JP2015057121A - 姿勢矯正器 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型・軽量で使い勝手に優れ、運動をしながら骨盤や胸郭下部の歪みを効果的に左右対称な位置関係に矯正して姿勢を矯正できる器具を提供する。【解決手段】姿勢矯正器は、左右の寛骨の前側に当接する寛骨前部圧迫部、左右の寛骨の後側に当接する寛骨後部圧迫部、左右の胸郭下部の前側に当接する胸郭前部圧迫部、及び左右の胸郭下部の後側に当接する胸郭後部圧迫部の四つの圧迫部のうちの少なくとも一つ以上と、二本の締付ベルトとを備え、外周を包囲する態様で身体に装着される。寛骨前部圧迫部は寛骨を前方外側から後方中央へ誘導する傾斜面を備え、寛骨後部圧迫部は寛骨を後方外側から中央へ誘導する傾斜面を備え、胸郭F前部圧迫部は肋骨を前方から左右に拡張させる方向に誘導する傾斜面を備え、胸郭後部圧迫部は肋骨の前側が左右に拡張するように誘導する傾斜面を備え、それぞれ単独で身体への押圧調整ができる。【選択図】図3

Description

本発明は、骨盤や胸郭下部の歪みを矯正する姿勢矯正器に関するものである。
腰痛の原因には、骨・関節・筋による腰痛、内蔵疾患による腰痛、加齢による腰痛などがある。このうち、骨・関節・筋による腰痛を解消させる技術として、例えば特許文献1には、ユーザーがベースに立ち、背部又は正面及び骨盤が実質的に痛みのない位置を見つけて、骨盤を支持パッドで圧迫して拘束する装置が開示されている。この技術は、ユーザーが背部を動かすときに脊椎及び骨盤が股関節の周りを回転しないようにし、脊椎自身の回転及び仙腸関節の骨盤の周りの回転となるようにするものである。
特許文献1:特開2008−272449号公報
腰痛のうち骨盤の歪みに起因するのは、例えば、仙骨と該仙骨の左右に隣接する寛骨との相互の位置関係が、どちらかの傾きによって位置ずれすることによるものであり、これによって仙腸関節がずれ、寛骨と仙骨との間の仙腸関節を中心に痛みが生じて腰痛となる。さらに、背骨のねじれにより胸郭全体が左右非対称になっていると、息を吸うときや身体をそらすときに胸郭の上位部が上方に移動した際に、その胸郭下部が左右に開くことなく上位部と共に上方に移動し、これにより骨盤又は腰椎に負荷を掛けてしまうことによっても腰痛を生じる。
特許文献1に記載の装置は、実質的に前屈または後屈中の痛みを消失させられる位置を見つけて骨盤を支持パッドで圧迫して拘束する技術であるため、例えば上記腰痛の原因である仙骨と該仙骨の左右に隣接する寛骨との相互の位置関係のずれを、歩行やゴルフスイング等の各人が手足を使った自由度の高い運動の中で矯正できないという問題があった。また、その拘束技術が不十分であり、骨盤と胸郭を確実に左右対称な位置関係に促す効果の点で不十分であった。
また、床に載置するベースや、そのベースから立設された脚部を備えるために大型であるので、設置スペースを必要とし、使用中は略直立姿勢で身体を拘束され続けるので使いにくいという問題があった。
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、小型・軽量で使い勝手に優れ、腕を回す、前後屈、歩行、しゃがむ又はゴルフスイング等の各個人が手足を使った自由度の高い運動をしながら骨盤や胸郭下部の歪みを効果的に左右対称な位置関係に矯正して姿勢を矯正することのできる器具を提供することを課題とする。
本発明において、「内側」とは身体の正中線方向を意味し、「外側」とは身体の正中線から離れる側の方向を意味する。また、骨盤Aは図7に示すように左右一対の寛骨B、仙骨S、尾骨と、これらを連結する恥骨結合や仙腸関節Jで構成され、胸郭Fは図10に示すように左右の肋骨G、胸椎、胸骨で構成されている。
請求項1に記載の姿勢矯正器1は、身体の骨盤A近傍の腰部の外周を包囲する態様で該身体に装着し骨盤Aの歪みを矯正する器具、及び/又は、身体の胸郭F下部の外周を包囲する態様で該身体に装着し胸郭F下部の歪みを矯正する器具を備える姿勢矯正器1であって、
左右の寛骨Bの前側近傍の腹部に当接する寛骨前部圧迫部2、左右の寛骨Bの後側近傍の腰部に当接する寛骨後部圧迫部3、左右の胸郭F下部の前側近傍に当接する胸郭前部圧迫部4、及び左右の胸郭F下部の後側近傍に当接する胸郭後部圧迫部5の四つの圧迫部のうちの少なくとも一つ以上の組み合わせと、
身体の前側の腹部又は胸郭F下部の横方向の長さを有する略帯状体のフロントフレーム7と、該フロントフレーム7の外側の左側端部に上下に配設した二つの第一ベルト巻取り機構10及び右側端部に上下に配設した二つの第二ベルト巻取り機構11と、一端部が前記第一ベルト巻取り機構10に締結され、他端部が前記第二ベルト巻取り機構11に締結された二本の伸縮しない締付ベルト9とを備えた身体の外周を包囲する態様で装着する身体装着具6と、を備え、
身体の骨盤A近傍の腰部の外周及び身体の胸郭F下部の外周の2箇所の外周を包囲する場合は二つの前記身体装着具6を構成要素とし、身体の骨盤A近傍の腰部の外周又は身体の胸郭F下部の外周の1箇所の外周を包囲する場合は一つの前記身体装着具6を構成要素とし、
前記寛骨前部圧迫部2が、前記フロントフレーム7の内側の左側端部に配設した第一フロントパッド20及び右側端部に配設した第二フロントパッド21を備え、前記第一及び第二フロントパッド21、22の身体への接触面形状が、左右の寛骨Bの前側を押圧し寛骨Bを前方外側から後方中央へ誘導可能に形成した傾斜面24からなり、
前記寛骨後部圧迫部3が、左右の寛骨Bの後部を圧迫可能な横方向の長さを有するバックフレーム8と、該バックフレーム8の内側の左側端部に配設した第一バックパッド30及び右側端部に配設した第二バックパッド31と、該第一及び第二バックパッド30、31の配設位置のバックフレーム8を挟んだそれぞれのバックフレーム8の外側の位置に前記2本の締付ベルト9をそれぞれ上下で別々に挿通させるベルト挿通部36とを備え、該ベルト挿通部36に前記締付ベルト9を挿通させて、前記第一及び第二バックパッド30、31の身体への接触面形状が、左右の寛骨Bの後側を押圧し寛骨Bを後方外側から中央へ誘導可能に形成した傾斜面34からなり、
前記胸郭前部圧迫部4が、前記フロントフレーム7の内側の左側端部に配設した第三フロントパッド22及び右側端部に配設した第四フロントパッド23を備え、前記第三及び第四フロントパッド22、23の身体への接触面形状が、左右の肋骨Gの前側を押圧し肋骨Gを前方から左右に拡張させる方向に誘導可能に形成した傾斜面25からなり、
前記胸郭後部圧迫部5が、左右の肋骨Gの後部を圧迫可能な横方向の長さを有するバックフレーム8と、該バックフレーム8の内側の左側端部に配設した第三バックパッド32及び右側端部に配設した第四バックパッド33と、該第三及び第四バックパッド32、33の配設位置のバックフレーム8を挟んだそれぞれのバックフレーム8の外側の位置に前記2本の締付ベルト9をそれぞれ上下で別々に挿通させるベルト挿通部36とを備え、該ベルト挿通部36に前記締付ベルト9を挿通させて、前記第三及び第四バックパッド32、33の身体への接触面形状が、左右の肋骨Gの後側を内側に向けて押圧し肋骨Gの前側が左右に拡張するように誘導可能に形成した傾斜面35からなり、
前記第一ベルト巻取り機構10の上側の締付ベルト9を巻き取る方向に操作をすると、身体の左側の第一又は第三フロントパッド20、22、並びに/あるいは、第一又は第三バックパッド30、32の上側が優先されて身体を締め付け、前記第一ベルト巻取り機構10の下側の締付ベルト9を巻き取る方向に操作をすると、身体の左側の第一又は第三フロントパッド20、22、並びに/あるいは、第一又は第三バックパッド30、32の下側が優先されて身体を締め付け、前記第二ベルト巻取り機構11の上側の締付ベルト9を巻き取る方向に操作をすると、身体の右側の第二又は第四フロントパッド21、23、並びに/あるいは、第二又は第四バックパッド31、33の上側が優先されて身体を締め付け、前記第二ベルト巻取り機構11の下側の締付ベルト9を巻き取る方向に操作をすると、身体の右側の第二又は第四フロントパッド21、23、並びに/あるいは、第二又は第四バックパッド31、33の下側が優先されて身体を締め付けることを特徴とする。
請求項2に記載の姿勢矯正器1は、請求項1において、前記第一ベルト巻取り機構10又は前記第二ベルト巻取り機構11が前記フロントフレーム7に対して着脱自在としたことを特徴とする。
請求項1に記載の姿勢矯正器1は、図8に示すように腰痛の原因となる左右の寛骨Bが回転して前後方向でずれて左右非対称になったり、左右の寛骨Bと中央の仙骨Sとがずれることによって左右いずれかの仙腸関節Jがずれている場合に、すなわち骨盤Aに歪みが生じている場合に、寛骨前部圧迫部2によって左右の寛骨Bの前側の突起部分を前方から後方に押し寛骨Bを左右対称な状態に押し戻して姿勢を矯正したり、また寛骨後部圧迫部3によって仙骨Sと左右の寛骨Bとの境界に位置する左右の仙腸関節Jを身体の左右方向の外方向から身体の中心方向に押して、寛骨Bと仙骨Sとの位置ずれすなわち仙腸関節Jのずれを解消させて姿勢を矯正するという効果を奏する。
また、図11に示すように腰痛の原因となる胸椎のねじれにより生ずる胸郭F下部が中心線Cに対してX方向にねじれて左右非対称になっている場合に、すなわち胸郭F下部に歪みが生じている場合に、または胸郭F下部が胸郭F上部と一体となって上方に移動する運動が習慣となっている場合に、胸郭前部圧迫部4によって左右の胸郭Fを前側から押して左右に胸郭Fが滑り広がるように誘導して左右非対称な胸郭Fが左右対称に側方へ拡張するようになり、また胸郭後部圧迫部5によって左右の肋骨Gの後側を内側に押圧し肋骨Gの前側が左右に拡張するように誘導して左右非対称な胸郭Fが左右対称になり、胸郭Fが左右対称になったことによって、呼吸や腕の回し等によって胸郭Fの上位部R1が上方に移動した際に、その下位部R2が左右に開くようになり骨盤A又は腰椎に負荷を掛けなくなって姿勢を矯正するという効果を奏する。
左右の寛骨Bの前側近傍の腹部に当接する寛骨前部圧迫部2、左右の寛骨Bの後側近傍の腰部に当接する寛骨後部圧迫部3、左右の胸郭F下部の前側近傍に当接する胸郭前部圧迫部4、及び左右の胸郭F下部の後側近傍に当接する胸郭後部圧迫部5の四つの圧迫部のうちの少なくとも一つ以上の組み合わせを選択することによって、寛骨Bの左右非対称や胸郭F下部の左右非対称などの左右非対称の部位や症状の悪化状況に応じて適正な矯正を行うことができる。寛骨前部圧迫部2、寛骨後部圧迫部3、胸郭前部圧迫部4及び胸郭後部圧迫部5の四つの圧迫部を身体に装着するときが最も矯正力が高い。
また、上下で2箇所を左右にそれぞれ配設して計4箇所にベルト巻取り機構とを設けたことにより、寛骨前部圧迫部2、寛骨後部圧迫部3、胸郭前部圧迫部4及び胸郭後部圧迫部5のそれぞれ左右別に上位部分と下位部分の4箇所がそれぞれ身体に対する押圧を単独に自在に変えることができるという効果を奏する。これにより寛骨Bの左右非対称や仙腸関節Jのずれによる骨盤Aの歪みや胸椎のねじれによる胸郭Fの歪みをより効果的に矯正することができる。
また、身体に装着した状態で歩行や体操など容易に動くことができるので、その動きと本発明の寛骨前部圧迫部2や寛骨後部圧迫部3による身体の特定の部位に対する押圧によって仙腸関節Jのずれすなわち骨盤Aの歪みを効果的に矯正することができ、身体に装着した状態で呼吸、前後屈、腕を回すなどの動きと本発明の胸郭前部圧迫部4や胸郭後部圧迫部5による身体の特定の部位に対する押圧によって胸郭F下部の歪みを効果的に矯正することができる。これにより身体の姿勢を矯正することができる。
本発明である姿勢矯正器1を身体に装着したまま歩行や体操等の運動をすると、身体に押圧させていた寛骨前部圧迫部2、寛骨後部圧迫部3、胸郭前部圧迫部4又は胸郭後部圧迫部5の押圧力が弱まることが生じるが、そのときに寛骨前部圧迫部2、寛骨後部圧迫部3、胸郭前部圧迫部4又は胸郭後部圧迫部5のそれぞれの左上、左下、右上又は右下のうちの緩みを生じたポイントに絞って、該ポイントに関連するベルト巻取り機構を回転させて締付ベルト9を身体に締め付けて押圧力を高めることができるので、運動することにより骨盤Aの歪みや胸郭F下部の歪みを効果的に矯正することができる。
さらに、極めて小型で軽量であるので、持ち運びが極めて容易であり、身体に装着して運動ができるなど使用勝手に極めて優れる。
請求項2に記載の姿勢矯正器1は、請求項1に記載の発明と同じ効果を奏するとともに、さらに、第一ベルト巻取り機構10又は第二ベルト巻取り機構11をフロントフレーム7に対して着脱自在としたので、身体への装着及び身体からの取り外しを極めて容易に行うことができる。
本発明に係る姿勢矯正器の身体装着具を示す概要正面図である。 身体装着具の一方のベルト巻取り機構を取り外した状態を示す説明図である。 一つの身体装着具に前部圧迫部及び後部圧迫部を装着した姿勢矯正器の前方からの概要図である。 寛骨又は胸郭後部圧迫部を装着した姿勢矯正器の概要背面図である。 寛骨前部圧迫部又は胸郭前部圧迫部を装着したフロントフレーム部の概要平面図である。 寛骨後部圧迫部又は胸郭後部圧迫部を装着したバックフレーム部の概要平面図である。 骨盤の構成の説明図である。 骨盤の左右非対称の説明図である。 寛骨前部圧迫部及び寛骨後部圧迫部により骨盤の歪みを矯正している状態を示す説明図である(概要平面図)。 胸郭の構成の説明図である。 胸郭前部圧迫部及び胸郭後部圧迫部により胸郭の歪みを矯正している状態を示す説明図である(概要平面図)。 使用者の骨盤近傍及び胸郭下部に姿勢矯正器を装着した状態を示す説明図である。
本発明の姿勢矯正器1は、図3、図9、図11及び図12に示すように、身体の骨盤A近傍の腰部の外周を包囲する態様で該身体に装着し骨盤Aの歪みを矯正する器具、及び/又は、身体の胸郭F下部の外周を包囲する態様で該身体に装着し胸郭F下部の歪みを矯正する器具を備える姿勢矯正器1であって、左右の寛骨Bの前側近傍の腹部に当接する寛骨前部圧迫部2、左右の寛骨Bの後側近傍の腰部に当接する寛骨後部圧迫部3、左右の胸郭F下部の前側近傍に当接する胸郭前部圧迫部4、及び左右の胸郭F下部の後側近傍に当接する胸郭後部圧迫部5の四つの圧迫部のうちの少なくとも一つ以上の組み合わせを備える。
したがって、姿勢矯正器1の組み合わせは、寛骨前部圧迫部2、寛骨後部圧迫部3、胸郭前部圧迫部4、胸郭後部圧迫部5、寛骨前部圧迫部2及び寛骨後部圧迫部3、寛骨前部圧迫部2及び胸郭前部圧迫部4、寛骨前部圧迫部2及び胸郭後部圧迫部5、寛骨後部圧迫部3及び胸郭前部圧迫部4、寛骨後部圧迫部3及び胸郭後部圧迫部5、胸郭前部圧迫部4及び胸郭後部圧迫部5、寛骨前部圧迫部2及び寛骨後部圧迫部3及び胸郭前部圧迫部4、寛骨前部圧迫部2及び寛骨後部圧迫部3及び胸郭後部圧迫部5、寛骨前部圧迫部2及び胸郭前部圧迫部4及び胸郭後部圧迫部5、寛骨後部圧迫部3及び胸郭前部圧迫部4及び胸郭後部圧迫部5、寛骨前部圧迫部2及び寛骨後部圧迫部3及び胸郭前部圧迫部4及び胸郭後部圧迫部5の15通りの組み合わせがある。
寛骨前部圧迫部2又は寛骨後部圧迫部3は、例えば図8に示すような寛骨Bの左右非対称、仙腸関節Jのずれ等の骨盤Aの歪みを矯正する効果を生じ、胸郭前部圧迫部4又は胸郭後部圧迫部5は、例えば図11に示すような肋骨Gの左右非対称等の胸郭F下部の歪みを矯正する効果が生じる。そして、単独の圧迫部を身体に装着する場合は単一の骨の部位の歪みが小さい場合に適用でき、複数の圧迫部の組み合わせを身体に装着する場合は単一の骨の部位の歪みが大きい場合や複数箇所の骨の部位に歪みが発生している場合に適用するのがよいことから、骨盤A近傍か胸郭F下部近傍かという部位に応じて、及び骨のずれ量や歪みの大きさに応じて姿勢矯正器1の組み合わせを行うのがよい。
本発明の姿勢矯正器1は、いずれの組み合わせであっても小型で軽量であるので、図12に示すように身体に装着して使用できるので、姿勢矯正器1を装着して歪みが矯正された状態で腕回し、前後屈、足踏み、歩行又はスクワット等の簡単な体操ができ、全身の筋肉と脳に歪みのない関節での運動パターンを学習でき矯正効果が持続されやすい。
そして、本発明の姿勢矯正器1は、寛骨前部圧迫部2、寛骨後部圧迫部3、胸郭前部圧迫部4又は胸郭後部圧迫部5を身体の外周を包囲する態様で装着するための身体装着具6を備える。身体の骨盤A近傍の腰部の外周及び身体の胸郭F下部の外周の2箇所の外周を包囲する場合は二つの身体装着具6を使用し、身体の骨盤A近傍の腰部の外周又は身体の胸郭F下部の外周の1箇所の外周を包囲する場合は一つの身体装着具6を使用する。
身体装着具6は、図1に示すように、身体の前側の腹部又は胸郭F下部の横方向の長さを有する略帯状体のフロントフレーム7と、該フロントフレーム7の外側の左側端部に上下に配設した二つの第一ベルト巻取り機構10及び右側端部に上下に配設した二つの第二ベルト巻取り機構11と、一端部が前記第一ベルト巻取り機構10に締結され、他端部が前記第二ベルト巻取り機構11に締結された二本の伸縮しない締付ベルト9とを備えている。
フロントフレーム7は、身体の前面の腹部又は胸郭F下部に当接する正面視で帯状であり、平面視で直線状、円弧状又は屈曲状等であり帯状であればどんな形態でもよく、薄板状であるが硬質合成樹脂、硬質ゴム、アルミニウム等の非鉄金属や木材等の剛性を有する材料からなる。
第一ベルト巻取り機構10及び第二ベルト巻取り機構11は、フロントフレーム7の左右の上下に二つずつ配設されており、全四つのベルト巻取り機構はそれぞれ独立して作動するようになっている。第一ベルト巻取り機構10及び第二ベルト巻取り機構11は、ラチェット機構を取り入れハンドル操作で締付ベルト9を巻き取る機構、ハンドルを回転させて締付ベルト9を巻取ってストッパーで止める機構、又は手で締付ベルト9を巻き取って布製テープである面ファスナーで止める機構等であって締付ベルト9を巻き取ることが可能な機構であれば構造に制限なくどんなベルト巻取り機構でもよい。
そして、第一ベルト巻取り機構10又は第二ベルト巻取り機構11のいずれか一方を、フロントフレーム7に対して着脱自在としている。例えば、図2に示すように、当該第一ベルト巻取り機構10を取付プレート52に取付け、この取付プレート52をフロントフレーム7に設けた係止突起50に着脱自在に係合させることによって着脱自在としている。着脱自在にすることによって、身体に姿勢矯正器1を装着するときに、締付ベルト9の一端を自由端とすることができ容易に身体に姿勢矯正器1を装着しやすくなるという効果を奏する。
また、ラチェット機構を取り入れハンドル操作で締付ベルト9を巻き取る機構について説明する。図5に示すように、第一ベルト巻取り機構10及び第二ベルト巻取り機構11は、それぞれラチェットハンドル53と、当該ラチェットハンドル53に係脱自在なラチェット歯車54と、ラチェット歯車54の回転方向を一方側に規制する歯止めを備える。そして、ラチェットハンドル53とラチェット歯車54を係合させた状態でラチェットハンドル53を、支持ピン55を軸として回動させることによって、巻回状態にある締付ベルト9を巻き取って締め付けることができる。また、フロントフレーム7中央部に配設した解除レバー51を操作して歯止めを全四つのラチェット歯車54の係合からを一気に解除させることができる。
次に、締付ベルト9について説明する。締付ベルト9は、上下方向に二本設けられ、それぞれの一端部が上下方向でそれぞれ対応する第一ベルト巻取り機構10に締結されると共に、他端部が上下方向でそれぞれ対応する第二ベルト巻取り機構11に締結されている。また、その略中間部は寛骨後部圧迫部3又は胸郭後部圧迫部5を使用する形態の場合にはバックフレーム8を挿通している。なお、この挿通は、バックフレーム8の外側の面の両端部に締付ベルト9が自在に挿通できる大きさのベルト挿通部36を形成することによって行っている。そして、締付ベルト9は、姿勢矯正器1を身体に装着してベルト巻取り機構による巻取る力によって伸縮しにくいベルトであればよく、植物繊維製ベルト、合成繊維製ベルト、革製ベルト又はアラミド繊維製ベルト等のいずれのベルトでもよい。
次に、寛骨前部圧迫部2、寛骨後部圧迫部3、胸郭前部圧迫部4及び胸郭後部圧迫部5について説明する。
まず、寛骨前部圧迫部2について説明する。寛骨前部圧迫部2は、図3や図5に示すように、第一フロントパッド20及び第二フロントパッド21からなる。第一フロントパッド20は前記フロントフレーム7の身体側に当接する側の左側端部に配設され、第二フロントパッド21は前記フロントフレーム7の身体側に当接する側の右側端部に配設される。そして、第一フロントパッド20及び第二フロントパッド21は、それぞれ正面視で少なくとも左右の寛骨Bを圧迫可能な大きさの面積を有する、四角形状、多角形状や楕円形状等の形状を有し、かつ平面視で該フロントフレーム7の中心側よりも端部側を身体側に傾斜させた傾斜面24であって、前記第一及び第二フロントパッド20、21の身体への接触面形状が、左右の寛骨Bの前側を押圧し寛骨Bを前方外側から後方中央へ誘導可能に形成した傾斜面24を形成しており、ガラス含有樹脂、合成樹脂又はゴム等の圧迫しても骨が痛くない程度の弾力性及び骨を圧迫する硬さの双方を満足させる材料から形成される。
前記第一及び第二フロントパッド20、21の身体への接触面形状が、左右の寛骨Bの前側を押圧し寛骨Bを前方外側から後方中央へ誘導可能に形成した傾斜面24とすることによって、第一フロントパッド20及び第二フロントパッド21の傾斜面24が左右の寛骨Bの前側の突起部分を前方から後方に押し込みやすくなり、仙腸関節Jのずれが是正され骨盤Aの歪みが矯正される。
次に、寛骨後部圧迫部3について説明する。図3、図4及び図6に示すように、寛骨後部圧迫部3は、少なくとも左右の仙腸関節Jを圧迫可能な横方向の長さを有するバックフレーム8と、該バックフレーム8の内側の左側端部に配設した第一バックパッド30及び右側端部に配設した第二バックパッド31と、該バックフレーム8の身体側である内側に配設した該第一バックパッド30及び第二バックパッド31の位置のバックフレーム8を挟んだ、それぞれのバックフレーム8の外側の位置に前記2本の締付ベルト9をそれぞれ上下で別々に挿通させるベルト挿通部36とを備えている。
バックフレーム8は、身体の後面に当接する正面視で帯状であり、左右のサイド部40と中央のセンター部41とからなる。左右のサイド部40は、平面視で直線状や円弧状等があるがその形状は限定されないし、薄板状であるが硬質合成樹脂、硬質ゴム、アルミニウム等の非鉄金属や木材等の剛性を有する材料からなる。また、センター部41は、正面視で帯状であり、可撓性を有する材料からなる。そして、バックフレーム8は左右のサイド部40及びセンター部41からなる一体型、又はセンター部41を有さず左右のサイド部40からなる分割型のいずれでもよい。前記センター部41が可撓性を有することから、左右のサイド部40が身体の外周面の曲面状の変化に追従しやすい。
第一バックパッド30は前記バックフレーム8の身体側に当接する側の左側端部に配設され、第二バックパッド31は前記バックフレーム8の身体側に当接する側の右側端部に配設される。そして、第一バックパッド30及び第二バックパッド31は、それぞれ正面視で少なくとも左右の仙腸関節Jのそれぞれ一方を圧迫可能な大きさの面積を有する四角形状、多角形状や楕円形状等の形状を有し、かつ平面視で該バックフレーム8の中心側よりも端部側を身体側に傾斜させた傾斜面34であって、前記第一及び第二バックパッド30、31の身体への接触面形状が、左右の寛骨Bの後側を押圧し寛骨Bを後方外側から中央へ誘導可能に形成した傾斜面34を形成しており、ガラス含有樹脂、合成樹脂又はゴム等の圧迫しても骨が痛くない程度の弾力性及び骨を圧迫する硬さの双方を満足させる材料から形成される。
前記第一及び第二バックパッド30、31の身体への接触面形状が、左右の寛骨Bの後側を押圧し寛骨Bを後方外側から中央へ誘導可能に形成した傾斜面34からなることによって、第一バックパッド30及び第二バックパッド31の傾斜面34が左右の寛骨Bの後側を身体の斜め後ろ方向から身体の中心である仙骨S側に押し込みやすくなり、仙腸関節Jを圧迫することによって、左右対称な仙腸関節Jの適合性を獲得することができ、仙腸関節Jのずれを是正され骨盤Aの歪みが矯正される。
次に、胸郭前部圧迫部4について説明する。胸郭前部圧迫部4は、図3や図5に示すように、第三フロントパッド22及び第四フロントパッド23からなる。第三フロントパッド22は前記フロントフレーム7の身体側に当接する側の左側端部に配設され、第四フロントパッド23は前記フロントフレーム7の身体側に当接する側の右側端部に配設される。そして、第三フロントパッド22及び第四フロントパッド23は、それぞれ正面視で少なくとも左右の胸郭F下部の前側を圧迫可能な大きさの面積を有する、四角形状、多角形状や楕円形状等の形状を有し、かつ平面視で該フロントフレーム7の中心側よりも端部側を身体側に傾斜させた傾斜面25であって、第三及び第四フロントパッド22、23の身体への接触面形状が、左右の肋骨Gの前側を押圧し肋骨Gを前方から左右に拡張させる方向に誘導可能に形成した傾斜面25を形成しており、ガラス含有樹脂、合成樹脂又はゴム等の圧迫しても骨が痛くない程度の弾力性及び骨を圧迫する硬さの双方を満足させる材料から形成される。
前記第三及び第四フロントパッド22、23の身体への接触面形状が、左右の肋骨Gの前側を押圧し肋骨Gを前方から左右に拡張させる方向に誘導可能に形成した傾斜面25からなることにより、第三フロントパッド22及び第四フロントパッド23の傾斜面25が左右の胸郭F下部の肋骨Gの前側の突起部分を左右に拡張させやすくなり、胸郭F下部の左右非対称が是正され胸郭F下部の歪みが矯正される。
次に、胸郭後部圧迫部5について説明する。胸郭後部圧迫部5は、図3や図6に示すように、少なくとも左右の胸郭F下部の後部を圧迫可能な横方向の長さを有するバックフレーム8と、該バックフレーム8の身体側である内側の左側端部に配設した第三バックパッド32及び右側端部に配設した第四バックパッド33と、該バックフレーム8の身体側である内側に配設した該第三バックパッド32及び第四バックパッド33の位置のバックフレーム8を挟んだ、それぞれのバックフレーム8の外側の位置に前記2本の締付ベルト9をそれぞれ上下で別々に挿通させるベルト挿通部36とを備えている。
バックフレーム8は、身体の後面に当接する正面視で帯状であり、左右のサイド部40と中央のセンター部41とからなる。左右のサイド部40は、平面視で直線状や円弧状等があるがその形状は限定されないし、薄板状であるが硬質合成樹脂、硬質ゴム、アルミニウム等の非鉄金属や木材等の剛性を有する材料からなる。また、センター部41は、正面視で帯状であり、可撓性を有する材料からなる。そして、バックフレーム8は左右のサイド部40及びセンター部41からなる一体型、又はセンター部41を有さず左右のサイド部40からなる分割型のいずれでもよい。前記センター部41が可撓性を有していることから、左右のサイド部40が身体の外周面の曲面状の変化に追従しやすい。
第三バックパッド32は前記バックフレーム8の身体側に当接する側の左側端部に配設され、第四バックパッド33は前記バックフレーム8の身体側に当接する側の右側端部に配設される。そして、第三バックパッド32及び第四バックパッド33は、それぞれ正面視で少なくとも左右の胸郭F下部の後部を圧迫可能な大きさの面積を有する四角形状、多角形状や楕円形状等の形状を有し、かつ平面視で該バックフレーム8の中心側よりも端部側を身体側に傾斜させた傾斜面35であって、第三及び第四バックパッド32、33の身体への接触面形状が、左右の肋骨Gの後側を押圧し肋骨Gの前側が左右に拡張するように肋骨Gの後側を押し出すように誘導可能に形成した傾斜面35を形成しており、ガラス含有樹脂、合成樹脂又はゴム等の圧迫しても骨が痛くない程度の弾力性及び骨を圧迫する硬さの双方を満足させる材料から形成される。
前記第三及び第四バックパッド32、33の身体への接触面形状が、左右の肋骨Gの後側を内側に向けて押圧し肋骨Gの前側が左右に拡張するように誘導可能に形成した傾斜面35からなることにより、胸郭F下部の肋骨Gの前側を左右に拡張させるように胸郭F下部の後側を内側に向けて押圧することにより、胸郭F下部の左右非対対称が是正され胸郭F下部の歪みが矯正される。
次に、寛骨前部圧迫部2、寛骨後部圧迫部3、胸郭前部圧迫部4及び胸郭後部圧迫部5と、身体の周りに巻き付けるための身体装着具6との関連について、寛骨前部圧迫部2、寛骨後部圧迫部3、胸郭前部圧迫部4及び胸郭後部圧迫部5を装着させた組み合わせからなる姿勢矯正器1の場合について説明する。なお、他の圧迫部の組み合わせの場合はそれぞれの単独の圧迫部の動きの組み合わせと同じである。
まず、身体の骨盤A近傍の腰部の外周を包囲する態様で該身体に装着した寛骨前部圧迫部2及び寛骨後部圧迫部3について説明する。第一ベルト巻取り機構10の上側の締付ベルト9を巻き取る方向に操作をすると、身体の左側の第一フロントパッド20及び第一バックパッド30の上側が優先されて身体を締め付け、前記第一ベルト巻取り機構10の下側の締付ベルト9を巻き取る方向に操作をすると、身体の左側の第一フロントパッド20及び第一バックパッド30の下側が優先されて身体を締め付け、前記第二ベルト巻取り機構11の上側の締付ベルト9を巻き取る方向に操作をすると、身体の右側の第二フロントパッド21及び第二バックパッド31の上側が優先されて身体を締め付け、前記第二ベルト巻取り機構11の下側の締付ベルト9を巻き取る方向に操作をすると、身体の右側の第二フロントパッド21及び第二バックパッド31の下側が優先されて身体を締め付けることができる。
したがって、寛骨前部圧迫部2及び寛骨後部圧迫部3を身体に装着するときに、第一フロントパッド20、第二フロントパッド21、第一バックパッド30及び第二バックパッド31の身体に対する押圧力を自在に調整することができ、寛骨前部圧迫部2及び寛骨後部圧迫部3を身体に装着した状態で足踏み、歩行又はスクワット等の簡単な体操をしたときに緩みを感じたときにその緩みを感じた部位のみの押圧力を調整することができ、常に自在な押圧力を身体に与えることができるので、仙腸関節Jのずれや骨盤Aの歪みを解消させやすくなる。
次に、身体の胸郭F下部の外周を包囲する態様で該身体に装着した胸郭前部圧迫部4及び胸郭後部圧迫部5について説明する。前記第一ベルト巻取り機構10の上側の締付ベルト9を巻き取る方向に操作をすると、身体の左側の第三フロントパッド22及び第三バックパッド32の上側が優先されて身体を締め付け、前記第一ベルト巻取り機構10の下側の締付ベルト9を巻き取る方向に操作をすると、身体の左側の第三フロントパッド22及び第三バックパッド32の下側が優先されて身体を締め付け、前記第二ベルト巻取り機構11の上側の締付ベルト9を巻き取る方向に操作をすると、身体の右側の第四フロントパッド23及び第四バックパッド33の上側が優先されて身体を締め付け、前記第二ベルト巻取り機構11の下側の締付ベルト9を巻き取る方向に操作をすると、身体の右側の第四フロントパッド23及び第四バックパッド33の下側が優先されて身体を締め付けることができる。
したがって、胸郭前部圧迫部4及び胸郭後部圧迫部5を身体に装着するときに、第三フロントパッド22、第四フロントパッド23、第三バックパッド32及び第四バックパッド33の身体に対する押圧力を自在に調整することができ、胸郭前部圧迫部4及び胸郭後部圧迫部5を身体に装着した状態で呼吸、左右屈又は腕回し等の簡単な体操をしたときに緩みを感じたときにその緩みを感じた部位のみの押圧力を調整することができ、常に自在な押圧力を身体に与えることができるので、肋骨Gの左右非対称や胸郭F下部の歪みを解消させやすくなる。
本実施形態に係る姿勢矯正器1は、次のように使用することができる。なお、この姿勢矯正器1は、その使用によって骨の歪みを矯正しながら足踏み、歩行、スクワットなどの簡単な動作を行うことにより、骨や関節に歪みがない状態での運動パターンを脳と全身の筋肉に学習させて矯正を容易にする。ベルト巻取り機構がラチェット機構で、寛骨前部圧迫部2、寛骨後部圧迫部3、胸郭前部圧迫部4及び胸郭後部圧迫部5を装着させた組み合わせからなる姿勢矯正器1の場合について説明する。
最初に、寛骨前部圧迫部2及び寛骨後部圧迫部3を装着した姿勢矯正器1を、身体の骨盤A近傍の腰部の外周を包囲する態様で該身体に装着する方法を図3や図9等により説明する。
まず、第一ベルト巻取り機構10を取付プレート52の部分でフロントフレーム7から外した状態で、当該フロントフレーム7を身体の前面側に配置すると共に、締付ベルト9を身体の背面側から前面側に回した後、第一ベルト巻取り機構10と一体化されている取付プレート52を係止突起50に係合させてフロントフレーム7に取付ける。この状態でバックフレーム8は身体の背面側に位置する。
次に、二つの第一ベルト巻取り機構10及び二つの第二ベルト巻取り機構11のそれぞれのラチェットハンドル53を適宜操作して二本の締付ベルト9を締め、これによりフロントフレーム7の第一フロントパッド20が左側の寛骨Bの左側前端部を仙骨Sに向けて締め付けると共に、第二フロントパッド21が右側の寛骨Bの右側前端部を仙骨Sに向けて締め付ける。この際、第一フロントパッド20及び第二フロントパッド21は傾斜面24を備えているので、左右両方の寛骨Bを仙骨Sに向けて効果的に締め付けることができる。
また、この状態において、バックフレーム8が身体の背面に当接し、第一バックパッド30が左側の寛骨Bの後端部を仙骨Sに向けて締め付けると共に、第二バックパッド31が右側の寛骨Bの後端部を仙骨Sに向けて締め付ける。この際、第一バックパッド30及び第二バックパッド31は傾斜面34を備えているので、左右両方の寛骨Bを仙骨Sに向けて効果的に締め付けることができる。
次に、胸郭前部圧迫部4及び胸郭後部圧迫部5を装着した姿勢矯正器1を、身体の胸郭F下部の外周を包囲する態様で該身体に装着する方法を図3、図10及び図11等により説明する。
まず、第一ベルト巻取り機構10を取付プレート52の部分でフロントフレーム7から離脱させた状態で、フロントフレーム7を身体の前面側に配置すると共に、締付ベルト9を身体の背面側から前面側に回した後、第一ベルト巻取り機構10と一体化されている取付プレート52を係止突起50に係合してフロントフレーム7に取付ける。この状態でバックフレーム8は身体の背面側に位置する。身体への取付け位置は図10に示すように胸郭Fの下位部R2の位置である。
次に、二つの第一ベルト巻取り機構10及び二つの第二ベルト巻取り機構11のそれぞれのラチェットハンドル53を適宜操作して二本の締付ベルト9を締め、これによりフロントフレーム7の第三フロントパッド22が左側の肋骨Gを左右方向で拡げるように締め付けると共に、第四フロントパッド23が右側の肋骨Gを左右方向で拡げるように締め付ける。この際、第三フロントパッド22及び第四フロントパッド23は傾斜面25を備えているので、左右両方の肋骨Gを左右方向で拡げるように効果的に締め付けることができる。
また、この状態において、バックフレーム8が身体の背面に当接し、第三バックパッド32が左側の胸郭F下部の後端部を前側の胸郭F下部が拡がるように締め付けると共に、第四バックパッド33が右側の胸郭F下部の後端部を前側の胸郭F下部が拡がるように締め付ける。この際、第三バックパッド32及び第四バックパッド33は傾斜面35を備えているので、左右両方の胸郭F下部の前側を左右方向で拡げるように効果的に締め付けることができる。
図12に示すように、使用者Hへの装着が完了したので、歩行、足踏みあるいはスクワットなどの軽い運動、及び、呼吸、前後屈、腕を回す等の胸郭Fから上の部位を使った運動を行う。
歩行、足踏みあるいはスクワットなどの軽い運動を行うことによって、仙骨Sの前部が前方から後方に押圧され、仙骨Sの後部が左右方向で外方向から中心方向に押圧されて仙骨Sの左右非対称状態が左右対称に是正され、仙腸関節Jのずれや骨盤Aの歪みが解消する。
また、呼吸、前後屈、腕を回す等の運動を行うことによって、胸郭F下部が左右方向に拡がるようになり、図10に示す胸郭Fの上位部R1が上方に動くが、胸郭Fの下位部R2は第三及び第四フロントパッド22、23で締め付けられているので上方には動かないようになって、肋骨Gの左右非対称が是正され、胸郭Fの歪みが解消する。
さらに、動作を続けながら緩みが締付ベルト9に発生すると、該締付ベルト9を、第一ベルト巻取り機構10や第二ベルト巻取り機構11によって締める。すなわち、締付ベルト9を締めた状態で動き、緩むと締めるといった操作を継続することによって骨盤Aや胸郭F下部の歪みを矯正する。
なお、この姿勢矯正器1による歪み矯正は、一回あたり10分程度で、一週間に2〜3回行うのが好ましい。通常、1〜2回程度の使用で姿勢が改善する。
1 姿勢矯正器
2 寛骨前部圧迫部
3 寛骨後部圧迫部
4 胸郭前部圧迫部
5 胸郭後部圧迫部
6 身体装着具
7 フロントフレーム
8 バックフレーム
9 締付ベルト
10 第一ベルト巻取り機構
11 第二ベルト巻取り機構
20 第一フロントパッド
21 第二フロントパッド
22 第三フロントパッド
23 第四フロントパッド
24 傾斜面
25 傾斜面
30 第一バックパッド
31 第二バックパッド
32 第三バックパッド
33 第四バックパッド
34 傾斜面
35 傾斜面
36 ベルト挿通部
40 サイド部
41 センター部
50 係止突起
51 解除レバー
52 取付プレート
53 ラチェットハンドル
54 ラチェット歯車
55 支持ピン
A 骨盤
B 寛骨
S 仙骨
J 仙腸関節
F 胸郭
G 肋骨
R1 上位部
R2 下位部

Claims (2)

  1. 身体の骨盤近傍の腰部の外周を包囲する態様で該身体に装着し骨盤の歪みを矯正する器具、及び/又は、身体の胸郭下部の外周を包囲する態様で該身体に装着し胸郭下部の歪みを矯正する器具を備える姿勢矯正器であって、
    左右の寛骨の前側近傍の腹部に当接する寛骨前部圧迫部、左右の寛骨の後側近傍の腰部に当接する寛骨後部圧迫部、左右の胸郭下部の前側近傍に当接する胸郭前部圧迫部、及び左右の胸郭下部の後側近傍に当接する胸郭後部圧迫部の四つの圧迫部のうちの少なくとも一つ以上の組み合わせと、
    身体の前側の腹部又は胸郭下部の横方向の長さを有する略帯状体のフロントフレームと、該フロントフレームの外側の左側端部に上下に配設した二つの第一ベルト巻取り機構及び右側端部に上下に配設した二つの第二ベルト巻取り機構と、一端部が前記第一ベルト巻取り機構に締結され、他端部が前記第二ベルト巻取り機構に締結された二本の伸縮しない締付ベルトとを備えた身体の外周を包囲する態様で装着する身体装着具と、を備え、
    身体の骨盤近傍の腰部の外周及び身体の胸郭下部の外周の2箇所の外周を包囲する場合は二つの前記身体装着具を構成要素とし、身体の骨盤近傍の腰部の外周又は身体の胸郭下部の外周の1箇所の外周を包囲する場合は一つの前記身体装着具を構成要素とし、
    前記寛骨前部圧迫部が、前記フロントフレームの内側の左側端部に配設した第一フロントパッド及び右側端部に配設した第二フロントパッドを備え、前記第一及び第二フロントパッドの身体への接触面形状が、左右の寛骨の前側を押圧し寛骨を前方外側から後方中央へ誘導可能に形成した傾斜面からなり、
    前記寛骨後部圧迫部が、左右の寛骨の後部を圧迫可能な横方向の長さを有するバックフレームと、該バックフレームの内側の左側端部に配設した第一バックパッド及び右側端部に配設した第二バックパッドと、該第一及び第二バックパッドの配設位置のバックフレームを挟んだそれぞれのバックフレームの外側の位置に前記2本の締付ベルトをそれぞれ上下で別々に挿通させるベルト挿通部とを備え、該ベルト挿通部に前記締付ベルト挿通させて、前記第一及び第二バックパッドの身体への接触面形状が、左右の寛骨の後側を押圧し寛骨を後方外側から中央へ誘導可能に形成した傾斜面からなり、
    前記胸郭F前部圧迫部が、前記フロントフレームの内側の左側端部に配設した第三フロントパッド及び右側端部に配設した第四フロントパッドを備え、前記第三及び第四フロントパッドの身体への接触面形状が、左右の肋骨の前側を押圧し肋骨を前方から左右に拡張させる方向に誘導可能に形成した傾斜面からなり、
    前記胸郭後部圧迫部が、左右の肋骨の後部を圧迫可能な横方向の長さを有するバックフレームと、該バックフレームの内側の左側端部に配設した第三バックパッド及び右側端部に配設した第四バックパッドと、該第三及び第四バックパッドの配設位置のバックフレームを挟んだそれぞれのバックフレームの外側の位置に前記2本の締付ベルトをそれぞれ上下で別々に挿通させるベルト挿通部とを備え、該ベルト挿通部に前記締付ベルトを挿通させて、前記第三及び第四バックパッドの身体への接触面形状が、左右の肋骨の後側を内側に向けて押圧し肋骨の前側が左右に拡張するように誘導可能に形成した傾斜面からなり、
    前記第一ベルト巻取り機構の上側の締付ベルトを巻き取る方向に操作をすると、身体の左側の第一又は第三フロントパッド、並びに/あるいは、第一又は第三バックパッドの上側が優先されて身体を締め付け、前記第一ベルト巻取り機構の下側の締付ベルトを巻き取る方向に操作をすると、身体の左側の第一又は第三フロントパッド、並びに/あるいは、第一又は第三バックパッドの下側が優先されて身体を締め付け、前記第二ベルト巻取り機構の上側の締付ベルトを巻き取る方向に操作をすると、身体の右側の第二又は第四フロントパッド、並びに/あるいは、第二又は第四バックパッドの上側が優先されて身体を締め付け、前記第二ベルト巻取り機構の下側の締付ベルトを巻き取る方向に操作をすると、身体の右側の第二又は第四フロントパッド、並びに/あるいは、第二又は第四バックパッドの下側が優先されて身体を締め付けることを特徴とする姿勢矯正器。
  2. 前記第一ベルト巻取り機構又は前記第二ベルト巻取り機構が前記フロントフレームに対して着脱自在としたことを特徴とする請求項1に記載の姿勢矯正器。
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