定義
本明細書では、「対象」とは、ヒト、イヌ、ウマ、ネコ、ヒツジ、ブタ、ウシなどの家畜動物および農場動物、および動物園動物、競技動物、またはペット動物を含めた任意の哺乳動物を指す。本発明において好ましい哺乳動物は、成人、小児、および高齢者を含めたヒトである。
本明細書では、「予防する」とは、全体的にまたは部分的に予防すること、改善することまたは制御すること、または緩和すること、小さくすること、軽減すること、または遅延させることを意味する。
本発明の化合物または組成物に関して本明細書で用いられる「治療有効量」または「有効量」とは、所望の生物学的結果、薬学的結果、または治療結果を誘導するのに十分な量を指す。その結果は、疾患もしくは障害もしくは状態の徴候、症状、もしくは原因の緩和、または生物学的系の他の任意の望ましい変化でありうる。本発明において、結果には、ケロイド瘢痕、肥厚性瘢痕、広汎性瘢痕、および萎縮性瘢痕を含めた、異常瘢痕化または過剰瘢痕化の予防および/または軽減、ならびに過剰瘢痕形成および他の型の異常または過剰な組織増殖の予防および/または軽減が伴う。
本明細書で使用する用語「治療する」は、治療処置および予防措置または防止措置の両方を指す。治療を必要とする人は、既に障害を有する人、および障害を有する傾向がある人、または障害を有すると診断された人、または障害を予防すべき人を含む。
本明細書で使用する「同時に」は、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドを、単独または1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤および/またはタンパク質合成阻害剤と組み合わせて同時に投与することを意味するために使用し、一方で用語「と組み合わせて」を使用して、同時または物質の組合せでない、したがってそれらがいずれも治療上働くことができる時間枠内で「逐次的」である場合に、ポリヌクレオチドおよび/または薬剤を投与することを意味する。したがって、「逐次的」投与は、両方が治療有効量で同時に存在するという条件で、他のポリヌクレオチドまたは薬剤の後に、数分(例えば、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30分)、または数時間、数日間、数週間または数カ月の単位内に1つのポリヌクレオチドまたは薬剤の投与を可能にすることができる。複数の成分の投与間の時間遅延は、成分の正確な性質、その間の相互作用、およびそのそれぞれの半減期に応じて変わる。
本明細書で使用する「抗コネキシンポリヌクレオチド」または「抗コネキシン薬剤」は、コネキシンmRNAおよび/またはタンパク質の発現を低減または阻害する。抗コネキシンポリヌクレオチドは、アンチセンスポリヌクレオチドなどのアンチセンス化合物、他のポリヌクレオチド(siRNAまたはリボザイム機能を有するポリヌクレオチドなど)を非制限的に含む。抗コネキシンポリヌクレオチドの適切な例は、コネキシンに対するアンチセンスポリヌクレオチドを含む。したがって、適切な抗コネキシンポリヌクレオチドは、例えば、コネキシンの発現または活性および選択した組織、細胞、および対象中のギャップジャンクションを調節するアンチセンスポリヌクレオチド(例えば、コネキシン43アンチセンスポリヌクレオチド)を含む。例示的な抗コネキシンポリヌクレオチドは本明細書でさらに記載する。
抗コネキシンポリヌクレオチド
抗コネキシンポリヌクレオチドは、コネキシンアンチセンスポリヌクレオチド、および(例えば、mRNA転写または翻訳の下方制御または阻害によって)それらがコネキシンの発現を下方制御または阻害するのを可能にする機能性を有するポリヌクレオチドを含む。下方制御の場合、これはコネキシンの発現が下方制御される部位でのギャップジャンクションによる直接的な細胞間連絡を低減する影響を有し得る。
適切な抗コネキシンポリヌクレオチドは、RNAiポリヌクレオチドおよびsiRNAポリヌクレオチドを含む。
RNAi、siRNA、およびリボザイムポリヌクレオチドのほか、骨格が改変および混合されたポリヌクレオチドなどの、アンチセンスポリヌクレオチドおよび他の抗コネキシンポリヌクレオチドの合成は、当業者に公知である。例えば、Stein C.A.およびKrieg A.M.(編)、「Applied Antisense Oligonucleotide Technology」、1998年、(Wiley−Liss)を参照されたい。
一態様によれば、コネキシン発現の下方調節または阻害は一般に、アンチセンスポリヌクレオチド(DNAポリヌクレオチドまたはRNAポリヌクレオチドなど)を用いるアンチセンス法に基づき、またより具体的に、アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)の使用に基づきうる。これらのポリヌクレオチド(例えば、ODN)は、(1または複数の)コネキシンタンパク質を標的としてこれらを下方調節する。ポリヌクレオチドは、一本鎖であることが典型的であるが、二本鎖の場合もある。
アンチセンスポリヌクレオチドは、コネキシンの転写および/または翻訳を阻害しうる。ポリヌクレオチドは、コネキシン遺伝子またはコネキシンmRNAからの転写および/または翻訳の特異的な阻害剤であり、他の遺伝子またはmRNAからの転写および/または翻訳を阻害しないことが好ましい。生成物は、(i)コード配列に対する5’側、および/または(ii)コード配列に対する、および/または(iii)コード配列に対する3’側にあるコネキシン遺伝子またはコネキシンmRNAに結合しうる。
アンチセンスポリヌクレオチドは一般に、コネキシンmRNAに対してアンチセンスである。このようなポリヌクレオチドはコネキシンmRNAにハイブリダイズすることが可能であり、したがって、転写、mRNAのプロセッシング、核からのmRNAの輸送、翻訳、またはmRNAの分解を含む、コネキシンmRNA代謝の1つまたは複数の側面に干渉することにより、コネキシン発現を阻害しうる。アンチセンスポリヌクレオチドは、コネキシンmRNAにハイブリダイズして、mRNA翻訳の直接的な阻害および/またはmRNAの不安定化を引き起こしうる二重鎖を形成することが典型的である。このような二重鎖は、ヌクレアーゼによる分解に対して感受性でありうる。
アンチセンスポリヌクレオチドは、コネキシンmRNAの全部または一部にハイブリダイズしうる。アンチセンスポリヌクレオチドは、コネキシンmRNAのリボソーム結合領域またはコード領域にハイブリダイズすることが典型的である。ポリヌクレオチドは、コネキシンmRNAの全部または一部の領域に対して相補的でありうる。例えば、ポリヌクレオチドは、コネキシンmRNAの全部または一部の完全な相補体でありうる。しかし、絶対的な相補性は必要とされず、生理学的条件下において約20℃、30℃、または40℃を超える融解温度を有する二重鎖を形成するのに十分な相補性を有するポリヌクレオチドが、本発明における使用に特に適する。
したがって、ポリヌクレオチドは、mRNAに対して相補的な配列の相同体であることが典型的である。ポリヌクレオチドは、約50℃〜約60℃における0.03M塩化ナトリウムおよび0.03Mクエン酸ナトリウムなどの中程度〜高度に厳密な条件下においてコネキシンmRNAにハイブリダイズするポリヌクレオチドでありうる。
一部の態様について述べると、適切なポリヌクレオチドは、約6〜40ヌクレオチドの長さであることが典型的である。ヌクレオチドは、好ましくは約12〜約35ヌクレオチドの長さでもあり、代替的には、約12〜約20ヌクレオチドの長さでもあり、より好ましくは、約18〜約32ヌクレオチドの長さでもありうる。代替的な態様によれば、ポリヌクレオチドは、少なくとも約40ヌクレオチド、例えば、少なくとも約60ヌクレオチドまたは少なくとも約80ヌクレオチドの長さでありえ、最長約100、約200、約300、約400、約500、約1000、約2000、または約3000ヌクレオチド以上の長さでありうる。
ポリヌクレオチドにより標的とされる1または複数のコネキシンタンパク質は、下方調節が行われる部位に依存する。これは、コネキシンサブユニットの組成に関して、全身の異なる部位において(1または複数の)ギャップジャンクションの構成が一様でないことを反映する。コネキシンは、一態様における、ヒトもしくは動物の天然に存在するコネキシンであるか、またはコネキシンの発現または活性を低下させる予定の組織内の天然に存在するコネキシンである。コネキシン遺伝子(コード配列を含む)は一般に、表2に示すコネキシン43コード配列との相同性など、本明細書で言及される1または複数の特異的なコネキシンのコード配列との相同性を有する。コネキシンは、αコネキシンまたはβコネキシンであることが典型的である。コネキシンはαコネキシンであり、治療される組織において発現することが好ましい。
しかし、組織内における分布に関して、一部のコネキシンタンパク質は、他のコネキシンタンパク質よりも遍在性である。最も広範に存在するコネキシンタンパク質の1つが、コネキシン43である。コネキシン43を標的とするポリヌクレオチドが、本発明における使用に特に適する。他の態様では、他のコネキシンが標的とされる。
抗コネキシンポリヌクレオチドは、コネキシンアンチセンスポリヌクレオチド、およびそれらがコネキシンの発現を下方制御するのを可能にする機能性を有するポリヌクレオチドを含む。他の適切な抗コネキシンポリヌクレオチドは、RNAiポリヌクレオチドおよびsiRNAポリヌクレオチドを含む。
好ましい一態様において、アンチセンスポリヌクレオチドは、1種のコネキシンタンパク質のmRNAだけを標的とする。このコネキシンタンパク質は、コネキシン43であることが最も好ましい。別の態様において、コネキシンタンパク質は、コネキシン26、30、31.1、32、36、37、40、または45である。他の態様において、コネキシンタンパク質は、コネキシン30.3、31、40.1、または46.6である。
別個のコネキシンタンパク質を標的とするポリヌクレオチドを組み合わせて用いることもまた意図される(例えば、1種、2種、3種、4種以上の異なるコネキシンを標的とすることができる)。例えば、コネキシン43を標的とするポリヌクレオチドと、コネキシンファミリーの1つまたは複数の他のメンバー(コネキシン26、30、30.3、31.1、32、36、37、40、40.1、45、および46.6など)とを標的とするポリヌクレオチドを、組み合わせて用いることができる。
代替的に、アンチセンスポリヌクレオチドは、複数種のコネキシンタンパク質に対するポリヌクレオチドを含みうる組成物の一部でもありうる。ポリヌクレオチドが対象とするコネキシンタンパク質の1つは、コネキシン43であることが好ましい。オリゴデオキシヌクレオチドが対象とする他のコネキシンタンパク質は、例えば、コネキシン26、30、30.3、31.1、32、36、37、40、40.1、45、および46.6を含みうる。各種のコネキシンを対象とするのに適する例示的なポリヌクレオチド(およびODN)を、表1に示す。
個々のアンチセンスポリヌクレオチドは、特定のコネキシンに特異的な場合もあり、1種、2種、3種以上の異なるコネキシンを標的とする場合もある。特異的なポリヌクレオチドが一般に、コネキシン間において保存されないコネキシン遺伝子またはコネキシンmRNA内の配列を標的とする一方、非特異的なポリヌクレオチドは、各種コネキシンの保存的配列を標的とする。
本発明で用いられるポリヌクレオチドは、非改変のホスホジエステルオリゴマーでありうるのが好都合である。このようなオリゴデオキシヌクレオチドは、長さが変わりうる。30マーのポリヌクレオチドが特に適することが分かっている。
本発明の多くの態様は、オリゴデオキシヌクレオチドに関して説明される。しかし、これらの態様では、他の適切なポリヌクレオチド(RNAポリヌクレオチドなど)も用いうることが理解される。
アンチセンスポリヌクレオチドは、化学修飾することができる。これにより、ヌクレアーゼに対するこれらの耐性を増強することができ、これらが細胞内に入る能力を増強することができる。例えば、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを用いることができる。他のデオキシヌクレオチド類似体は、メチルホスホネート、ホスホラミデート、ホスホロジチオエート、N3’P5’−ホスホラミデート、ならびにオリゴリボヌクレオチドホスホロチオエートおよびそれらの2’−O−アルキル類似体、ならびに2’−O−メチルリボヌクレオチドメチルホスホネートを含む。代替的に、混合骨格オリゴヌクレオチド(「MBO」)も用いることができる。MBOは、ホスホチオエートオリゴデオキシヌクレオチドのセグメントと、改変されたオリゴデオキシヌクレオチドまたはオリゴリボヌクレオチドの適切に配置されたセグメントとを含有する。MBOは、ホスホロチオエート結合のセグメントと、非イオン性で、ヌクレアーゼまたは2’−O−アルキルオリゴリボヌクレオチドに対して極めて耐性なメチルホスホネートなどの、他の改変オリゴヌクレオチドの他のセグメントとを有する。改変骨格オリゴヌクレオチドおよび混合骨格オリゴヌクレオチドを調製する方法は、当技術分野において公知である。
本発明で用いられるアンチセンスポリヌクレオチドの正確な配列は、標的のコネキシンタンパク質に依存する。一実施形態において、適切なコネキシンアンチセンスポリヌクレオチドは、表1に記載される以下の配列から選択されるオリゴデオキシヌクレオチドなどのポリヌクレオチドを含みうる。
本明細書に記載の、ポリヌクレオチドの組合せ組成物の調製に適するポリヌクレオチドは、例えば、上記の表1に記載したコネキシン43に対するポリヌクレオチドと、コネキシン26、30、31.1、32、および37に対するポリヌクレオチドとを含む。
本発明において用いられるアンチセンスポリヌクレオチドの正確な配列は、標的のコネキシンタンパク質に依存するが、コネキシン43の場合、以下の配列:
GTA ATT GCG GCA AGA AGA ATT GTT TCT GTC(配列番号1);
GTA ATT GCG GCA GGA GGA ATT GTT TCT GTC(配列番号2);および
GGC AAG AGA CAC CAA AGA CAC TAC CAG CAT(配列番号3)
を有するアンチセンスポリヌクレオチドが特に適することが分かっている。
例えば、コネキシン26、31.1、および32に適するアンチセンスポリヌクレオチドは、以下の配列:
5’ TCC TGA GCA ATA CCT AAC GAA CAA ATA(コネキシン26)(配列番号4);
5’ CGT CCG AGC CCA GAA AGA TGA GGT C(コネキシン31.1)(配列番号9);および
5’ TTT CTT TTC TAT GTG CTG TTG GTG A(コネキシン32)(配列番号12)
を有する。
本発明の方法により有用な他のコネキシンアンチセンスポリヌクレオチド配列は、
5’ CAT CTC CTT GGT GCT CAA CC 3’(コネキシン37)(配列番号5);
5’ CTG AAG TCG ACT TGG CTT GG 3’(コネキシン37)(配列番号6);
5’ CTC AGA TAG TGG CCA GAA TGC 3’(コネキシン30)(配列番号7);
5’ TTG TCC AGG TGA CTC CAA GG 3’(コネキシン30)(配列番号8);
5’ AGA GGC GCA CGT GAG ACA C 3’(コネキシン31.1)(配列番号10);および
5’ TGA AGA CAA TGA AGA TGT T 3’(コネキシン31.1)(配列番号11)
を含む。
コネキシンタンパク質を対象とする、ODNを含むポリヌクレオチドは、任意の簡便な従来の手法により、それらのヌクレオチド配列に関して選択することができる。例えば、コンピュータプログラムであるMacVectorおよびOligoTech(Oligosなど、Eugene、Oregon、USA製)を用いることができる。選択されると、DNA合成器を用いてODNを合成することができる。
ポリヌクレオチドの相同体
抗コネキシンポリヌクレオチドはまた、ポリヌクレオチド相同体を含む。
本明細書では、相同性および相同体(例えば、ポリヌクレオチドは、コネキシンmRNA中の配列に対する相補体の相同体でありうる)について論じる。このようなポリヌクレオチドは、例えば、(相同配列の)少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約40、少なくとも約100以上の連続ヌクレオチドの領域にわたって、対象の配列と少なくとも約70%の相同性、好ましくは少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%の相同性を有することが典型的である。
相同性は、当技術分野における任意の方法に基づいて計算することができる。例えば、UWGCGパッケージでは、相同性を計算するのに用いうるBESTFITプログラム(例えば、そのデフォルト設定で用いられる)が提供される(Devereuxら(1984年)、Nucleic Acids Research、第12巻、387〜395頁)。PILEUPアルゴリズムおよびBLASTアルゴリズムは、例えば、Altschul S. F.(1993年)、J Mol Evol、第36巻、290〜300頁; Altschul, S, Fら(1990年)、J Mol Biol、第215巻、403〜10頁において説明される通り、相同性を計算するか、または配列を整列するのに用いることができる(それらのデフォルト設定における場合が典型的である)。
BLAST解析を実施するためのソフトウェアは、米国国立バイオテクノロジー情報センター(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)により公に入手可能である。このアルゴリズムは、まず、データベース配列中における同じ長さのワードにより整列する場合、ある正の値の閾値スコアTにマッチするかまたはこれを満たすクエリー配列中における長さWの短いワードを同定することによる、高スコアリング配列対(HSP)の同定を伴う。Tを、近傍ワードスコア閾値(Altschulら、前出)と称する。これらの初期近傍ワードヒットは、それらを含有するHSPを見出す検索を開始するためのシード(seed)として作用する。ワードヒットは、累積のアライメントスコアが増大しうる限りにおいて、各配列に沿って両方向に延長される。各方向におけるワードヒットの延長は、累積アライメントスコアが、達成されたその最大値から量Xだけ低下する場合;累積スコアが、1つまたは複数の負のスコアの残基アライメントの累積により、ゼロ以下に低下する場合;またはいずれかの配列の端部に到達する場合に停止される。
BLASTアルゴリズムのパラメータW、T、およびXにより、アラインメントの感度および速度が決定される。BLASTプログラムでは、ワード長(W)、BLOSUM62スコアリングマトリックス(HenikoffおよびHenikoff(1992年)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第89巻、10915〜10919頁を参照されたい)によるアライメント(B=50)、期待値(E=10)、M=5、N=4、および両方の鎖の比較が、デフォルトとして用いられる。
BLASTアルゴリズムでは、2つの配列間における類似性に対する統計学的解析が実施される。例えば、KarlinおよびAltschul(1993年)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第90巻、5873〜5787頁を参照されたい。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の1つの尺度は、2つのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の間におけるマッチが偶然に生じる確率を示す、最小合計確率(P(N))である。例えば、第2の配列に対して第1の配列を比較した場合の最小合計確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、また最も好ましくは約0.001未満である場合、ある配列は別の配列に対して類似すると考えられる。
相同配列は、少なくとも約2、5、10、15、20以上(または約2、5、10、15、20以下)の変異(置換、欠失、または挿入でありうる)により対象配列と異なることが典型的である。これらの変異は、相同性の計算との関連で、上述の領域のいずれかにわたって測定することができる。
相同配列は、バックグラウンドを有意に上回るレベルで、元の配列に選択的にハイブリダイズすることが典型的である。選択的なハイブリダイゼーションは、中程度〜高度に厳密な条件(例えば、約50℃〜約60℃における0.03M塩化ナトリウムおよび0.03Mクエン酸ナトリウム)を用いて達成することが典型的である。しかし、このようなハイブリダイゼーションは、当技術分野において公知の任意の適切な条件下で実施することができる(Sambrookら(1989年)、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」を参照されたい)。例えば、高い厳密性が必要とされる場合、適切な条件は60℃における0.2×SSCを含む。より低い厳密性が必要とされる場合、適切な条件は60℃における2×SSCを含む。
治療剤
治療剤は、現在存在し、公知のものであれ、後に開発されるものであれ、創傷の治療または創傷治癒の促進において有用な薬学的に許容される薬剤を含む。治療剤は、例えば、抗感染薬、麻酔薬、鎮痛薬、抗生物質、睡眠薬、ならびにステロイドおよび非ステロイド系抗炎症剤を含む。好ましい治療剤は、局所ステロイド系抗炎症剤、抗菌剤、局部および局所麻酔薬、および局所オピオイドを含む。特定の実施形態では、1、2、3、4、5または6つの治療剤を組み合わせて使用することができる。治療剤は、抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、ギャップジャンクションまたはヘミチャンネルリン酸化化合物(例えば、ギャップジャンクションまたはヘミチャンネルを閉鎖するギャップジャンクションまたはヘミチャンネルリン酸化化合物)、またはコネキシンカルボキシ末端ペプチド(例えば、ZO−1タンパク質との相互作用を遮断または他の場合は阻害するコネキシンカルボキシ末端ペプチド)ではない。
タンパク質合成阻害剤
タンパク質合成阻害剤は、瘢痕形成を予防または治療するのに有用な薬学的に許容される薬剤を含む。タンパク質合成阻害剤は、トリアムシノロンアセトニド(KENALOG(商標)としても公知である)などのコルチコステロイドおよび糖質コルチコステロイドだけには限られないがこれらを含めたステロイド、およびビタミンE(α−トコフェロール)(Ehrlichら、1972年、Ann.Surg.75:235巻)を含む。
創傷治癒に有用な薬剤
本明細書で使用する、創傷治癒に有用な薬剤は、1)自然な創傷治癒過程を促進または加速する、または2)例えば有害な炎症、上皮化、血管新生およびマトリクス沈着、および過剰瘢痕を含めた、不適切な創傷治癒と関係がある影響を低減する、創傷治癒カスケードの刺激剤、エンハンサーまたは陽性メディエーターを含む。
創傷治癒に有用な薬剤は、抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、ギャップジャンクションまたはヘミチャンネルリン酸化化合物(例えば、ギャップジャンクションまたはヘミチャンネルを閉鎖するギャップジャンクションまたはヘミチャンネルリン酸化化合物)、またはコネキシンカルボキシ末端ペプチド(例えば、ZO−1タンパク質との相互作用を遮断または他の場合は阻害するコネキシンカルボキシ末端ペプチド)ではない。
陽性メディエーター、エンハンサーおよび刺激剤は、例えば、創傷治癒の量、質または有効性を刺激、増大、容易化、または促進する(すなわちアゴナイズする)、創傷部位における創傷治癒過程、または創傷治癒関連増殖因子またはサイトカインを活性化する、または創傷治癒関連増殖因子またはサイトカイン受容体を活性化することができる薬剤を含む。このような薬剤は、例えば、創傷治癒関連増殖因子またはサイトカイン、または部分改変された形態の創傷治癒関連増殖因子またはサイトカインを含むことができる。部分改変された形態の創傷治癒関連増殖因子またはサイトカインは、例えば、自然創傷治癒関連増殖因子またはサイトカインより長い半減期を有する可能性がある。あるいは、それは創傷治癒関連増殖因子またはサイトカイン代謝の阻害剤である可能性がある。
このような薬剤の部分改変は、アミノ酸残基の付加、欠失または置換による改変であり得る。置換は例えば保存的置換であってよい。したがって部分改変された分子は、それが由来した分子のホモログであってよい。それはそれが由来する分子と少なくとも約40%、例えば約50、60、70、80、90または95%の相同性を有し得る。
本明細書で使用するように、創傷治癒に有用な薬剤は、例えば当技術分野で現在公知であるかまたは後に開発された、創傷治療モダリティ用の創傷治癒促進または瘢痕低減剤、天然または合成増殖因子、サイトカイン、または創傷治癒を促進するためのそのモジュレーター、創傷治癒促進生体工学マトリクス、包帯材などを含めた、例示的な因子、薬剤またはモダリティを含むことができる。適切な例は、1)局所または包帯および関連療法剤および創傷清拭剤(例えば、Santyl(登録商標)コラゲナーゼなど)およびIodosorb(登録商標)(カデキソマーヨウ素)、2)例えば、SAG(銀抗菌ゲル)、(CollaGUARD(商標)、Innocoll、Inc)(精製I型コラーゲンタンパク質ベースの包帯材)、CollaGUARD Ag(感染創傷または感染の危険性がある創傷用の銀を含浸させたコラーゲンベースの生物活性包帯材)、DermaSIL(商標)(深い創傷および重度に滲出した創傷用のコラーゲン合成フォーム複合包帯材)などの銀含有薬剤を含めた、全身または局所用クリームまたはゲルを含む抗菌剤、3)例えば、Dermograft(サイトカインおよび増殖因子を分泌するヒト線維芽細胞の3次元マトリクス培養物)、Apligraf(登録商標)(ヒトケラチン生成細胞および線維芽細胞)、Graftskin(登録商標)(正常な皮膚と組織学的に類似しており正常な皮膚により生成される増殖因子と類似した増殖因子を生成する、表皮細胞と線維芽細胞の二重層)、TransCyte(ヒト線維芽細胞由来の一時的な代用皮膚)およびOasis(登録商標)(増殖因子とコラーゲン、プロテオグリカン、およびグリコサミノグリカンなどの細胞外マトリクス成分の両方を含む活性生体材料を含めた、細胞療法剤または生体工学処理した皮膚、代用皮膚、および皮膚同等物、4)例えば、NGF、NT3、BDGF、インテグリン、プラスミン、セマフォリン、血液由来増殖因子、ケラチン生成細胞増殖因子、組織増殖因子、TGF−α、TGF−β、PDGF(3つの亜型:AA、AB、およびBの1または複数を使用することができる)、PDGF−BB、TGF−β3、TGFβ3、TGFβ1、およびTGFβ2の相対レベルを調節する因子(例えば、マンノース−6−リン酸)、例えばエストロゲン、エストラジオール、またはエチニルエストラジオール、ジエノエストロール、メストラノール、エストラジオール、エストリオール、複合エストロゲン、硫酸ピペラジンエストロン、スチルボエステロール、ホスフェステロール四ナトリウム、リン酸ポリエストラジオール、チボロン、フィトエストロゲン、17−β−エストラジオールからなる群から選択されるエストロゲン受容体アゴニストを含めた性ステロイド、チモシン−β−4、EGF、HB−EGFなどの胸腺ホルモン、線維芽細胞増殖因子(例えば、FGF1、FGF2、FGF7)、ケラチン生成細胞増殖因子、TNF、例えばIL−10、IL−1、IL−2、IL−6、IL−8、およびIL−10およびそのモジュレーターなどの炎症応答モジュレーターのインターロイキンファミリー、INF(INF−α、−β、および−δ)、アクチビンまたはインヒビンの刺激剤、およびインターフェロンγプロスタグランジンE2(PGE2)の阻害剤、およびアデノシン3’,5’−環状一リン酸(cAMP)経路のメディエーター;アデノシンA1アゴニスト、アデノシンA2アゴニストを含めた、創傷治癒を促進するために創傷に導入されるサイトカイン、増殖因子またはホルモン(天然と合成の両方)、または5)例えば、VEGF、VEGFA、IGFの天然または合成両方のホモログ、アゴニストおよびアンタゴニスト;IGF−1、前炎症性サイトカイン、GM−CSF、およびレプチンを含めた、創傷治癒に有用な他の薬剤および6)IGF−1およびKGFcDNA、自己血小板ゲル、次亜塩素酸(Sterilox(登録商標)リポ酸、一酸化窒素シンターゼ3、マトリクスメタロプロテイナーゼ9(MMP−9)、CCT−ETA、αβ6インテグリン、増殖因子促進型線維芽細胞およびデコリン、銀含有創傷包帯材、Xenaderm(商標)、パパイン創傷清拭剤、ラクトフェリン、物質P、コラーゲン、および銀−ORC、胎盤アルカリホスファターゼまたは胎盤増殖因子、ヘッジホッグシグナル伝達のモジュレーター、コレステロール合成経路のモジュレーター、およびAPC(活性化タンパク質C)、ケラチン生成細胞増殖因子、TNF、トロンボキサンA2、NGF、BMP骨形成タンパク質、CTGF(結合組織増殖因子)、創傷治癒ケモカイン、デコリン、乳酸誘導性血管新生のモジュレーター、タラ肝油、胎盤アルカリホスファターゼまたは胎盤増殖因子、およびチモシンβ4だけには限られないが、これらを含むことができる。特定の実施形態では、創傷治癒に有用な1、2、3、4、5または6つの薬剤を組み合わせて使用することができる。
前述の(例えば増殖因子およびサイトカインを含めた)創傷治癒に有用な薬剤は、全ての天然に存在する多形体(例えば、増殖因子またはサイトカインの多形体)を包含することは理解されよう。さらに、機能性断片、前記創傷治癒に有用な薬剤またはその機能性断片の1つを含むキメラタンパク質、創傷治癒に有用な薬剤の1または複数のアミノ酸の類似的置換によって得られるホモログ、および種間ホモログが包含される。1または複数の創傷治癒に有用な薬剤は組換えDNA技術の産物である可能性があること、および1または複数の創傷治癒に有用な薬剤はトランスジェニック技術の産物である可能性があることが企図される。例えば、血小板由来増殖因子は、組換えPDGFまたはPDGFのコード配列を含む遺伝子療法ベクターの形態で提供することができる。
断片またはその部分改変された形態は、因子の生物学的または創傷治癒機能を保持する創傷治癒に有用な薬剤の断片または部分改変された形を指すが、それは当然ながら他の機能を有する可能性がある。部分改変は、例えば、アミノ酸残基の付加、欠失または置換による改変であってよい。例えば、置換は保存的置換であり得る。したがって部分改変された分子は、創傷治癒に有用な薬剤のホモログであり得る。それらは、例えば前記因子と少なくとも約40%の相同性を有する可能性がある。それらは、例えば前記因子と少なくとも約50、60、70、80、90または95%の相同性を有する可能性がある。例えば、特定の実施形態では、IL−10またはその断片もしくはその部分改変された形態は、約1μMと約10μMの間の濃度で投与することができる。それは約2.5μMと約5μMの間の濃度で投与することができる。他の特定の実施形態では、IL−10またはその断片もしくはその部分改変された形は創傷治癒直前に投与することができるが、しかしながら創傷の約7日以内に投与する場合に有効である可能性がある。それは少なくとも二回投与され得る。
剤形および製剤および投与
(典型的には本明細書で論じる製剤の形の)本発明の抗コネキシンポリヌクレオチドは、本明細書で言及する異常または過剰瘢痕のいずれかを含めた、異常または過剰瘢痕を有する(または有する危険性がある)対象などの、治療を必要とする対象に投与することができる。したがって対象の状態を改善することができる。抗コネキシンポリヌクレオチドは、療法による対象の身体の治療において使用することができる。それらは、本明細書で言及する異常または過剰瘢痕のいずれかを含めた、任意の異常または過剰瘢痕を治療または予防するための医薬品の製造において使用することができる。
したがって、本発明によれば、異常または過剰瘢痕を治療および/または予防するための、それによって細胞間連絡を一時的または部位特異的様式で下方制御することができる製剤を提供する。
抗コネキシンポリヌクレオチドは、薬学的に許容される担体を用いて好都合に処方して、望ましい最終濃度を与えることができる。
抗コネキシンポリヌクレオチドは、実質的に単離形態で存在しうる。生成物は、生成物の意図される目的に干渉しない担体または希釈剤と混合することができ、これをなおも実質的に単離状態にあるとみなしうることが理解される。本発明の生成物はまた、実質的に精製形態の場合もあり、この場合、生成物は一般に、ポリヌクレオチド(または他の抗コネキシン剤)の、または調製物の乾燥質量の、少なくとも約80%、85%、または90%、例えば、少なくとも約95%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%を含む。
意図される投与の経路に応じて、本発明の医薬品、医薬組成物、組合せ調製物、および薬剤は、例えば、溶液、懸濁液、点滴、スプレー、軟膏剤(salves)、クリーム、ゲル、創傷包帯材、泡沫、軟膏(ointment)、エマルジョン、ローション、ペイント、持続放出製剤、または粉末の形態をとる可能性があり、(1または複数の)有効成分の約1%〜95%、0.01%〜約1%、(1または複数の)有効成分の約1%〜50%、(1または複数の)有効成分の約2%〜60%、(1または複数の)有効成分の約2%〜70%、または(1または複数の)有効成分の約90%を含有することが典型的である。他の適切な製剤は、プロニックゲルベースの製剤、カルボキシメチルセルロース(CMC)ベースの製剤、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(hyroxypropylmethylcellulose)(HPMC)ベースの製剤を含む。他の有用な製剤は、徐放調製物または遅延放出調製物を含む。
ゲルまたはゼリーは、ゼラチン、トラガカント、またはセルロース誘導体を含むがこれらに限定されない適切なゲル化剤を用いて作製することができ、保湿剤、皮膚軟化剤、および防腐剤としてグリセロールを含みうる。軟膏は、脂肪基剤、蝋基剤、または合成基剤中に組み込まれた有効成分からなる半固体調製物である。適切なクリームの例は、油中水エマルジョンおよび水中油エマルジョンを含むがこれらに限定されない。油中水クリームは、セチルアルコールまたはセトステアリルアルコールなどの脂肪族アルコールによる乳化剤および乳化蝋と類似するがこれらに限定されない特性を有する適切な乳化剤を用いて調合することができる。水中油クリームは、セトマクロゴール乳化蝋などの乳化剤を用いて調合することができる。適切な特性は、エマルジョンの粘稠度を変化させる能力、および広範なpHにわたる物理および化学の両面における安定性を含む。水溶性または混和性のクリーム基剤は、防腐剤系を含有する場合があり、また、許容される生理学的なpHを維持するように緩衝化することもできる。
泡沫調製物は、不活性の噴霧剤を用いる適切なアプリケーターにより、加圧エアゾールキャニスターから送達するように調合することができる。泡沫基剤の製剤に適する賦形剤は、プロピレングリコール、乳化蝋、セチルアルコール、およびステアリン酸グリセリルを含むがこれらに限定されない。潜在的な防腐剤は、メチルパラベンおよびプロピルパラベンを含む。
抗コネキシンポリヌクレオチドは、生理的に許容され適合性がある希釈剤、賦形剤と混合することができ、および好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは薬学的に許容される担体または希釈剤と組み合わせて、医薬組成物を生成する。適切な担体および希釈剤は、等張性の食塩液、例えば、リン酸塩緩衝化食塩液を含む。適切な希釈剤および賦形剤はまた、例えば、水、食塩液、デキストロース、グリセロールなど、およびこれらの組合せ物も含む。加えて、所望の場合、保湿剤または乳化剤、安定化剤またはph緩衝剤などの物質もまた存在しうる。
「薬学的に許容される担体」という用語は、組成物を投与される個体に有害な抗体の生成をそれ自体では誘導せず、不適切な毒性なしに投与しうる任意の薬学的な担体を指す。適切な担体は、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、およびアミノ酸コポリマーなどの大型でゆっくりと代謝される高分子でありうる。
例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩などのような鉱酸塩、および酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩などの有機酸塩など、薬学的に許容される塩もまた存在しうる。
適切な担体物質は、局所投与用のクリーム、ローション、スプレー、泡沫、ゲル、エマルジョン、ローション、またはペイントのための基剤として一般に用いられる任意の担体またはビークルを含む。例は、乳化剤、炭化水素による基剤を含む不活性担体、乳化基剤、非毒性溶媒、または水溶性の基剤を含む。特に適切な例は、プルロニック、HPMC、CMC、および他のセルロース基剤の成分、ラノリン、硬質パラフィン、液体パラフィン、軟質黄色パラフィン、または軟質白色パラフィン、白色蜜蝋、黄色蜜蝋、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、ジメチコーン、乳化蝋、ミリスチン酸イソプロピル、微晶質蝋、オレイルアルコール、およびステアリルアルコールを含む。
薬学的に許容される担体またはビークルは、ゲルであることが好ましく、非イオン性ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーゲル、例えば、プルロニックゲル、好ましくはPluronic F−127(BASF Corp.)であることが適切である。このゲルは、低温では液体であるが、生理学的温度では急速に固まり、これにより、OND成分の放出が適応部位またはその部位にすぐの近接部位に限定されるので特に好ましい。
カゼイン、ゼラチン、アルブミン、膠、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、またはポリビニルアルコールなどの補助剤もまた、本発明の製剤中に組み入れることができる。
医薬組成物を処方して、単独または1または複数の創傷調節剤と組み合わせた、抗コネキシンポリヌクレオチドの徐放をもたらすことができる。
1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドは、同じまたは異なる経路によって投与することができる。前記1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドは、固体支持体(包帯材および他のマトリクスなど)および医薬製剤(ゲル、混合物、懸濁液および軟膏など)を使用する局所投与だけには限られないが、これらを含めた局所投与(末梢または部位に直接)によって送達することが好ましい。一実施形態では、固体支持体は生体適合膜を含む。別の実施形態では、固体支持体は包帯材またはマトリクスを含む。一実施形態では、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドを含む洗浄溶液を局部に使用して、ケロイド、肥厚性瘢痕、萎縮性瘢痕、および広汎性瘢痕を含めた過剰瘢痕を予防または低減することができる。
例えば本発明の抗コネキシンポリヌクレオチドを含めた抗コネキシン剤は、長期間送達することもできる。送達期間は下方制御を誘導すべき部位と望まれる治療効果の両方に依存し得るが、約1〜2時間、約2〜4時間、約4〜6時間、約6〜8、または約24時間以上の連続または徐放送達をもたらす。本発明によれば、特に連続または徐放投与用の製剤の形で、薬学的に許容される担体または賦形薬と共に製剤中にポリヌクレオチドを封入することによってこれを実施する。
前述のように、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドは、外科手術または創傷の前、最中、直後、例えば、好ましくは約24、約12、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、約2時間以内、または例えば、創傷または外科手術後約60、約45、約30、約15、約10、約5、約4、約3、約2、約1分以内に投与することができる。あるいは、抗コネキシンポリヌクレオチドは、既存の異常または過剰瘢痕、例えば、ケロイドまたは肥厚性瘢痕に適用することができる。
便宜上、組成物は、投与後少なくとも約1〜2時間、少なくとも約2〜4時間、少なくとも約4〜6時間、少なくとも約6〜8時間、または約24時間(1または複数の)前記コネキシンタンパク質の発現を下方制御するのに十分な量投与する。
一態様によれば、抗コネキシンポリヌクレオチドは、局所に投与または(治療すべき部位に)点滴注入もしくは注射することができる。一態様では、抗コネキシンポリヌクレオチドを薬学的に許容される担体または希釈剤と組み合わせて、医薬組成物を生成する。適切な担体および希釈剤には、等張生理食塩水溶液、例えばリン酸緩衝生理食塩水がある。別の態様では、筋肉内、皮下、または経皮投与用に組成物を処方することができる。
他の適切な製剤は、プロニックゲル基剤の製剤、カルボキシメチルセルロース(CMC)基剤の製剤、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)基剤の製剤を含む。組成物は、局所投与、点滴投与、非経口投与、筋肉内投与、皮下投与、または経皮投与を含む、任意の所望の送達形態に応じて調合することができる。他の有用な製剤は、徐放調製物または遅延放出調製物を含む。
抗コネキシン剤が、ポリヌクレオチドなどの核酸である場合、哺乳動物細胞による核酸の取込みは、複数種の公知のトランスフェクション法、例えば、トランスフェクション剤の使用を含むトランスフェクション法により増強される。このような技法は、ポリヌクレオチドを含む一部の抗コネキシン剤と共に用いることができる。投与される製剤は、このようなトランスフェクション剤を含有しうる。そのような薬剤の例は、陽イオン剤(例えば、リン酸カルシウムおよびDEAEデキストランおよびリポフェクション剤(例えば、lipofectam(商標)およびtransfectam(商標)))、ならびに界面活性剤を含む。
一つの実施形態において、製剤はポリヌクレオチドの細胞透過を補助する界面活性剤をさらに含むか、または製剤は任意の適切な充填剤を含有し得る。DMSOなど、任意の適切な無毒性界面活性剤を組み入れることができる。代替的に、尿素などの経皮透過剤も組み入れることができる。
場合によっては、抗コネキシンポリヌクレオチドは、1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤を用いて処方することができる。特定の実施形態では、1、2、3、4、5または6つの治療剤を組み合わせて使用することができる。特定の実施形態では、1、2、3、4、5または6つの創傷治癒に有用な薬剤を組み合わせて使用することができる。特定の実施形態では、1、2、3、4、5または6つのタンパク質合成阻害剤を組み合わせて使用することができる。
一態様では、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドを、単独または1または複数の治療剤および/または創傷治癒に有用な薬剤との組合せのいずれかで、創傷包帯材またはマトリクスの形で提供する。特定の実施形態では、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド(1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤および/またはタンパク質合成阻害剤ありまたはなし)を、直接適用するための液体、半固体または固体組成物の形で提供し、または組成物は、包帯材ガーゼまたはマトリクスなどの固体接触層の表面に適用する、またはその中に取り込ませる。創傷包帯材組成物は、例えば流体またはゲルの形で提供することができる。1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド(1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤および/またはタンパク質合成阻害剤ありまたはなし)は、局所適用のための従来の医薬賦形剤と組み合わせて提供することができる。適切な担体には、プルロニックゲル、ポラキサマーゲル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびそれらの混合物を含めたセルロース誘導体を含有するヒドロゲル、およびポリアクリル酸を含有するヒドロゲル(Carbopols)がある。適切な担体は、局所用医薬調製物に使用されるクリーム/軟膏、例えばセトマクロゴール乳化軟膏ベースのクリームも含む。前述の担体は、アルギン酸塩(増粘剤または刺激剤として)、ベンジルアルコールなどの防腐剤、リン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウムなどのpHを調整するための緩衝剤、塩化ナトリウムなどのオスモル濃度を調節するための薬剤、およびEDTAなどの安定剤を含むことができる。
所与の対象に有効な用量は、集団の少なくとも50%に治療上有効であり、このレベルでわずかな毒性を示すかまたは全く示さない用量内に存在することが好ましい。
所与の対象または状態に対して有効な用量は、日常的な実験または当技術分野において公知であるかもしくは将来的に開発される他の方法により決定することができる。例えば、ある範囲の用量値を調合するために、細胞培養アッセイおよび動物試験を用いることができる。このような化合物の用量は、集団の少なくとも約50%に対して治療的に有効な用量内にあり、このレベルにおいてほとんどまたはまったく毒性を示さないことが好ましい。
本発明の方法および組成物において用いられる各抗コネキシンポリヌクレオチドの有効用量は、用いられる1または複数の特定の抗コネキシンポリヌクレオチド、組合せのパートナー、投与方式、投与頻度、治療される創傷、治療される創傷の重症度、投与経路、治療される被験体部分集団の要求、または個々の被験体の異なる要求であって被験体に特異的な年齢、性別、体重、関連する医学的創傷に起因しうる異なる要求を含むいくつかの因子に応じて異なりうる。
例えば、特定の実施形態では、組合せ抗コネキシンポリヌクレオチド組成物は、創傷または創傷部位の隣接部分に約0.05マイクロモル(uM)〜約100uMの最終濃度で適用することができ、好ましくは、組合せ抗コネキシン剤の組成物は、約0.05uM〜約50uMの最終濃度で適用し、より好ましくは、組合せ抗コネキシン剤の組成物は、約10uM〜約30uMの最終濃度で適用し、追加的に、組合せ抗コネキシン剤の組成物は、約8uM〜約20uMの最終濃度で適用し、代替的に、組合せ抗コネキシン剤の組成物は、約10uM〜約20uMの最終濃度で適用し、さらにより好ましくは、組合せ抗コネキシン剤の組成物は、約10〜約15uMの最終濃度で適用する。他の特定の実施形態では、組合せ抗コネキシン剤の組成物は約10uMの最終濃度で適用する。さらに別の実施形態では、組合せ抗コネキシン剤の組成物は約15uMの最終濃度で適用する。
抗コネキシンポリヌクレオチドの投与量は、例えば、約1、2、3、4、または5マイクログラム、約5〜約10マイクログラム、約10〜約15マイクログラム、約15〜約20マイクログラム、約20〜約30マイクログラム、約30〜約40マイクログラム、約40〜約50マイクログラム、約50〜約75マイクログラム、約75〜約100マイクログラム、約100マイクログラム〜約250マイクログラム、および250マイクログラム〜約500マイクログラムを含む。本明細書に示すように、約0.5〜約1.0ミリグラム以上の投与量も提供する。
適切な用量は、約0.01〜約0.4mg/kg体重など、約0.001〜約1mg/kg体重であり得る。しかしながら適切な用量は、約0.01〜約0.050mg/kg体重など、約0.001〜約0.1mg/kg体重であり得る。約1〜100、100〜200、200〜300、300〜400、および400〜500マイクログラムの用量、および約500〜750および約750〜1000マイクログラムの用量が適切である。本明細書に示すように、反復適用が企図される。反復適用は典型的にはほぼ一週間に一度、または創傷治癒が失速または遅延している可能性があるときに適用する。
あるいは、それぞれの抗コネキシンポリヌクレオチドの用量は、患者の体重1kg当たりの抗コネキシンポリヌクレオチドの量に基づいてよい。適切な用量は、約1〜約0.4mg/kg体重など、約0.1〜約1mg/kg体重である。しかしながら適切な用量は、約0.01〜約0.050mg/kg体重など、約0.001〜約0.1mg/kg体重であり得る。他の用量は約0.1〜約1000マイクログラムの範囲であり、かつ具体的に含まれるのは本明細書に記載するような範囲の全ての量である。用量は一回または分割の適用で投与することができる。用量は一回で投与することができ、または適用を繰り返すことができる。本明細書に記載する薬剤のそれぞれの1日当たりの、さらに他の用量は、約1ナノグラム(ng)/kg体重と約1mg/kg体重の間のレベルである。特定の実施形態では、対象化合物のそれぞれの用量は一般に、体重1kg当たり約1ng〜約1マイクログラム、体重1kg当たり約1ng〜約0.1マイクログラム、体重1kg当たり約1ng〜約10ng、体重1kg当たり約10ng〜約0.1マイクログラム、体重1kg当たり約0.1マイクログラム〜約1マイクログラム、体重1kg当たり約20ng〜約100ng、体重1kg当たり約0.001mg〜約1mg、体重1kg当たり約0.01mg〜約10mg、または体重1kg当たり約0.1mg〜約1mgの範囲内であり得る。特定の実施形態では、対象化合物のそれぞれの用量は一般に、体重1kg当たり約0.001mg〜約0.01mg、体重1kg当たり約0.01mg〜約0.1mg、体重1kg当たり約0.1mg〜約1mg、または体重1kg当たり約1mgの範囲内であり得る。2つ以上の抗コネキシンポリヌクレオチドを使用する場合、それぞれの抗コネキシンポリヌクレオチドの用量は他と同じ範囲内である必要はない。例えば、1つの抗コネキシンポリヌクレオチドの用量は体重1kg当たり約0.01mgと約1mgの間であってよく、かつ別の抗コネキシンポリヌクレオチドの用量は体重1kg当たり約0.1mgと約1mgの間であり得る。本明細書に示すように、反復適用が企図される。反復適用は典型的にはほぼ一週間に一度、または創傷治癒が失速または遅延している可能性があるときに適用する。
本明細書に記載する薬剤のそれぞれの1日当たりの、さらに他の用量は、約1ナノグラム(ng)/kg体重と約1mg/kg体重の間のレベルである。特定の実施形態では、対象化合物のそれぞれの用量は一般に、体重1kg当たり約1ng〜約1マイクログラム、体重1kg当たり約1ng〜約0.1マイクログラム、体重1kg当たり約1ng〜約10ng、体重1kg当たり約10ng〜約0.1マイクログラム、体重1kg当たり約0.1マイクログラム〜約1マイクログラム、体重1kg当たり約20ng〜約100ng、体重1kg当たり約0.001mg〜約100mg、体重1kg当たり約0.01mg〜約10mg、または体重1kg当たり約0.1mg〜約1mgの範囲内であり得る。特定の実施形態では、対象化合物のそれぞれの用量は一般に、体重1kg当たり約0.001mg〜約0.01mg、体重1kg当たり約0.01mg〜約0.1mg、体重1kg当たり約0.1mg〜約1mg、または体重1kg当たり約1mgの範囲内であり得る。2つ以上の抗コネキシンポリヌクレオチドを使用する場合、それぞれの抗コネキシンポリヌクレオチドの用量は他と同じ範囲内である必要はない。例えば、1つの抗コネキシンポリヌクレオチドの用量は体重1kg当たり約0.01mgと約1mgの間であってよく、かつ別の抗コネキシンポリヌクレオチドの用量は体重1kg当たり約0.1mgと約1mgの間であり得る。本明細書に示すように、反復適用が企図される。反復適用は典型的にはほぼ一週間に一度、または創傷治癒が失速または遅延している可能性があるときに適用する。
他の有用な用量は、瘢痕(既存または予測)または創傷サイズの1平方センチメートル当たり約1〜約10マイクログラムの範囲である。特定の用量は、瘢痕(既存または予測)または創傷サイズの1平方センチメートル当たり約1〜2、約1〜5、約2〜4、約5〜7、および約8〜10マイクログラムであり得る。他の有用な用量は、瘢痕(既存または予測)または創傷サイズの1平方センチメートル当たり約15マイクログラム、瘢痕(既存または予測)または創傷サイズの1平方センチメートル当たり約20マイクログラム、瘢痕(既存または予測)または創傷サイズの1平方センチメートル当たり約25マイクログラム、瘢痕(既存または予測)または創傷サイズの1平方センチメートル当たり約30マイクログラム、瘢痕(既存または予測)または創傷サイズの1平方センチメートル当たり約35マイクログラム、瘢痕(既存または予測)または創傷サイズの1平方センチメートル当たり約40マイクログラム、瘢痕(既存または予測)または創傷サイズの1平方センチメートル当たり約50マイクログラム、および瘢痕(既存または予測)または創傷サイズの1平方センチメートル当たり約100マイクログラムを含めた、瘢痕(既存または予測)または創傷サイズの1平方センチメートル当たり約10マイクログラムを超える用量である。他の有用な用量は、瘢痕(既存または予測)または創傷サイズの1平方センチメートル当たり約150マイクログラム、瘢痕(既存または予測)または創傷サイズの1平方センチメートル当たり約200マイクログラム、瘢痕(既存または予測)または創傷サイズの1平方センチメートル当たり約250マイクログラム、または瘢痕(既存または予測)または創傷サイズの1平方センチメートル当たり約500マイクログラムである。本明細書に示すように、反復適用が企図される。反復適用は典型的にはほぼ一週間に一度、または創傷治癒が失速または遅延している可能性があるときに適用する。
例えば、特定の実施形態では、抗コネキシンポリヌクレオチド組成物は、治療部位および/または治療部位の隣接部分に約0.01マイクロモル(μM)または0.05μM〜約200μMの最終濃度で適用することができる。好ましくは、アンチセンスポリヌクレオチド組成物は約0.05μM〜約100μMの最終濃度で適用し、より好ましくは、抗コネキシンポリヌクレオチド組成物は約0.05μM〜約50μMの最終濃度で適用し、およびより好ましくは、抗コネキシンポリヌクレオチド組成物は約5〜10μMから約30〜50μMの最終濃度で適用する。追加的に、抗コネキシンポリヌクレオチド組成物は約8μM〜約20μMの最終濃度で適用し、および代替的に、抗コネキシンポリヌクレオチド組成物は約10μM〜約20μMの最終濃度、または約10μM〜約15μMの最終濃度で適用する。抗コネキシン剤を患者に投与する用量は、患者の年齢、体重および一般状態、治療する状態、および投与する個々の抗コネキシン剤などの様々な要因に依存し得る。
抗コネキシン剤の適切な治療有効用量は、約0.01〜約0.4mg/kg体重など、約0.001〜約1mg/kg体重でありうる。しかし、適切な用量は、約0.01〜約0.050mg/kg体重など、約0.001〜約0.1mg/kg体重でありうる。
約1〜100、100〜200、100〜300または200〜300、100〜400または200〜400または300〜400、および100〜500または200〜500または300〜500または400〜500マイクログラムの治療有効用量の抗コネキシン剤が適切である。約1〜1000マイクログラムの用量もまた適切である。最大2ミリグラムの用量もまた用いることができる。1または複数の抗コネキシン剤が包帯材の形態で提供される場合、用量は適切な形で調整され、所望の総用量投与を維持するよう上方に調整されることが典型的である。
代替的に、抗コネキシンオリゴヌクレオチドの場合、組成物中における各薬剤の用量は、それが適用される領域のサイズ、長さ、深さ、面積、または容積に対する組成物の濃度を基準として決定することができる。例えば、一部の局所適用において、医薬組成物の用量は、医薬組成物の質量(例えば、グラム)または適用領域の長さ、深さ、面積、もしくは容積当たりの医薬組成物の濃度(例えば、μg/ul)に基づいて計算することができる。有用な用量は、創傷サイズの平方センチメートル当たり約1〜約10マイクログラムの範囲にある。一部の用量は、創傷サイズの平方センチメートル当たり約1〜2、約1〜5、約2〜4、約5〜7、および約8〜10マイクログラムである。他の有用な用量は、創傷サイズの平方センチメートル当たり約10マイクログラムを超え、創傷サイズの平方センチメートル当たり少なくとも約15マイクログラム、創傷サイズの平方センチメートル当たり少なくとも約20マイクログラム、創傷サイズの平方センチメートル当たり少なくとも約25マイクログラム、創傷サイズの平方センチメートル当たり約30マイクログラム、創傷サイズの平方センチメートル当たり少なくとも約35マイクログラム、創傷サイズの平方センチメートル当たり少なくとも約40マイクログラム、創傷サイズの平方センチメートル当たり少なくとも約50マイクログラム、および創傷サイズの平方センチメートル当たり少なくとも約100〜少なくとも約150マイクログラムを含む。他の用量は、平方センチメートル当たり約150〜200マイクログラム、平方センチメートル当たり約200〜250マイクログラム、平方センチメートル当たり約250〜300マイクログラム、平方センチメートル当たり約300〜350マイクログラム、平方センチメートル当たり約350〜400マイクログラム、および平方センチメートル当たり約400〜500マイクログラムを含む。
一部の実施形態において、抗コネキシンポリヌクレオチド組成物は、治療部位および/または治療部位に隣接して、約0.01マイクロモル(μM)または0.05μM〜約200μM、または最大300μM、または最大1000μM、または最大2000μM、または最大3200μM以上の最終濃度、およびこれらの用量数値内にある任意の用量および用量範囲で適用することができる。アンチセンスポリヌクレオチド組成物は約0.05μM〜約100μMの最終濃度で適用されることが好ましく、抗コネキシンポリヌクレオチド組成物は約1.0μM〜約50μMの最終濃度で適用されることがより好ましく、抗コネキシンポリヌクレオチド組成物は約5〜10μMから約30〜50μMの最終濃度で適用されることがより好ましい。加えて、組合わされた抗コネキシンポリヌクレオチド組成物は約8μM〜約20μMの最終濃度で適用され、また代替的に、抗コネキシンポリヌクレオチド組成物は約10μM〜約20μMの最終濃度、または約10〜約15μMの最終濃度で適用される。他の一部の実施形態において、抗コネキシンポリヌクレオチドは、約10μMの最終濃度で適用される。さらに別の実施形態において、抗コネキシンポリヌクレオチド組成物は、約1〜15μMの最終濃度で適用される。他の実施形態において、抗コネキシンポリヌクレオチドは、約20μM、30μM、40μM、50μM、60μM、70μM、80μM、90μM、100μM、10〜200μM、200〜300μM、300〜400μM、400〜500μM、500〜600μM、600〜700μM、700〜800μM、800〜900μM、900〜1000、または1000〜1500μM、または1500μM〜2000μM、または2000μM〜3000μM以上で適用される。
抗コネキシンポリヌクレオチドの投与量は、例えば、約0.1〜1、1〜2、2〜3、3〜4、または4〜5マイクログラム(μg)、約5〜約10μg、約10〜約15μg、約15〜約20μg、約20〜約30μg、約30〜約40μg、約40〜約50μg、約50〜約75μg、約75〜約100μg、約100μg〜約250μg、および250μg〜約500μgを含む。上記で言及した通り、0.5〜約1.0ミリグラム以上の投与量もまた提供される。投与容量は治療される部位のサイズに依存し、例えば、約25〜100μLから約100〜200μL、約200〜500μLから約500〜1000μLの範囲でありうる。より大きな治療部位には、ミリリットル用量もまた適切である。本明細書に示すように、反復適用が企図される。反復適用は典型的にはほぼ一週間に一度、または創傷治癒が失速または遅延している可能性があるときに適用する。
他の特定の実施形態では、抗コネキシンポリヌクレオチドは約10μMの最終濃度で適用する。さらに別の実施形態では、抗コネキシンポリヌクレオチド組成物は約1〜15μMの最終濃度で適用する。抗コネキシンポリヌクレオチドの投与量は、例えば、約0.1〜1、1〜2、2〜3、3〜4、または4〜5マイクログラム(μg)、約5〜約10μg、約10〜約15μg、約15〜約20μg、約20〜約30μg、約30〜約40μg、約40〜約50μg、約50〜約75μg、約75〜約100μg、約100μg〜約250μg、および約250μg〜約500μgを含む。前に記したように、0.5〜約1.0ミリグラム以上の投与量も提供する。用量体積は治療する部位のサイズに依存し、例えば約25〜100μLから約100〜200μLまでの範囲であってよく、約200〜500μLから約500〜1000μL(マイクロリットル)までの用量も大きな治療部位に適している。本明細書に示すように、反復適用が企図される。反復適用は典型的にはほぼ一週間に一度、または創傷治癒が失速または遅延している可能性があるときに適用する。
抗コネキシンポリヌクレオチドは、投与後少なくとも約0.5〜1時間、少なくとも約1〜2時間、少なくとも約2〜4時間、少なくとも約4〜6時間、少なくとも約6〜8時間、少なくとも約8〜10時間、少なくとも約12時間、または少なくとも約24時間にわたってコネキシンタンパク質の発現を下方調節するか、またはギャップジャンクションの形成を調節するのに十分な量で投与されると好都合である。
用量は一回または分割の適用で投与することができる。用量は一回で投与することができ、または適用を繰り返すことができる。典型的には、適用は治癒が促進するまで週に一回繰り返し、または治癒が遅延もしくは失速する場合、反復適用を行うことができる。用量は3〜7日間隔、またはそれより多く適用することができる。反復適用は、例えば週に一回、または二週に一回、または月に一回、または例えば創傷治癒が遅延もしくは失速する場合および時は、他の頻度で行うことができる。特定の眼に関する使用などの幾つかの兆候用に、一時間に一回までのより頻繁な投与を利用することができる。
対象発明の組成物および方法における各抗コネキシンポリヌクレオチドの用量はまた、それが適用される領域のサイズ、長さ、深さ、面積、または容積に対する組成物の濃度を基準として決定することもできる。例えば、一部の局所適用および他の適用、例えば、点滴において、医薬組成物の用量は、医薬組成物の質量(例えば、マイクログラム)または適用領域の長さ、深さ、面積、もしくは容積当たりの医薬組成物の濃度(例えば、μg/ul)に基づいて計算することができる。
投与する初期および任意の後の用量は、本明細書に示す要因に依存し得る。オリゴヌクレオチドに応じて、投与に関する用量およびプロトコルは変わり、かつ用量は、選択する投与の方法、例えば局部または局所投与にも依存し得る。
本明細書に記載する医薬組成物の調製に適した創傷治癒に有用な薬剤は、当技術分野で公知の方法を使用して調製および投与することができる(例えば、米国特許第7,098,190号、米国特許第6,319,907号、米国特許第6,331,298号、米国特許第6,387,364号、米国特許第6,455,569号、米国特許第6,566,339号、米国特許第6,696,433号、米国特許第6,855,505号、米国特許第6,900,181号、米国特許第7,052,684号、およびEP1100529B1を参照)。それぞれの抗コネキシンポリヌクレオチドおよび創傷治癒に有用な薬剤の濃度は、他と同じ範囲内である必要はない。他の量は当業者に公知であり、容易に決定され得る。例えば、本明細書に記載する様々な態様および実施形態に従った適切な併用用量および製剤を、「CombinationPDGF、KGF、IGF、and IGFBP for wound healing」という表題のLewisへの米国特許第6,903,078号中に記載されたのと同様の投与レジメンに従って投与することができる。
投与する初期および任意の後の用量は、対象の年齢、体重、状態、および治療する瘢痕に依存し得る。創傷治癒に有用な薬剤に応じて、投与に関する用量およびプロトコルは変わり、かつ用量は、選択する投与の方法、例えば局部または全身投与にも依存し得る。
創傷治癒に有用な薬剤は内部または外部に適用することができ、創傷を示す任意の組織を直接対象とすることができる。Tarnowら、Scand J. PlastReconstr Hand Surg.28巻:255〜259頁(1994年)中に記載されたように、IGFの局所投与用に、例えば、酸化亜鉛製剤を適用することができ、これはIGFの局部生成を誘導する。PDGFの有効用量は、米国特許第4,861,757号中に記載されたように局所に適用すると5ng/mm2以上であり、およびLepistoら、BiochemBiophysRes.Comm209巻:393〜399頁(1995年)中に記載されたように線維芽細胞の集団に適用した、PDGFのアイソフォーム(例えば、PDGF−AA、PDGF−BB、またはPDGF−AB)の少なくとも1ng/mlの局部濃度、最大約30ng/mlの局部濃度と報告されている。PDGFは約10μg/gm〜約500μg/gmのゲル、約20μg/gm〜約200μg/gm、および約30μg/gm〜約100μg/gmのゲル、最適には約100μg/gmのゲルの濃度でカルボキシメチルセルロースゲル製剤に投与することができる。約3μg/ml投与溶液〜約300μg/ml投与溶液の範囲内でPDGFの有効性を得ている。
Sotozonoら、Invest.Opthal.Vis.Science36巻:1524〜29頁(1995年)中に記載されたように、約5μg/mlの濃度の約50μlのKGFは、上皮組織への局所適用による創傷治癒に有効である可能性がある。米国特許第4,861,757号中に記載されたように、PDGFと同時に投与するときIGFの有効量は、少なくとも2.5ng/mm2〜約5ng/mm2の範囲内であり、PDGFとIGFの比は約1:10〜約25:1重量対重量の範囲内であり、最も有効な比は約1:1〜約2:1重量対重量のPDGFとIGFである。Jyungら、Surgery115巻:233〜239頁(1994年)中に記載されたように、IGFと併用して投与するIGFBPは、約11:1のIGF:IGFBPのモル比における約5μgのIGFおよび約1.5μgのリン酸化IGFBPの用量レベルで、創傷治癒を増大することが示されている。
ポリペプチド療法剤、例えばPDGF、KGF、IGFおよびIGFBPポリペプチドの投与に関して、用量は約5μg〜約50μg/適用対象とする組織1kg、さらに約50μg〜約5mg/kg、さらに約100μg〜約500μg/組織1kg、および約200〜約250μg/kgの範囲内であり得る。ポリヌクレオチド療法に関して、例えば遺伝子療法投与プロトコル中で、発現強度に応じて、組織標的投与の対象中のポリヌクレオチド、PDGF、KGF、IGF、およびIGFBPコード配列を含めた発現構築体を含有するベクターを、遺伝子療法プロトコル中の局部投与に約100ng〜約200mgのDNA、さらに約500ng〜約50mg、さらに約1μg〜約2mgのDNA、約5μgのDNA〜約500μgのDNA、および遺伝子療法プロトコルにおける局部投与中に約20μg〜約100μg、および注射または投与当たり約250μgの範囲内で投与することができる。したがって、作用法および形質転換および発現の有効性などの要因は、DNA療法剤の投与に関する最終的な有効性に必要とされる用量に影響を与え得る考慮事項である。多大な発現が望まれる場合、多大な組織領域で、投与の一連プロトコル中に再投与される多量のDNAまたは同量、または例えば創傷部位の異なる隣接または近隣組織部分への数回の投与が、前向きな治療結果に影響を与えるのに必要とされる可能性がある。
本明細書に記載する医薬組成物の調製に適した治療剤およびタンパク質合成阻害剤は、当技術分野で公知の方法を使用して処方および投与することができる。投与する初期および任意の後の用量は、対象の年齢、体重、状態、および疾患、創傷、治療する障害または生物学的状態に依存し得る。治療剤に応じて、投与に関する用量およびプロトコルは変わり、かつ用量は、選択する投与の方法、例えば局部または全身投与にも依存し得る。
本明細書で示すように、併用して投与する抗コネキシンポリヌクレオチドまたは別の薬剤のいずれかの用量は、単独で与えたときに投与した用量から下方調節することができる。
幾つかの抗コネキシンポリヌクレオチドの併用は、異なる成分の影響の開始と持続は相補的であり得るので、任意の個々の成分に必要とされる用量を低減することができる。好ましい実施形態では、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤および/またはタンパク質合成阻害剤の併用には、相加、相乗または超相加的効果がある。
場合によっては、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドと、1または複数の治療剤、1または複数の創傷治癒に有用な薬剤、および/または1または複数のタンパク質合成阻害剤の組合せには、相加的効果がある。他の場合、この組合せは予想を上回る相加的効果を有する可能性がある。このような影響は本明細書では「相乗作用」効果と呼び、相乗または強化型相互作用に原因がある可能性がある。
用語「創傷治癒の相乗作用的促進」は、抗コネキシンポリヌクレオチドと、1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤の組合せの投与によって生じる平均的な創傷治癒を指し、任意の薬剤単独のいずれかの個々の投与によって生じる創傷治癒の全体より統計上有意に高い。抗コネキシンポリヌクレオチドと、1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤の併用投与によって生じたものが、個々の成分の予想付加価値より「統計上有意に高い」かどうかは、本明細書に記載する様々な統計法および/または当業者により公知の方法によって決定することができる。用語「相乗」は、抗コネキシンポリヌクレオチドと、1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤の両方が、創傷治癒を促進する能力または瘢痕を低減する能力を個々に有する、相乗作用阻害の1つの型を指す。用語「強化型」は、抗コネキシンポリヌクレオチド、または1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤の1つが、過剰瘢痕を低減する高い能力を個々に有する、相乗作用効果の型を指す。
一般に、それらの治療群それぞれにおいて個々の治療によりもたらされる平均瘢痕形成の合計と比較した場合、組合せ治療が、治療群において統計学的に有意に超相加的な平均低減過剰瘢痕形成をもたらすかどうかを判定することにより強化を評価することができる。平均低減瘢痕形成は、対照群の平均創傷治癒と、治療群の平均創傷治癒との間の差として計算することができる。瘢痕形成の減少率である「作用率(fraction affected)」(Fa)は、治療群における瘢痕形成を、対照群における平均瘢痕形成で除することにより計算することができる。統計学的に有意な強化に対する検定は、各治療群に対するFaの計算を必要とする。組合せ治療に対して予測される相加Faは、組合せのいずれかのエレメントを投与される群に由来する平均Faの合計であると理解することができる。例えば、1試料による両側T検定を用いて、実験により得られる結果が偶然だけに起因する可能性はどの程度であるかを、p値による測定の形で評価することができる。0.05未満のp値は統計学的に有意である、すなわち、偶然だけに起因する可能性は低いと考えられる。したがって、組合せの結果として強化された超相加効果がもたらされるとみなすために、組合せ治療群に対するFaは、単一エレメントによる治療群に対して予測される相加Faよりも統計学的に有意に高度でなければならない。
組合せ治療から相乗効果がもたらされるかどうかは、中央値効果/組合せ指標によるアイソボログラム法(Chou, T.およびTalalay, P.(1984年)、Ad. Enzyme Reg.、第22巻、27〜55頁)により評価することができる。この方法では、抗コネキシン剤ポリヌクレオチド単独に対する、1または複数の治療剤単独に対する、創傷治癒に有用な薬剤および/またはタンパク質合成阻害剤単独に対する、および固定したモル比での2者の組合せに対する中央値効果プロットに由来するパラメータに基づき、異なる用量効果レベルに対する組合せ指数(CI)値を計算する。CI値が&1t;1は相乗効果を示し、CI−1は相加効果を示し、CP1はアンタゴニスト効果を示す。この解析は、CalcuSyn,Windows(登録商標) Software for Dose Effect Analysis(Biosoft(D,Cambridge UK)などのコンピュータソフトウェアツールを用いて実施することができる。
相乗作用効果が併用療法に存在するかどうかを分析するための、当技術分野で公知または後に開発された任意の方法は、1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤と併用して使用するのに適した抗コネキシンポリヌクレオチドのスクリーニングにおける使用が企図される。
別の好ましい実施形態では、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドと、1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤の併用は、前記薬剤を単独で投与したときの有効用量と比較して、任意のこのような薬剤の有効用量を低減する。特定の実施形態では、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドと併用して使用したときの薬剤の有効用量は、単独で投与したときの薬剤の約1/15〜約1/2、約1/10〜約1/3、約1/8〜約1/6、約1/5、約1/4、約1/3または約1/2の用量である。
別の好ましい実施形態では、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドと、1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤の併用は、前記薬剤を単独で投与する頻度と比較して、前記薬剤を投与する頻度を低減する。したがって、これらの組合せは、望ましい治療目的を得るために以前に必要とされたより、低いおよび/または少ない用量の各薬剤の使用を可能にする。
用量は一回または分割の適用で投与することができる。用量は一回で投与することができ、または適用を繰り返すことができる。
1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドは、単独または1または複数の治療剤および/または1または複数の創傷治癒に有用な薬剤との組合せのいずれかで、同じまたは異なる経路によって投与することができる。本発明の様々な薬剤は、治療過程中の異なる時間に別々に、または分割または一回用の組合せ型で同時に投与することができる。
異常または過剰瘢痕化の治療において有用な1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドは、固体支持体(包帯材および他のマトリックスなど)および医薬製剤(ゲル、混合物、懸濁液、および軟膏など)を用いる局所投与を含むがこれらに限定されない局所投与(末梢投与または部位への直接投与)により送達されることが好ましい。一実施形態において、固体支持体は、生体適合膜または治療部位内への挿入を含む。別の実施形態において、固体支持体は、包帯材またはマトリックスを含む。本発明の一実施形態において、固体支持体組成物は、創傷治癒に有用な1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドが、アルギン酸塩、コラーゲン、または合成の生体吸収性ポリマーのマトリックスなどの徐放固体マトリックス中に分散される、徐放の固体支持体組成物でありうる。固体支持体組成物は、無菌であるかまたは低バイオバーデンであることが好ましい。一実施形態では、1つ以上の抗コネキシンポリヌクレオチドを含む洗浄液を用いることができる。
1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド(1もしくは複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤を伴うかまたはともなわない)を、ある時間、場合によって、約0.5時間、約1〜2時間、約2〜4時間、約4〜6時間、約6〜8時間、または約24時間以上にわたり送達することは、より重度の創傷において特に有利でありうる。場合によって、細胞喪失は、手術部位をはるかに超えて、周囲の細胞にまで拡大しうる。このような喪失は、元の手術から24時間以内に生じる可能性があり、ギャップジャンクションによる細胞間情報伝達によって媒介される。(1または複数の)抗コネキシンポリヌクレオチドの投与により、細胞間情報伝達が調節され、さらなる細胞の喪失もしくは傷害または傷害の帰結が最小化される。
下方調節が誘導される部位および所望される治療効果の両方に送達時間が依存する一方で、約0.5時間、約1〜2時間、約2〜4時間、約4〜6時間、約6〜8時間または約24時間以上にわたる連続送達または徐放送達がもたらされる。本発明によれば、これはおそらく、抗コネキシンポリヌクレオチド(1もしくは複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤を伴うかまたはともなわない)を、薬学的に許容される担体または媒体ビークルと一体の製剤、特に、連続投与または徐放投与のための製剤の形態で組み入れることにより達成される。
医師により、任意の特定の被験体および創傷に対して最適な投与経路および用量が決定されるので、本明細書に記載の投与経路および用量は、指針だけのものとして意図される。
本発明の一実施形態では、包帯材組成物は、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドおよび/または1または複数の抗瘢痕因子または薬剤が、アルギン酸塩、コラーゲン、または合成生体吸収性ポリマーのマトリクスなどの徐放性固体マトリクス中に分散している徐放性固体組成物であり得る。包帯材組成物は、滅菌状態または低いバイオバーデンであることが好ましい。
場合によっては、1または複数の他の、抗瘢痕因子または薬剤(例えばペプチド、タンパク質分解阻害剤、細胞外マトリクス成分、断片およびペプチド、ステロイド、サイトカイン、酸素供与体またはビタミン)を、本発明による医薬品、医薬組成物および組合せ調製物の製造において使用することもできる。このような抗瘢痕薬剤は、本発明の方法中で使用することもできる。これらの薬剤の封入は、異常または過剰瘢痕の高い予防または治療を可能にすることができる。このような追加的な抗瘢痕因子または薬剤は、別々、同時または逐次に、あるいは1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドと併用して投与することができる。
したがって、場合によっては、抗コネキシンポリヌクレオチドまたは化合物を、1または複数の治療剤、抗瘢痕または創傷治癒剤、および/またはギャップジャンクション修飾剤で処方することができる。治療剤は、例えば、抗感染薬、麻酔薬、鎮痛薬、抗生物質、睡眠薬、ならびにステロイドおよび非ステロイド系抗炎症剤を含む。特定の実施形態では、1、2、3、4、5または6つの治療剤を組み合わせて使用することができる。
本明細書で言及または説明される疾患、障害、および/または創傷を有するか、有することが疑われる対象を治療する方法のいずれかでは、本明細書に記載の用量、剤形、製剤、および/または組成物のいずれかが投与されうる。
包帯材およびマトリックス
一態様において、その1もしくは複数の抗コネキシンポリヌクレオチドは、単独でまたは1もしくは複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤と組み合わせてのいずれかで、包帯材またはマトリックスの形態で提供される。一部の実施形態では、本発明の1または複数の薬剤が直接的な適用のための液体組成物、半固体組成物、もしくは固体組成物の形態で提供されるか、あるいは組成物が包帯材ガーゼもしくはマトリックスなどの固体接触層の表面へと適用されるか、またはこの中へと組み込まれる。包帯材組成物は、例えば、流体またはゲルの形態で提供することができる。その1もしくは複数の抗コネキシンペプチドは、単独でまたは1もしくは複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤と組み合わせてのいずれかで、局所適用のための従来の医薬賦形剤と組合せて提供することができる。適切な担体は、プルロニックゲル、ポロキサマーゲル、セルロース誘導体(ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびこれらの混合物を含む)を含有するヒドロゲル;ならびにポリアクリル酸を含有するヒドロゲル(Carbopols)を含む。適切な担体はまた、局所医薬調製物に用いられるクリーム/軟膏、例えば、セトマクロゴール乳化軟膏に基づくクリームも含む。上記の担体は、アルギン酸塩(増粘剤または刺激剤として)、ベンジルアルコールなどの防腐剤、リン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウムなどのpH調整のための緩衝液、塩化ナトリウムなどの浸透圧を調整するための薬剤、およびEDTAなどの安定化剤を含みうる。
包帯材およびマトリクス
本明細書に記載する異常または過剰瘢痕を治療するための適切な包帯材およびマトリクスは、例えば、単独でまたは他の抗瘢痕または創傷治癒剤と共に、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドと組み合わせて、以下のものを含むことができる。例えば:
一実施形態では、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、例えばコネキシン43アンチセンスポリヌクレオチド、好ましくはコネキシン43アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドを、天然または合成マトリクスに投与する。
適切な包帯材およびマトリクスは、例えば、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド(1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤および/またはタンパク質合成阻害剤ありまたはなし)を含む以下のものを含むことができる。抗コネキシン43オリゴヌクレオチド、例えば抗コネキシン43アンチセンスオリゴヌクレオチドが好ましい。
1)吸収材:適切な吸収材は、例えば、セルロース、木綿、またはレーヨンなどの高度に吸収性の繊維層と組み合わせた、例えば、半接着質または非接着層をもたらしうる、例えば、吸収性包帯材、多層抗コネキシン抗瘢痕化カバーを含みうる。代替的に、吸収材は、異常または過剰な瘢痕化を管理するために、主要な(primary)包帯材または補助的な(secondary)包帯材として用いることができる。
2)アルギン酸塩:適切なアルギン酸塩は、例えば、天然の多糖繊維または海藻に由来するキセロゲルからなる不織パッド、非接着パッド、およびリボンである包帯材を含む。適切な抗コネキシン抗瘢痕化アルギン酸塩包帯材は、例えば、滲出物との接触の場合イオン交換過程を介して湿潤ゲルを形成しうる。一部の実施形態において、アルギン酸塩包帯材は、やわらかく快適であり、不規則的な形状をした領域上での填塞、陥入、または適合が容易であるように設計される。一部の実施形態において、アルギン酸塩包帯材は、第2の包帯材と共に用いることができる。
3)抗菌包帯材:適切な抗菌包帯材は、例えば、例えば銀およびポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)などの生体活性薬剤の送達を促進して、これが必要であるかまたは望ましい場所で、感染に対する効力を維持しうる抗コネキシン抗瘢痕化包帯材を含みうる。一部の実施形態において、適切な抗菌包帯材は、例えば、スポンジ、浸透化織りガーゼ、フィルム包帯材、吸収性製品、アイランド包帯材、ナイロン繊維、非接着バリア、または材料の組合せとして入手可能でありうる。
4)生物学的および生合成:適切な生物学的包帯材または生合成包帯材は、例えばゲル、溶液または天然源由来の半透性シートを含むことができる。特定の実施形態では、ゲルまたは溶液を、異常または過剰瘢痕形成を予防するべき領域に適用し、バリア保護のために抗コネキシン抗瘢痕包帯材で覆う。別の実施形態では、シートをin situに置き、それは膜として働くことができ、異常または過剰瘢痕を予防または治療するための一回の適用後に適所に留まる。
5)コラーゲン:適切なコラーゲン包帯材は、例えば、ウシ、ブタ、もしくは鳥類の供給源、または他の天然の供給源もしくはドナーに由来する、例えば、ゲル、パッド、粒子、ペースト、粉末、シート、または溶液を含みうる。一部の実施形態において、コラーゲン包帯材は、創傷部位における滲出物と相互作用してゲルを形成しうる。一部の実施形態において、コラーゲン包帯材は、補助的な包帯材と組み合わせて用いることができる。
6)複合材料:適切な複合材料抗コネキシン抗瘢痕化包帯材は、例えば、物理的に異なる成分を単一の生成物へと混合して、例えば、細菌バリア、吸収、および接着など複数の機能を提供する包帯材、カバーを含みうる。一部の実施形態において、抗コネキシン抗瘢痕化複合材料包帯材は、例えば、複数の層からなり、半接着パッドまたは非接着パッドを組み込む。他の実施形態において、複合材料包帯材は、例えば、異常または過剰瘢痕が予防または治療される多様な領域での主要な包帯材としても補助的な包帯材としても機能することが可能であり、さらに他の実施形態において、包帯材は、別の局所医薬組成物と組み合わせて用いることができる。
7)接触層:適切な抗コネキシン抗瘢痕化接触層包帯材は、例えば、ある領域上に配置されて、例えば、異常または過剰瘢痕が予防または治療される領域に適用された他の薬剤または包帯材との直接的な接触から組織を保護する、薄型の非接着シートを含みうる。一部の実施形態において、接触層は、異常または過剰瘢痕が予防または治療される領域の形状に調和するように配置することができ、また多孔性であるため、透過する滲出物を、上部の補助的な包帯材に吸収させることができる。さらに別の実施形態において、抗コネキシン抗瘢痕化接触層包帯材は、例えば、インサイチューで配置される非免疫原性のおよび/または抗接着性ガーゼ、フィルム、シート、包帯材、スポンジ、またはラップを含み得る。
8)弾性包帯:適切な弾性包帯は、例えば、伸縮して身体の外形に調和する包帯材を含みうる。一部の実施形態において、繊維成分は、例えば、木綿、ポリエステル、レーヨン、またはナイロンを含みうる。他の一部の実施形態において、弾性包帯は、例えば、第2層としてのまたは補助的包帯材としての吸収をもたらし、被覆をその場に保持するか、圧力を加えるか、または異常もしくは過剰瘢痕が予防もしくは治療される領域にクッションを与えることができる。さらに別の実施形態において、接触層包帯材は、局所医薬組成物と組み合わせて用いることができる。
9)発泡体:適切な抗コネキシン抗瘢痕化発泡体包帯材は、例えば、流体の保持が可能な小さな開放セルを有する、発泡ポリマー溶液(ポリウレタンを含む)のシートおよび他の形状を含みうる。例示的な発泡体は、例えば、他の材料と組み合わせて浸透化または層状化することができる。一部の実施形態では、異常またはは過剰瘢痕が予防または治療される部位において、発泡体の厚さおよび組成に基づいて吸収能を調製することができる。他の一部の実施形態において、異常または過剰瘢痕が予防または治療される領域と接触する領域は、取り外しを容易とするために非接着性でありうる。さらに別の実施形態において、発泡体は、接着性の輪郭および/または抗感染性バリアとして働きうる透明のフィルムコーティングと組み合わせて用いることができる。
10)ガーゼおよび不織包帯材:適切な抗コネキシン抗瘢痕化ガーゼ包帯材および織地包帯材は、例えば、吸収性の程度が多様な乾燥織地スポンジまたは吸収性の程度が多様な乾燥不織スポンジおよび吸収性の程度が多様な乾燥織地ラップまたは吸収性の程度が多様な乾燥不織ラップを含みうる。例示的な繊維組成物は、例えば、木綿、ポリエステル、レーヨンを含みうる。一部の実施形態において、ガーゼおよび不織包帯材は、バルクにおいて滅菌の場合であれ非滅菌の場合であれ、また、接着性の輪郭を伴う場合であれ伴わない場合であれ入手可能でありうる。例示的な抗コネキシン抗瘢痕化ガーゼ包帯材および不織包帯材は、異常または過剰瘢痕が予防または治療される各種の創傷領域の消毒、パッキング、被覆に用いることができる。
11)親水コロイド:適切な抗コネキシン抗瘢痕化親水コロイド包帯材は、例えば、ゼラチン、ペクチン、またはカルボキシメチルセルロースからなるウェハー、粉末、またはペーストを含みうる。一部の実施形態において、ウェハーは自己接着性であり、接着性の輪郭を伴う場合であれ伴わない場合であれ入手可能であり、また多種多様な形状およびサイズで入手可能である。例示的なヒドロコロイドは、外形合わせを必要とする領域において有用である。一部の実施形態において、粉末およびペーストの親水コロイドは、第2の包帯材と組み合わせて用いることができる。
12)ヒドロゲル(アモルファス):適切な抗コネキシン抗瘢痕化アモルファスヒドロゲル包帯材は、例えば、水分を与え、湿潤性の治癒環境を維持し、異常または過剰瘢痕が予防または治療される領域に水分を補給するように設計された、水、ポリマー、および不定形の他の成分による製剤を含みうる。一部の実施形態において、ヒドロゲルは、補助的な包帯材カバーと組み合わせて用いることができる。
13)ヒドロゲル:浸透化包帯材:適切な浸透化抗コネキシン抗瘢痕化ヒドロゲル包帯材は、例えば、アモルファスヒドロゲルに浸したガーゼおよび不織スポンジ、ロープ、ならびにストリップを含みうる。アモルファスヒドロゲルは、例えば、乾燥した創傷に水分を与え、湿潤性の治癒環境を維持するように設計された、水、ポリマー、および不定形の他の成分による製剤を含みうる。
14)ヒドロゲルシート:適切な抗コネキシン抗瘢痕ヒドロゲルシートは、例えば水に溶けず膨潤によって水溶液と相互作用する三次元構造の架橋親水性ポリマーを含むことができる。例示的なヒドロゲルは非常に適合性があり透過性であり、それらの組成に応じて様々な量の排水を吸収し得る。特定の実施形態では、ヒドロゲルは容易に除去するために、異常または過剰瘢痕を予防または治療するべき領域に対して非粘着性である。
15)含浸包帯材:適切な抗コネキシン抗瘢痕含浸包帯材は、例えば、例えば生理食塩水、油、亜鉛塩、ペトロラタム、キセロフォームおよびスカーレットレッドを含めた、溶液、エマルジョン、油、ゲルまたは幾つか他の薬剤活性がある化合物または担体、および本明細書に記載する抗ケロイド/抗肥厚性瘢痕化合物を浸した、ガーゼおよび不織布スポンジ、ロープおよびストリップを含むことができる。
16)シリコーンゲルシート:適切な抗コネキシン抗瘢痕シリコーンゲルシート包帯材は、例えば、メッシュまたは生地で補強または結合した架橋ポリマーから構成される軟性創傷カバーを含むことができる。
17)溶液:適切な抗コネキシン抗瘢痕液状包帯材は、例えば、マルチタンパク質材料と細胞外マトリクスにおいて見られる他の要素の混合物を含むことができる。特定の実施形態では、例示的な溶液を、瘢痕除去および洗浄後に創傷表面に適用して、次いで吸収性包帯材または非粘着性パッドで覆うことができる。
18)透明フィルム:適切な抗コネキシン抗瘢痕透明フィルム包帯材は、接着剤で片側をコーティングした様々な厚さのポリマー膜を含むことができる。特定の実施形態では、透明フィルムは液体、水および細菌を通さないが、しかしながら水蒸気および大気気体は通す。特定の実施形態では、透明性が創傷の可視化を可能にする。
19)創傷充填材:適切な抗コネキシン抗瘢痕創傷充填材包帯材は、例えば、ビーズ、クリーム、フォーム、ゲル、軟膏、パッド、ペースト、ピロー、粉末、ストランドまたは他の製剤を含むことができる。特定の実施形態では、充填材は非粘着性であり、徐放性抗菌剤を含むことができる。例示的な充填材は、湿潤環境を維持し、滲出を制御し、かつ例えば充填を必要とする部分厚および完全厚創傷、感染創傷、排液性創傷および深部創傷を治療するのに有用である可能性がある。
したがって、本発明によれば、それによって細胞間連絡を一時的または部位特異的に制御または下方制御することができる製剤を提供する。したがってこれらの製剤は、療法および他の治療において適用例がある。
過剰瘢痕および/または異常もしくは過剰瘢痕をもたらす可能性がある組織損傷の場合、本発明の製剤は、ケロイドおよび/または、肥厚性瘢痕、萎縮性瘢痕、および広汎性瘢痕などの異常または過剰瘢痕の予防と、重度の低減の両方、および必要な場合は治癒過程の促進において有用であり得る。したがって製剤は、例えば外傷性障害、外科的介入または疾患状態の結果であれ、過剰および異常瘢痕化または過剰瘢痕化の予防および/または治療において、ならびにケロイド瘢痕および/または肥厚性瘢痕の予防および/または治療において利点を有し得る。
治療の方法
治療すべき障害
抗コネキシンポリヌクレオチドを使用して、過剰および/または異常または過剰瘢痕形成、特に肥厚性瘢痕およびケロイド瘢痕、広汎性瘢痕および萎縮性瘢痕を予防または阻害することができる。抗コネキシンポリヌクレオチドを使用して有利に治療すべきである他の状態は、肝臓の移植、硬変、肺線維症の後、新生児の急性呼吸窮迫症候群または他の肺線維症、および一時的プロテーゼの移植の後の、過剰および/または異常または過剰瘢痕の予防を含む。
本発明の方法を使用して、ヒトまたは他の哺乳動物、特に過剰瘢痕形成する傾向がある個体における、肥厚性創傷、ケロイドおよび過剰火傷瘢痕、萎縮性瘢痕、および広汎性瘢痕などの瘢痕形成を最小化または予防することができる。抗コネキシンポリヌクレオチドは、単独または別の抗瘢痕または創傷治癒剤との併用またはそれらの前に、瘢痕修正手術ありまたはなしで、現在存在する異常または過剰瘢痕に適用して、瘢痕過程を逆行し、瘢痕組織をほぼ除去するかまたは低減することができる。本発明を治療上使用して、過剰瘢痕形成に関する疾患、状態および手順を制御することができる。
治療レジメ
一実施形態では、本発明の抗コネキシンポリヌクレオチドまたは(1または複数の)他の組成物を、典型的には損傷もしくは外科手術時またはその直後のいずれかで投与する。あるいはそれは、治癒中に過剰瘢痕形成を示す、既存の異常または過剰瘢痕または創傷に適用することができる。
抗コネキシンポリヌクレオチドは、創傷治癒を妨げずに、ただし予防または低減する創傷部位での血管増殖の量を低減する用量およびレジメンで投与する。抗コネキシンポリヌクレオチドは、瘢痕内または創傷領域(ケロイド)の外側で、高密度細胞および結合組織の形成を予防または低減する用量およびレジメンで投与することもできる。増加したレベルの細胞および沈着結合組織を有するために、血管新生を介して高い栄養供給を有していなければならない。用量は典型的には腫瘍増殖の阻害に使用するのと同じ範囲内にあるが、創傷治癒は典型的にははるかに短い時間で起こるので、異なるクラスの対象に異なる時間の間投与する。さらに、局所投与または徐放性製剤で投与するとき、創傷治癒を妨げないために用量は低くてよい。
本発明は、過剰瘢痕形成、特に肥厚性創傷治癒障害、肥厚性瘢痕およびケロイドなどを最小化または予防するための方法に関する。具体的には、この方法は、瘢痕を最小化する、または肥厚性瘢痕の形成を予防するのに十分な時間の間、有効量の抗コネキシンポリヌクレオチドを創傷部位に投与することを含む。
本発明は、過剰および/または異常または過剰瘢痕形成、特に肥厚性創傷治癒障害、肥厚性瘢痕およびケロイド、ならびに萎縮性瘢痕、および広汎性瘢痕などを最小化または予防するための方法に関する。具体的には、この方法は、瘢痕を最小化する、または異常または過剰瘢痕の形成を予防するのに十分な時間の間、有効量の抗コネキシンポリヌクレオチドを創傷部位に投与することを含む。
一実施形態では、完全な治療レジメンの一部として、抗コネキシンポリヌクレオチドを、単独またはタンパク質合成阻害剤(ステロイドなど)との組合せで投与することができる。例えば、ステロイドは、トリアムシノロンアセトニドなどの、コルチコステロイドおよび糖質コルチコステロイドから選択することができる。同様の目的で、ビタミンEを同時投与することができる。抗コネキシンポリヌクレオチドは、瘢痕上または中へのその直接注射、またはその局所適用、または創傷部位上または中へのその滴下注入などによって、創傷部位に適用する。ステロイドまたはビタミンEを抗コネキシンポリヌクレオチドと共に使用する場合、ステロイドは同時投与する、または好ましくは1〜2日以内、または2週間の期間の間以内に創傷部位に後に適用することができる。ステロイドは創傷部位に直接的にも投与する。それは注射または局所適用することができる。それらを投与する形式が何であれ、抗コネキシンポリヌクレオチドおよび/またはステロイドは薬学的に許容される賦形剤と混合して、創傷部位への薬剤の局在を容易にすることができる。同様に、治療剤(例えば、非ステロイド系抗炎症剤)は、抗コネキシンポリヌクレオチドと同時投与することができる。化合物を徐放性製剤カプセル中に入れて、全身性副作用なしで治療用量において、連続的治療をもたらすことができる。
一実施形態では、異常または過剰瘢痕含量を、有効量の抗コネキシンポリヌクレオチドを肥厚性または他の異常もしくは過剰創傷部位に投与することによって最小化することができる。抗コネキシンポリヌクレオチドは単独、または併用で投与することができ、または次にタンパク質合成阻害剤(例えば、ステロイド)を投与することができる。例えば、ステロイドは、抗コネキシンポリヌクレオチドと同時投与することができ、または好ましくは2週間間隔以内で、抗コネキシンポリヌクレオチドの適用の後に、別々に適用することができる。ステロイドありまたはなしでの、抗コネキシンポリヌクレオチドを用いた創傷部位の治療は、異常または過剰瘢痕領域を最小化するのに十分な時間の間継続するべきである。適切な抗コネキシンポリヌクレオチドは本明細書に記載するポリヌクレオチドを含み、アンチセンスオリゴヌクレオチドなどの化合物だけには限られないが、これらを含む。有効に投与することができる抗コネキシンポリヌクレオチドの量は、使用する抗コネキシンポリヌクレオチドの型および治療する瘢痕または瘢痕部位に依存し、かつ治療中に瘢痕または瘢痕部位をモニタリングすることによって確認することができる。瘢痕または瘢痕部位に応じて、その量をしかるべく調節することができる。抗コネキシンポリヌクレオチドの有効量は、約10μMと1mMの範囲内であり得る。使用することができるステロイドには、トリアムシノロンアセトニド(KENALOG(商標)としても公知である)などのコルチコステロイドおよび糖質コルチコステロイド、およびビタミンE(α−トコフェロール)(Ehrlichら、1972年、Ann.Surg.75:235巻)があるが、これらだけには限られない。有効に投与することができるステロイドの量は、使用するステロイドの型に依存し得る。ステロイドありまたはなしでの、様々な型の創傷瘢痕に対する抗コネキシンポリヌクレオチド治療の影響は実施例中に例示する。
一実施形態では、本明細書に記載する治療法のいずれか1つは、1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤の投与をさらに含む。固定した組合せとして投与しないとき、好ましい方法は、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤の逐次投与を含む。ポリヌクレオチドと薬剤は、互いに少なくとも約30分以内に逐次投与することが好ましい。ポリヌクレオチドと薬剤は、互いに約1時間で、互いに約1日〜約1週間で、または他に適切であるとみなされるように投与することもできる。抗コネキシンポリヌクレオチドは、最初に投与することが好ましい。
別の実施形態では、異常または過剰または過剰瘢痕を治療および/または予防するために、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドと、1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤の片方または両方を、ポリヌクレオチドまたは薬剤を単独で投与するとき、すなわち物理的または創傷の治療過程中のいずれかでそれらを併用投与しないときに使用する量または用量未満である、量または用量で提供する。投与する薬剤のこのような少量は、典型的には単独で投与される場合の薬剤の量の約20分の1〜約10分の1の量であり、そして単独で投与される場合の約8分の1の量、約6分の1の量、約5分の1の量、約4分の1の量、約3分の1の量、および約半分の量であり得る。
異常または過剰瘢痕を治療または予防するために、許容される用量の抗コネキシンポリヌクレオチドを投与する方法は、創傷の位置および瘢痕の程度に依存する。特に、抗コネキシンポリヌクレオチドは、単独または薬学的に許容される賦形剤との併用のいずれかで、瘢痕または瘢痕部位の表面に局所適用することができる。抗コネキシンポリヌクレオチドは瘢痕または瘢痕部位に注射することができ、または抗コネキシンポリヌクレオチドは、徐放性ポリマーまたは他のマトリクス中に取り込ませることが可能であり、治療する瘢痕または瘢痕部位に外科手術により移植することが可能である。外科手術による移植は、大きい異常または過剰瘢痕または瘢痕部位を治療または予防するのに有利である。これによって、患者に悪影響を与えずまたは循環中に過剰量の薬剤を放出せずに、抗コネキシンポリヌクレオチドを瘢痕または瘢痕部位に局在させることが可能である。ステロイドを抗コネキシンポリヌクレオチドと共に、またはその後に使用する場合、許容される用量のステロイドを、様々な方法によって投与することができる。例えばステロイドは、単独または薬学的に許容される賦形剤との併用のいずれかで、創傷部位の表面に局所適用することができ、創傷部位に注射することができ、または徐放性マトリクス中に取り込ませ、治療する領域に外科手術により移植することが可能である。
細胞形状およびマトリクス分解の変化をもたらす細胞骨格タンパク質の脱重合は、本発明の方法を使用して制御することができる。これに続いて、本発明を使用してエキソサイトーシスを制御および阻害することができる。特に線維芽細胞を、望ましい程度でマトリクスを分解しエキソサイトーシスを遅延するのに十分な、有効量のカルシウムアンタゴニストと接触させる。抗コネキシンポリヌクレオチドと対象の線維芽細胞および有効量のこれらの薬剤を接触させる方法は前に記載されている。
組成物
本発明は、異常または過剰瘢痕化(例えば、ケロイドまたは肥厚性瘢痕または他の異常もしくは過剰瘢痕)を治療または予防するのに有用である医薬組成物および製剤を対象とし、この組成物または製剤は、治療有効量の1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、コネキシンアンチセンスポリヌクレオチドなどを含む。
1つの好ましい形では、異常または過剰瘢痕化(例えば、ケロイドまたは肥厚性瘢痕または他の異常もしくは過剰瘢痕)を治療または予防するのに有用である組成物は、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、例えば1つのコネキシンタンパク質のみのmRNAに対するコネキシンアンチセンスポリヌクレオチドを含有する。このコネキシンタンパク質は、コネキシン43であることが最も好ましい。
あるいは、異常または過剰瘢痕化(例えば、ケロイドまたは肥厚性瘢痕または他の異常もしくは過剰瘢痕)を治療または予防するのに有用である組成物は、2つ以上のコネキシンタンパク質に対するポリヌクレオチドを含むことができる。ポリヌクレオチドが対象とするコネキシンタンパク質の1つは、コネキシン43であることが好ましい。オリゴデオキシヌクレオチドが対象とする他のコネキシンタンパク質は、例えばコネキシン26、30、31.1、32、および37を含むことができる。様々なコネキシンを対象とする適切な例示的ポリヌクレオチド(およびODN)は表1中に述べる。
本発明の多くの態様は、オリゴデオキシヌクレオチドを参照して記載する。しかしながら、他の適切なポリヌクレオチド(RNAポリヌクレオチドなど)を、これらの態様中で使用することができることは理解されよう。他の抗コネキシンオリゴヌクレオチドは、RNAiおよびsiRNAオリゴヌクレオチドである。
したがって、一態様では本発明は、少なくとも1つの抗コネキシンポリヌクレオチド、好ましくは抗コネキシン43ポリヌクレオチドを含む、異常または過剰瘢痕化(例えば、ケロイドまたは肥厚性瘢痕または他の異常もしくは過剰瘢痕)を治療または予防するための、療法治療において使用するための組成物を提供する。好ましい実施形態では、組成物は薬学的に許容される担体または賦形剤をさらに含む。別の実施形態では、組成物は1または複数の治療剤、1または複数の創傷治癒に有用な薬剤および/または1または複数のタンパク質合成阻害剤をさらに含む。
キット、医薬品および製品
一態様では本発明は、異常または過剰瘢痕化(例えば、ケロイドまたは肥厚性瘢痕または他の異常もしくは過剰瘢痕)を治療または予防するためのキットを提供する。キットは本明細書に記載する1または複数の組成物を含むことができる。例えばキットは、異常または過剰瘢痕を有する、その危険性がある、またはその素因がある対象を治療するのに有効な、有効量の1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、例えば抗コネキシン43ポリヌクレオチドを含む組成物を含むことができる。一実施形態ではキットは、繊維症、障害または状態を有する、その危険性がある、またはその素因がある対象を治療するのに有効な、有効量の1または複数のポリヌクレオチドホモログを含む組成物を含む。別の実施形態ではキットは、以下の:治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤(例えば、ステロイドまたはビタミンE)の1または複数を含む第二容器をさらに含む。
場合によっては、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドを、異常または過剰瘢痕化(例えば、ケロイドまたは肥厚性瘢痕または他の異常もしくは過剰瘢痕)を治療または予防するのに有用である医薬品の製造において使用することもできる。一実施形態では、医薬品は治療有効量の抗コネキシンポリヌクレオチド、好ましくは抗コネキシン43ポリヌクレオチド、および薬学的に許容される担体を含む。
別の態様では本発明は、有効量の1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、例えば抗コネキシン43ポリヌクレオチドを含有する容器、および異常または過剰瘢痕を有する、その危険性がある、またはその素因がある対象を治療するための使用を含む使用のための指示書を含む、異常または過剰瘢痕化(例えば、ケロイドまたは肥厚性瘢痕化または他の異常もしくは過剰瘢痕化)を治療または予防するのに有用である製品を含む。一実施形態では容器は、1または複数の治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤をさらに含む。別の実施形態では製品は、以下の:治療剤、創傷治癒に有用な薬剤、および/またはタンパク質合成阻害剤(例えば、ステロイドまたはビタミンE)の1または複数を含む第二容器をさらに含む。
本発明の一層の理解は、以下の実験項を参照することによって得られる。以下の実験は例示的であり、決して本発明または特許請求の範囲を制限することを目的としない。
(実施例1)
マウスモデルにおける瘢痕形成の阻害
以下の例示的な配列:GTAATTGCGGCAGGAGGAATTGTTTCTCTC(コネキシン43)(配列番号2)およびGACAGAAACAATTCCTCCTGCCGCATTTAC(センス対照)(配列番号7)を用いて調製された抗コネキシン43ポリヌクレオチド製剤を逐次投与する方法を、異常瘢痕形成または過剰瘢痕形成の治療における効力について評価する。
大部分が6〜8週齢であり一部が14〜16週齢である成体マウスにおいて、マウスの全層創傷を作る。マウスを抗コネキシンポリヌクレオチドで60日間前処理し、そして創傷を作り、治癒をモニターする。マウスは、所望の用量の抗コネキシンポリヌクレオチド(例えば、抗コネキシン43ポリヌクレオチド)を一日おきに皮下投与して処置する。
切除後7日目、12日目、および17日目に採取した開いたマウスの創傷について、組織顕微鏡写真撮影を行う。生検材料を固定し、包埋し、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色する。
採取した創傷組織について試験し、抗コネキシンポリヌクレオチドの効果または瘢痕形成を評価する。処置動物の血管密度および肉芽組織について、非処置対照と比較試験する。処置動物の間葉細胞の浸潤について非処置動物と比較試験する。12日目に、対照の開いた創傷について試験し、再上皮化の程度および開存性の血管の密度を、処置した創傷と比較して評価する。さらに、処置動物および対照動物において、処置した肉芽組織中の間葉細胞の密度を試験する。17日目に、処置、非処置両方のマウス創傷について閉鎖の程度を観察する。非処置マウスにおける血管密度について、処置マウスと比較試験する。その一方、傷つけた後17日目に、処置マウスおよび非処置マウスにおいて、間葉細胞の密度および表皮の厚さを観察する。上皮が厚いほど、また間葉細胞の密度が大きいほど、瘢痕の成熟が遅延したことが示されると思われる。
(実施例2)
創傷治癒中の瘢痕化の阻害
過剰瘢痕化の予防において抗コネキシンポリヌクレオチド(例えば抗コネキシン43ポリヌクレオチド)を、マウスモデルを用いて評価する。
マウスを、基本的に実施例1に記載の通りに処置する。
処置マウスおよび対照マウスにおいて、創傷内の塩基性線維芽細胞増殖因子の内因性合成を観察する。
対照マウスおよび処置マウスの創傷における組織学的分析により、創傷の作製後一日おきに抗コネキシン剤で処置したマウスの全層創傷の収縮を非処置マウスと比較した。創傷の作製後、抗コネキシンポリヌクレオチドで一度の処置、および一日おきに繰り返し適用した処置による、創傷および瘢痕化の完全収縮の遅れに対する効果を観察する。
抗コネキシンポリヌクレオチドの全身投与後の線形瘢痕の破壊強度について、傷つけた後7日目および傷つけた後12日目、ならびに最適には40日目に観察する。傷つけた後0日目、2日目、4日目または傷つけた後0日目、2日目、4日目、6日目、8日目、および10日目に抗コネキシンポリヌクレオチドを与え、創傷および瘢痕形成に対する効果を観察する。
(実施例3)
ヒトケロイドおよび肥厚性瘢痕に対する、糖質コルチコイドと併用する抗コネキシンポリヌクレオチドの影響の試験
試験した対象は、糖質コルチコイド(Kenalog(商標))を用いた多数の治験に反応しなかった難治性ケロイド瘢痕を有する対象である。
抗コネキシンポリヌクレオチドが瘢痕基質の分解を誘導し、瘢痕の肉眼的収縮および軟化をもたらすことができるかどうか決定するために、3人の対象に、1〜50マイクログラム以上の抗コネキシンポリヌクレオチド、例えば抗コネキシン43ポリヌクレオチドを1つの病巣に、および1mMのリドカインを身体の同側または対側領域中の類似した病巣に与える。
抗コネキシンポリヌクレオチドまたはリドカインを用いた治療後、瘢痕の軟化に関して瘢痕を観察する。後の隔週の注射に対するケロイド瘢痕の反応を観察する。肥厚性瘢痕を有する対象において、抗コネキシンポリヌクレオチド療法に対する反応も、瘢痕のさらなる軟化および減退に関して観察する。
火傷瘢痕を有する対象における抗コネキシンポリヌクレオチドの影響も、このプロトコルを使用して観察する。
(実施例4)
抗コネキシン剤は、好都合には、本発明の方法による投与に適する形態に調合される。
適当な製剤は、以下の調合剤の混合物を含む。1つまたは複数の個々の抗コネキシン剤および調合剤の量は、予定される特定の用途に依存するはずである。
(実施例5)
本発明の方法による使用のための製剤を、下記の割合で化合物を混合することによって調製する。1つの好ましい実施形態において、抗コネキシン剤は、抗コネキシンポリヌクレオチドである。他の実施形態において、抗コネキシン剤は、抗コネキシンポリヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチド、例えば、配列番号1のアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
製剤A
以下の材料で構成されている(%w/w)−リン酸塩緩衝化食塩水中抗のコネキシン剤(0.47%);メチルパラベン(0.17%);プロピルパラベン(0.03%);プロピレングリコール(1.5%);HPMC(1.5%);および10mMリン酸緩衝液(96.33%)。製剤は、pH約6.74および浸透圧モル濃度244の透明なゲルである。
製剤B
以下の材料で構成されている(%w/w)−リン酸塩緩衝化食塩水中の抗コネキシン剤(0.47%);メチルパラベン(0.17%);プロピルパラベン(0.03%);プロピレングリコール(1.5%);HPMC(1.5%);0.5%BAC(0.1%);および10mMリン酸緩衝液(96.23%)。製剤は、pH約6.65および浸透圧モル濃度230の透明なゲルである。
製剤C
以下の材料で構成されている(%w/w)−リン酸塩緩衝化食塩水中の抗コネキシン剤(0.47%);メチルパラベン(0.17%);プロピルパラベン(0.03%);プロピレングリコール(1.5%);HPMC(1.5%);ポリクオタニウム10(0.5%);ポロキサマー188(0.1%);および10mMリン酸緩衝液(95.73%)。製剤は、pH約6.59および浸透圧モル濃度233のやや濁ったゲルである。
製剤D
以下の材料で構成されている(%w/w)−リン酸塩緩衝化食塩水中の抗コネキシン剤(0.47%);メチルパラベン(0.17%);プロピルパラベン(0.03%);プロピレングリコール(1.5%);HPMC(1.5%);SLES(0.5%);および10mMリン酸緩衝液(95.83%)。製剤は、pH約6.8および浸透圧モル濃度246の透明なゲルである。
製剤E
以下の材料で構成されている(%w/w)−リン酸塩緩衝化食塩水中の抗コネキシン剤(0.47%);メチルパラベン(0.17%);プロピルパラベン(0.03%);プロピレングリコール(1.5%);HPMC(1.5%);ポロキサマー188(0.1%);25Kポリエチレンイミン(0.075%);および10mMリン酸緩衝液(96.155%)。製剤は、pH約7.8および浸透圧モル濃度249の濁ったゲルである。
製剤F
以下の材料で構成されている(%w/w)−リン酸塩緩衝化食塩水中の抗コネキシン剤(0.47%);メチルパラベン(0.17%);プロピルパラベン(0.03%);プロピレングリコール(1.5%);HPMC(1.5%);ヒアルロン酸ナトリウム(0.1%);および10mMリン酸緩衝液(96.23%)。製剤は、pH約6.88および浸透圧モル濃度289の透明なゲルである。
製剤G
以下の材料で構成されている(%w/w)−リン酸塩緩衝化食塩水中の抗コネキシン剤(0.47%);メチルパラベン(0.17%);プロピルパラベン(0.03%);プロピレングリコール(1.5%);ヒアルロン酸ナトリウム(1.0%);および10mMリン酸緩衝液(96.83%)。製剤は、pH約6.81および浸透圧モル濃度248の透明なゲルである。
本明細書において参照されたかまたは言及されたすべての特許、出版物、科学論文、ウェブサイトならびに他の文書および資料は、本発明が属する技術分野の当業者の技術水準を示すものであり、これらの参照文書および資料はそれぞれ、個別にその全体が参照により組み込まれたか、またはその全体が本明細書に記載された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。出願人は、任意の上記の特許、出版物、科学論文、ウェブサイト、電子的に利用可能な情報、および別の参照資料または文書の、任意のおよびすべての資料および情報を本明細書に物理的に組み込む権利を保有する。
本特許の書面による明細部分は、全ての特許請求の範囲を含む。さらに、全ての本来の特許請求の範囲ならびに任意および全ての優先権書類からの全ての特許請求の範囲を含めた全ての特許請求の範囲は、本明細書の書面による明細部分中にそれらの全体が参考により援用され、本出願人は、本出願の書面による明細または任意の他の部分、任意および全てのこのような特許請求の範囲中に実際に援用する権利を有する。したがって、例えば、如何なる状況でも、本特許は、本特許の的確な表現が本特許の書面による明細中に言葉で定められていないという主張の下で、特許のための書面による明細を提供しないとして解釈すべきではない。
本特許は法に従い解釈され得る。しかしながら、主張または認識される任意の特許またはその一部分の解釈の容易性または難易性にもかかわらず、如何なる状況においても、本特許が従来技術の一部分を形成しないその任意および全ての均等物に対する任意の権利を放棄したという解釈につながる1または複数の出願の続行中に、特許または任意のその一部分の修正または補正があり得る。
本明細書中に開示する全ての特徴は、任意の組合せで組み合わせることができる。したがって、明らかに他のことを言及しない限り、開示するそれぞれの特徴は、包括的系列の均等または類似した特徴の単なる一例である。
本発明をその詳細な説明と共に記載してきたが、前述の説明は本発明の範囲を制限するのではなく例示するものとし、それは添付の特許請求の範囲の範囲によって定義されることを理解されたい。したがって、前述の説明から、本発明の具体的な実施形態は例示の目的で本明細書に記載しているが、本発明の精神および範囲から逸脱せずに様々な変更形態を作製することができることは理解されるはずである。他の態様、利点、および変更形態が以下の特許請求の範囲の範囲内にあり、本発明が添付の特許請求の範囲以外によって制限されることはない。
本明細書に記載されている具体的な方法および組成物は、好ましい実施形態を代表するものであり、それらは例示的であって本発明の範囲を限定するものではない。別の目的、態様、および実施形態が、本明細書を考慮すれば当業者には思いつくはずであり、本特許請求の範囲によって定義されている通り本発明の精神に包含される。本発明の範囲および精神から逸脱することなく、様々な置換および変更を本明細書に開示されている本発明に対して行ってもよいことが、当業者には容易に明らかとなるはずである。例示的に本明細書に適当に記載されている本発明は、本明細書において不可欠であると特に開示されていない任意の1つまたは複数の要素、あるいは1つまたは複数の限定の不在下で実施されてもよい。したがって、例えば、本発明の実施形態または実施例において、「含む(comprising)」、「含んでいる(including)」、「含有している」などの用語は、包括的であって限定ではないと読み取るべきである。例示的に本明細書に記載されている方法およびプロセスは、異なる順序の工程で適当に実施されてもよく、必ずしも本明細書または本特許請求の範囲に示された工程の順序に制限されない。
採用されている用語および表現は、説明であって限定するものではない用語として使用され、このような用語および表現の使用において、示されているおよび説明されている特徴のいかなる均等物またはその一部も除外する意図はないが、請求されている本発明の範囲内で様々な変更形態が可能であることが認識される。したがって、本発明を、好ましい実施形態および任意選択の特徴によって具体的に開示してきたが、本明細書に開示されている概念の変更形態および変形形態が当業者によって用いられてもよいこと、およびこのような変更形態および変形形態が、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内であるとみなされることが理解されるはずである。
本発明が、本明細書において広く一般的に記載された。一般的開示に含まれるそれぞれのより狭い種(species)および亜属集団(subgeneric grouping)もまた、本発明の一部を形成する。これは、削除された材料が本明細書で具体的に挙げられているか否かに関係なく、その属の任意対象を除くという条件または否定的な限定を伴う本発明の一般的記載を含む。
本明細書および添付の特許請求の範囲中で使用するように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り複数形の言及を含み、用語「Xおよび/またはY」は「X」または「Y」または「X」と「Y」の両方を意味し、かつ名詞の後の文字「s」はその名詞の複数形と単数形の両方を示すことも理解されたい。さらに、本発明の特徴または態様をマーカッシュ群の点で記載する場合、本発明はマーカッシュ群の任意の個々の要素および要素の任意の要素亜群を含み、したがってさらにそれらに関して記載され、かつ本出願人は出願または特許請求の範囲を補正して、マーカッシュ群の任意の個々の要素または要素の任意の亜群を具体的に言及する権利を有するものとし、かつ当業者はそのことを理解しているはずである。
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。本特許は、本明細書に特に開示されている具体的な実施例または実施形態または方法に限定されると解釈されるものではない。いかなる場合においても、本特許は、そのような陳述が、出願者人による答弁書において明確に認められた限定または制限がなければ、特許商標庁のいかなる審査官またはいかなる別の当局者もしくは関係者によってなされたいかなる陳述によっても限定されると解釈されるものではない。