶けた。有機構成成分を、クロロホルム(3×25mL)で抽出した。抽出液を合わせ、無水MgSO(2g)で乾燥し、濾過し、濾液を蒸発させて濃厚な油とした。生成物(2.40g、78%収率)を、2.5% MeOH/CHClで溶出する重力カラムクロマトグラフィーSilica Gel G60、15g)により単離した。所望の画分を合わせ、減圧下で蒸発させ、残渣を、室温にて一夜にわたって真空下で乾燥した。
(実施例7)
(−)−ナルトレキソンのアラニン−メチルエステルとの還元アミノ化−反応II
下記の反応スキームは、ナルトレキソンの6−α−アミノ誘導体の調製を描いている。
Figure 2015057448
丸底フラスコ中に、ナルトレキソン(2.80g、0.008モル)、β−アラニンメチルエステル塩酸塩(2.23g、0.016モル)、およびアセトニトリル(20mL)を加えた。この混合物を、3時間にわたって25℃にて撹拌した。次いで、トリエチルアミン(4.98g、0.049モル、6.86mL)を加え、続いて、>96%ギ酸(4.72g、0.103モル、3.87mL)を滴下した。ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(25mg)と、続いて、触媒が反応物中に導入されたことを確かにするためのアセトニトリル(2mL)を加えた。反応物を、36時間にわたって室温(23℃〜25℃)にて撹拌した。細かい沈殿が、フラスコ内に存在した。LC/MSは、生成物(MH:429g/モル)および一部のナルトレキソール(MH:344g/モル)の存在を示した。減圧下で、混合物を蒸発させて濃厚な油/半固体とした。残渣を、蒸留水(20mL)に溶かし、pHを、29% NH/HO(約1.5mL)を使用して9.4に調整した。混合物を、72時間にわたって25℃にて撹拌した。初めに、固体が、アンモニアの添加後に形成したが、続いて、固体を再び溶かした。有機構成成分を、クロロホルム(3×25mL)で抽出し、捨てた。水層を、減圧下で蒸発させて半固体とした。LC/MSは、主生成物が、遊離のカルボン酸(MH:415g/モル)であることを示した。残渣を、イソプロパノール(20mL)に溶かし、還流状態まで加熱し、次いで、濾過した。放置するとすぐ、生成物が、濾液から結晶化した。結晶の追加クロップが得られ、遊離の酸(2.45g、72%収率)が得られた。
(実施例8)
(−)−ナルトレキソンのアラニン−メチルエステルとの還元アミノ化−反応III
ナルトレキソンの6−α−アミノ誘導体を、下記の反応スキームに従って調製した。
Figure 2015057448
丸底フラスコ中に、ナルトレキソン(2.44g、0.007モル)、β−アラニンメチルエステル塩酸塩(2.00g、0.014モル)、およびアセトニトリル(15mL)を加えた。この混合物を、2時間にわたって25℃にて撹拌した。次いで、トリエチルアミン(4.98g、0.049モル、6.86mL)を加え、続いて、>96%ギ酸(4.72g、0.103モル、3.87mL)を滴下した。ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(22mg)と、続いて、触媒が反応物中に導入されたことを確かにするためのアセトニトリル(5mL)を加えた。反応物を、24時間にわたって室温(23℃〜25℃)にて撹拌した。LC/MSは、生成物(MH:429g/モル)および一部のナルトレキソール(MH:344g/モル)の存在を示した。細かい沈殿が、反応フラスコ内に存在した。沈殿を、濾過により取り出し、アセトニトリル(10mL)で洗浄し、真空下で乾燥した(24時間、23℃)。(Wt:=1.52g)濾液を減圧下で蒸発させて濃厚な油とした。アセトニトリル(20mL)を加え、溶液を、48時間にわたって室温にて撹拌した。沈殿が形成した。沈殿を、濾過により取り出し、アセトニトリル(5mL)で洗浄し、次いで、真空下で乾燥した。(Wt1.28g、合計:2.80g、75%収率。)
(実施例9)
(−)−ナルトレキソンのメチルアミンとの還元アミノ化
下記の反応スキームは、ナルトレキソンの6−α−アミノ誘導体の調製を描いている。
Figure 2015057448
丸底フラスコ中に、ナルトレキソン(1.55g、0.005モル)、メチルアミン塩酸塩(0.61g、0.009モル)、およびアセトニトリル(5mL)を加えた。この混合物を、5分にわたって25℃にて撹拌した。次いで、トリエチルアミン(2.75g、0.027モル、3.80mL)を加え、続いて、>96%ギ酸(2.61g、0.057モル、2.14mL)を滴下した。ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(14mg)と、続いて、触媒が反応物中に導入されたことを確かにするためのアセトニトリル(5mL)を加えた。反応物を、24時間にわたって室温(23℃〜25℃)にて撹拌した。LC/MSは、反応が完了していることを示した。細かい沈殿が、反応フラスコ内に存在した。沈殿(ギ酸塩として同定された)を、濾過により取り出し、アセトニトリル(10mL)で洗浄し、真空下で乾燥した(24時間、23℃)。(Wt:1.20g)濾液を減圧下で蒸発させて濃厚な油とした。蒸留水(10mL)を加え、続いて、混合物のpHが9.4になるまで29% NH/HOを滴下した。この溶液を、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。抽出液を合わせ、無水MgSO(2.5g)で乾燥し、濾過し、蒸発させてペースト状の固体とし、生成物(0.51g)を形成させた。初めに得られたギ酸塩を、蒸留水(5mL)に溶かした。29% NH/HOを、pHが9.4になるまで加えた。この溶液を、0℃まで冷却し、次いで、1時間にわたって撹拌すると、沈殿が形成した。沈殿を、濾過により取り出し、固体を、蒸留水(5mL)で洗浄し、48時間にわたって25℃にて真空下で乾燥した。固体重量:0.97g。生成物の合わせた重量(1.48g、92%収率)。
(実施例10)
(+)−ナルトレキソンのメチルアミンとの還元アミノ化
(+)−ナルトレキソンの6−α−アミノ誘導体を、下記の反応スキームに従って調製した。
Figure 2015057448
丸底フラスコ中に、(+)−ナルトレキソン(0.60g、0.002モル)、アセトニトリル(4.0mL)、次いで、メチルアミン塩酸塩(0.24g、0.004モル)を充填した。この混合物を、5分にわたって室温にて撹拌し、次いで、トリエチルアミン(0.89g、0.009モル、1.22mL)を加えた。この混合物を、5℃まで冷却した(氷/水浴)。>96%ギ酸(1.01g、0.022モル、0.83mL)を滴下した。ギ酸の添加が完了した後、ジクロロ(p−シメン)Ru(II)ダイマー(5mg、0.008ミリモル)を加えた。反応フラスコの側面を、アセトニトリル(1.0mL)ですすいだ。反応混合物を、24時間にわたって室温にて撹拌すると、HPLCによる分析は、反応が完了していることを示した。混合物を、減圧下で蒸発させて濃厚な油とした。この油に、蒸留水(10mL)を加え、次いで、この溶液のpHを、29% NH/HOを使用して9.5に調整した。撹拌した後、沈殿が形成した。生成物(540mg、0.0015モル、86%収率)を、濾過により単離した。固体を、蒸留水(5.0mL)で洗浄し、24時間にわたって真空下で乾燥すると、灰色がかった白色の生成物が得られた。

Claims (1)

  1. 明細書に記載された発明。
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